JP2012079460A - 隠蔽レンズシートを用いた照明ユニット及びこれを備えた表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導光体の反射面に設けた光学構造物の像を隠蔽すると共に、正面方向の輝度を向上させる。
【解決手段】照明ユニット3は、光源8と光学構造物を反射面14に配設した導光板9と隠蔽レンズシート10とを備えた。隠蔽レンズシート10は、基材17に断面略凸曲線形状の第一の線状レンズ18を配列させた。線状レンズ18の基材と接する点から配列方向に対する変位をx、屈折率をn、入射面に垂直な方向と入射光とのなす角をθとし、第一の線状レンズの上枠線をf(x)、上枠線f(x)の接線の傾きをφ(x)、第一の線状レンズの配列方向に対する配光分布をg(θ)としたとき、(1)式で表される角度ξを用い(2)式で表す傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に負の相関を持たせた。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に照明光路制御に用いられる照明ユニット及びこれを備えた表示装置に関するものである。
液晶表示装置(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイは、提供される情報を認識するのに必要な照明装置を内蔵しているタイプが普及している。この照明装置で消費する電力は、液晶表示装置全体で消費する電力の相当部分を占める。従って、所定の輝度を提供するのに必要な照明装置の消費電力を低減することは、液晶表示装置全体の省電力化に寄与することができる。
ところで、液晶表示装置に使用される照明装置として、主に直下方式とエッジライト方式とが挙げられる。直下方式の照明装置は、光源を多数配置することが可能であるため、大型の(主として20インチ以上の)液晶表示装置に適用されている。一方、エッジライト方式は光源の配置位置が限定されるため、大型の表示装置には適用できず、主としてノート型パソコン、液晶モニター、携帯情報端末等の小型の表示装置に適用されている。
しかし、最近では、照明装置用の光源として冷陰極管に替わってLED(Light Emitting Diode 発光ダイオード)が採用され始めたことにより、低消費電力化が図れ、薄型化の容易なエッジライト方式の照明装置が、20インチ以上の中型または大型の液晶表示装置に採用され始めている。
一般的に、エッジライト方式は、導光板と呼ばれる透光性の板の端面にのみ光源が配置される構造のため、光源の設置数に限界がある。従って、液晶表示装置が大型になるにつれて表示画面全体を明るくすることが難しくなり、輝度を向上させる光学シートの役割が重要となる。
液晶表示装置の表示画面の輝度を向上させる手段として、下記特許文献1〜3に示されたようなレンズシートが開示されており、その代表として、米国3M社の輝度向上フィルム(Brightness Enhancement Film BEF(登録商標))が広く使用されている。
図14は、液晶表示装置180にBEF185を配設した一例を示す断面模式図である。この液晶表示装置180は、光源182の光出射側にBEF185を配設し、その射出面側に液晶表示パネル184を配設した構成を有している。図15はBEF185の斜視図である。BEF185は、基板186上に断面三角形状をなす柱状の単位プリズム187が一方向に周期的に配列された光学フィルムである。この単位プリズム187は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)とされている。
BEF185は、「軸外(off-axis)」からの光を集光し、この光を視聴者に向けて「軸上(on-axis)」に方向転換(redirect)または「リサイクル(recycle)」することができる。すなわちBEF185は、ディスプレイの使用時(観察時)に、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させることができる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視野方向F’に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向側である。
一方、エッジライト方式の液晶表示装置に使用される導光板は、端面から入射される入射光を効率良く射出面へと導く光反射面が、射出面と対向して設けられていることが一般的である。光反射面は、光源からの入射光のうち直接射出面から射出されない光を導光板内の様々な方向に反射させ、射出面側に向かわせるためのものである。例えば、特許文献4等に記載されたように、白色のドットパターンが印刷されたもの、あるいは、レンズ形状が付与されたもの等、効率よく射出面へと導くために様々な構成を備えた光反射面が提案されている。
しかし、どのような光反射面であっても、光反射面に形成された白色ドットパターンやレンズ形状などの光学構造物の像が疑似光源として視認されるため、輝度ムラが視認されるという問題があり、その解決手段としても、導光板とレンズシートとの間に、特許文献5に示されるような拡散フィルムを使用する方法が一般的である。
特公平1−37801号公報 特開平6−102506号公報 特表平10−506500号公報 特開2005−293940号公報 特開2004−295080号公報
しかしながら、このような光学構造物の像を隠蔽するために用いる拡散フィルムは、集光機能をほとんど有しておらず、正面方向の輝度が不足してしまうという欠点がある。正面方向の十分な輝度を得るためには、BEF185のようなレンズシートを複数枚重ねて配設する必要があるが、そうすると、表示装置の薄型化が図れなくなったり、製造コストが高くなってしまうという問題が生じる。
また、拡散フィルムを用いずにBEF185のようなレンズシートのみで輝度の差によるムラを改善する手段を構成すると、上述の光学構造物を隠蔽することができなかった。
そのため、集光機能を有しながらも光学構造物を隠蔽する光学シートの出現が望まれている。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、導光体の反射面に設けた光学構造物の像を隠蔽すると共に、正面方向の輝度を向上させる隠蔽レンズシートを備えた照明ユニット及びこの照明ユニットを用いた表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明による照明ユニットは、光源と、この光源から射出される光を入射させて観察者側へ射出する第一の射出面と、この第一の射出面に対向し入射光の少なくとも一部を反射させて第一の射出面へ導く光学構造物が配設された反射面とを有する導光体と、導光体の射出面から射出する射出光を入射させる入射面と、入射面に対向し入射光を均一化して射出する第二の射出面とを有する隠蔽レンズシートと、を備えた照明ユニットであって、隠蔽レンズシートは、光透過性の基材と、この基材の第二の射出面側に少なくとも一方向に配列された断面略凸曲線状をなす複数の第一の線状レンズとを有し、第一の線状レンズの基材と接する点から第一の線状レンズの配列方向に対する変位をx、基材の入射面(または導光体の射出面)に垂直な方向と基材の入射面への入射光(または導光体からの射出光の方向)とのなす角をθ、第一の線状レンズの屈折率をnとし、第一の線状レンズの延在方向に垂直な面で切った断面の輪郭をなす上枠線をf(x)、上枠線f(x)の接線の傾き角をφ(x)、導光体からの射出光の第一の線状レンズの配列方向に対する配光分布をg(θ)としたとき、
Figure 2012079460
で表される(1)式の角度ξを用いて、
Figure 2012079460
で表される(2)式の傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に、負の相関があることを特徴とする。
本発明による照明ユニットによれば、光源から射出された光が導光体で反射させられて隠蔽レンズシートに入射して、光出射側に設けた複数の第一の線状レンズによって射出する光を観察者側へ立ち上げることができるため、導光体の反射面に光学構造物が設けられていてもその像を線状に拡散させて隠蔽することができる。
しかも、(1)式で表される角度ξ(傾き角φ(x)に含まれる)を用いて、(2)式で表される傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に負の相関を持たせたことによって、観察者側から観察したときの光学構造物の像について線状に拡散させた隠蔽を均一に行うと共に、複数の線状レンズが配列されているために光を集光させて正面方向の輝度を向上できる。
また、導光体の反射面には入射光を反射させる複数の光学構造物が正六方配置等のように規則的に配列されており、第一の線状レンズの配列方向に対する光学構造物のピッチをp、前記導光板の厚みをd、前記導光板の屈折率をmとしたとき、
Figure 2012079460
で表される(3)式の角度ψを用いて、角度θが0<θ<ψを満たす範囲において、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)が略反比例の関係があることが好ましい。
これによって、配光分布g(θ)の増大に応じて傾き密度分布D(ξ)を概略で低減させることができる。
また、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)と基材への入射光の入射角
度θに関し、D(ξ)×g(θ)×cosθの最大値と最小値の差がその平均値以下であることが好ましい。
この比がD(ξ)×g(θ)×cosθの平均値より大きいと明るい領域と暗い領域を識別でき、平均値以下であると光学構造物の像が広がって隠蔽される。
また、任意の光学構造物から、当該光学構造物に二番目に近接する他の光学構造物である第二近接光学構造物へ向かう方向と、第一の線状レンズの配列方向とが略同一であることが好ましい。
この場合、光学構造物の像である擬似光源は、任意の光学構造物から第二近接光学構造物へ向かう方向に広がり、任意の光学構造物から最近接光学構造物15に向かう方向には広がらないが、これらの光学構造物間は近接しているため、大きな隙間にはならない。そのため、輝度ムラを抑制できる。一方、任意の光学構造物から、この光学構造物に二番目に近接する他の光学構造物である第二近接光学構造物へ向かう方向と、第一の線状レンズの配列方向とが略直交すると、擬似光源は、上述した任意の光学構造物から第二近接光学構造物に向かう方向には広がらないため、大きな隙間を作ってしまい、輝度ムラを視認できる。
また、隠蔽レンズシートの入射面側に、第一の線状レンズの配列方向とは略直交する方向に配列された複数の第二の線状レンズを有していることが好ましい。
この場合、第一及び第二の線状レンズ同士が基材を挟んで略直交配置されているため、前述した第一の線状レンズの配列方向に対する配光分布g(θ)も大きく変化することはなく、隠蔽効果を失うことはない。さらに、第二の線状レンズは、第一の線状レンズでは広げることのできない方向に、擬似光源を広げることができるため、隠蔽効果が一層高くなる。
また、導光体の隠蔽レンズシートとは反対側に、導光体の反射面側から射出する光を反射して再度導光体へ導く反射シートをさらに備えることが好ましい。
これにより、光源から導光体に出射する光の一部が射出面とは反対側に漏洩しても、反射シートによって隠蔽レンズシートの方向に反射させて向かわせることができる。
本発明による表示装置は、上述した何れかの照明ユニットと、表示画像を規定する画像表示素子と、を有することを特徴とする。
本発明による表示装置によれば、照明ユニットによって疑似光源による明暗の輝度ムラを抑制して高輝度の表示画像を観察できる。
また、画像表示素子が、画素単位での透過/遮光により画像を表示することが好ましい。
画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、照明ユニットにより輝度ムラの低減された光を利用することで、画像品位の高い画像を表示させることができる。
本発明による隠蔽レンズシートを用いた照明ユニット及び表示装置によれば、
導光体の光出射側に複数の第一の線状レンズを配列した隠蔽レンズシートを配設したことで、導光体の光反射面に設けた光学構造物により線状レンズの配列方向に射出される光を立ち上げることができるため、光学構造物の像を線状に隠蔽することができる。
しかも、第一の線状レンズの基材と接する点からの配列方向に対する変位をx、基材の入射面に垂直な方向と基材への入射光の方向とのなす角をθ、第一の線状レンズの屈折率をnとし、第一の線状レンズの延在方向に垂直な面で切った断面の上枠線をf(x)、導光体からの射出光の第一の線状レンズの配列方向に対する配光分布をg(θ)としたとき、(1)式で表される角度ξを用いて、(2)式で表される傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に、負の相関を持たせたことによって、観察者側から観察したときの光学構造物の像について線状に拡散させて隠蔽を均一にすることができる。
また、隠蔽レンズシートは複数の線状レンズが配列されているため、集光機能を有しており、拡散シートよりも高い輝度を得ることができる。
そのため、本発明による照明ユニット並びにこの照明ユニットを用いた表示装置によれば、導光体の光反射面に設けた光学構造物の像を隠蔽すると共に正面方向の輝度を向上させることができる。
しかも、この表示装置によれば、表示画面の輝度ムラを効果的に低減することができて、均一な光を射出することができる。
本発明の実施の形態による表示装置の一例を分離状態で示す要部断面図である。 導光板中の光路図の一例を示す模式図である。 図1に示す照明ユニットにおける隠蔽レンズシートの斜視図である。 図3に示す隠蔽レンズシートにおいて第一の線状レンズの延在方向に直交する断面における上枠線とその接線を示す図である。 隠蔽レンズシートにおける第一の線状レンズから射出される光の光路を示した説明図である。 (a)は実施の形態における擬似光源が隠蔽レンズシートを介して広がる光路を示す説明図とその光強度分布を示す図、(b)は隠蔽レンズシートの代わりにプリズムシートを配置した場合における擬似光源の光路の広がりを示す説明図と光強度分布図を示す(a)と同様な図である。 導光板において光学構造物で反射されて射出する光の光路図の一例である。 (a)は隠蔽レンズシートの第一の線状レンズの縦断面における上枠線の図、(b)は上枠線に対する接線の傾きdf(x)/dxの変化を示す説明図、(c)は上枠線に対する傾き密度d(x)の変化を示す説明図である。 (a)と(b)は光源構造物(疑似光源)を六方配列させた導光板の光反射面に対する隠蔽レンズシートの第一線状レンズの配列方向の違いによる擬似光源の像の広がりの間隔の違いを示した説明図である。 光入射面に第二の線状レンズを配列させた隠蔽レンズシートの変形例を示す斜視図である。 図10に示す変形例による隠蔽レンズシートを第一の線状レンズの延在方向に垂直な面で切った要部断面図である。 実施例による隠蔽レンズシートの第一の線状レンズの上枠線のレンズ形状を示す図である。 図12に示す各第一の線状レンズにおける配光分布g(θ)に対する傾き密度分布D(ξ)の関係を示す図である。 従来技術によるレンズシートを配設した表示装置の一例を示す断面模式図である。 図14に示すレンズシートの斜視図である。
以下に、本発明の実施形態による照明ユニットとこの照明ユニットを備えた表示装置について説明する。なお、図1から図13は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために適宜誇張して示している。
図1に示す表示装置1は、画像表示パネル2と、この画像表示パネル2の光入射側に臨ませて配置された照明ユニット3とを備えている。
最も観察者側Fに配設された画像表示パネル2は、2枚の偏光板(偏光フイルム)4,5と、その間に挟持された画像表示素子6とからなる。画像表示パネル2は例えば液晶表示パネルから構成され、その場合、画像表示素子6は2枚のガラス基板の間に液晶層が充填されて構成される。
画像表示パネル2は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが望ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、照明ユニット3により輝度ムラの低減された光を利用することで、画像品位の高い画像を表示させることができる。
画像表示素子6として選択される液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子と比べて、画像品位を高くすることができる。
照明ユニット3はエッジライト型の照明装置であり、画像表示パネル2の光入射側に臨ませて配置されており、光の光路に沿って光源8,導光板9,隠蔽レンズシート10を含んで構成されている。また、導光板9の背面側には反射シート11が設けられている。
光源8としては例えば線状光源や点状光源が挙げられる。線状光源としては、CCFLやHCFL、EEFL等の蛍光管が挙げられる。点状光源としては、LEDが挙げられ、LEDとしては白色LEDやRGB−LED等が挙げられる。図1では、光源8が導光板9の1つの端面に配置された例を示しているが、これに限らず、対向する2つの端面に配置される場合、または4つの端面に配置される場合なども採用できる。このとき、導光板9の形状は、図1に示すような楔形状であってもよく、或いは図2に示すように平板形状であってもよい。
導光板9の観察者側Fに配設された射出面13に対向する面に光反射面14が形成されている。光反射面14は、光源8からの入射光のうち直接射出面13から射出されない光を導光板8内の様々な方向に反射させ、射出面13側に向かわせるための面であり、光反射面14には入射光を反射させるための複数の光学構造物15が設けられている(図2参照)。
光学構造物15としては、例えば白色拡散反射ドットが印刷されて配設されている。また別の例として、マイクロレンズ形状やプリズム形状等の構造物が形成されていてもよい。一例として、図2に示す導光板9では、光学構造物15として、白色拡散反射ドットパターンが所定間隔で印刷された平板形状が示されており、光源8から入射する光の光路が例示されている。また、図7ではマイクロレンズ形状の光学構造物15が示されている。
導光板9の背面側、即ち隠蔽レンズシート10と反対側には反射シート11が設けられている。そのため、導光板9を射出面13とは反対側の光反射面14側から出射した光は反射シート11によって導光板9内に戻され、射出面13から出射させられる。
一般的に導光板9は透明板であるため、このような光反射面14の光学構造物15は擬似光源15′として観察者側Fより視認される。そのため、エッジライト型の照明ユニット3においては、一般的に導光板9の上に、この光反射面14を隠蔽するため、強い拡散性を有する拡散フィルム等が使用される。しかしながら、このような拡散フィルムはほとんど集光性能を有していないので、本発明では採用しない。
そこで、本実施形態による照明ユニット3においては、導光板9の射出面側に、輝度ムラをなくすと共に集光させるために隠蔽レンズシート10を配置した。これにより、導光板9の光反射面14の光学構造物15による擬似光源15′を隠蔽し、導光板9からの射出光を拡散することなく光学的なムラを低減すると共に正面方向へ集光するようにした。
図3及び図4に示す隠蔽レンズシート10において、導光板9に対向する面に平板状で光透過性の基材17が設けられ、この基材17の光出射方向の面には一方向に配列された複数の第一の線状レンズ18が配列されている。第一の線状レンズ18は縦断面視略凸曲面形状をなす単位レンズが一方向に棒状に延在すると共に、この単位レンズの延在方向に略直交する方向に複数配列されて構成されている。なお、第一の線状レンズ18の縦断面形状の稜線をなす上枠線18aは厳密な半円または半楕円形状等の凸曲線ではなく、例えば直線部分を含んでいてもよい。
ここで、図4において、第一の線状レンズ18の基材17と接する点からの配列方向に対する変位をxとし、第一の線状レンズ18の延在方向に垂直な面で切った断面の稜線である上枠線18aをf(x)とする。そして、図5において、隠蔽レンズシート10の入射面17aに垂直な方向と導光板9の射出面13から射出する光の入射面17aへの入射方向とのなす角をθとし、第一の線状レンズ18の屈折率をnとし、導光板9から隠蔽レンズシート10への入射光の第一の線状レンズ18の配列方向に対する配光分布を角度θの関数g(θ)とする。
ここで、導光板9の射出面13と隠蔽レンズシート10の基材17の入射面17aとは略平行であるとする。また、上枠線f(x)の接線19の基材17に対する傾き角度をφ(x)とする。すると、接線19の傾き角度φ(x)と上枠線f(x)は、下記の(4)式のような関係が成立する。
Figure 2012079460
ここで、図5において、隠蔽レンズシート10への入射角θの入射光が隠蔽レンズシート10により、観察者側Fに略平行に射出されるような接線の傾き角φは、入射角θの屈折角ηを用いて、隠蔽レンズシート10の入射面17a及び第1の線状レンズ18からの射出面でのスネルの法則により、下記(5)式と(6)式により与えられる。
Figure 2012079460
Figure 2012079460
これら(5)式と(6)式により、屈折角ηを消して接線19の傾き角φについて解くと、次式(7)が与えられる。つまり、入射角θに対して、観察者方向Fに平行に射出されるような接線の傾き角φは一意に決定される。図5に導光板9から隠蔽レンズシート10の基材17へ入射して第一の線状レンズ18から射出する光の光路が示されている。
Figure 2012079460
上述したように、光源8から射出された光は導光板9に入射し観察者側Fへ射出されるが、その多くの光は、光反射面14に配列されている複数の光学構造物15により反射され、射出面13側へ向かう。そのため、観察者側Fから観測した場合、光学構造物15が、図6や図9に示すように、擬似光源15′のように視認される。
図6(a)、(b)は、疑似光源15′から出射する光線の進路と観察者側Fから観測した際の光強度の空間的依存性を示す。なお、図6中の破線は、隠蔽レンズシート10を配置しない場合の光強度の空間的依存性を示すものである。
このような疑似光源15′に対して、図6(a)に示す本実施形態のように隠蔽レンズシート10を配設した場合には、観察者方向Fから観察すると、一方向に配列された複数の第一の線状レンズ18によって擬似光源15′からの光は広範囲にわたって拡散され、その光強度はなだらかな凸曲線状に広がる分布を示すことになる。そのため、擬似光源15′を隠蔽するためには、導光板9の射出面側に隠蔽レンズシート10を配設することが必要になる。
これに対し、図6(b)に示すように、疑似光源15′の光射出側に特定の二方向の傾きしかもたないプリズム12aを配列したプリズムレンズシート12を設けた場合、観察者方向Fから観察した際の擬似光源15′に基づく光強度分布の空間的な広がりは、二つの急激なピークを有するように集光することになる。この場合、擬似光源15′は、二つにスプリットされた光強度として視認されるようになり輝度ムラ低減の効果は小さい。
つまり、隠蔽レンズシート10に対する入射光のうち入射角がθである強度g(θ)、つまり、配光分布g(θ)と、上枠線f(x)の接線19の傾き角度φのうち下記(1)式により与えられる角度ξが占める割合と、の間に負の相関があると、強度が強い入射角θを正面方向に立ち上げる接線19の傾きの割合を小さくすることができるため、観察者方向Fから観察した際、明暗差が大きくなってしまうことなく、空間的に広げることが可能となる。ここで、負の相関があるとは、相関係数が負になるということである。
Figure 2012079460
また、上枠線18a(f(x))の接線19の傾き角度φのうち、ある角度ξの占める割合は、下記(2)式により与えられるD(ξ)に比例する。(2)式の右辺は、上枠線18aの接線19の傾き角度φ(x)の変位xに対する微分値の逆数であり、接線19の傾き角度φ(x)の中で、例えば、ある変位x1における傾き角φ(x1)=ξの占める割合に比例する値であるためである。ここでは、簡易的に、この値を傾き密度分布D(ξ)と規定することにする。なお、傾き密度分布D(ξ)は、変数を変位xから接線19の傾き角度ξへと変換している。また、変数を変位xとしているものは、傾き密度d(x)と表すこととする。
Figure 2012079460
ここで、第一の線状レンズ18のピッチをPとした場合、0<x<P/2もしくはP/2<x<Pの範囲内において、変位xと接線19の傾き角度φ(x)は、互いに一意に決定できるとする。つまり、第一の線状レンズ18の上枠線18a(;f(x))は、変位xがx=P/2から離れるにつれ、単調に減少しているとする。
つまり、(1)式で表される角度ξを用いて(2)式で表される傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に、負の相関があることにより、導光板9の光反射面14の光学構造物15の像を隠蔽することができる。
この関係を満たす領域は、少なくとも表示装置1もしくは照明ユニット3の中央部を含み、望ましくは表示装置1もしくは照明ユニット3の有効範囲内全ての領域を含むことが良い。ここで、有効範囲とは、照明ユニット3として照明光を有効に外部まで照射できる機能を発揮する範囲をいい、例えば照明ユニット3の周囲に設けたフレーム等によって光路が遮断されたり照明光が隠されたりする領域を除いた照射領域をいう。また、中央部とは、有効範囲領域を9分割した際の中央の領域を表すものとする。
これ以降、特に明記しない限り、空間的範囲は、この中央部もしくは有効範囲領域とする。
また、隠蔽レンズシート10は、隠蔽効果が高いだけでなく、レンズシートであるために集光効果も有している。そのため、輝度向上の目的においても利用できる。傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に負の相関をもたせた範囲で、集光効果の大きな傾き角度φ1の傾き密度分布D(φ1)を大きくすることで、輝度向上効果を高めることが可能である。
より隠蔽効果を高めるために、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)とが略反比例の関係にあると良い。ただし、下記(3)式で表される角度ψを用い、入射角θが0<θ<ψを満たす範囲内にあるとする。ここで、略反比例とは、厳密に数式上において逆数に正比例するということを表すのではなく、一方が大きくなれば他方は凡そ滑らかに小さくなる、ということを表している。この場合、例えば配光分布g(θ)の増大に対して傾き密度分布D(ξ)が必ずしも一本調子で低下することを要せず、概略で低下する傾向にあればよい。
Figure 2012079460
第一の線状レンズ18により、擬似光源15′を線状に広げることができるが、この線(疑似光源15′の像)の長さが不十分な場合、線同士が重なることがないため、隠蔽性は悪くなってしまう。
ここで、導光板9の光反射面14に複数の光学構造物15が規則的に配置されているものとする。また、図7の説明図に示すように、第一の線状レンズ18の配列方向に対する光学構造物15のピッチをp、導光板19の厚みをd、導光板19の屈折率をmとする。すると、第一の線状レンズ18の配列方向に対して最も擬似光源15′から遠い点、つまり隣り合う擬似光源15′の中点から射出される角度は、スネルの法則を用いて解くことができ、その角度は上記(3)式で表されるψになる。
なお、図1に示す導光板9はテーパ形状であるが、光学構造物15のピッチpに対するテーパ量は十分に小さいから、導光板9がテーパ形状であっても図7に示す平行平板形状の導光板9とほぼ同等な一様の厚みdとして、同等な計算結果を得られる。
つまり、入射角θが0<θ<ψを満たす範囲において、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)が略反比例することで、擬似光源15′の線状の広がりが互いに重なって連なり、かつ、その範囲内において強い明暗になることなく高い隠蔽性を発揮することができる。
さらに隠蔽効果を高める場合には、D(ξ)×g(θ)×cosθの最大値と最小値の差がその平均値以下であることが望ましい。
本発明者らは、D(ξ)×g(θ)×cosθの最大値と最小値の差分が平均値に対する割合を微細に変化させた様々な形状の第一の線状レンズ18を作製し、擬似光源15′の隠蔽され具合を検討した結果、この割合が平均値よりも大きい場合には明るい点と暗い点が視認でき、それよりも小さい値の場合には均一に広がっている、つまり、隠蔽されるということを確認した。
ここで、上記の式でcosθが乗算されているのは、導光板9から射出された光が隠蔽レンズシート18に入射した際、入射角θの光は、入射による広がりにより強度がcosθ倍されてしまうことを考慮してのことである。即ち、入射面17aに垂直な方向(θ=0°)の入射光強度を1とすると、図5に示すように、隠蔽レンズシート10の入射面17aへの入射角θを有する入射光の強度が、cosθになるからである。これは、入射光の照射面積が1/cosθであることによる。
図8に、上述した第一の線状レンズ18の上枠線18(f(x))と接線19の傾きdf(x)/dx、及び傾き密度d(x)の関係を示したグラフを示す。
図8(a)において、隠蔽レンズシート10における第一の線状レンズ18の略凸曲面のレンズ形状を上枠線18a(f1(x1))として示すと、横軸に変位x、縦軸にf(x)を示す。そして、この上枠線18aの1回微分による傾きは同図(b)に示すようになり、凸曲面の上枠線18aの両端で最も傾きが大きく頂部で最も傾きが小さい変化を呈する。
図8(a)に示す上枠線18aの傾き密度d(x)は図8(c)に示すようになる。図8(c)において、傾き密度d(x)は上枠線18aの第一の基材17との交点から変位x方向に次第に増大して最大値となり、その後小さくなって上枠線18aの頂点で最も小さい最小値となる。その後、傾き密度d(x)は増大して同様に最大値を経由して最小値に至るサインカーブに近い形状を呈するグラフが得られる。
なお、図8に示すグラフは一つの例であり、本発明は図8に示すグラフの形状に限定されない。
なお、隠蔽レンズシート10は、光透過性基材17上にUVや放射線硬化樹脂を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成形法、あるいは熱プレス成形法によって形成することができる。
上述のように本実施形態による照明ユニット3を備えた表示装置1によれば、導光板9の光射出面13側に、一方向に延在する第一の線状レンズ18をこれに略直交する方向に配列した隠蔽レンズシート10を配設したことで、導光板9の反射面14に設けた光学構造物15により第一の線状レンズ18の配列方向に射出される光を拡散させて立ち上げることができて、光学構造物15の像を互いに重なるように線状に広げて隠蔽することができる。
しかも、第一の線状レンズ18の基材17と接する点から線状レンズ18の配列方向への変位をx、基材17の入射面(導光板9の射出面13)に垂直な方向と基材17への入射光(導光板9からの射出光)の方向とのなす角をθ、第一の線状レンズ18の屈折率をnとして、第一の線状レンズ18の延在方向に垂直な面で切った断面の上枠線18aをf(x)、導光板9の射出面13の配列方向に対する配光分布をg(θ)としたとき、(1)式で表される角度ξを用いて、(2)式で表される傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との間に負の相関を持たせたことによって、観察者側Fから観察したときの光学構造物15の像について線状の隠蔽を均一にすることができる。
また、隠蔽レンズシート10は断面略凸曲線をなす第一の線状レンズ18が複数配列されているため集光機能を有しており、観察者側F方向の光について従来の拡散シートを用いた場合よりも高い輝度を得ることができる。
そのため、本実施形態による照明ユニット3及びこの照明ユニット3を用いた表示装置1によれば、導光板9の光反射面14の光学構造物15の像を隠蔽すると共に正面方向の輝度を向上させることができる。しかも、表示画面の輝度ムラを効果的に低減することができて、均一な光を射出することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。
例えば、上述した説明では、簡単のために第一の線状レンズ18が一方のみに配列された形状について記述してきたが、本発明における隠蔽レンズシート10は、必ずしも一方向のみに配列もしくは延在した線状レンズ18群のみである必要はない。例えば、隠蔽レンズシート10の第一変形例として、基材17の射出面側に略直交する二方向に各線状レンズ18を配列したクロスレンズ形状を採用しても良い。この場合、二方向に配列された各第一の線状レンズ18,18の少なくとも一方に対しては、上述した本発明の実施形態による配光分布とレンズ形状の関係が成立していることを特徴とする。
また、隠蔽レンズシート18の配置に関して、導光板9の光反射面14に複数の光学構造物15が規則的に配置されている場合、例えば六方配置されている場合、任意の光学構造物15からこの光学構造物15に2番目に近接する第2近接光学構造物15へ向かう方向と、第一の線状レンズ18の配列方向が略同一であることが望ましい。
図9において、光学構造物15が例えば正六方配置されており、この場合における第一の線状レンズ18の配列方向の違いによる、擬似光源15′の広がり方の違いが示されている。
図9(a)は、第一の線状レンズ18の配列方向が、任意の光学構造物15p(疑似光源15p′)から、この光学構造物15pに最も近接する最近接光学構造物15q(疑似光源15q′)へ向かう方向に略同一な場合を示している。この場合、擬似光源15′は、光学構造物15p(疑似光源15p′)から最近接光学構造物15q(疑似光源15q′)へ向かう方向に広がっているが、光学構造物15p(疑似光源15p′)から第2近接光学構造物15r(疑似光源15r′)に向かう方向には広がらないため、大きな隙間を作ってしまう。
一方、図9(b)において、第一の線状レンズ18の配列方向が、任意の光学構造物15p(疑似光源15p′)から、この光学構造物15pに2番目に近接する第二近接光学構造物15r(疑似光源15r′)へ向かう方向に略同一な場合を示している。この場合、逆に擬似光源15′は、光学構造物15p(疑似光源15p′)から第二近接光学構造物15r(疑似光源15r′)へ向かう方向に広がり、光学構造物15pから最近接光学構造物15q(疑似光源15q′)に向かう方向には広がらないが、この光学構造物15p、15q(疑似光源15p′、15q′)間は近接しているため、大きな隙間にはならない。
そのため、反射面14における光学構造物15の配置に対して隠蔽レンズシート10は図9(b)に示す方向の配列の方が、輝度ムラを抑制することができる。
また、本発明の実施形態による照明ユニット3及び表示装置1の変形例として、隠蔽効果を高めるために、図10及び図11に示すように、隠蔽レンズシート10の入射面17a側に、第一の線状レンズ18の配列方向と略直交する方向に第二の線状レンズ20を配列させていても良い。
この場合、二組の線状レンズ18,20は略直交するため、前述した第一の線状レンズ18の配列方向に対する配光分布g(θ)も大きく変化することはない。そのため、上述した実施形態における隠蔽効果を失うことはない。
さらに、第二の線状レンズ20は、第一の線状レンズ18では広げることのできない方向に、擬似光源15′を広げることができるため、隠蔽効果も一層高くなる。
また、導光板9に入射する光の多くは、光反射面14によって反射され、射出面13から射出されるため、観察者側Fに向かって大きく角度のついた光が多い。そのため、その角度の傾いた射出光を正面へと立ち上げるように、第一の線状レンズ18とは略直交する方向に第二の線状レンズ20を、基材17の入射面17a側に有していても良い。即ち、輝度向上の目的のために、隠蔽レンズシート10の入射面17a側に第二の線状レンズ20を配列させても良い。
また、他の変形例として、隠蔽レンズシート10の観察者側Fの面には拡散要素を含んだ光学シートを追加して配置しても良い。拡散要素を含むことで、隠蔽レンズシート10により線状に広がった光をぼやかして全方位的に広げることが出来る。これにより、より輝度ムラを低減させることが出来る。
ただし、上述の隠蔽レンズシート10により輝度ムラの低減が図れるため、拡散要素を含んだ光学シートは、拡散特性の強い拡散シートを使用する必要はない。そのため、全光線透過率を大きくすることができ、この拡散要素を含んだ光学シートによる輝度の低減を抑えることが出来る。
以上、本発明の実施形態による照明ユニット3及びこれを備えた表示装置1について説明したが、照明ユニット3は表示装置1のみに適用されるものではない。すなわち光源8から射出された光を効率的に集光する機能を有する照明ユニット3として例えば液晶表示装置以外の他の表示装置や照明装置などにも使用できる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではないことはいうまでもない。
照明ユニット3として、アクリル製の導光板9の4辺に光源8として白色LEDが配置され、導光板9の反射面14には光学構造物15として白色のドットパターンが六方配置で規則的に形成されている。導光板9の観察者側には、上述した実施形態による隠蔽レンズシート10、拡散シートを順次重ねて照明ユニット3を構成した。ここで、光学構造物15の配列ピッチを、1.4mm、2.6mm、3.2mm、3.6mmとした4種類の導光板9を用いた照明ユニット3をそれぞれ用意した。
隠蔽レンズシート10の材料としてポリカーボネート樹脂を用いた。ポリカーボネート樹脂は屈折率が約1.59と高いため、より集光性能が高い隠蔽レンズシート10を得ることが出来るからである。第一の線状レンズ18の上枠線18aの形状として、図12に示す略凸曲線形状を有する6種類のレンズを用意し、これらをそれぞれレンズ1,2,3,4,5,6とした。
図12に示す各レンズ1,2,3,4,5,6をそれぞれ形成した第一の線状レンズ18を基材17の射出面側に配列させた6種類の隠蔽レンズシート10を製造した。これら6種類の隠蔽レンズシート10を上述した4種類の照明ユニット3にそれぞれ装着して試験を行った。
そして、導光板9から射出する光の配光分布g(θ)を横軸にとり、傾き密度分布D(ξ)を縦軸にとったグラフを示すと、図13のようになる。
図13において、配光分布g(θ)の増大に応じて傾き密度分布D(ξ)が低下する特性を有するのは第一の線状レンズ18についてレンズ1,2であり、また、レンズ3についても概略で同一の傾向を呈しているといえる。
また、上述した照明ユニット3を用い、隠蔽レンズシート10としてレンズ1,2,3,4,5,6を用いて、これらの隠蔽レンズシート10を装着した各照明ユニット3について照明光を照射して観察試験を行った。観察者側Fから目視観察して疑似光源15′の像について隠蔽の可否を輝度ムラの有無として目視確認した。輝度ムラの評価結果を表1に示す。
Figure 2012079460
また、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)との関係について、(3)式で表される角度ψを用いて、角度θを0<θ<ψの範囲で提示して、D(ξ)×g(θ)×cosθを演算し、その最大値、最小値、平均値をそれぞれ求め、最大値及び最小値の差と平均値との比を演算した。この結果を表2に示す。
なお、D(ξ)×g(θ)×cosθの演算に関し、角度ψは光学構造物15のピッチが1.4、2.6、3.2、3.6のとき、それぞれ16°、30°、36°、41°である。これを上限として、角度θは上述した光学構造物15のピッチ1.4、2.6、3.2、3.6に応じて0<θ<16°、0<θ<30°、0<θ<36°、0<θ<41°として演算した。なお、D(ξ)は、レンズ1,2,3,4,5,6の形状と角度θによって決まる値である。
Figure 2012079460
輝度ムラの評価結果を示す表1において、目視により、輝度ムラが観測できなかったものを○、観測できたものを×とした。
全配光分布g(θ)の範囲において、配光分布g(θ)の増大に応じて傾き密度分布D(ξ)が低下する略反比例の関係のあるレンズ1,2に関しては、実施例に示した条件では、輝度ムラは観測されなかった。また、略反比例に近い関係を呈するレンズ3についても同一の条件下で輝度ムラは観測されなかった。
これに対して、配光分布g(θ)のある値以下では、略反比例していないレンズ4,5に関しては、光学構造物15のピッチを大きく設定すると隠蔽性が足りず、輝度ムラが観測された。一方、傾き密度分布D(ξ)と配光分布g(θ)の間に略反比例の関係がないレンズ6に関しては、光学構造物15のピッチを細かくしても輝度ムラが観測された。
また、表2において、レンズ1、2、3の隠蔽レンズシート10の場合は光学構造物15の配列ピッチに関わらず最大値と最小値の差は平均値以下であった。そのため、疑似光源15′を隠蔽できる。一方、レンズ4,5,6の隠蔽レンズシート10の場合は概ね平均値を超えており、疑似光源を隠蔽できない。
上述した試験結果から、隠蔽レンズシート10における第一の線状レンズ18の形状として、配光分布g(θ)の増大に応じて傾き密度分布D(ξ)が低下する特性を有すると共に、光学構造物15の配列ピッチが表1に示すように1.4〜3.6mmの範囲で変化しても光学構造物15の疑似光源15′を隠蔽できて輝度ムラを視認できない程度に低減できた。
そして、ある角度以上において、配光分布g(θ)の増大に応じて傾き密度分布D(ξ)が低下する特性を有する第一の線状レンズ18のレンズ形状においては、光学構造物15の配列ピッチが小さい場合、輝度ムラを視認できない程度に低減できた。
1 表示装置
2 画像表示パネル
3 照明ユニット
8 光源
9 導光板
13 射出面
14 反射面
15 光学構造物
15 疑似光源
10 隠蔽レンズシート
17 基材
17a 入射面
18 第一の線状レンズ
18a 上枠線
19 接線
20 第二の線状レンズ

Claims (8)

  1. 光源と、
    前記光源から射出される光を入射させて観察者側へ射出する第一の射出面と、前記第一の射出面に対向し前記入射光の少なくとも一部を反射させて前記第一の射出面へ導く光学構造物が配置された反射面とを有する導光体と、
    前記導光体の射出面から射出する射出光を入射させる入射面と、前記入射面に対向し入射光を均一化して射出する第二の射出面とを有する隠蔽レンズシートと、を備えた照明ユニットであって、
    前記隠蔽レンズシートは、光透過性の基材と、前記基材の前記第二の射出面側に少なくとも一方向に配列された断面略凸曲線状をなす複数の第一の線状レンズとを有し、
    前記第一の線状レンズの前記基材と接する点から前記第一の線状レンズの配列方向に対する変位をx、前記基材の前記入射面に垂直な方向と前記基材への入射光の方向とのなす角をθ、前記第一の線状レンズの屈折率をnとし、前記第一の線状レンズの延在方向に垂直な面で切った断面の輪郭をなす上枠線をf(x)、前記上枠線f(x)の接線の傾き角をφ(x)、前記導光体からの射出光の前記第一の線状レンズの配列方向に対する配光分布をg(θ)としたとき、
    Figure 2012079460
    で表される(1)式の角度ξを用いて、
    Figure 2012079460
    で表される(2)式の傾き密度分布D(ξ)と、前記配光分布g(θ)との間に、負の相関があることを特徴とした照明ユニット。
  2. 前記導光体の反射面には入射光を反射させる複数の前記光学構造物が規則的に配列されており、前記第一の線状レンズの配列方向に対する前記光学構造物のピッチをp、前記導光板の厚みをd、前記導光板の屈折率をmとしたとき、
    Figure 2012079460
    で表される(3)式の角度ψを用いて、
    前記角度θが0<θ<ψを満たす範囲において、前記傾き密度分布D(ξ)と前記配光分布g(θ)が略反比例の関係があることを特徴とする請求項1に記載された照明ユニット。
  3. 前記傾き密度分布D(ξ)と前記配光分布g(θ)と前記角度θに関し、
    D(ξ)×g(θ)×cosθの最大値と最小値の差がその平均値以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載された照明ユニット。
  4. 任意の前記光学構造物から、当該光学構造物に二番目に近接する他の光学構造物である第二近接光学構造物へ向かう方向と、前記第一の線状レンズの配列方向とが略同一であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載された照明ユニット。
  5. 前記隠蔽レンズシートの前記入射面側に、前記第一の線状レンズの配列方向とは略直交する方向に配列された複数の第二の線状レンズを有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載された照明ユニット。
  6. 前記導光体の前記隠蔽レンズシートとは反対側に、前記導光体の反射面側から射出する光を反射して再度前記導光体へ導く反射シートをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載された照明ユニット。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された照明ユニットと、
    表示画像を規定する画像表示素子と、
    を有することを特徴とする表示装置。
  8. 前記画像表示素子が、画素単位での透過/遮光により画像を表示することを特徴とする請求項7に記載された表示装置。
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