JP5433469B2 - 上げ下げ窓用バランサー及び上げ下げ窓 - Google Patents

上げ下げ窓用バランサー及び上げ下げ窓 Download PDF

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Description

本発明は、上げ下げ窓に用いられるバランサー及び該バランサーを備える上げ下げ窓に関する。
建物開口部には、その用途や外観等の観点から種々の開口部装置が備えられるが、その中で、上下方向に開閉される可動障子により開口部の閉鎖、開放が可能とされた上げ下げ窓がある。
ここで、可動障子の開閉度合いの調整については、ラッチ式とバランサー式とに大別できる。ラッチ式は、可動障子にラッチ棒が備えられるとともに、左右の縦枠にラッチ穴が予め形成されており、可動障子のラッチ棒をラッチ穴に挿入することで、可動障子を所定の位置に保持するものである。一方、バランサー式は、枠体内に設置されたバランサーによって可動障子が吊られ、その重量と力学的な平衡を保つようされている。これにより使用者は、小さな力で可動障子を上げ下げすることができるとともに、これを任意の位置に保持させておくことが可能となる。
従来において、バランサーのうち、ゼンマイバネ式のもの(ゼンマイバネ式バランサー、以下、単に「バランサー」と記載することがある。)は、例えば特許文献1の図3、図4に記載のようなものであった。すなわち、バランサーは、ゼンマイケース(バネケース)内に収められたゼンマイバネ(渦巻きバネ)と、該ゼンマイバネ(渦巻きバネ)に軸着された巻取りドラムとを備えている。さらに、該巻取りドラムには吊りワイヤが巻き付けられるとともに、吊りワイヤの一端が可動障子に取り付けられている。また、巻取りドラムのゼンマイケース(バネケース)が設けられる側とは反対側には、ラチェット機構及び該ラチェット機構の解除部材が設けられている。
特開2002−81259号公報
上記のように構成される従来のバランサーは、上げ下げ窓の枠の内部に配置される。従って、バランサーが大きいとこれに応じて枠の見付方向、及び/又は見込み方向も大きくせざるを得なかった。枠の見付方向、見込み方向が大きいことは、開口部装置の採光面積を減少させたり、上げ下げ窓が厚くなったりすることになり、改善が望まれていた。
そこで本発明は、小型化が可能な上げ下げ窓用バランサーを提供することを課題とする。また、当該バランサーを備えることにより、採光性等の機能の高い上げ下げ窓を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、第一軸部材(132)と、第一軸部材に並列される第二軸部材(171)と、第一軸部材に一端を固定されたゼンマイバネ(150)と、第一軸部材に設けられ、ゼンマイバネの弾性力を調整可能なラチェット機構(121、133、134)と、第二軸部材に備えられ、該第二軸部材により回動自在とされ、外周面に螺旋状に形成された溝を有する巻取りドラム(190)と、を備え、さらに、ゼンマイバネと巻取りドラムとを連動可能とする連動手段(140、180)が設けられ、ラチェット機構は、第一軸部材の一端に設けられ、外周にラチェット歯(133a、133a、…)が具備されたラチェット歯車(133)と、ラチェット歯に係合離脱可能に設けられた係合片(123、124)及び係合片とは反対向きにつき出した操作片(125)を有するとともに、第一軸部材の軸心方向に該第一軸部材に並列して配置される歯車係合部材(121)と、を備え、係合片は、第一軸部材の軸心方向に略平行に延在し、該軸心方向に平行な方向からラチェット歯に係合可能とされるとともに、操作片を操作して歯車係合部材を第一軸部材の軸心方向と直交する方向に直線移動させることにより、係合片とラチェット歯とが係合離脱し、ゼンマイバネが巻き戻されることを特徴とする上げ下げ窓用バランサー(100)を提供することにより前記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)において、連動手段が、第一軸部材(132)により回動自在とされ、ゼンマイバネ(150)の他端側が直接又は間接的に固定されるとともに、その外周に歯車(141)を備える第一歯車部材(140)と、第二軸部材(171)により回動自在とされ、巻取りドラム(190)に固定されるとともに、その外周に第一歯車部材の歯車と噛み合う他の歯車(181)を有する第二歯車部材(180)と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)において、箱体(110)を有し、ゼンマイバネ(150)、巻取りドラム(190)、ラチェット機構(121、133、134)、及び連動手段(140、180)が、箱体の内側に内包されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)において、箱体(110)には、ラチェット機構(121、133、134)を操作可能に設けられた孔(111a)及び/又はスリット(111b)が具備されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、建物開口部に沿って配置される枠体(10)と、該枠体の内側に上げ下げ可能に配置される可動障子(30)と、を備える上げ下げ窓(1)であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)が備えられることを特徴とする上げ下げ窓を提供することにより前記課題を解決する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の上げ下げ窓(1)において、請求項1〜4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)が枠体(10)のうち縦枠(13、14)に配置されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、建物開口部に沿って配置される枠体(10)と、該枠体の内側に上げ下げ可能に配置される可動障子(30)と、を備える上げ下げ窓(1)であって、請求項3又は4に記載の上げ下げ窓用バランサー(100)が、箱体(110)の少なくとも一部が枠体から露出して枠体に備えられることを特徴とする上げ下げ窓を提供することにより前記課題を解決する。
本発明によれば、小型である上げ下げ窓用バランサーを提供することができる。
また、これを備える上げ下げ窓では、バランサーを備えつつも枠の見付方向又は見込み方向を小さく抑えることが可能となる。従って、採光面積を大きくすること、上げ下げ窓の見込み方向を小さく抑えること、外観がシンプルである等の上げ下げ窓を提供することが可能となる。
1つの実施形態にかかるバランサーが配置された上げ下げ窓の室内視正面図である。図1(a)が閉鎖の姿勢、図1(b)が開放の姿勢である。 図1(b)の分解図である。 図1のIII−III断面図である。 図3において、可動障子を室内側に倒した姿勢を示す図である。 図1(b)のV−V断面図である。 1つの実施形態にかかるバランサーの外観斜視図である。 図6のVII−VII断面図である。 1つの実施形態にかかるバランサーの分解斜視図である。 図8のIX−IXに沿った分解断面図である。 ラチェット機構付き軸に注目した斜視図である。 図10のラチェット機構付き軸を上方から見た図である。 他の例のラチェット機構付き軸の斜視図である。 他の例のラチェット機構付き軸の機構を説明するための図である。 他の実施形態にかかるバランサーの分解断面図である。 他の実施形態のバランサーに備えられるケースについて説明する図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態にかかるバランサー100、100(図2参照)を備える上げ下げ窓1の室内視正面図である。図1(a)は上げ下げ窓1の閉鎖の姿勢、図1(b)はこれを一部開放した姿勢をそれぞれ示している。
図2は、図1(b)に示した上げ下げ窓1を分解して概略的に示した図である。
図3は、図1(a)のIII−IIIに沿った線における断面図である。
図4は、図3の姿勢から可動障子30の上端を室内側に倒した姿勢の図である。
図5は、図1(b)のV−Vに沿った線における断面図である。
ここで、図3〜図5では、紙面左が室外側、紙面右が室内側を表している。
以下、「見付方向」とは全体として平板状である上げ下げ窓(障子の場合は障子)の該平板状の平面に沿った方向を意味し、上げ下げ窓が建物に取り付けられた姿勢では、建物開口部の開口面に沿った方向を意味する。また、「見付方向内側」とは、見付方向のうち、上げ下げ窓(障子の場合は障子)の中央方向を意味する。従って「見付方向外側」とは見付方向のうち、上げ下げ窓(障子の場合には障子)から離れる方向を意味する。さらに、「見込み方向」とは全体として平板状である上げ下げ窓(障子の場合には障子)の該平板状の厚さ方向を意味し、上げ下げ窓が建物に取り付けられた姿勢では、建物の室内外方向を示す。
図1〜図5からわかるように、上げ下げ窓1は、建物開口部の縁に沿って取り付けられた枠体10、該枠体10の内側に取り付けられた固定障子20、枠体10の内側に配置された可動障子30及び、枠体10に具備されたバランサー100、100を備える。
枠体10は、水平方向に配置される長尺部材である上枠11、下枠12と、上枠11及び下枠12の端部を渡して設けられる長尺部材である縦枠13、縦枠14と、を備えている。
縦枠14には、図3に破線で示したように、ガイド溝40が形成されている。なお、縦枠13にも縦枠14と同様のガイド溝が形成されている。ここでは縦枠14のガイド溝40についてのみ説明する。
ガイド溝40は、直線部41及び傾斜部42を備えている。直線部41は、固定障子20より見込み方向室内側に設けられ、縦枠14の長手方向に延在している。傾斜部42は、直線部41の下枠12側端部から下枠12側にさらに延在するとともに、固定障子20下方に向かって傾斜して設けられている。
図3にθで示した傾斜部42の水平面に対する傾斜角は、特に限定されるものではないが、25度以上45度以下の範囲であることが好ましい。傾斜角θが小さ過ぎる場合は、可動障子30を開ける際に要する力が大きくなる。
さらに、直線部41と傾斜部42とが連結される部分で、図3にAで示した角部には、摩擦低減手段50が設けられている。可動障子30の閉鎖の姿勢で当該角部Aにバランサー100のワイヤ101が接触するので、当該角部Aとワイヤ101との摩擦を低減させる手段である。摩擦低減手段50は、摩擦を低減させることができれば、具体的手段は特に限定されるものではないが、例えばローラーや、耐摩耗性に優れた材料(クロムモリブデン鋼など)の配置等を挙げることができる。
また、摩擦低減のために当該角部Aを大きな径の円弧状としてもよい。これによれば、上記ローラーや耐摩耗性に優れた材料を別部材として用いることなく、摩擦を低減させることができる。円弧状の径は特に限定されるものではないが、半径で例えば20mm〜40mm程度とすることにより摩擦を低減することができる。
固定障子20は、上框21、下框22、縦框23、及び縦框24を方形に枠組みし、その区画内に複層ガラスパネル25を装着して構成されている。本実施形態ではガラスパネル25を複層ガラスパネルとしたが、これに限定されるものではなく、単層のガラスパネルであってもよい。本実施形態では、断熱性を向上させるという観点から好ましい例として複層ガラスパネルとした。
また、固定障子20では、ガラスパネル25の端部が上框21、下框22、縦框23、及び縦框24に差し込まれるとともに、接着剤により直接接着されている。すなわち従来のようなグレージングチャンネルを介してガラスパネルが框に取り付けられる構成ではない。これにより、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることが可能となる。
ただし、これはグレージングチャンネルを用いたガラスパネルと框との取り付け構造を用いることを妨げるものではなく、このような従来の構造であってもよい。本実施形態では、上記したように、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることができるとの観点から固定障子20を好ましい例として説明した。
このような固定障子20では、上枠11に上框21が、縦枠13に縦框23が、縦枠14に縦框24がそれぞれ固定されることで、枠体10内側の上部に固定されている。
可動障子30は、上框31、下框32、縦框33、及び縦框34を方形に枠組みし、その区画内に複層ガラスパネル35を装着して構成されている。本実施形態ではガラスパネル35を複層ガラスパネルとしたが、これに限定されるものではなく、単層のガラスパネルであってもよい。本実施形態では、断熱性を向上させるという観点から好ましい例として複層ガラスパネルとした。
ここで、図3〜図5からわかるように、上框31はその室内側に引手部31aを備えている。操作者は当該引手部31aに手を掛けて操作することで可動障子30の開閉を容易に行うことができる。また、引手部31aは、見付方向上方にも延在している。これにより、可動障子30の閉鎖姿勢で、引手部31aは室内視で固定障子20の下框22を覆うことができる。従って、室内視より下框22が隠蔽され外観に優れるとともに、水密性、断熱性、及び防犯性に優れた構造となる。
図2からわかるように、縦框33及び縦框34のそれぞれの下端部には、見付方向外側に突出して支持部材38、38が取り付けられている。支持部材38は、ガイド溝40の溝内を移動可能とされる円柱状の支持部38aを有する。該円柱状の径は、ガイド溝40の溝幅より若干小さく形成されている。これにより支持部38aがガイド溝40の溝内を円滑に移動することができる。また、支持部38aの円柱状の外周面には、環状溝38bが設けられている。環状溝38bの溝幅はバランサー100のワイヤ101の径と略同じとされている。すなわち、当該環状溝38bにワイヤ101の環状部101a(図6参照)を引っ掛けてバランサー100により可動障子30が吊られている。
可動障子30では、ガラスパネル35の端部が上框31、下框32、縦框33、及び縦框34に差し込まれるとともに、接着剤により直接接着されている。すなわち従来のようなグレージングチャンネルを介してガラスパネルが框に取り付けられる構成ではない。これにより、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることが可能となる。
ただし、これはグレージングチャンネルを用いたガラスパネルと框との取り付け構造を用いることを除外するものではなく、このような従来の構造であってもよい。本実施形態では、上記したように、框の見付方向、及び見込み方向の大きさを小さくすることができるとの観点から可動障子30を好ましい例として説明した。
可動障子30の移動による障子の開閉については後で詳しく説明する。
次に1つの実施形態にかかるバランサー100について説明する。図6にバランサー100の外観斜視図を示し、図7には、図6のVII−VII線を含み、バランサー100の厚さ方向(図6の紙面左下−右上方向)に沿った断面図を表した。また、図8にはバランサー100の分解斜視図を示し、図9には、図8のIX−IX線を含み、バランサーの厚さ方向(図8の紙面左下−右上方向)に沿った各構成の断面図を表した。図6〜図9、及び適宜示す図を参照しつつバランサー100について説明する。
バランサー100は、箱体110、ラチェット機構付き第一軸120、第一歯車部材140、ゼンマイ150、ゼンマイ受け160、第二軸170、第二歯車部材180、巻取りドラム190、及びフタ195を備えている。
箱体110は、1つの面が開放された直方体の箱状の部材である。従って当該開放された部位から箱体110の内側に部材を入れて配置することができる。また、箱体110の底面を形成する平板111には、該平板111を貫通する孔111a及びスリット111bが設けられている。また、平板111のうち箱体110の内側となる面には、図7、図9からわかるように、円柱状の突起111cが立設されるとともに、軸取り付け部111dが備えられている。ここで、スリット111bの形状は特に限定されるものではなく、後述するように、ここに工具等を差し込んで、操作片125を操作することができればよい。
ラチェット機構付き第一軸120は、第一軸131と歯車係合部材121とを備えている。図10には、図8のうち、ラチェット機構付き軸120に注目して拡大した図を表した。また、図11には、図10を紙面上方から見た図を示した。
第一軸131は、第一軸部材132と、ラチェット歯車部133と、操作部134と、を備えている。第一軸部材132は円柱状の軸であるとともに、スリット132aが設けられている。スリット132aは、一方の端面から軸心に沿った方向を深さとし、幅方向両端は直径を貫通している。後述するように当該スリット132aにゼンマイ150の一端が係合される。
ラチェット歯車部133は、第一軸部材132の端部のうち上記スリット132aが設けられていない側の端部に配置される円板状に形成された部位である。該円板状の外周には、ラチェット歯133a、133a、…が形成されている。ここでラチェット歯133a、133a、…はラチェット機構に用いられる通常の歯形状を用いることができる。また、ラチェット歯車部133と第一軸部材132とは、一体に形成してもよいし、個別に製造された部品を組み合わせることにより形成してもよく、その形成は特に限定されるものではない。例えばラチェット歯車部133は、形状が複雑であり、ゼンマイ150による力が付加されることから、部材自体の強度を第一軸部材132よりも大きくしたいことがある。このような場合には、ラチェット歯車部132を第一軸部材132とは別の部材として強度の高い材料で形成し、後で軸部材と組み合わせることができる。
操作部134は、第一軸部材132の端部のうち、ラチェット歯車部133の備えられた側に備えられ、一直線の溝134aが設けられた部位である。後述するように当該溝134aに工具を差し込んで回動させることによりゼンマイ150の弾性力の調整を行うことができる。
歯車係合部材121は、略板状である基板122と、トーションバネ126とを備えている。基板122には、その板厚方向に貫通する長孔122aが設けられている。また、長孔122aの長軸方向の基板122の両端のそれぞれには、基板122の板状である一面側から立設し、第一軸131の軸芯方向に略平行な方向延在するように係合片123、124が設けられている。さらに長孔122aの短軸方向の基板122の一端には、操作片125が設けられている。操作片125には、その両端に上記係合片123、124とは反対向きに突き出し、長孔122aの長軸方向に並列された2つの突起125a、125aが具備されている。
トーションバネ126は、公知のトーションバネを用いることができ、その両端が基板122に設けられた孔122b、122cのそれぞれに入れられている。ここでトーションバネ126は、ゼンマイ150の弾性力を調整する際に、歯車係合部材121が適切に移動できるように、該歯車係合部材121を付勢している。
このように形成されたラチェット機構付き第一軸120では、図11にDで示したラチェット歯車部133の外径Dが、図11にB、Cで示した係合片123、124間ピッチと概ね同じ、又は若干小さく形成されている。これにより後述するように、係合片123、124の両方が同時にラチェット歯133a、133a、…に係合することが防止され、係合する場合には、いずれか一方の係合片123、124のみがラチェット歯133a、133a、…に係合する。ラチェット機構によるゼンマイ150の弾性力の調整については、後で詳しく説明する。
図6〜図9に戻り、バランサー100の構成について説明を続ける。第一歯車部材140は、円柱状の部材で、その外周面に第一歯車141を具備している。また、円柱状である内壁からは、円柱の軸心に向かって棒状の部材143、143、…が張り出しており、軸心部分には孔145が形成されている。従って、部材143、143、…を挟んで一方に凹部142、他方に凹部144が形成される。ここで、凹部142の底部に相当する部分に図9からわかるように、溝140aが設けられている。
ここで、図9にEで示した凹部144の直径(第一歯車部材140の内径)は、第一軸131のラチェット歯車部133の直径(図11にDで示した大きさ)より大きいことが好ましい。また、図9にFで示した凹部144の深さは当該ラチェット歯車部133の厚さより深いことが好ましい。これにより、ラチェット歯車部133を凹部144内に収めることができ、その分、さらにバランサー100を薄くすることが可能となる。またE、Fで示した大きさを大きくして、歯車係合部材121の一部、又は全部を凹部に収めることによれば、さらにバランサー100を薄くすることができる。
一方、図9にGで示した凹部142の直径は、ゼンマイ150をここに適切に収めることができる大きさである。また、図9にHで示した凹部142の深さは0より大きく、ゼンマイ150の厚さより小さい範囲であればよく、特に限定されるものではない。ただし、ゼンマイ150の弾性力と巻取りドラム140の強度との観点から、Hで示した深さはゼンマイ150の厚さの半分程度が好ましい。これにより、ゼンマイ150の少なくとも一部を凹部142内に収めることができ、これによってもバランサー100を薄くすることが可能となる。
孔145は第一軸部材132がここを貫通することができるように形成されていればよい。
ゼンマイ150は、いわゆるゼンマイバネ(巻きバネ)である。ゼンマイ150は、その外周側端部において、厚さ方向に貫通する環状に形成された環状部150aが設けられている。当該ゼンマイの弾性力により可動障子30の保持が可能となる。
ゼンマイ受け160は、円形箱状の部材で、円板161、側壁162、及び係合片163を備えている。
円板161は、円板状の部材でその略中央には孔161aが設けられている。該孔161aは、第一軸部材132がここを貫通することができるような大きさであればよい。
側壁162は円板161の外周に沿って立設された壁状の部材である。従って、円板161と側壁162とにより円形の箱状体(凹部164)が形成される。また、側壁162は、その一部に切欠き部162aが設けられ、該切欠き部162aの円板161の縁からは側壁162よりも高く係合片163が立設されている。
ここで、図9にJで示した側壁162の高さは、少なくとも上記巻取りドラム140の凹部142の深さ(図9にHで表した大きさ)と当該高さJとの合計が、ゼンマイ150より厚さより大きければよい。これにより、凹部142とゼンマイ受け160の上記箱状体(凹部164)との内側にゼンマイ150を収めることができる。
係合片163の高さはゼンマイ150の厚さより大きい。これにより後述するように、該係合片163がゼンマイ150の環状部150aを貫通するとともに、その先端を巻取りドラム140の溝140aに差し込むことが可能となる。
ここで、ゼンマイ受け160の材質は特に限定されるものではないが、内側にゼンマイ150が備えられ、該ゼンマイ150のゼンマイ特性における外周方向への開放力を抑制するための強度を要する観点から、金属であることが好ましい。これには例えば鋼、アルミニウム等を挙げることができる。
第二軸170は円柱軸状の部材であり、第二軸部材171の両端に固定部172、173が具備されている。
第二歯車部材180は、外周面に第二歯車181を具備した歯車部材である。また、その中心部分には孔182が設けられている。ここで、第二歯車181は、上記した第一歯車部材140の第一歯車141と組み合わせられるように形成されている。これにより、第一軸131側に備えられた部材と第二軸170側に備えられた部材との連動が可能となる。
巻取りドラム190は、略截頭円錐状の部材である。外周面には螺旋状に形成された溝191が刻設されており、ここにワイヤ101が出入りすることによりワイヤ101の巻き取り、巻き戻しが行われる。また、略截頭円錐状である軸心には孔192が設けられている。
また、巻取りドラム190の材質は特に限定されるものではないが、形状が複雑であること、及びワイヤ101が接触する観点から成型性がよく、摺動性にも優れるものが好ましい。これには例えばアセタール(POM)を挙げることができる。
フタ195は、矩形板状の部材であり、2つの孔196、197が設けられている。またその一辺には2つの係合部198、198が配置されている。
以上のような各構成部材は、例えば次のように組み合わせられている。すなわち、第一軸131の第一軸部材132が、第一歯車部材140の孔145、ゼンマイ150の内側、ゼンマイ受け160の孔161a、及びフタ190の孔196を通される。このとき、ゼンマイ150の内側端が第一軸部材132のスリット132aに固定される。また、第一歯車部材140、及びゼンマイ受け160は第一軸部材132を中心に回動可能に通されている。
その際には、第一歯車部材140とゼンマイ受け160とが連結されるとともに、第一歯車部材140の凹部142とゼンマイ受け160の箱状の内側(凹部164)とが形成する空間にゼンマイ150が収められる。このとき、ゼンマイ受け160の係合片163は、ゼンマイ150の環状部150a内を貫通するとともに、係合片163の先端は、第一歯車部材140の溝140aに差し込まれる。
すなわち、ゼンマイ150の幅方向において、その少なくとも一部が第一歯車部材140の内側に配置されている。従って、従来のように、ゼンマイの全てをケースに収納し、これに巻取りドラムを取り付けるバランサーに比べ、バランサーを薄くすることが可能となる。また、ゼンマイ受け160の係合片163がゼンマイ150の一端に係合し、これがさらに第一歯車部材140にも差し込まれているので、第一歯車部材140、ゼンマイ150、ゼンマイ受け160の一体化が適切に図られる。加えて、ゼンマイ150の端部がゼンマイ受け160と第一歯車部材140により支持されるので、強度も高められる。
また、第一軸部材132を各部材に通した際には、第一軸131のラチェット歯車部133が第一歯車部140の凹部144の内側に配置される。これによってもさらにバランサーを薄くすることが可能となる。
歯車係合部材121は、その長孔122aの内側に第一軸131の操作部134が配置されるとともに、係合片123、124のいずれかが第一軸131のラチェット歯133aに引っ掛かるように配設される。これによりラチェット機構が機能する。ラチェット機構については後で詳しく説明する。
一方、第二軸170は、第二歯車部材180の孔182、巻取りドラム190の孔192、及びフタ195の孔197を通される。このとき、第二歯車部材180、及び巻取りドラム190は第二軸170を中心に回動可能に通されている。その際には、第二歯車部材180と巻取りドラム190とが連結される。
以上に示した各部材を内包するように、箱体110とフタ195とを係合させる。当該係合は、係合部198、198と被係合部111e、111eとの係合や、不図示のネジによるネジ止めで行うことができる。
ここで、箱体110の内側に各部材が配置される際には、該箱体110の円柱状の突起111cが歯車係合部材121のトーションバネ126の環状部に差し込まれる。また、箱体110には上記したように、孔111a、スリット111bが設けられているが、ここに工具を差し込むことにより、孔111aからは操作部134を、スリット111bからは歯車係合部材121の突起125a、125aを操作することができる。
一方、第二軸170の固定部172が、軸取り付け部111dに差し込まれて配置される。これにより第二軸170が箱体110内に固定される。
また、第一歯車部材140の歯車部141と、第二歯車部材180の歯車部181とが組み合わされる。
このようなバランサー100では、ゼンマイ150と巻取りドラム190とが、1つの軸に連結される態様ではなく、並列される2つの軸のそれぞれに分けられて配置されている。従って、軸の長さ方向の大きさ(バランサー100の厚さ)を小さく抑えることが可能となる。
次にラチェット機構について、図10、図11を参照しつつ説明する。上記のようにラチェット機構付き第一軸120では、歯車係合部材121の長孔122aの内側に第一軸131の操作部134が配置されるとともに、係合片123、124のいずれかが第一軸131のラチェット歯133aに引っ掛かるように配設される。
当該ラチェット機構は、ゼンマイ150の弾性力を調整するための機構であるから、弾性力を強めたいときにはゼンマイ150を巻く方向に操作して、この状態を保持する必要がある。一方、弾性力を弱めたいときにはゼンマイ150を巻き戻すようにする必要がある。
本実施形態のラチェット機構によれば、例えば初期状態として係合片124がラチェット歯133aに引っ掛かり、ゼンマイ150が所定の弾性力を有して保持されている。
次に、当該初期状態からゼンマイ150の弾性力を強くしたいときには、操作者は、操作部124aに工具を差し込む等して第一軸131を図10にKで示した方向に回動させる。すると、第一軸部材132に取り付けられたゼンマイ150の一端も同時に操作され、ゼンマイ150の弾性力を強めることができる。ここで、係合片124とラチェット歯133a、133a、…とは一方向にしか回動できない関係にあるので、強められた弾性力は保持される。
一方、ゼンマイ150の弾性力を弱くしたいときには、操作者は突起125aに工具を引っ掛けるなどしてまず歯車係合部材121を図10、図11にLで示した方向に移動させる。
これにより係合片124とラチェット歯133aとが離脱し、第一軸131がゼンマイの150が戻る力により図10にNで示した方向に回動する。
しかし、歯車係合部材121をLで示した方向に移動させたことにより、今度は歯車係合部材121の係合片123がラチェット歯133a、133a、…に係合する位置となる。そして、第一軸131が少し回動した後に係合片123がラチェット歯133aに係合する。次に、操作者は突起125aに工具を引っ掛けるなどして歯車係合部材121を図10、図11にMで示した方向に移動させる。これにより係合片123とラチェット歯133aとが離脱し、第一軸131がゼンマイの150が戻る力により図10にNで示した方向に回動する。そして、歯車係合部材121をMで示した方向に移動させたことにより、再び歯車係合部材121の係合片124がラチェット歯133a、133a、…に係合する位置となる。そして、第一軸131が少し回動した後に係合片124がラチェット歯133aに係合する。
このように、歯車係合部材121をLで示した方向、Mで示した方向に移動させることを繰り返すことにより、ゼンマイ150の弾性力を弱めることができる。
本実施形態のラチェット機構によれば、ラチェット歯車の逆戻りを防止する部材である歯車係合部材121を第一軸131と同じ軸上に配置することが可能となる。従来においては、当該逆戻りを防止する部材には別途軸が設けられていた。従って従来ではラチェット機構が横に広がって大きくなる傾向にあった。
本実施形態のラチェット機構によれば、軸は1つでよいので、ラチェット機構を幅方向に小さくすることができるとともに、ドラムの凹部にラチェット機構を収納することが可能となる。これにより、さらにコンパクトであるバランサー100を提供することができる。
ただし、本発明は、当該ラチェット機構を適用することに限定されるものではなく、通常のラチェット機構を用いてもよい。ここでは、さらにコンパクトにすることができるという観点から好ましい形態として当該ラチェット機構について説明した。
図2、図3に戻り説明を続ける。以上のようなバランサー100、100は、図2、図3からわかるように、縦枠13、14の上部で、ガイド溝の上端に取り付けられる(図3には縦枠14側のみが表されている。)。
上記したように、バランサー100、100は、薄く形成されているので、縦枠に取り付けても枠を細く抑えることができる。また、上枠にバランサーを備える必要がなくなるので、上枠11も細く形成することが可能となる。これにより枠全体を細く形成し、採光面積を増やすこと、断熱性を向上させることが可能となる。また外観にも優れた上げ下げ窓を提供することもできる。
さらに、バランサー100、100は、箱体110、110の内側に収められているので、枠13、14の内側に隠蔽して配置する必要がなくその一面を露出させても外観にほとんど影響を及ぼさない。これによっても枠13、14が太くなることを抑制することができる。そして、当該箱体110の露出面には、ラチェット機構の操作のためのスリット111b、孔111a(操作部134)が設けられているので、バランサー100を枠から外すことなくゼンマイ150の弾性力調整をすることが可能である。
加えて、このように箱体110、110がガイド溝40の上端に配置されるので、これを可動障子30の移動上限値を規制するいわゆるストッパーとして機能させることもできる。
次に上げ下げ窓1の閉鎖、開放について説明する。
閉鎖の姿勢において、可動障子30は図3からわかるように、固定障子20の下方に、該固定障子20と略面一に並置されている。このとき、見付方向外側に突出するようにして上框31に設けられた不図示のラッチが、右の縦枠14に設けられた凹部に係合されている。縦枠13側も同様である。
このように可動障子30と固定障子20とが同一面内に並置されていることから、気密性を確保する部材を同一面内に設けることができる。これは、可動障子と固定障子とを見付方向にずらして配設していた従来の上げ下げ窓より、気密性を高めることが可能となる。具体的には、枠に沿って略矩形枠状に形成されるパッキン(図3には上枠11のパッキン81と下枠12のパッキン83とが表れている。)、及び固定障子20と、可動障子30とのパッキン82が略同一平面内に配設されている。これにより断熱ライン、気密ラインをそろえることができる。
さらに、可動障子30と固定障子20とが同一面内に並置されることによって、防犯性の向上を図ることもできる。従来の上げ下げ窓では、枠体内側の下部に備えられた障子の下框と下枠との間にバールなどを差し込むことで該障子を押し上げ、該障子の上部に取り付けられたクレセント錠が破壊されるということがあった。しかしながら、上げ下げ窓1では閉鎖姿勢で可動障子30と固定障子20とが同一面内に並置されることから、下枠12と下框32との間にバールを差し込んで可動障子30を押し上げるということが困難である。
閉鎖の姿勢である可動障子30を開ける際には、まず、図4からわかるように可動障子30の上框31の室内側に備えられた引手部31aに手を掛けて室内側に可動障子30を倒す。これは、上框31に設けられた不図示のラッチが縦枠13、14から離脱し、ガイド溝40と係合するまで倒す。
その後、操作者は、引手部31a等に手を掛けて可動障子30を引き上げることで、図5に示すように、可動障子30をガイド溝40に沿って上方向へ移動させることができる。このときバランサー100により引き上げ力が補助され、操作者は容易に可動障子30を引き上げることができる。
可動障子30を閉める際には、上記と逆に操作すればよい。
本実施形態では、上記のようにその閉鎖時に上下障子が面一となる上げ下げ窓について説明したが、バランサー100が適用される上げ下げ窓はこれに限定されるものではない。ここでは、バランサー100を薄くすることができることに相まって、さらに上げ下げ窓全体として外観に優れた上げ下げ窓とすることができる観点から、好ましい態様として上記上げ下げ窓1を説明した。
図12、図13には、上記説明したラチェット機構付き第一軸120とは異なるラチェット機構付き第一軸220を示した。このようなラチェット機構付き第一軸220を用いることもできる。図12は、ラチェット機構付き軸220の分解斜視図、図13は、第一軸231と、歯車係合部材221との関係を説明するための図である。
ラチェット機構付き軸220は、第一軸231と歯車係合部材221とを備えている。
第一軸231は、第一軸部材232と、ラチェット歯車部233と、弾性部材234と、を備えている。第一軸部材232は円柱状の軸であるとともに、スリット232a、及び操作溝232bが設けられている。スリット232aは、一方の端面から軸心に沿った方向を深さとし、幅方向両端は直径を貫通している。後述するように当該スリット232aにゼンマイ150の一端が係合される。
一方、操作溝232bは、スリット232aが設けられた端部とは反対側の端部に具備されたスリットである。操作溝232bは当該反対側の端部から軸心に沿った方向を深さとし、幅方向両端は直径を貫通している。後述するように当該操作溝232bに工具を差し込んで回動させることによりゼンマイの弾性力の調整を行うことができる。
ラチェット歯車部233は、第一軸部材232の外周面の一部からリング状に突出するとともに、のこぎり歯状のラチェット歯233a、233a、…が設けられた部位である。ラチェット歯233a、233a、…は軸232の軸方向と同じ方向に凹凸するように形成されている。ラチェット歯233a、233a、…はラチェット機構に用いられる通常の歯形状を用いることができる。ここで、ラチェット歯車部233と第一軸部材232とは、一体に形成してもよいし、個別に製造された部品を組み合わせることにより形成してもよく、その形成は特に限定されるものではない。例えばラチェット歯車部233は、形状が複雑であり、ゼンマイ150による力が付加されることから、部材自体の強度を第一軸部材232よりも大きくしたいことがある。このような場合には、ラチェット歯車部233を第一軸部材232とは別の部材として強度の高い材料で形成し、後で第一軸部材232と組み合わせることができる。
弾性部材234は、第一軸231を軸心に平行な方向に付勢するように設けられた弾性部材である。本実施形態では、弾性部材234は、第一軸部材232を巻くように形成されたバネである。当該バネは、その一端が上記のラチェット歯車部233のうち、ラチェット歯233a、233a、…が具備されていない側の面に接触するように配置されている。
歯車係合部材221は、貫通孔221aを有する円筒状の部材であり、その外周面の一部からは取り付け片222、222、…が突設されている。円筒の外径は、箱体110の孔111aと概ね同じである。一方、円筒の内径(貫通孔221aの径)は、第一軸部材232の径と概ね同じである。また、歯車係合部材221の一方の端面には、上記ラチェット歯車部233に対応する係合歯221b、221b、…が設けられている。当該係合歯221b、221bが、ラチェット歯233a、233a、…に係合、離脱することによりゼンマイ150の弾性力を調整することが可能となる。ゼンマイ150の弾性力の調整については、後で詳しく説明する。
以上のようなラチェット機構付き第一軸220は、上記したラチェット機構付き第一軸120と同様に他の部材に組み合わせられる。すなわち、第一軸231の第一軸部材232が、第一歯車部材140の孔145、ゼンマイ150の内側、ゼンマイ受け160の孔161a、及びフタ195の孔196を通される。このとき、ゼンマイ150の内側端が第一軸部材232のスリット232aに固定される。第一歯車部材140、及びゼンマイ受け160は第一軸部材232を中心に回動可能に通されている。
この際には、第一軸231の弾性部材234は、該軸のラチェット歯車部233と第一歯車部材140との間に挟まれるように配置される。
歯車係合部材221は、その一端が箱体110の孔110aの内側に挿入される。このとき取付片222、222、…により歯車係合部材221は、箱体110に固定される。さらに第一軸231の操作溝232bが設けられた側の端部が、歯車係合部材221の孔221aに差し込まれる。また、第一軸231のラチェット歯車部233のラチェット歯車233a、233a、…が、歯車係合部材221の係合歯221b、221b、…に噛み合うように配置される。これによりラチェット機構が機能する。
ここで、箱体110の孔111aには、第一軸231の操作溝232bが表れ、ここに工具を差し込むことにより、第一軸231を操作することができる。
次にラチェット機構について説明する。上記のようにラチェット機構付き第一軸220では、第一軸231のラチェット歯233a、233a、…を歯車係合部材221の係合歯221b、221b、…に係合して配置される。
当該ラチェット機構は、ゼンマイ150の弾性力を調整するための機構であるから、弾性力を強めたいときにはゼンマイ150を巻く方向に操作して、この状態を保持する必要がある。一方、弾性力を弱めたいときにはゼンマイ150を巻き戻すようにする必要がある。
本実施形態のラチェット機構によれば、例えば図13(a)に示したように初期状態で係合歯221bに、ラチェット歯233aに係合し、ゼンマイ150が所定の弾性力を有して保持されている。
次に、当該初期状態からゼンマイ150の弾性力を強くしたいときには、操作者は、操作溝232bに工具を差し込む等して、第一軸231を図13にPで示した方向に回動させる。すると、第一軸部材232に取り付けられたゼンマイ150の一端も同時に操作され、ゼンマイ150の弾性力を強めることができる。ここで、係合歯221bとラチェット歯233a、233a、…とは一方向にしか回動できない関係にあるので、強められた弾性力は保持される。
一方、ゼンマイ150の弾性力を弱くしたいときには、操作者は操作溝232bに工具を差し込む等して、弾性部材234の弾性力に抗して第一軸231を図13(b)にQで示した方向(軸心方向)に押し込むように移動させる。これにより係合歯221b、221b、…と、ラチェット歯233a、233a、…とが離脱する。
次に、第一軸231を押し込みつつ、図13(b)にRで示した方向に第一軸231を回動させる。これによりゼンマイ150の弾性力を弱めることができる。
そして、第一軸231を押し込む力を除荷すると、弾性部材234の弾性力により、再び係合歯221b、221b、…と、ラチェット歯233a、233a、…とが係合する。
本実施形態のラチェット機構によれば、ラチェット歯車の逆戻りを防止する部材である歯車係合部材221を、第一軸231と同じ軸上に配置することができる。従来においては、当該逆戻りを防止する部材には別途軸が設けられ、ラチェット歯車の径方向外側から突起が歯に係合するように構成されており、チェット機構が横に広がって大きくなる傾向にあった。
本実施形態のラチェット機構によれば、軸は1つでよいので、ラチェット機構を幅方向に小さくすることができる。そしてこれによっても、さらに小型であるバランサーを提供することが可能となる。
図14は他の実施形態にかかるバランサー300を説明する分解図で、図9に相当する図である。バランサー300では、上記説明したバランサー100の第二軸170がケース110と一体となったケース310を有すること、及びワイヤー脱輪防止部材320が備えられている点でバランサー100と異なる。他の部材については、上記説明したバランサー100と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明は省略する。
ケース310の斜視図を図15(a)に、ケース310に一体に設けられた第二軸370の横断面図(図14のXV−XV断面図)を図15(b)に示した。
ケース310は、上記したように、バランサー100の第二軸170に相当する軸部材である第二軸370がケース310の平板111から立設するように該平板に一体に成形されている。これにより第二軸を別体で製造する必要がなく、製造の容易を図ることが可能となる。
第二軸370は、図15(a)及び図15(b)の断面図からわかるように、その外周には、周方向に並列し、軸心方向に平行な凹部371、371、…が形成されている。そして凹部371、371、…間には頂部372、372、…が形成されている。
ここで凹部371、371、…は第二軸370の平板111側(基端側)から先端側に向けて浅くなるように、すなわち、凹部371、371に関しては先細のテーパ状とされている。一方、頂部372、372、…はその高さは一定であり、頂部372、372、…を結んだ円周の径は基端から先端で一定である。従って、第二軸370を第二歯車部材180及び巻き取りドラム190に回動可能に通すに際しては、これら第二歯車部材180及び巻き取りドラム190は、第二軸370の頂部372、372、…により回動自在に保持される。
第二軸370のこのような形状により凹部371、371、…に関しては先細テーパが形成されるので、金型による成形が行われた場合に離型性を向上させることができる。一方、第二軸370の軸としての機能を有するためには第二軸の全てを先細にすると不具合が生じるので、これを頂部372、372、…により確保する。従って第二軸370は、軸としての機能を確保しつつ、成形性にも優れた形状を有している。
ただし、これは第二軸が上記形状であることに限定されるものではなく、通常の円柱状や円錐状であってもよい。
ワイヤー脱輪防止部材320は、図14に表れているように、巻き取りドラム190の外周面の傾斜に対応する傾斜を有し、該外周面に近づけて配置されるブロック状の部材である。これにより、ワイヤ101が溝191に出入りする際に、本来出入りすべき溝の部位に入らないこと(脱輪)を防止することができる。従って、ワイヤ脱輪防止部材320の斜面と、巻き取りドラム190の斜面とは、ワイヤ101の直径よりも狭い間隔で近づけられて配置されることが好ましい。
ワイヤー脱輪部材320には不図示の係合部が備えられ、図15(a)に111eで示したケース111の被係合溝111eに係合することにより固定される。
以上、現時点において実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う上げ下げ窓用バランサー及び上げ下げ窓も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 上げ下げ窓
10 枠体
11 上枠
12 下枠
13 縦枠
14 縦枠
20 固定障子
30 可動障子
38 支持部材
40 ガイド溝
41 直線部
42 傾斜部
100 バランサー
101 ワイヤ
110 箱体
111 平板
111a 孔
111b スリット
120 ラチェット機構付き第一軸
121 歯車係合部材
122 基板
122a 長孔
122b 孔
123 係合片
124 係合片
124a 操作部
125 操作片
125a 突起
126 トーションバネ
131 第一軸
132 第一軸部材
132a スリット
133 ラチェット歯車部
133a ラチェット歯
134 操作部
134a 溝
140 第一歯車部材
142 凹部
144 凹部
150 ゼンマイ
150a 環状部
160 ゼンマイ受け
161 円板
162 側壁
163 係合片
170 第二軸
180 第二歯車部材
190 巻取りドラム
195 フタ

Claims (7)

  1. 第一軸部材と、
    前記第一軸部材に並列される第二軸部材と、
    前記第一軸部材に一端を固定されたゼンマイバネと、
    前記第一軸部材に設けられ、前記ゼンマイバネの弾性力を調整可能なラチェット機構と、
    前記第二軸部材に備えられ、該第二軸部材により回動自在とされ、外周面に螺旋状に形成された溝を有する巻取りドラムと、を備え、
    さらに、前記ゼンマイバネと前記巻取りドラムとを連動可能とする連動手段が設けられ
    前記ラチェット機構は、
    前記第一軸部材の一端に設けられ、外周にラチェット歯が具備されたラチェット歯車と、
    前記ラチェット歯に係合離脱可能に設けられた係合片及び前記係合片とは反対向きにつき出した操作片を有するとともに、前記第一軸部材の軸心方向に該第一軸部材に並列して配置される歯車係合部材と、を備え、
    前記係合片は、前記第一軸部材の軸心方向に略平行に延在し、該軸心方向に平行な方向から前記ラチェット歯に係合可能とされるとともに、
    前記操作片を操作して前記歯車係合部材を前記第一軸部材の軸心方向と直交する方向に直線移動させることにより、前記係合片と前記ラチェット歯とが係合離脱し、前記ゼンマイバネが巻き戻されることを特徴とする上げ下げ窓用バランサー。
  2. 前記連動手段が、
    前記第一軸部材により回動自在とされ、前記ゼンマイバネの他端側が直接又は間接的に固定されるとともに、その外周に歯車を備える第一歯車部材と、
    前記第二軸部材により回動自在とされ、前記巻取りドラムに固定されるとともに、その外周に前記第一歯車部材の歯車と噛み合う他の歯車を有する第二歯車部材と、を備える請求項1に記載の上げ下げ窓用バランサー。
  3. 請求項1又は2に記載の上げ下げ窓用バランサーは、箱体を有し、
    前記ゼンマイバネ、前記巻取りドラム、前記ラチェット機構、及び前記連動手段が、前記箱体の内側に内包されることを特徴とする上げ下げ窓用バランサー。
  4. 前記箱体には、前記ラチェット機構を操作可能に設けられた孔及び/又はスリットが具備されていることを特徴とする請求項3に記載の上げ下げ窓用バランサー。
  5. 建物開口部に沿って配置される枠体と、該枠体の内側に上げ下げ可能に配置される可動障子と、を備える上げ下げ窓であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサーが備えられることを特徴とする上げ下げ窓。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓用バランサーが前記枠体のうち縦枠に配置されることを特徴とする請求項5に記載の上げ下げ窓。
  7. 建物開口部に沿って配置される枠体と、該枠体の内側に上げ下げ可能に配置される可動障子と、を備える上げ下げ窓であって、
    請求項3又は4に記載の上げ下げ窓用バランサーが、前記箱体の少なくとも一部が前記枠体から露出して前記枠体に備えられることを特徴とする上げ下げ窓。
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