JP2014046854A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプール側回転体に対してモータ側回転体が相対回転した際の衝撃音の発生を防止又は軽減でき、しかも、このような相対回転が発生した際のスプール側回転体やモータ側回転体、回転伝達部材等の耐久性を向上できるウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】コイルばね130のコイル部分が弾性力で圧接するアダプタ116の大径軸部117の外周部には直線状のグリス溜り168が形成されていると共に、グリス170が塗布されている。コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間で生じた摩擦熱に起因するコイルばね130とアダプタ116との焼き付き等を防止できる。これにより、コイルばね130のコイル部分がアダプタ116の大径軸部117に対して巻取方向に相対回転するのに必要な回転トルクの大きさを安定させることができ、コイルばね130やアダプタ116の耐久性を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のシートベルト装置を構成するウェビング巻取装置に係り、特に、モータの駆動力でスプールを回転させることが可能なウェビング巻取装置に関する。
下記の特許文献1の図14にはモータの駆動力でスプール(特許文献1では「スピンドル」と称している)を回転させることができるウェビング巻取装置(特許文献1では「シートベルト装置」と称している)のトルクリミッタ機構が開示されている。このトルクリミッタ機構はモータ側回転体である大径側ギヤ(アクチュエータ側ギヤ)の内側にスプール側回転体である小径側ギヤ(スピンドル側ギヤ)が同軸的に設けられている。この大径側ギヤと小径側ギヤとの間には回転伝達部材であるリミットスプリング(弾性片)が設けられている。
リミットスプリングはその一端が小径側ギヤの外周部にて開口したスリットに挿し込まれている。これに対して、リミットスプリングは他端には突部が形成されている。この突部に対応して大径側ギヤの内周部にはその周方向に連続した波状の凹凸が形成され、リミットスプリングの突部はこの波状の凹凸の何れかの凹部に入り込んでいる。
モータの駆動力で大径側ギヤが回転すると、この回転力がリミットスプリングを介して小径側ギヤに伝わり、スプールを回転させる。また、スプールを巻取方向に回転させるためのモータの駆動力が大径側ギヤに伝えられている状態で、例えば、ウェビングが引っ張られて、スプールに引出方向の回転力が入力された場合に、大径側ギヤの回転力がリミットスプリングの付勢力(弾性力)を越えると、リミットスプリングに対して大径側ギヤが回転し、その際にリミットスプリングの突部が大径側ギヤの凹部から抜け出る。これにより、大径側ギヤが小径側ギヤに対して相対回転できる。
国際公開第2006/123750号のパンフレット
ところで、大径側ギヤの凹部からリミットスプリングの突部から抜け出て、大径側ギヤの凸部を乗り越えた後に隣りの凹部にリミットスプリングの突部が入り込む際には、リミットスプリングの突部が入り込んだ凹部を弾性力で叩く。これにより、衝撃音が発生する。
本発明は、上記事実を考慮して、スプール側回転体に対してモータ側回転体が相対回転した際の衝撃音の発生を防止又は軽減でき、しかも、このような相対回転が発生した際のスプール側回転体やモータ側回転体、回転伝達部材等の耐久性を向上できるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、ウェビングの長手方向基端側が係止されて、軸周りの一方の巻取方向に回転することで前記ウェビングを巻取るスプールと、前記スプールに対して一体的に設けられ或いは前記スプールに直接又は間接的に連結されて、所定方向への回転を前記スプールに伝えて前記スプールを前記巻取方向に回転させるスプール側回転体と、モータと、前記モータの駆動力が伝えられて前記所定方向へ回転すると共に、軸方向が前記スプール側回転体の軸方向の向きと同じ孔部が形成されたモータ側回転体と、前記スプール側回転体の外周部及び前記モータ側回転体における前記孔部の内周部の一方である被圧接部に対して付勢力によって圧接すると共に前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有していない方の回転体に一部が係合し、前記モータ側回転体の前記所定方向への回転を前記スプール側回転体に伝えると共に、前記スプール側回転体に対して前記モータ側回転体が前記所定方向へ相対回転することによって付勢力に抗して弾性変形し、前記被圧接部に対する圧接が弱まって前記被圧接部に対して滑る回転伝達部材と、前記被圧接部と前記回転伝達部材との間に介在して前記何れかの他方と前記回転伝達部材との間の摩擦抵抗を調節する摩擦抵抗調節部材と、前記被圧接部から前記回転伝達部材側へ向けて開口した凹形状に前記被圧接部に形成されて、内側に前記摩擦抵抗調節部材を溜める貯留部と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウェビング巻取装置では、スプール側回転体とモータ側回転体との間に回転伝達部材が介在している。回転伝達部材は、スプール側回転体の外周部及びモータ側回転体における孔部の内周部の一方である被圧接部に付勢力で圧接していると共に、スプール側回転体及びモータ側回転体のうち、上記の被圧接部を有していない方の回転体に一部が係合している。これによって、モータの駆動力でモータ側回転体が所定方向へ回転すると、この所定方向への回転が回転伝達部材を介してスプール側回転体に伝わり、スプール側回転体が所定方向に回転する。このようにスプール側回転体が所定方向に回転すると、スプールが巻取方向に回転し、スプールにウェビングが巻き取られる。
一方、例えば、直接又は間接的にスプール側回転体の所定方向への回転が規制され、又は、スプール側回転体に所定方向とは反対方向への回転力が付与された状態でモータ側回転体が所定方向へ回転すると、上記の被圧接部に対する回転伝達部材の圧接が弛む。さらに、スプール側回転体の外周部及びモータ側回転体の孔部の内周部の何れかの他方には貯留部が形成されており、この貯留部には、例えば、グリスから成る摩擦抵抗調節部材を溜められている。
このため、被圧接部と回転伝達部材との間の摩擦抵抗が所定値まで下がると回転伝達部材が滑って回転する。これにより、スプール側回転体が所定方向へ回転すること、ひいては、スプールが巻取方向に回転することを抑制できる。しかも、被圧接部と回転伝達部材との間の摩擦抵抗が所定値まで下がると回転伝達部材が滑って回転する。このように、被圧接部に対する回転伝達部材の圧接を弛ませることでモータ側回転体のスプール側回転体に対する相対回転を許容している。このため、このような相対回転時に衝撃音が発生しない。
ここで、上記の貯留部に摩擦抵抗調節部材が溜められていることによって、上記のように回転伝達部材が滑った場合に回転伝達部材と被圧接部との間の摩擦に起因する焼き付きの発生を防止又は抑制できる。したがって、回転伝達部材を被圧接部に対して予め強く圧接させておくことができ、これによって、大きな回転力(荷重)をモータ側回転体からスプール側回転体へ伝えることができる。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有する方の回転体の軸方向周りにコイル状に形成されると共に、一端が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有していない方の回転体に係合したコイルばねを前記回転伝達部材としている。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置によれば、回転伝達部材がコイルばねとされている。このコイルばねはスプール側回転体及びモータ側回転体のうち被圧接部を有する方の回転体の軸方向周りにコイル状に形成されて、その一端がスプール側回転体及びモータ側回転体のうち被圧接部を有していない方の回転体に係合している。このため、モータ側回転体がスプール側回転体に対して所定方向に相対回転して、コイルばねが縮径又は拡径するように弾性変形し、これにより、被圧接部に対して滑って回転する。
請求項3に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項2に記載の本発明において、前記貯留部を、長手方向が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部が設定された方の回転体の軸方向及び周方向の少なくとも何れか一方の向きに沿った筋状に形成している。
請求項3に記載の本発明に係るウェビング巻取装置によれば、貯留部は、その長手方向がスプール側回転体の外周部及びモータ側回転体のうち被圧接部が設定された方の回転体の軸方向及び周方向の少なくとも何れか一方の向きに沿った筋状に形成されている。このため、コイルばねの位置がスプール側回転体やモータ側回転体の軸方向にずれていたり、コイルばねの螺旋の間隔に誤差があったりしても、貯留部とコイルばねとを対向させやすく、摩擦抵抗調整部材にコイルばねを触れさせやすい。
請求項4に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項3に記載の本発明において、前記貯留部を、長手方向が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部が設定された方の回転体の軸方向と同じ向きに沿い、長手方向端部が前記被圧接部における軸方向端部で開口した直線状に形成している。
請求項4に記載の本発明に係るウェビング巻取装置によれば、貯留部は、その長手方向がスプール側回転体及びモータ側回転体のうち被圧接部が設定された方の回転体の軸方向と同じ向きに沿った直線状に形成され、しかも、その長手方向端部は被圧接部における軸方向端部にて開口している。
このため、コイルばねが被圧接部に圧接した状態でコイルばねのコイル部分はその一部が貯留部と対向する。このため、コイルばねのコイル部分の一部には摩擦抵抗調節部材を触れさせることができる。しかも、貯留部の長手方向端部は被圧接部における軸方向端部にて開口している。このため、スプール側回転体及びモータ側回転体のうち被圧接部を有している方の回転体を成形する際に、成形用の金型をその軸方向に抜くことができる。
以上、説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置では、スプール側回転体に対してモータ側回転体が相対回転した際の衝撃音の発生を防止又は軽減でき、しかも、このような相対回転が発生した際のスプール側回転体やモータ側回転体、回転伝達部材等の耐久性を向上できる。
本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 モータ側回転体、スプール側回転体、及び回転伝達部材の拡大分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の要部の構成を拡大した側面図である。 モータ側回転体がモータに連結されて、モータの駆動力がモータ側回転体及び回転伝達部材を介してスプール側回転体に伝わった状態を示す図2に対応した側面図である。 モータ側回転体がスプール側回転体に対して巻取方向に相対回転した状態を示す図2に対応した側面図である。 干渉片をギヤボックスに装着した状態を示す斜視図である。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置10の構成が分解斜視図により示されている。
この図に示されるように、ウェビング巻取装置10は、例えば、車両の骨格部材や補強部材等の車体構成部材に固定されるフレーム12を備えている。フレーム12は車体への取付状態で略車両前後方向に沿って互いに対向する脚板14、16を備えている。
これらの脚板14、16の間にはスプール18が設けられている。スプール18は軸方向が脚板14と脚板16との対向方向に沿った略円筒形状に形成されている。このスプール18には長尺帯状に形成されたウェビング20の長手方向基端部が係止されている。スプール18は、その中心軸線周りの一方である巻取方向に回転することで、ウェビング20をその長手方向基端側から巻取って格納し、例えば、乗員が身体にウェビング20を装着するにあたってウェビング20を引っ張ると、スプール18に巻取られているウェビング20が引出されつつ、巻取方向とは反対の引出方向にスプール18が回転する。
スプール18の内側には図示しないトーションシャフトが設けられている。トーションシャフトは軸方向がスプール18の軸方向に沿った棒状の部材とされている。トーションシャフトは、脚板14側の端部よりも脚板16側でスプール18に対して同軸的な相対回転が不能な状態でスプール18に連結されている。
また、脚板14の脚板16とは反対側にはロック手段としてのロック機構22のハウジング24が脚板14に取り付けられており、上記のトーションシャフトの脚板14側の端部は、スプール18の中心軸線周りに回転自在にハウジング24に直接又は間接的に支持されている。ハウジング24の内側には、車両が急減速状態になった場合に作動し、作動することでトーションシャフトの脚板14側の端部が引出方向へ回転することを規制する所謂「VSIR機構」を構成する各種部品や、引出方向へのトーションシャフトの回転加速度が所定の大きさを超えた場合に作動し、作動することでトーションシャフトの脚板14側の端部が引出方向へ回転することを規制する所謂「WSIR機構」を構成する各種部品が収容されている。
さらに、脚板14の脚板16とは反対側には強制引張手段としてのプリテンショナ26が設けられている。プリテンショナ26は車両急減速状態で作動し、作動することで、上記のトーションシャフトの脚板14側の端部又はスプール18に対して巻取方向への回転力を付与して、スプール18を強制的に巻取方向へ回転させる。
一方、脚板14と脚板16との間のスプール18の下側にはモータ40が設けられている。モータ40は図示しない制御手段としてのECUを介して車両に搭載されたバッテリーと、車両の前方で走行する他の車両や、車両前方の障害物までの距離を測定するレーダ装置等の前方監視装置に電気的に接続されている。前方監視装置から出力された電気信号に基づき、車両の前方で走行する他の車両や車両前方の障害物までの距離が一定値未満になったとECUが判定すると、ECUがモータ40を作動させる。モータ40は出力軸42の軸方向がスプール18の軸方向と同じ向きとされており、出力軸42の先端側は脚板16に形成された図示しない透孔を通過して脚板16の外側(脚板16の脚板14とは反対側)に突出している。
さらに、脚板16の脚板14とは反対側には駆動力伝達機構50が設けられている。駆動力伝達機構50は脚板16の脚板14とは反対側で脚板16に取り付けられたギヤボックス52を備えている。ギヤボックス52は脚板16とは反対側へ向けて開口した凹形状に形成されている。このギヤボックス52の底部には孔部54が形成されており、脚板16の孔部を通過したモータ40の出力軸42が孔部54を通過してギヤボックス52の内側に入り込んでいる。
ギヤボックス52に入り込んだ出力軸42の先端側には、外歯で平歯のギヤ56が出力軸42に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。このギヤ56の側方では、ギヤボックス52の底部に支持軸58が形成されている。支持軸58は軸方向が出力軸42の軸方向と同じ向きとされている。この支持軸58には二段ギヤ60が支持軸58周りに回転自在に支持されている。
二段ギヤ60は外歯で平歯の大径ギヤ62を備えている。大径ギヤ62はギヤ56よりも大径で且つギヤ56よりも歯数が多く設定されておりギヤ56に噛み合っている。大径ギヤ62の軸方向側方には、大径ギヤ62よりも小径とされた外歯で平歯の小径ギヤ64が大径ギヤ62に対して同軸的且つ一体的に形成されている。この二段ギヤ60の回転半径方向側方では、ギヤボックス52の底部に支持軸68が形成されている。
支持軸68は軸方向が出力軸42や支持軸58の軸方向と同じ向きとされている。この支持軸68には二段ギヤ70が支持軸68周りに回転自在に支持されている。二段ギヤ70は外歯で平歯の大径ギヤ72を備えている。大径ギヤ72は小径ギヤ64よりも大径で且つ小径ギヤ64よりも歯数が多く設定されており小径ギヤ64に噛み合っている。大径ギヤ72の軸方向側方には、大径ギヤ72よりも小径とされた外歯で平歯の小径ギヤ74が大径ギヤ72に対して同軸的且つ一体的に形成されている。
この二段ギヤ70の回転半径方向側方では、ギヤボックス52の底部に支持軸78が形成されている。支持軸78は軸方向が出力軸42や支持軸58、68の軸方向と同じ向きとされている。この支持軸78には外歯で平歯のギヤ80が支持軸78周りに回転自在に支持されている。ギヤ80は小径ギヤ74よりも大径で且つ小径ギヤ74よりも歯数が多く設定されており小径ギヤ74に噛み合っている。
ギヤ80の回転半径方向側方にはクラッチ90が設けられている。クラッチ90は入力ギヤ92を備えている。入力ギヤ92は底壁部94を備えている。底壁部94には円孔96が形成されている。円孔96に対応してギヤボックス52に底部にはリング状の支持部98が形成されている。円孔96は入力ギヤ92の底部から脚板14とは反対側へ向けて立設されている。また、支持部98は、その中心軸線が上記のスプール18の中心軸線に対して略同軸となるように形成されている。
この支持部98は円孔96を貫通しており、底壁部94、すなわち、入力ギヤ92を支持部98の中心軸線周りに回転自在に支持している。底壁部94の外周部には、外歯で平歯のギヤ部100が形成されている。ギヤ部100は、底壁部94の円孔96に対して同軸的に形成されていると共に、上記のギヤ80よりも大径で、しかも、ギヤ80よりも歯数が多く、ギヤ80に噛み合っている。上記のように、ギヤ80は、二段ギヤ70、60を介してモータ40の出力軸42に設けられたギヤ56に機械的に連結されているため、モータ40が作動し、その駆動力で出力軸42が回転すると、出力軸42の回転が減速されてギヤ部100に伝わり、ギヤ部100、すなわち、入力ギヤ92が回転する。
一方、ギヤ部100の内側には一対の支持軸102が設けられている。各支持軸102は軸方向が円孔96の軸方向と同じ向きとされ、入力ギヤ92の底壁部94から脚板16とは反対側へ向けて突出形成されている。これらの支持軸102は、円孔96の中心を介して互いに対向するように形成されている。これらの支持軸102には連結パウル110が設けられている。各連結パウル110には円孔112が形成されている。円孔112には上記の支持軸102が通過しており、各連結パウル110は、対応する円孔112によって円孔112の中心軸線周りに回動可能に支持されている。
ギヤ部100の内側にはモータ側回転体としてのラチェットギヤ114が設けられている。このラチェットギヤ114は底壁部94の円孔96を通過してギヤ部100の内側に入り込んでいるスプール側回転体としてのアダプタ116に取り付けられている。アダプタ116は上述したトーションシャフトに対して相対回転不能な状態でトーションシャフトの脚板16側の端部に装着されている。
図1から図3の各図に示されるように、アダプタ116の外周形状はスプール18に対して略同軸の円形とされた被圧接部としての大径軸部117を備えている。この大径軸部117の一端には外径寸法が大径軸部117よりも小さな小径軸部166が大径軸部117に対して同軸的に形成されている。ラチェットギヤ114の中央に形成された円孔118をアダプタ116の小径軸部166が貫通しており、この小径軸部166にラチェットギヤ114が回転自在に支持されている。
このアダプタ116の大径軸部117には付勢部材として回転伝達部材を構成するコイルばね130が設けられている。コイルばね130はその本体部分を円筒形状とみなすとコイルばね130は内径寸法がアダプタ116の大径軸部117の外径寸法以下とされ、図3に示されるように、コイルばね130のコイル部分の内側を大径軸部117が貫通している。このコイルばね130の一端は、係合部132とされている。この係合部132は、コイルばね130のコイル部分の一端からコイル部分の接線方向へ直線的に延出されている。コイルばね130は、この係合部132(すなわち、一端側)を巻取方向に押圧するとコイル部分の巻締まりが弛むようにコイル部分における螺旋の向きが設定されている。
図2及び図3に示されるように、このコイルばね130の係合部132及びコイルばね130のコイル部分の一端側に対応してラチェットギヤ114には円孔118よりも大径の収容孔120が円孔118に対して同軸的に形成されており、円孔118は収容孔120の底部にて開口している。この収容孔120の内径寸法はコイルばね130のコイル部分の外径寸法よりも大きく設定されている。
また、ラチェットギヤ114には係合孔134が形成されている。係合孔134は収容孔120の外側に形成されており、その一端にて収容孔120に繋がっている。コイルばね130はそのコイル部分の一端側が収容孔120の内側に入り込んでおり、更に、係合部132がラチェットギヤ114の係合孔134に入り込んでいる。このため、ラチェットギヤ114が巻取方向に回転して係合孔134の内壁が係合部132を巻取方向に押圧するとコイルばね130のコイル部分が巻取方向に回転する。
さらに、図3に示されるように、コイルばね130のコイル部分は内側がその付勢力でアダプタ116に圧接している。このため、コイルばね130のコイル部分が巻取方向に回転すると、コイルばね130とアダプタ116との間の摩擦が回転力をアダプタ116に伝えてアダプタ116を巻取方向に回転させる。
また、図2及び図3に示されるように、アダプタ116の大径軸部117の外周部には貯留部としてのグリス溜り168が複数形成されている。グリス溜り168は長手方向が大径軸部117の軸方向に沿った直線状の溝(筋)とされている。グリス溜り168の長手方向寸法はコイルばね130のコイル部分における軸方向全長よりも大きく、しかもその一端は大径軸部117の軸方向一端にて開口している。また、これらのグリス溜り168は大径軸部117の周方向に一定間隔毎に形成されている。大径軸部117の外周部には摩擦抵抗調節部材としての粘性を有するグリス170が塗布されていると共に、このグリス170の一部はグリス溜り168の内側に入り込んで溜められている。
なお、本実施の形態では、グリス溜り168の形状を大径軸部117の軸方向一端にて開口した溝形状としたが、グリス溜り168の形状がこのような形状に限定されるものではない。例えば、グリス溜り168の形状を大径軸部117の軸方向一端にて開口せず、大径軸部117の半径方向外方へのみ開口した孔としてもよい。
一方、図1から図3の各図に示されるように、上記のラチェットギヤ114の外周部には外歯のラチェット歯が形成されている。図3に示されるように、このラチェットギヤ114のラチェット歯に対応して、上記の連結パウル110には噛合部122が形成されている。
連結パウル110は円孔112を貫通する支持軸102周りの一方へ回動することで、図3に示されるように、噛合部122がラチェットギヤ114の外周部へ接近して、ラチェットギヤ114のラチェット歯に噛合部122が噛み合う。ラチェットギヤ114のラチェット歯に噛合部122が噛み合った状態で入力ギヤ92が支持部98周りに巻取方向に回転すると、入力ギヤ92と共に巻取方向に回転する連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114を巻取方向に押圧して、ラチェットギヤ114を入力ギヤ92と共に巻取方向に回転させる。
ここで、一方の支持軸102に対して他方の支持軸102は、入力ギヤ92の回転中心周りに180度ずれた状態で形成されている。これに対して、ラチェットギヤ114に形成された外歯のラチェット歯は奇数とされている。このため、一方の支持軸102に支持された連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114のラチェット歯に噛み合うと、他方の支持軸102に支持された連結パウル110の噛合部122は、ラチェットギヤ114の回転周方向に沿ったラチェット歯の斜面の中間部に接してラチェット歯に噛み合わない。このような構成では、ラチェット歯の形成間隔の半分の角度だけラチェットギヤ114が回転すれば、何れかの連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114のラチェット歯に噛み合う。
なお、本実施の形態では、上記のようにラチェットギヤ114のラチェット歯の数を奇数に設定すると共に、両方の支持軸102を入力ギヤ92の回転中心周りに180度ずれた状態で形成することによって何れかの連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114のラチェット歯に噛み合う構成とした。ラチェットギヤ114のラチェット歯の数や連結パウル110を支持する支持軸102の形成位置がこのような態様に限定されるものではない。
したがって、両方の連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114の各ラチェット歯に略同時に噛み合うようにラチェットギヤ114のラチェット歯の数や連結パウル110を支持する支持軸102の形成位置等を設定してもよい。また、本実施の形態は2つの連結パウル110を有する構成であったが、連結パウル110を3つ以上備える構成であってもよいし、連結パウル110を1つしか設けない構成であってもよい。
一方、上記の支持軸102に対する入力ギヤ92の回転周方向に沿った引出方向側では、底壁部94に支持ピン124が形成されている。これらの支持ピン124の各々にはリターンスプリング126が取り付けられている。リターンスプリング126は中間部がコイル状とされた捩じりコイルばねで、その一端は底壁部94に形成された図示しない係止部に係止されている。これに対して、リターンスプリング126の他端側は連結パウル110のスプリング当接部128に圧接しており、支持軸102周りの他方、すなわち、噛合部122をラチェットギヤ114の外周部から離間させる向きに連結パウル110を付勢している。
また、クラッチ90は一対の干渉片140を備えている。図6に示されるように、干渉片140は基部142を備えている。基部142は幅方向が干渉片140の高さ方向、更に言えばスプール18の軸方向に沿った細幅の板状に形成されている。この基部142に対応して上記のギヤボックス52の底部には外側保持リング146と内側保持リング148とが形成されている。
これらの外側保持リング146及び内側保持リング148は上記の支持部98に対して同軸のリング状に形成されており、脚板16とは反対側へ向けてギヤボックス52の底部から立設されている。上記の干渉片140の基部142は、この外側保持リング146と内側保持リング148との間に入り込んでいると共に、そのばね性によって外側保持リング146の内周部や内側保持リング148の外周部に圧接している。
また、基部142の幅方向一端部(すなわち、基部142が外側保持リング146と内側保持リング148との間に入り込んだ状態で支持部98の底部とは反対側の基部142の幅方向端部)における基部142の長手方向中央側からは干渉部152が延出されている。図1及び図2に示されるように、干渉部152に対応して入力ギヤ92の底壁部94には透孔154が形成されている。透孔154は支持軸102に支持された連結パウル110の噛合部122の近傍に形成されている。外側保持リング146と内側保持リング148との間に基部142が配置された干渉片140は、干渉部152が透孔154を通過しており、特に干渉片140の初期状態では入力ギヤ92の回転周方向に沿った噛合部122の巻取方向側で干渉部152が噛合部122と対向している。
一方、図1に示されるように、ギヤボックス52の脚板16とは反対側の開口端側には閉止板162が設けられている。閉止板162は図示しないボルトやねじ等の締結手段によってギヤボックス52に一体的に取り付けられている。ギヤボックス52に取り付けられた閉止板162は、ギヤボックス52の脚板16とは反対側の開口を閉止して、二段ギヤ60、70、80や入力ギヤ92(クラッチ90)の脱落を規制している。また、ギヤボックス52に取り付けられた閉止板162は、ギヤボックス52の開口を閉止するのみならず、入力ギヤ92における連結パウル110やリターンスプリング126を収容している側を閉止しており、入力ギヤ92内からの連結パウル110やリターンスプリング126の脱落を規制している。
さらに、閉止板162には閉止板162の厚さ方向に貫通した透孔164が形成されており、上述した小径軸部166が透孔164を通過して閉止板162の外側に突出している。閉止板162の外側(閉止板162のギヤボックス52とは反対側)にはスプリングハウジング172が設けられている。
スプリングハウジング172はギヤボックス52に一体的に連結されている。透孔164を通過した小径軸部166はスプリングハウジング172の内側に入り込んで、スプリングハウジング172内に形成された図示しない軸受け部に回転自在に支持されている。また、スプリングハウジング172には図示しない渦巻きばねが収容されている。この渦巻きばねの渦巻き方向外側の端部はスプリングハウジング172に直接又は間接的に係止され、渦巻き方向内側の端部がスプリングハウジング172に入り込んだ小径軸部166に直接又は間接的に係止されている。
この渦巻きばねは、小径軸部166が引出方向に回転すると巻締められ、小径軸部166を巻取方向に付勢する。通常の状態でスプール18から引出されたウェビング20をスプール18に巻取らせて格納する際には、この渦巻きばねの付勢力でスプール18を巻取方向に回転させる。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本ウェビング巻取装置10の動作の説明を通して本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウェビング巻取装置10では、前方監視装置から出力された電気信号に基づき、車両の前方で走行する他の車両や、車両前方の障害物までの距離が一定値未満になったとECUが判定すると、ECUがモータ40を通電してモータ40を作動させる。モータ40が作動することで出力軸42が回転すると、出力軸42に設けられたギヤ56が出力軸42の回転を二段ギヤ60の大径ギヤ62に伝えて二段ギヤ60を回転させる。さらに、二段ギヤ60の小径ギヤ64は二段ギヤ70の大径ギヤ72に噛み合っているので、二段ギヤ60の回転は二段ギヤ70に伝えられて二段ギヤ70が回転する。この二段ギヤ70の回転は、小径ギヤ74に噛み合うギヤ80に伝えられ、更に、ギヤ80に噛み合うギヤ部100に減速して伝えられ、これにより、入力ギヤ92が巻取方向に回転する。
入力ギヤ92が巻取方向に回転することで、入力ギヤ92の底壁部94に形成された支持軸102が巻取方向に回転し、これにより、支持軸102に支持されている連結パウル110が入力ギヤ92と共に巻取方向に回転する。ここで、上記のように、連結パウル110を構成する噛合部122の巻取方向側には、初期状態での干渉片140の干渉部152が位置しているので、入力ギヤ92と共に連結パウル110が巻取方向に回転すると噛合部122が干渉部152に当接して干渉部152を巻取方向に押圧する。
干渉片140は自らの弾性に抗して基部142が湾曲した状態で外側保持リング146と内側保持リング148の間に入り込んで外側保持リング146と内側保持リング148とに圧接している。このため、基部142と外側保持リング146との接触部分及び基部142と内側保持リング148との接触部分における最大静止摩擦力を上回る大きさの力で基部142が押圧されないと、基部142が外側保持リング146と内側保持リング148との間を、その周方向に移動することはない。
このため、この状態では連結パウル110の噛合部122が干渉片140の干渉部152からの押圧反力を受けることでリターンスプリング126の付勢力に抗して支持軸102周りに回動し、噛合部122はラチェットギヤ114の外周部に接近する。各連結パウル110が上記のように回動することで、図4に示されるように、一方の連結パウル110の噛合部122がラチェットギヤ114のラチェット歯に噛み合うと、噛合部122がラチェットギヤ114のラチェット歯を巻取方向に押圧する。
さらに、この状態では、連結パウル110はこれ以上の回動が規制されているため、連結パウル110の噛合部122が干渉片140の干渉部152を押圧し続けることで干渉片140の干渉部152に付与される巻取方向への押圧力が基部142と外側保持リング146との接触部分及び基部142と内側保持リング148との接触部分における最大静止摩擦力を上回ると、干渉片140は外側保持リング146と内側保持リング148とに案内されて巻取方向に回転する。
これにより、入力ギヤ92が巻取方向に更に回転し、巻取方向への入力ギヤ92の回転が連結パウル110を介してラチェットギヤ114に伝わり、ラチェットギヤ114を巻取方向に回転させる。ラチェットギヤ114が巻取方向に回転することでラチェットギヤ114の係合孔134が係合部132を巻取方向に押圧すると、コイルばね130のコイル部分が巻取方向に回転する。コイルばね130のコイル部分は内側がアダプタ116の大径軸部117の外周部に圧接(密着)している。
このため、コイルばね130のコイル部分が巻取方向に回転すると、コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117の外周部との間の摩擦によってアダプタ116が巻取方向に回転する。このようにアダプタ116が巻取方向に回転することでスプール18が巻取方向に回転し、スプール18が巻取方向に回転することで、ウェビング20がスプール18に巻取られ、車両の乗員の身体に装着されているウェビング20の僅かな弛み、所謂「スラック」が除去される。
このように、本実施の形態は、モータ40の駆動力によるラチェットギヤ114の巻取方向の回転力がコイルばね130を介してとアダプタ116に伝わってスプール18を巻取方向に回転させる構成である。このようなモータ40の駆動状態でスプール18がウェビング20をそれ以上巻取ることができなくなると(すなわち、スプール18の巻取方向への回転が規制されると)、ラチェットギヤ114と共にコイルばね130のコイル部分が巻取方向に回転する。
この状態で、アダプタ116が巻取方向に回転しないとコイルばね130のコイル部分は大径軸部117との摩擦で巻締まりを弛める(すなわち、コイルばね130のコイル部分における内径寸法及び外径寸法を拡大する)ように弾性変形する。これにより、図5に示されるように、コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間の圧接が弛んでコイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間の摩擦が小さくなり、コイルばね130はアダプタ116に対して巻取方向に滑るように相対回転する。これにより、ラチェットギヤ114からアダプタ116への巻取方向への回転力の伝達を遮断又は軽減でき、スプール18の巻取方向への回転が規制された状態で、それ以上、スプール18が巻取方向に回転することを防止又は抑制できる。
また、モータ40が上記のように駆動した状態で、ウェビング20を装着した乗員が車両前方側へ慣性移動すると、ウェビング20が引っ張られて、スプール18が巻取方向とは反対の引出方向に回転する。このような場合に、スプール18によってアダプタ116が引出方向(すなわち所定方向とは反対方向)に回転すると、上記のようにコイルばね130のコイル部分はアダプタ116との摩擦で巻締まりを弛めるように弾性変形する。これにより、ラチェットギヤ114からモータ40側における駆動力伝達機構50の二段ギヤ60、70等の各ギヤ列の歯に大きな荷重が作用することを防止又は抑制できる。これにより、駆動力伝達機構50を構成する各ギヤの機械的強度を特別に高く設定しなくてもよく、小型化や軽量化が可能になる。
ここで、上記のように、ラチェットギヤ114がアダプタ116に対して巻取方向に相対回転している状態では、コイルばね130のコイル部分が弛んでアダプタ116の大径軸部117との間の摩擦が小さくなっているだけである。このため、ラチェットギヤ114がアダプタ116に対して巻取方向に相対回転している状態であっても、コイルばね130の弾性に起因する衝撃音が発生しない。
しかも、コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間の圧接が弛むことで、コイルばね130のコイル部分がアダプタ116の大径軸部117に対して巻取方向に相対回転するが、その際にも、コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間で摩擦が生じる。
ここで、アダプタ116の大径軸部117にはグリス溜り168が形成されて大径軸部117の外周部にはグリス170が塗布されている。このため、コイルばね130のコイル部分とアダプタ116の大径軸部117との間で生じた摩擦熱に起因するコイルばね130とアダプタ116との焼き付き等を防止できる。これにより、コイルばね130のコイル部分がアダプタ116の大径軸部117に対して巻取方向に相対回転するのに必要な回転トルクの大きさを安定させることができ、コイルばね130やアダプタ116の耐久性を向上させることができる。
また、上記のように、グリス溜り168は長手方向が大径軸部117の軸方向に沿った直線状の溝(筋)とされ、その長手方向寸法はコイルばね130のコイル部分における軸方向全長よりも大きい。このため、コイルばね130のコイル部分は大径軸部117の周方向に所定間隔毎に必ずグリス溜り168上を通過する。このため、アダプタ116の大径軸部117に対してコイルばね130が巻取方向に相対回転した際も、回転するコイルばね130のコイル部分はグリス溜り168上を通過する。これにより、コイルばね130と大径軸部117との間にグリス170を効率よく介在させることができる。
さらに、グリス溜り168はその長手方向一端が大径軸部117の軸方向一端にて開口した溝形状である。このため、アダプタ116を成形する際の金型の型割の向きがアダプタ116の軸方向に沿う構造であっても、グリス溜り168がアンダーカットにならない。このため、アダプタ116の成形も容易である。
さらに、本実施の形態では、アダプタ116にコイルばね130が設けられ、このコイルばね130が弛むこと(弾性変形すること)によってラチェットギヤ114からアダプタ116への巻取方向の回転力の伝達やアダプタ116からラチェットギヤ114への引出方向への回転力の伝達を防止又は抑制する構成である。このような構成では、駆動力伝達機構50を構成するギヤ列(すなわち、二段ギヤ60等)がラチェットよりもモータ40側にある。このため、駆動力伝達機構50のギヤ列を構成する各ギヤの全てに対して不要に大きな荷重が作用することを防止又は抑制できる。
なお、本実施の形態においてコイルばね130は、そのコイル部分がアダプタ116の大径軸部117の外周部に弾性によって圧接し、係合部132がラチェットギヤ114の係合孔134に入り込ませた構造であった。しかしながら、ラチェットギヤ114の内周部を被圧接部としてコイルばね130におけるコイル部分の外周部を圧接させると共に、その一端をアダプタ116に係合させる構成であってもよい。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
20 ウェビング
40 モータ
114 ラチェットギヤ(モータ側回転体)
116 アダプタ(スプール側回転体)
117 大径軸部(被圧接部)
130 コイルばね(回転伝達部材)
168 グリス溜り(貯留部)
170 グリス(摩擦抵抗調節部材)

Claims (4)

  1. ウェビングの長手方向基端側が係止されて、軸周りの一方の巻取方向に回転することで前記ウェビングを巻取るスプールと、
    前記スプールに対して一体的に設けられ或いは前記スプールに直接又は間接的に連結されて、所定方向への回転を前記スプールに伝えて前記スプールを前記巻取方向に回転させるスプール側回転体と、
    モータと、
    前記モータの駆動力が伝えられて前記所定方向へ回転すると共に、軸方向が前記スプール側回転体の軸方向の向きと同じ孔部が形成されたモータ側回転体と、
    前記スプール側回転体の外周部及び前記モータ側回転体における前記孔部の内周部の一方である被圧接部に対して付勢力によって圧接すると共に前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有していない方の回転体に一部が係合し、前記モータ側回転体の前記所定方向への回転を前記スプール側回転体に伝えると共に、前記スプール側回転体に対して前記モータ側回転体が前記所定方向へ相対回転することによって付勢力に抗して弾性変形し、前記被圧接部に対する圧接が弱まって前記被圧接部に対して滑る回転伝達部材と、
    前記被圧接部と前記回転伝達部材との間に介在して前記何れかの他方と前記回転伝達部材との間の摩擦抵抗を調節する摩擦抵抗調節部材と、
    前記被圧接部から前記回転伝達部材側へ向けて開口した凹形状に前記被圧接部に形成されて、内側に前記摩擦抵抗調節部材を溜める貯留部と、
    を備えるウェビング巻取装置。
  2. 前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有する方の回転体の軸方向周りにコイル状に形成されると共に、一端が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部を有していない方の回転体に係合したコイルばねを前記回転伝達部材とした請求項1に記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記貯留部を、長手方向が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部が設定された方の回転体の軸方向及び周方向の少なくとも何れか一方の向きに沿った筋状に形成した請求項2に記載のウェビング巻取装置。
  4. 前記貯留部を、長手方向が前記スプール側回転体及び前記モータ側回転体のうち前記被圧接部が設定された方の回転体の軸方向と同じ向きに沿い、長手方向端部が前記被圧接部における軸方向端部で開口した直線状に形成した請求項3に記載のウェビング巻取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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