JP5430431B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用シートリクライニング装置に関する。
特許文献1に従来の車両用シートリクライニング装置が開示されている。この車両用シートリクライニング装置は、車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、バックレストの傾動姿勢を段階的に固定するものであり、レールと、スライダと、ラッチ機構とを備える。
レールは、中心軸線に沿って直線状に延び、バックレストの傾動時に描かれるロック装置の円弧状の軌跡に合わせて車体側に固定されるものである。スライダは、レールに摺動可能に設けられ、ロック装置に係合するストライカを揺動軸周りで揺動可能に支持するものである。ラッチ機構は、スライダに設けられ、操作時にレールから後退し、非操作時にレールに対して進行する係合部と、レールに設けられ、進行した係合部と係合してレールに対するスライダの中心軸線に沿う摺動を規制する被係合部とを有して構成され、スライダの中心軸線に沿う摺動を規制又は許容するものである。
上記構成である従来の車両用シートリクライニング装置は、直線状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用しているので、円弧状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用する場合と比較して、製造コストを低廉化できる。
但し、直線状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用する場合、バックレストを傾動させると、ロック装置は円弧状の軌跡を描く一方、スライダは直線状の軌跡を描くので、双方の軌跡のずれが生じ得る。この点、この車両用シートリクライニング装置では、スライダに支持されたストライカが揺動軸周りで揺動することにより、双方の軌跡のずれを吸収して、バックレストの傾動時にスライダがレールに沿って摺動し難くなる不具合を抑制している。
特開2008−94227号公報
しかし、上記従来の車両用シートリクライニング装置では、製造コストの低廉化を実現しつつ、バックレストのスムーズな傾動動作を実現することが難しい。
すなわち、上記従来の車両用シートリクライニング装置は、ストライカがスライダに揺動軸周りで揺動可能に支持される構成を採用している。このため、ストライカがスライダに直接固定される一般的な構成と比較して、製造コストの低廉化が難しい。また、ストライカとスライダとの間で揺動可能な支持と強固な結合とを両立することが難しいので、スライダがレールに沿って摺動する際、ストライカ及びスライダにおける揺動軸の近傍でガタツキや異音が生じ易く、バックレストのスムーズな傾動動作を実現することが難しい。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低廉化を実現しつつ、バックレストのスムーズな傾動動作を実現できる車両用シートリクライニング装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の車両用シートリクライニング装置は、車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、前記バックレストの傾動姿勢を段階的に固定する車両用シートリクライニング装置において、
中心軸線に沿って直線状に延び、前記バックレストの傾動時に描かれる前記ロック装置の円弧状の軌跡に合わせて前記車体側に固定されるレールと、
前記レールに摺動可能に設けられ、前記ロック装置に係合するストライカが固定されたスライダと、
前記スライダの前記中心軸線に沿う摺動を規制又は許容するラッチ機構とを備え、
前記ラッチ機構は、前記スライダに設けられ、操作時に前記レールから後退し、非操作時に前記レールに対して進行する係合部と、前記レールに設けられ、進行した前記係合部と係合して前記レールに対する前記スライダの前記中心軸線に沿う摺動を規制する被係合部とを有し、
前記レールと前記スライダとの間には、前記被係合部と係合している前記係合部の軸芯である回動軸芯に直交し、かつ前記中心軸線に直交する方向である幅方向の間隙が確保され、
前記スライダには、前記回動軸芯から径外方向に突出して前記間隙を狭めて、前記スライダが前記レールに対して前記回動軸芯周りで回動することを許容する回動部が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
本発明の車両用シートリクライニング装置は、直線状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用しているので、円弧状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用する場合と比較して、製造コストを低廉化できる。
但し、直線状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用する場合、バックレストを傾動させると、ロック装置は円弧状の軌跡を描く一方、スライダは直線状の軌跡を描くので、双方の軌跡のずれが生じ得る。
この点、この車両用シートリクライニング装置では、レールとスライダとの間に、被係合部と係合している係合部の軸芯である回動軸芯に直交し、かつ中心軸線に直交する方向である幅方向の間隙が確保されている。そして、スライダに回動部が設けられている。この回動部は、回動軸芯から径外方向に突出して幅方向の間隙を狭めて、スライダがレールに対して回動軸芯周りで回動することを許容する。このため、スライダに固定されたストライカも回動軸芯周りで回動できるので、ロック装置及びストライカの軌跡のずれを吸収できる。また、回動部は、レールとスライダとの幅方向の間隙を狭めているので、スライダがレールに対して幅方向に位置ずれすることが規制され、スライダがレールに沿って摺動する際のガタツキや異音を抑制できる。さらに、ストライカはスライダに固定されているので、ストライカがスライダに揺動軸周りで揺動可能に支持された上記従来技術と比較して、ストライカをスライダに強固に結合させ易い。このため、スライダがレールに沿って摺動する際、ストライカ及びスライダの周辺にガタツキや異音が生じ難い。その結果、この車両用シートリクライニング装置は、バックレストのスムーズな傾動動作を実現できる。
したがって、本発明の車両用シートリクライニング装置は、製造コストの低廉化を実現しつつ、バックレストのスムーズな傾動動作を実現できる。
回動部を構成する面は、回動軸芯を軸芯とする円筒面の一部であることが好ましい。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、スライダには、回動部に隣接して形成され、間隙を介して弾性変形しつつレールに摺接する付勢部が設けられていることが好ましい(請求項2)。
この場合、この車両用シートリクライニング装置は、付勢部により、スライダがレールに対して回動軸芯周りで急激に回動してしまうことを抑制できるので、スライダがレールに沿って摺動する際のガタツキや異音を一層抑制できる。また、付勢部は、回動したスライダを元の位置に戻すように作用する。このため、ストライカが中心軸線から離れても確実に元に戻るので、ロック装置に対するストライカの係合が繰り返されても、双方の係合を安定して行える。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、スライダは、ストライカが固定される金属からなるスライダ本体と、スライダ本体にインサート成形又は嵌合固定され、レールに摺接するとともに、回動部が形成された樹脂からなる摺動層とからなることが好ましい(請求項3)。
この場合、この車両用シートリクライニング装置は、ストライカが固定されるスライダ本体は金属製とし、レールに摺接する摺動層は樹脂製とすることにより、製造コストの低廉化、耐摩耗性の向上、及び金属同士の当たりによる高いガタ音の防止を実現できる。
特に、摺動層がスライダ本体にインサート成形される構成であれば、スライダ本体に対してストライカの取り付け角度がばらつく場合や、スライダ本体31の板厚がばらつく場合であっても、ストライカが固定されたスライダ本体をインサート成形金型にセットする際、ストライカをキャビティに対して正確に位置決めすることにより、インサート成形される摺動層にそれらのばらつきを吸収させることができる。このため、製造コストの低廉化を図りつつ製造品質を維持できる。
付勢部は、スライダ本体に設けられてもよいし、摺動層に設けられてもよい。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、付勢部は摺動層に形成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合、この車両用シートリクライニング装置は、付勢部を摺動層とともに容易に形成できるので、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、ストライカは、スライダがレールに対して回動軸芯周りで回動していない状態において、中心軸線上に位置していることが好ましい(請求項5)。
この場合、この車両用シートリクライニング装置は、ロック装置とストライカとの係合位置と、係合部と被係合部との係合位置とを中心軸線上に位置させ易くなるので、スライダをレールに対して回動軸芯周りで回動させようとするモーメントを小さくできる。その結果、スライダの回動部に作用する負荷を小さくでき、耐久性が向上する。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、レール、スライダ及びストライカは、中心軸線を基準として線対称となる形状とされていることが好ましい(請求項6)。
この場合、この車両用シートリクライニング装置は、車体の左側に取り付けられるものと右側に取り付けられるものとの間で部品を共通化できるので、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、レールは、中心軸線と平行に延びる第1案内面と、第1案内面の幅方向両端縁からそれぞれ直角に立ち上がり、中心軸線と平行に延びる一対の第2案内面と、各第2案内面の第1案内面から離れた端縁からそれぞれ幅方向内側に向かって第1案内面と平行に延びる一対の第3案内面とを有することが好ましい。また、スライダは、第1案内面と対面する第1被案内面と、各第2案内面と対面する一対の第2被案内面と、各第3案内面と対面する一対の第3被案内面とを有し、回動部は各第2被案内面から各第2案内面に向かって突出していることが好ましい(請求項7)。
レールとスライダとの関係を上記具体的構成とすることにより、この車両用シートリクライニング装置は、本発明の作用効果を確実に奏することができる。また、レールを上記形状とすることにより、レールの高さを抑えつつ、レールの曲げ強度を向上させ易い。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、ストライカは、各第3案内面の間からレールの外側に突出していることが好ましい(請求項8)。
ストライカとレールとの関係を上記の簡素な構成とすることにより、この車両用シートリクライニング装置は、本発明の作用効果をより確実に奏することができる。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、ラッチ機構は、スライダに揺動軸回りで揺動可能に支持され、係合部としてのラッチ爪を先端に有するレバーと、レールに列設され、各々がラッチ爪と係合可能な被係合部としての複数個のラッチ穴とを有していることが好ましい(請求項9)。
ラッチ機構を上記の簡素な構成とすることにより、この車両用シートリクライニング装置は、本発明の作用効果を一層確実に奏することができる。
ラッチ穴及びラッチ爪の断面は種々であり得る。例えば、円形状であってもよいし、長円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。ラッチ爪が円形状でない場合、ラッチ爪の軸芯は断面の重心を通る直線である。
本発明の車両用シートリクライニング装置において、揺動軸は中心軸線と略平行であり、各ラッチ穴は、中心軸線と交差し、中心軸線から離れる方向に延びる第1辺と、中心軸線と交差し、第1辺と対向する第2辺とを有し、ラッチ爪と係合する際に第1辺と第2辺とが中心軸線上でラッチ爪を挟むものであり得る。この場合において、第1辺と第2辺との間隔は、ラッチ爪がレールから後退する際の軌跡に沿って、中心軸線から離れる程広くなるように設定されていることが好ましい(請求項10)。
上記構成によれば、レバーが中心軸線と略平行な揺動軸回りで揺動してラッチ爪がラッチ穴に係合又は離反する際、ラッチ爪は第1辺と第2辺とに挟まれながら、中心軸線に接近又は離反する。この際、第1辺と第2辺との間隔は、ラッチ爪がレールから後退する際の軌跡に沿って、中心軸線から離れる程広くなっている。このため、ラッチ爪が中心軸線上にある場合、第1辺及び第2辺と、ラッチ爪との隙間を小さくして、ラッチ爪とラッチ穴とのガタツキを防止できる。その結果、レールに対してスライダを確実に固定できる。その一方、ラッチ爪が中心軸線から離れる位置にある場合、第1辺及び第2辺と、ラッチ爪との隙間を広くして、ラッチ穴に対してラッチ爪をスムーズに進退させることができる。その結果、リクライニング操作の操作感を軽くできる。
実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、バックレストと、ロック装置と、シートリクライニング装置との相対位置関係を示す概略側面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の分解斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、レールに対するスライダの回動軸芯周りの回動を説明する側面図(部分断面図)である(スライダが回動していない状態)。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、図5のVI−VI断面を示す断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、スライダの斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、レールに対するスライダの回動軸芯周りの回動を説明する側面図(部分断面図)である(スライダが回動した状態)。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、ストライカが固定されたスライダ本体に摺動層をインサート成形する工程を説明する断面図である。 従来のロック装置を説明する模式図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、ラッチ爪がレールから後退する際の軌跡を示す断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、ラッチ穴の形状及びラッチ爪とのラッチ穴との相対位置関係を説明する上面図である(図11のXII−XII断面を示す。)。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、紙面右側を車両の前側と規定し、紙面左側を車両の後側と規定し、紙面手前側を車両の右側と規定し、紙面奥側を車両の左側と規定して表示する。また、各図に表示する左右方向、前後方向及び上下方向は、全て図1に対応させている。
(実施例)
図1に示すように、実施例の車両用シートリクライニング装置1は、ロック装置90ととともに、車体9に設置された車両用シート8に適用されるものである。車両用シート8は、搭乗者が腰掛けるシート本体6と、搭乗者がもたれ掛かるバックレスト7とにより構成されている。バックレスト7は、シート本体6の後端部に設けられた支持軸6Aに傾動可能に支持されており、シート本体6の後端部から斜め後方に立ち上がっている。
バックレスト7の左側面(図1において、バックレスト7より紙面奥側)の上方には、ロック装置90が固定されている。ロック装置90は、進入口91及びその進入口91を塞ぐように変位可能なフォーク(図示省略)等を有する公知の構成を備えている。詳細は後述するが、進入口91に車両用シートリクライニング装置1のストライカ39が進入した状態でフォークが進入口91を塞ぐことにより、ロック装置90がストライカ39と係合して、バックレスト7の傾動姿勢を固定する。そして、ストライカ39が前後方向に段階的に変位することにより、その変位がロック装置90を介してバックレスト7に伝達され、バックレスト7の傾動姿勢が段階的に変化するようになっている。バックレスト7が傾動する際、ロック装置90は、支持軸6Aを中心とする円弧状の軌跡C1を描く。
図示は省略するが、車両用シート8の近傍には、ロック装置90とストライカ39との係合を解除する解除レバーが設けられている。例えば、大きな荷物を積載するためにバックレスト7を前方に倒す場合、搭乗者がその解除レバーを操作すると、ロック装置90がストライカ39と係合しなくなり、バックレスト7を支持軸6A周りで前方に倒すことができる。
車両用シートリクライニング装置1は、車体9側においてロック装置90の左側(図1において、ロック装置90より紙面奥側)に設けられており、レール10と、スライダ30と、ラッチ機構60とを備えている。
図2〜図5に詳しく示すように、レール10は、金属鋼板が略「C」字断面形状に折り曲げ加工されたものであり、中心軸線S1に沿って直線状に延びる形状とされている。図6(図5のVI−VI断面)に示すように、レール10の内壁面において、中心軸線S1と平行に延びる面が第1案内面11とされ、第1案内面11の幅方向(図6の紙面左右方向)両端縁からそれぞれ直角に立ち上がり、中心軸線S1と平行に延びる一対の面が第2案内面12A、12Bとされ、各第2案内面12A、12Bの第1案内面11から離れた端縁からそれぞれ幅方向内側に向かって第1案内面11と平行に延びる一対の面が第3案内面13A、13Bとされている。レール10をこのような断面形状とすることにより、レール10の高さを抑えつつ、レール10の曲げ強度を向上させ易くなっている。
図2及び図3に示すように、レール10の前端側及び後端側には、クランク形状に折り曲げられた取り付け部10A、10Bが形成されている。この取り付け部10A、10Bを止めネジ等を用いて車体9に締結することにより、レール10が車体9に固定される。この際、図1に示すように、レール10の中心軸線S1がロック装置90の円弧状の軌跡C1に合うように、すなわち、円弧状の軌跡C1の接線と略平行で、軌跡C1と重なるように、レール10が車体9に位置決めされる。
図3〜図5に示すように、レール10の第1案内面11には、中心軸線S1に沿って、5個のラッチ穴19A、19B、19C、19D、19Eが貫設されている。各ラッチ穴19A〜19Eは、第1案内面11の幅方向に長い略矩形状とされている。なお、図12を示して後述する通り、第1辺191及び第2辺192は中心軸線S1上で互いに接近するように屈曲している。
図4〜図7に示すように、スライダ30は、スライダ本体31と、一対の摺動層40A、40Bとからなる。
図4に示すように、スライダ本体31は、金属鋼板が打ち抜きプレス加工されたものであり、中心軸線S1方向に長い矩形状とされている。スライダ本体31の前方には、2つのポスト穴31A、31Bが貫設されている。一方、スライダ本体31の後方には、矩形状の開口32が貫設され、その開口32を前後で挟むように突出する一対のボス部33A、33Bが凸設されている。
図2に示すように、スライダ本体31には、ストライカ39が固定されている。図4に示すように、ストライカ39は、金属丸棒が略「U」字形状に折り曲げ加工されたものであり、その前側端部39A及び後側端部39Bを各ポスト穴31A、31Bに挿通させて溶接や熱加締めをすることにより、スライダ本体31に強固に結合されている。ストライカ39の前側端部39A近傍は、上述したロック装置90の進入口91に進入してロック装置90と係合する。
図4、図6及び図7に示すように、各摺動層40A、40Bは、スライダ本体31の上縁及び下縁を略「C」字状に包む樹脂部材である。各摺動層40A、40Bは、ストライカ39が固定された後のスライダ本体31をインサート成形金型内にセットして、熱可塑性樹脂をインサート成形することによりスライダ本体31に一体化される。各摺動層40A、40Bを構成する樹脂としては、耐摩耗性や摺動性に優れた樹脂材料(例えば、POM(ポリアセタール)樹脂又はPA(ナイロン)樹脂等)が採用される。
図6に示すように、スライダ30はレール10内に収容される。この際、各摺動層40A、40Bにおいて第1案内面11と対面する面が第1被案内面41A、41Bとされ、各第2案内面12A、12Bと対面する一対の面が第2被案内面42A、42Bとされ、各第3案内面13A、13Bと対面する一対の面が第3被案内面43A、43Bとされている。
第1被案内面41と第3被案内面43A、43Bとは、インサート成形金型のキャビティ形状に基づいて高い精度で形成される。このため、第1案内面11と各第1被案内面41A、41Bとがガタツキなく摺接するとともに、各第3案内面13A、13Bと各第3被案内面43A、43Bとがガタツキなく摺接するようになっている。一方、各第2案内面12A、12Bと各第2被案内面42A、42Bとの間には、幅方向(図6の紙面左右方向)の間隙W1、W2が確保されている。なお、各第2被案内面42A、42Bから幅方向外側に突出する回動部45A、45Bについては後述する。このような構成であるスライダ30は、レール10の中心軸線S1に沿って摺動可能となっている。そして、ストライカ39は、各第3案内面13A、13Bの間からレール10の外側に突出した状態で、中心軸線S1に沿ってスライダ30とともに移動可能となっている。
図2及び図4に示すように、スライダ本体31には、レバー支持部材61が固定されている。レバー支持部材61は開口32を覆う形状とされており、その両側壁から前後方向に突出する切片がボス部33A、33Bにより加締め固定されている。
図3及び図4に示すように、レバー支持部材61には、レバー69が揺動軸62周りで揺動可能に支持されている。揺動軸62は中心軸線S1と平行に配設されている。レバー69は、金属鋼板が打ち抜きプレス加工されたものであり、揺動軸62より下方に延びて左方に屈曲するラッチ爪69Aと、揺動軸62より上方に伸びて左方に屈曲する入力部69Bとを有する。
揺動軸62にはねじりコイルバネ62Aが外挿されており、ラッチ爪69Aがレール10の第1案内面11に対して進行するようにレバー69を付勢している。これにより、ラッチ爪69Aがレール10のラッチ穴19A〜19Eのいずれか1つと対向すれば、その内部に進行して、双方が互いに係合するようになっている。その結果、レール10に対するスライダ30の中心軸線S1に沿う摺動が規制される。なお、この車両用シートリクライニング装置1では、上記構成により、レール10の第1案内面11と、スライダ本体31との面間距離を短くできており、ラッチ爪69Aやレバー69に係る負荷を低減化を実現できている。
入力部69Bには、伝達ケーブル65の一端が連結されている。図示は省略するが、車両用シート8の近傍には、バックレスト7の傾動姿勢を調整する調整レバーが設けられており、その調整レバーに伝達ケーブル65の他端が連結されている。バックレスト7の傾動姿勢を調整する場合、搭乗者がその調整レバーを操作すると、その操作が伝達ケーブル65を介して入力部69Bに伝達されて、図3に示すように、入力部69Bが引き下げられる。そうすると、レバー69がねじりコイルバネ62Aの付勢力に抗しつつ支持軸62周りで揺動するので、ラッチ爪69Aがレール10の第1案内面11から後退して、ラッチ爪69Aがラッチ穴19A〜19Eと係合しなくなる。その結果、レール10に対するスライダ30の中心軸線S1に沿う摺動が許容される。
図5及び図8では、ラッチ爪69Aがラッチ穴19Aに係合しており、ストライカ39が最前方に位置している。図示は省略するが、ラッチ爪69Aがラッチ穴19Eと係合する場合、ストライカ39は最後方に位置することとなる。
ラッチ爪69A(本発明の「係合部」の一例)を有するレバー69と、5個のラッチ穴19A〜19E(本発明の「被係合部」の一例)とを有して本発明のラッチ機構60が構成されている。ここで、ラッチ穴19A〜19Eのいずれか1つと係合しているラッチ爪69Aの軸芯を回動軸芯R1として、図3、図5、図6及び図8に表示する。
図5〜図8に示すように、各摺動層40A、40Bには、回動軸芯R1から径外方向に突出する一対の回動部45A、45Bが一体成形されている。各回動部45A、45Bを構成する曲面は、回動軸芯R1を軸芯とし、回動軸芯R1と各第2案内面12A、12Bとの距離(即ち、第2案内面12A、12Bの相互間距離の1/2)を半径とする円筒面の一部である。このため、各回動部45A、45Bは、各第2案内面12A、12Bと各第2被案内面42A、42Bとの間の間隙W1、W2を狭めている。そして、スライダ30が中心軸線S1に沿う位置(図5に示す位置)から、回動軸芯R1周りで回動しようとする際、各回動部45A、45Bが各第2案内面12A、12Bと常に摺接するようになっている。その結果、スライダ30は、レール10に対して幅方向に位置ずれすることなく、回動軸芯R1周りで回動できる。
各摺動層40A、40Bの前端部には、各第2案内面12A、12Bに向けて一対のストッパ部48A、48Bが凸設されている。ストッパ部48Aが第2案内面12Aに当接するか、又はストッパ部48Bが第2案内面12Bに当接する(図8に示す状態)ことにより、スライダ30の回動軸芯R1周りでの回動範囲が制限される。
各摺動層40A、40Bにおいて、各回動部45A、45Bと各ストッパ部48A、48Bとの間には一対の付勢部46A、46Bが一体成形され、各摺動層40A、40Bの後端部には、一対の付勢部47A、47Bが一体成形されている。各付勢部46A、46B、47A、47Bは、各摺動層40A、40Bから幅方向外側に向けて斜めに突出し、幅方向の隙間W1、W2を介して各第2案内面12A、12Bに弾性変形しつつ摺接している。
ストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合していない状態では、図5に示すように、スライダ30が回動軸芯R1周りで回動しておらず、ストライカ39が中心軸線S1上に位置している。
一方、図8に示すように、円弧状の軌跡C1に対して中心直線S1が上方にずれた位置においてストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合する場合、スライダ30を回動軸芯R1周りで右周りに回動させようとするモーメントが作用する。そうすると、スライダ30が軌跡C1と中心直線S1とのずれを吸収するように回動軸芯R1周りで回動する。この際、付勢部46Bが第2案内面12Bに強く押し付けられてさらに弾性変形する。また、付勢部47Aも第2案内面12Aに強く押し付けられてさらに弾性変形する。その結果、付勢部46B、47Aの復元力がスライダ30に作用して、スライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰させようとする。このため、ストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合しなくなる場合や、スライダ30が後方に移動する場合に、スライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰し易い。
図示は省略するが、レール10に対してスライダ30が回動軸芯R1周りで上記とは逆方向に回動する場合、付勢部46A、47Bがスライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰させようとする。
<作用効果>
実施例の車両用シートリクライニング装置1は、直線状に延びるレール10及びそのレール10に沿って摺動するスライダ30を採用しているので、円弧状に延びるレール及びそのレールに沿って摺動するスライダを採用する場合と比較して、製造コストを低廉化できる。
但し、直線状に延びるレール10及びそのレール10に沿って摺動するスライダ30を採用する場合、バックレスト7を傾動させると、ロック装置90は円弧状の軌跡C1を描く一方、スライダ30は中心軸線S1に沿って直線状の軌跡を描くので、双方の軌跡のずれが生じ得る。
この点、この車両用シートリクライニング装置1では、レール10とスライダ30との間に、回動軸芯R1に直交し、かつ中心軸線S1に直交する方向である幅方向の間隙W1、W2が確保されている。そして、スライダ30に一対の回動部45A、45Bが設けられている。各回動部45A、45Bは、幅方向の間隙W1、W2を狭めて、スライダ30がレール10に対して回動軸芯R1周りで回動することを許容する。このため、スライダ30に固定されたストライカ39も回動軸芯R1周りで回動できるので、ロック装置90及びストライカ39の軌跡のずれを吸収できる。また、各回動部45A、45Bは、レール10とスライダ30との幅方向の間隙W1、W2を狭めているので、スライダ30がレール10に対して幅方向に位置ずれすることが規制され、スライダ30がレール10に沿って摺動する際のガタツキや異音を抑制できる。さらに、ストライカ39はスライダ30に固定されているので、ストライカがスライダに揺動軸周りで揺動可能に支持された上記従来技術と比較して、ストライカ39をスライダ30に強固に結合させ易い。このため、スライダ30がレール10に沿って摺動する際、ストライカ39やスライダ30の周辺にガタツキや異音が生じ難い。その結果、この車両用シートリクライニング装置1は、バックレスト7のスムーズな傾動動作を実現できる。
したがって、実施例の車両用シートリクライニング装置1は、製造コストの低廉化を実現しつつ、バックレスト7のスムーズな傾動動作を実現できる。それに伴い、実施例の車両用シートリクライニング装置1のストライカ39と係合するロック装置90(図1参照)は、図10に示す従来のロック装置990における進入口991の間口G1よりも、進入口91の間口を狭くできる。また、従来のロック装置990では、広い間口G1に対応して、フォーク992や、ゴムやエラストマーからなるダンパ993も長くされているので、フォーク992及びダンパ993と、ストライカ939との噛み合い位置が変動する。このため、ロック装置990とストライカ939との噛み合い強度が変動し、噛み合い強度の向上が難しい。また、リクライニング操作時に、ストライカ939がダンパ993に食い込んだままフォーク992とダンパ993との間を移動するので、バックレスト7のスムーズな傾動動作が阻害され易い。これに対して、実施例の車両用シートリクライニング装置1のストライカ39と係合するロック装置90は、フォークやダンパを短くできるので、フォーク及びダンパと、ストライカ39との噛み合い位置が殆ど変動しない。このため、ロック装置90とストライカ39との噛み合い強度が変動し難く、噛み合い強度を向上させ易い。また、リクライニング操作時に、ストライカ39がダンパに食い込んだままフォークとダンパとの間を移動することがないので、バックレスト7のスムーズな傾動動作が阻害され難い。
また、この車両用シートリクライニング装置1は、付勢部46A、46B、47A、47Bにより、スライダ30がレール10に対して回動軸芯R1周りで急激に回動してしまうことを抑制できるので、スライダ30がレール10に沿って摺動する際のガタツキや異音を一層抑制できる。また、付勢部46A、46B、47A、47Bは、回動したスライダ30を元の位置に戻すように作用する。このため、ストライカ39が中心軸線S1から離れても確実に元に戻るので、ロック装置90に対するストライカ39の係合が繰り返されても、双方の係合を安定して行える。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1は、ストライカ39を固定するために高い強度が要求されるスライダ本体31は金属製とし、レール10に摺接するために高い耐磨耗性や摺動性が要求される摺動層40A、40Bは樹脂製とすることにより、製造コストの低廉化、耐摩耗性の向上、及び金属同士の当たりによる高いガタ音の防止を実現できる。
また、この車両用シートリクライニング装置1は、図9に示すように、スライダ本体31に対してストライカ39の取り付け角度θがばらつく場合や、スライダ本体31の板厚Tがばらつく場合であっても、ストライカ39が固定されたスライダ本体31をインサート成形金型にセットする際、ストライカ39をキャビティに対して正確に位置決めすることにより、インサート成形される各摺動層40A、40Bにそれらのばらつきを吸収させることができる。このため、製造コストの低廉化を図りつつ製造品質を維持できる。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1は、付勢部46A、46B、47A、47Bを各摺動層40A、40Bを一体成形しているので、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
また、この車両用シートリクライニング装置1において、ストライカ39は、スライダ30がレール10に対して回動軸芯R1周りで回動していない状態において、中心軸線S1上に位置している。このため、ロック装置90とストライカ39との係合位置と、ラッチ爪69Aとラッチ穴19A〜19Eとの係合位置とを中心軸線S1上に位置させ易くなっているので、スライダ30をレール10に対して回動軸芯R1周りで回動させようとするモーメントを小さくできる。その結果、スライダ30の回動部45A、45Bに作用する負荷を小さくでき、耐久性が向上する。
また、この車両用シートリクライニング装置1において、図5等に示すように、レール10、スライダ30及びストライカ39は、中心軸線S1を基準として線対称となる形状とされている。このため、この車両用シートリクライニング装置1は、車体9の左側に取り付けられるものと右側に取り付けられるものとの間でレール10、スライダ30及びストライカ39を共通化できるので、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1において、揺動軸62は、図3及び図11に示すように、中心軸線S1と平行である。また、図12に示すように、各ラッチ穴19A〜19Eは、中心軸線S1と交差し、中心軸線S1から離れる方向に延びる第1辺191と、中心軸線S1と交差し、第1辺191と対向する第2辺192とを有する。第1辺191と第2辺192との中心軸線S1上の間隔P1は、ラッチ爪69Aの中心軸線S1方向の長さに対して僅かな隙間を有するように設定されている。このため、各ラッチ穴19A〜19Eがラッチ爪69Aと係合する際には、第1辺191と第2辺192とが中心軸線S1上でラッチ爪69Aを挟むようになっている。また、第1辺191と第2辺192との間隔は、ラッチ爪69がレール10から後退する際の軌跡K1に沿って、中心軸線S1から幅方向の両側に離れる程広くなるように設定されている(間隔P2>間隔P1。なお、図12では、間隔P2と間隔P1との差を強調して図示しているが、実際には、0.数mm〜2mm程度の差で充分である。)
上記構成によれば、図11及び図12に示すように、レバー69が中心軸線S1と平行な揺動軸62回りで揺動してラッチ爪69Aが各ラッチ穴19A〜19Eに係合又は離反する際、ラッチ爪69Aは第1辺191と第2辺192とに挟まれながら、中心軸線S1に接近又は離反する。ラッチ爪69Aが中心軸線S1上にある場合、第1辺191と第2辺192との中心軸線S1上の間隔P1が上記の通り設定されているので、ラッチ爪69Aと各ラッチ穴19A〜19Eとのガタツキを防止できる。その結果、レール10に対してスライダ30を確実に固定できる。その一方、ラッチ爪69Aが中心軸線S1から離れる位置にある場合、第1辺191及び第2辺192と、ラッチ爪69Aとの隙間を広くして、各ラッチ穴19A〜19Eに対してラッチ爪69Aをスムーズに進退させることができる。その結果、リクライニング操作の操作感を軽くできる。また、図12に示すように、各ラッチ穴19A〜19Eは、中心軸線S1を基準として線対称となる形状とされているので、車体9の左側に取り付けられるものと右側に取り付けられるものとの間でレール10を共通化できる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、摺動層40A、40Bをスライダ本体31にインサート成形する替わりに別体成形して、スライダ本体31に嵌合固定してもよい。この場合、インサート成形よりも金型コストを低減できる。
また、例えば、ストライカは、「I」字形状でも、「U」字形状でもよい。また、例えば、付勢部46A、46B、47A、47Bのうち、付勢部47A、47Bを省略したり、付勢部46B、47Bを省略したりしてもよい。
本発明は車両用シートに利用可能である。
9…車体
8…車両用シート
7…バックレスト
90…ロック装置
1…車両用シートリクライニング装置
S1…中心軸線
C1…ロック装置の円弧状の軌跡
10…レール
39…ストライカ
30…スライダ
60…ラッチ機構
69A…係合部(ラッチ爪)
19A、19B、19C、19D、19E…被係合部(ラッチ穴)
R1…回動軸芯
W1、W2…幅方向の間隙
45A、45B…回動部
46A、46B、47A、47B…付勢部
31…スライダ本体
40A、40B…摺動層
11…第1案内面
12A、12B…一対の第2案内面
13A、13B…一対の第3案内面
41A、41B…第1被案内面
42A、42B…一対の第2被案内面
43A、43B…一対の第3被案内面
69…レバー
62…揺動軸
191…第1辺
192…第2辺
P1、P2…第1辺と第2辺との間隔

Claims (10)

  1. 車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、前記バックレストの傾動姿勢を段階的に固定する車両用シートリクライニング装置において、
    中心軸線に沿って直線状に延び、前記バックレストの傾動時に描かれる前記ロック装置の円弧状の軌跡に合わせて前記車体側に固定されるレールと、
    前記レールに摺動可能に設けられ、前記ロック装置に係合するストライカが固定されたスライダと、
    前記スライダの前記中心軸線に沿う摺動を規制又は許容するラッチ機構とを備え、
    前記ラッチ機構は、前記スライダに設けられ、操作時に前記レールから後退し、非操作時に前記レールに対して進行する係合部と、前記レールに設けられ、進行した前記係合部と係合して前記レールに対する前記スライダの前記中心軸線に沿う摺動を規制する被係合部とを有し、
    前記レールと前記スライダとの間には、前記被係合部と係合している前記係合部の軸芯である回動軸芯に直交し、かつ前記中心軸線に直交する方向である幅方向の間隙が確保され、
    前記スライダには、前記回動軸芯から径外方向に突出して前記間隙を狭めて、前記スライダが前記レールに対して前記回動軸芯周りで回動することを許容する回動部が設けられていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  2. 前記スライダには、前記回動部に隣接して形成され、前記間隙を介して弾性変形しつつ前記レールに摺接する付勢部が設けられている請求項1記載の車両用シートリクライニング装置。
  3. 前記スライダは、前記ストライカが固定される金属からなるスライダ本体と、前記スライダ本体にインサート成形又は嵌合固定され、前記レールに摺接するとともに、前記回動部が形成された樹脂からなる摺動層とからなる請求項1又は2記載の車両用シートリクライニング装置。
  4. 前記付勢部は前記摺動層に形成されている請求項3記載の車両用シートリクライニング装置。
  5. 前記ストライカは、前記スライダが前記レールに対して前記回動軸芯周りで回動していない状態において、前記中心軸線上に位置している請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用シートリクライニング装置。
  6. 前記レール、前記スライダ及び前記ストライカは、前記中心軸線を基準として線対称となる形状とされている請求項5記載の車両用シートリクライニング装置。
  7. 前記レールは、前記中心軸線と平行に延びる第1案内面と、前記第1案内面の幅方向両端縁からそれぞれ直角に立ち上がり、前記中心軸線と平行に延びる一対の第2案内面と、各前記第2案内面の前記第1案内面から離れた端縁からそれぞれ幅方向内側に向かって前記第1案内面と平行に延びる一対の第3案内面とを有し、
    前記スライダは、前記第1案内面と対面する第1被案内面と、各前記第2案内面と対面する一対の第2被案内面と、各前記第3案内面と対面する一対の第3被案内面とを有し、
    前記回動部は各前記第2被案内面から各前記第2案内面に向かって突出している請求項1乃至5のいずれか1項記載の車両用シートリクライニング装置。
  8. 前記ストライカは、各前記第3案内面の間から前記レールの外側に突出している請求項7記載の車両用シートリクライニング装置。
  9. 前記ラッチ機構は、前記スライダに揺動軸回りで揺動可能に支持され、前記係合部としてのラッチ爪を先端に有するレバーと、前記レールに列設され、各々が前記ラッチ爪と係合可能な前記被係合部としての複数個のラッチ穴とを有している請求項1乃至8のいずれか1項記載の車両用シートリクライニング装置。
  10. 前記揺動軸は前記中心軸線と略平行であり、
    各前記ラッチ穴は、前記中心軸線と交差し、前記中心軸線から離れる方向に延びる第1辺と、前記中心軸線と交差し、前記第1辺と対向する第2辺とを有し、前記ラッチ爪と係合する際に前記第1辺と前記第2辺とが前記中心軸線上で前記ラッチ爪を挟むものであり、
    前記第1辺と前記第2辺との間隔は、前記ラッチ爪が前記レールから後退する際の軌跡に沿って、前記中心軸線から離れる程広くなるように設定されている請求項9記載の車両用シートリクライニング装置。
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