液晶表示装置(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイは、提供される情報を認識するのに必要な照明装置を内蔵しているタイプが普及している。
この照明装置で消費する電力は、液晶表示装置全体で消費する電力の相当部分を占める。
従って、所定の輝度を提供するのに必要な照明装置の消費電力を低減することは、液晶表示装置全体の省電力化に寄与することができる。
ところで、液晶表示装置に使用される照明装置として、主に直下方式とエッジライト方式とが挙げられる。直下方式の照明装置は、光源を多数配置することが可能であるため、大型の(主として20インチ以上の)液晶表示装置に適用されている。
一方、エッジライト方式は光源の配置位置が限定されるため、大型化には向かず、主としてノート型パソコン、液晶モニター、携帯情報端末等に適用されている。
しかし最近では、照明装置用の光源として冷陰極管に替わってLED(Light Emitting Diode 発光ダイオード)が採用され始めたことにより、低消費電力化が図れ、薄型化の容易なエッジライト方式が、20インチ以上の中型ないし大型液晶表示装置へ採用され始めている。
上述の通り、エッジライト方式は、導光板と呼ばれる透光性の板の端面にのみ光源が配置される構造のため、光源設置数に限界がある。従って液晶表示装置が大型になるにつれ、ディスプレイ全体を明るくすることは難しくなり、輝度を向上させる光学シートの役割が重要となる。
液晶表示装置の表示画面の輝度を向上させる手段として、特許文献1〜3に示されるようなレンズシートが開示されており、その代表として、米国3M社の登録商標である輝度向上フィルム(BrightnessEnhancement Film BEF)が広く使用されている。
図7は、BEF185の配置の一例を示す断面模式図であり、図8は、BEF185の斜視図である。図7、8に示すように、BEF185は、部材186上に、断面三角形状の単位プリズム187が一方向に周期的に配列された光学フィルムである。この単位プリズム187は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)とされている。
BEF185は、「軸外(off-axis)」からの光を集光し、この光を視聴者に向けて「軸上(on-axis)」に方向転換(redirect)または「リサイクル(recycle)」することができる。すなわちBEF185は、ディスプレイの使用時(観察時)に、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させることができる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視野方向F’に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向側である。
BEF185に代表されるレンズシートを用いる際に、透明基材上に拡散フィラーが塗布された拡散フィルムを導光板とレンズシートとの間に配置することによって、導光板から出射される光のムラを抑えることができる。
さらにまた、レンズシートと液晶パネルとの間に拡散フィルムを配置した場合には、プリズムシートに起因する射出光のサイドローブを低減させることができるとともに、規則的に配列されたレンズと液晶画素との間に生じるモアレ干渉縞を防ぐことができる。
一方、エッジライト方式において使用される導光板は、端面から入射される入射光を効率良く射出面へと導く光偏向面が、該射出面と対向する面に設けられることが一般的である。光偏向面としては、例えば白色のドットパターンが印刷されたもの、あるいは、レンズ形状が付与されたもの等、効率よく射出面へと導くために様々な光偏向面が提案されている。
しかしながら、どのような光偏向面であっても、規則的に配列された反射層や構造物で形成されるため、上述のBEF185に代表されるレンズシートとの干渉(モアレ干渉縞)の問題や、光偏向面のムラが視認されるといった問題があり、その解決手段としては、導光板とレンズシートとの間に、特許文献4に示されるような拡散フィルムを使用する方法が一般的である。
また、BEF185は正面方向の輝度を向上させる最も効率的なレンズシートの1つではあるが、20インチを超える中型ないし大型の液晶表示装置においては、BEF185の集光機能だけでは足りていないのが現状である。輝度を更に向上させる方法の一つとして例えばBEF185を2枚クロスに配置する方法が挙げられるが、液晶表示装置の視野角が極端に狭くなるという問題が生じる。ノートパソコンや携帯情報端末等に比べて、テレビ用途としての液晶表示装置においては、十分な視野角、特に水平方向に十分な視野角が必要となる。
従って、光偏向面の構造物を隠蔽するために集光機能をほとんど有さない拡散シートを配置せねばならず、また液晶表示装置に必要な輝度を得るためには、BEF185を1枚使用するだけでは足りないという問題がある。現状では、この双方の問題を解決する光学シートはなく、このような光学シートの出現が望まれている。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、導光板の光偏向面の構造物を隠蔽し、且つ、画面の水平方向の視野角を極端に狭くすることなく、正面方向の輝度を向上させる隠蔽構造体を備える照明ユニット並びに該照明ユニットを用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の問題を解決するために、以下のような手段を講じる。
即ち、第1の発明は、光源と、前記光源から射出される光を入射する入射面と、入射光を観察者側へと射出する射出面と、入射光を前記射出面へと導く光偏向面と、を備えた導光体と、前記射出面とは反対側の面から射出する光を反射して前記導光体へと導く反射シートと、隠蔽構造体と、を備えた照明ユニットであって、前記隠蔽構造体は、光透過性の基材と、前記基材の一方の面に、略半球形状のマイクロレンズと、複数の前記マイクロレンズ間の隙間には、少なくとも一方向に配列された第一の線状レンズとを備え、前記マイクロレンズの配置は不規則であり、かつ、前記基材の一方の面の単位面積に含まれる前記マイクロレンズの前記基材に接する面積の総和は、前記基材の場所に依らず略一定であることを特徴とする隠蔽構造体を備えた照明ユニットである。
本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体は、略半球形状のマイクロレンズと少なくとも一方向に配列された第一の線状レンズとを備えることを特徴とする。すなわち、略半球形状のマイクロレンズが、導光板の光偏向面の構造物を隠蔽し、且つ、マイクロレンズと第一の線状レンズによる正面方向への集光機能を有する。第一の線状レンズは、少なくとも一方向に配列され、あるいは二方向に配列されていても良い。二方向に配列される場合は、二方向の線状レンズが略直交することが望ましい。更に、隠蔽構造体のマイクロレンズの配置は不規則でありながらも、基材の一方の面の単位面積に含まれるマイクロレンズの基材に接する面積の総和は、基材の場所に依らず略一定であることを特徴とする。すなわち、場所による光学特性の違いや隠蔽性の違いはなく、また、導光板の光偏向面の構造物や他レンズシート、カラーフィルターとのモアレ干渉縞などを防止することができる。ここで、単位面積とは、前記基材の一方の面を凡そ10〜100分割した際の面積を表し、略一定であるとは平均値に対して±5%以内に収まることを表している。導光板は、光源からの光を入射する端面と、導光板の観察者側の面である光射出面、及び入射光を光射出面へと導く光偏向面とで形成される。光源からの光を入射する端面は、平坦面である場合と、入射光を広げることを目的として、または光源と導光板との結合効率を上げることを目的として、略プリズム形状や半円柱形状、その他凹凸形状を付与する場合とがある。光偏向面としては、白色の拡散反射ドットを印刷等によって形成したもの、またはプリズムやマイクロレンズを付与することで、屈折率差による反射によるもの等が挙げられる。光射出面は、観察者側の面であり、平坦面である場合と、更に射出光のムラや、射出角度を制御するためにプリズムや半円柱レンズ、マイクロレンズ等が形成された場合とがある。ここで導光板から射出される光は、直下型の照明ユニットを構成する拡散板からの射出光とは異なり、斜め方向に強く射出する。従って一般的な拡散フィルムやマイクロレンズシートでは、この強い斜めへの射出光を制御することは難しい。本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体は、第一の線状レンズを備えるため、一般的な拡散フィルムやマイクロレンズシートに比べて、強い斜め光の制御をすることが出来るため、大幅な輝度の増加が得られる。ここで導光板から射出される光は、正面方向を0度としたとき、60度〜80度の範囲であるのが一般的である。
第2の発明は、第1の発明に記載の照明ユニットにおいて、前記隠蔽構造体の前記基材の他方の面には、複数の凸部が形成されており、前記凸部の配置は不規則であり、かつ、前記基材の一方の面の単位面積に含まれる前記凸部の前記基材に接する面積の総和は、前記基材の場所に依らず略一定であることを特徴とする。
導光板は光の透過率が重要となるため、その端面、及び射出面は鏡面に仕上げられることが必要である。従って導光板の直上に配置される光学シートの導光板と接する面が鏡面であった場合、光学密着を起こす問題が生じる。そこで本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体は基材の他方の面に複数の凸部を形成することで、その光学密着を防止する。このとき、凸部のアスペクト比は、10%以上40%以下であることが望ましい。10%未満では、光学密着を十分に防ぐことができず、逆に、40%を超えると、輝度が大幅に低下してしまうためである。ここで、凸部のアスペクト比とは、凸部の基材と接する領域の幅に対する凸部の基材と接する面から凸部の頂点までの高さの割合のことである。また、凸部の配置は不規則でありながらも、基材の他方の面の単位面積に含まれる凸部の基材に接する面積の総和は、基材の場所に依らず略一定であることから、場所による光学特性の違いはなく、かつ、基材の一方の面に形成されたマイクロレンズや第一の線状レンズ、導光板の光偏向面の構造物や他レンズシート、カラーフィルターとのモアレ干渉縞などを防止することができる。
第3の発明は、第1〜第2の発明の何れか1つに記載の照明ユニットにおいて、前記第一の線状レンズの配列方向が、観察者側から見た際に、照明ユニットの水平方向に配列され、前記隠蔽構造体の観察者側の面には、前記第一の線状レンズの配列方向と略90度で交差する方向に配列された第二の線状レンズを備えた集光シートが配置され、前記隠蔽構造体の全光線透過率をT1、前記集光シートの全光線透過率をT2としたとき、
が成立することを特徴とする。
本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体は、導光板の光偏向面を隠蔽すると共に正面方向の輝度を向上させる。更に正面方向の輝度を向上させる手法として、第二の線状レンズを備えた集光シートを、該隠蔽構造体の観察者側の面に配することが望ましい。そのとき、隠蔽構造体を構成する第一の線状レンズの配列方向が、観察者側から見た際に、水平方向に配列され、集光シートは、第二の線状レンズが、第一の線状レンズの配列方向と略90度で交差する方向、すなわち、観察者側から見た際に、垂直方向に配列されることが望ましい。隠蔽構造体は、プリズムシートのようなサイドローブが生じず、また半球状のマイクロレンズによって拡散性能も非常に高い。つまり、集光性能と拡散性能の双方を備えるが、特に第一の線状レンズの配列方向の集光性能がより高い。従って、第一の線状レンズの配列方向を、観察者側から見て水平方向とすることで、その拡散性能によって十分な水平方向の視野を得ながら正面方向の輝度を高める。一方で集光シートは、第二の線状レンズを観察者側から見て垂直方向に配列されるため、垂直方向の集光性能を高める。このとき、隠蔽構造体の全光線透過率T1が、集光シートの全光線透過率T2より高いことが望ましい。2枚以上の光学シートを重ねて配置する際、全光線透過率の低い光学シートを上方に設置することで、組み合わせによる輝度向上効果が高まるためである。逆に全光線の高い光学シートを上方に設置した場合、輝度向上効果は得られるものの、その効果は、全光線の低い光学シートを上方に設置した場合と比べて弱まる。一般的にレンズシートは、全光線透過率が高い方が明るくなり、これは輝度が高くなるためと考えられている。しかしながら本発明者らは、光学的吸収成分を除いて、全光線透過率の低いレンズシートが、透過率は低いものの、正面方向への集光性能は高まることを見出した。すなわち、本発明の照明ユニットは、導光板の光射出面と対向する面から射出してしまう光を反射して再度入射させる反射シートを備えるため、レンズシートで反射された光は、該反射シートによって再度レンズシートへと入射する。従って、全光線透過率は低くとも、正面方向への集光性能の高いレンズシート、すなわち全光線透過率の低いレンズシートは、全光線透過率の高いレンズシートよりも明るくなる。複数の光学シートを重ねて配置する際、集光性能が高い光学シートを上方に設置することが、全体の輝度向上効果を高める設置方法である。
第4の発明は、第1〜第3の発明の何れか1つに記載の照明ユニットにおいて、前記隠蔽構造体に完全拡散光(ランバート光)を入射した際の透過率をTL1、正面方向の輝度を1としたとき、前記第一の線状レンズの延在方向と平行な配光分布において、輝度が0.5となる角度をH1とし、前記集光シートに完全拡散光を入射した際の透過率をTL2、前記第2の線状レンズの延在方向と平行な配光分布において、輝度が0.5となる角度をH2としたとき、
が成立することを特徴とする。
上述した通り、光学シートは全光線透過率が低いほど、正面方向への集光性能は高く、また集光性能が高い光学シートを、上方に設置することが望ましい。ここで全光線透過率は0度のコリメート光である。本発明者らは上述の全光線透過率の関係が、入射光を拡散光(ランバート光)としたときにおいても成立することを見出した。そして、一般的には集光性能が高い光学シートほど、正面方向の輝度を1としたとき、輝度が0.5となる角度(これ以降は半値角と呼ぶ)は小さくなる。しかしながら本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体と集光シートにおいては、この関係が逆転することを見出した。すなわち、隠蔽構造体の、第一の線状レンズの延在方向における半値角H1に比べて、集光シートの、第二の線状レンズの延在方向における半値角H2の方が大きくなる。つまり、正面方向への集光性能が高い集光シートよりも、隠蔽構造体の半値角が狭くなることを特徴としている。
第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか1つに記載の照明ユニットを構成する前記隠蔽構造体において、前記基材の一方の面の面積に対し、前記マイクロレンズが前記基材の一方の面に接する面積の総和が、25%以上80%以下の範囲で設定されてなることを特徴とする。
隠蔽構造体は、半球状のマイクロレンズが、導光板の光偏向面の隠蔽効果、正面方向への集光効果、及び拡散効果、そして同面上に配置される第一の線状レンズのサイドローブの緩和といった効果が得られる。一方で第一の線状レンズは正面方向の集光効果を高める。隠蔽構造体の基材の一方の面に対し、マイクロレンズと第一の線状レンズとがそれぞれどの割合で配置させるかによって上述の効果が大きく異なるため、重要なパラメータと言える。本発明者らは、導光板の光偏向面の隠蔽性、モアレ干渉縞、などの視角特性と、正面方向への集光性能、視野角度、そしてサイドローブの有無といった光学特性の両面から検討をし、その最適な範囲として、マイクロレンズが基材の一方の面に接する面積の総和がマイクロレンズと接する基材の面の面積に対して25%以上80%以下であることを見出した。25%を下回ると、導光板の光偏向面の構造物が視認される。また、80%を超えると、マイクロレンズの配置に規則性が見えてしまう。更に隠蔽構造体の正面方向への集光性能を高めるには、マイクロレンズの総和が基材の一方の面に対して50%以下であることが望ましい。
第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか1つに記載の照明ユニットを構成する前記隠蔽構造体において、前記第一の線状レンズの高さよりも、前記マイクロレンズの高さの方が高く、その比が2〜20倍の範囲で設定されてなることを特徴とする。
本発明の照明ユニットを構成する隠蔽構造体はマイクロレンズと第一の線状レンズとが基材の一方の面に混在する構成であるが、その集光性能を高めるためにはマイクロレンズの高さが、第一の線状レンズの高さよりも2倍〜20倍の範囲で高くなることが望ましい。第一の線状レンズの高さが大きくなると、マイクロレンズと第一の線状レンズとが重なり合う領域において拡散光が増大する。従って、集光性能が低下してしまう。一方で第一の線状レンズの高さが小さくなりすぎると、すなわち第一の線状レンズのピッチが細かくなる。第一の線状レンズは例えば頂角70度〜110度の三角プリズム形状であることが望ましいが、ピッチが細かくなると回折の影響が無視できなくなり、正面方向への集光性能が低下する。具体的には、20μmピッチの三角プリズムレンズは50μmピッチの三角プリズムレンズに比べて約2%の輝度低下が生じる。また10μmピッチの三角プリズムレンズは50μmピッチの三角プリズムレンズに比べて、3〜4%の輝度低下が生じる。そして10μmを下回って、8μmピッチの三角プリズムレンズに至っては、50μmピッチの三角プリズムレンズに比べて5%以上の輝度低下が生じる。従って、第一の線状レンズのピッチは10μm以上であることが望ましく、20μm以上であることが更には望ましい。ここで仮に第一の線状レンズを頂角90度、20μmの三角プリズムとし、マイクロレンズをアスペクト比が0.5の半球形状としたとき、マイクロレンズの高さが、第一の線状レンズの高さに比べて2倍にするには、マイクロレンズの直径は40μmとなる。また5倍にするにはマイクロレンズの直径は100μmとなる。更に10倍にするにはマイクロレンズの直径は200μm、そして20倍にするにはマイクロレンズの直径は400μmとなる。マイクロレンズが大きくなりすぎると、光学的性能は劣化しないが、観察者から視認されるという問題が生じる。従って、第一の線状レンズの高さと、マイクロレンズの高さとの比は20倍以下であることが望ましい。
第7の発明は、第1〜第6の発明の何れか1つに記載の照明ユニットと、 表示画像を規定する画像表示素子と、を有することを特徴とする表示装置である。
第8の発明は、第7の発明の表示素子が、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定することを特徴とする表示装置である。
本発明の照明ユニットは、正面方向への集光性能が高く、且つ十分な視野範囲が得られる照明ユニットであるため、画像表示装置のバックライトとして使用することが望ましい。特に画素単位で透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示装置、一例として液晶表示装置などに適用することが望ましい。
本発明によれば、マイクロレンズと第一の線状レンズとが配置された隠蔽構造体によって、水平方向の視野角を十分確保しながら正面方向に集光し、導光板の光偏向面の構造面を隠蔽することができ、高輝度な照明ユニット、及びこれを用いた表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における照明ユニット55を具備する液晶表示装置70の概略断面図であり、各部位の縮図は実際とは一致しない。
図1に示す液晶表示装置70は、画像表示素子35と、この画像表示素子35の光入射側に臨ませて配置された照明ユニット55を備える。
照明ユニット55は、画像表示素子35の光入射側に臨ませて配置された、偏光反射分離シート13、集光シート11、隠蔽構造体1、導光板25、光源41、及び反射板43を含んで構成される。
光源41としては例えば線状光源が挙げられる。線状光源としては、CCFLやHCFL、EEFL等の蛍光管が挙げられる。また光源41としては点状光源が挙げられる。点状光源としては、LEDが挙げられ、LEDとしては白色LEDやRGB−LED等が挙げられる。図1では、光源41が導光板25の1つの端面に配置された例を示しているが、これに限らず、対向する2つの端面に配置する場合、または4つの端面に配置される場合などもあり得る。このとき、導光板25の形状は、図1に示すような楔形状ではなく、平板形状の場合があり得る。
導光板25の観察者側Fとは反対側の面には光偏向面28が形成される。光偏向面は、光源41からの入射光を射出面側へと偏向する面であり、例えば白色拡散反射ドットが印刷される。また別の例としては、マイクロレンズ形状やプリズム形状等の構造物が挙げられる。一例として、光偏向面28に白色拡散反射ドットパターンが印刷された導光板25における光路図を図2に示す。
一般的に導光板25は透明板であるため、このような光偏向面28は観察者側Fより視認される。また、直下型のバックライトとは異なり、導光板25からの射出光はムラが多く、均一な拡散光とは大きく異なる。そのため、エッジライト型のバックライトにおいては、一般的に導光板の上には、この光偏向面を隠蔽するため、また射出光のムラを低減するために、強い拡散性を有する拡散フィルム等が使用される。しかしながら、このような拡散フィルムはほとんど集光性能を有していない。
本発明の照明ユニット55においては隠蔽構造体1が配置されるため、導光板25の光偏向面28を隠蔽し、導光板25からの射出光を拡散することで光学的なムラを低減し、正面方向へと集光する。このとき、隠蔽構造体1を構成する第一の線状レンズ5が、観察者側Fから見て、照明ユニットの水平方向に配列されるよう配置される。
図3は、本発明の照明ユニット55を構成する隠蔽構造体1の観察者側Fからの平面図(a)、透光性の基材17の観察者側Fの面17bにおける断面図(b)、及び、斜視図(c)である。隠蔽構造体1は、透光性の基材17の観察者側Fの面17bに略半球形状のマイクロレンズ3が形成されている。該マイクロレンズ3の隙間を埋めるように一次元方向に延在する第一の線状レンズ5が形成されており、マイクロレンズ3と第一の線状レンズ5は重なって形成される。すなわち、マイクロレンズ3が、導光板25の光偏向面28の構造物を隠蔽し、且つ、第一の線状レンズ5による正面方向への集光機能を有する。第一の線状レンズ5は、図3のように一方向のみに配列されていても良いし、図4のように二方向に配列されていても良い。ここで、基材17の観察者側Fの面17bとは、第一の線状レンズ5の谷部を結んだ面と同一である。更に、マイクロレンズ3の配置は不規則(ランダム)でありながらも、面17bの単位面積に含まれるマイクロレンズ3の面17bに接する領域の面積の総和の割合(マイクロレンズ3の占める面積率A)は場所に依らず略一定であることを特徴とする。すなわち、場所による光学特性の違いや隠蔽性の違いはなく、また、導光板25の光偏向面28の構造物や他レンズシート、カラーフィルターとのモアレ干渉縞などを防止することができる。ここで、単位面積とは前記基材の一方の面を凡そ10〜100分割した際の面積を表し、略一定であるとは平均値に対して±5%以内に収まることを表している。
マイクロレンズ3は基材17の観察者側Fの面17bに形成され、基材17の観察者側Fの面17bに接する径PMと、基材17の観察者側Fの面17bからの高さTMとのアスペクト比TM/PMが40%以上であることが望ましい。
図5に示されるのは、マイクロレンズシートにおける単位マイクロレンズのアスペクト比と面積率とをパラメータにしたシミュレーション結果である。
ここで面積率とは、マイクロレンズシートの基材17の表面積と、該単位マイクロレンズ3と基材17が接する領域の総面積との比である。単位マイクロレンズを最密にデルタ配置した際の面積率は90.7%となる。
図5から、単位マイクロレンズのアスペクト比が40%を下回ると、最密にデルタ配置したとしても、単位マイクロレンズのアスペクト比が50%(半球形状)の場合と比べて、約5%の輝度低下が生じる。従って、本発明の集光拡散シート1において、マイクロレンズ3のアスペクト比TM/TPは40%以上であることが望ましい。
マイクロレンズ3の高さをTMとし、第一の線状レンズ5の高さをTLとしたとき、TL/TMは10%以上90%以下であることが望ましい。第一の線状レンズ5の高さTL/TMが90%を超えると、第一の線状レンズ5の影響が強くなるためサイドローブが生じやすく、10%未満の場合においては、第一の線状レンズ5の回折の影響が無視できなくなるサイズとなるためである。ここでマイクロレンズ3の径としては10μm以上300μm以下の範囲であることが望ましい。10μm未満では、径が小さすぎるため、精度の良いマイクロレンズ3を作製することは難しく、また、回折の影響も生じる。一方、300μmを超えると、マイクロレンズ3が大きすぎるため、画面上から視認されやすくなるためである。
図6は、本発明の隠蔽構造体1を1枚で測定した際の輝度比を示す図である。ここで輝度比は、最近拡散フィルムの代替として使用されるマイクロレンズシートの輝度を100%としたときの値である。ここではマイクロレンズの3の総面積の比率を35%以上の場合に、またTL/TMを0.1から0.9まで変化させたときの評価を行った。
TL/TMが大きくなるほど、本発明の隠蔽構造体1は輝度が低くなることが分かる。特にTL/TM=0.9においては、面積率が35%〜50%の範囲でのみ、マイクロレンズシートを超える輝度が得られる。そこで、TL/TM<0.9に設定されることが望ましく、0.5以下であることが更に望ましい。
また、マイクロレンズ3の占める面積率Aは25%以上80%以下であることが望ましい。隠蔽構造体1の面17bに対し、マイクロレンズ3と第一の線状レンズ5とがそれぞれどの割合で配置させるかによって、隠蔽効果、正面方向への集光効果、及び拡散効果などの光学特性が大きく異なるためである。マイクロレンズ3は、導光板25の光偏向面28の隠蔽効果、正面方向への集光効果、及び拡散効果、そして同面上に配置される第一の線状レンズ5のサイドローブの緩和といった効果を有する。一方で第一の線状レンズ5は正面方向の集光効果を高める。マイクロレンズ3の占める面積率Aが25%未満の場合、隠蔽性能が低下し、また拡散性能も低下するため、導光板25の光偏向面28が視認される、導光板25からの射出光の拡散が足りないといった不具合が生じる。更にマイクロレンズ3は第一の線状レンズ5のサイドローブを緩和する機能も有しており、この場合、マイクロレンズ3の占める面積率Aは35%以上であることが好ましい。一方、マイクロレンズ3の占める面積率Aが80%を超えると、マイクロレンズ3の配置に規則性が見えてしまう。更に隠蔽構造体1の正面方向への集光性能を高めるには、第一の線状レンズ5の高い集光効果を利用するため、マイクロレンズ3の占める面積率Aは50%以下であることが望ましい。
第一の線状レンズ5は、頂角が70度〜110度の範囲で設定される三角プリズム形状であることが好ましく、更には80度〜100度であることがより好ましい。頂角の大きさは上述の導光板25からの射出光の強い斜め光のピーク角度によっても調整することが出来る。導光板25からの射出される強い斜め光のピーク角度が、60度程度である場合は、約90度〜110度の範囲が適しており、導光板25からの射出される強い斜め光のピーク角度が70度程度である場合は、約80度〜100度の範囲が適しており、また導光板25からの射出される強い斜め光のピーク角度が80度程度である場合は、約70度〜90度の範囲であることが適している。すなわち、導光板25からの射出光の強い斜め光のピーク角度をθPとしたとき、隠蔽構造体1の第一の線状レンズ5の頂角は、160−θP±10度の関係が成り立つ。
そしてまた、通常の三角プリズムレンズで問題となるサイドローブは、同面上に形成された半球状のマイクロレンズ3によって緩和される。従って、半球状のマイクロレンズ3は、導光板25の光偏向面28の隠蔽効果と共に正面方向への集光機能のみならず、第一の線状レンズ5が生じるサイドローブの緩和の役目をも果たす。
導光板25は光の透過率が重要となるため、その端面、及び射出面は鏡面に仕上げられることが必要である。そのため、導光板25と隠蔽構造体1の間で光学密着を起こすという問題が生じる。その光学密着を防止するため、隠蔽構造体1のマイクロレンズ3や第一の線状レンズ5と接する面17bと対抗する面17aには、複数の凸部7が形成されていることが望ましい。更に凸部7のアスペクト比は、10%以上40%以下であることが望ましい。ここで、凸部7のアスペクト比とは、凸部7と面17aとが接する領域の直径に対する面17aから凸部7の頂点までの高さの割合のことである。アスペクト比が10%を下回ると、ほとんど平坦に近づくため、導光板25との間に生じるニュートンリングを抑制する効果は低く、且つ、凸部7の成形の際にバラつきが生じやすくなる。更にニュートンリング抑制効果を上げるために凸部7の数を増やすという方法も挙げられるが、数が多くなると面17bに形成されたマイクロレンズ3や第一の線状レンズ5と干渉を起こしやすくなる。結果として外観上のムラとなるため好ましくない。一方でアスペクト比が40%を超えると、大きな斜め光が増大し、正面輝度が大幅に低下する。正面輝度の低下を抑制するためには凸部7の数を減らす必要があるが、その数を減らすと外観的にムラが生じやすいため望ましくない。上述のように、凸部7は多すぎても少なすぎても、ムラの問題や面17bに形成されるマイクロレンズ3や第一の線状レンズ5との干渉などの問題が生じる。よって、面17aに対し凸部7の占める割合は、3%〜10%であることが望ましい。また、凸部7の配置は不規則(ランダム)でありながらも、面17aの単位面積に含まれる凸部7の面17aに接する領域の面積の総和の割合は場所に依らず略一定であることが望ましい。このことにより、場所による光学特性の違いの違いはなく、かつ、導光板25の光偏向面28の構造物や他レンズシート、カラーフィルターとのモアレ干渉縞などを防止することができるためである。ここで、単位面積とは、上述のマイクロレンズ3の場合と同様に、前記基材の一方の面を凡そ10〜100分割した際の面積を表し、略一定であるとは平均値に対して±2%以内に収まることを表している。
本発明の照明ユニット55は上述の隠蔽構造体1の観察者側Fに集光シート11を配置することが出来る。集光シート11としては、効率的に正面方向への集光性能を高めるために、第二の線状レンズが頂角70度〜110度の三角プリズムレンズが望ましく、更には頂角80度〜100度であることが望ましい。ここで三角プリズムの配列は、上述の隠蔽構造体1を構成する第一の線状レンズ5の配列方向と略90度で交差する方向であることが望ましい。しかし、照明ユニットの正面輝度を低くしても視野角を広げたい場合には、三角プリズムシートではなく、断面形状が非球面形状のレンチキュラーシートや湾曲面を有する湾曲プリズムシート等を適用しても良い。
本発明の照明ユニット55は液晶表示装置70の照明装置として使用される。液晶表示装置70としては、20インチを超える中型ないし大型の液晶テレビが挙げられる。液晶テレビは、あらゆる角度から人が視認するため、広い視野角が必要であり、特に水平方向の視野角度は重要である。そこで、隠蔽構造体1を構成する第一の線状レンズ5を観察者側Fから見て水平方向に配列することで、水平方向の視野角度を調整することが可能である。一方、集光シート11の第二の線状レンズを、第一の線状レンズ5と略90度で交差する方向、すなわち観察者側Fから見て垂直方向に配列することで、垂直方向の視野角度を調整することができる。
ここで、集光シート11は隠蔽構造体1に比べて、全光線透過率が低く、且つ拡散光を入射した際の透過率も低い。上述した通り、本発明者らは全光線透過率、及び拡散光を入射した際の透過率が低いレンズシートほど、正面方向への集光性能が高いことを見出した。すなわち、集光シート11の第二の線状レンズを観察者側Fから見て垂直方向に配置することで、水平よりも垂直方向の視野を狭めて正面方向に光を集める。しかしながら、用途によっては垂直方向の視野を広げたい場合もあり得る。このような場合は、隠蔽構造体1と集光シート11の方向が逆転することもあり得る。
本発明の照明ユニット55は、上述の集光シート11の更に観察者側Fに偏光分離反射シート13を備えることが望ましい。偏光分離反射シート13は、偏光分離反射シート13に入射した光のうち、一方向の偏光成分Aを透過し、偏光成分と直交する偏光成分を反射する機能を有する。本発明の液晶表示装置70を構成する液晶パネル35は2枚の偏光板31、33で液晶層32を挟む構成であり、一方向の偏光成分の光のみが使用される。従って、それと直交する偏光成分は、偏光板31、33にて吸収され利用できない。偏光反射分離シート13は液晶パネル35で使用されない偏光成分を反射し、照明ユニット55を構成する反射シート43にて偏光方向を拡散して再利用するため、光を有効に利用することができ(リサイクル)、本発明の照明ユニット55の輝度を大幅に向上させることが可能である。更に偏光分離反射シート13には拡散性能が付与されていることが望ましい。集光シート11の第二の線状レンズを三角プリズムとしたとき、拡散性能を付与した偏光分離反射シート13を設置することで、サイドローブの緩和が図られる。偏光分離反射シート13としては、多層積層型、円偏光分離型、ワイヤーグリッド型などが挙げられるが、代表例として多層積層型の3M社製DBEFが挙げられる。また、偏光分離反射シート13に拡散機能を加えたDBEF−Dが挙げられる。
本発明の照明ユニット55を構成する隠蔽構造体1、及び集光シート11は、透光性の基材17上に、第一の線状レンズ5、マイクロレンズ3、及び第二の線状レンズ、凸部7、及び第二の線状レンズが、UV硬化樹脂や放射線硬化樹脂等を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。
あるいは、隠蔽構造体1、及び集光シート11は、透光性の基材17と、第一の線状レンズ5、マイクロレンズ3、及び第二の線状レンズ、凸部7、及び第二の線状レンズが、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって一体形成する。
本発明の隠蔽構造体1は、透光性の基材17の一方の面17bに略半球形状のマイクロレンズ3と第一の線状レンズ5とが形成される。ここで基材17の一方の面17bの面積に対し、該マイクロレンズ3の総面積の割合が25%以上80%以下の範囲に設定されてなる。基材17とマイクロレンズ3、第一の線状レンズ5、及び基材17の他方の面17aに形成される凸部7とを、同一材料にて一体成形する場合、基材17の一方の面17bは、第一の線状レンズ5の谷部で結ばれる面にて定義される。
画像表示素子35は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、隠蔽構造体1により、観察者側Fへの輝度が向上され、光強度の視角度依存性が低減され、さらに、ランプイメージが低減された光を有効に利用して、画像品位の高い画像を表示させることができる。
画像表示素子35は、液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
以上、本発明の照明ユニット55、並びに表示装置70について説明したが、本発明の照明ユニット55は表示装置70のみに適用されるものではない。すなわち光源41から射出された光を効率的に集光する機能を有する照明ユニット55として例えば照明装置などにも使用できることは想像に難しくない。
以下、実施例に基づいて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
隠蔽構造体1の材料としてポリカーボネート樹脂を用いた。ポリカーボネート樹脂は屈折率が約1.59と高いため、より集光性能が高い隠蔽構造体1を得ることが出来るからである。ポリカーボネート樹脂を、押出成形により一方の面に、マイクロレンズと90度三角プリズムを形成した。マイクロレンズの直径が100μm、高さが48μmであった。このようなマイクロレンズを面内にランダムに、面積率が40%となるように配置した。一方90度三角プリズムは、プリズムピッチを30μmとした。
一方、他方の面には、直径が50μm、高さが15μmのマイクロレンズを、面積率が5%となるように、ランダムに配置した。
このとき、隠蔽構造体1の厚みは約300μmであった。
集光シート11は、隠蔽構造体1と同じくポリカーボネート樹脂を用いて、90度三角プリズムシートを押出成形により得た。このとき三角プリズムのピッチは50μm、厚みは約300μmであった。
照明ユニット55は、光偏向面28として白色のドットパターンが形成されたアクリル製の導光板25の4辺に白色LEDを配置し、上述の隠蔽構造体1、集光シート11、拡散フィルムの順で導光板25の上に重ねた。このとき、隠蔽構造体1の三角プリズムの配列方向を水平方向とし、集光シート11の三角プリズムの配列方向を垂直方向とした。
比較例として、上述の照明ユニット55の隠蔽構造体1の代わりに、拡散フィルムを配置した(比較例1−1)。また別の比較例として、隠蔽構造体1の代わりにもう1枚集光シート11を配置した(比較例1−2)。さらにまた別の比較例として、導光板25の上に、三角プリズムの配列方向を水平方向とした集光シート11、三角プリズムの配列方向を垂直方向とした隠蔽構造体1、拡散フィルムの順に配置した(比較例1−3)。
(実施例2)
隠蔽構造体1、集光シート11は、実施例1と同様のものを準備した。
偏光分離反射シート13は3M社製のDBEF−Dを準備した。
照明ユニット55は実施例1と同様に配置し、上述の隠蔽構造体1、集光シート11、偏光分離反射シート13の順で導光板25の上に重ねた。このとき、隠蔽構造体1の三角プリズムの配列方向を水平方向とし、集光シート11の三角プリズムの配列方向を垂直方向とした。
比較例として、上述の照明ユニット55の隠蔽構造体1の代わりに、拡散フィルムを配置した(比較例2−1)。また別の比較例として、隠蔽構造体1の代わりにもう1枚集光シート11を配置した(比較例2−2)。さらにまた別の比較例として、導光板25の上に、三角プリズムの配列方向を水平方向とした集光シート11、三角プリズムの配列方向を垂直方向とした隠蔽構造体1、偏光分離反射シート13の順に配置した(比較例2−3)。
本実施例、及び比較例の照明ユニット55に液晶パネル35を配置し、液晶表示装置70を得た。この液晶表示装置の正面輝度をトプコン製の分光放射輝度計SR−3Aにて測定した。また配光分布をELDIM社製のEZContrastにて測定した。その結果を表1に示す。
本実施例1、実施例2はどちらも水平方向の視野角を十分確保しつつ、それぞれ、比較例1−1、比較例2−1に比べて、約10%の輝度向上効果を得ることが出来た。また輝度の画面内でのムラ、及び導光板25の光偏向面28の白色ドットパターンも視認されず、比較例1−1、比較例2−1と比べても遜色ない表示品位を得ることが出来た。
一方で、比較例1−2、比較例2−2は、それぞれ、本実施例1、実施例2より更に約10%の輝度向上効果を得ることが出来たが、水平方向の視野角が狭すぎる結果となった。更に、強い拡散性能、及び隠蔽性能を有する光学シートがないため、画面内での輝度バラつきが大きく、また導光板25の光偏向面28の白色ドットパターンが視認された。
また、比較例1−3、比較例2−3は、輝度の画面内でのムラ、及び導光板25の光偏向面28の白色ドットパターンも視認されず、それぞれ、本実施例1、実施例2に比べて、遜色ない表示品位を得ることが出来ているが、約3%の輝度の低下が観測されている。