JP5875362B2 - パターン位相差フィルム、その製造方法、光学積層体の製造方法、3d画像表示装置、及びマスク - Google Patents

パターン位相差フィルム、その製造方法、光学積層体の製造方法、3d画像表示装置、及びマスク Download PDF

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Description

本発明は、微細なパターンを有するパターン位相差フィルムの裁断及び他の光学要素との位置合わせの困難性を解決する技術に関する。より詳細には、裁断用又は位置合わせ用の基準境界部を有するパターン位相差フィルム、並びにその製造方法及びそれを有する3D画像表示装置に関する。
現在、3D表示の方式に、偏光眼鏡方式(パッシブ眼鏡)がある。この方式は、2次元(2D)表示時の画質の劣化を伴わない点にも大きなメリットであり、3Dのコンテンツが十分と言えない現状では、2D−3D切り替えの実現が可能である点で、有力な方式と言える。パッシブ眼鏡方式では、表示パネルからの出射光を異なる2種の偏光状態(例えば、右偏円光と左円偏光)にし、一方の偏光のみを透過する偏光板を右眼用に、及び他方の偏光のみを透過する偏光板を左眼用にして構成された偏光眼鏡を通じて表示画面を観察させることで、立体感のある画像として認識させるものである。
パッシブ眼鏡方式において、出射光を異なる2種の偏光状態にするために、パターン位相差板が用いられている。パターン位相差板は、一般的には、遅相軸及び/又は位相差が異なる位相差領域を規則的に配置したパターン位相差層と、それを支持する支持体とからなる(例えば、特許文献1及び2)。従来、該支持体として、ガラス基板が用いられていたが、取り扱い性、薄型化及び軽量化、経済的等の観点で、支持体としてフィルムを用いたパターン位相差フィルム(FPR)が注目されている(例えば、特許文献3)。
ところで、3D画質を評価する際、最も重要な項目の一つがクロストークである。3Dにおけるクロストークとは、左右各々の眼にどれだけ望ましい形で、3D表示のための所定の光が入射するかの度合い、即ち、左眼に入射する右眼用の表示情報光量の割合、右眼に入射する左眼の表示情報光量の割合で表すことが出来、当然、クロストークが小さいほど、3D表示の画質は高いものとなる。クロストークを発生させないためには、表示装置の画素とパターニング位相差板の各パターンとを、精度良く位置合わせさせて、貼り合わせることが重要である。このため、貼り合せの際の位置合わせ精度を上げるために、何らかのアライメントマーク、基準が必要である。
例えば、高精度のアライメントマークを新たな層で形成する方法が考えられるが、経済的な観点からFPRの使用を試みるにも拘らず、製造コストが上昇してしまうという問題がある。
また、例えば、特許文献4には、アライメントマークの形成領域に、一方の配向領域用の配向膜を形成し、アライメントマークの形成領域に他方の配向領域用の配向膜を備えるパターン化位相差板が開示されている。
特開2001−59949号公報 米国特許第5327285号明細書 特許第4508280号公報 特許第4176600号公報
しかし、特許文献4に記載の方法は、ガラス板などの枚葉プロセスを前提としたものであり、ロールプロセス(ロールツーロール)には適用できないという問題があった。FPRが経済的に優れていることの一因は、長尺状に連続的に生産できることにあり、アライメントマークについても連続生産の工程の中で簡易に形成できることが望ましい。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、微細なパターンを有するパターン位相差フィルムの裁断及び他の光学素子との位置合わせの困難性を解決することを課題とする。
また、本発明は、裁断又は他の光学素子との位置合わせが容易なパターン位相差フィルム、並びにその簡易な製造方法、及びそれを有する3D画像表示装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、クロストークの軽減に寄与するパターン位相差フィルム、その簡易な製造方法、それを有する3D画像表示装置、及びそれを利用した光学積層体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 画像表示装置の表示画素部に貼合される表示画素領域を有するパターン位相差フィルムであって、
前記表示画素領域が、ストライプ状に交互に配置されているパターンを有し、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、
前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との間に有する境界部とを有し、
前記境界部のうち少なくとも1つが、他の前記境界部の幅と異なる基準境界部であるパターン位相差フィルム。
[2] 前記基準境界部の幅が、前記境界部の幅より広い[1]のパターン位相差フィルム。
[3] 前記基準境界部の幅が、前記境界部の幅より狭い[1]のパターン位相差フィルム。
[4] 前記基準境界部が、前記表示画素領域の略中央に位置する[1]〜[3]のいずれかのパターン位相差フィルム。
[5] 前記基準境界部が、前記表示画素領域の略端部に位置する[1]〜[3]のいずれかのパターン位相差フィルム。
[6] 前記境界部及び前記基準境界部が、前記第1位相差領域及び前記第2位相差領域の配向状態とは異なる配向状態からなる[1]〜[5]のいずれかのパターン位相差フィルム。
[7] 前記第1及び第2位相差領域が、面内遅相軸が互いに直交し、且つ前記境界部及び前記基準境界部の面内遅相軸方向が、前記第1位相差領域及び前記第2位相差領域の面内遅相軸方向の略中間値である[6]のパターン位相差フィルム。
[8] 前記第1及び第2位相差領域が、液晶を主成分とする同一の硬化性組成物から形成されている[1]〜[7]のいずれかのパターン位相差フィルム。
[9] 前記第1及び第2位相差領域の一方が、ディスコティック液晶の垂直直交配向状態を固定してなる領域であり、他方が、ディスコティック液晶の垂直平行配向状態を固定してなる領域である[1]〜[8]のいずれかのパターン位相差フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれかのパターン位相差フィルムの製造方法であって、
長尺のフィルムを搬送しつつ、該フィルムの表面に、長手方向に沿って、表示画素領域を形成することを特徴とするパターン位相差フィルムの製造方法。
[11] パターン露光により表示画素領域のパターンを形成する露光工程を含む[10]の方法。
[12] 前記露光がハーフ露光である[11]の方法。
[13] 前記露光工程において、開口部と遮光部とを有し、フィルム搬送方向に直交する方向の露光量が異なるように、前記開口部と前記遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を少なくとも1つ有するパターン露光用マスクを介してパターン露光する[11]又は[12]の方法。
[14] 前記露光工程が、液晶を主成分とする同一の硬化性組成物の塗布層を表面に有する長尺のフィルムを搬送しつつ、該塗布層をパターン露光する工程である[11]〜[13]のいずれかの方法。
[15] 前記露光工程が、配向膜を表面に有する長尺のフィルムを搬送しつつ、該配向膜をパターン露光する工程である[11]〜[14]のいずれかの方法。
[16] フィルム表面に形成された前記基準境界部を基準線として、長尺状のパターン位相差フィルムを裁断する工程をさらに含む[10]〜[15]のいずれかの方法。
[17] ストライプ状に交互に配置されている、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との間に境界部とを有するパターン位相差フィルムを、前記境界部を基準線として、光学要素の光学単位又は光学軸と位置合わせして貼り付けることを含む光学積層体の製造方法。
[18] 前記境界部のうち少なくとも1つが、他の前記境界部の幅と異なる基準境界部であり、前記基準境界部を基準線として光学要素の光学単位又は光学軸と位置合わせして貼り合せる[17]の方法。
[19] 前記光学要素が表示素子であり、且つ前記光学単位が画素である[17]又は[18]の方法。
[20] 3D画像表示装置に用いられる光学積層体の製造方法である[17]〜[19]のいずれかの方法。
[21] [1]〜[9]のいずれかのパターン位相差フィルムを有する3D画像表示装置。
[22] 開口部と遮光部とを有し、前記開口部と前記遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を少なくとも1つ有するパターン露光用マスク。
本発明によれば、微細なパターンを有するパターン位相差フィルムの裁断及び他の光学素子との位置合わせの困難性を解決することができる。
また、本発明によれば、裁断又は他の光学素子との位置合わせが容易なパターン位相差フィルム、その簡易な製造方法、及びそれを有する3D画像表示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、クロストークの軽減に寄与するパターン位相差フィルム、それを有する3D画像表示装置、及びそれを利用した光学積層体の製造方法を提供することができる。
本発明のパターン位相差フィルムの一例の上面模式図である。 本発明のパターン位相差フィルムの一例の断面模式図である。 表示画素領域の一例の上面模式図であり、(a)基準境界部の幅が境界部の幅より広い場合の一例の上面模式図であり、(b)基準境界部の幅が境界部の幅より狭い場合の一例の上面模式図である。 本発明のパターン位相差フィルムの製造方法の露光工程の一例の斜視模式図である。 (a):本発明に利用可能なマスクの一例の上面模式図である。(b):(a)の一部拡大上面模式図である。 本発明に利用可能なマスクの他の一例の上面模式図である。 本発明に利用可能なマスクの他の一例の上面模式図である。 垂直直交配向、垂直45度配向、及び垂直平行配向の一例の模式図である。 3D液晶表示装置の液晶セルより視認側に配置される偏光膜、パターン位相差フィルムの積層状態の一例の断面模式図である。 本発明の光学積層体の製造方法の一例を示した上面模式図である。 パターン位相差フィルムのパターンと画素との位置ズレを説明するために用いた模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
本明細書において、「長手方向」という場合は、パターン位相差フィルムのストライプ状のパターンの長さ方向をいい、パターン周期方向と直交する方向をいう。本明細書では、長尺状のパターン位相差フィルムでは、フィルムの長手方向と、パターンの長手方向は一致する。
また、本明細書では、「パターン位相差フィルム」の用語は、実際に使用される大きさに裁断された形態のフィルムのみならず、長尺状のパターン位相差フィルムや、ロール形態に巻き上げられたロール状のパターン位相差フィルム等、裁断前の形態のフィルムに対しても用いるものとする。
また、本明細書では、パターン位相差フィルムの「表示画素領域」とは、これと貼合する表示装置の表示画素部(表示可能なTFTアレイ領域に対応した領域、ゲート、データバスラインを含む)に貼合される領域をいう。
また、本明細書において、λ/4とは厳密に波長に対して1/4の位相差を表すだけでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幅を持つ。具体的には波長550nmにおいて、位相差が110nm〜165nm程度であることを表す。
本発明のパターン位相差フィルムは、画像表示装置の表示画素部に貼合される表示画素領域を有するパターン位相差フィルムであって、前記表示画素領域が、ストライプ状に交互に配置されているパターンを有し、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との間に有する境界部とを有し、前記境界部のうち少なくとも1つが、他の前記境界部の幅と異なる基準境界部であることを特徴とする。
パターン位相差フィルムは、理想上は、図11(b)のように、横ストライプ状のパターン位相差層(図11(b)では、横ストライプ状の±λ/4層が交互に配置されたパターン位相差層の例を示す)が、画素と精密にアライメント配置、位置合わせされている状態である。
しかしながら、アライメントマークや基準などがないと、図11(a)に示す通り、表示画素との位置ズレが生じる場合があり、クロストークが発生する原因となる。クロストークの発生を防止するために、精密なアライメント配置、位置合わせが要求されるが、アライメントマークや基準がないと、パターニングラインの平行度の確認を含め、容易ではない。
従来、LCDなどのアライメントマークは、フォトレジストを利用したフォトリソグラフィーの工程により形成されており、フィルム表面に対してXY座標(パターン周期方向とパターン長手方向)を特定することを基準としていた。しかし、パターン位相差フィルムにおいてクロストークの原因となる位置ズレは、パターン周期方向での位置ズレであって、ストライプパターンの長手方向の位置ズレは、クロストークには影響しない。パターン周期方向における位置ズレを防止するためには、パターニングラインの平行度の確認等が容易な、パターンの長手方向に平行なアライメントマークが重要である。また、パターン位相差フィルムを連続的に長尺状に製造する場合は、パターンを長手方向に沿って形成するのが一般的である。この様な連続的な製造プロセスにおいて、アライメントマークを同時に形成できれば、生産性を格段に改善できる。
本発明のパターン位相差フィルムは、表示画素領域内の第1位相差領域と第2位相差領域との間に、他の境界部の幅と異なる基準境界部を有する。幅の違いによって、基準境界部を他の境界部から容易に識別できるので、この基準境界部を、裁断及び光学要素との貼り合わせ時におけるアライメントに利用することができる。本発明では、表示画素領域内の第1位相差領域と第2位相差領域との間にアライメントマークとして利用可能な基準境界部を形成しているので、貼合対象の表示パネルの表示画素部中に存在する位置合わせ用のマーク等(例えばTFT基板又はCF(カラーフィルタ)基板に設けられるブラックマトリックス等)と位置合わせすることができる。それにより、表示特性において重要な、表示面内における位置合わせ精度を顕著に改善することができる。また、前記基準境界部を、第1及び第2位相差領域のパターンに平行に形成することにより、クロストークに大きく影響するパターン周期方向における位置ズレを、効果的に防止することができる。また、当該基準境界部は、第1及び第2位相差領域の形成と同時に連続的に形成できるので、連続生産におけるアライメントマーク形成の困難性を軽減することができる。
前記基準境界部は、第1及び第2位相差領域と光学的に識別可能であるのが好ましい。位置合わせは、偏光顕微鏡等の観察下において行われるのが一般的であるので、偏光顕微鏡下で観察した際に、識別可能であるのが好ましい。例えば、第1及び第2位相差領域がそれぞれ液晶組成物の配向状態を固定してなる領域である態様では、該基準境界部は、それぞれの配向状態とは異なる配向状態を固定して形成されていてもよい。基準境界部の配向状態は、第1及び第2位相差領域それぞれの配向状態が混合した状態、又はその中間の状態であってもよい。また、基準境界部は、液晶組成物の等方相を固定してなる領域であってもよい。基準境界部以外の境界部についても同様である。この様に、第1及び第2位相差領域とは異なる配向状態を固定してなる基準境界部及び境界部は、偏光顕微鏡下で観察すると、第1及び第2位相差領域の境界ラインとして観察される。本発明では、境界部及び基準境界部の幅が異なっているので、容易に基準境界部を判別することができる。また、基準境界部又は境界部は、第1及び第2位相差領域のパターニングラインと平行であるので、基準境界部又は境界部を基準線として画素などと位置合わせを行えば、パターン周期方向に位置ズレのない位置合わせを行うことができる。
なお、遅相軸又は位相差が互いに異なる位相差領域が面内に所定のパターンで配置されたパターン位相差フィルムについては、各位相差領域が隣接し、境界部が存在しないのが理想である。しかし、実際には、境界部を完全になくすことは困難であり、通常、位相差領域間には、幅1〜30μmの境界部が存在する。当該境界部は、等方性であるか又は第1位相差領域及び第2位相差領域のいずれとも異なる位相差のある領域であるので、境界部の存在が、パターン位相差フィルムの光学特性に影響することが懸念され、従来、当該境界部については、狭いほど好ましいとされている。しかし、実際に、パターン位相差フィルムを液晶パネル等に実装すると、該パネルの画素間に配置されるブラックマトリックス(一般的には、カラーフィルタ基板上に形成されている)により遮光されるため、ある程度の幅の境界部が存在していても、パターン位相差フィルムを貼合した表示装置の3D表示特性に影響することはほとんどない。
以下、図面を用いて、本発明のいくつかの実施形態を説明するが、図中の各層の厚みの相対的関係は、実際の相対的関係を反映しているわけではない。また、図中、同一の部材については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する場合がある。
図1は、本発明のパターン位相差フィルムの一例の上面模式図である。図1に示すパターン位相差フィルムは、表示画素領域内に、ストライプ状に交互に配置されている第1位相差領域14及び第2位相差領域15と、第1及び第2位相差領域14、15の間であり、長手方向に沿って形成されている境界部17と、境界部17と幅が異なる基準境界部18とを有する。なお、図1は、基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも広い態様であるが、図3(b)に一例を示すように、基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも狭い態様であってもよい。
境界部17及び基準境界部18は、第1及び第2位相差領域14、15の間に長手方向に沿って形成されている。境界部17及び基準境界部18は、偏光顕微鏡(カメラ)で容易に確認でき、しかもパターニングラインに平行であるので、基準境界部又は境界部を基準線として画素等と位置合わせを行えば、パターン周期方向に位置ズレのない位置合わせを行うことができる。基準境界部18は、後述する方法により、第1及び第2位相差領域の形成と同時に形成できるので、任意の位置に形成できる。これにより、表示パネルとの位置合わせを、作業性等を考慮して、任意の場所を基準にして行うことができる。位置合わせは、基準境界部又は境界部を基準線として行うことができるが、境界部と幅が異なる基準境界部にて位置合わせをすることが、より容易で好ましい。表示特性で重要となるのは、表示パネルの画面中央部であるので、表示パネルの中央部において正確な位置合わせができるのが望ましい。また、基準境界部18は、表示画素領域の略中央以外に、表示画素領域において、基準境界部18が、パターン位相差フィルムの長手方向の略端部に存在していてもよい。なお、基準境界部18は、面内に少なくとも1つ存在すればよく、複数存在していてもよい。また、基準境界部18は、表示画素領域外に存在していてもよい。
境界部17と基準境界部18との幅の差は、判別できる程度の差であればよく、一例は、基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも広い態様であり、また、基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも狭い態様であってもよい。境界部17の幅は、一般的に1〜30μmである。基準境界部18の幅は、境界部17の幅から識別可能であればよく、そのためには、幅3μmを超える違いがあるのが好ましく、5μmを超える違いがあるのがより好ましく、7μm以上の違いがあるのがより好ましい。基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも広い態様では、画素領域内に存在することによる表示特性への影響等を考慮すると、基準境界部18の幅は30μm以下であるのが好ましい。本態様の一例では、基準境界部18の幅は、25〜3μmであることが好ましく、10〜3μmであることがより好ましく、8〜3μmであることが特に好ましい。基準境界部18の幅が境界部17の幅よりも狭い態様である場合、形成の容易性を考慮すると、基準境界部18の幅は、30μm以下であるのが好ましい。本態様の一例では、基準境界部18の幅は、15〜1μmであることが好ましく、8〜1μmであることがより好ましく、5〜1μmであることが特に好ましい。
図1に示すパターン位相差フィルムは、いわゆるFPRであり、図2の断面模式図に示す様に、パターン光学異方性層12と、これを支持するポリマーフィルムからなる支持体フィルム13とを有する。なお、通常、位相差層の配向を制御するために用いられる(光)配向膜層の記載は省略してある。なお、パターン光学異方性層12は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。
パターン光学異方性層12は、液晶化合物を主成分とする硬化性組成物の1種又は複数種から形成することができ、液晶化合物のうち、重合性基を有する液晶化合物が好ましい。
パターン光学異方性層12の一例は、図3(a)及び(b)に示すように、第1及び第2位相差領域14、15の面内遅相軸a及びbが互いに直交するとともに、面内レターデーションReがλ/4であるパターンλ/4層である。この態様のパターン光学異方性層を偏光膜と組み合わせると、第1及び第2位相差領域のそれぞれを通過した光は互いに逆向きの円偏光状態になり、それぞれ右眼及び左眼用の円偏光画像を形成する。
前記パターンλ/4層は、例えば、支持体フィルム13の表面上に一様に配向膜を形成し、一方向に配向処理し、配向処理面上にて、前記液晶性硬化性組成物を配向させ、当該配向状態に固定することで形成できる。前記第1及び第2位相差領域14、15の一方については、液晶を配向規制処理方向(例えばラビング方向)に対して直交且つ垂直に配向させ、即ち直交垂直配向させ、他方については、液晶を配向規制処理方向(例えばラビング方向)に対して平行且つ垂直に配向させ、即ち平行垂直配向させ、それぞれの状態を固定することで、各位相差領域を形成できる。この方法の詳細については後述する。
上記方法では、境界部17及び基準境界部18も、前記液晶性硬化性組成物から形成される。境界部17又は基準境界部18を表示パネルとパターン位相差フィルムとの貼合を行うためのアライメントマークとして利用するためには光学的に識別可能であることが重要であり、第1及び第2位相差領域14、15の位相差と異なる位相差を有するか(偏光で認識する場合)、光学濃度等の吸収特性を異なるものとする必要がある。そのためには、境界部17及び基準境界部18は、第1及び第2位相差領域14、15それぞれの配向状態とは異なる配向状態に固定して第3の領域として形成されているのが好ましい。例えば、境界部17及び基準境界部18の配向状態は、第1及び第2位相差領域14、15それぞれの配向状態が混合した状態、又は中間の配向状態(遅相軸方向が第1及び第2位相差領域の遅相軸方向の中間)であってもよい。また、境界部17及び基準境界部18は、液晶性硬化性組成物の等方相を固定してなる領域であってもよい。更には、本発明のフィルムが2層構成(例えば、λ/2のパターニング層とλ/4層との積層により、λ/4層のパターニングを得るフィルム)の場合には、λ/2のパターニング層のパターニングエッジに光学的に識別可能なものを形成(例えば、境界形状を直線でなくギザギザ状の微細な曲線を付けるなど)することで境界部17及び基準境界部18を識別するようにしてもよい。
第1及び第2位相差領域14、15を形成する際に、パターン露光用マスクを介してパターン露光を行う場合、開口部と遮光部とを有し、フィルム搬送方向に直交する方向の露光量が異なるように、開口部と遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を少なくとも1つ有するパターン露光用マスクを用いて露光することで、基準境界部のパターンを形成することができる。長尺状の支持体フィルム13上に連続的にパターンを形成することができるので、製造適性に優れる。製法の詳細については後述する。
本発明のパターン位相差フィルムは、所望により裁断された後、画素と位置合わせされた状態で、表示パネルに貼合される。具体的には、表示パネルの表示画素部に、パターン位相差フィルムの表示画素領域が貼合され、境界部17又は基準境界部18は、ブラックマトリックスの配置位置に貼合される。
本発明のパターン位相差フィルムは、3D画像表示装置、特にパッシブ方式の3D画像表示装置の部材として有用である。この態様では、第1及び第2位相差領域のそれぞれを通過した偏光画像は、偏光眼鏡等を介して右眼用又は左眼用の画像として、認識される。従って、左右画像が不均一とならないように、第1及び第2位相差領域は、互いに等しい形状であるのが好ましく、また、それぞれの配置は、均等且つ対称的であるのが好ましい。
本発明において、前記パターン光学異方性層は、図3(a)及び(b)に示す態様に限定されるものではない。第1及び第2位相差領域の一方の面内レターデーションがλ/4であり、且つ他方の面内レターデーションが3λ/4である表示画素領域を利用することができる。さらに、第1及び第2位相差領域14及び15の一方の面内レターデーションがλ/2であり、且つ他方の面内レターデーションが0である表示画素領域を利用することもできる。
また、第1及び第2位相差領域の各パターンの面内遅相軸は、パターン配向膜等を利用することで、互いに異なる方向、例えば互いに直交する方向に調整することができる。パターン配向膜としては、マスク露光によりパターニング配向膜を形成可能な光配向膜、及びマスクラビングによりパターニング配向膜を形成可能なラビング配向膜、異種の配向膜(例えば、ラビングに対して、直交又は平行に配向する材料)を印刷等でパターニング配置したものなど、いずれも利用することができる。なお、第1及び第2位相差領域の各面内遅相軸が互いに直交する方向である場合、境界部及び基準境界部の面内遅相軸は第1及び第2位相差領域の面内遅相軸方向の略中間値、即ち45度程度であることが好ましい。
本発明のパターン位相差フィルムは、図1〜図3に簡略化して示した態様に限定されるものではなく、他の部材を含んでいてもよい。例えば、上記した通り、パターン光学異方性層を、配向膜を利用して形成する態様では、支持体フィルムとパターン光学異方性層との間に、配向膜を有していてもよい。また、外側表面には、各種の表面層(ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層など)とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等が配置されていてもよい。
本発明は、本発明のパターン位相差フィルムの製造方法にも関する。本発明の製造方法は、本発明のパターン位相差フィルムの製造方法であって、長尺のフィルムを搬送しつつ、該フィルムの表面に、長手方向に沿って、表示画素領域を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法では、例えば、ロール形態に巻き上げられた長尺状のフィルムを、送り出し、搬送しながら、その表面に連続的に所定の表示画素領域を形成し、長尺状のパターン位相差フィルムを連続的に製造する。所望により再びロール形態に巻き上げ、ロール形態で、保存・搬送してもよい。本発明によれば、いわゆるロールツーロールプロセスで、アライメントマーク付きパターン位相差フィルムを作製でき、パターン位相差フィルムの生産性の向上に大きく寄与する。
本発明の製造方法では、液晶組成物を利用して表示画素領域を形成するのが好ましく、液晶を主成分とする同一の硬化性液晶組成物を利用して、第1及び第2位相差領域を形成するのが好ましく、パターン露光により表示画素領域を形成するのが好ましい。
露光工程の一例の斜視模式図を図4に示す。露光工程の一例は、液晶を主成分とする硬化性液晶組成物の塗布層や配向膜を表面に有する長尺のフィルムを、ロール、ドラム等の搬送部材によって搬送しつつ、その上部から、開口部を有するパターン露光用マスクを介して実施される。
露光工程では、露光量(露光強度)のオン・オフ(即ち、マスクの開口部と遮光部による)パターン露光だけでなく、露光装置の開口部の形状を変えて露光量を変えることで実現できるハーフ露光により露光することもできる。
本発明で使用するパターン露光用マスクの一例は、図5(b)に示すように、開口部と遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を少なくとも1つ有する態様である。本発明で使用するパターン露光用マスクの詳細については後述する。
また、露光工程では、露光量(露光強度)のオン・オフ(即ち、マスクの開口部と遮光部による)パターン露光だけでなく、露光装置の開口部の形状を変えて露光量を変えることで実現できるハーフ露光により露光することもできる。
露光工程では、位相差層の制御方法に応じて、直線偏光、非偏光などの光源を用いることが可能であり、同時に、それに適した(光)配向膜などが必要である。露光工程は、フィルム上に形成された液晶を主成分とする硬化性液晶組成物の塗布層に対して行っても、又は該塗布層下の液晶の配向を制御するための配向膜に対して行ってもよい。ここで、従来より、よく知られている直線偏光を用いた光配向技術によりパターン位相差フィルムを形成することは可能であるが、特に、一方向に配向処理された配向膜を利用して、一種の硬化性液晶組成物から、パターン位相差領域を形成できると、連続生産において有利である。
一例は、以下の通りである。
長尺フィルム上に、一方向に配向処理された配向膜を形成する工程と、
該配向膜を、パターン露光して、露光部に、配向処理によって生じた配向制御能とは異なる配向制御能を有する第1の配向制御領域を、未露光部に、配向処理によって生じた配向制御能を有する第2配向制御領域を形成するパターン露光工程と、
該配向膜上に、液晶を主成分とする硬化性液晶組成物の塗布層を形成し、
前記塗布層中の液晶を、第1の配向制御領域、及び第2の配向制御領域のそれぞれの配向制御能により、互いに異なる方向に配向させる工程と、
上記配向状態を、維持したまま配向状態を固定し、第1及び第2位相差領域を形成する工程とを含む方法である。
前記方法では、パターン露光を配向膜に対して行う。パターン露光時に第1及び第2位相差領域それぞれを形成するのに必要な開口率を有するとともに、境界部を形成可能な開口率を有するマスクを用いるのが好ましい。使用可能なマスクの一例は、開口部と遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を有するパターン露光用マスクである。例えば、当該マスクの開口部及び遮光部を介してそれぞれ露光された領域には、第1及び第2位相差領域それぞれを形成するための配向制御領域が形成される。一方、開口率調整部を介して形成される領域には、開口部及び遮光部それぞれを介して露光された領域とは異なる露光量で露光が実施されるので、第1及び第2位相差領域とは異なる配向状態に液晶を配向制御させ得る配向制御領域が形成される。開口部及び遮光部それぞれを介して露光された領域の間にも、製造上、必然的にある程度の幅(例えば3μm程度の幅)の境界部が形成されるが、開口率調整部の幅を調整することで、当該境界部とは異なる幅の基準境界部を形成することができる。
開口率調整部は、開口率調整部を介して照射される照射量(単位面積当たり)が、開口部及び遮光部それぞれを介して照射される照射量(単位面積当たり)の間に相当する照射量であることが好ましく、更に言えば、特に中間値程度であるのが好ましい。例えば、開口部及び遮光部それぞれの照射量が100%及び0%である例では、開口率調整部の照射量は、5〜95%程度、より好ましくは、10〜90%であるのが好ましい。更には、20〜80%であるのが好ましい。なお、以上の最適な照射量は、用いる配向膜材料及び硬化性の位相差材料に依存する。
図5(a)に本発明に使用可能なパターン露光用マスクの一例の全体上面模式図、及び図5(b)に図5(a)の一部拡大上面模式図に示す(ここでは、一例として、開口率調整部に開口部の約50%の照射がされる場合を示したが、この割合に限定されるものではない)。図5に示すマスクは、図5(a)及び(b)に示す通り、幅がPである開口部と幅がPである遮光部とを有し、一部の開口部と遮光部との間に、開口部のストライプ形状の長手方向に沿って開口率が100%から0%に変化する開口率調整部を有する。当該マスクを介して、図中矢印方向、即ち開口率が変化する方向に沿って搬送されるフィルム上の配向膜等に露光すると、開口率調整部には、開口部と比較して単位面積当たり約半分の露光量で露光される。これにより、開口部及び遮光部それぞれを介して露光された第1及び第2位相差領域形成のための配向制御領域とは異なる配向状態に液晶を配向制御させ得る配向制御領域が形成される。開口率調整部を介して露光された配向制御領域上で液晶組成物を配向させ、該配向状態に固定することで、基準境界部を形成することができる。
本発明のパターン露光用マスクの一例は、図5(b)に示すように、1つの開口部の開口率を変化させた態様である。即ち、フィルム搬送方向(開口部の長手方向)に沿って開口率を変化させた態様である。
開口率調整部は、開口部におけるフィルム搬送方向に沿って開口率を変化させることが好ましい。一例は、開口部の幅方向に開口率調整部を移動させる態様である。移動させる幅Wは、15〜1μmであることが好ましく、10〜1μmであることがより好ましく、5〜1μmであることが特に好ましい。なお、露光に用いる光源は、完全なる平行光ではないため、実際に形成される基準境界部の幅は、上記のマスク設計値より、通常、広くなる。
図6に本発明で使用するパターン露光用マスクの他の例の上面模式図を示す。図6は、開口部の開口率を複数変化させた態様である。これにより、開口部の形状が変わる際に露光量が変わり、第1又は第2位相差領域とは光学特性が異なるパターンを形成することができる。
図7に本発明で使用するパターン露光用マスクの他の例の上面模式図を示す。図7は、図5(b)のパターン露光用マスクのパターンと逆の態様、即ち、1つの開口部と遮光部との間を除いて、全ての開口部と遮光部との間に、開口率調整部を形成した態様である。図7は、開口率調整部の照射量を約50%とする場合を示しているが、この割合に限定されるものではない。図7に示すマスクを用いて露光することで、開口率調整部が形成されていない開口部と遮光部との間には、幅の狭い基準境界部が形成され、開口率調整部が形成されている、他の全ての開口部と遮光部との間には、開口率調整部の存在により、幅の広い境界部が形成される。
以下に、本発明に利用可能な、液晶組成物を利用した表示画素領域のパターンの形成方法のいくつかの例について詳細に説明する。
上記した通り、表示画素領域のパターンを、一方向に配向処理された配向膜を利用して、一種の硬化性液晶組成物から形成できると、連続生産において有利である。重合性基を有する液晶化合物、特に重合性基を有するディスコティック液晶化合物を主成分とする組成物を利用する方法として、以下の方法を利用できる。
第1の態様は、液晶の配向制御に影響を与える複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。例えば、配向膜による配向制御能と、液晶組成物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(配向膜による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。例えば、所定のピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコール配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基が、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度に配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、ラビング方向に対して液晶の直交配向を促進する。前記ピリジニウム誘導体は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、前述した、液晶、特にディスコティック液晶との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍における直交配向を誘起する。特に、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。しかし、その効果は、ある温度を超えて加熱すると、水素結合が切断され、前記ピリジニウム化合物等の配向膜表面における密度が低下し、その作用を消失する。その結果、ラビング配向膜そのものの規制力により液晶が配向し、液晶は平行配向状態になる。この方法の詳細については、特願2010−141346号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第2の態様は、パターン配向膜を利用する態様である。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶組成物を配置し、液晶を配向させる。液晶は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって配向規制され、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1及び第2の位相差領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。また、配向膜を一様に形成し、配向制御能に影響を与える添加剤(例えば、上記オニウム塩等)を別途所定のパターンで印刷することによって、パターン配向膜を形成することもできる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点では、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特願2010−173077号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
また、第1及び第2の態様を併用してもよい。一例は、配向膜中に光酸発生剤を添加する例である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。前記配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
この態様では、配向膜への光照射の露光量が0mJ程度であると、配向膜材料、ディスコティック液晶、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、ディスコティック液晶は、その遅相軸がラビング方向と垂直直交する方向に配向する(図8(a))。露光量が50mJ程度であると、例えば、光酸発生剤から酸性化合物が発生し、前記相互作用による支配が弱まり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、ディスコティック液晶は、その遅相軸をラビング方向と平行にして垂直平行配向する(図8(c))。露光量が25mJ程度であると、例えば、光酸発生剤から酸性化合物が発生し、前記相互作用による支配がやや弱まり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配するようになる。ディスコティック液晶は、その遅相軸をラビング方向と45度の方向に配向する(図8(b))。なお、図8中の矢印は、ラビング処理方向を表す。なお、上記は一例であり、最適な照射量は、用いる材料(配向膜成分及び硬化性位相差材料成分)及びプロセスに依存する。
さらに、第3の態様として、重合性が互いに異なる重合性基(例えば、オキセタニル基及び重合性エチレン性不飽和基)を有するディスコティック液晶を利用する方法がある。この態様では、ディスコティック液晶を所定の配向状態にした後、一方の重合性基のみの重合反応が進行する条件で、光照射等を行い、プレ位相差層を形成する。次に、他方の重合性基の重合を可能にする条件で(例えば他方の重合性基の重合を開始させる重合開始剤の存在下で、マスク露光を行う。露光部の配向状態は完全に固定され、所定のReを有する一方の位相差領域が形成される。未露光領域は、一方の反応性基の反応が進行しているものの、他方の反応性基は未反応のままとなっている。よって、等方相温度を超え、他方の反応性基の反応が進行可能な温度まで加熱すると、未露光領域は、等方相状態に固定され、即ち、Reが0nmになる。
本発明に利用可能な支持体(支持体フィルム)としては、その材料については特に制限はない。低レターデーションのポリマーフィルムを用いるのが好ましく、具体的には、面内レターデーションの絶対値が約10nm以下のフィルムを用いるのが好ましい。偏光膜とパターン位相差フィルムとの間に、偏光膜の保護膜が配置されている態様でも、該保護膜として、低レターデーションのポリマーフィルムを用いるのが好ましく、具体的範囲については、上記通りである。
本発明に使用可能な支持体フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、前記フィルムの材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
また、前記フィルムの材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることが出来る。
前記支持体フィルムの製法については特に制限はなく、溶液製膜法であっても溶融製膜法であってもよい。また、レターデーションの調整のために延伸処理が施された延伸フィルムを用いてもよい。
前記方法により、表示画素領域を形成した後、さらにその表面上に、または支持体フィルムの裏面(表示画素領域を構成する光学異方性層が形成される表面と反対側の表面)上に、所定の機能を有する表面層を形成してもよい。また、支持体フィルムとして、あらかじめその裏面(表示画素領域を構成する光学異方性層が形成される表面と反対側の表面)に、表面層が形成されたフィルムを用いてもよい。表面層は、外部からの物理的衝撃から保護するためのハードコート層や、外光の映り込みを防止するための反射防止層等が挙げられる。一例は、ハードコート層及び低反射層、アンチグレア層などの反射防止層が積層された例である。上記表面層は、上記層とともに、又は上記層に替えて、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を有していてもよい。上記反射防止層及びハードコート層を構成する各層の詳細については、特開2007−254699号公報の[0182]〜[0220]に記載があり、本発明に利用可能な反射防止層等についても好ましい特性、好ましい材料等について、同様である。
本発明は、パターン位相差フィルムを有する光学積層体の製造方法にも関する。本発明の光学積層体の製造方法で使用するパターン位相差フィルムは、本発明のパターン位相差フィルムであってもよく、ストライプ状に交互に配置されている、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、前記第1及び第2位相差領域との間に境界部とを有するパターン位相差フィルムであってもよい。前記境界部は、貼合時のアライメント基準として用いる。前記境界部の幅は、1〜30μmであるが、適用する表示パネルのブラックマトリックス(ブラックストライプ)部分の幅によっては、上記範囲外であってもよい。前記境界部は、第1及び第2位相差領域とは位相差が異なる態様であってもよく、第1及び第2位相差領域と光学濃度等の吸収特性が異なる態様であってもよい。更には、それ以外の光学的に認識可能な態様をとってもよい。
前記方法は、パターン位相差フィルムの基準境界部又は境界部を目印にして、光学要素の光学単位又は光学軸と位置合わせして貼合わせることを特徴とする。表示画素領域と位置合わせする光学要素の一例は、表示素子であり、光学単位又は光学軸の一例は、画素であり、具体的には、液晶パネルの画素、偏光膜の透過軸である。
図10は、本発明の光学積層体の製造方法の一例を示した上面模式図である。例えば、実際の表示パネルとパターン位相差フィルムとの貼合では、表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸に対して直交する配置に直線偏光子をパターン位相差フィルムと偏光顕微鏡との間に配置し、偏光顕微鏡で認識して位置合わせして貼り合せる。
パターン位相差フィルムが有する境界部又は基準境界部は、表示パネルと貼合する際に、表示パネルのブラックマトリックス部分に配置貼合されるのが好ましい。境界部及び基準境界部の位相差の値が第1及び第2位相差領域と異なる場合には、偏光フィルタを介してパターン画像の認識を行う必要があり、この場合には、アライメント用の偏光顕微鏡(カメラ)とパターン位相差フィルムとの間に偏光子を配置して、パターン画像認識を行う必要がある。
前記パターン位相差フィルムは、境界部又は基準境界部が、表示画素領域の長手方向に沿って形成されているので、パターン周期方向における位置合わせが容易であり、表示画素領域と表示素子の画素とを精密に位置合わせすることができる。このため、3D画像表示装置に使用することで、クロストークの発生を防止できる。
パターン位相差フィルムが有する境界部又は基準境界部は、位置合わせのみならず、裁断のためのマークとしても利用することができる。さらに、同一のフィルム上に、異機種用の互いに異なるピッチの表示画素領域を形成する場合には、その製品区分として、前記基準境界部を活用することもできる。
本発明は、本発明のパターン位相差フィルムを有する3D画像表示装置にも関する。一例は、本発明のパターン位相差フィルムと、直線偏光膜と、表示パネルとを少なくとも有する立体画像表示装置である。前記パターン位相差フィルム及び直線偏光膜は、表示パネルの視認側表面に配置され、入射する光を、右眼用及び左眼用の偏光画像(例えば円偏光画像)に分離する。観察者は、これらの偏光画像を、偏光眼鏡(例えば円偏光眼鏡)等の偏光板を介して観察し、立体画像として認識する。
なお、本発明のパターン位相差フィルムが有する境界部又は基準境界部は、表示パネルと貼合する際に、表示パネルのブラックマトリックス部分に配置貼合されるのが好ましい。表示特性で最も重要となるのは表示パネルの画面中央部であるので、基準境界部がパターン位相差フィルムの略中央部に有しているフィルムを用いて、表示パネルの中央部において正確な位置合わせをするのが好ましい。
本発明では、表示パネルについてなんら制限はない。例えば、液晶層を含む液晶パネルであっても、有機EL層を含む有機EL表示パネルであっても、プラズマディスプレイパネルであってもよい。いずれの態様についても、種々の可能な構成を採用することができる。また、液晶パネル等は、視認側表面に画像表示のための偏光膜を有するが、本発明のパターン偏光板が有する偏光膜は、当該偏光膜を兼ねていても勿論よい。
表示パネルの一例は、透過モードの液晶パネルであり、一対の偏光膜とその間に液晶セルとを有する。偏光膜のそれぞれと液晶セルとの間には、通常、視野角補償のための位相差フィルムが配置される。液晶セルの構成については特に制限はなく、一般的な構成の液晶セルを採用することができる。液晶セルは、例えば、対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、必要に応じて、カラーフィルタ層などを含んでいてもよい。液晶セルの駆動モードについても特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)、ブルーフェイズ等の種々のモードを利用することができる。
本発明のパターン位相差フィルムを、3D画像表示装置の視認側表面に配置する場合は、ハードコート層等の表面層を表面に配置するのが好ましい。例えば、図9に断面模式図として示す通り、本発明のパターン位相差フィルムは、液晶表示装置のフロント側(親面側)偏光板と、粘着剤又は接着剤を利用して一体化され、表示装置に組み込まれる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
図6の開口部の幅Pが363μm、長さが20mm、移動幅Wが0μmのパターン露光用マスクを用いて、位相差フィルムを作製した。表示画素領域には、互いの面内遅相軸が直交し(±45度方向に遅相軸を有する)、位相差がλ/4である、第1及び第2位相差領域を、配向膜及びディスコティック液晶を利用して、それぞれ形成した。境界部の幅は、5μmであり、境界部と区別可能な基準境界部は存在しなかった。また、第1及び第2位相差領域のピッチは約363μmであった。偏光顕微鏡で観察したところ(クロスニコル下)、境界部と第1及び第2位相差領域とは容易に認識でき、区別することが可能であった。
マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用い、境界部をアライメントマークとして利用し、アライメント実験を行った結果、平行度の確認を境界部を追跡して行うことで、位置合わせが可能であり、高精度でのアライメントが可能であることがわかった。貼合作業には、クライムプロダクツ(株)製の高精度貼合装置を用いた。
実際の表示パネル貼合では、図10に示すように、液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸に対して、直交する配置に直線偏光子を配置し、それを通して、偏光顕微鏡(カメラ)で認識する配置とした。このようにすることにより、アライメントの基準となる境界部をはっきり認識することができ、表示パネルとの高精度(±10μm)の貼合ができた。
[実施例2]
図6の開口部の幅Pが363μm、長さが20cm、移動幅Wが5μmのパターン露光用マスクを用いて、図1〜図3と同様の構成の位相差フィルムを作製した。表示画素領域には、互いの面内遅相軸が直交し(±45度方向に遅相軸を有する)、位相差がλ/4である、第1及び第2位相差領域を、配向膜及びディスコティック液晶を利用して、それぞれ形成した。境界部の幅は、5μmであり、基準境界部の幅は10μmであった。また、第1及び第2位相差領域のピッチは約363μmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、境界部と基準境界部との幅の違いは容易に認識でき、区別することが可能であった。
マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用い、基準境界部をアライメントマークとして利用し、アライメント実験を行った結果、平行度の確認を基準境界部を追跡して行うことで、位置合わせが可能であり、実施例1に比べて短時間での高精度でのアライメントが可能であることがわかった。貼合作業には、クライムプロダクツ(株)製の高精度貼合装置を用いた。
[実施例3]
図7の開口部の幅Pが363μm、長さが20cm、移動幅Wが5μmのパターン露光用マスクを用いてパターン位相差フィルムを作製した以外は、実施例2と同様にして位相差フィルムを作製した。境界部の幅は、10μmであり、基準境界部の幅は5μmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、境界部と基準境界部との幅の違いは容易に認識でき、区別することが可能であった。
マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用い、基準境界部をアライメントマークとして利用し、アライメント実験を行った結果、平行度の確認を基準境界部を追跡して行うことで、位置合わせが可能であり、実施例1に比べて短時間での高精度でのアライメントが可能であることがわかった。貼合作業には、クライムプロダクツ(株)製の高精度貼合装置を用いた。
[実施例4]
図5の開口部の幅Pが363μm、長さが20cm、移動幅Wが2μmのパターン露光用マスクを用いてパターン位相差フィルムを作製した以外は、実施例2と同様にして位相差フィルムを作製した。境界部の幅は、5μmであり、基準境界部の幅は8μmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、境界部と基準境界部との幅の違いは容易に認識でき、区別することが可能であった。
マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用い、基準境界部をアライメントマークとして利用し、アライメント実験を行った結果、平行度の確認を基準境界部を追跡して行うことで、位置合わせが可能であり、実施例1に比べて短時間での高精度でのアライメントが可能であることがわかった。貼合作業には、クライムプロダクツ(株)製の高精度貼合装置を用いた。
[実施例5]
実施例1において、2回の直線偏光露光を光配向膜(Rolic製)に照射した後、棒状重合性液晶を塗布することにより第1及び第2位相差領域を形成した以外は同様の方法によりパターン位相差フィルムを形成した。
マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用いてアライメント実験を行った結果、平行度の確認を基準境界部を追跡して行うことで、位置合わせが可能であり、短時間での高精度でのアライメントが可能であることがわかった。貼合作業には、クライムプロダクツ(株)製の高精度貼合装置を用いた。
[比較例1]
実施例1と同様にして、基準境界部が存在しない位相差フィルムを作製した。マーク入りガラス基板を用いて、作製したパターン位相差フィルムを用いて、境界部をアライメントマークとして利用せず、フィルム裁断端(エッジ)を利用して、アライメント実験を行った結果、平行度の確認、位置合わせが極めて困難であり、目標ラインの特定に長時間を要した。また、高精度のアライメントが実際上できなかった。
12 光学異方性層
13 支持体フィルム
14 第1位相差領域
15 第2位相差領域
16 表示画素領域
17 境界部
18 基準境界部
P 開口部及び遮光部の幅
W 移動幅

Claims (19)

  1. 画像表示装置の表示画素部に貼合される表示画素領域を有するパターン位相差フィルムであって、
    前記表示画素領域が、ストライプ状に交互に配置されているパターンを有し、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、
    前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との間に有する境界部とを有し、
    前記境界部のうち少なくとも1つが、他の前記境界部の幅と異なる基準境界部であるパターン位相差フィルム。
  2. 前記基準境界部の幅が、前記境界部の幅より広い請求項1に記載のパターン位相差フィルム。
  3. 前記基準境界部の幅が、前記境界部の幅より狭い請求項1に記載のパターン位相差フィルム。
  4. 前記基準境界部が、前記表示画素領域の略中央に位置する請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルム。
  5. 前記基準境界部が、前記表示画素領域の略端部に位置する請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルム。
  6. 前記境界部及び前記基準境界部が、前記第1位相差領域及び前記第2位相差領域の配向状態とは異なる配向状態からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルム。
  7. 前記第1及び第2位相差領域が、面内遅相軸が互いに直交し、且つ前記境界部及び前記基準境界部の面内遅相軸方向が、前記第1位相差領域及び前記第2位相差領域の面内遅相軸方向の略中間値である請求項6に記載のパターン位相差フィルム。
  8. 前記第1及び第2位相差領域が、液晶を主成分とする同一の硬化性組成物から形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルム。
  9. 前記第1及び第2位相差領域の一方が、ディスコティック液晶の垂直直交配向状態を固定してなる領域であり、他方が、ディスコティック液晶の垂直平行配向状態を固定してなる領域である請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルムの製造方法であって、
    長尺のフィルムを搬送しつつ、該フィルムの表面に、長手方向に沿って、表示画素領域を形成することを特徴とするパターン位相差フィルムの製造方法。
  11. パターン露光により表示画素領域のパターンを形成する露光工程を含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記露光に用いる露光装置の開口部の形状を変えることにより露光量を変更する工程を含む請求項11に記載の方法。
  13. 前記露光工程において、開口部と遮光部とを有し、フィルム搬送方向に直交する方向の露光量が異なるように、前記開口部と前記遮光部との間に任意の方向に開口率が変化する開口率調整部を少なくとも1つ有するパターン露光用マスクを介してパターン露光する請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記露光工程が、液晶を主成分とする同一の硬化性組成物の塗布層を表面に有する長尺のフィルムを搬送しつつ、該塗布層をパターン露光する工程である請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記露光工程が、配向膜を表面に有する長尺のフィルムを搬送しつつ、該配向膜をパターン露光する工程である請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. ストライプ状に交互に配置されている、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域と、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との間に境界部とを有するパターン位相差フィルムを、前記境界部を基準線として、光学要素の光学単位又は光学軸と位置合わせして貼り付けることを含む光学積層体の製造方法であって、前記境界部のうち少なくとも1つが、他の前記境界部の幅と異なる基準境界部であり、前記基準境界部を基準線として光学要素の光学単位又は光学軸と位置合わせして貼り合せる上記の方法。
  17. 前記光学要素が表示素子であり、且つ前記光学単位が画素である請求項16に記載の方法。
  18. 3D画像表示装置に用いられる光学積層体の製造方法である請求項16又は17に記載の方法。
  19. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のパターン位相差フィルムを有する3D画像表示装置。
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