JP3692291B2 - 上げ下げ窓用バランサー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バネ材による上方向の付勢力により、上下方向に開閉自在とされる可動障子と力学的平衡関係を保つための上げ下げ窓のバランサー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上下方向に開閉される可動障子を備えた上げ下げ窓では、前記可動障子を僅かな力で簡単に上下動させるようにするとともに、任意の開位置で停止可能とするために、前記可動障子の重量と力学的平衡関係を保つバランサー装置が用いられている。
【0003】
この種のバランサー装置としては、主に捻りバネの捻り力を利用して障子重量と釣り合う平衡力を螺旋杆を介して作用させるようにした捻りバネ式バランサー装置と、渦巻きバネによる回転方向の付勢力を利用して障子を吊持しているワイヤを巻取っている巻取りドラムに巻き上げ方向の力を与え障子重量と釣り合う平衡力を作用させるようにした渦巻きバネ式バランサー装置とに大別される。
【0004】
これらバランサー装置においては、可動障子の重量に合わせて、予め製作時にバネ材による上方向付勢力が調整されたものも存在するが、この場合には、窓別に種々の寸法のバランサーを用意しなければならなくなるため、ある程度の範囲で各種の上げ下げ窓に対応できるように、前記捻りバネや渦巻きバネを所定方向に回転するための初期導入力調整軸を設け、窓の建付け時に作業員が前記初期導入力調整軸の回転操作により可動障子に釣り合う上方向力を導入出来るようになっている。
【0005】
例えば、前記渦巻きバネ式バランサーの場合には、障子吊持ワイヤを巻き取っている巻取りドラムの支軸に対して、ラチェット車を固設するとともに、このラチェット車の歯に係合するクリックを設けておき、前記支軸をドライバーなどのねじ回しによって渦巻きバネの巻き方向に回転し、所定の巻き回数位置にて固定出来るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記渦巻きバネ式バランサー装置を含む従来のバランサー装置においては、初期導入力調整軸(たとえば前記支軸)の巻き回数、すなわち障子重量と釣り合う導入力の指標値を表示する機能が無かったため、初期導入力の調整に当たっては調整者がドライバーの回転回数を数えながら作業を行っており、数え間違いなどにより設計初期導入力とは異なった導入力に調整してしまうことがあった。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、初期導入力調整軸を備えた上げ下げ窓のバランサー装置において、簡単な構造により前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数する計数機能を持たせることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、バネ材による付勢力により、上下方向に開閉される可動障子と力学的平衡関係を保ち、該可動障子の開閉を容易にするとともに、任意の高さ位置に停止可能とするための上げ下げ窓用バランサー装置において、
前記バランサー装置は、可動障子に上方向の付勢力を与える前記バネ材に対し直接的または間接的に前記可動障子の重量に釣り合う平衡力を与えるための初期導入力調整軸を備え、
前記初期導入力調整軸に該初期導入力調整軸の回転と共に回転運動する計数用作動部材を設け、
前記初期導入力調整軸の隣接位置に、周縁に前記計数用作動部材に係合する係合歯が形成されるとともに、前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数する数字、文字または記号が表示された歯車状の計数用回転板を設け、
前記初期導入力調整軸の回転に伴って前記計数用作動部材が前記計数用回転板に係合し、計数用回転板を回転させることにより前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数可能としたことを特徴とするものである。
【0009】
前記計数用作動部材としては、たとえば前記初期導入力調整軸から所定の半径位置に、前記初期導入力調整軸の回転に伴ってかつ前記初期導入力調整軸を中心とする円軌跡に沿って移動する1または複数の係合ピンや、前記初期導入力調整軸に外嵌され、初期導入力調整軸の回転に伴って回転するとともに、周縁に1または複数の係合歯が形成された間欠ギア部材とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
図1は渦巻きバネ式バランサー装置を用いた上げ下げ窓の正面図であり、図2〜図4はそれぞれ前記渦巻きバネ式バランサー装置の正面図、底面図および側面図である。
【0011】
上げ下げ窓1は、方形枠状に構成された窓枠2の内部に縦枠2A、2Bに沿って昇降自在とされる内側障子3と、固定式外側障子4とを備え、前記縦枠2A、2Bの上部に渦巻きバネ式バランサー装置5、5が固定されるとともに、この渦巻きバネ式バランサー装置5から繰り出された吊りワイヤ32,32が内側障子3の側部に突出した掛止具3a、3aに掛止され内側障子3を吊持している。前記渦巻きバネ式バランサー装置5は、内設された渦巻きバネにより前記内側障子3の重量と力学的に平衡関係を保ち、前記内側障子3を小さな力で簡単に開閉出来るようにするとともに、任意の高さ位置に停止出来るようにしている。なお、前記外側障子4についても同様に、上下方向に開閉自在の可動障子とし、別途設けた渦巻きバネ式バランサー装置5によって吊持することも可能である。
【0012】
前記渦巻きバネ式バランサー装置5は、詳細には図2〜図4に示されるように、ハウジングを構成する第1ベース板20および第2ベース板21と、これら第1および第2ベース板20、21によって支持された、本発明に言う初期導入力調整軸たる支軸22と、前記第1および第2ベース板20、21によって挟まれた空間内に配設されるとともに、前記支軸22を回転軸として回転自在に支持され、内側障子3を吊持している吊りワイヤ32を巻き取っているワイヤ巻取りドラム24と、前記支軸22に外嵌して配設されるとともに、内方端が前記支軸22に係止されるとともに、外方端が前記ワイヤ巻取りドラム24に掛止された渦巻きバネ23とからなる装置で、前記支軸22の回転調整により前記内側障子3の重量と釣り合う上方向力(初期導入力)を与えることが出来るようになっている。
【0013】
以下、さらに具体的に詳述すると、前記第1ベース板20は、後述のブラケット11に対する固定のために断面L字状の板材が用いられ、一方第2ベース板21は、前記第1ベース板20の板面に対して離間させるために3本の脚部21a〜21cを備え、前記第1ベース板20に対して前記脚部21a〜21cの先端面が当接させ、板面を平行的に対面させた状態で平ネジ36、36…にて連結されている。
【0014】
前記第1ベース板20および第2ベース板21の略中央部には、板面に対して直交する方向に貫通され、前記第1ベース板20と第2ベース板21とに両端部がそれぞれ支持された状態で支軸22が回転自在に設けられている。
【0015】
また、前記第1ベース板20と第2ベース板21とによって挟まれた空間内には、吊りワイヤ32を巻き取る溝が螺旋状に形成された巻取りドラム24が前記支軸22を回転軸として設けられているとともに、この巻取りドラム24に連設して一体的にバネケース35が配設されている。このバネケース35内には、内方端が前記支軸22に係止されるとともに、外方端が前記バネケース35の内壁に掛止された渦巻きバネ23が内設されている。
【0016】
一方、前記第2ベース板21の外面部には、前記支軸22にラチェット車25が一体的に固設されているとともに、軸28によって揺動自在に支持されたクリック27が設けられている。前記クリック27は、前記ラチェット車25側に向けてバネ26によって付勢され、歯27aが前記ラチェット車25の歯25aに係合し、支軸22を所定の巻き回数位置にて固定可能となっている。すなわち、上げ下げ窓1の建付け時に、前記支軸22を前記渦巻きバネ23の巻き方向に回転し、所定の巻き回数位置にて前記支軸22に固定されたラチェット車25に対してクリック27を噛合させることにより、窓建付け時に内側障子3の重量と釣り合う上方向力を導入できるようになっている。
【0017】
したがって、前記支軸22の回転操作により、前記渦巻きバネ式バランサー装置5の渦巻きバネ23に対し内側障子3の重量と釣り合う付勢力を与えておくと、渦巻きバネ23による上方向付勢力は、内側障子3が昇降位置にあっても内側障子3の重量と釣り合うようになり、任意の障子開位置で停止できるようになるとともに、上下方向に力が均衡しているため僅かの力で内側障子3を開閉操作できるようになる。前記渦巻きバネ式バランサー装置5は、縦枠2A、2Bまたは上枠に対し直接取り付けることもできるが、本例では前記縦枠2A、2Bに対しスペーサ10を間に介して固定ネジ12,12によって固定されたブラケット11に対し取付けされている。
以上詳述した渦巻きバネ式バランサー装置5の構造は公知のものであり、上げ下げ窓や上下開閉式キャビンなどに対して従来より使用されているものである。
【0018】
本発明では、前記渦巻きバネ式バランサー装置5に内側障子3重量に釣り合う初期導入力を導入するに当たり、前記支軸22の回転数を計数する計数機能を持たせるようにした。具体的には、図2に示されるように、前記ラチェット車25の外面に外方に突出する係合ピン29を設けるとともに、前記支軸22の隣接位置に、軸30によって第2ベース板21に回転自在に支持され、周縁に前記係合ピン29が1回転周期毎に係合する係合歯31a、31a…が形成されるとともに、1係合毎に1歯分(歯ピッチ)だけ回転される歯車状の計数用回転板31を設け、かつ前記係合歯31a、31a…に対して前記支軸22の巻き回数を計数する指標数字(0,1,2,3…)を表示するようにした。なお、前記係合ピン29は支軸22に対して突出アーム状に直接設けるようにしてもよい。また、前記計数用回転板31は振動等によって勝手に回転しないようにある程度の摩擦を利かせた状態で回転自在に支持するようにするのが望ましい。さらに、回転数の表示は、前記数字以外に文字や記号などによって表示するようにしてもよいし、所定の巻き数だけ回転させたことを確認できるように、所定の係合歯31aに対してのみ数字、文字または記号を表示するようにしてもよい。
【0019】
上げ下げ窓の建付け時に、前記渦巻きバネ23に内側障子3と釣り合う上方向付勢力を導入するには、支軸22の頭部溝22aにドライバーをあてがい、先ず吊りワイヤ32の緩みや弛みが無い状態まで支軸22を巻いた後、初期設定のためにラチェット車25に対するクリック27の噛合を開放してラチェット車25の係合ピン29を計数用回転板31から待避させ、計数用回転板31の指標数字0を▲印33位置に合わせるようにする。なお、この段階では渦巻きバネ23には付勢力は導入されていない。後は、ドライバーにより支軸22を渦巻きバネ23の巻き方向に回転させ、計数用回転板31に表示された指標数字が所定の巻き回数になったならば巻き操作を停止するようにする。
【0020】
前記計数用回転板31を回転させる計数用作動部材としては、前記係合ピン29以外に、支軸22の回転に伴って回転運動し、前記計数用回転板31に対する係合によって1歯分だけ回転させるものであればよい。たとえば図5に示される計数用作動部材は、前記支軸22に外嵌され、支軸22の回転に伴って回転するとともに、周縁に係合歯34aが形成された計数用間欠ギア部材34とした例である。
【0021】
なお、上記例では支軸22の1回転毎の巻き数を計数するようにしたが、前記係合ピン29または係合歯34aを2つ設け、0.5回転毎の巻き数を計数するようにしてもよい。この場合には、前記計数用回転板31の係合歯に表示される数字は、0.5毎(0.5,1.0,1.5…)に表示するようにする。さらに、3以上、例えばN個の係合ピン29または係合歯34aを設け、1/N回転毎の巻き数を計数することもできる。
【0022】
〔第2形態例〕
上記第1形態例は、本発明を渦巻きバネ式バランサーに対して適用した事例であるが、初期導入力調整軸を備える限り、捻りバネ式バランサーに対しても同様に適用することができる。本第2形態例に係る捻りバネ式バランサー5Aは、本出願人が特開平11−62373号公報において提案したものである。
【0023】
先ず、捻りバネ式バランサーの構造について詳述すると、図6に示されるように、縦枠2A(2B)の上方側に固定配置された釣合手段たる捻りバネ装置6と、内側障子3の下框側部に回転軸39を介して連結され、内側障子3を縦枠2A(2B)に沿って案内しながら移動自在とされるスライド装置8と、このスライド装置8と前記捻りバネ装置6とを動作的に連携させるために、下端が前記スライド装置8に連結され、上方側は前記捻りバネ装置6の内部に挿入される設置態様で設けられ、スライド装置8の移動に伴って前記捻りバネ装置6の内部に配設された捻りバネ41を巻き締め・巻き戻し動作させる螺旋杆7と、前記スライド装置8に組み込まれた捻りバネの調整手段51,52…とから構成される装置である。
【0024】
前記捻りバネ装置6は、縦枠2A内に鉛直配置で固定された捻りバネ収納筒40の内部に、所定幅のバネ板を螺旋状に加工した捻りバネ41を具備するとともに、下端部に前記螺旋杆7の上下動によって同位置で左右方向に回転される回転作動体43を備えている。前記捻りバネ収納筒40は、ほぼ障子3の縦框相当の長さを有する筒体であり、上端部に前記捻りバネ41の固定金具42を備え、捻りバネ41を吊り状態で支持しているとともに、捻りバネ41の下端は前記回転作動体43の上部に連結されている。前記回転作動体43は、捻りバネ収納筒40の下端口部に鉛直軸回りの回転のみを許容するように配設され、中央部には捻りバネ41の断面形状に相応するスリット孔43aが形成され、このスリット孔43aを貫通する前記螺旋杆7が内側障子3の上下動に伴って昇降されると、螺旋杆7の捻り面に案内されて前記回転作動体43が回転し、捻りバネ41を巻き締め、あるいは巻き戻しする。実際には、前記螺旋杆7の下降に伴って回転作動体43を巻き方向に回転させて捻りバネ41を巻き締め、内側障子3の上昇に伴って回転作動体43を反対方向に回転させて捻りバネ41の巻き戻しをする。従って、前記捻りバネ41に対して予め内側障子3と釣り合う捻り力を与えておくと、捻りバネ41は内側障子3がどの昇降位置にあっても障子3と釣り合うようになり、任意の障子開位置で停止できるようになるとともに、上下方向に力が均衡しているため僅かの力で障子を昇降操作できるようになる。
【0025】
一方、前記スライド装置8は、内側障子3の下框側部に対して回転軸39を介して連結され障子3と一体的に昇降動作する。縦枠2Aに対する納まりは、図7に示されるように、縦枠2A内に形成された左右一対のリップ片2a,2bがスライド装置8の両側部に形成されたスリット溝50a,50aに係合し前記スライド装置8が上下方向に移動可能になっている。
【0026】
他方、障子3の上框側部に対しては、施・解錠可能なスライド係合金具44が配設され、図6に示されるように、施錠状態ではラッチ棒44aが捻りバネ収納筒40の外面に当接状態で係合し障子3の上端側を保持している。
【0027】
前記スライド装置8は、図7に示されるように、縦枠2Aのリップ片2a,2bに係合して上下方向に摺動する摺動部50Aと、螺旋杆7に連結されるとともに、該螺旋杆7を介して捻りバネ41の捻り力を調整するための調整部50Bとからなり、前記摺動部50Aにおいては、障子面側に凹孔50dが形成されるとともに、該凹孔50dに回転軸39の軸受け部39aが嵌合され、障子3が傾動自在に支持されている。
【0028】
前記調整部50Bにおいては、鉛直方向に沿って上半側に相対的に小径の小径孔部50eと、これに連続して同軸的に相対的に大径の拡大孔部50fとからなる調整軸収容孔が形成されており、この調整軸収容孔に対して調整軸51とこの調整軸51の下側部分に外嵌される巻き戻し用解錠リング52(以下、単に解錠リングという。)とが内挿されている。具体的に前記調整軸51は、上端部に溝孔51cとこの溝孔51cに直交するピン孔51dとを有し、螺旋杆7の下端に一端が連結された連結金物60のピン孔付板部60aが前記溝孔51cに挿入され、連結ピン53がこれらを貫いて前記ピン孔51dより挿入されることにより螺旋杆7と調整軸51とが連結されている。
【0029】
前記調整軸51はほぼ全長に亘って同径の軸部材であり、下端側には該調整軸51が上方に抜け出ないようにするとともに、外嵌される解錠リング52を保持するための鍔51aが設けられており、組立に当たっては、調整軸51に前記解錠リング52を外嵌させ、かつ前記鍔51a上に載置した状態で、前記調整軸収容孔の下端側から差し込み、上部端側を上方に突出させたならば、突出部の基端に予め形成されている環状溝に止輪54を取付け、該調整軸51を鉛直軸回りに回転可能に保持している。
【0030】
他方、前記摺動部50Aの下端部には、段状の切欠き部50bが形成され、この段状切欠き50bの鉛直面より前記解錠リング52の外面に到達する雌ネジ孔50cが形成されており、この雌ネジ孔50cに前記解錠リング52を回転可能/回転不能に切り替え操作する施・解錠ネジボルト55が螺設されている。
【0031】
前記調整軸51および解錠リング52による調整構造は、図8に示されるように、調整軸51の外面に弓形の切欠き51e、51eを対称配置で2箇所形成するとともに、これらの弓形切欠き51e,51eに対して外面にラチェット爪56aを有する横断面円弧状の板バネラチェット56を装着する一方、外側の解錠リング52に対して前記ラチェット爪56aが係合するラチェット溝52aを形成し、前記調整軸51の矢印方向の回転は許容するが反対方向への回転を拘束するラチェット機構としている。
【0032】
また、前記解錠リング52の周囲には、図10に示されるように、前記施・解錠ネジボルト55の先端が嵌合するボルト係合凹部52b,52b…が周方向に多数形成されており、前記施・解錠ネジボルト55を螺進させると、その先端が前記ボルト係合凹部52bに嵌合して解錠リング52を回転不能に保持し、前記施・解錠ネジボルト55を螺退させるとその係合が解かれ、解錠リング52は回転可能な状態となる。
【0033】
従って、捻りバネ41の調整に当たっては、前記施・解錠ネジボルト55を螺進させて解錠リング52を回転不能に固定した後、調整軸51の下面に形成されている十字溝孔51bにドライバーの刃先を差し込んで図8の矢印方向に回転させ、調整軸51に連結されている螺旋杆7を介して捻りバネ41を巻き締め、障子3の重量と釣り合うように調整される。なお、前記調整軸51は、ラチェット係合部を周方向に2箇所としているため、1/2回転毎の固定が可能である。
【0034】
また、調整に当たって巻き過ぎがあったり、一旦捻りバネ41の巻き締めを解除したい場合には、前記施・解錠ネジボルト55を螺退させ、解錠リング52の回転をフリーにしてやると、捻りバネ41の復元力により調整軸51が解錠リング52とともに、巻き戻し方向に回転される。
【0035】
かかる捻りバネ式バランサー5Aに対して本発明を適用するには、図7および図11に示されるように、前記調整軸51の鍔51a外面に外方に突出する係合ピン59を設けるとともに、前記調整軸51の隣接位置に、軸57によって回転自在に支持され、周縁に前記係合ピン59が1回転周期毎に係合する係合歯58a、58a…が形成されるとともに、1係合毎に1歯分(歯ピッチ)だけ回転される歯車状の計数用回転板58を設け、かつ前記係合歯58a、58a…に対して前記調整軸51の巻き回数を計数する指標数字(0,1,2,3…)などを表示するようにする。なお、この場合も、第1形態例の場合と同様に、前記係合ピン59に代えて、周縁に係合歯34aが形成された計数用間欠ギア部材を用いることもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、初期導入力調整軸を備えた上げ下げ窓のバランサー装置において、簡単な構造により前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数可能となり、間違い無く所定の初期導入力を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】渦巻きバネ式バランサー装置を用いた上げ下げ窓の正面図である。
【図2】渦巻きバネ式バランサー装置の正面図である。
【図3】その底面図(図2のIII−III線矢視)である。
【図4】その側面図(図2のIV−IV線矢視)である。
【図5】計数用作動部材の他例を示す渦巻きバネ式バランサー装置の正面図である。
【図6】捻りバネ式バランサー装置の拡大縦断面図である。
【図7】スライド装置8部の要部拡大図である。
【図8】図7のVIII−VIII線矢視図である。
【図9】板バネラチェット56の斜視図である。
【図10】図7のX−X線矢視図である。
【図11】図7のXI−XI線矢視図である。
【符号の説明】
1…上げ下げ窓、2A・2B…縦枠、3…内側障子、4…外側障子、5…渦巻きバネ式バランサー装置、5A…捻りバネ式バランサー装置、6…捻りバネ装置、7…螺旋杆、8…スライド装置、20…第1ベース板、21…第2ベース板、22…支軸(初期導入力調整軸)、23…渦巻きバネ、24…巻取りドラム、25…ラチェット車、27…クリック、29…係合ピン、31…計数用回転板、32…吊りワイヤ、34…計数用ギア部材、40…捻りバネ収納筒、41…捻りバネ、43…回転作動体、51…調整軸(初期導入力調整軸)、52…巻き戻し用解除リング、56…板バネラチェット、58…計数用回転板、59…係合ピン
Claims (3)
- バネ材による付勢力により、上下方向に開閉される可動障子と力学的平衡関係を保ち、該可動障子の開閉を容易にするとともに、任意の高さ位置に停止可能とするための上げ下げ窓用バランサー装置において、
前記バランサー装置は、可動障子に上方向の付勢力を与える前記バネ材に対し直接的または間接的に前記可動障子の重量に釣り合う平衡力を与えるための初期導入力調整軸を備え、
前記初期導入力調整軸に該初期導入力調整軸の回転と共に回転運動する計数用作動部材を設け、
前記初期導入力調整軸の隣接位置に、周縁に前記計数用作動部材に係合する係合歯が形成されるとともに、前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数する数字、文字または記号が表示された歯車状の計数用回転板を設け、
前記初期導入力調整軸の回転に伴って前記計数用作動部材が前記計数用回転板に係合し、計数用回転板を回転させることにより前記初期導入力調整軸の巻き回数を計数可能としたことを特徴とする上げ下げ窓用バランサー装置。 - 前記計数用作動部材は、前記初期導入力調整軸から所定の半径位置に、前記初期導入力調整軸の回転に伴ってかつ前記初期導入力調整軸を中心とする円軌跡に沿って移動する1または複数の係合ピンである請求項1記載の上げ下げ窓用バランサー装置。
- 前記計数用作動部材は、前記初期導入力調整軸に付設され、初期導入力調整軸の回転に伴って回転するとともに、周縁に1または複数の係合歯が形成された間欠ギア部材である請求項1記載の上げ下げ窓用バランサー装置。
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