JP5436825B2 - アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金粉末、その製造方法及びアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Description
ニッケル水素二次電池の負極用の水素吸蔵合金としては、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金が開発されている(例えば特許文献1参照)。希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金は、従来使われてきた希土類-Ni系水素吸蔵合金に比べて水素吸蔵量が多く、ニッケル水素二次電池の高容量化に適している。
このような問題を解決すべく種々の技術が開発されている。例えば、特許文献2が開示するアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金では、希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含む水素吸蔵合金粒子の表面に、酸素濃度が10重量%以上の表面層が形成されている。この表面層におけるマグネシウムの濃度は、酸素濃度が10重量%未満になった中心部におけるマグネシウムの濃度の3.0〜7.5倍にされている。具体的には、特許文献2によれば、組成がLa0.17Pr0.34Nd0.34Mg0.17Ni3.1Al0.2の水素吸蔵合金の粉末が水酸化カリウム水溶液に浸漬される。
これに対し、自己放電が抑制されたニッケル水素二次電池は、ユーザーが空いている時間に一度充電をしておけば、放置しても容量が減少しないため、いつでも使用することができるというメリットがある。この様なメリットを十分に活かすことにより、あたかも乾電池の様な使い勝手でニッケル水素二次電池を使えるようになるものと考えられる。
一方、発明者等は、負極に用いられる水素吸蔵合金のB/A比を3.35以下に規制することで、放置後の作動電圧低下が抑制されることを見出した。しかしながら、それでも放置による作動電圧低下を完全には抑制できていない。特に、充放電サイクルが進行した後は、放置による作動電圧低下を完全には抑制できていない。
また、特許文献2の水素吸蔵合金を用いたときに作動電圧が低下するのは、充放電サイクルが進行するにつれ、水素吸蔵合金が微粉化することに起因していることが判明した。すなわち、微粉化により表面処理されていない通常の組成の合金が表面に出現し、ここからAlが溶け出して正極に移行することが判明した。
本発明の一態様によれば、一般式:Ln 1−w Mg w Ni x Al y
(ただし、式中、Lnは、La,Ce,Pr, Nd, Pm,Sm, Eu,Gd, Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字w,x,yはそれぞれ0.08≦w≦0.13,0.05<y<0.20,3.15≦x+y≦3.50で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金の核と、前記核の表面に一体に形成され、前記組成に比べてアルミニウムの濃度が低減された表面層とを備えることを特徴とするアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金粉末が提供される(請求項1)。
るアルミニウムの平均質量濃度をA1、酸素濃度が10質量%未満である前記粉末の内部にお
けるアルミニウムの平均質量濃度をA2としたときに、A1/A2≦0.18である(請求項2)。
また、本発明の一態様によれば、一般式:Ln 1−w Mg w Ni x Al y
(ただし、式中、Lnは、La,Ce,Pr, Nd, Pm,Sm, Eu,Gd, Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字w,x,yはそれぞれ0.08≦w≦0.13,0.05<y<0.20,3.15≦x+y≦3.50で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金の粉末をアルカリ水溶液に浸漬して前記粉末の表面からアルミニウムの少なくとも一部を除去する工程を備えることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製造方法が提供される(請求項3)。
好ましくは、アルカリ蓄電池は前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータを備え、前記正極は水酸化ニッケルを活物質として含み、前記セパレータはスルホン基を有する繊維を含む(請求項5)。
一方、核を構成している水素吸蔵合金の組成についてみると、添字wの上限が0.13であり、Mg含有量が少ない。この組成によれば、充放電サイクルが進行しても、核が微粉化し難く、アルミニウム濃度の高い部分が表面に現れることが防止される。
請求項2のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末では、A1/A2が0.18以下であることにより、アルカリ電解液との接触により表面層から溶け出すアルミニウム量が確実に低減される。
請求項4のアルカリ蓄電池では、負極が上記アルカリ蓄電池用吸蔵合金粉末を含むので、放置による作動電圧低下、特に充放電サイクル進行後の放置による作動電圧低下が抑制される。
かくして、本発明によれば、放置による作動電圧の低下、特に、充放電サイクル進行後の放置による作動電圧低下が抑制されたアルカリ蓄電池が提供され、その工業的価値は極めて高い。
この電池は例えばAAサイズの円筒形電池であり、図1に示したように、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備えている。外装缶10の底壁は導電性を有し、負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、リング状の絶縁パッキン12を介して導電性を有する円板形状の蓋板14が配置され、これら蓋板14及び絶縁パッキン12は外装缶10の開口縁をかしめ加工することにより外装缶10の開口縁に固定されている。
外装缶10には、電極群22が収容されている。電極群22は、横断面でみてそれぞれ渦巻き形状の正極24、負極26及びセパレータ28からなり、正極24と負極26の間にセパレータ28が挟まれている。即ち、セパレータ28を介して正極24及び負極26が互い重ね合わされている。電極群22の最外周は負極26の一部(最外周部)により形成され、負極26の最外周部が外装缶10の内周壁と接触することで、負極26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。なお、正極24、負極26及びセパレータ28については後述する。
正極24は、多孔質構造を有する導電性の正極基板と、正極基板の空孔内に保持された正極合剤とからなる。
なお、正極活物質粒子は、この電池がニッケル水素二次電池なので水酸化ニッケル粒子であるけれども、水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよい。好ましくは、水酸化ニッケル粒子の表面は、アルカリ熱処理されたコバルト化合物で被覆されている。
結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができる。
負極26は、帯状をなす導電性の負極基板(芯体)を有し、この負極基板に負極合剤が保持されている。負極基板は、貫通孔が分布されたシート状の金属材からなり、例えば、パンチングメタルを用いることができる。従って、負極合剤は、負極基板の貫通孔内に充填されるとともに、負極基板の両面上に層状にして保持される。
から構成されている。
核40を構成する水素吸蔵合金は、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金であって、主たる結晶構造がCaCu5型ではなく、AB5型構造とAB2型構造とを合わせた超格子構造であり、その組成が一般式:
Ln 1−w Mg w Ni x Al y …(1)
で示される。
なお、図1では、説明の都合上から核40と表面層42との境界を明確に示したが、核40と表面層42とは原料粉末を表面処理することにより一体に形成されているため、これらの間の境界は明確ではない。そこで、本明細書における表面層42とは、水素吸蔵合金粉末36において、その表面から、酸素濃度が10質量%以上である深さまでの領域であると定義しておく。
なお、表面層42の厚さ(深さ)は、オージェ電子分光分析とArスパッタとを組み合わせた深さ方向組成分析により測定することができる。ただし、測定される深さは、実際のスパッタ時間(min)にSi基板上に形成されたSiO2膜でのスパッタレート(Å/min)を乗じて得られる換算値(SiO2換算値)である。従って、本明細書における表面層42の具体的な厚さは、全てSiO2換算値である。
まず、一般式(1)の組成となるよう金属原料を秤量して混合し、この混合物を例えば高周波溶解炉で溶解してインゴットにする。得られたインゴットに、900〜1200℃の温度の不活性ガス雰囲気下にて5〜24時間加熱する熱処理を施し、インゴットの金属組織をAB5型構造とAB2型構造とを合わせた超格子構造にする。この後、インゴットを粉砕し、篩分けにより所望粒径に分級して、所望粒径の水素吸蔵合金粉末の原料を得る。
ここで、処理液としては、酸性水溶液及びアルカリ水溶液を用いることができるが、アルカリ水溶液を用いるのが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、及び、水酸化リチウム水溶液等を用いることができる。アルカリ水溶液の濃度は、好ましくは、5規定以上9規定以下の範囲に設定される。浸漬する処理液の温度は、好ましくは、35℃以上60℃以下の範囲に設定される。また、処理液への浸漬時間は、好ましくは、30分以上90分以下の範囲に設定される。
また水素吸蔵合金粉末36では、表面層42のアルミニウム濃度が、核40のアルミニウム濃度よりも低い。このため、アルカリ電解液との接触により表面層42から溶け出すアルミニウムの量が低減され、正極24に移行するアルミニウムの量も抑制される。
これらの結果、この水素吸蔵合金粉末36を用いたニッケル水素二次電池では、放置による作動電圧低下、特に充放電サイクル進行後の放置による作動電圧低下が抑制される。
更に、好ましい態様として、水素吸蔵合金粉末36の製造方法では、処理液としてアルカリ水溶液を用いることで、アルミニウム濃度が低減された表面層42が確実に形成される。
また更に、好ましい態様として、セパレータ28の繊維がスルホン基を有していれば、負極からアルミニウムが溶け出したとしても、セパレータ28のスルホン基がアルミニウムを吸着する。このため、正極24へのアルミニウムの移行がより一層抑制される。
実施例1
(1)負極の作製
希土類系成分の内訳が、原子数比で、22%のLa、30%のNd、20%のSm、20%のGd及び8%のYになるように希土類系成分の原材料を用意し、そして、希土類系成分の原材料、Mg、Ni及びAlを原子数比で0.90:0.10:3.18:0.12の割合で含有する水素吸蔵合金の塊を誘導溶解炉を用いて調製した。この合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、組成が(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.90Mg0.10Ni3.18Al0.12で表わされる超格子構造の希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金のインゴットを得た。
この合金粉末に対して、温度が25℃で濃度が8規定の水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬させる浸漬処理を施した。この後、浸漬処理した水素吸蔵合金粉末を水洗し、乾燥させて、アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末を得た。
このスラリーを、Niめっきを施した厚さ60μmのFe製パンチングメタルの両面の全面に均等に、かつ厚さが一定になるように塗着した。スラリーの乾燥を経て、このパンチングメタルをプレスして裁断し、1枚あたりの水素吸蔵合金粉末量が9.0gであるAAサイズのニッケル水素二次電池用の負極を作製した。
(2)正極の作製
金属Niに対して、Znが3質量%、Coが1質量%の比率となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛および硫酸コバルトの混合水溶液を調製し、この混合水溶液に攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加した。この際、反応中のpHを13〜14に保持して水酸化ニッケル粒子を析出させ、この水酸化ニッケル粒子を10倍量の純水にて3回洗浄したのち、脱水、乾燥した。
(3)ニッケル水素二次電池の組立て
上記のようにして得られた負極及び正極を、ポリプロピレンまたはナイロン製の不織布よりなるセパレータを介して渦巻状に巻回して電極群を形成した。この電極群を外装缶に収容したのち、この外装缶内に、アルカリ電解液として、リチウム、カリウムを含有した濃度30質量%の水酸化ナトリウム水溶液を注入した。この後、外装缶の開口端を蓋板等で塞ぎ、図1に示した構成の電池を組み立てた。組み立てられたニッケル水素電池は、AAサイズであり、その公称容量は2500mAhである。
実施例2
処理液の温度を45℃にした以外は実施例1の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例3
処理液の温度を60℃にした以外は実施例1の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
処理液の温度を80℃にした以外は実施例1の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例5
希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金の組成を(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.87Mg0.13Ni3.18Al0.12にしたこと以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.90Mg0.10Ni3.38Al0.12にしたこと以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例7
処理液として、水酸化カリウム水溶液に代えて、濃度が0.01規定の塩酸を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
浸漬処理を行わなかった以外は実施例1の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例2
処理液の温度を10℃にした以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
浸漬処理の時間を10分にした以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例4
希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金の組成を(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.85Mg0.15Ni3.18Al0.12にしたこと以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.90Mg0.10Ni3.43Al0.12にしたこと以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例6
水素吸蔵合金の組成を(La0.22Nd0.30Sm0.20Gd0.20Y0.08)0.90Mg0.10Ni3.10Al0.12にしたこと以外は実施例2の場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
(1)活性化処理
実施例1〜7及び比較例1〜6の各電池について、活性化処理として、0.1Cの電流で16時間充電してから、0.2Cの電流で終止電圧0.5Vまで放電させる充放電処理を2回繰り返した。
(2)初期の放置前後での作動電圧変化量の評価
活性化処理を施した実施例1〜7及び比較例1〜6の各電池について、1.0Cの電流で1時間充電してから1.0Cの電流で終止電圧0.8Vまで放電させる電池容量測定を行った。この測定結果において、放電時間の中間点での電圧を初期放置前作動電圧とする。
(3)充放電サイクル100回後の放置前後での作動電圧変化量の評価
活性化処理を施した実施例1〜7及び比較例1〜6の各電池について、1.0Cの電流で1時間充電してから1.0Cの電流で終止電圧0.8Vまで放電させる充放電サイクルを100回繰り返した。
100サイクル後作動電圧の評価にて放電させた各電池を、1.0Cの電流で1時間充電してから、60℃の雰囲気で1ヶ月保存した。この保存後、各電池について、1.0Cの電流で1時間充電してから1.0Cの電流で終止電圧0.8Vまで放電させる電池容量測定を行った。この測定結果において、放電時間の中間点での電圧を100サイクル放置後作動電圧として求めた。各電池について100サイクル放置前作動電圧から100サイクル放置後作動電圧への変化量(単位:mV)を表2に示す。
100サイクル放置後作動電圧を測定した各電池から、アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末を取り出し、その表面層の厚さ、A1/A2比、及び、平均粒径を測定した。測定結果を表2に示す。
酸素濃度が10質量%以上である表面層におけるアルミニウムの平均濃度A1及び、酸素濃度が10質量%未満である核におけるアルミニウムの平均濃度A2も、上記深さ方向組成分析結果から求め、A1/A2比を演算した。
表2からは以下のことが明らかである。
(1)合金に浸漬処理を施さなかった比較例1に対し、水酸化カリウムで浸漬処理した実施例1では、初期の放置前後作動電圧の変化量、100サイクル後の放置前後作動電圧変化量共に減少している。これは、アルカリ水溶液で原料粉末の表面を処理したことにより、アルカリ水溶液中に水素吸蔵合金粉末表面のアルミニウムが溶け出すことが抑制されたためと考えられる。そしてこれにより、放置による正極へのアルミニウムの移行が抑制され、作動電圧低下が抑制されたものと考えられる。
(2)水酸化カリウム溶液の温度をそれぞれ45℃、60℃及び80℃とした実施例2、3及び4では、放置後の作動電圧低下は更に抑制されている。ただし、25℃から45℃に変更したときの抑制幅に比べ、45℃から60℃又は80℃に変更したときの抑制幅は小さい。このことと、アルカリ水溶液をあまり高温にすると取扱に危険が伴うことから、処理温度は45℃程度(43℃〜47℃)が望ましいと考えられる。
(4)原料の組成を変更した比較例4、5及び6では、原料粉末に対してアルカリ水溶液で処理を実施しているにもかかわらず、作動電圧低下が十分に抑制されていない。特に、100サイクル後の放置後作動電圧の低下が大きい。
抑制されなかったと考えられる。すなわち、アルミニウム含有量が多い場合、表面処理によりアルミニウムをある程度取り除いても、表面にアルミニウムがまだ残ってしまい、アルミニウムが溶け出してしまうものと考えられる。
(5)実施例5と比較例4の比較から、Mg量を表す添字wの上限は0.13以下、実施例6と比較例5の比較から、希土類系元素とMgを除く成分の量(BA比)を表す添字xとyの和(x+y)の上限は3.50以下、比較例6の結果から、アルミニウムの量を表す添字yは0.20未満がそれぞれ望ましいと考えられる。ただし、Mg量をあまりに下げると、水素吸蔵量が低下し、電池特性が低下するため、添字wの下限は0.08以上であることが望ましい。同様にx+yの下限は3.15以上、添字yの下限は0.05より大きいことが望ましい。
以上
本発明は上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えばニッケル水素二次電池は、角形電池であってもよく、機械的な構造は格別限定されることはない。
36 水素吸蔵合金粉末
40 核
42 表面層
Claims (5)
- 一般式:
Ln 1−w Mg w Ni x Al y
(ただし、式中、Lnは、La,Ce,Pr, Nd, Pm,Sm, Eu,Gd, Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字w,x,yはそれぞれ0.08≦w≦0.13,0.05<y<0.20,3.15≦x+y≦3.50で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金の核と、
前記核の表面に一体に形成され、前記組成に比べてアルミニウムの濃度が低減された表面層と
を備えることを特徴とするアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金粉末。 - 前記粉末の表面から酸素濃度が10質量%以上である深さまでの範囲におけるアルミニウムの平均質量濃度をA1、酸素濃度が10質量%未満である前記粉末の内部におけるアルミニウムの平均質量濃度をA2としたときに、A1/A2≦0.18である
ことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金粉末。 - 一般式:
Ln 1−w Mg w Ni x Al y
(ただし、式中、Lnは、La,Ce,Pr, Nd, Pm,Sm, Eu,Gd, Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字w,x,yはそれぞれ0.08≦w≦0.13,0.05<y<0.20,3.15≦x+y≦3.50で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金の粉末をアルカリ水溶液に浸漬して前記粉末の表面からアルミニウムの少なくとも一部を除去する工程を備えることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製造方法。 - 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、前記負極の水素吸蔵合金に請求項1又は2に記載のアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金粉末を用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータを備え、
前記正極は水酸化ニッケルを活物質として含み、
前記セパレータはスルホン基を有する繊維を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ蓄電池。
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