JP4238079B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するシートベルト装置は、座席の側方で車体に固定されたウエビング巻取装置を備えている。ウエビング巻取装置は、例えば、軸方向が略車両前後方向に沿ったスプールを備えており、このスプールにウエビングベルトの長手方向基端側が係止されている。スプールはその外周部にウエビングベルトを層状に巻き取ることができ、シートベルト装置を使用しない場合には、スプールの外周部にウエビングベルトを巻き取らせて収容できるようになっている。
【0003】
また、ウエビング巻取装置には、ウエビングベルトを巻き取る巻取方向へスプールを付勢する渦巻きばね等の付勢部材が設けられており、この付勢部材の付勢力でウエビングベルトを巻き取って収容すると共に、乗員の身体にウエビングベルトを装着した状態では、付勢部材の付勢力でウエビングベルトの弛み等を除去している。
【0004】
一方で、車両急減速状態等に一定量ウエビングベルトをスプールに巻き取らせることで、「スラック」等と称される僅かな緩みを解消すると共に、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を増加させ、より一層確実に乗員の身体を保持する機構も考えられている。この種の機構は、車両の急減速状態を加速度センサで検知し、加速度センサからの電気信号に基づいてスプールをモータ等の駆動手段の駆動力で強制的に巻取方向に回転させる構成が一般的である(このような所謂「モータリトラクタ」の一例としては特許文献1を参照)。
【0005】
これに対して、前方の他の車両や障害物までの距離を距離センサ等の前方監視装置で検出し、前方の車両や障害物までの距離が一定値未満になると、モータを作動させ、モータの回転力でスプールを巻取方向に回転させる構成も考えられている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−347923公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなモータリトラクタの場合、スプール側からの回転がモータに伝わることを防止するために、モータの出力軸とスプールとの間にクラッチを介在させ、このクラッチによって出力軸側からの回転のみをスプールに伝達する構成としている。
【0008】
しかしながら、これまでのモータリトラクタでは、クラッチをフレームの外側でフレームを構成する一対の脚板の側方に配置している。このため、モータの出力軸をクラッチに連結する場合、クラッチが設けられた側の脚板を介して他方の脚板とは反対側、すなわち、脚板の側方で且つフレームの外側にモータを配置したり、一対の脚板よりもフレームの上方又は下方にモータを配置しなければならない。このような構成の場合、モータのような比較的重量がある部品がフレームの外側や上方又は下方に位置することでモータリトラクタ全体が大型化するうえ、モータリトラクタ全体の重量バランスが悪くなるという欠点がある。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮して、モータ等の駆動手段でスプールを回転させることができ、しかも、コンパクトで重量バランスがよいウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、互いに対向配置された一対の脚板が背板により連結されて一体となったフレームと、前記一対の脚板の対向方向に軸方向が沿った状態で前記一対の脚板の間に配置されて、自らの軸周りに回転可能に前記フレームに直接或いは間接的に支持されると共に、装着状態で車両の座席に着座した乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端部が係止されて、前記軸周りの一方である巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを巻き取り、前記ウエビングベルトがその先端側へ引っ張られることで前記巻取方向とは反対の引出方向へ回転しつつ巻き取った前記ウエビングベルトを引き出すスプールと、前記一対の脚板の間に配置され、駆動力で出力軸を回転させる駆動手段と、前記一対の脚板の間に配置されると共に、機械的に前記出力軸と前記スプールとの間に介在し、少なくとも前記出力軸の軸周り一方の回転を前記スプールに伝達して前記スプールを巻取方向に回転させると共に、前記スプール側で生じた回転の伝達を遮断して当該回転が前記出力軸に伝達されることを防止するクラッチと、を備え、更に、前記駆動手段の前記出力軸の回転が伝達されて回転する第1回転体と、外周部に外歯が形成されて前記第1回転体の内側で前記スプールに対して同軸的且つ一体的に設けられ、前記第1回転体の回転が伝達されることで回転して前記スプールを回転させる第2回転体と、前記第1回転体の回転半径方向に沿った前記第1回転体と前記第2回転体との間で、前記第2回転体の前記外歯に対して接離移動可能な状態で前記第1回転体と共に一体的に回転可能に設けられ、少なくとも前記出力軸の軸周り一方の回転に連動した前記第1回転体の回転により前記第2回転体の外周部に接近して前記外歯に噛み合い、前記第1回転体の回転を前記第2回転体に伝達する伝達部材と、を含めて前記クラッチが構成されている。
【0011】
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、乗員が車両の座席に着席して、ウエビングベルトを身体に掛けまわし、例えば、ウエビングベルトに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させることで、ウエビングベルトの乗員身体に対する装着状態となる。
【0012】
一方、例えば、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、更に、少なくとも、車両と障害物との間隔(車両から障害物までの距離)が所定範囲内に達することで駆動手段の駆動が開始され、これによって、駆動手段の出力軸がその軸周り一方に回転されると、この回転がクラッチを構成する第1回転体に伝えられ、第1回転体が回転する。このように、出力軸の軸周り一方の回転に連動して第1回転体が回転すると、第1回転体に設けられた伝達部材が第2回転体の外周部に形成された外歯に接近して、この外歯に伝達部材が噛み合う。
第2回転体の外歯に伝達部材が噛み合った状態では、第1回転体の回転が伝達部材を解して第2回転体に伝わり、これにより第2回転体が回転する。第2回転体はスプールに対して同軸的且つ一体的に設けられているので、出力軸の軸周り一方の回転に連動した第2回転体の回転により、スプールが巻取方向に回転させられる。このようにスプールが巻取方向に回転させられることで、ウエビングベルトが基端側からスプールに巻き取られ、装着状態におけるウエビングベルトの僅かな弛み、所謂「スラック」が解消され、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を上昇させることができる。
【0013】
ところで、本発明に係るウエビング巻取装置では、スプールを支持するためのフレームを構成する一対の脚板の間にクラッチが配置され、しかも、実質的にはこのように一対の脚板の間にクラッチが配置されることで駆動手段を一対の脚板間に駆動手段を配置することが可能になる。このため、一方の脚板を介して他方の脚板とは反対側、すなわち、フレームの外側に駆動手段を配置する構造に比べて、本ウエビング巻取装置を全体的にコンパクトにできる。
【0014】
しかも、フレームの外側に駆動手段を配置する構造に比べて、上記のように駆動手段を一対の脚板間に位置させることが可能になることでウエビング巻取装置の全体的な重量バランスを脚板の対向方向の中央側に寄せることができ、重量的にウエビング巻取装置を安定させることができる。
【0015】
また、上記のようにクラッチを一対の脚板間に配置することで、駆動手段を一対の脚板間に配置できるため、駆動手段とクラッチとを近接配置できる。これにより、仮に、クラッチと駆動手段の出力軸とを減速機構等の駆動力伝達手段によって機械的に連結する構成にする場合でも、減速機構等の駆動力伝達手段の構成を簡素化でき、この意味でも、ウエビング巻取装置をコンパクトにでき、更には、コストを安価にできる。
【0016】
さらに、駆動手段のような比較的重量のある部品を一対の脚板間に配置できるため、各脚板及びこれらの脚板を連結する背板の何れか1つだけでなく、必要に応じては、一対の脚板及びこれらの脚板を連結する背板の何れか2つ又は全てで駆動手段を支持させることができる。これにより、駆動手段を支持するための格別な強度の向上が不要になり、この結果、ウエビング巻取装置の軽量化とコストダウンを図ることが可能となる。
【0017】
しかも、本発明に係るウエビング巻取装置では、クラッチを構成する第2回転体がスプールに対して同軸的且つ一体的に設けられている。このため、第2回転体の回転を直接的にスプールに伝えることができる。これにより、駆動手段が駆動した場合にスプールを円滑に回転させることができる。
【0021】
請求項に記載の本発明に係るウエビング巻取装置、請求項1に記載のウエビング巻取装置において、前記出力軸又は前記出力軸に連動して回転する出力軸側軸部材に対して着脱可能で且つ装着状態で一体的に設けられた出力軸側回転部材と、前記出力軸側回転部材に直接又は間接的に係合可能な所定の装着位置に着脱可能に設けられ、前記出力軸側回転部材の回転に連動して前記出力軸側回転部材の回転周速度に応じた回転速度で回転し、当該回転を前記クラッチに伝えるクラッチ側回転部材と、を含めて前記駆動手段の駆動力を前記クラッチに伝える駆動力伝達手段を構成した、ことを特徴としている。
【0022】
請求項に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、駆動手段の出力軸、又は、この出力軸に連動して回転する出力軸側軸部材に出力軸側回転部材が装着されており、出力軸が駆動手段の駆動力により回転すると、出力軸側回転部材が回転する。
【0023】
一方、出力軸側回転部材に直接又は間接的に係合可能な所定の装着位置にはクラッチ側回転部材が設けられており、出力軸側回転部材が回転すると出力軸側回転部材に直接又は間接的に係合したクラッチ側回転部材が回転し、このクラッチ側回転部材の回転がクラッチに伝えられる。
【0024】
クラッチがクラッチ側回転部材から受けた回転をスプールに伝えることによりスプールが回転し、このスプールの回転方向が巻取方向であればスプールにウエビングベルトが巻き取られ、装着状態におけるウエビングベルトの僅かな弛み、所謂「スラック」が解消され、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を上昇させることができる。
【0025】
ところで、本発明に係るウエビング巻取装置においてクラッチ側回転部材は、出力軸側回転部材の回転周速度に応じた回転速度で回転する。しかも、出力軸側回転部材は出力軸又は出力軸側軸部材に着脱可能に取り付けられ、クラッチ側回転部材は上記の所定の装着位置に着脱可能に装着される。
【0026】
したがって、出力軸側回転部材とクラッチ側回転部材との係合が可能な範囲で外径寸法等が異なる出力軸側回転部材やクラッチ側回転部材に替えることで出力軸側回転部材及びクラッチ側回転部材を含めて構成される駆動力伝達手段での変速比が変更される。したがって、出力軸側回転部材及びクラッチ側回転部材を適宜に選択することで、駆動手段が駆動した際のクラッチに伝わる回転速度、ひいてはスプールの回転速度を容易に設定できる。
【0027】
なお、本発明において、出力軸側回転部材及びクラッチ側回転部材は、出力軸側回転部材からクラッチ側回転部材に回転が伝えられる構造であれば、その態様に限定されるものではない。例えば、出力軸側回転部材及びクラッチ側回転部材が互いに噛み合うこと、又は、ギヤベルトやチェーン等が双方に係合することで互いに連結されるギヤであってもよいし、無端ベルトが掛け回されることで互いに連結されるプーリであってもよい。
【0028】
請求項に記載の本発明に係るウエビング巻取装置、請求項に記載のウエビング巻取装置において、前記出力軸に同軸的且つ着脱可能に連結され、前記出力軸への装着状態で前記出力軸の回転により回転する出力軸側ギヤを前記出力軸側回転部材とし、前記所定の装着部位に対して着脱可能に設けられ、前記装着部位への装着状態で前記出力軸側ギヤに噛み合い、前記出力軸側ギヤの回転を受けて回転して当該回転を前記クラッチに伝えるクラッチ側ギヤを前記クラッチ側回転部材とした、ことを特徴としている。
【0029】
請求項に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、駆動手段の出力軸に出力軸側回転部材としての出力軸側ギヤが同軸的に装着され、所定の装着位置にはクラッチ側回転部材としてのクラッチ側ギヤが装着されて出力軸側ギヤに噛み合っている。
【0030】
駆動手段が駆動して出力軸が回転すると、出力軸側ギヤが出力軸と一体に回転する。さらに、出力軸側ギヤが回転することで出力軸側ギヤに噛み合うクラッチ側ギヤが回転し、この回転がクラッチに伝えられる。
【0031】
ここで、出力軸側ギヤは出力軸に対して着脱自在であり、また、クラッチ側ギヤは所定の装着位置に対して着脱自在である。したがって、出力軸側ギヤとクラッチ側ギヤとは互いに噛み合える範囲で各々の歯の数やピッチ円等のギヤとしての仕様を変更することで、駆動手段からクラッチまでの間における変速比(減速比)を容易に変更、設定できる。
【0032】
なお、本発明において、上記の両ギヤ(出力軸側ギヤ及びクラッチ側ギヤ)の装着位置(取付位置)に関しては特に限定するものではない。但し、剛性等を考慮すると、上記のフレームにギヤハウジングを取り付け、このギヤハウジングに両ギヤを互いに噛み合わせた状態で回転自在に収容することが考えられる。また、このようなギヤハウジングに関しても、例えば、フレームの外側に設けてフレームの外側で両ギヤが互いに噛み合う構成とすることにより、ギヤの組み付け作業や、修理等におけるギヤの交換作業が容易になると言うメリットがある。
【0033】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成の概略が正面断面図によって示されている。
【0034】
この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる構成となっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚板16、18が互いに平行に延出されており、これらの脚板16、18間にダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。
【0035】
スプール20は略円筒形状のスプール本体22と、このスプール本体22の両端部に略円盤形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
【0036】
スプール本体22はフランジ部24、26間には、長尺帯状に形成されたウエビングベルト28の基端部が固定されており、スプール20をその軸周り一方(以下、この方向を便宜上「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウエビングベルト28がその基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られる。また、ウエビングベルト28をその先端側から引っ張れば、スプール本体22の外周部に巻き取られたウエビングベルト28が引き出され、これに伴い、ウエビングベルト28を巻き取る際の回転方向とは反対にスプール20が回転する(以下、ウエビングベルト28を引き出す際のスプール20の回転方向を便宜上「引出方向」と称する)。
【0037】
フランジ部24のフランジ部26とは反対側でスプール20の一端側は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板16側のフレーム12の外側には、ケース32が配置されている。ケース32は、スプール20の軸方向に沿って脚板16と対向して配置されて脚板16に固定されている。また、ケース32は全体的に脚板16側へ向けて開口しており、円孔30を貫通したスプール20の一端側はケース32の内側に入り込み、ケース32によって回転自在に軸支されている。
【0038】
さらに、ケース32の内部には渦巻きばね34が配置されている。渦巻きばね34は渦巻き方向外側の端部がケース32に係止されており、渦巻き方向内側の端部がスプール20に係止されている。渦巻きばね34は特別に負荷をかけない中立状態からスプール20を引出方向へ回転させると、巻取方向の付勢力が生じてスプール20を巻取方向へ付勢する。したがって、基本的には、スプール20から引き出すためにウエビングベルト28に付与した引っ張り力を解除すると、渦巻きばね34の付勢力がスプール20を巻取方向へ回転させ、スプール20にウエビングベルト28を巻き取らせる構造になっている。
【0039】
一方、フランジ部26のフランジ部24とは反対側でスプール20の他端側は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板18側のフレーム12の外側には、ロック機構38が配置されている。ロック機構38はケース40を備えている。ケース40はスプール20の軸方向に沿って脚板18と対向して配置されて脚板18に固定されている。
【0040】
ケース40の内側には、ロック機構38を構成するラチェットギヤ42がスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に収容されている。ラチェットギヤ42は、軸方向脚板18とは反対側が開口した浅底円筒状とされており、その外周部にはラチェット歯が形成されている。
【0041】
ラチェットギヤ42の内側には、ロックベース44が収容されている。ロックベース44はスプール20に対して同軸的で且つ一体的に設けられており、したがって、スプール20の回転によりスプール20と一体的に回転する。ロックベース44には図示しない圧縮コイルスプリング等の付勢手段が設けられている。この付勢手段は、一部が上述したラチェットギヤ42に係合しており、ロックベース44が回転すると、ロックベース44と共に回転して、その回転方向に沿った付勢力をラチェットギヤ42に付与する。
【0042】
このため、ラチェットギヤ42は、本来スプール20に対して相対回転可能であるが、スプール20と一体にロックベース44が回転することで付勢手段から付与される付勢力により、ラチェットギヤ42がスプール20の回転に追従して回転する構成となっている。
【0043】
一方、上述したラチェット孔36の内側では、ロックベース44にロックプレート46が支持されている。ロックプレート46は、ロックベース44に支持された状態でラチェット孔36の内歯に対し接離移動可能とされている。また、ロックプレート46は、上述したラチェットギヤ42に係合しており、ラチェットギヤ42がロックベース44に対して上述した巻取方向へ相対回転した場合に、この回転に連動してラチェット孔36の内歯に接近してラチェット孔36の内歯に噛み合う構成となっている。
【0044】
また、ラチェットギヤ42の半径方向下方には、センサフレーム48が配置されている。センサフレーム48は、所定の曲率で湾曲して上方へ向けて開口した図示しない載置部を有しており、この載置部にセンサボール50が載置されている。さらに、センサボール50の上方には係合板52が設けられている。係合板52は、上下に回動可能にセンサフレーム48に取り付けられており、センサボール50が上述した載置部上を転動して上方へ変位した際には、センサボール50に上方から押圧されて回動する。
【0045】
また、係合板52には係合爪54が形成されている。係合爪54は、その先端がラチェットギヤ42のラチェット歯に対向しており、係合板52が上方へ回動すると係合爪54がラチェットギヤ42のラチェット歯に噛み合い、ラチェットギヤ42の回転を規制する構成となっている。
【0046】
一方、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、駆動手段としてのモータ60が配置されている。モータ60の出力軸62にはギヤ64が同軸的且つ一体的に設けられている。
【0047】
ギヤ64の半径方向上方には、ギヤ64よりも大径のギヤ66が配置されている。ギヤ66は脚板16、18間に設けられた支持板68と脚板16とによりスプール20と平行な軸周りに回転自在に軸支された状態で、ギヤ64に噛み合っている。また、ギヤ66の軸方向側方にはギヤ66よりも小径のギヤ70がギヤ66に対して同軸的且つ一体的に設けられている。
【0048】
さらに、ギヤ70の半径方向上側側方で且つスプール20のフランジ部24(すなわち、スプール20の脚板16側の端部)と、脚板16との間(すなわち、脚板16と脚板18の間で、更に言い換えればフレーム12の内側)にはクラッチ90が設けられている。
【0049】
以下、クラッチ90に関して図2乃至図5を用いて説明する。
【0050】
図2に示されるように、クラッチ90はベースプレート92を備えている。ベースプレート92は円盤状のベース部94の外周部に沿って略リング状の周壁96が形成された軸方向寸法が極めて短い有底円筒状(若しくは浅底の盆状)に形成されている。ベースプレート92の軸方向一端側(図2の矢印C方向側)の開口端には、薄厚円盤状のカバー98が取り付けられており、基本的にベースプレート92の開口端が閉止されている。
【0051】
周壁96の外周部にはその周方向に沿って一定間隔毎に係合凹部100が形成されている。また、周壁96の外側には第1回転体としての外歯ギヤ102が設けられている。外歯ギヤ102は、ギヤ70よりも充分に歯数が多い略リング形状に形成されており、ベースプレート92に対して同軸的に配置されている。また、外歯ギヤ102の内径寸法は、周壁96の外径寸法よりも充分に大きく、外歯ギヤ102の内周部と周壁96の外周部との間には環状の隙間が形成されており、図3乃至図5に示されるように、この環状の隙間に複数のトルクリミッタ104が周方向に断続的に配置されている。
【0052】
図2乃至図5に示されるように、トルクリミッタ104は、幅寸法が外歯ギヤ102の軸方向寸法未満とされたばね性を有する細幅の板状の金属片で、その長手方向両端部には上記の係合凹部100に入り込み可能な係合部106が形成されている。また、トルクリミッタ104の長手方向略中央には、係合部106の突出方向とは略反対方向に突出する如く屈曲した係合突起108が形成されている。
【0053】
係合突起108に対応して外歯ギヤ102の内周部には係合凹部110が形成されており、係合凹部110に係合突起108が入り込んだ状態で係合部106が係合凹部100に入り込むで、トルクリミッタ104を介してベースプレート92と外歯ギヤ102とが略一体的に連結されている。これにより、ベースプレート92に対して外歯ギヤ102がベースプレート92の軸心周りに相対回転しようとすると、当然、トルクリミッタ104も外歯ギヤ102と共に一体的に回転しようとする。
【0054】
しかしながら、トルクリミッタ104の各係合部106が係合凹部100に入り込んでいることで、周壁96の周方向に沿って係合部106が回転しようとすると係合凹部100が係合部106に干渉し、係合部106の回転を規制する。これにより、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転が規制され、基本的には、外歯ギヤ102とベースプレート92とが一体的に連結される構成となっている。
【0055】
但し、上記のように、トルクリミッタ104がばね性を有する金属片であるため、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転で生じる回転力が、トルクリミッタ104のばね力(付勢力)に抗して係合部106を係合凹部100から抜け出させるのに充分な大きさであれば、係合凹部100による係合部106への干渉が解除されるため、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転が可能となる構成である。
【0056】
一方、上述したベースプレート92の内側には、第2回転体としての略円筒形状のアダプタ112がベースプレート92に対して略同軸的に配置されている。アダプタ112は全体的に軸方向他端(図2の矢印D方向側)がベース部94(ベースプレート92)の中央に形成された円孔30に回転自在に軸支されていると共に、他端に同軸的に形成された円筒状の筒部114がカバー98に形成された円孔116に回転自在に軸支されている。
【0057】
アダプタ112とベースプレート92のベース部94との間には、合成樹脂材によってリング状に形成されたスペーサ118が配置されている。スペーサ118は、アダプタ112の筒部114に軸支されており、軸方向一方の端面はベース部94に当接し、軸方向他方の端面はアダプタ112の本体部分の筒部114との接続部分における端面に当接している。
【0058】
また、アダプタ112にはその軸方向に沿って貫通した嵌合孔120が形成されている。嵌合孔120には上述したスプール20の軸方向他端が嵌合しており、アダプタ112とスプール20とが同軸的且つ一体的に連結される。また、アダプタ112の外周部には、歯数が奇数となる複数の外歯122が一定間隔毎に形成されている。
【0059】
さらに、アダプタ112の半径方向外側では、ベースプレート92のベース部94に一対のボス124が形成されている。各ボス124は、略円筒状に形成されており、ベース部94からその軸方向一方の側へ向けて立設されている。また、これらのボス124は円孔30を介して互いに対向する如く形成されており、各ボス124には伝達部材としてのパウル130が設けられている。
【0060】
各パウル130は本体132を備えている。本体132は内径寸法がボス124の外径寸法よりも極僅かに大きなリング状に形成されており、ボス124が本体132を貫通する如く本体132がボス124に嵌め込まれることで、パウル130がボス124周りに回転自在に軸支される。
【0061】
本体132の外周一部には連結片134が形成されている。各連結片134は、本体132がボス124に軸支された状態で、本体132に対してスプール20の巻取方向側へ延出されるように形成されている。さらに、各連結片134はボス124周りに巻取方向へ所定角度回動することで、先端134Aの角部が上述したアダプタ112の外歯122と外歯122との間でアダプタ112の外周部に当接するように形成されている。
【0062】
また、各連結片134の先端134Aは、上述したアダプタ112の歯の引出方向側の面に対応して傾斜した斜面とされており、先端134Aが外歯122に当接して干渉することで引出方向へのアダプタ112の回転を規制する構造となっている。
【0063】
ここで、上述したように、ボス124は円孔30を介して対向するように形成されているため、基本的に同一形状である両パウル130の各先端134Aの角部がアダプタ112の外周面に接した状態では、アダプタ112の軸心を介して一方のパウル130の先端134Aとは反対側に他方のパウル130の先端134Aが位置することになる。したがって、アダプタ112の外周部に形成された外歯122の総数が偶数で、アダプタ112の軸心を介して何れかの外歯122の反対側にも外歯122が形成されているのであれば、両パウル130の先端134Aが共に外歯122に当接する構造となる。
【0064】
しかしながら、本実施の形態では、上述したように、アダプタ112の外周部に形成された外歯122の総数は奇数となっている。このため、一方のパウル130の先端134Aが外歯122に当接している状態では、他方のパウル130の先端134Aはアダプタ112の周方向に沿って外歯122から離間している(すなわち、他方の連結片134の先端134Aは外歯122に接していない)。
【0065】
一方、各本体132の外周部からは解除片136が延出されている。解除片136は概ね本体132を介して連結片134とは反対側に形成されており、外側側面が引出方向に対してベースプレート92の半径方向外側へ向いた斜面とされている。解除片136を引出方向に回動させることで、連結片134をアダプタ112の外周部から離間する方向へ回動する。
【0066】
また、クラッチ90は回転盤140を備えている。回転盤140はベースプレート92及びアダプタ112の軸方向に沿って厚さ方向とされた略板状のベース部142を備えている。ベース部142には円孔144が形成されている。円孔144の内径寸法は、アダプタ112の軸方向他端側でアダプタ112の外周部に対して同軸的に形成された筒部114の外径寸法よりも極僅かに大きく、円孔144に筒部114が貫通する如く組み付けられることで、ベース部142、ひいては、回転盤140がアダプタ112周りに回転自在にアダプタ112に軸支される。
【0067】
また、ベース部142のベース部94側の面には、一対のブロック146が形成されている。これらのブロック146は、円孔144を介して互いに対向する如く形成されており、円孔144の外側で一対のブロック146の一方の間隙に上述したボス124の一方が位置しており、円孔144を介してこの間隙とは反対側での一対のブロック146の間隙に他方のボス124が位置している。
【0068】
一対のブロック146のうちの一方の外周部(円孔144の半径方向に沿った各ブロック146の外側面)には、スプリング収容部148が形成されており、圧縮コイルスプリング150が収容されている。
【0069】
圧縮コイルスプリング150は、円孔144の中心周りに湾曲した状態でスプリング収容部148に収容されており、その巻取方向側の端部はスプリング収容部148の壁部148Aに当接し、引出方向側の端部はベースプレート92の周壁96の内周部から延出されてスプリング収容部148内に入り込んだ当接壁152に当接している。
【0070】
回転盤140は、アダプタ112の筒部114に回転自在に軸支されているため、基本的には、アダプタ112のみならずベースプレート92に対しても相対回転自在である。しかしながら、上記のように、圧縮コイルスプリング150の巻取方向側端部がスプリング収容部148の壁部148Aに当接し、引出方向側端部がベースプレート92の当接壁152に当接していることから、回転盤140に対してベースプレート92が巻取方向へ相対回転しようとすると、当接壁152が圧縮コイルスプリング150を介して回転盤140を巻取方向に押圧して回転盤140をベースプレート92の回転に追従回転させる。このため、圧縮コイルスプリング150の付勢力に抗し得る大きさの回転力が回転盤140に作用しない限り、回転盤140に対するベースプレート92の巻取方向への相対回転は制限される。
【0071】
また、各ブロック146の内周部には押圧片154が設けられている。これらの押圧片154はパウル130の巻取方向側に配置されており、円孔144に対して同軸的に湾曲するようにブロック146に形成された周壁156に沿ってブロック146に対して(すなわち、回転盤140に対して)相対移動可能とされている。また、これらの押圧片154のパウル130とは反対側には圧縮コイルスプリング158が設けられている。
【0072】
圧縮コイルスプリング158は周壁156に沿って湾曲した状態で配置されている。圧縮コイルスプリング158の一端は押圧片154のパウル130とは反対側の端部に係合して連結されている。これに対して、圧縮コイルスプリング158の他端は押圧片154とは反対側で回転盤140に形成された当接壁160に当接した状態で、当接壁160から押圧片154側へ向けて突出形成された突起162が係合して連結されている。
【0073】
各押圧片154に対応して各パウル130の連結片134の幅方向外端には、斜面164が形成されている。斜面164は巻取方向に対してベースプレート92の半径方向外方へ傾斜しており、先端134Aがアダプタ112の外周部に接していない状態では、ベースプレート92及び回転盤140の周方向に沿って押圧片154と対向している。
【0074】
押圧片154は、ベースプレート92が回転盤140に対して巻取方向へ所定量相対回転することで斜面164に当接するように形成されており、この当接状態から更にベースプレート92が回転盤140に対して巻取方向へ相対回転しようとした際には、斜面164が押圧片154によって引出方向に押圧され、この押圧力によりパウル130がボス124周りに巻取方向に回動する。
【0075】
また、回転盤140の周方向に沿った各ブロック146の巻取方向側の端部には、押圧部166が形成されていると共に押圧部166よりも回転盤140の軸心側には解除片収容部168が形成されている。押圧部166は、回転盤140の周方向に沿ってパウル130の解除片136に対応して形成されている。解除片136は本体132との連結部分(基端部)から先端側へ向けて漸次ベースプレート92の軸心側へ湾曲しており、その幅方向外側面も同様に湾曲している。
【0076】
したがって、回転盤140に対してベースプレート92が引出方向に所定量相対回転すると、押圧部166が解除片136の幅方向外側面に当接し、この当接状態で更に回転盤140に対してベースプレート92が引出方向に相対回転すると、押圧部166が解除片136の先端部を巻取方向に押圧する。ここで解除片136の先端は、引出方向に対して回転盤140の半径方向外方へ傾斜した斜面とされている。このため、解除片136の先端を押圧部166が押圧することで、パウル130をボス124周りに引出方向に回動さて解除片収容部168に案内する。
【0077】
以上の構成のクラッチ90は、上述した外歯ギヤ102がギヤ70に噛み合っており、ギヤ64、66、70を含めて構成される本実施の形態での駆動力伝達手段により、モータ60の駆動力により回転する出力軸62の回転力が外歯ギヤ102(クラッチ90)に伝えられる構成となっている。
【0078】
一方、図1に示されるように、上述したモータ60は、制御手段を構成するドライバ76を介して車両に搭載されたバッテリー78に電気的に接続されており、ドライバ76を介してバッテリー78からの電流がモータ60に流れることで、モータ60が駆動して出力軸62を回転させる構成となっている。ドライバ76は、マイコン等で構成されて制御手段を構成するECU80に接続されており、更に、ECU80は前方監視手段としての前方監視装置82に接続されている。
【0079】
前方監視装置82は、車両前端部近傍に設けられた赤外線センサ84を備えている。赤外線センサ84は赤外線を車両前方に発すると共に、車両の前方で走行若しくは停止している他の車両や障害物(以下、走行若しくは停止している他の車両も含めて便宜上「障害物」と称する)で反射した赤外線センサ84を受ける。
【0080】
前方監視装置82は演算部86を備えている。演算部86は赤外線センサ84から赤外線が発せられてから、障害物で反射して赤外線センサ84に戻るまでに要する時間に基づき障害物までの距離を演算する。また、演算部86は、この演算結果に基づき障害物検出信号OsをECU80に対して出力する。この障害物検出信号Osは、障害物までの距離が所定値以上であればLowレベルとされ、障害物までの距離が所定値未満であればHighレベルとされる。
【0081】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0082】
本ウエビング巻取装置10では、スプール20にウエビングベルト28が層状に巻き取られた収納状態で、図示しないタングプレートを引っ張りつつウエビングベルト28を引っ張ると、スプール20を巻取方向に付勢する渦巻きばね34の付勢力に抗してスプール20を引出方向へ回転させながらウエビングベルト28が引き出される。
【0083】
このように、ウエビングベルト28が引き出された状態で、ウエビングベルト28を座席に着座した乗員の身体の前方に掛け回しつつタングプレートを図示しないバックル装置に差し込み、バックル装置にタングプレートを保持させることで乗員の身体に対するウエビングベルト28の装着状態(以下、単に「装着状態」と称する)となる。
【0084】
また、ウエビングベルト28を装着するためにウエビングベルト28を引き出してスプール20を引出方向へ回転させると、渦巻きばね34が巻き締められてスプール20を巻取方向側へ付勢する渦巻きばね34の付勢力が増加する。したがって、上記装着状態では、渦巻きばね34の付勢力がウエビングベルト28をスプール20に巻き取らせるように作用するため、基本的には、この付勢力で乗員の身体にウエビングベルト28がフィットし、このときの付勢力に応じた力でウエビングベルト28が乗員の身体を拘束、保持する。
【0085】
一方、バックル装置によるタングプレートの保持が解除され、バックル装置からタングプレートが抜け出ると、渦巻きばね34の付勢力に抗して引出状態のままウエビングベルト28を維持する力が解除されるため、渦巻きばね34は付勢力でスプール20を巻取方向に回転させる。この巻取方向へのスプール20の回転により引き出されたウエビングベルト28がスプール20の外周部に層状に巻き取られ、これにより、ウエビングベルト28が収納される。
【0086】
ここで、スプール20はクラッチ90のアダプタ112に嵌合しているため、ウエビングベルト28の引き出しや巻き取りのためにスプール20を回転させると、アダプタ112が回転する。しかしながら、上述したように、クラッチ90は、アダプタ112の回転を外歯ギヤ102に伝えないため、この状態で外歯ギヤ102が回転することはない。したがって、スプール20の回転が外歯ギヤ102及びギヤ70、66、64を介してモータ60の出力軸62に伝達されることはない。
【0087】
(前方障害物接近時におけるウエビング巻取装置10の動作)
一方、車両の走行状態では、前方監視装置82の赤外線センサ84での検出結果に基づき、演算部86が車両前方の障害物までの距離を演算している。例えば、車両前方に障害物が存在しない場合、若しくは、障害物が存在するものの障害物から車両までの距離が所定値以上であれば、演算部86からはLowレベルの信号Osが出力される。これに対して、車両から前方の障害物までの距離が所定値未満になると、演算部86からはHighレベルの信号Osが出力される。
【0088】
演算部86からのHighレベルの信号OsがECU80に入力されると、ECU80はドライバ76に対して所定の操作信号を出力する。この状態での操作信号が入力されたドライバ76は、モータ60に流してモータ60を駆動させ、出力軸62を急激に回転させる。
【0089】
出力軸62の急激な回転は、ギヤ64〜70を介して減速されつつクラッチ90の外歯ギヤ102に伝達され、外歯ギヤ102を所定値以上の回転速度で巻取方向に急激に回転させる。外歯ギヤ102は、トルクリミッタ104を介してベースプレート92に機械的に連結されているため、外歯ギヤ102が巻取方向に回転することでベースプレート92が巻取方向へ一体的で且つ急激に回転する。
【0090】
基本的には、ベースプレート92が巻取方向に回転すると、当接壁152が圧縮コイルスプリング150の巻取方向側の端部を押圧し、更に、圧縮コイルスプリング150が付勢力でスプリング収容部148の壁部148Aを押圧することで、回転盤140がベースプレート92に追従回転しようとする。
【0091】
しかしながら、上記のベースプレート92が巻取方向に急激に回転した場合には、慣性によって回転盤140がその位置に留まろうするため、回転盤140がベースプレート92の回転に追従できない。これにより、ベースプレート92と回転盤140との間で相対回転が生じ、回転盤140に対してベースプレート92が巻取方向へ回転する。
【0092】
このようにして、回転盤140に対してベースプレート92が巻取方向へ所定量以上相対回転すると、回転盤140のブロック146に設けられた押圧片154がパウル130の連結片134に当接する。この状態で更に回転盤140に対してベースプレート92が巻取方向へ相対回転しようとすると、押圧片154が連結片134の斜面164を引出方向に押圧する。
【0093】
斜面164に付与された押圧力は、引出方向と回転盤140及びベースプレート92の半径方向内方へ作用し、この半径方向内方への作用分がパウル130をボス124周りに巻取方向へ回動させる。図3に示されるように、パウル130はボス124周りに巻取方向へ回動することで、先端134Aの角部をアダプタ112の外周部に当接させ、この状態で巻取方向側で隣接する外歯122に当接するまでベースプレート92と共にベースプレート92の中心周りに巻取方向へ回転する。
【0094】
次いで、この状態で先端134Aが外歯122に当接し、更に、ベースプレート92が巻取方向に回転すると、パウル130の先端134Aが外歯122を巻取方向へ押圧してアダプタ112、ひいてはスプール20を巻取方向に回転させる。このスプール20の回転によりウエビングベルト28がスプール20に巻き取られる。これにより、ウエビングベルト28の緩み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビングベルト28による乗員身体に対する拘束力が向上し、仮に、その後に乗員が車両急制動(急ブレーキ)の操作を行ない、車両が急減速状態になったとしてもウエビングベルト28が確実に乗員の身体を保持する。
【0095】
また、このように、スラックが解消された状態でモータ60が停止すると、巻取方向へのベースプレート92の回転が停止する。ベースプレート92の回転が停止すると圧縮コイルスプリング150が付勢力で回転盤140を巻取方向に押圧し、回転盤140を巻取方向に回動させる。回転盤140が回動すると、押圧部166がパウル130の解除片136に当接して、解除片136を巻取方向に押圧する。
【0096】
この押圧力を解除片136が受けることで、パウル130はボス124周りに引出方向へ回動し、図2に示されるように、連結片134の先端134Aがアダプタ112の外周部から離間する。これにより、ベースプレート92とアダプタ112との機械的連結、すなわち、モータ60の出力軸62と圧縮コイルスプリング150との機械的な連結が解除される。
【0097】
ここで、本実施の形態では、上記のように、アダプタ112の外歯122の総数が奇数とされ、一方のパウル130の先端134Aが外歯122に当接している状態では、他方のパウル130の先端134Aはアダプタ112の周方向に沿って外歯122から離間し、アダプタ112の周方向に沿って巻取方向で隣接する外歯122と引出方向で隣接する外歯122との中間部に位置している。
【0098】
すなわち、本実施の形態では、両パウル130の先端134Aがアダプタ112の外周部に当接した状態では、一方のパウル130の先端134Aから他方のパウル130の先端134Aまでの間隔が外歯122のピッチの整数倍になっていない。このため、図4に示されるように、仮に、両パウル130がボス124周りに回動した際に、一方のパウル130の先端134Aが外歯122の歯先に当接しても、他方のパウル130の先端が外歯122の歯先に当接することなく、周方向に隣接する外歯122の間でアダプタ112の外周部に当接する。
【0099】
したがって、一方のパウル130の先端134Aが外歯122の歯先に当接して噛み合うことができなくても、外歯122の略半ピッチ分だけベースプレート92が回動すれば、他方のパウル130の先端134Aが確実に外歯122に噛み合う。このため、確実且つ早急にベースプレート92の回転をアダプタ112に伝えることができ、モータ60の回転力をスプール20に伝えることができる。
【0100】
また、一方のパウル130の先端134Aが外歯122の歯先に当接した状態では、この状態のまま連結片134が押圧片154に当接する。ここで、仮に、押圧片154が回転盤140と一体である場合には、それ以上の回転盤140に対するベースプレート92の巻取方向への相対回転が規制されてしまう。この状態では、他方のパウル130の先端への押圧片154の干渉が不充分で、押圧片154が他方のパウル130を充分に巻取方向へ回動させることができず、その結果、他方のパウル130の先端を外歯122に当接させることができない可能性がある。
【0101】
ここで、本実施の形態では、上記のように、一方のパウル130の先端134Aが外歯122の歯先に当接したまま連結片134が押圧片154に当接し、この状態で、更にベースプレート92が回転盤140に対して巻取方向へ相対回転しようとすると、図4に示されるように、圧縮コイルスプリング158の付勢力に抗してパウル130の先端134Aが押圧片154を押圧して巻取方向へ変位させる。これにより、回転盤140に対してベースプレート92が巻取方向に相対回転する。
【0102】
このため、他方のパウル130に対応した押圧片154が他方のパウル130の先端134Aに干渉してパウル130を巻取方向に回動させる。これにより、一方のパウル130の先端134Aが外歯122の歯先に当接したまま連結片134が押圧片154に当接しても、他方のパウル130をアダプタ112の外歯122に噛み合わせることができ、確実にベースプレート92の回転をアダプタ112に伝えることができる。
【0103】
一方、上記のように、モータ60の回転力でスプール20を巻取方向に回転させることで、ウエビングベルト28のよる乗員身体に対する拘束力が向上するが、スラックが解消されるまでスプール20にウエビングベルト28が巻き取られた状態では、乗員の身体が障害となり基本的にはそれ以上スプール20にウエビングベルト28を巻き取ることはできなくなる。この状態でスプール20が更に巻取方向に回転してウエビングベルト28を巻き取ろうとすると、必要以上の力でウエビングベルト28が乗員の身体を締め付けることになり好ましくない。
【0104】
ここで、上記のように、必要以上にスプール20がウエビングベルト28を巻き取ろうとした場合には、乗員の身体がウエビングベルト28の巻き取りの障害となり、スプール20がウエビングベルト28を巻き取るための巻取力に応じた大きさの引張力が、乗員の身体からウエビングベルト28に付与される。この引張力はスプール20がウエビングベルト28を巻き取る方向とは反対に作用するため、引張力がウエビングベルト28に付与されることでスプール20は停止する。
【0105】
この状態では、外歯ギヤ102、ベースプレート92、パウル130、及びアダプタ112を介してモータ60の回転力がスプール20に付与されているため、スプール20が停止した状態では、アダプタ112の外歯122はベースプレート92の中心周りのパウル130の回転を規制し、パウル130がベースプレート92の巻取方向への回転を規制する。さらに、ベースプレート92はトルクリミッタ104を介して外歯ギヤ102の巻取方向への回転を規制する。
【0106】
ここで、このようなトルクリミッタ104を介したベースプレート92による外歯ギヤ102の回転制限状態で、外歯ギヤ102が更に巻取方向に回転しようとし、このときの回転力がトルクリミッタ104のばね力を上回ると、トルクリミッタ104の係合部106が係合凹部100から抜け出る。これにより、一時的にベースプレート92と外歯ギヤ102との連結が解除され、隣接する他の係合凹部100に係合部106が入り込むまで外歯ギヤ102だけが巻取方向に回転する。
【0107】
このように、ベースプレート92と外歯ギヤ102との連結が解除されることで、ベースプレート92への外歯ギヤ102の回転力の伝達、すなわち、スプール20へのモータ60の回転力の伝達が遮断されるため、ウエビングベルト28による拘束力の上昇を抑制できる。
【0108】
以上のように、本ウエビング巻取装置10に用いられたクラッチ90は、回転力を伝達する機能を有しているのみならず、過剰な回転力が作用した場合には、トルクリミッタ104により回転力の伝達を遮断できる。以上のような効果を得られるにも拘わらず、トルクリミッタ104の幅寸法(外歯ギヤ102の軸方向に沿った寸法)が、外歯ギヤ102の軸方向寸法未満で、回転盤140やトルクリミッタ104は全て外歯ギヤ102の半径方向に沿った外歯ギヤ102とベースプレート92の周壁96との間に配置される。
【0109】
しかも、パウル130や回転盤140等の部材も周壁96の半径方向に沿った周壁96とアダプタ112との間に配置され、これらの部材は、外歯ギヤ102の内側に収容される。このため、クラッチ90の厚さ寸法(軸方向寸法)は、実質的に外歯ギヤ102の軸方向寸法となり、極めて薄くなる。
【0110】
このように、トルクリミッタ104を備えたクラッチ90を薄くできることで、本ウエビング巻取装置10を小型化できる。
【0111】
また、本ウエビング巻取装置10では、フレーム12の脚板16と脚板18との間でクラッチ90がスプール20に対して同軸的に設けられている。このため、スプール20にアダプタ112(すなわち、クラッチ90)を直接連結できる。これにより、モータ60の駆動力が間接的に伝えられることで生ずるアダプタ112の回転力を、極めて円滑にスプール20に伝えることができ、円滑にスプール20を巻取方向へ回転させることができる。
【0112】
さらに、上記のように、フレーム12の脚板16と脚板18との間にクラッチ90を配置していることで、図1に示されるように、モータ60及び駆動力伝達手段を構成するギヤ64〜70をフレーム12の脚板16と脚板18との間に配置できる。この結果、フレーム12の外側にモータ60及びギヤ64〜70を配置する構造に比べて、ウエビング巻取装置10をコンパクトにできる。
【0113】
しかも、フレーム12の外側にモータ60及びギヤ64〜70を配置する構造に比べて、上記のようにモータ60及びギヤ64〜70を脚板16、18の対向方向の中央側に位置させることが可能となる。このため、ウエビング巻取装置10の全体的な重量バランスを脚板16、18の対向方向の中央側に寄せることができ、重量的にウエビング巻取装置10を安定させることができる。
【0114】
また、クラッチ90を脚板16、18間に配置することで、モータ60を脚板16、18間に配置できるため、モータ60とクラッチ90とを比較的近い位置に設置できる。これにより、ギヤ64〜70のような減速機構の構成を簡素化でき、この意味でも、ウエビング巻取装置10をコンパクトにでき、更には、コストを安価にできる。
【0115】
さらに、モータ60のような比較的重量のある部品を脚板16と脚板18との間に配置することで、必要によっては、脚板16のみならず、背板14や脚板18でもモータ60を支持させることができる。これにより、モータ60を支持するために格別な強度の向上が不要になり、この結果、ウエビング巻取装置10の軽量化とコストダウンを図ることが可能となる。
【0116】
また、同様に、ギヤ64〜70を脚板16、18間に配置できることで、必要に応じて上記の支持板68を脚板16のみならず背板14に支持させることも可能となる。これによっても、格別な強度の向上が不要になり、この結果、ウエビング巻取装置10の軽量化とコストダウンを図ることが可能となる。
【0117】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、本実施の形態は、モータ60からクラッチ90の外歯ギヤ102までの間の駆動力伝達手段の変形例であり、他の部位に関しては前記第1の実施の形態と同一である。このため、この駆動力伝達手段以外の部位に関しても説明を省略する。
【0118】
図6には本実施の形態に係るウエビング巻取装置200の要部の構成が平断面図により示されており、図7にはウエビング巻取装置200の要部の構成が側断面図により示されている。
【0119】
これらの図に示されるように、本ウエビング巻取装置200は、ギヤハウジング202を備えている。ギヤハウジング202はねじ等の締結手段によりフレーム12の背板14とは反対側でフレーム12に一体的に固定されており、モータ60の出力軸62の先端側がギヤハウジング202により回転自在に軸支されている。
【0120】
ギヤハウジング202の内部には、各々が外歯の平歯車とされた駆動力伝達手段を構成する一対のギヤ204、206が互いに噛み合った状態で収容されている。出力軸側回転部材又は出力軸側ギヤとしてのギヤ204は出力軸62に同軸的且つ着脱可能に一体的に連結されている。一方、ギヤ204よりもピッチ円が大きく及び歯数も多いクラッチ側回転部材又はクラッチ側ギヤとしてのギヤ206は、軸方向が出力軸62と平行なシャフト208に同軸的且つ着脱可能に一体的に連結されている。
【0121】
シャフト208はギヤハウジング202から突出しており、その先端側は脚板16に一体的に形成された軸受210を貫通している。さらに、軸受210を介してギヤハウジング202とは反対側にはウオームギヤ212がシャフト208に対して同軸的に配置されている。ウオームギヤ212はその軸心部に透孔214が形成されており、シャフト208が貫通した状態でその軸周り方向に対してはウオームギヤ212に一体的に連結されている。
【0122】
このウオームギヤ212には、上述したクラッチ90の外歯ギヤ102が噛み合っている。なお、言うまでもないが、本実施の形態では、ウオームギヤ212に噛み合う外歯ギヤ102の歯は、通常の平歯車ではなく、ウオームホイールである。
【0123】
また、ウオームギヤ212を介して軸受210とは反対側には、1乃至複数枚のEリング216が固定されており、シャフト208の軸方向に沿ったウオームギヤ212の変位を規制している。
【0124】
Eリング216を介してウオームギヤ212とは反対側には軸受218が設けられている。軸受218は略筒状とされており、ウオームギヤ212とは反対側の端部は背板14に一体的に連結されている。軸受218の内部には鋼球220が収容されている。鋼球220の外径寸法は軸受218の内径寸法よりも極僅かに小さく、先端がテーパ状とされたシャフト208の先端部に接触している。
【0125】
鋼球220を介してシャフト208とは反対側では軸受218の内周部が雌ねじとされており、背板14側の開口端からアジャストスクリュー222が螺入している。アジャストスクリュー222は、その先端部で鋼球220を押圧することで鋼球220をシャフト208の先端に圧接させている。これにより、シャフト208の軸方向の変位が規制されている。
【0126】
以上の構成の本実施の形態では、モータ60の駆動力は、出力軸62を介してギヤ204に伝えられ、ギヤ204を回転させる。ギヤ204の回転は、ギヤ204に噛み合うギヤ206に伝えられ、ギヤ206で減速されてシャフト208に伝えられる。シャフト208が回転することでウオームギヤ212が回転し、このウオームギヤ212の回転がウオームホイールであるクラッチ90の外歯ギヤ102に伝えられる。
【0127】
以上のように本実施の形態では、モータ60の駆動力をクラッチ90の外歯ギヤ102に伝えるが、ここで、ウオームギヤとウオームホイールとの組み合わせは、一般的に平歯車に比べて減速比が極めて大きい。このため、数多くのギヤを用いなくても、モータ60の駆動力を大きく減速してクラッチ90の外歯ギヤ102に伝えることができる。
【0128】
また、本実施の形態では、上述したように出力軸62に対してギヤ204が着脱可能であり、また、シャフト208に対してギヤ206が着脱可能である。このため、各ギヤ204、206が噛み合い可能な程度に適宜にピッチ円の半径及び歯数を異ならせることで、全体的な減速比を適宜に変更できる。
【0129】
なお、本実施の形態では、出力軸62の回転をシャフト208へ伝えるための構成、すなわち、駆動力伝達手段をギヤ204、206とした構成であるが、ギヤ204、206の代わりに無端ベルトが掛け回された一対のプーリを用いてもよい。このように、ギヤ204、206からプーリによるベルト伝導に切り替えるにあたっても、単純にギヤ204、206からプーリに換装するだけでよいというメリットもある。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、モータ等の駆動手段でスプールを回転させることができるにも拘わらず、装置全体をコンパクトにでき、しかも、装置全体の重量バランスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の全体構成の概略を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置のクラッチの分解斜視図である。
【図3】クラッチの構造を示す側面図である。
【図4】伝達部材が第2回転体に係合した状態を示す図3に対応した側面図である。
【図5】一方の伝達部材が第2回転体の外歯の歯先に乗り上げた状態を示す図3に対応した側面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の概略を示す平断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の概略を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
20 スプール
28 ウエビングベルト
60 モータ(駆動手段)
62 出力軸
90 クラッチ
102 外歯ギヤ(第1回転体)
112 アダプタ(第2回転体)
130 パウル(伝達部材)
200 ウエビング巻取装置
204 ギヤ(駆動力伝達手段、出力軸側回転部材、出力軸側ギヤ)
206 ギヤ(駆動力伝達手段、クラッチ側回転部材、クラッチ側ギヤ)

Claims (3)

  1. 互いに対向配置された一対の脚板が背板により連結されて一体となったフレームと、
    前記一対の脚板の対向方向に軸方向が沿った状態で前記一対の脚板の間に配置されて、自らの軸周りに回転可能に前記フレームに直接或いは間接的に支持されると共に、装着状態で車両の座席に着座した乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端部が係止されて、前記軸周りの一方である巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを巻き取り、前記ウエビングベルトがその先端側へ引っ張られることで前記巻取方向とは反対の引出方向へ回転しつつ巻き取った前記ウエビングベルトを引き出すスプールと、
    前記一対の脚板の間に配置され、駆動力で出力軸を回転させる駆動手段と、
    前記一対の脚板の間に配置されると共に、機械的に前記出力軸と前記スプールとの間に介在し、少なくとも前記出力軸の軸周り一方の回転を前記スプールに伝達して前記スプールを巻取方向に回転させると共に、前記スプール側で生じた回転の伝達を遮断して当該回転が前記出力軸に伝達されることを防止するクラッチと、
    を備え、更に、
    前記駆動手段の前記出力軸の回転が伝達されて回転する第1回転体と、
    外周部に外歯が形成されて前記第1回転体の内側で前記スプールに対して同軸的且つ一体的に設けられ、前記第1回転体の回転が伝達されることで回転して前記スプールを回転させる第2回転体と、
    前記第1回転体の回転半径方向に沿った前記第1回転体と前記第2回転体との間で、前記第2回転体の前記外歯に対して接離移動可能な状態で前記第1回転体と共に一体的に回転可能に設けられ、少なくとも前記出力軸の軸周り一方の回転に連動した前記第1回転体の回転により前記第2回転体の外周部に接近して前記外歯に噛み合い、前記第1回転体の回転を前記第2回転体に伝達する伝達部材と、
    を含めて前記クラッチが構成されたウエビング巻取装置。
  2. 前記出力軸又は前記出力軸に連動して回転する出力軸側軸部材に対して着脱可能で且つ装着状態で一体的に設けられた出力軸側回転部材と、
    前記出力軸側回転部材に直接又は間接的に係合可能な所定の装着位置に着脱可能に設けられ、前記出力軸側回転部材の回転に連動して前記出力軸側回転部材の回転周速度に応じた回転速度で回転し、当該回転を前記クラッチに伝えるクラッチ側回転部材と、
    を含めて前記駆動手段の駆動力を前記クラッチに伝える駆動力伝達手段を構成した、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記出力軸に同軸的且つ着脱可能に連結され、前記出力軸への装着状態で前記出力軸の回転により回転する出力軸側ギヤを前記出力軸側回転部材とし、
    前記所定の装着部位に対して着脱可能に設けられ、前記装着部位への装着状態で前記出力軸側ギヤに噛み合い、前記出力軸側ギヤの回転を受けて回転して当該回転を前記クラッチに伝えるクラッチ側ギヤを前記クラッチ側回転部材とした
    とを特徴とする請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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