JP5433468B2 - 上げ下げ窓用バランサー、及び上げ下げ窓 - Google Patents
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Description
このようなバランサーは上げ下げ窓の枠の内部に配置される。従って、バランサーが大きいとこれに応じて枠の見付方向、及び/又は見込み方向も大きくせざるを得なかった。枠の見付方向、見込み方向が大きいことは、開口部装置の採光面積を減少させたり、上げ下げ窓が厚くなったりすることになり、改善が望まれていた。
図2は、図1(b)に示した上げ下げ窓1を分解して概略的に示した図である。
図3は、図1(a)のIII−IIIに沿った線における断面図である。
図4は、図3の姿勢から可動障子30の上端を室内側に倒した姿勢の図である。
図5は、図1(b)のV−Vに沿った線における断面図である。
ここで、図3〜図5では、紙面左が室外側、紙面右が室内側を表している。
ガイド溝40は、直線部41及び傾斜部42を備えている。直線部41は、固定障子20より見込み方向室内側に設けられ、縦枠14の長手方向に延在している。傾斜部42は、直線部41の下枠12側端部から下枠12側にさらに延在するとともに、固定障子20の下方に向かって傾斜して設けられている。
ただし、これはグレージングチャンネルを用いたガラスパネルと框との取り付け構造を用いることを妨げるものではなく、このような従来の構造であってもよい。本実施形態では、上記したように、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることができるとの観点から固定障子20を好ましい例として説明した。
ただし、これはグレージングチャンネルを用いたガラスパネルと框との取り付け構造を用いることを除外するものではなく、このような従来の構造であってもよい。本実施形態では、上記したように、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることができるとの観点から可動障子30を好ましい例として説明した。
軸131は、軸部材132と、ラチェット歯車部133と、操作部134と、を備えている。軸部材132は円柱状の軸であるとともに、スリット132aが設けられている。スリット132aは、一方の端面から軸心に沿った方向を深さとし、幅方向両端は直径を貫通している。後述するように当該スリット132aにゼンマイ150の一端が係合される。
ラチェット歯車部133は、軸部材132の端部のうち上記スリット132aが設けられていない側の端部に配置される円板状に形成された部位である。該円板状の外周には、ラチェット歯133a、133a、…が形成されている。ここでラチェット歯133a、133a、…はラチェット機構に用いられる通常の歯形状を用いることができる。また、ラチェット歯車部133と軸部材132とは、一体に形成してもよいし、個別に製造された部品を組み合わせることにより形成してもよく、その形成は特に限定されるものではない。例えばラチェット歯車部133は、形状が複雑であり、ゼンマイ150による力が付加されることから、部材自体の強度を軸部材132よりも大きくしたいことがある。このような場合には、ラチェット歯車部133を軸部材132とは別の部材として強度の高い材料で形成し、後で軸部材132と組み合わせることができる。
操作部134は、軸部材132のうち、ラチェット歯車部133が備えられる側の端部に具備され、一直線の溝134aが設けられた部位である。後述するように当該溝134aに工具を差し込んで回動させることによりゼンマイ150の弾性力の調整を行うことができる。
巻取りドラム140には、径の小さい側の面が截頭円錐状の軸を中心とした円形で掘り下げられ、凹部141が形成されている。また、径の大きい側の面も截頭円錐状の軸を中心とした円形で掘り下げられ、凹部142とされている。凹部142の底部の一部には、溝142aが設けられている。
また、凹部141と凹部142とを貫通するように截頭円錐状の軸を中心とした孔143が設けられている。
また、巻取りドラム140の材質は特に限定されるものではないが、形状が複雑であること、及びワイヤ101が接触する観点から成型性がよく、摺動性にも優れるものが好ましい。これには例えばアセタール(POM)を挙げることができる。
円板161は、円板状の部材でその略中央には孔161aが設けられている。該孔161aは、軸部材132がここを貫通することができるような大きさであればよい。
係合片163の高さはゼンマイ150の厚さより大きい。これにより後述するように、該係合片163がゼンマイ150の環状部150aを貫通するとともに、その先端を巻取りドラムの溝142aに差し込むことが可能となる。
ただし、これに限定される必要はなく、従来のようにゼンマイをケース内に収めてこれを巻取りドラムに軸着させる構成(例えば特許文献1の図2〜図5に記載の構成)を用いてもよい。
すなわち、ゼンマイ150の幅方向においてその少なくとも一部が巻取りドラム140の内側に配置されている。従って従来のように、ゼンマイの全てをケースに収納し、これに巻取りドラムを取り付けるバランサーに比べ、バランサーを薄くすることが可能となる。また、ゼンマイ受け160の係合片163がゼンマイ150の一端に係合し、これがさらに巻取りドラム140にも差し込まれているので、巻取りドラム140、ゼンマイ150、ゼンマイ受け160の一体化が適切に図られる。加えて、ゼンマイ150の端部がゼンマイ受け160と巻取りドラム140により支持されるので、強度も高められる。
当該ラチェット機構は、ゼンマイ150の弾性力を調整するための機構であるから、弾性力を強めたいときにはゼンマイ150を巻く方向に操作して、この状態を保持する必要がある。一方、弾性力を弱めたいときにはゼンマイ150を巻き戻すようにする必要がある。
次に、当該初期状態からゼンマイ150の弾性力を強くしたいときには、操作者は、操作部124aに工具を差し込む等して軸131を図10にKで示した方向に回動させる。すると、軸部材132に取り付けられたゼンマイ150の一端も同時に操作され、ゼンマイ150の弾性力を強めることができる。ここで、係合片124とラチェット歯133a、133a、…とは一方向にしか回動できない関係にあるので、強められた弾性力は保持される。
しかし、歯車係合部材121をLで示した方向に移動させたことにより、今度は歯車係合部材121の係合片123がラチェット歯133aに係合する位置となる。そして、軸131が少し回動した後に係合片123がラチェット歯133aに係合する。次に、操作者は突起125aに工具を引っ掛けるなどして歯車係合部材121を図10、図11にMで示した方向に移動させる。これにより係合片123とラチェット歯133aとが離脱し、軸131がゼンマイ150が戻る力により図10にNで示した方向に回動する。そして、歯車係合部材121をMで示した方向に移動させたことにより、再び歯車係合部材121の係合片124がラチェット歯133aに係合する位置となる。そして、軸131が少し回動した後に係合片124がラチェット歯133aに係合する。
このように、歯車係合部材121をLで示した方向、Mで示した方向に直線的に移動させることを繰り返すことにより、ゼンマイ150の弾性力を弱めることができる。
本実施形態のラチェット機構によれば、軸は1つでよいので、ラチェット機構を幅方向に小さくすることができる。これにより、小型であるバランサー100を提供することが可能となる。
上記したように、バランサー100、100は、薄く形成されているので、縦枠に取り付けても枠を細く抑えることができる。また、上枠にバランサーを備える必要がなくなるので、上枠11も細く形成することが可能となる。これにより枠全体を細く形成し、採光面積を増やすこと、断熱性を向上させることが可能となる。また外観にも優れた上げ下げ窓を提供することもできる。
閉鎖の姿勢において、可動障子30は図3からわかるように、固定障子20の下方に、該固定障子20と略面一に並置されている。このとき、見付方向外側に突出するようにして上框31に設けられた不図示のラッチが、右の縦枠14に設けられた凹部に係合されている。縦枠13側も同様である。
10 枠体
11 上枠
12 下枠
13 縦枠
14 縦枠
20 固定障子
30 可動障子
38 支持部材
40 ガイド溝
41 直線部
42 傾斜部
100 バランサー
101 ワイヤ
110 箱体
111a 孔
111b スリット
120 ラチェット機構付き軸
121 歯車係合部材
122 基板
122a 長孔
123 係合片
124 係合片
125 操作片
125a 突起
126 トーションバネ
131 軸
132 軸部材
132a スリット
133 ラチェット歯車部
133a ラチェット歯
134 操作部
134a 溝
140 巻取りドラム
140a 溝
141 凹部
142 凹部
150 ゼンマイ
150a 環状部
160 係合片
161 円板
162 側壁
163 係合片
170 フタ
Claims (8)
- 軸部材と、
前記軸部材に一端を固定されたゼンマイバネと、
前記軸部材により回動自在とされ、外周面に螺旋状に形成された溝を有する巻取りドラムと、
前記ゼンマイバネの弾性力を調整可能なラチェット機構と、を備え、
前記ラチェット機構は、
前記軸部材の一端に設けられ、外周にラチェット歯が具備されたラチェット歯車と、
前記ラチェット歯に係合離脱可能に設けられた係合片及び前記係合片とは反対向きにつき出した操作片を有するとともに、前記軸部材の軸心方向に該軸部材に並列して配置される歯車係合部材と、を備え、
前記係合片は、前記軸部材の軸心方向に略平行に延在し、該軸心方向に平行な方向から前記ラチェット歯に係合可能とされるとともに、
前記操作片を操作して前記歯車係合部材を前記軸部材の軸心方向と直交する方向に直線移動させることにより、前記係合片と前記ラチェット歯とが係合離脱し、前記ゼンマイバネが巻き戻されることを特徴とする上げ下げ窓用バランサー。 - 前記歯車係合部材には、複数の係合片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の上げ下げ窓用バランサー。
- 前記歯車係合部材には、前記軸部材の端部に通じる孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の上げ下げ窓用バランサー。
- 前記巻取りドラムには、その面のうち、前記溝が設けられた外周面とは異なる面で、前記ラチェット機構が備えられる側の面には凹状部が形成されており、
前記巻取りドラムの凹状部の内側に前記ラチェット機構の少なくとも一部が配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサー。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサーが、箱体を有し、
前記巻取りドラム、前記ゼンマイバネ、及び前記ラチェット機構が、前記箱体の内側に内包されることを特徴とする上げ下げ窓用バランサー。 - 前記箱体には、該箱体の外部から前記ラチェット機構を操作可能に設けられた孔及び/又はスリットが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の上げ下げ窓用バランサー。
- 建物開口部に沿って配置される枠体と、該枠体の内側に上げ下げ可能に配置される可動障子と、を備える上げ下げ窓であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサーが備えられることを特徴とする上げ下げ窓。 - 前記上げ下げ窓用バランサーが前記枠体のうち縦枠に配置されることを特徴とする請求項7に記載の上げ下げ窓。
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