JP5424915B2 - 映像表示システム - Google Patents

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    • G02F1/133631Birefringent elements, e.g. for optical compensation with a spatial distribution of the retardation value

Description

本発明は、パターニング位相差フィルムおよび該パターニング位相差映像表示システムに関する。より詳しくは、立体映像を表示でき、かつ二次元映像も表示できる2D−3D併用映像表示システムに関する。
映し出された映像が浮き出るように立体視でき、迫力ある映像を楽しむことができる3D立体映像表示分野において、近年、3D映画が急速に一般に受け入れられたことに伴い、より身近な場面であるフラットパネルディスプレイにおける3D立体映像表示が大きな注目を浴び始めている。従来、立体表示には裸眼で立体視する種々の方式や専用眼鏡を用いる種々の方式が知られているが、3D映画を映画館で座って鑑賞する場合と同等な画質が要求される上に、日常生活において動きのある(観察位置が変わる)中で映像を見ることができる観点から、専用眼鏡を用いる方式が注目されている。
一方、フラットパネルディスプレイ用の3D映像のコンテンツはいまだ十分とは言えないのが現状である。そのため、2D表示と3D表示間の切り替えが容易に可能であり、かつ、2D映像および3D立体映像がともに高画質で表示できるような映像表示方式が求められている。これらの要望を満たす方式として、眼鏡シャッター方式(アクティブ眼鏡方式)と偏光眼鏡方式(パッシブ眼鏡方式)の2つの方式が特に注目されている。また、近年高画質化が進んだフラットパネルディスプレイ分野においては、これら2つの方式しか従来のフラットパネルディスプレイにおける高画質を維持し、高品位な3D立体映像を提供することができないと考えられているのが実情である。
眼鏡シャッター方式と偏光眼鏡方式では、あらかじめ互いに視差が設けられている左眼用の画像と右眼用の画像をディスプレイに表示し、各専用眼鏡を通じてディスプレイを見ることで左右の眼でそれぞれ左眼用の画像および右眼用の画像のみを見ることで立体感を得ることができる。
眼鏡シャッター方式は、ディスプレイ上に左眼用の画像と右眼用の画像を高速で切り替えて時分割表示し、ディスプレイから全画面分の左眼用の画像光と全画面分の右眼用の画像光を交互に出射し(いわゆるフレームシーケンシャル、フィールドシーケンシャル)、対応する画像光が一方の眼のみに入射できるように画像の切り替えに同期して一方のシャッターを閉じ、他方のシャッターを開ける動作を高速で繰り返す液晶シャッター眼鏡を通してディスプレイを観察することで立体感が得られる方式である。したがって、時分割表示を行っているため、左眼用画像や右眼用画像はいずれもディスプレイ全面に元画像全体が表示されることとなり、解像度の低下がほとんどない点で優れている。しかしながら、眼鏡シャッター方式ではフリッカーが生じるのが不可避であるため、その影響を抑えるために、眼鏡シャッター方式は高速で切り替え可能な液晶表示素子(2倍速、4倍速駆動液晶)やPDP(プラズマディスプレイ)のような高速応答表示が可能なディスプレイでのみ採用されているのが実情である。
一方、偏光眼鏡方式は、ディスプレイ上に左眼用画像と右眼用画像を表示し、ディスプレイから出射された左眼用画像光と右眼用画像光をそれぞれ異なる2種の偏光状態(例えば、右円偏光と左円偏光)とし、右円偏光透過偏光板と左円偏光透過偏光板から構成される偏光眼鏡を通して、ディスプレイを観察することで立体感を得るものである(特許文献1参照)。また、偏光眼鏡方式におけるディスプレイへの左眼用の画像と右眼用の画像の表示方法として、左眼用の画像と右眼用の画像について、それぞれ元画像の半分ずつをディスプレイの半分に表示する画面分割方式が採用されている。画面分割方式としては、ラインバイライン方式が広く採用されており、ディスプレイの走査線(以下、ラインとも言う)の奇数ラインと偶数ラインに、それぞれ左眼用の元画像の1ラインおきとなるように画素数を半分にした左眼用画像の半分と右眼用の元画像の1ラインおきとなるように画素数を半分にした右眼用画像の半分を表示する方式である。また、ディスプレイから出射された左眼用の画像光と右眼用の画像光をそれぞれ異なる2種の偏光状態にする方法としては、ライン幅に合わせて異なる位相差が繰り返し帯状にパターニング配置されているパターニング位相差フィルムをディスプレイ上に貼る方法が広く採用されている。また、このようなラインバイライン方式におけるラインの方向やパターニング位相差フィルムの帯状のパターニング方向は水平方向であっても鉛直方向や、千鳥パターンなどであってもよい。
近年、高速応答表示が可能な比較的応答速度の遅い安価な液晶表示装置でも高品質な3D映像を提供することが求められているところ、このような偏光眼鏡方式はフリッカーがほとんどないため、比較的応答速度の遅い液晶表示装置に用いたときでも眼が疲れにくい点が特に優れているものであった。そのため、偏光眼鏡方式、特にその中でもラインバイライン方式の改善と、それに併用されるパターニング位相差フィルムの改善が強く求められている。
しかしながら、偏光眼鏡方式では、ラインバイライン方式におけるラインの方向やパターニング位相差フィルムの帯状のパターニング方向(通常は水平方向)と同じ方向における視野角はある程度広いものの、それに直交する方向(通常は上下(鉛直)方向)は顕著に視野角が狭くなる問題が知られている。この問題は右眼用画像と左眼用画像とが混ざって一方の眼に入射してしまうクロストークと呼ばれる現象を引き起こし、3D画質を著しく低下させる。クロストークが生じる原因としては、主として通常用いられているパターニング位相差フィルムでは、通常、表示パネルの最表面位置に異なる2つの位相差領域が直接隣接する配置となっていたため(特許文献1および2参照)、観察角がある値以上になると急激に右眼用画像光の多くが左眼鏡を透過できるようになり、同様に急激に左眼用画像光の多くが右眼鏡を透過できるようになっていた点が挙げられる。これは、スイッチング画素とパターニング位相差フィルムが基板厚さと偏光板の厚さ分だけ幾何学的に離れて配置されているからである。具体的には液晶表示装置と偏光眼鏡方式を併用したときには、液晶表示装置のカラーフィルターの位置を基準に考えると、カラーフィルターの画素の大きさ(画素自体は一般に長さ200〜600μm、幅60〜200μm程度、画素間のブラックマトリックス(以後BM1と記す)は機種により種々あるが、例えば40インチTV用で幅30〜40μm程度)に対して相対的に相当厚いガラス基板(厚さ:0.3〜1.1mm)を挟んでフロント側偏光板(厚さ:0.2〜0.4mm)を配置し、その外側にパターニング位相差フィルムを配置せざるを得ないため、わずかに映像表示装置を覗きこむ角度を変えただけで隣の画素からの光が本来のパターニング位相差領域の隣の位相差領域にすぐに漏れてしまう点も挙げられる。この斜め光の回り込みによって隣の画素からの光漏れの影響を受けるため、この改良は難しいと考えられていた。例えば、ガラス厚さを0.7mmとして大まかな試算をすると、視角1度が画素位置として約10μm程度に相当することが分かる。
上記の視野角の問題を解決するため、特許文献3では、ブラックマトリクス(ブラックストライプ)をパターニング位相差板の支持基板に設ける方法(出射側の偏光板の観察者側表面に対応する位置)や、パターニング位相差のパターニング配置を工夫する方法などが提案されている。
米国特許第5,327,285号 特開2001−59949号公報 特開2004−170693号公報
しかしながら、特許文献3に記載のパターニング位相差フィルムにブラックマトリックス(ブラックストライプ)を設ける構成では、視野角が狭くなること、出射側偏光板の観察者側(外側)に配置されているため効率的な遮光とならないこと、およびブラックマトリクスの形成工程増加の観点からパターニング位相差フィルムとして必ずしも最適なものではなかった。
そのため、特許文献3に記載のパターニング位相差フィルムとは全く構造が異なるパターニング位相差フィルム及び関連構成が求められていた。
そこで、本発明者は上記問題の解決を目指すこととした。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、液晶表示装置とパターニング位相差フィルムを併用して偏光眼鏡方式で3D立体映像を表示するときに、該パターニング位相差フィルムのパターニング方向に直交する方向の視野角を改善することができるパターニング位相差フィルムおよび効果的な遮光ができる構成の映像表示装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、交互に繰り返してパターニングされている互いに位相差が異なる第一領域と第二領域の間に、2つの領域のほぼ平均の位相差を有し、かつ第一領域と第二領域を隔てるように形成されている領域を設けたパターニング位相差フィルムとすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明の第1の態様に至った。また、ブラックストライプ(以下、BSということもある)を新たに液晶ディスプレイパネルの出射側基板と出射側偏光板の間に設けることにより、視野角の顕著な改善が可能であることを見出し、本発明の第2の態様に至った。すなわち、以下の構成によって上記課題が達成されることを見出した。
なお、本明細書中、位相差を有する物体とは、位相差発生機能を有する物体のことで、対象とする光に対して、その物体を通過する光の位相が、通過により前後で変化する物体を表す。また、2つの物体の位相差が異なるとは、同じ偏光の光を、ある物体ともう一方の物体をそれぞれ通過させたときに、前記ある物体を通過した光の位相の変化と、前記もう一方の物体を通過した光の位相の変化が異なることを意味する。このように、ここでは、簡便に位相差発生機能を有する物体のことを、位相差を有する物体とも言う。このような位相差発生機能を有する物体には、特定方向の光軸を有する物体(例えば、全ての液晶分子が特定方向に配向している状態の物体)に加え、実効的に特定方向の光軸を有する物体と同等の作用である偏光変換機能(例えば、直線偏光面を回転させる機能)を有する物体(例えば、Twisted Nematic液晶層などのように、特定方向に液晶分子が配向せずにツイスト配向している状態の物体)も含まれる。すなわち、位相差を有する物体を、何らかの偏光変換機能を有する物体と定義することもできる。
すなわち、2つの物体の「位相差が異なる」とは、位相差発生機能が異なる又は偏光変換機能が異なることを意味する。それらの物体に遅相軸がないときは2つの物体を通過した光の偏光の変化が互いに異なるように偏光を変換することを意味する。位相差が異なる物体とは、上記のようにある物体が有する位相差と実効的に同等の作用を呈する偏光変換機能層(例えば、Twisted Nematic液晶層などのように直線偏光面を回転させる層)の特徴を代表して表すものである。
また、本明細書中、「ほぼ平均の位相差を有する」とは、偏光変換機能として第一領域と第二領域の偏光変換機能の中間の機能を呈するという意味であり、遅相軸及び位相差値の両者が決まることにより具体的に限定されるものである。
すなわち、前記第三領域が有する前記第一領域と前記第二領域の平均の位相差とは、各領域を通過する光の偏光変換機能を考慮した上で決まるものであり、位相差値自体により、これを達成する場合もあり、又、遅相軸の方位により、これを達成する場合もある。
本明細書中、具体的にレターデーションを測定できる場合には、「ほぼ」や「略」などの語句を位相差に対して用いたときには、その値を中心にして±20nmの範囲(好ましくは、±3nmの範囲)のことを指して「ほぼ」などと言う。なお、遅相軸を有しない場合には、その位相差変換機能として、遅相軸を有する場合の上記範囲に相当することを指して「ほぼ」と解釈する。なお、レターデーション(面内方向のレターデーション)は、KOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnm(本明細書中、特に断りが無い限りにおいて550nmとする。実施例においても同じ)の光を、フィルム状の測定対象物の法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。また、「ほぼ」や「略」などの語句が表す位相差の好ましい範囲は、測定波長によって適宜変動する範囲である。
また、各パターンの幅寸法の記述における「略同じ」等の表現は、ディスプレイのサイズ、設計、トータルで求める表示性能などにもよるが、基本は、現状の液晶ディスプレイパネルのサイズ・設計・製造ルールを基準にしており、±20μmと置き換えて解釈してよい。
さらに、「位相差フィルム」とは、広く位相差層(偏光変換機能層を含む位相差機能層)を有するものであり、別途ガラス基板などの支持体を有する形態をも含んでいる。すなわち、位相差フィルムには、単層の位相差層、位相差層どうしの積層体であって実効的な位相差がゼロではない積層体、位相差層と位相差を有しない層の積層体の全てが含まれる。また、位相差フィルムには、その一部の領域のみに位相差機能(偏光変換機能)を有し、その他の領域に位相差機能(偏光変換機能)を有しない位相差ゼロの領域を有する態様も含まれる。なお、フィルムという単語に膜厚上の意味は無く、例えば位相差フィルムには、位相差板も含まれる。
[1] 互いに位相差が異なる第一領域と第二領域が交互に繰り返してパターニングされており、第一領域と第二領域の間に、該2つの領域のほぼ平均の位相差を有する第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されているパターニング位相差フィルム。
[2] 前記第一領域の位相差と前記第二領域の位相差が、偏光変換機能としてλ/2位相差板に相当するだけ異なることを特徴とする[1]に記載のパターニング位相差フィルム。
[3] 第一領域、第二領域および第三領域がいずれも帯状であることを特徴とする[1]または[2]に記載のパターニング位相差フィルム。
[4] 前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅がほぼ等しく、前記第三領域パターニング方向の幅が、前記第一領域パターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅よりも細いことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のパターニング位相差フィルム。
[5] 前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅がいずれも200〜600μmであり、前記第三領域の幅が20〜100μmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のパターニング位相差フィルム。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載のパターニング位相差フィルムを含むことを特徴とする映像表示システム。
[7] カラーフィルター、ガラス基板および偏光板を含む液晶表示パネルを含み、該映像表示パネルの前面に前記パターニング位相差フィルムが配置されていることを特徴とする[6]に記載の映像表示システム。
[8] 前記カラーフィルター内の画素間にブラックマトリックスBM1が形成されており、該ブラックマトリックスBM1の幅と前記第三領域のパターニング方向の幅とが同程度であることを特徴とする[6]または[7]に記載の映像表示システム。
[9] カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、前記液晶表示パネルの前面に3D表示用のパターニング位相差フィルムが配置されており、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBS(以下、前記カラーフィルター基板と観察者側の偏光板との間の位置に形成されているが形成されているブラックマトリックスまたはブラックストライプのことを総称してブラックストライプBSと呼ぶが、本発明では該ブラックストライプBSが3D表示用のパターニング位相差フィルムの構造に応じてマトリックス状になっていてもよい。また、一般的な3D表示用のパターニング位相差フィルムでは、位相差領域が帯状となっているため、対応する前記ブラックマトリックスまたはブラックストライプBSも通常は帯状のブラックストライプとなる。そのため、前記ブラックマトリックスまたはブラックストライプBSを、以下ブラックストライプBSと略すこともあるが、本発明は前記BSが帯状のブラックストライプに限定されるものではない。なお、3D表示用のパターニング位相差フィルムの位相差領域が千鳥模様であれば、前記BSはブラックマトリックスとすることが好ましい。)が形成されていることを特徴とする映像表示システム。
[10] カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、前記液晶表示パネルの前面に前記パターニングフィルムが配置されており、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されていることを特徴とする[6]〜[8]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
[11] 前記ブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが前記ガラス基板の前記偏光板側の面、または前記偏光板の前記ガラス基板側の面に形成されていることを特徴とする[9]または[10]に記載の映像表示システム。
[12] 前記映像表示パネルの前面に配置されたパターニング位相差の前面に、さらに拡散機能層を有することを特徴とする[7]〜[11]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
[13] 3D映像表示したときの視野角のうち、少なくとも狭い方向の視野角を拡大するように前記拡散機能層が配置されていることを特徴とする[12]に記載の映像表示システム。
[14] 前記拡散機能層が異方性拡散層であり、3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角を、広い方向の視野角の拡大幅よりも大きく拡大するように該異方性拡散層が配置されていることを特徴とする[12]または[13]に記載の映像表示システム。
[15] 前記3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角が、略鉛直方向であることを特徴する[12]〜[14]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
[16] 前記拡散機能層が散乱フィルムであることを特徴とする[12]〜[15]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
[17] 右眼鏡と左眼鏡の遅相軸が直交する偏光眼鏡を含み、前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、かつ、左眼鏡で遮光され、前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域の残りの一方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、かつ、右眼鏡で遮光されるように構成されていることを特徴とする[6]〜[16]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
[18] さらに、2次元映像を表示する手段を有することを特徴とする[6]〜[17]のいずれか一項に記載の映像表示システム。
本発明によれば、液晶表示装置とパターニング位相差フィルムを併用して偏光眼鏡方式で3D立体映像を表示するときに、該パターニング位相差フィルムのパターニング方向に直交する方向における視野角を改善することができるパターニング位相差フィルム及び効果的な遮光ができる構成の映像表示装置を提供することができる。また、本発明の映像表示システムは、構成を変えずに2D画像も3D画像も表示することができる。
図1は、クロストーク量の測定方法に関わる表示パターンを表す概念図である。なお、上から順にラインは数える。 図2は、比較例1の映像表示システムによる視角とクロストーク量の関係を表したグラフである。 図3は、参考例3の映像表示システムによる視角とクロストーク量の関係を表したグラフである。 図4は、参考例1の態様を表した概略図である。図4は、2種類のフォトマスクを用いて5J、1Jの順に異なる強度で露光することによって、本発明のパターニング位相差フィルムを形成する態様を示した概略図である。 図5は、円偏光を用いる偏光変換機能層を用いた参考例1の映像表示システムの構成を示す概略図であり、Y1、Y2は任意の断面を表す。 図6は、BSをフロント側偏光板と液晶表示装置のガラス基板との間に設けていない態様である参考例3の映像表示システムにおける本発明のパターニング位相差フィルム、液晶表示装置のフロント偏光板および偏光眼鏡の、光軸対応関係を説明する概略図である。 図7は、本発明のパターニング位相差フィルムを用い、BSをフロント側偏光板と液晶表示装置のガラス基板との間に設けない場合であって、パターニング位相差フィルムの第三領域の幅とブラックマトリックスBM1の幅が略等しい態様である参考例3の映像表示システムを説明する概略図である。 図8は、第三領域を有しない態様のパターニング位相差フィルムを用い、本発明の遮光配置となるBSを設けた態様である参考例4の映像表示システムを説明する概略図である。 図9は、本発明のパターニング位相差フィルムと、本発明の遮光配置となるBSを設けた態様を併用し、本発明のパターニング位相差フィルムの第三領域の幅と、ブラックストライプBSの幅と、ブラックマトリックスBM1の幅が略等しい態様である実施例の映像表示システムを説明する概略図である。 図10は、本発明のパターニング位相差フィルムと、本発明の遮光配置となるBSを設けた態様を併用し、パターニング位相差フィルムの第三領域の幅が、ブラックストライプBSの幅よりも広い態様である実施例の映像表示システムを説明する概略図である。 図11は、光拡散フィルムの異方的散乱を説明するための概念図である。
以下において、本発明のパターニング位相差フィルムおよび映像表示システムについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書中、「パターニング方向」とは、第一領域と第二領域のパターニングを繰り返すときに、パターニングの繰り返しが進行し得る方向のことを言う。例えば、第一領域と第二領域が、水平方向が長く鉛直方向が短い帯状であって繰り返しパターニングされている場合であれば、パターニング方向は、鉛直上下方向となる。
[映像表示システム]
本発明の映像表示システムの具体的態様について説明する。
ここで、前記課題を解決することができる本発明の映像表示システムについて、映像ディスプレイパネルの内部に形成されるBM1と、本発明によるブラックストライプBS、パターニング位相差フィルムの形態の組み合わせには種々考えられる。
そこで、本発明の映像表示システムを、第1の態様、第2の態様および第3の態様に分けて説明する。まず、各態様の簡単な構成について説明する。
前記本発明の映像表示システムの第1の態様は、後述する本発明のパターニング位相差フィルムを含むことを特徴とする。
前記本発明の映像表示システムの第2の態様は、カラーフィルター、液晶駆動用ガラス基板、偏光板および3D表示用のパターニング位相差フィルムを含む液晶表示パネルを含み、前記カラーフィルター基板と観察者側の偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されていることを特徴とする。本発明の映像表示装置の第2の態様における新たな効果的遮光手段、即ち、ブラックストライプBSは、出射側の偏光板の液晶層側面と映像表示装置の出射側基板(通常カラーフィルター基板。また、映像表示装置の基板は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて材質に制限はなく、ガラス基板であっても熱可塑性樹脂基板であってもよいが、好ましくはガラス基板である)の観察者側面の間に新たに設けるものであり、その配置位置に特徴があり、単独で用いても3D表示の視角特性において効果を生じる。
前記本発明の映像表示システムの第3の態様は、前記第1の態様と第2の態様を組み合わせた態様である。本発明の映像表示装置の第2の態様における新たな効果的遮光手段を、本発明のパターニング位相差フィルムと併用して本発明の映像表示装置の第3の態様としてもよい。
パターニング位相差フィルムの第三領域を設けること、ブラックストライプBSを出射側基板(ガラス基板)の前面位置(正しくは、出射側の偏光板と出射側基板との間)に新たに設けることとは、その幅の設定という観点で関わりを持つが、それぞれ単独においても3D表示の視角特性を改善する効果を有する。すなわち、第三領域を設けたパターニング位相差フィルムのみ単独で用いられる場合、新たに設けるブラックストライプBSのみ単独で用いられる場合、両者が同時に併用される場合の3つのケースがある。この3つのケースにおいて液晶ディスプレイパネルの構成がカラーフィルター基板の内面に従来のBM1を有する場合と、TFT基板の内面に従来のBM1を有する場合とがある。
以上の各場合において、パターニング位相差フィルムにおける第三領域の幅を考える際及び新たに設けるBSの幅を考える際の基準となるのが、従来液晶ディスプレイパネルの基板内面に設けられているBM1の幅、具体的には本発明の解決しようとする課題で問題としている視角方向に対応する方向の幅である。何故ならば、BM1は高コントラストを得るために必須の要素となっているからであり、各構成部材の厚さを考慮した幾何光学的な関係より、各々の部材の幅が決定されるものである。なお、ここでいう幅が基準となるという語の意味は、略同程度のオーダーであることを意味するが、略等しくてもよい。
以下、BM1の幅とその他部材の間の幾何学的な対応関係を含め、本発明の映像表示システムの第1の態様、第2の態様、第3の態様を順に説明する。
なお、本発明の効果は偏光を用いた3D表示システムに広く適用できるものであり、表示デバイスが液晶ディスプレイに限定されるものでないことは、その効果を生む機構より明らかであり、以下に記載した液晶表示パネルの構成の具体例に限定されるものではない。
(I) 第1の態様
本発明の映像表示システムの第1の態様は、本発明のパターニング位相差フィルムを含む。
<本発明のパターニング位相差フィルム>
本発明の映像表示システムの第1の態様は、本発明のパターニング位相差フィルムを含む。
本発明のパターニング位相差フィルムは、互いに位相差が異なる第一領域と第二領域が交互に繰り返してパターニングされており、第一領域と第二領域の間に、該2つの領域のほぼ平均の位相差を有する第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されていることを特徴とする。
好ましくは、パターニング位相差フィルムの右眼用画像表示部と左眼用画像表示部との境界部に、該2つの領域のほぼ平均の位相差を有する第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されていることを特徴とする。従来、一般的なパターニング位相差フィルムは右眼用画像表示部と左眼用画像表示部との境界部は特に形成されておらず、右眼用画像表示部と左眼用画像表示部が隣り合わせで配置されていた。また、特開2004−170693号公報に記載されているパターニング位相差フィルムは、右眼用画像表示部と左眼用画像表示部との境界部はブラックマトリックス(ストライプ)が形成されていてもよいとあり、境界部に光を透過させないことが前提であるため、境界部の位相差は本発明の構成とは異なるものであった。
本発明のパターニング位相差フィルムは上記構成を有するため、3D立体映像表示をした場合に、映像表示パネル正面で左眼に左眼用画像のみが入っていた状態から徐々に視角を変えたときに、いきなり右眼用画像の光が入らないようにすることができ、右眼用画像と左眼用画像の中間の緩和した光が入り、さらに視角を変えたときに初めて右眼用画像の光が入ることとなる。すなわち、視角を変化させた際、最初に右眼に入射する光は、中間の位相差層である前記第三領域を通過した光であり、左眼についても同様である。従って、本発明の構成により、視角を徐々に変化させた際の急激なクロストークの増加が抑えられることになり、視野角が改善される。
以下、本発明のパターニング位相差フィルムの好ましい態様や実施例を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。
(構成)
本発明のパターニング位相差フィルムは、互いに位相差が異なる第一領域と第二領域が交互に繰り返してパターニングされており、第一領域と第二領域の間に、該2つの領域のほぼ平均の位相差を有する第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されている第三領域とを有する。
前記第一領域、第二領域および第三領域はいずれも帯状であることが、その帯状の長辺方向の視野角を広くすることから、通常、ディスプレイの横方向に帯状の長辺方向をそろえる配置が視野角の観点から好ましい。
ここでいう帯状とは、略長方形状であることを意味する。また、前記帯状の第一領域の長辺、前記帯状の第二領域の長辺、前記帯状の第三領域の長辺は共に同じ方向である。
前記帯状の第一領域〜第三領域の長辺は、画面分割形式により適宜決まるため、水平方向であっても鉛直方向であってもよいが、本発明では水平方向を前提にして説明を進める。
本発明のパターニング位相差フィルムは、第一領域と第二領域が交互に繰り返してパターニングされており、第一領域と第二領域の間に、前記第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されている。このように、前記第一領域と前記第二領域の全ての境界に、前記第三領域が配置されており、前記第一領域と前記第二領域が隣り合わないようにパターニングされることで、本発明の効果が十分発揮されることとなる。
本発明のパターニング位相差フィルムは、前記第一領域のパターニング方向の幅(ここで、前記第一領域が帯状であるときは、前記第一領域のパターニング方向の幅は、前記帯状の第一領域の幅と同じ意味である)と前記第二領域のパターニング方向の幅がほぼ等しいことが好ましい。
ここで、「帯状の第一領域の幅」の幅とは、「帯状の第一領域の短辺の長さ」を意味し、その他の領域についても同様である。
前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域のパターニング方向の幅がほぼ等しいことが、右眼用画像と左眼用画像の視野角を等しくする観点や、明るさを等しくする観点から好ましい。前記第一領域および前記第二領域のパターニング方向の幅は、例えば、200〜600μm程度に通常なる。
また、「ほぼ」等しいとは、前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域のパターニング方向の幅の差が30μm以下であることを意味し、10μm以下であることがより好ましく、同じ幅であることが最も好ましい。
なお、これらの好ましい範囲の数値は、40インチ前後の液晶表示パネルに用いるときを想定した概略の範囲であり、液晶表示パネルのサイズの増減割合に応じて好ましい範囲は変化してもよい。例えば、携帯電話サイズの液晶表示パネルに用いるときには、前記第一領域および前記第二領域のパターニング方向の幅は30〜80μm程度となる。以下、本明細書中において各部材の長さなどの数値範囲について同様であり、本発明のパターニング位相差フィルムを応用する映像表示装置の態様に応じて適宜変更することができる。
本発明のパターニング位相差フィルムは、前記第三領域のパターニング方向の幅が、前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域のパターニング方向の幅よりも細いことが好ましい。前記第三領域は3D立体映像を形成することに寄与しないため、ある程度細いことが好ましく、少なくとも前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域のパターニング方向の幅よりも細くすることが好ましい。あまり太くなると視角特性云々以前の問題として、正面(法線)方向からの3D表示画質の低下を招く恐れがあるからである。即ち、3D表示画質で問題とするクロストークが大きくなり、右眼情報と左眼情報の区別が十分でなくなる。
一方、前記第三領域のパターニング方向の幅は、ある程度太くすることで本発明の効果(視角特性の改善)を十分得ることができるようになる。
これらの観点から、前記第三領域のパターニング方向の幅は、具体的なディスプレイの設計に依存するが、カラーフィルター基板の内面に通常配置されているBM1の幅と同程度であることが好ましい。すなわち、本発明のパターニング位相差フィルムは、前記カラーフィルター内の画素間にブラックマトリックスBM1が形成されており、該ブラックマトリックスBM1の幅と前記第三領域のパターニング方向の幅とが同程度であることが好ましい。また、例えば、40インチフルHD仕様のディスプレイを想定すると概略の値として前記第三領域のパターニング方向の幅は20〜100μmであることが好ましい。すなわち、本発明のパターニング位相差フィルムは、好ましい一態様として、前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅がいずれも200〜600μmであり、前記第三領域の幅が20〜100μmである例を挙げることができる。
本発明のパターニング位相差フィルムは、前記第三領域のパターニング方向の幅全体に対する、該第三領域中の前記第一領域と前記第二領域の位相差の平均とほぼ等しい領域のパターニング方向の幅の割合は100%が好ましいが、効果が生じる範囲でそれより低くてもよい。すなわち、第三領域は、製造方法等にもよるが、第三領域の両端部の位相差がグラデーションで変化していてもよい。
本発明の効果を十分発揮する観点から、前記第三領域のパターニング方向の幅全体に対する、該第三領域中の前記第一領域と前記第二領域の位相差の平均とほぼ等しい領域のパターニング方向の幅の割合が、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上、100%であることが特に好ましい。
また、本発明のパターニング位相差フィルムは、単層であっても、2以上の層からなる積層体であってもよい。
また、膜厚は前記第一領域〜第三領域の全てが等しくてもよいが、場合によっては、前記第三領域だけを薄くしたり、厚くしたりしてもよい。
(各領域の位相差)
前記第一領域〜第三領域の位相差は、前記第一領域と前記第二領域が互いに位相差が異なり、該2つの領域のほぼ平均の位相差を前記第三領域が有する以外は特に制限はなく、3D立体映像を観察するときの偏光眼鏡の種類に応じて決定することができる。
前記第一領域の位相差と前記第二領域の位相差は、偏光変換機能としてλ/2位相差板に相当するだけ異なることが好ましい。すなわち、前記第一領域と第二領域の実効的な位相差機能の差はλ/2であることが好ましい。ここで実効的な位相差機能とは、本発明のパターニング位相差フィルムが単層ではなく積層体である場合は、積層体全体としての位相差機能を意味する。位相差フィルム等を積層して、積層フィルムの前記第一領域と第二領域に相当する部分の合計位相差機能の差をλ/2にする態様が挙げられる。なお、前記第一領域と前記第二領域は、ともに位相差機能を有していても、一方のみが位相差機能を有していても偏光変換機能としてλ/2位相差板に相当するだけ異なる態様とすることができる。例えば、前記第一領域と前記第二領域がともに位相差機能を有する場合の例としては、各領域がλ/4の位相差を有していており遅相軸が互いに直交してする態様や、各領域が互いにツイスト構造を有しており両方の領域の偏光面の回転角度の差が90度である態様が挙げられる。前記第一領域と前記第二領域の一方のみが位相差機能を有している場合の例としては、位相差機能を有している領域の位相差機能がλ/2である態様が挙げられる。
偏光眼鏡として、円偏光状態に応じて選択的に透過または遮蔽するものを用いる場合には、前記第一領域の位相差および第二領域の位相差をともにλ/4とし、遅相軸が直交する(90度異なる)ように割り振り、右眼用画像表示部と左眼用画像表示部を形成する。この場合の前記第三領域の位相差は、両領域の偏光変換機能を考慮し、右眼用と左眼用との中間、すなわち一方のλ/4と他方のλ/4機能の平均(この場合は和となる)ということで、位相差ゼロ(遅相軸が直交するλ/4を重ね合わせたときの位相差に相当)とすることができる。また、遅相軸を出射側の偏光子の軸に平行又は直交する位相差とすることも可能であり、同様の効果を示す。なお、ここでいう位相差ゼロとは、概略であり、位相差0±20nmの範囲を含む。
一方、偏光眼鏡として直線偏光を選択的に透過または遮蔽するものを用いる場合には、前記第一領域の位相差および第二領域の位相差をそれぞれ、λ/2とゼロに割り振り、右眼用画像表示部と左眼用画像表示部を形成することが好ましい。この場合の前記第三領域の位相差は、右眼用と左眼用との中間、すなわちλ/2とゼロの中間となり、位相差λ/4(λ/2とゼロとの平均)となる。ここで遅相軸はλ/2の位相差と同じとする。この場合も、第三領域の位相差は、位相差λ/4±20nmの範囲を含む。
(パターニング位相差フィルムの製造方法)
(1)円偏光を出射光に用いる場合のパターニング位相差フィルムの製造方法
本発明のパターニング位相差フィルムのうち、円偏光をディスプレイの出射光に用いる場合の製造方法としては一方のλ/4板と他方のλ/4板の重ね合わせ、λ/4位相差板と[λ/2、0]のパターニングの積層、一方のλ/4板と他方のλ/4板の間に中間層として新たに位相差0の領域を形成するなど種々の形態、および製法がある。
(1−1):λ/4位相差板とλ/4位相差板の重ね合わせによるパターニング位相差フィルムの製造方法としては、具体的には以下の態様が好ましい。
一方のλ/4位相差板と他方のλ/4位相差板とのパターニング幅を画素ピッチよりも大きく設定することで、交叉領域を設け、この交叉領域を実効位相差機能としてゼロとすることで本発明のパターニング位相差フィルムを製造することができる。お互いにλ/4位相差板はその遅相軸が直交するために、交叉領域からの出射光は偏光変換を受けないことになる。この領域を本発明における前記第三領域とする。
この場合、支持基板を有するパターニング位相差フィルムを2枚準備して、それらを貼り合せ、積層構造として所望のパターニング位相差を得るものと、1枚の支持基板上に順次、位相差層をパターニングする工程を繰り返し施すことで、位相差層の積層構造を形成することで、これを得るものとがある。
(1−2):λ/4位相差板と[λ/2、0]のパターニングの積層によるパターニング位相差フィルムの製造方法としては、具体的には以下の態様が好ましい。
λ/2と0(等方層)の位相差パターニングが施された位相差層と、均一なλ/4位相差板とが、その遅相軸(λ/2とλ/4)を直交させて積層された構造とする。このようにすることで、積層体全体の実効的な位相差はλ/4位相差板があたかも90度異なる方向に、その遅相軸がパターニングされたものになる。ここで、本発明のパターニング位相差フィルムは、前記位相差パターニングが施された位相差層に、本発明における前記第三領域に対応する領域として、更にλ/2と0(等方層)がパターニングされた領域の間に変化領域を設け、λ/2と0(等方層)の中間の位相差にすることで製造することができる。即ち、本発明のパターニング位相差フィルムの一態様では、まず、ある位相差パターニングが施された位相差層の各領域を、λ/2、λ/4(中間)、0の位相差値を持つようにパターニングする。このようにすることで位相差パターニングが施された位相差層の中間の領域(λ/4)の位相差が、積層される前記均一なλ/4位相差板と相殺され、積層体である本発明のパターニング位相差フィルムにおいて、位相差が0の第三領域として機能することになる。また、前記位相差パターニングが施された位相差層のλ/2の領域は、前記均一なλ/4位相差板と積層されることで、積層体全体の実行的な位相差としてはλ/4となる。この様にして、前記位相差パターニングが施された位相差層の0(等方層)の領域は、前記均一なλ/4位相差板と積層されることで、積層体全体の実行的な位相差としてはλ/4となり、実効的な遅相軸がお互いに90度異なる第一領域、第二領域が形成されるとともに、実効的な位相差が0となる第三領域が形成される。
ここでλ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層は、紫外線による硬化、及び熱処理を適宜活用したプロセスにより、遅相軸方向を同一とし、位相差の絶対値のみが異なるようにパターニングすることで得られる。以下、具体的な本発明のパターニング位相差フィルムの製造方法について説明する。
<<基板>>
先ず、前記均一なλ/4位相差板を基板として選択する。前記基板としては、λ/4位相差を有するものであれば特に制限はなく、公知の基板を用いることができるが、商業的に入手することもできる。市販の基板としては、ポリカーボネートフィルム(帝人製)、ゼオノアフィルム(ゼオン製)、アートンフィルム(JSR製)などを好ましく用いることができる。
<<配向処理>>
前記基板の上に配向処理を施すことが好ましい。配向処理としては特に制限はなく、公知の配向処理を行うことができるが、その中でもラビング処理を行うことが簡単である。前記基板上にラビング処理で配向処理をする場合には、前記基板上にPVA他、通常、液晶材料を水平配向させることができる材料を0.3〜0.1μm程度の厚さで形成できるように塗布し、焼成し、ラビング処理を行うことが好ましい。前記焼成温度は、材料によるが、150℃〜200℃に通常設定する。ここで前記ラビング処理の方向は、前記基板の有する遅相軸方向と90度を成すように行うことが好ましい。なお、ラビングの方法については特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
当然ではあるが、光配向技術を用いて、従来の機械的なラビングに替えることも可能であり、配向を領域毎に変える場合には適している。
<<基板上へ積層する位相差層の成膜>>
前記基板上に配向処理を施した後、前記基板上にλ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層を、所望の実効的な位相差が得られるような膜厚で成膜して積層することで本発明のパターニング位相差フィルムを製造することができる。
設定する膜厚は目的とする位相差値に応じて任意に設定することができる。例えば、λ/2を位相差値とする場合、通常、1〜4μm程度の設定とするが、材料の複屈折(異方性)の強さによるので、この限りではない。
前記基板上にλ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層を成膜する方法としては、特に制限はないが、重合性液晶または重合性異方性発現物質を溶剤に溶解させた(希釈した)塗布液を、配向処理を施した前記基板上に塗布し、該重合性液晶または重合性異方性発現物質を重合させる方法が好ましい。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を塗布するために溶解させる溶剤としては特に制限はなく、公知の溶剤を用いることができる。具体的には、例えばメチルエチルケトン(以下、MEKとも言う)などを挙げることができる。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を重合させるために、重合開始剤を用いることが好ましい。前記重合開始剤としては特に制限はないが、光重合開始剤を好ましく用いることができる。前記光重合開始剤としては例えば、EP1388538A1、page21に記載のLC−1−1を用いることができる。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を重合させる方法としては特に制限は無く、公知の方法で重合させることができ、例えば光重合や熱重合により重合させることができる。
その中でも、前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を光重合により重合させることが好ましい。
<光重合>
前記重合性液晶又は重合性異方性発現物質は光重合性であることが、所定のパターンで部分的な重合を、フォトマスクを介した光(好ましくは、紫外線)の照射で実現することができる観点から好ましい。本発明のパターニング位相差フィルムを製造するときに用いることができる前記重合性液晶または重合性異方性発現物質としては、特に制限はなく、公知の重合性液晶を用いることができる。具体例としては、LC242他(BASF社製)、各種リアクティブメソゲン材料(メルク社製)、各種UV Curable Liquid Crystal(DIC社製)、各種UV Curable Liquid Crystal(チッソ社製)など種々のものが適用可能である。また、前記重合性液晶または重合性異方性発現物質は1種のみ用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を光照射により光重合させる場合、光重合する前に、必要に応じて前処理として熟成加熱(プレベーク処理)をしてもよい。この加熱は、重合性の液晶分子または重合性の異方性発現分子の配列をより均一にするためのものであり、用いる配向膜、重合性液晶または重合性異方性発現物質の組み合わせによっては、不要な場合もある。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を含む塗布液を光照射により光重合させる場合、前記塗布液中に用いる材料や処方によっては、照射雰囲気の酸素濃度が低いほど硬化性は高まる。
また、照射波長と照射量(および照射時間)については、使用する材料種、目的とする位相差値によって適宜変更することができる。特に前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を重合させた後に、後述の熱処理をする場合は、その後の熱処理で位相差値が大きく変化する可能性も含めて適切に硬化する必要がある。
また、前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を含む塗布液の等方相転移温度Tisoより、低い温度で前記塗布液を前記基板上に塗布し、光(紫外線)硬化することが好ましい。なお、前記等方相転移温度Tisoとは、液晶性を示す液晶分子の単体、又は混合体が、一定の方向に配列した状態(いわゆる液晶状態)になる温度から、配向秩序のない状態(いわゆる等方性状態)に切り替わる温度を示す。この等方相転移温度は、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって求めることができる。液晶化合物を用いて簡易評価セルを作製し、加温しながら偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察し、視野が明るく見える液晶状態から、暗く見えるようになった液体状態(光学的に等方性を示す状態)に転移したときの温度とした。
前記λ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層を前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を含む塗布液の光重合により形成するためには、該塗布液に部分的に露光をすることが好ましい。また、部分的な露光を行うためには、フォトマスクを用いることが好ましい。前記フォトマスクとしては前記λ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層を形成できるように照射部(光透過部)と、遮光部がパターニングされたフォトマスクを用いることができる。前記λ/2、λ/4、0の位相差値がパターニングされた位相差層を形成する場合における露光の態様についても本発明の製造方法では特に制限はないが、2種類のフォトマスクを用いて2回以上露光することで、露光強度が異なる3つの領域(例えば、5Jで露光された領域、1Jで露光された領域、全く露光されていない領域(0J)など)を形成する態様が好ましい。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を含む塗布液に部分的に光(紫外線)を照射することで、照射部の重合性液晶は、光重合し、配向状態を保ったまま固化することになるが、露光の強度に応じて配向の保持性が変化するため、部分的な露光を行って露光強度の異なる3つの領域を形成することができる。
前記部分的な露光を行って露光強度の異なる3つの領域を形成後、さらに熱処理を行うことによって、各領域の位相差を適宜制御することができる。例えば、ある重合性液晶を用いて5Jで露光された領域、1Jで露光された領域、全く露光されていない領域(0J)を形成した場合、5Jで露光した領域は、配向の保持性が最も高く、次のステップでの熱処理によっても位相差値が顕著に低下しないようにすることができ、前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を含む塗布液の塗布膜厚の調整等とあわせてλ/2の位相差を有する領域をパターニングすることができる。一方、1Jの紫外線を照射した領域の重合性液晶は、次のステップの熱処理により、等方相化による位相差の低減又は解消、および強制的な熱重合により硬化がある程度進み、塗布後に有していた位相差が低減した状態(この場合はλ/4の位相差であることが好ましい)で安定化する。また、未照射領域の重合性液晶は、次のステップの熱処理により、等方相化による位相差の解消および強制的な熱重合により硬化がある程度進み、塗布後に有していた位相差が解消した状態で安定化する。
露光後の熱処理条件は本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はなく、適当な重合条件で行うことができる。その中でも、熱処理温度は、前記等方相転移温度Tisoを超えても超えなくてもよいが、超えることが好ましい。
以上の処理で位相差値がパターニングされた位相差層の安定化が十分でない場合には、全面にわたり一括紫外線照射を後処理(安定化処理)として行うことが好ましい。
このようにして得られた位相差値がパターニングされた位相差層のλ/4位相差領域は、基板として用いられた一様なλ/4位相差板とそれぞれ遅相軸を直交して積層されることで、パターニング位相差フィルム積層体のトータルの位相差値では位相差値0の領域となり、本発明のパターニング位相差フィルムにおける第三領域を形成することができる。一方、位相差値がパターニングされた位相差層のλ/2位相差領域は基板として用いられた一様なλ/4位相差板とそれぞれ遅相軸を直交して積層されることで、パターニング位相差フィルム積層体のトータルの位相差値では実効的な位相差値がλ/4の領域となり、本発明のパターニング位相差フィルムにおける第一領域を形成することができる(互いに遅相軸の直交するλ/4位相差板とλ/2位相差板を重ね合わせた態様であるため、トータルではλ/2位相差板と同じ方向の遅相軸を有するλ/4位相差板と同じ偏光変換機能を有する領域となる)。位相差値がパターニングされた位相差層の位相差0の領域は、同様に基板として用いられた一様なλ/4位相差板と積層されることで、パターニング位相差フィルム積層体のトータルの位相差値では位相差値λ/4の領域となり、本発明のパターニング位相差フィルムにおける第二領域を形成することができる。すなわち、このようにして得られたパターニング位相差フィルム積層体の前記第一領域と前記第二領域は遅相軸が互いに直交し、かつ位相差がともにλ/4となっており、前記第三領域は前記第一領域と前記第二領域を重ねあわせた場合の変更変換機能と同様に、位相差が0となっていることから、本発明のパターニング位相差フィルムが製造できる。
(1−3):λ/4位相差板とλ/4位相差板の間に中間層として新たに位相差0の領域の形成による円偏光を用いるパターニング位相差フィルムの製造方法としては、具体的には以下の態様が好ましい。
パターニング位相差のパターニング幅を画素ピッチより狭く設定してパターニングすることにより、λ/4位相差板とλ/4位相差板(両者の遅相軸は直交)との境界領域に位相差0の領域が自然に形成させることができる。
これらの中でも、(1−3)及び(1−1)による製造方法は、位相差層の薄さの観点から好ましく、(1−2)の製造方法は、熱処理工程を併用することで簡略化が可能であり、製造性の観点から好ましいと言える。即ち、(1−2)の方法では位相差の絶対値のみの制御で本発明を実現できるのに対し、他の方法では、位相差の値とともに遅相軸の制御パターニングが通常、必要となるからである。
(2)直線偏光を出射光に用いる場合のパターニング位相差フィルムの製造方法
本発明のパターニング位相差フィルムのうち、ディスプレイの出射光を直線偏光とする場合の製造方法としては1層でパターニング位相差フィルムを形成する場合、重合性液晶などを用い、光重合の強さ(UV光の強さ)を調整することで、中間層を作成することができる。
前記重合性液晶としては、例えば、特開平11-84385、特開2009-223001号公報に記載のものを用いることができる。
表示に直線偏光を用いる場合、本発明のパターニング位相差フィルムの製造方法としては、前記(1−2)と同様に、光重合工程と加熱工程を含むことが好ましい。この方法による具体的な製造方法としては以下の態様が好ましい。なお、その他の好ましい条件については、前記(1−2)の好ましい条件を参考にすることが出来る。
配向処理を施すための基板としては、位相差ができるだけ小さなベースフィルムまたは基板を用いることが好ましく、位相差ゼロであるベースフィルムまたは基板を用いることがより好ましい。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質としては、重合後にTN構造を形成するものを用いることも可能である。
前記重合性液晶または重合性異方性発現物質を適当な溶媒を用いて希釈して塗布液を調製し、λ/2の位相差値に相当する量の塗布液を、配向処理を施した基板上に塗布し、重合に適した光を部分的に照射することが好ましい。
第一領域、第二領域および第三領域の各領域にそれぞれ最終的になる各領域に対する露光(光重合)の強さとしては、例えば前記第一領域の位相差を0、前記第二領域の位相差をλ/2、前記第三領域の位相差をλ/4にするときは、それぞれの領域に用いる材料に応じて適切な強度、時間で光照射することが好ましい。
直線偏光を表示に用いる場合の本発明のパターニング位相差フィルムの製造方法では、光(例えば、紫外線)の照射量を第一領域(λ/2)と第三領域(λ/4)とで変えて照射し、第二領域(0)には光照射せず、その後、熱処理を施す。
紫外線により十分な硬化がなされた第一領域では、その後の熱処理(NI点以上の温度)を経た後においても、十分な分子配列を維持し、結果としてλ/2の位相差を得ることができる。なお、ここでいうNI点とは、前記重合性液晶または重合性異方性発現物質がネマティック相から等方相に変化する転移点温度を表し、前述の等方層転移温度Tisoとは、実質的に、同義である。
一方、紫外線を照射しなかった領域である第二領域においては、NI点以上の温度による等方処理(熱処理)により、液晶性分子の配列が乱され、実質、等方の層とすることが出来る。
第三領域は、適度の照射を受けているので熱処理後もある程度の位相差を呈することになる。この第三領域の位相差をλ/4になるように紫外線照射量及び熱処理温度、時間などを最適化することで上記の3領域の位相差値を制御することができる。具体的な第三領域の位相差をλ/4になるように紫外線照射量及び熱処理温度、時間などについては、前記(1−2)と同様である。
光照射に用いられる光としては用いる重合性液晶材料に適したものを用いる必要があるが、通常、紫外線などを好ましく用いることができる。
(映像表示システムにおけるパターニング位相差フィルムの配置場所)
本発明の映像表示システムの第1の態様は、カラーフィルター、駆動用ガラス基板(TFT基板)および偏光板を含む液晶表示パネルを含み、該映像表示パネルの前面に本発明のパターニング位相差フィルムが配置されていることが好ましい。
<映像表示パネル>
(液晶表示パネル)
本発明の映像表示システムに用いられる映像表示パネルは特に制限はないが、本発明は前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合に特に好ましく適用することができ、3D立体映像を表示したときの視野角を広くすることができる。ここでいう液晶パネルは、公知の液晶性化合物を含む液晶セルを含む。また、前記液晶セルは、少なくとも該リア側とフロント側(観察者側)を2枚の基板で挟まれており、前記基板はガラス基板であることが好ましい。前記基板は、カラーフィルターと一体化したカラーフィルター基板であっても、TFTと一体化したTFT基板であってもよい。また、前記TFT基板は、液晶を駆動するための駆動用基板(TFT基板)を含む。また、液晶表示装置は、前記液晶セル、カラーフィルター、TFT、各種基板をリア側とフロント側の2枚の偏光板で挟みこむ構成とするのが一般的であり、これらを総称して液晶表示パネルと言う。以下、このような一般的な構成の液晶表示装置について説明するが、本発明は以下の具体的構成に限定されるものではない。
本発明に用いられる映像表示パネルは、2次元映像を表示する手段を有することが好ましい。前記2次元映像を表示する手段は、特に制限はないが、前記右眼用画像と前記左眼用画像のいずれか一方のみを表示する手段、または、前記右眼用画像と前記左眼用画像として同一位相の同一画像を表示する手段であることが好ましい。現状では3D専用のTV放送などは充実しておらず、依然として2次元映像が主流であることから、3Dコンテンツのみに対応した映像表示装置であるよりも、2D−3D併用ディスプレイである方が産業上の利用可能性が高い。
前記奇数ライン位相差領域と前記偶数ライン位相差領域のそれぞれの遅相軸は、水平方向に対して45度または135度のいずれか一方の角度であることが好ましい。このような角度とすることで、映像表示装置からの画像光を効率的に円偏光又は直線偏光に変換して後述の偏光眼鏡へ出射することができる。特に位相差をλ/4とし、円偏光を用いる場合は、直線偏光や楕円偏光にして出射するよりも3D立体表示を得られる視野角が広がる、特に頭を少し傾けた場合などにおいて画質劣化が少ないため、好ましい。
(周波数)
本発明の映像表示システムでは、前記映像表示装置の周波数は特に制限はない。1秒間に60フレームからなる一般的な60fpsの右眼用映像および左眼用映像を用いるときは60Hz以上であることが好ましい。前記映像表示装置の周波数が120Hz、180Hz、240Hz、300Hz、360Hz、420Hz、480Hzなどであっても何ら問題はない。
前記液晶表示装置としては、特に制限はなく、公知の液晶表示装置を用いることができる。本発明に好ましく用いられる液晶表示装置としては、例えば特表2009−517697号公報に記載のものを挙げることができる。
その中でも、本発明により好ましく用いられる液晶表示装置の構成や部材について、以下説明する。
(カラーフィルター)
本発明の映像表示システムの第1の態様では、前記カラーフィルターが液晶表示パネル内部に形成されているブラックマトリックス(又はブラックストライプ)いわゆるBM1を含んでいても、含んでいなくてもよいが、一般的に含むことが好ましい。
ここで、カラーフィルターが一般的なRGBの3色カラーフィルターであるとき、液晶表示パネルの表示形式にもよるが、例えば水平方向にR、G、Bが繰り返し配置され、鉛直方向では同色の画素が同じ列に並ぶ態様が一般的である。本発明の好ましい態様では、パターニング位相差フィルムが横方向に延びる帯状パターンに加工される。
この場合、前記カラーフィルターに設けられるブラックマトリックスBM1は、この例であればカラーフィルターの水平方向の(好ましくは、帯状の)ストライプ形状となる。また、通常の設計では、前記第一領域〜第三領域の長辺の方向と、カラーフィルターの内面に設けられるBM1のうち前記第一領域〜第三領域のパターニング方向と等しい部分に対応、位置することになる。
なお、40インチTVを例にとると、設計にもよるが、カラーフィルターのブラックマトリックスBM1の幅は、20〜100μm程度が目安になる。
本発明の映像表示システムでは、前記第三領域の幅が概ね液晶表示パネルの内部に形成されたブラックマトリックスBM1の幅に略等しいことが正面輝度の維持、3D表示の正面特性(クロストーク)の維持及び視角特性向上の観点から好ましい。
(TFT)
ブラックマトリクスBM1は通常、カラーフィルターの内部の画素間に設けられるが、TFT基板にこれを設ける場合もある。
その場合には、本発明の映像表示システムでは、前記液晶表示パネルが帯状のブラックマトリックスを有する薄膜トランジスタ(TFTと略す)を含み、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が、該薄膜トランジスタのブラックマトリックスBM1のパターニング方向の幅と略同じであることがカラーフィルター基板のフィルター層側にブラックマトリクスBM1を有する場合と同様に正面の3D表示画質、輝度の維持及び3D画質を左右するクロストーク低減効果の観点から好ましい。
カラーフィルタ オン アレイ(CF on Array)などの構造においては、カラーフィルターとともに、ブラックマトリクスBM1もTFT基板側に配置する場合があり、この場合には、前述の通り、本発明の映像表示システムにおいては、前記位相差パターニングフィルムの第一領域のパターニング方向の幅と、前記位相差パターニングフィルムの前記第二領域のパターニング方向の幅が、いずれも前記薄膜トランジスタのBM1の中心線間の距離(画素ピッチ)よりも必然的に狭くなる。そして、その狭くなる程度、即ちパターニング位相差の第三領域の幅と言い換えてもよいが、その幅を考える基準となる大きさが、液晶ディスプレイパネルの内部に設けられたBM1の幅であると言うことができる。
(フロント側偏光板)
本発明の映像表示システムでは、前記ガラス基板と前記パターニング位相差フィルムとの間に配置された偏光板を有する。
前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が前記BM1のパターニング方向の幅と略同じとし、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅を視野角の改善のために確保することが好ましい。
液晶ディスプレイパネルの内部に設けられる従来のBM1の幅は、スイッチング画素電極以外からの光モレを防ぎ、高いコントラストを得るために従来用いられている必須の構成であり、その幅は機種の設計に依存し、最適設計の下で決定されるものである。
このブラックマトリックスBM1の上下方向(パターニング位相差の長辺方向に垂直な方向)の幅が、3D表示の視角特性の改善に関わる本発明におけるパターニング位相差における第三領域の幅の基準となるのは、BM1は必須であり、3D表示画質云々以前の2D表示画質の観点から設計されて決まるものであり、それを基に3D正面の3D表示画質(クロストークの大小)、正面輝度の維持、3D表示の視角特性を向上させることを考え、同時に満たさなければならないからである。
(拡散機能層)
本発明の映像表示システムでは、前記映像表示パネルの前面に配置されたパターニング位相差の前面に、さらに拡散機能層を有することが、視野角を広げる観点から好ましい。
また、3D映像表示したときの視野角のうち、少なくとも狭い方向の視野角を拡大するように前記拡散機能層が配置されていることがより好ましい。
すなわち、前記3D映像表示したときの視野角のうち広い方向の視野角が略水平方向である場合においては、前記3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角は略鉛直(上下)方向となり、前記拡散機能層が鉛直(上下)方向に拡散機能を発揮するように配置することが好ましい。
前記拡散機能層としては、等方性拡散層、異方性拡散層、散乱フィルムなどを挙げることができ、いずれも好ましく用いることで本発明の効果を奏する。前記等方性拡散層としては、例えば特開平4−314522号公報に記載のものを用いることができ、前記散乱フィルムとしては、例えば特開平7−114013号公報に記載のものを用いることができる。
ここで、広く用いられている前記第一領域〜第三領域のパターニング方向が鉛直方向(すなわち、前記第一領域〜第三領域が横帯状であるときは上下方向)に設けられている通常の態様を前提にすれば、前記3D映像表示したときの視野角のうち広い方向の視野角は(略水平方向、横方向)、問題とはならない。そこで、全方位に散乱能を有するのではなく、視野角の狭い方向のみに散乱機能を有する異方性拡散層を設けることが、他の視野角特性に影響を与えないという点で、より好ましい。
本発明の映像表示システムでは、前記拡散機能層が異方性拡散層であって、3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角を広い方向の視野角の拡大幅よりも大きく拡大するように該異方性拡散層が配置されていることがより好ましい。
このような異方性拡散層としては、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、例えば特許4205388号に記載のものを好ましく用いることができ、これを適宜、最適化して用いることもできる。
本明細書中、異方性とは、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向の散乱特性をFx(θ)、Y軸方向の散乱特性をFy(θ)とし、散乱角θ=4〜30°のときのFy(θ)/Fx(θ)が1.1〜500であることを言う。異方性の散乱能の説明を図11に示す。上下方向で視野角が狭い本例においては、図11に示すような、上下方向に散乱能が強い拡散機能層を用いるのが効果的である。
また、左右方向の視野角特性を変えないという意味において、異方性の特徴も重要であり、左右方向の散乱能自体は、上下方向の散乱能よりも弱い方が好ましく、むしろ散乱機能が無いほうが好ましい。
<偏光眼鏡>
本発明の映像表示システムは、右眼鏡と左眼鏡の遅相軸が直交する偏光眼鏡を含み、前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、かつ、左眼鏡で遮光され、前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域の残りの一方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、かつ、右眼鏡で遮光されるように構成されていることが好ましい。
当然ではあるが、前記偏光眼鏡は、本発明において詳細説明がなされている前記パターニング位相差に対応する配置の位相差機能層と直線偏光子を含むことで偏光眼鏡を形成している。なお、直線偏光子と同等の機能を有するその他の部材を用いてもよい。
偏光眼鏡を含め、本発明の映像表示システムの具体的な構成について説明する。まず、前記パターニング位相差フィルムは映像表示パネルの交互に繰り返されている複数の第一ライン上と複数の第二ライン上(例えば、ラインが水平方向であれば水平方向の奇数ライン上と偶数ライン上であり、ラインが垂直方向であれば垂直方向の奇数ライン上と偶数ライン上でもよい)に偏光変換機能が異なる前記第一領域と前記第二領域が設けられている。円偏光を表示に利用する場合には、上述の前記第一領域と前記第二領域の位相差はともにλ/4であることが好ましく、前記第一領域と前記第二領域は遅相軸が直交していることがより好ましい。
円偏光を利用する場合、前記第一領域と前記第二領域の位相差値をともにλ/4とし、映像表示パネルの奇数ラインに右眼用画像を表示し、奇数ライン位相差領域の遅相軸が45度方向であるならば、偏光眼鏡の右眼鏡と左眼鏡にともにλ/4板を配置することが好ましく、偏光眼鏡の右眼鏡のλ/4板の遅相軸は具体的には略45度に固定すればよい。また、上記の状況であれば、同様に、映像表示パネルの偶数ラインに左眼用画像を表示し、偶数ライン位相差領域の遅相軸が135度方向であるならば、偏光眼鏡の左眼鏡の遅相軸は具体的には略135度に固定すればよい。
さらに、一度前記パターニング位相差フィルムにおいて円偏光として画像光を出射し、偏光眼鏡により偏光状態を元に戻す観点からは、上記の例の場合の右眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平方向45度に近いほど好ましい。また、左眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平135度(又は−45度)に近いほど好ましい。
また、例えば前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合、液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向が通常、水平方向であり、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸が該フロント側偏光板の吸収軸方向に直交する方向であることが好ましく、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸は鉛直方向であることがより好ましい。
また、前記液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向と、前記パターニング位相差フィルムの奇数ライン位相差領域と偶数ライン位相差領域の各遅相軸は、偏光変換の効率上、45度をなすことが好ましい。
なお、このような偏光眼鏡と、パターニング位相差フィルムおよび液晶表示装置の好ましい配置については、例えば特開2004−170693号公報に開示がある。
偏光眼鏡の例としては、特開2004−170693号公報に記載のものや、市販品として、Zalman製、ZM−M220Wの付属品を挙げることができる。
(II) 第2の態様
本発明の映像表示システムの第2の態様は、カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、前記液晶表示パネルの前面に3D表示用のパターニング位相差フィルムが配置されており、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されている。
特開2004−170693号公報に記載されているパターニング位相差フィルムは、右眼用画像表示部と左眼用画像表示部との境界部はブラックマトリックス(ストライプ)が形成されていてもよいとあり、境界部に光を透過させないことが前提であった。
ここで、従来例はブラックマトリックス(ブラックストライプ)がパターニング位相差層と同じ位置に配置されているのに対し、本発明の映像表示システムの第2の態様においては、ブラックストライプBSがパターニング位相差層と液晶画素との中間(従来に比較して、より内側)に位置することがポイントであり、重要となる。すなわち、表示の切替機能を示す液晶スイッチング層(TFT基板とカラーフィルター基板とで形成される数μmの厚さ位置)と右眼情報(右眼用画像光と同義)左眼情報(左眼用画像光と同義)の切替を行うパターニング位相差フィルム、そして隣接する表示画素(液晶スイッチング層)からの好ましくない入射光を遮蔽するBS層の幾何学的配置関係で視角特性が決まるためである。
従って、BS層の配置は、前記表示画素とパターニング位相差との中間であることが最も効果的に遮蔽機能を果たすことになる。ここで、カラーフィルター基板の厚さは、0.3mm〜1.1mm程度であり、偏光板の厚さは200μm〜400μm程度であり、BS層をカラーフィルター基板と偏光板の間の位置に配置することは、遮蔽機能としては大きいことが理解できる。
更に、BSを表示画素とパターニング位相差との中間に位置するカラーフィルター基板(出射側の基板)の前面と偏光板との間に配置することで、遮蔽効果を高めることで、より一層の視角特性の改善を実現することを可能とするものである。
以下、 本発明の第2の態様の映像表示システムについて、前述した本発明の第1の態様の映像表示システムと異なる点を中心に説明する。なお、以下に説明した以外の本発明の映像表示システムの第2の態様の好ましい態様については、前述した本発明の第1の態様の映像表示システムの好ましい範囲と同様である。
<パターニング位相差フィルム>
パターニング位相差フィルムとしては、従来の3D表示用のものを用いることができ、一般的に右眼用位相差領域と、左眼用位相差領域がパターニングされているものを用いることができる。また、通常の設計の、右眼用位相差領域と、左眼用位相差領域は帯状となっているものを用いることができる。
<映像表示パネル>
(ブラックストライプBS)
本発明の映像表示システムの第2の態様では、カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されている。
その中でも、前記カラーフィルターのフィルター面と反対側の出射側の前面(観察者側)のガラス基板と、出射側(観察者側)の偏光板との間にBS(ブラックマトリックス/ブラックストライプ)層を有することが好ましい。
本発明の映像表示システムの第2の態様の具体的な好ましい構成としては、前記ブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが、前記ガラス基板の前記偏光板側の面、および/または前記偏光板の前記ガラス基板側の面に形成されていることが好ましい。具体的には、液晶表示パネルのうち、フロント側の偏光板と、その他の部材のうち、最もフロント側にある部材のガラス基板(カラーフィルター基板がTFT基板よりもフロント側にある場合は、カラーフィルター基板。TFT基板がカラーフィルター基板よりもフロント側にある場合(インセル構造のカラーフィルターなど)はTFT基板)との間に前記ブラックストライプBSが形成されていることが好ましい。
前記ブラックストライプBSは、前記ガラス基板の前記偏光板側の面、および/または前記偏光板の前記ガラス基板側の面に形成されていることが好ましい。そのときのBSの形成方法としては特に制限はない。
また、前記ブラックストライプBSは、単独の層として形成して、上記のような位置に配置してもよい。前記前記ブラックストライプBSを単独の層として形成する場合のBSの形成方法としては特に制限はない。
(BSと本発明のパターニング位相差フィルムの関係)
本発明の映像表示システムの第2の態様では、従来のパターニング位相差フィルムの右眼用位相差領域と左眼用位相差領域の配置と、前記BSとの配置については、右眼用位相差領域と左眼用位相差領域の形状によって異なるが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて制限はない。
例えば、右眼用位相差領域と左眼用位相差領域が互いに接して配置されている場合、前記BSは、右眼用位相差領域と左眼用位相差領域の境界にその幅方向中心がくるように配置することが、3D画質を左右するクロストーク低減効果及び正面方向の3D画質維持の観点から、好ましい。
(BSとカラーフィルターまたはTFTとの関係)
視角特性の改善という観点からは、新たに設けるBSの幅は広ければ広いほどよいが、当然それに応じて輝度の低下に繋がり、むやみに広げることは実用上好ましくない。ここでその幅として基準になるのが、液晶表示パネル内部に形成されている、いわゆるBM1の幅である。
但し、出射側偏光板のカラーフィルター基板側にBS層を有する構成においては、当然のことではあるが、カラーフィルター基板には上記のBS(またはBSを含む遮光膜パターン)は必要ではない。
ここで、カラーフィルターが一般的なRGBの3色カラーフィルターであるとき、液晶表示パネルの表示形式にもよるが、例えば水平方向にR、G、Bが繰り返し配置され、鉛直方向では同色の画素が同じ列に並ぶ態様が一般的である。パターニング位相差フィルムが横方向に延びる帯状パターンに加工されている場合、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置(前記カラーフィルターよりも観測者側位置)に新たに設けられるBSとしては、この例であればカラーフィルターの水平方向の(好ましくは、帯状の)ストライプ形状となる。また、通常の設計では、前記右眼用位相差領域と左眼用位相差領域の長辺の方向と、前記カラーフィルターのBM1の方向は同じとなるため、前記新たに設けられたBSは、カラーフィルターの内面に設けられるBM1のうち前記右眼用位相差領域と左眼用位相差領域のパターニング方向と等しい部分に対応、位置することになる。ここで言う新たに設けるBSは、通常の液晶ディスプレイパネルの基板内面に配置される所謂ブラックマトリックスBM1とはその目的・機能からして区別されるものであるが、その幅については略同じ値以下とすることが輝度の低下を避ける意味で望ましい。
なお、40インチTVを例にとると、設計にもよるが、カラーフィルターのブラックマトリックスBM1の幅は、20〜100μm程度が目安になり、それに対応する形で、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置(好ましくは、カラーフィルター基板の前面(出射側、フィルタ層と反対側の面))に設けられるBSの幅も同等の値以下を有することが、視角特性を向上するとともに、輝度の維持及び正面からの3D画質の維持の観点から望ましい。
ブラックマトリクスBM1は通常、カラーフィルター基板のカラーフィルター層側に設けられるが、TFT基板にこれを設ける場合もある。この場合には、ディスプレイパネル前面側のガラス基板と偏光板との間に配置されるBSの幅として、その基準となるのはTFT基板に設けられたブラックマトリックスBM1の幅となる。
その場合には、本発明の映像表示システムの第2の態様では、前記液晶表示パネルが帯状のブラックマトリックスを有する薄膜トランジスタ(TFTと略す)を含み、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が、該薄膜トランジスタのブラックマトリックスBM1のパターニング方向の幅と略同じであることが前記ガラス基板のカラーフィルター層側にブラックマトリクスBM1を有する場合と同様に正面の3D表示画質、輝度の維持及び3D画質を左右するクロストーク低減効果の観点から好ましい。
(フロント側偏光板)
本発明の映像表示システムの第2の態様では、前記ガラス基板と前記パターニング位相差フィルムとの間に配置された偏光板が、該出射側の偏光板と前記出射側のガラス基板との間にBSを有していてもよい。ここでカラーフィルター基板(液晶パネルにおける出射側の基板)にBSに相当する遮光パターンが既に設けられている場合には、偏光板に同様の機能膜は必要としない。
(III) 第3の態様
本発明の映像表示システムの第3の態様は、カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、前記液晶表示パネルの前面に本発明のパターニングフィルムが配置されており、前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されている。
すなわち、前記第1の態様と、前記第2の態様を組み合わせた態様である。
以下、本発明の第3の態様の映像表示システムについて、前述した本発明の第1の態様の映像表示システムや第2の態様の映像表示システムと異なる点を中心に説明する。なお、以下に説明した以外の本発明の映像表示システムの第3の態様の好ましい態様については、前述した本発明の第1の態様の映像表示システムや第2の態様の映像表示システムの好ましい範囲と同様である。
<パターニング位相差フィルム>
パターニング位相差フィルムとしては、本発明のパターニング位相差フィルムを用いる。
<映像表示パネル>
(ブラックストライプBS)
本発明の映像表示システムでは、本発明による前記位相差パターニングフィルムをBSと併用する。
(BSと本発明のパターニング位相差フィルムの関係)
本発明の映像表示システムの第3の態様では、本発明のパターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が、前記BSの幅と略同じであることが、3D画質を左右するクロストーク低減効果及び正面方向の3D画質維持の観点から好ましい。
前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が前記BSのパターニング方向の幅と略同じとし、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅を視野角の改善のために確保することが好ましい。前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅は、実際の画素サイズ及びブラックマトリクスの幅に依存するが、前記偏光板と前記ガラス基板との間のBSの幅と略同じとすることで、トータルの表示品質を維持、改善することが可能となる。液晶ディスプレイパネルの内部に設けられる従来のBM1の幅は、スイッチング画素電極以外からの光モレを防ぎ、高いコントラストを得るために従来用いられている必須の構成であり、その幅は機種の設計に依存し、最適設計の下で決定されるものである。
このブラックマトリックスBM1の上下方向(パターニング位相差の長辺方向に垂直な方向)の幅が、3D表示の視角特性の改善に関わる本発明におけるパターニング位相差における第三領域の幅及び新たに前面偏光板と出射側の基板の間に設けるBSの幅の基準となるのは、BM1は必須であり、3D表示画質云々以前の2D表示画質の観点から設計されて決まるものであり、それを基に3D正面の3D表示画質(クロストークの大小)、正面輝度の維持、3D表示の視角特性を向上させることを考え、同時に満たさなければならないからである。
本発明の映像表示システムの第3の態様では、本発明の位相差パターニングフィルムの帯状の第一領域の幅と、前記位相差パターニングフィルムの帯状の第二領域の幅が、いずれも前記帯状のBSの中心線間の距離(画素ピッチに相当する)よりも狭いことが、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域の幅を確保する上で必然である。
(BSとカラーフィルターまたはTFTとの関係)
さらに、本発明のパターニング位相差フィルムの前記第三領域の幅が概ね液晶表示パネルの内部に形成されたブラックマトリックスBM1の幅に略等しく、かつ、本発明の効果を得るために新たに配置したBSの幅に略等しいことが正面輝度の維持、3D表示の正面特性(クロストーク)の維持及び視角特性向上の観点から好ましい。
ここで、カラーフィルターが一般的なRGBの3色カラーフィルターであるとき、液晶表示パネルの表示形式にもよるが、例えば水平方向にR、G、Bが繰り返し配置され、鉛直方向では同色の画素が同じ列に並ぶ態様が一般的である。本発明の好ましい態様では、パターニング位相差フィルムが横方向に延びる帯状パターンに加工される。この場合、前記カラーフィルターの観測者側位置に新たに設けられるBSとしては、この例であればカラーフィルターの水平方向の(好ましくは、帯状の)ストライプ形状となる。また、通常の設計では、前記第一領域〜第三領域の長辺の方向と、前記BSの方向は同じとなるため、新たに設けられたBSは、カラーフィルターの内面に設けられるBM1のうち前記第一領域〜第三領域のパターニング方向と等しい部分に対応、位置することになる。
ブラックマトリクスBM1をTFT基板にこれを設ける場合には、前記ガラス基板と偏光板との間に配置されるBSの幅として、その基準となるのはTFT基板に設けられたブラックマトリックスBM1の幅となる。
その場合には、本発明の映像表示システムでは、前記液晶表示パネルが帯状のブラックマトリックスを有する薄膜トランジスタ(TFTと略す)を含み、前記パターニング位相差フィルムの前記第三領域のパターニング方向の幅が、該薄膜トランジスタのブラックマトリックスBM1のパターニング方向の幅と略同じであることがカラーフィルター基板のフィルター層側にブラックマトリクスBM1を有する場合と同様に正面の3D表示画質、輝度の維持及び3D画質を左右するクロストーク低減効果の観点から好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<測定方法>
(クロストーク量)
本明細書中において、クロストーク量は図1に記載した手法により求めた。具体的には、液晶表示装置の液晶表示パネル上に液晶表示パネルの奇数ライン(水平方向)上にパターニング位相差フィルムの右眼用画像を透過する領域(前記第一領域または第二領域のいずれか一方)が、偶数ライン上にパターニング位相差フィルムの左眼用画像を透過する領域(残りの一方の領域)がくるように配置した。この画面に対し、全ライン白表示とした「表示0」と、奇数ラインを黒表示、偶数ラインを白表示とした「表示1」と、奇数ラインを白表示、偶数ラインを黒表示とした「表示2」の3パターンの表示を行い、正面、正面から左右40°まで5°おき、および正面から上下30°まで5°おきの場所(視角)から、左右の眼鏡を透過した透過光の強度を測定した。このとき、各場所でのクロストーク量は下記式(1)および(2)を計算して求めたクロストーク(右眼)とクロストーク(左眼)の平均値として求めることができる。
式(1):
表示2での右眼鏡透過光
クロストーク(右眼)=―――――――――――――×100%
表示0での右眼鏡透過光
式(2):
表示1での左眼鏡透過光
クロストーク(左眼)=―――――――――――――×100%
表示0での左眼鏡透過光
参考例1
(円偏光を表示に用いる場合のパターニング位相差フィルムの製造)
本発明のパターニング位相差フィルムの製造方法としては、パターニングしたλ/4板とλ/4板の重ね合わせ(直交してλ/4が積層される領域が第三領域となる)又は分離パターニングによる方法(λ/4のパターニング幅を画素ピッチより狭くすることで、第一及び第二領域の間に自動的に位相差0の第三領域が形成される)、λ/4位相差板と[λ/2、0]のパターニングの積層とするなど種々の製法があるが、本参考例では、製造的なメリットが大きい最後の方法で製造した場合の説明を以下に示す。
まず、基板としてλ/4位相差を有するポリカーボネート(帝人製)を選択した後、その上にラビングで配向処理を施した。ラビングによる配向処理は、PVAを0.1μmの厚さで形成できるように塗布し、180℃で焼成し、基板の有する遅相軸方向と90度を成す方向へラビング処理を行った。その後、重合性液晶を溶剤希釈した塗布液を塗布し、プリベーク処理して、所望の位相差(λ/2)が得られるように膜厚4.0μmで成膜した。
ここでは、重合性液晶を含む塗布液を、下記に示す材料を用いて調製した。塗布液の主な成分はBASF製棒状液晶:LC242を主成分とする重合性液晶のミクスチャーを溶剤として用いたMEKに溶解させ、光重合開始剤としてEP1388538A1、page21記載のLC−1−1を用いた。
照射波長を350〜400nmとして1J程度照射した。また、塗布膜の等方相転移温度Tisoは100℃であり、塗布および紫外線硬化は25℃で行った。
部分的な露光を行うために、フォトマスクを用い、光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Fusion UV Systems社製)を利用した。照度100mW/cm2で、5J及び1Jの照射を実施し、部分的な固化を行った。なお、フォトマスクのライン&スペースは232μm(照射部)/332μm(遮光部)、564μmピッチのもの(フォトマスク1)と、2回目の露光用に232μm(遮光部)/50μm(照射部)、ピッチ282μmのもの(フォトマスク2)を用いた。まず、フォトマスク1を用い5Jの照射後、フォトマスク2を用いて1Jの紫外線照射を図4のように各フォトマスクを配置して行った。この結果、5Jの照射処理をされた領域(232μm幅)と1Jの照射処理をされた領域(50μm幅)、そして未照射の領域(232μm幅)の3つの領域を形成した。各フォトマスクの構成と、形成した3つの領域の構成を図4に示した。
熱処理条件は110℃×30分の条件でオーブン内の放置により実施した。
得られたサンプルを偏光顕微鏡により観察、及びトータルの位相差を測定した結果、5Jの部分露光部で約125nm(232μm幅)、未露光部で位相差無し(1〜2nm以下)、232μm幅及びその境界領域(1J照射領域)として位相差約125nm(50μm幅)を確認した。なお、測定装置として、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製を用いて位相差の測定を行った。ここで上記、約125nmの位相差を有する領域の遅相軸は、ちょうど90度異なっていた。以上より、上記方法により良好に位相差がパターニングできることが分かった。このことから、ベースとなるλ/4位相差板に、部分的にパターニングされたλ/2とλ/4と0の位相差を有する層を積層することで、お互いに遅相軸が90度異なるλ/4の領域(第一及び第二領域に対応する)とその中間の領域(実効位相差0、第三領域に対応する)を形成することができ、本発明のパターニング位相差フィルムの構成態様を実施できたことがわかった。
製造したパターニング位相差フィルムは、前記第一領域のパターニング方向の幅は232μmであり、位相差はλ/4であった。前記帯状の第二領域のパターニング方向の幅は232μmであり、位相差がλ/4で第一領域の位相差と90度異なる遅相軸を有するものであった。前記第三領域(前記第一領域と前記第二領域の境界部)のパターニング方向の幅は全体で50μmであり、その内、位相差が0±3nmの領域の幅は45μmであった。また、膜厚は固化後の重合性液晶層厚で3.5μmであった。基材のベースフィルムを加えると略100μmであった。
得られたパターニング位相差フィルム積層体の構成を図5に示した。
参考例2
(直線偏光を表示に用いる場合のパターニング位相差フィルムの製造)
本発明のパターニング位相差フィルムを、原料として重合性液晶(具体的には参考例1と同じ)を用いて、第一領域、第二領域および第三領域(前記第一領域と前記第二領域の境界部)の各領域に対する光重合の強さ(UV光の強さと照射時間)を以下のように調整することで、直線偏光を用いるパターニング位相差フィルムを作成した。
即ち、ベース基材として可能な限り等方的な基材であるARTON フィルム(JSR株式会社製)を選択し、参考例1と同様、配向膜処理、重合性液晶塗布、熟成などの工程後、照射量を5Jの領域、1Jの領域、照射なしの領域(未露光領域)を作製し、その後、同様の熱処理を施した。
ベース基材として位相差を有しないものを用いているため5J、1J、未照射領域の位相差値はそれぞれ、λ/2、λ/4、0となった。
製造したパターニング位相差フィルムは、前記第一領域のパターニング方向の幅は232μmであり、位相差は250nmであった。前記第二領域のパターニング方向の幅は232μmであり、位相差が0nmであった。前記第三領域(前記第一領域と前記第二領域の境界部)のパターニング方向の幅は全体で50μmであり、その内、位相差が125±3nmの領域の幅は45μmであった。また、膜厚は固化後の重合性液晶層で約3.5μmであり、フィルムも含めた総厚で約100μmであった。
[比較例1]
市販の偏光眼鏡方式の3Dモニター(Zalman製、ZM−M220W、液晶表示パネルのフロント側に直線偏光フィルムを配置し、その上に、水平方向に第一領域、第二領域が直接隣り合うように繰り返しパターニングされたパターニング位相差フィルムを配置してある)をそのまま用い、3D立体表示を行った。この映像表示装置では、前記線偏光フィルムによって右眼用画像および左眼用画像は直線偏光にそれぞれ変換され、前記位相差パターニングフィルムによって例えば、右眼画像用の直線偏光が右円偏光に、左眼画像用の直線偏光が左円偏光にそれぞれ変換される。また、上記市販の3Dモニターに付属の偏光眼鏡は、常に右円偏光を通し、左円偏光を遮断する右眼鏡と、常に左円偏光を通し、右円偏光を遮断する左眼鏡からなるものである。この市販の3D映像表示システムを用いたたときにクロストーク量を測定した。結果を図2に示す。
図2より、比較例1の市販の3Dモニターに組み込まれているパターニング位相差フィルムは左右方向ではクロストーク量が小さく、視角に対してコンスタントな傾向を示していたが、上下方向においては視角がわずかに変化しただけで急激にクロストーク量が増加しており、5°視角がずれただけでクロストーク量が15%生じており、10°視角がずれるとクロストーク量が30%と顕著に高まっていたことがわかった。
参考例3
(第1の態様の映像表示システムの製造)
参考例3では、比較例1で用いた市販の3Dモニター(Zalman製、ZM−M220W)のパターニング位相差フィルムを剥がし、参考例1で製造した、パターニング方向の幅が50μmの第三領域(中間領域)を設けたパターニング位相差フィルムをその代わりに張り付けて参考例3の映像表示システムを製造した。得られた映像表示システムを用いて、比較例1と同様にクロストーク量の測定を行った。その結果を、図3に示した。また、参考例3の映像表示システムの全体の光学的関係を図6に示し、参考例3の映像表示システムの構成を図7に示した。
図3より、参考例3の映像表示装置では、左右方向ではクロストーク量が小さく、視角に対してコンスタントな傾向を示しており、比較例1と同程度であった。一方、上下方向では比較例1と比べて視野角の改善が確認できた。具体的には、5°視角がずれたときのクロストーク量が5%に抑制されており、10°視角がずれたときでようやくクロストーク量が15%程度であった。すなわち、参考例1のパターニング位相差フィルムを用いた参考例3の映像表示システムは、5°前後上下方向の視野角が改善されていたことがわかった。3D映像表示システムにおいて、上下方向の視野角が5°改善される意義は非常に大きく、例えば座った姿勢で映像を観察する人と、立った姿勢で映像を観察する人が共に3D立体映像として良好に立体認識できるため、少なくとも日常生活における使用の観点からは顕著なレベルの改善であると言える。
また、実際に、3D立体映像を表示して肉眼で比較例1のモニターを用いた場合と参考例3の映像表示システムを用いた場合を観察し、比較したところ、視野角の広さ(改善度合い)は、しっかりと確認できるものであった。
参考例4
(第2の態様の映像表示システムの製造)
第一領域及び第二領域の幅が282μmであるパターニング位相差フィルム(Zalman製、ZM−M220Wの製品で用いられているものを、そのまま用いる)を用いるとともに、新たにブラックストライプBSを前記のZalman製液晶パネルの出射側偏光板を一旦、剥離して配置した。すなわち、液晶パネルのガラス基板の最表面位置に(パターニング位相差フィルムが配置される側のガラス基板表面)帯状のブラックマトリックス(ブラックストライプ)を設けた。具体的には30μm厚のガラス基板(松浪硝子工業製)に通常の樹脂ブラック(富士フイルム(株)社製、COLOR MOSAIC-CK)を用いてパターニング形成を行った。この薄板を前記モニターの前面ガラス表面に表示画素のブラックマトリクスBM1と完全にブラックストライプBSのブラック部分がフロント側から見て一致するように位置合わせする形で正確に貼り付けた。ここで、このBM1は凡そ50μmであり、BSの幅は50μmとした。すなわち、従来のパターニング位相差フィルム(第三領域のパターニング方向の幅(0μm))に、ガラス基板のフロント側表面に設けた帯状のブラックストライプBSを備える形態とし、第2の態様の映像表示システムの効果を調べた。このときの映像表示装置の構成を図8に示した。従来のパターニング位相差フィルムの第一領域と第二領域の境界が、前記BSのパターニング方向の幅の中心と一致するように配置した。
このとき、参考例3と同様にクロストーク量を検討するとともに、目視での視野角比較を行った結果、参考例3と同様以上の効果が得られることがわかった。
[実施例
(第3の態様の映像表示システムの製造−1)
参考例1で製造した、第三領域パターニング方向の幅が50μmのパターニング位相差フィルム、すなわち、第一領域及び第二領域の幅が282μmであるパターニング位相差フィルムを用いるとともに、新たにブラックストライプBSを前記のZalman製液晶パネルの出射側偏光板を剥離して配置した。すなわち、液晶パネルのガラス基板の最表面位置に(パターニング位相差フィルムが配置される側のガラス基板表面)帯状のブラックストライプBSを設けた。具体的には30μm厚のガラス基板(松浪硝子工業製)に通常の樹脂ブラック(富士フイルム(株)社製、COLOR MOSAIC-CK)を用いてパターニング形成を行った。この薄板を前記モニターの前面ガラス表面に表示画素のブラックマトリクスBM1と完全にブラックストライプBSのブラック部分がフロント側から見て一致するように位置合わせする形で正確に貼り付けた。ここで、このBM1およびBSの幅は50μmとした。すなわち、パターニング位相差フィルム(第三領域のパターニング方向の幅(50μm))に、基板表面に設けた帯状のブラックストライプBSを備える形態とし、本発明の効果を調べた。このときの映像表示装置の構成を図9に示した。
このとき、参考例3と同様にクロストーク量を検討するとともに、目視での視野角比較を行った結果、参考例3と同様以上の効果が得られることがわかった。
[実施例
(第3の態様の映像表示システムの製造−2)
参考例1において、第三領域パターニング方向の幅が40μm、第一領域及び第二領域の幅を242μmとなるようにした以外は参考例1と同様にして、実施例用のパターニング位相差フィルムを製造した。このパターニング位相差フィルムを前記のZalman製液晶パネル上に配置した。さらに、液晶パネルのガラス基板の最表面位置に(パターニング位相差フィルムが配置される側のガラス基板表面)帯状のブラックストライプBSを設けた。実施例と同様、具体的には30μm厚のガラス基板(松浪硝子工業製)に通常の樹脂ブラック用いてパターニング形成を行った。この薄板を前記モニターの前面ガラス表面に表示画素のブラックマトリクスBM1と位置合わせする形で正確に貼り付けた。ここで、このブラックマトリックスBSの幅は25μmとした。すなわち、パターニング位相差フィルムの第三領域のパターニング方向の幅(40μm)が、基板表面に設けた帯状のBSの幅(25μm)よりも広くなるようにした。また、このときのBM1の幅は、凡そ50μmである。このときの映像表示装置の構成を図10に示した。
このとき、参考例3と同様にクロストーク量及び目視観察により視野角を比較した結果、参考例3と同様に本発明の効果が得られることがわかった。
また、輝度の低下、正面方向の3D表示画質の低下などの特性低下など副作用はみられなかった。
[比較例2]
比較例2として、特開2004−170693号の[0043]に記載の、ブラックマトリックス(ブラックストライプ)をパターニング位相差フィルムの第一領域と第二領域の間に形成したものを製造した。具体的には、λ/4位相差を有するベースフィルムに樹脂ブラック(富士フイルム(株)社製、COLOR MOSAIC-CK)を用いて、参考例1と同様にブラックストライプを50μm幅、所定のピッチで形成した。その後、重合性液晶を第一領域、第二領域ともに282μm幅で前記手法により形成した。ここで重合性液晶層の位相差は紫外線照射、未照射、それに熱処理により、λ/2及び0位相差に制御した。すなわち、フィルム全体として位相差の実効値がλ/4であって、各領域の遅相軸が互いに直交している態様のパターニングが実施された。
次に、比較例1で用いた市販の3Dモニターのパターニング位相差フィルムを剥がし、上記にて製造したパターニング位相差フィルムをその代わりに張り付けて比較例2の映像表示システムを製造した。得られた映像表示システムを用いて、比較例1と同様にクロストーク量の測定及び目視観察による視角特性の比較を行った。
その結果、比較例2の映像表示システムと実施例の映像表示システムを比較すると、実施例の映像表示システムの方が、3D表示が認識できる上下方向の視野角が広いという点で優れていた。なお、輝度などその他の表示特性についての明らかなる差異は確認できなかった。
参考例5
拡散機能層として、特許4205388号の実施例1〜4に記載の方法にしたがって作製した異方性拡散フィルムを、参考例3で製造した映像表示システムのモニター上に配置した。異方性拡散フィルムの構成を図11に示す。すなわち、具体的には、市販の3Dモニター(Zalman製、ZM−M220W)の映像パネル、参考例1のパターニング位相差フィルム、特許4205388号の実施例1〜4に記載の方法にしたがって作製した異方性拡散フィルムのいずれか1枚をこの順に貼った映像表示システムを4種類製造した。
得られた各映像表示システムを用いて3D立体映像を参考例3と同様にして観察した結果、特に異方性拡散が上下方向に大きい異方性拡散フィルムを用いたときに、上下方向での視野角の狭さに起因する違和感が参考例3の映像表示システムよりも大幅に改善できることを確認した。同時に、左右方向での表示品質の差異は、認識できるレベルではないことを確認した。
同様な確認を参考例4および実施例1、2においても行い、異方性拡散フィルムがあることで、ない場合に比較し、上下方向の視野角が改善することを確認した。
以上より、拡散機能層と、参考例3の映像表示システム(参考例1のパターニング位相差フィルムを用いたディスプレイ)、参考例4の映像表示システム(新たにBSを配置したディスプレイ)、本発明の第3の態様の実施例および参考例1のパターニング位相差フィルム及びBSを用いたディスプレイ)を組み合わせることで、特に視野角の狭い方向に散乱能を強めたものを用いることにより、3D画質の改善、すなわち、視野角の改善を行うことが可能であることが明らかになった。
以上、異方性拡散層の効果を本発明の実施例として説明したが、この効果は、本発明と同類の3D表示方式、すなわち、ディスプレイ表面に偏光変換機能層を設け、右眼左眼表示を切り分け、偏光眼鏡を用いる方式において同様である。しかしながら、本発明外の映像表示システムと異方性拡散層を組み合わせて用いたときの視野角改善効果は不満が残るものであり、本発明の映像表示システムと異方性拡散層を組み合わせて用いることでさらなる相乗効果を得ることにより、実用上満足できるレベルまで視野角改善効果を得ることができることがわかった。
参考例6
参考例3の映像表示システムにおいて、2D映像をそのまま全てのラインに表示し、裸眼で観察した。その結果、参考例3の映像表示システムで良好な2D映像を表示することができた。すなわち、本発明の映像表示システムは、2D−3D併用映像表示システムとして用いることができることがわかった。また、参考例4、5および実施例1,2において同様の確認を行い、2D−3D併用映像システムとして用いることができることを確認した。
1 右眼用画像
2 左眼用画像
3 上下方向のクロストーク値
4 左右方向のクロストーク値
10 紫外線照射部
11 非照射部
21 第一領域
22 第二領域
23 第三領域
24 パターニング位相差膜
25 λ/4位相差フィルム
26 液晶ディスプレイの偏光板(フロント側)
27 液晶ディスプレイのガラス基板(フロント側)
31 第一領域の遅相軸
32 第二領域の遅相軸(前記第一領域の遅相軸と直交する)
41 液晶ディスプレイの偏光板(フロント側)の吸収軸方向
42 映像表示装置
50 偏光眼鏡
51 右眼鏡
52 左眼鏡
53 右眼鏡のλ/4位相差板の遅相軸
54 左眼鏡のλ/4位相差板の遅相軸
55 右眼鏡の直線偏光子の吸収軸
56 左眼鏡の直線偏光子の吸収軸
61 本発明の遮光配置となる、液晶ディスプレイのガラス基板(フロント側)上のブラックストライプBS
62 カラーフィルターの画素
63 表面保護フィルム(表面保護板)。
64 カラーフィルター内のブラックマトリックスBM1
PM1 フォトマスク1
PM2 フォトマスク2
d1 フォトマスク1の透光部の幅
d2 フォトマスク1の遮光部の幅
d3 フォトマスク2の透光部の幅
d4 フォトマスク2の遮光部の幅
d11 第一領域のパターニング方向の幅
d12 第二領域のパターニング方向の幅
d13 第三領域のパターニング方向の幅
BM1 カラーフィルター内のブラックマトリックスBM1の幅
BS 本発明の遮光配置となる、液晶ディスプレイのガラス基板(フロント側)上のブラックストライプBSの幅
70…異方性拡散フィルム
71…連続相
72…分散相

Claims (14)

  1. カラーフィルター、ガラス基板および偏光板をこの順で含む液晶表示パネルを有し、
    前記液晶表示パネルの前面にパターニング位相差フィルムが配置されており、
    前記ガラス基板と前記偏光板との間の位置にブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが形成されており、
    前記パターニング位相差フィルムは、互いに位相差が異なる第一領域と第二領域が交互に繰り返してパターニングされており、第一領域と第二領域の間に、該2つの領域のほぼ平均の位相差を有する第三領域が第一領域と第二領域を隔てるように形成されている映像表示システム
  2. 前記第一領域の位相差と前記第二領域の位相差が、偏光変換機能としてλ/2位相差板に相当するだけ異なることを特徴とする請求項1に記載の映像表示システム
  3. 第一領域、第二領域および第三領域がいずれも帯状であることを特徴とする請求項1または2に記載の映像表示システム
  4. 前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅がほぼ等しく、
    前記第三領域パターニング方向の幅が、前記第一領域パターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅よりも細いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の映像表示システム
  5. 前記第一領域のパターニング方向の幅と前記第二領域パターニング方向の幅がいずれも200〜600μmであり、前記第三領域の幅が20〜100μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の映像表示システム
  6. 前記カラーフィルター内の画素間にブラックマトリックスBM1が形成されており、該ブラックマトリックスBM1の幅と前記第三領域のパターニング方向の幅とが同程度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  7. 前記ブラックマトリックスまたはブラックストライプBSが前記ガラス基板の前記偏光板側の面、または前記偏光板の前記ガラス基板側の面に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  8. 前記映像表示パネルの前面に配置された前記パターニング位相差フィルムの前面に、さらに拡散機能層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  9. 3D映像表示したときの視野角のうち、少なくとも狭い方向の視野角を拡大するように前記拡散機能層が配置されていることを特徴とする請求項に記載の映像表示システム。
  10. 前記拡散機能層が異方性拡散層であり、
    3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角を、広い方向の視野角の拡大幅よりも大きく拡大するように該異方性拡散層が配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の映像表示システム。
  11. 前記3D映像表示したときの視野角のうち狭い方向の視野角が、略鉛直方向であることを特徴する請求項8〜10のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  12. 前記拡散機能層が散乱フィルムであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  13. 右眼鏡と左眼鏡の遅相軸が直交する偏光眼鏡を含み、
    前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、かつ、左眼鏡で遮光され、
    前記パターニング位相差フィルムの前記第一領域または前記第二領域の残りの一方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、かつ、右眼鏡で遮光されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の映像表示システム。
  14. さらに、2次元映像を表示する手段を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の映像表示システム。
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