JP5430440B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両乗員拘束用のウエビングを巻取軸に巻き取って格納するウエビング巻取装置に関する。
ウエビング巻取装置としては、モータの回転力をクラッチを介して巻取軸に伝達し、ウエビングを巻き取る構成としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1に示されたウエビング巻取装置のクラッチでは、ロータと、ロータの外周に配置されたギヤホイールとの間に、リングのスプリング爪が挿入配置されている。リングは、ギヤホイールに対する相対回転を規制されており、スプリング爪の先端部は、ロータの外周部に形成された外歯に係合している。これにより、ロータとギヤホイールとの相対回転が規制されている。
上記構成のウエビング巻取装置では、ロータとギヤホイールとの間に所定値以上の相対回転力が作用した際に、スプリング爪が弾性変形し、スプリング爪の先端部がロータの外歯の谷部から抜け出すことで、ロータとギヤホイールとが相対回転する(オーバーロード開放機構が作動される)。
ここで、上記のウエビング巻取装置では、オーバーロード開放機構が作動する荷重をさらに上げるためには、スプリング爪の耐変形荷重を上げる必要がある。しかしながら、スプリング爪の耐変形荷重をさらに上げるために、スプリング爪の板厚や幅寸法を増加させると、他の部品の形状変更が必要になる。
特開2005−289259号公報
本発明は、上記事実を考慮して、簡易な方法でオーバーロード開放機構の作動荷重を高くできるウエビング巻取装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のウエビング巻取装置は、車両乗員拘束用のウエビングが巻き取られる巻取軸と、モータの回転が伝達されることで回転されるモータ側回転体と、前記モータ側回転体に対して相対回転可能に設けられ、自らの回転が前記巻取軸に伝達されることで前記巻取軸を回転させる巻取軸側回転体と、前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の一方に設けられた係合部に係合する弾性変形部を有して前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体とを連結し、前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体との間に相対回転力が作用した際に前記弾性変形部が弾性変形して前記弾性変形部の前記係合部への係合を解除することで前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体との連結を解除する連結部材と、前記連結部材とは異なる材料で構成され、前記弾性変形部を前記係合部との係合側に付勢する弾性体と、を備えている。
請求項1に記載のウエビング巻取装置では、連結部材が、モータ側回転体及び巻取軸側回転体の一方に設けられた係合部に係合する弾性変形部を有して、モータ側回転体と巻取軸側回転体とを連結している。このため、モータの回転が伝達されてモータ側回転体が回転すると、モータ側回転体の回転が連結部材を介して巻取軸側回転体に伝達される。これにより、巻取軸側回転体の回転が巻取軸に伝達されて、巻取軸が回転する。
また、モータ側回転体と巻取軸側回転体との間に相対回転力が作用した際に、弾性変形部が弾性変形して、連結部材が弾性変形部の係合部への係合を解除することで、モータ側回転体と巻取軸側回転体との連結が解除される(オーバーロード開放機構が作動される)。これにより、モータ側回転体と巻取軸側回転体との相対回転が可能となる。
ここで、このウエビング巻取装置では、連結部材とは異なる材料で構成された弾性体が、連結部材の弾性変形部を係合部との係合側に付勢する。このため、オーバーロード開放機構が作動する際には、弾性変形部の弾性力のみならず弾性体の付勢力に抗して、弾性変形部の係合部への係合が解除される。これにより、弾性体を追加するのみの簡易な方法で、オーバーロード開放機構の作動荷重を高くできる。
請求項2に記載のウエビング巻取装置は、請求項1のウエビング巻取装置において、前記弾性体を前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の他方と前記弾性変形部との間に配置する。
請求項2に記載のウエビング巻取装置では、弾性体をモータ側回転体及び巻取軸側回転体の他方と弾性変形部との間に配置する。これにより、ウエビング巻取装置が大型化することを抑制できる。
請求項3に記載のウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2のウエビング巻取装置において、前記弾性体は、前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の径方向において前記弾性変形部を付勢する。
請求項3に記載のウエビング巻取装置では、弾性体が弾性変形部を付勢する付勢力がモータ側回転体及び巻取軸側回転体の径方向に作用する。これにより、オーバーロード開放機構の作動荷重を効率よく高くできる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、簡易な方法でオーバーロード開放機構の作動荷重を高くできる。
本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成を示す概略的な分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部品であるクラッチの主要部の構成を示す一側から見た分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部品であるクラッチの主要部の構成を示す他側から見た分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部品であるクラッチの構成を示し、(A)は、ロックバーがスライダに保持された状態を示す平面図であり、(B)は、ロックバーがラチェットに係合した状態を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部品であるクラッチの部分的な構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成を示す概略的な分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部品であるオーバーロード開放機構の構成を示す分解斜視図である。 図7に示すオーバーロード開放機構の平面図である。
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10が概略的な分解斜視図にて示されている。
図1に示す如く、ウエビング巻取装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14と、この背板14の幅方向両端から一体に延出する一対の脚板16及び脚板18とによって構成されており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで車体に取り付けられる構成となっている。
フレーム12の一対の脚板16と脚板18との間には、ダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。スプール20は全体としては鼓形状をなしており、長尺帯状に形成されたウエビング(図示省略)の基端部が連結固定されている。スプール20をその軸線周り一方(図1の矢印C方向であり、以下、この方向を「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウエビングがその基端側からスプール20の外周部に層状に巻き取られ、一方、ウエビングをその先端側から引っ張れば、これに伴いスプール20がその軸線周り他方(図1の矢印D方向であり、以下、この方向を「引出方向」と称する)へ回転しながらウエビングが引き出される。
スプール20の一端側は、脚板18を貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板18の側方には、図示を省略したロック機構が配置されている。車両の急減速時等には、ロック機構の作動により、スプール20の引出方向回転が阻止される構成となっている。
一方、スプール20の他端側は、脚板16を貫通してフレーム12の外方に僅かに突出している。このスプール20の他端側には、六角柱状に形成された連結スクリュー21が同軸的かつ一体的に連結されている。
また、脚板16の外側には、クラッチ100を構成するクラッチケース101が配置されている。このクラッチケース101は、金属材料等(例えば、アルミ合金等)により箱状に形成されたものであり、脚板16とは反対側に向けて開口している。このクラッチケース101の開口側には鉄板等からなるカバークラッチ102が配置されている。これらクラッチケース101及びカバークラッチ102は、スクリュー104によって脚板16に一体的に固定されている。
クラッチケース101の底壁中央部分には、円形の貫通孔106がスプール20と同軸的に形成されており、連結スクリュー21が貫通している。また、この貫通孔106の周辺の部位は、脚片16とは反対側へ向けて円形状に僅かに突出しておりリング状の摺動面108が形成されている。さらに、貫通孔106の孔縁部には、脚片16とは反対側へ向けて突出した円筒状のブッシング支持部110が形成されている。このブッシング支持部110には、樹脂材料等によりリング状に形成された後述するブッシング112(図2及び図3参照)が支持されている。
クラッチケース101の内部には、クラッチギヤ部28が配置されている。クラッチギヤ部28は、ウォームギヤ34を備えている。ウォームギヤ34は、スプール20と直交する状態で自身の軸が配置され、その端部がブッシュ36、37を介してクラッチケース101に支持されており、さらに、その一端側はクラッチケース101から外方へ突出して設けられている。また、ウォームギヤ34の先端部を支持するクラッチケース101の軸受け部分には、鋼球38が収容されてウォームギヤ34の先端部に接触しており、さらに、アジャストスクリュー40が螺入している。アジャストスクリュー40は、その先端部で鋼球38を押圧することで鋼球38をウォームギヤ34の先端に圧接させている。これにより、ウォームギヤ34の軸方向の変位が規制されている(スラスト調整されている)。なお、鋼球38をアジャストスクリュー40の先端部に一体に形成する構成(アジャストスクリュー40の先端部を球状に形成する構成)としてもよい。このウォームギヤ34の上側には、クラッチ100を構成するクラッチ本体部114が設けられている。
ここで、図2及び図3には、クラッチ本体部114の構成が分解斜視図により示されている。
これらの図に示す如く、クラッチ本体部114は、オーバーロード開放機構を構成するモータ側回転体としてのギヤホイール116を備えている。ギヤホイール116は樹脂材料等によりリング状に形成されてスプール20と同軸的に配置されており、その外周部には外歯118が形成されている。この外歯118は、上述したウォームギヤ34に噛み合っている。また、ギヤホイール116の内周部には、その径方向に沿って一定間隔毎に複数(本実施の形態では6つ)の周方向荷重受け部120が形成されている。これらの周方向荷重受け部120は、後述するリング176のスプリング爪182に対応している。さらに、ギヤホイール116の軸線方向一側(図2及び図3の矢印A方向側)の端面には、その周方向に沿って一定間隔毎に複数(本実施の形態では6つ)の回り止め凹部122が形成されている。これらの回り止め凹部122は、後述するリング176の回り止め爪180に対応している。
ギヤホイール116の内側には、オーバーロード開放機構を構成する巻取軸側回転体としてのロータ124が配置されている。ロータ124は、金属材料等(例えば、亜鉛アルミ合金等)により円盤状に形成されており、ギヤホイール116と同軸的に配置されている。また、ロータ124は、有底円筒状の本体部126を有している。
本体部126の外周部には、その周方向に沿って等間隔に複数のオーバーロード開放機構を構成する係合部としての凹部130が形成されている。図5に示す如く、各凹部130は、本体部126の周方向一側(図5の矢印D方向側)の側面130Aが本体部126の周方向一側へ向かうに従い本体部126の径方向外側へ向かう方向へ傾斜して形成され、本体部126の周方向他側(図53の矢印C方向側)の側面130Cが本体部126の周方向に垂直に形成されている。また、各凹部130は、側面130Aと側面130Cとの間における底面130Bが本体部126の径方向に垂直に形成されている。換言すれば、各凹部130の断面形状が台形状とされている。
図2及び図3に示す如く、本体部126の底壁中央部には、略円筒状の収容部132が同軸的に形成されている。収容部132の軸線方向一側(図2及び図3では矢印A方向側)には、リング状の支軸部133が同軸的に突設されている。この支軸部133は、カバークラッチ102に形成された円孔135(図1参照)に、後述するホルダ170の回転支持部175を介して回転自在に支持されている。また、収容部132の軸線方向他側(図2及び図3の矢印B方向側)には、前述したブッシング112が回転自在に嵌合しており、収容部132の軸線方向他側は、ブッシング112を介してクラッチケース101に回転自在に支持されている。これにより、本体部126(ロータ126)は、自らの軸線周りに回転可能とされている。
この本体部126の収容部132内には、鉄板等により略リング状に形成されたラチェット134が収容されている。ラチェット134の外周部には、所謂ラチェット歯である外歯136が形成されている。また、ラチェット134の軸心部には、断面六角形状の貫通孔138が形成されており、前述した連結スクリュー21が貫通した状態でその軸線回りに対しては一体的に連結されている。これにより、ラチェット134とスプール20とは、連結スクリュー21を介して一体的に回転するようになっている。
また、ラチェット134の軸線方向他端(図2及び図3では矢印A方向側)には、樹脂材料等からなるワッシャ140が取り付けられている。このワッシャ140は、収容部132のリング状の底壁に摺動可能に当接しており、これにより、ラチェット134の軸線方向に沿った変位が規制されている。
一方、本体部126の底壁には、収容部132の径方向外側において、本体部126の周方向に沿って湾曲した一対のガイド孔142が形成されている。各ガイド孔142には、それぞれ樹脂材料等により本体部126の周方向に沿って湾曲した略ブロック状に形成されたスライダ144が摺動可能に取り付けられている。
各スライダ144の一側(図2及び図3では矢印A方向側)は、前述したカバークラッチ102(図1参照)に当接している。また、各スライダ144の他側(図2及び図3では矢印B方向側)には、リテーナ148が設けられている。リテーナ148は、ばね性を有する細幅な金属片で略く字形に折れ曲がっている。このリテーナ148は、スライダ144に一体的に連結されると共に、長手方向両端部がそれぞれ前述したクラッチケース101の摺動面108に押し付けられて所定量弾性変形している。
このため、スライダ144は、リテーナ148の弾性力によってカバークラッチ102に押し付けられており、ガイド孔142に沿ったスライダ144の移動(ロータ124に対する相対移動)には、所定の摩擦力が付与されるようになっている。これにより、ロータ124が回転すると、スライダ144は、当該摩擦力によって一時的にクラッチケース101及びカバークラッチ102に保持され、ロータ124に対してガイド孔142に沿った所定の範囲内で相対移動するようになっている。
また、各スライダ144の湾曲方向一端部(図2及び図3では矢印C方向側の端部)は、それぞれ一対のロックバー154に対応している。
各ロックバー154は、鉄板等により略く字形に形成されて各スライダ144の湾曲方向一端側に配置されており、本体部126の底壁に突設された円柱状の支軸158によって回転自在に支持されている。ロックバー154は、支軸158周りに回動することで、その先端部が前述したラチェット134の外歯136に噛み合うようになっている。また、ロックバー154は、捩りコイルスプリング164の付勢力によって常に外歯136(ラチェット134)との噛合方向へ付勢されている。
ここで、図4(A)及び図4(B)に示す如く、ロータ124がスライダ144に対して相対移動することで、ロックバー154はスライダ144に対して所定の範囲内で接離移動するようになっており、ロックバー154がスライダ144に接近した状態(図4(A)図示状態)では、ロックバー154は、ラチェット134から離間するようになっている。
一方、ロックバー154がスライダ144から離間した状態(図4(B)図示状態)では、ロックバー154は、捩りコイルスプリング164の付勢力によってラチェット134側(係合位置)へ移動され、その先端部が外歯136に噛み合うようになっている。
なお、本実施の形態に係るクラッチ本体部114では、スライダ144は、通常はロックバー154に接近して配置されている。したがって、ロックバー154は、係合解除位置(図4(A)図示状態)に保持される構成である。
図2及び図3に示す如く、ロックバー154を介してロータ124とは反対側(図2及び図3の矢印A方向側)には、樹脂材料等によりリング状に形成されたホルダ170が配置されている。ホルダ170は、ロックバー154及び捩りコイルスプリング164のロータ124に対する軸線方向の変位を規制している。
一方、ホルダ170の径方向外側でかつロータ124の軸線方向一側(図2及び図3の矢印A方向側)には、オーバーロード開放機構を構成する連結部材としてのリング176が配置されている。リング176は、ばね性を有する金属材料(例えば、SUS等)によりリング状に形成され、ロータ124に対して同軸的に配置されたカバー部178を備えている。カバー部178の外周部には、その径方向外側に突出した複数(本実施の形態では6個)の回り止め爪180が一体に形成されている。これらの回り止め爪180は、前述したギヤホイール116の回り止め凹部122に嵌合している。これにより、リング176は、ギヤホイール116に対する相対回転を規制されている。
さらに、カバー部178の外周部には、弾性変形部としてのスプリング爪182が設けられている。スプリング爪182は、弾性(ばね性)を有する細幅な板状とされており、複数のスプリング爪182が、カバー部178の周方向に沿って一定間隔毎に一体に設けられている。各スプリング爪182は、各基端部がカバー部178に一体に接続されると共に、全体としてカバー部178の周方向に沿って湾曲している。また、図4(A)に示す如く、各スプリング爪182の先端部には、カバー部178の周方向一側(図4の矢印D方向)にカバー部178の周方向一側へ向かうに従い径方向外側に向かう方向へ傾斜して傾斜部182Aが形成され、カバー部178の周方向他側(図4の矢印C方向)にカバー部178の周方向に垂直に周方向当接部182Cが形成されている。また、各スプリング爪182の傾斜部182Aと周方向当接部182Cとの間には、カバー部178の径方向に対して垂直に径方向当接部182Bが形成されて、傾斜部182Aと径方向当接部182Bと周方向当接部182Cとが一体にされている。
また、各スプリング爪182の先端部では、傾斜部182Aが凹部130の側面130Aに当接し、径方向当接部182Bが凹部130の底面130Bに当接し、周方向当接部182Cが凹部130の側面130Cに当接して、スプリング爪182の先端部が凹部130に係合している。さらに、スプリング爪182の各基端部は、前述したギヤホイール116の周方向荷重受け部120に当接している。これにより、ギヤホイール116とロータ124とは、その周方向に対しては各スプリング爪182によって一体的に連結されており(相対回転を規制されており)、ギヤホイール116が回転した場合には、ギヤホイール116とロータ124とは、基本的に一体回転するようになっている。
さらに、各スプリング爪182の先端部とギヤホイール116の内周面との間には、オーバーロード開放機構を構成する弾性体としての付勢部材190が配置されている。付勢部材190は、ゴムにより円柱状に形成されており、付勢部材190が弾性変形された状態又は弾性変形されない状態でスプリング爪182の径方向当接部182Bとギヤホイール116の内周面とに当接している。
ここで、図5に示す如く、ロータ124とギヤホイール116との間に所定値以上の回転力が作用すると、スプリング爪182の周方向当接部182Cが、ロータ124の凹部130の側面130Cにロータ124の径方向外側へ押される。スプリング爪182の周方向当接部182Cがロータ124の径方向外側へ押される際には、付勢部材190の周壁がスプリング爪182の径方向当接部182Bによってロータ124の径方向外側へ押される。このため、付勢部材190が、スプリング爪182の径方向当接部182Bとギヤホイール116の内周面とで押し付けられて弾性変形して、スプリング爪182が弾性変形する。これにより、スプリング爪182の先端部が凹部130から抜け出ることで、スプリング爪182によるギヤホイール116とロータ124との軸線周りの連結が解除される。したがって、ギヤホイール116とロータ124との相対回転が許容される(オーバーロード機構が作動される)。
一方、図2及び図3に示す如く、リング176のロータ124とは反対側(図2及び図3の矢印A方向側)には、樹脂材料等によってリング状に形成されたスペーサ184が配置されている。スペーサ184は、リング176とカバークラッチ102との間に挟まれており、リング176に対してその軸線周りには相対回転不能とされている。
以上構成のクラッチ100は、クラッチギヤ部28のウォームギヤ34が回転することで、クラッチ本体部114のギヤホイール116が回転する構成となっており、このクラッチ本体部114とクラッチギヤ部28とは、単一のケース(クラッチケース101及びカバークラッチ102)に一体的に組み付けられて、全体としてユニット化された構成となっている。
一方、図1に示す如く、カバークラッチ102の側方には、スプリング・コンプリート42が配置されている。スプリング・コンプリート42は、内部に渦巻きばね(図示省略)を収容している。この渦巻きばねは、渦巻き方向外側の端部がケース本体に係止されると共に、渦巻き方向内側の端部が、クラッチ本体部114を貫通した連結スクリュー21の先端に係止されており、スプール20を巻取方向へ付勢している。
また、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、モータ44及びモータギヤ部46が配置されている。モータ44及びモータギヤ部46は、ハウジング48を備えている。このハウジング48の一側にモータ44が取り付けられると共に、ハウジング48の他側にモータギヤ部46が設けられている。モータ44は、その回転軸(図示省略)の先端側(出力側)がハウジング48に向く状態でハウジング48の一側に固定されており、回転軸の先端(出力側)はハウジング48の他側(モータギヤ部46の側)に突出している。
ハウジング48の他側(モータギヤ部46の側)に突出するモータ44の回転軸の先端には、モータギヤ部46の複数の平歯ギヤを構成するピニオン(図示省略)が取り付けられている。また、モータギヤ部46には、各々が外歯の平歯ギヤとされた複数(本実施例では2つ)のギヤ(図示省略)が互いに噛み合った状態で収容されている。これらのギヤは、共に自身の軸がモータ44の回転軸と平行な状態で配置されている。また、これらのギヤはモータ44の回転軸に取り付けられた図示しないピニオンに噛み合っており、最終平歯ギヤは、前述したクラッチギヤ部28のクラッチケース101から外方へ突出するウォームギヤ34の一端部に、着脱可能に連結されている。このため、モータ44が駆動すると、図示しないピニオン及び図示しないギヤを介して駆動力が伝達されてウォームギヤ34が回転される構成である。また、これらの図示しないピニオン及び図示しないギヤは、ハウジング48に取り付けられたカバーギヤ78によって被覆されている。
以上の構成のモータ44及びモータギヤ部46は、ハウジング48に一体に設けられた取付ステー84が、クラッチ本体部114及びクラッチギヤ部28を収容するクラッチケース101(すなわち、フレーム12)にスクリュウ86によって着脱可能に取り付けられている。またさらに、上述したモータ44は、例えば、前方監視装置等の検出信号に基づいて作動される構成となっている。
次に、本第1の実施の形態の作用について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、乗員が車両の座席に着席して、本ウエビング巻取装置10に格納されたウエビングを引っ張ると、スプール20が引出方向へ回転しつつウエビングが引き出される。これにより、乗員はウエビングを身体に掛けまわし、例えば、ウエビングに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させることで、ウエビングを身体に装着することができる。
一方、例えば、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、しかも車両と障害物との間隔(車両から障害物までの距離)が所定範囲内に達すると、モータ44の駆動が開始され、モータ44の回転軸が急激に回転される。
このモータ44の回転軸が回転されると、その回転力がモータギヤ部46の図示しないピニオン、及び図示しないギヤ、並びに、クラッチギヤ部28のウォームギヤ34を介してクラッチ本体部114のギヤホイール116に伝達され、ギヤホイール116が急激に巻取方向(図1の矢印C方向)へ回転される。ギヤホイール116の巻取方向への回転は、周方向荷重受け部120を介してリング176のスプリング爪182の基端部に伝達されると共に、スプリング爪182の先端部からロータ124の凹部130に伝達され、ロータ124が急激に巻取方向へ回転される。
このとき、スライダ144は、スライダ144とリテーナ148に作用する摩擦力によってクラッチケース101及びカバークラッチ102に保持されるため、ロータ124がスライダ144に対して所定の範囲内で相対移動し、ロータ124に支持されたロックバー154がスライダ144から離間移動する。
このため、ロックバー154は、捩りコイルスプリング164の付勢力によってラチェット134側へ移動し、ロックバー154の先端部がラチェット134の外歯136に噛み合う(図4(B)の矢印E参照)。これにより、ロータ124の巻取方向への回転がロックバー154を介してラチェット134に伝達され、ラチェット134が巻取方向へ急激に回転される。このラチェット134は、スプール20に一体的に連結されているため、スプール20がラチェット134と共に巻取方向へ急激に回転される。
これにより、ウエビングがスプール20に巻き取られ、ウエビングの僅かな緩み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビングによる乗員身体に対する拘束力が向上する。
さらに、「スラック」が解消された状態では、乗員の身体が障害となり基本的にはそれ以上スプール20にウエビングを巻き取ることはできなくなる。このため、スプール20には、ウエビングから所定値以上の荷重が作用し、その結果、ロータ124には、ラチェット134及びロックバー154を介して所定値以上の荷重が作用する。
このとき、ギヤホイール116は、モータ44の駆動力によって巻取方向(図1の矢印C方向)へ回転しようとしているため、ギヤホイール116とロータ124との間には相対的な回転力が作用する。この回転力が所定値以上になると、図5に示す如く、スプリング爪182の周方向当接部182Cが、ロータ124の凹部130の側面130Cにロータ124の径方向外側へ押される。
スプリング爪182周方向当接部182Cがロータ124の径方向外側へ押される際には、付勢部材190の周壁がスプリング爪182の径方向当接部182Bによってロータ124の径方向外側へ押される。このため、付勢部材190が、スプリング爪182の径方向当接部182Bとギヤホイール116の内周面とで押し付けられて弾性変形して、スプリング爪182が弾性変形する。これにより、スプリング爪182の先端部が凹部130から抜け出ることで、スプリング爪182によるギヤホイール116とロータ124との軸線周りの連結が解除される。したがって、ギヤホイール116とロータ124との相対回転が許容される。
これにより、ラチェット134及びロックバー154を介してロータ124に連結されたスプール20が、モータ44の駆動力によって必要以上の力で巻取方向へ回転されることを防止でき、ウエビングが必要以上の力で乗員の身体を締め付けることを防止できる。
一方、車両衝突の危険が回避された場合には、モータ44の回転軸が逆転される。この回転軸の回転力は、モータギヤ部46の図示しないピニオン、及び図示しないギヤ、並びにクラッチギヤ部28のウォームギヤ34を介してクラッチ本体部114のギヤホイール116に伝達され、ギヤホイール116が急激に引出方向(図1矢印D方向)へ回転される。
ギヤホイール116の引出方向への回転は、ギヤホイール116の回り止め凹部122を介してリング176の回り止め爪180に伝達されると共に、リング176のスプリング爪182の先端部からロータ124の凹部130に伝達され、ロータ124が急激に引出方向へ回転される。
このとき、スライダ144は、スライダ144及びリテーナ148に作用する摩擦力によってケース(クラッチケース101及びカバークラッチ102)に保持されるため、ロータ124がスライダ144に対して所定の範囲内で相対移動し、ロータ124に支持されたロックバー154がスライダ144に接近移動する。
このため、スライダ144が、ロックバー154を押圧することによって、ロックバー154が捩じりコイルスプリング164の付勢力に抗してラチェット134の外歯136から離間して、係合解除位置に保持される(図4(A)図示状態)。これにより、ロータ124とラチェット134とは相対回転可能とされ、スプール20の自在な回転が可能となる。
ここで、ウエビング巻取装置10のクラッチ本体部114では、上述した如く、オーバーロード開放機構が作動する時に、付勢部材190が、スプリング爪182の径方向当接部182Bとギヤホイール116の内周面とで押し付けられて弾性変形することで、付勢部材190が、スプリング爪182の先端部をロータ124の径方向内側(図5の矢印A方向)に付勢する。
したがって、オーバーロード開放機構が作動する際には、スプリング爪182の弾性力のみならず付勢部材190の付勢力に抗して、スプリング爪182の凹部130への係合が解除される。これにより、付勢部材190を追加するのみの簡易な方法で、オーバーロード開放機構の作動荷重を高くできる。
さらに、付勢部材190が、スプリング爪182の先端部とギヤホイール116の内周面との間に配置されている。これにより、クラッチ本体部114の大型化を防止できる。
また、付勢部材190が、ギヤホイール116及びロータ124の径方向においてスプリング爪182の先端部を付勢している。このため、オーバーロード開放機構の作動荷重を効率よく高くできる。
さらに、オーバーロード開放機能の作動荷重を高くするために、スプリング爪182を付勢部材190が付勢するため、スプリング爪182を塑性領域を含んで使用してスプリング爪182の凹部130への係合力を高くする必要がない。このため、オーバーロード開放機構が繰り返し作動されても、オーバーロード開放機構の作動荷重が低下することを抑制できる。これにより、オーバーロード開放機構の耐久性を向上できる。
また、付勢部材190はスプリング爪182と別部材で構成されている。これにより、付勢部材190の剛性や大きさを変更することにより、オーバーロード開放機構の作動荷重を容易に変更することができる。
[第2の実施の形態]
図6には、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置200が概略的な分解斜視図にて示されている。
本実施の形態に係るウエビング巻取装置200は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、オーバーロード開放機構の構成が以下の点で異なる。
第1の実施の形態では、クラッチ本体部114にオーバーロード開放機構を設けていたが、本実施の形態では、下記の減速ギヤ列252にオーバーロード開放機構を設けている。
図6に示す如く、クラッチケース101の内部のクラッチ本体部114は、減速機構250を構成している。クラッチ本体部114は、リング176及び付勢部材190を備えていない。また、クラッチ本体部114のギヤホイール116とロータ124とが常に一体に回転する構成となっている。
ギヤホイール116の外周部には、平歯が形成されて、この平歯は、後述する減速ギヤ列252に対応している。
一方、クラッチケース101には、モータ44がその回転軸268の軸線方向がスプール20の軸線方向に沿う状態で取り付けられている。
また、クラッチケース101の内側には、減速機構250を構成する減速ギヤ列252が収容されている。減速ギヤ列252は、樹脂材料によって形成された平歯のギヤ264を備えている。ギヤ264は、軸線方向がスプール20の軸線方向に沿う状態でクラッチケース101の内側に収容されている。
このギヤ264は、前述したモータ44の回転軸268に固定されている。ギヤ264の径方向側方には、樹脂材料によって形成されたギヤ270が配置されている。このギヤ270は、ギヤ264よりも大径に形成されており、このギヤ270に対応してクラッチケース101には、支持軸272が形成されている。支持軸272は、軸線方向がスプール20の軸線方向に沿っており、ギヤ270は、ギヤ264に噛み合った状態で支持軸272に回転自在に支持されている。
ギヤ270の軸線方向一側(図6の矢印A側)には、ギヤ270よりも小径な平歯のギヤ274が設けられている。このギヤ274は、樹脂材料によってギヤ270と一体に形成されたものであり、ギヤ270に対して同軸的に配置されている。ギヤ274の径方向側方には、モータ側回転体としての大径ギヤ278が設けられている。大径ギヤ278は、ギヤ274よりも大径な大径ギヤで樹脂材料によって形成されたものであり、オーバーロード開放機構276(図7及び図8参照)を構成している。なお、図6では、オーバーロード276を簡略化して図示してある。
図7及び図8に示す如く、大径ギヤ278は、筒状(リング状)に形成された筒部278Aと、この筒部278Aの軸線方向一端部(図7では矢印B側の端部)に設けられた底壁部278Bとを有しており、軸線方向寸法が短い有底円筒状に形成されている。筒部278Aの外周部には、平歯の外歯が形成されており、底壁部278Bの中央部には、筒部278Aと同心状の円形の貫通孔280が形成されている。
筒部278Aの内側には、オーバーロード開放機構276を構成する連結部材としてのバネ部材232が設けられている。このバネ部材232は、複数(本実施の形態では2つ)のバネ体234によって構成されている。各バネ体234は、板状のバネ材によって形成されたものであり、略コ字状に屈曲した荷重受け部234Aと、この荷重受け部234Aの両端部から互いに接近する方向に一体的に延出された一対の弾性変形部234B、234Cとを有している。荷重受け部234Aは、開口側へ向かうに従い広がるように形成されており、中間部260と、この中間部260の両側に設けられた一対の腕部262とを有している。また、一対の弾性変形部234B、234Cは、各基端側(荷重受け部234Aの各腕部262に接続された側)に円弧状に湾曲した湾曲部235、236が設けられている。但し、これらの弾性変形部234B、234Cは、先端側がS字状に湾曲しており、後述する小径ギヤ294のラチェット部294Bに当る部分が曲面状に形成されている。
これらのバネ体234は、荷重受け部234Aの開口側(弾性変形部234B、234C側)を互いに対向させた状態で大径ギヤ278の筒部278Aの内側に装着されている。筒部278Aの内周面は、筒部278Aの軸線方向視で略六角形に形成されており、荷重受け部234Aの中間部260に当接する中間当接面237と、各腕部262に対向する端側当接面239とを備えている。各端側当接面239と各腕部262との間には、通常時には僅かな隙間が確保されている。
バネ体234の各弾性変形部234B,234Cと腕部262との間には、オーバーロード開放機構276を構成する第1の実施の形態と同様の付勢部材190が配置されている。付勢部材190は、弾性変形された状態又は弾性変形されない状態で弾性変形部234B,234Cと腕部262とに当接している。
一方、このオーバーロード開放機構276は、巻取軸側回転体としての小径ギヤ294を備えている。小径ギヤ294は、金属材料によって大径ギヤ278よりも小径な円柱状に形成されている。小径ギヤ294の軸線方向中間部には支軸部294Aが設けられ、支軸部294Aが、大径ギヤ278の底壁部278Bに形成された貫通孔280に嵌合する。このため、小径ギヤ294が大径ギヤ278に対して相対回転可能に支持されている。
小径ギヤ294の軸心部には、円形の貫通孔296が形成されており、この貫通孔296には、クラッチケース101に設けられた支持軸298(図6参照)が挿入されている。支持軸298は、軸線方向がスプール20の軸線方向に沿っており、小径ギヤ294は、この支持軸298に回転可能に支持されている。また、支持軸298は、小径ギヤ294を介して大径ギヤ278を回転可能に支持しており、大径ギヤ278は、外歯が前述したギヤ274に噛み合っている。
また、小径ギヤ294の軸線方向一側(図7の矢印A側)には、支軸部294Aよりも大径なラチェット部294Bが設けられており、このラチェット部294Bは筒部278Aの内側に収容されている。ラチェット部294Bの外周部には、ラチェット歯300が形成されている。ラチェット歯300は、複数の波型状に形成されて、係合部としての谷部300Aと、山部300Bと、を有している。また、上述したバネ部材232の複数の弾性変形部234B、234Cの先端部がラチェット歯300の谷部300Aに当接して、バネ部材232がラチェット歯300に係合している。このため、小径ギヤ294は、大径ギヤ278に対する相対回転を阻止されている。
但し、小径ギヤ294と大径ギヤ278との間に所定値以上の回転力が作用すると、バネ部材232の複数の弾性変形部234B、234Cがラチェット歯300に荷重受け部234A側(筒部278Aの内周側)に押される。弾性変形部234B、234Cがラチェット歯300に荷重受け部234A側に押されると、付勢部材190が弾性変形部234B、234Cに押される。このため、付勢部材190は、弾性変形部234B、234Cと腕部262とに押し付けられて弾性変形して、弾性変形部234B、234Cが弾性変形する。これにより、弾性変形部234B、234Cの先端部は、複数のラチェット歯300と摺動しながらラチェット歯300の各山部300Bを乗り越えることで、大径ギヤ278に対する小径ギヤ294の相対回転が許容される(オーバーロード開放機構76が作動される)。
一方、小径ギヤ294の軸線方向他端側(図7の矢印B側)には、外周部に平歯の外歯が形成されたギヤ部294Cが設けられている。このギヤ部294Cは、大径ギヤ278の軸線方向一側(図7の矢印B側)へ突出しており、この小径ギヤ294の径方向側方には、小径ギヤ294よりも大径な平歯のギヤ302(図6参照)が配置されている。このギヤ302は、金属材料によって形成されたものであり、このギヤ302に対応してクラッチケース101には、支持軸304が形成されている。支持軸304は、軸線方向がスプール20の軸線方向に沿っており、ギヤ302は、小径ギヤ294のギヤ部294Cに噛み合った状態で支持軸304に回転自在に支持されている。
また、ギヤ302の軸線方向一側(図6の矢印B側)には図示しない平歯のギヤが同軸的且つ一体的に形成されており、このギヤは、前述したクラッチ本体部114のギヤホイール116に噛合されている。これにより、モータ44の回転軸268の回転が減速ギヤ列252を介してギヤホイール116に伝達されるようになっている。
なお、モータ44が回転軸268を正転させると、オーバーロード開放機構276の大径ギヤ278及び小径ギヤ294が軸線周り一方(図7及び図8の矢印E方向)へ回転され、ギヤホイール116が巻取方向(図6の矢印C方向)へ回転される。また、モータ44が回転軸268を逆転させると、オーバーロード開放機構276の大径ギヤ278及び小径ギヤ294が軸線周り他方(図7及び図8の矢印F方向)へ回転され、ギヤホイール116が引出方向(図6の矢印D方向)へ回転される。
次に、本第2の実施形態の作用について説明する。
本ウエビング巻取装置200では、第1の実施の形態と同様に、乗員が車両の座席に着席して、本ウエビング巻取装置200からウエビングを引出して、乗員はウエビングを身体に掛けまわし、ウエビングを身体に装着することができる。
一方、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、しかも車両と障害物との間隔(車両から障害物までの距離)が所定範囲内に達すると、モータ44の駆動が開始され、回転軸268が急激に回転される。
モータ44の駆動力で回転軸268が回転すると、この回転軸268の回転力がギヤ264、270、274を介してオーバーロード開放機構276の大径ギヤ278に伝達され、大径ギヤ78が軸線周り一方(図7及び図8の矢印E方向)へ回転される。大径ギヤ278の回転は、バネ部材232を介して小径ギヤ294に伝達され、小径ギヤ294が軸線周り一方(図7及び図8の矢印E方向)へ回転される。小径ギヤ294の回転は、ギヤ302及びこのギヤ302と同軸的かつ一体的に設けられた図示しないギヤを介してクラッチ本体部114のギヤホイール116に伝達され、クラッチ本体部114が巻取方向(図6の矢印C方向)へ回転される。
クラッチ本体部114が巻取方向へ回転されると、クラッチ本体部114に設けられたロックバー154がラチェット134に噛合され、ラチェット134に対するクラッチ本体部114の巻取方向への相対回転が規制される。この状態で更にクラッチ本体部114が巻取方向へ回転されると、ラチェット134がクラッチ本体部114と共に巻取方向へ回転される。
ラチェット134は連結スクリュー21を介してスプール20に連結されているため、ラチェット134が巻取方向へ回転することでスプール20が巻取方向へ回転され、ウエビングがその長手方向基端側からスプール20に巻き取られる。これにより、乗員の身体に装着されているウエビングの僅かな弛み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビングによる乗員の拘束性が向上する。
さらに、「スラック」が解消された状態では、乗員の身体が障害となり基本的にはそれ以上スプール20にウエビングを巻き取ることはできなくなる。このため、スプール20には、ウエビングを介して引出方向(図6の矢印D方向)の回転力が入力される。この引出方向の回転力は、クラッチ本体部114のギヤホイール116、及びこのギヤホイール116に噛合された図示しないギヤ、並びにこのギヤと同軸的かつ一体的に設けられたギヤ302を介して、オーバーロード開放機構276の小径ギヤ294に伝達され、小径ギヤ294には、図7及び図8の矢印F方向の回転力が付与される。
このとき、大径ギヤ278は、モータ44の駆動力によって図7及び図8の矢印E方向へ回転しようとしているため、小径ギヤ294と大径ギヤ278との間には相対的な回転力が作用する。この回転力が所定値以上になると、大径ギヤ278に取り付けられたバネ部材232の複数の弾性変形部234B、234Cがラチェット歯300に荷重受け部234A側(筒部278Aの内周側)に押される。弾性変形部234B、234Cがラチェット歯300に荷重受け部234A側に押されると、付勢部材190が弾性変形部234B、234Cに押される。このため、付勢部材190は、弾性変形部234B、234Cと腕部262とに押し付けられて弾性変形して、弾性変形部234B、234Cが弾性変形する。これにより、弾性変形部234B、234Cの先端部は、複数のラチェット歯300と摺動しながらラチェット歯300の各山部300Bを乗り越えることで、大径ギヤ278に対する小径ギヤ294の相対回転が許容される。
これにより、ラチェット134及びロックバー154を介してクラッチ本体部114に連結されたスプール20が、モータ44の駆動力によって必要以上の力で巻取方向へ回転されることを防止でき、ウエビングが必要以上の力で乗員の身体を締め付けることを防止できる。
一方、車両衝突の危険が回避された場合には、モータ44の回転軸268が逆転される。この回転軸268の回転力がギヤ264、270、274を介してオーバーロード開放機構276の大径ギヤ278に伝達され、大径ギヤ278が軸線周り他方(図7及び図8の矢印F方向)へ回転される。大径ギヤ278の回転は、バネ部材232を介して小径ギヤ294に伝達され、小径ギヤ294が軸線周り他方(図7及び図8の矢印F方向)へ回転される。小径ギヤ294の回転は、ギヤ302及びこのギヤ302と同軸的かつ一体的に設けられた図示しないギヤを介してクラッチ本体部114のギヤホイール116に伝達され、クラッチ本体部114が引出方向(図6の矢印D方向)へ回転される。
クラッチ本体部114が引出方向へ回転されると、クラッチ本体部114に設けられたロックバー154がラチェット134との噛合状態を解除される。このため、スプール20とクラッチ本体部114との連結が解除されて、スプール20の自在な回転が可能となる。
したがって、本実施の形態においても、第1の実施の形態と基本的には同様の作用効果を奏する。
なお、第1の実施の形態、及び、第2の実施の形態では、係合部としての凹部130及び谷部300Aが、それぞれ巻取軸側回転体としてのロータ124及び小径ギヤ294の外周部に形成されているが、係合部がモータ側回転体としてのギヤホイール116及び大径ギヤ278に形成される構成としてもよい。この場合には、リング176及びバネ部材232が、それぞれロータ124及び小径ギヤ294に対して相対回転不能に取付けられる構成となる。
また、第1の実施の形態、及び、第2の実施の形態では、付勢部材190がゴムにより形成されたものとしたが、例えば、弾性を有するエラストマー樹脂により形成されてもよい。この場合には、ギヤホイール116又は大径ギヤ278と付勢部材190とを一体に成形できる。これにより、作業工数を削減でき、組立性を向上できる。
さらに、第1の実施の形態、及び、第2の実施の形態では、付勢部材190が円柱状に形成されたものとしたが、付勢部材190の形状はこれに限らない。例えば、付勢部材190が、角柱状や円筒状に形成されたものでもよい。これにより、付勢部材190の形状を変更することにより、オーバーロード開放機能の作動荷重を容易に変更することができる。
10 ウエビング巻取装置
20 スプール(巻取軸)
44 モータ
116 ギヤホイール(モータ側回転体)
124 ロータ(巻取軸側回転体)
130 凹部(係合部)
176 リング(連結部材)
182 スプリング爪(弾性変形部)
190 付勢部材(弾性体)
200 ウエビング巻取装置
232 バネ部材(連結部材)
234B 弾性変形部
234C 弾性変形部
278 大径ギヤ(モータ側回転体)
294 小径ギヤ(巻取軸側回転体)
300A 谷部(係合部)

Claims (3)

  1. 車両乗員拘束用のウエビングが巻き取られる巻取軸と、
    モータの回転が伝達されることで回転されるモータ側回転体と、
    前記モータ側回転体に対して相対回転可能に設けられ、自らの回転が前記巻取軸に伝達されることで前記巻取軸を回転させる巻取軸側回転体と、
    前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の一方に設けられた係合部に係合する弾性変形部を有して前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体とを連結し、前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体との間に相対回転力が作用した際に前記弾性変形部が弾性変形して前記弾性変形部の前記係合部への係合を解除することで前記モータ側回転体と前記巻取軸側回転体との連結を解除する連結部材と、
    前記連結部材とは異なる材料で構成され、前記弾性変形部を前記係合部との係合側に付勢する弾性体と、
    を備えたウエビング巻取装置。
  2. 前記弾性体を前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の他方と前記弾性変形部との間に配置する請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記弾性体は、前記モータ側回転体及び前記巻取軸側回転体の径方向において前記弾性変形部を付勢する請求項1又は請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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