JP2013156494A - パターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置、及び立体画像表示システム - Google Patents

パターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置、及び立体画像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】クロストークの軽減及び表示ムラの軽減に寄与するパターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置、及び立体画像表示システムの提供。
【解決手段】支持体と、その上に、面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域が所定のパターンで配置されたパターン光学異方性層と、隣接する前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との境界部に対応する位置に少なくとも配置される反射層と、を少なくとも有するパターン位相差板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体画像表示装置等に用いられるパターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置及び立体画像表示システムに関する。
立体画像を表示する立体(3D)画像表示装置には、右眼用画像及び左眼用画像を、例えば、互いに反対方向の円偏光画像とするための光学部材が必要である。例えば、かかる光学部材には、遅相軸やレターデーション等が互いに異なる領域が規則的に面内に配置されたパターン光学異方性素子が利用されており、このパターン光学異方性素子の支持体として、フィルムを利用する、いわゆるFPRも提案されている。
パターン光学異方性素子を有する部材を使用した立体画像表示装置では、例えば、液晶パネル等の表示パネル部に存在する左右眼画像用の画素と、パターン光学異方性層の左右眼画像用の位相差領域とをそれぞれ対応させて積層することが必要である。ところで、一般的に使用されているのは、ストライプパターンを有するパターン光学異方性層であり、これを表示パネルと貼合する際は、パターンの周期方向(ストライプ状の互いに異なる位相差領域が交互に入れ替わる方向)を、表示面の鉛直方向(上下方向)と一致させるのが一般的である。図6に、表示パネル部の左右眼画像用画素と、パターン光学異方性層の左右眼画像用位相差領域とを対応させて配置した例を模式的に示す。図6中矢印aで示す通り、観察方向が表示面に対して法線方向であれば、表示パネル内部の右眼画像用画素(R)を通過した光は、パターン光学異方性層の右眼画像用位相差領域(R)を通過するので、クロストークは生じない。しかし、表示面法線方向から表示面鉛直方向に観察方向をずらすと、図6中に矢印bで示すように、表示パネル内部(例えば液晶セル内)の右眼画像用画素(R)を透過した光が、パターン光学異方性層の左眼画像用位相差領域(L)を透過してしまい、クロストークが発生する。即ち、表示面鉛直方向では、3D画像の視野角が狭くなるという問題がある。
上記問題を解決するため、例えば、パターン光学異方性層を利用した空間分割方式の3D液晶表示装置では、液晶セル内に配置されるカラーフィルタのブラックマトリックスを太くしている(非特許文献1)。これにより、上記クロストークを軽減できるが、カラーフィルタのブラックマトリックスを太くすることによって、液晶セル全体の設計を見直す必要があり、既存の液晶セルを利用できない。さらに、ブラックマトリックスを太くすると、液晶セルの開口率が低下するため、高輝度な画像表示を行うためには、より高輝度の光源を使用する必要があり、当該光源の使用による生産コストの上昇のみならず、動作時の消費電力の上昇も懸念される。
また、パターン光学異方性層を利用した立体画像表示システムには、上記クロストークの問題以外に、パターン光学異方性層に起因する表示ムラの問題があり、改善が望まれている。
H. Kang, S.-D. Roh, I.-S. Baik, H.-J. Jung, W.-N. Jeong, J.-K. Shin and I.-J. Chung, SID Symposium Digest 41, 1-4 (2010).
本発明は前記諸問題を解決することを課題とし、具体的には、クロストークの軽減及び表示ムラの軽減に寄与するパターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置、及び立体画像表示システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 支持体と、その上に、
面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域が所定のパターンで配置されたパターン光学異方性層と、
隣接する前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との境界部に対応する位置に少なくとも配置される反射層と、
を少なくとも有することを特徴とするパターン位相差板。
[2] 前記反射層と前記パターン光学異方性層との間に、遮光性部を有する[1]のパターン位相差板。
[3] 前記反射層が、金属薄膜からなる[1]又は[2]のパターン位相差板。
[4] 前記反射層が、前記パターン光学異方性層により近い面が黒色の金属薄膜からなる[1]〜[3]のいずれかのパターン位相差板。
[5] 前記支持体が、高分子フィルムである[1]〜[4]のいずれかのパターン位相差板。
[6] 前記高分子フィルムが、トリアセチルアセテート、アクリル系フィルム、及びオレフィン系フィルムのいずれかである[5]のパターン位相差板。
[7] 前記パターン光学異方性層が、ストライプ状の前記第1及び第2位相差領域が交互に配置されたストライプパターンを有し、隣接する前記第1及び第2位相差領域の各境界部上に、ストライプ状の前記反射層が配置されている[1]〜[6]のいずれかのパターン位相差板。
[8] 前記第1及び第2位相差領域が、互いに直交する面内遅相軸を有し、且つλ/4の面内レターデーションを有する[1]〜[7]のいずれかのパターン位相差板。
[9] [1]〜[8]のいずれかのパターン位相差板と偏光子とを少なくとも有する偏光板。
[10] 前記反射層を、前記偏光子と前記パターン光学異方性層との間に有する[9]の偏光板。
[11] [8]のパターン位相差板を有する偏光板であって、偏光子の吸収軸と、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸とが±45°で交差する[9]又は[10]の偏光板。
[12] 画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
前記表示パネルの視認側に配置される[1]〜[8]のいずれかのパターン位相差板とを少なくとも有する立体画像表示装置。
[13] [12]の立体用画像表示装置と、該立体用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、該偏光板を通じて立体画像を視認させる立体画像表示システム。
本発明によれば、クロストークの軽減及び表示ムラの軽減に寄与するパターン位相差板、並びにそれを有する偏光板、立体画像表示装置、及び立体画像表示システムを提供することができる。
本発明のパターン位相差板の一例の模式断面図である。 本発明のパターン位相差板の他の一例の模式断面図である。 パターン光学異方性層の一例の上面模式図である。 偏光膜と光学異方性層との関係の一例の概略図である。 本発明の立体画像表示装置の一例の模式断面図である。 表示パネル部の左右眼画像用画素と、パターン光学異方性層の左右眼画像用位相差領域とを対応させて配置した模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中のディスコティック液晶分子の配向膜側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Figure 2013156494
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、及びその関係(例えば「直交」、「平行」、及び「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本発明のパターン位相差板は、支持体と、その上に、
面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域が所定のパターンで配置されたパターン光学異方性層と、
隣接する前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との境界部に対応する位置に少なくとも配置される反射層とを少なくとも有することを特徴とする。
本発明では、パターン位相差板の位相差領域間の境界部に対応する位置に反射層を配置することで、観察方向が鉛直方向(上下方向)にずれた場合に、クロストークの原因になるパターン位相差板への入射光(例えば図6中の矢印bの方向の入射光)を、反射層により反射して、パターン位相差板に入射するのを防止することができる。これによりクロストークの発生を顕著に軽減できる。本発明によれば、従来技術のように、液晶セル内部のブラックマトリックスを太くする必要はなく、既存の液晶セル等の表示パネルをそのまま利用できるというメリットがある。また、本発明によれば、反射層で反射された光を回帰させて利用することも可能であり、従来技術における開口率の低下の問題も解決できる。さらに予期せぬことに、前記境界部に対応する位置に反射層を配置することで、パターン光学異方性層に起因する表示ムラも解決できることがわかった。
本発明により、パターン光学異方性層に起因する表示ムラの問題が解決できた理由については、本発明者らは以下の通り考えている。
通常、互いに異なる複数の位相差領域を有するパターン光学異方性層の形成には、液晶組成物が利用され、液晶組成物を互いに異なる配向状態に固定することで、互いに異なる位相差領域をそれぞれ形成する。製造工程上、互いに異なる位相差領域の境界部を完全になくすことは困難であり、パターン光学異方性層の位相差領域間には、配向状態が乱れた境界部が存在することになる。この境界部に光が入射すると輝線として表示画面に現れる場合がある。発明者の鋭意研究の結果、パターン光学異方性層形成時の露光光源の光強度パターン等により、この境界部の太さが周期的に変化すると、表示ムラとして現れることを知見した。本発明では、境界部に反射層を配置することにより、境界部に光が入射することを防止でき、表示ムラの問題も解決できたと考えている。
以下、図面を用いて、本発明のいくつかの実施形態を説明するが、図中の各層の厚みの相対的関係は、実際の相対的関係を反映しているわけではない。また、図中、同一の部材については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する場合がある。なお、以下の図面では、支持体が高分子フィルムであるパターン位相差板の態様について説明するが、支持体は、可撓性のないガラス板やプラスチック基板等であってもよい。
本発明のパターン位相差板の一例の模式断面図を図1に示す。パターン位相差板は、支持体13上に、第1位相差領域14、第2位相差領域15、及び第1及び第2位相差領域14、15の間に境界部16を有するパターン光学異方性層12を有し、境界部16上に反射層17が形成されている。なお、通常、光学異方性層の配向を制御するために用いられる(光)配向膜の記載は省略してある。
反射層17は、境界部16上に形成されており、一例は、境界部16に沿ってストライプ状に形成されている態様である。反射層17は、クロストーク及び表示ムラの原因になる光を透過させないという作用があるとともに、当該光を液晶セル側に反射させる作用がある。反射層17により、クロストークが軽減されるとともに、光を再利用することができるので、高輝度の光源を使用しなくても輝度を向上させることができる。
反射層17の一例は、アルミニウム等の金属からなる金属薄膜である。反射層17は、少なくとも境界部16に対応する位置に配置される。図1に示す通り、反射層17の層面に平行な断面積が、境界部16の層面に平行な断面積より大きく、反射層17が境界部16を完全に覆って配置されているのが好ましい。パターン状の第1位相差領域14及び第2位相差領域15が交互に配置されている態様では、境界部16もストライプ状になるので、反射層17もストライプ状であるのが好ましい。反射層の詳細については後述する。
また反射層17の作用をより高めるために、反射層17とパターン光学異方性層12との間に遮光性部を配置するのが好ましい。遮光性部は、光透過率を少なくとも軽減する作用があればよく、完全に遮光する作用があるのが好ましい。一例は、黒色の着色層である。図2に一例を示す様に、遮光性部は、境界部16と反射層17との間に、ブラックストライプ層18として形成されていてもよい。また、例えば、反射層17の境界部16と接する面を黒色にして、遮光性部として利用してもよい。
パターン光学異方性層12は、液晶化合物を主成分とする硬化性組成物の1種又は複数種から形成することができ、液晶化合物のうち、重合性基を有する液晶化合物が好ましい。前記硬化性組成物の1種から形成されているのが好ましい。なお、パターン光学異方性層12は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。パターン光学異方性層は、液晶化合物を主成分とする組成物の1種又は2種から形成することができる。
パターン光学異方性層12の一例は、図3に示すように、第1及び第2位相差領域14、15の面内遅相軸a及びbが互いに直交するとともに、面内レターデーションReがλ/4であるパターンλ/4層である。この態様のパターン光学異方性層を偏光膜と組み合わせると、第1及び第2位相差領域のそれぞれを通過した光は互いに逆向きの円偏光状態になり、それぞれ右眼及び左眼用の円偏光画像を形成する。
前記パターンλ/4層は、例えば、支持体13の表面上に一様に配向膜を形成し、一方向に配向処理し、配向処理面上にて、前記液晶性硬化性組成物を配向させ、当該配向状態に固定することで形成できる。前記第1及び第2位相差領域14、15の一方については、液晶を配向規制処理方向(例えばラビング方向)に対して直交且つ垂直に配向させ、即ち直交垂直配向させ、他方については、液晶を配向規制処理方向(例えばラビング方向)に対して平行且つ垂直に配向させ、即ち平行垂直配向させ、それぞれの状態を固定することで、各位相差領域を形成できる。
境界部16は、等方性であるか又は第1位相差領域14及び第2位相差領域15のいずれとも異なる位相差のある領域である。境界部の線幅は、狭いほど好ましいが通常3μm〜20μmである。
反射層17及びブラックストライプ層18の線幅は、それぞれ3μm〜420μmであることが好ましく、20μm〜380μmであることがより好ましく、40μm〜350μmであることが特に好ましい。反射層17及びブラックストライプ層18の好ましい線幅は、表示パネルの大きさと解像度によって異なり、例えば、32インチのフルハイビジョンであれば、それぞれ3μm〜200μmであることが好ましく、20μm〜180μmであることがより好ましく、80μm〜160μmであることが特に好ましい。55インチのフルハイビジョンであれば、それぞれ3μm〜420μmであることが好ましく、20μm〜350μmであることがより好ましく、140μm〜280μmであることが特に好ましい。
本発明のパターン位相差板は、3D画像表示装置、特にパッシブ方式の3D画像表示装置の部材として有用である。この態様では、第1及び第2位相差領域のそれぞれを通過した偏光画像は、偏光眼鏡等を介して右眼用又は左眼用の画像として、認識される。従って、左右画像が不均一とならないように、第1及び第2位相差領域は、互いに等しい形状であるのが好ましく、また、それぞれの配置は、均等且つ対称的であるのが好ましい。
本発明において、前記パターン光学異方性層は、図3に示す態様に限定されるものではない。第1及び第2位相差領域の一方の面内レターデーションがλ/4であり、且つ他方の面内レターデーションが3λ/4である表示画素領域を利用することができる。さらに、第1及び第2位相差領域14及び15の一方の面内レターデーションがλ/2であり、且つ他方の面内レターデーションが0である位相差領域を利用することもできる。
また、第1及び第2位相差領域の各パターンの面内遅相軸は、パターン配向膜等を利用することで、互いに異なる方向、例えば互いに直交する方向に調整することができる。パターン配向膜としては、マスク露光によりパターニング配向膜を形成可能な光配向膜、及びマスクラビングによりパターニング配向膜を形成可能なラビング配向膜、異種の配向膜(例えば、ラビングに対して、直交又は平行に配向する材料)を印刷等でパターニング配置したものなど、いずれも利用することができる。なお、第1及び第2位相差領域の各面内遅相軸が互いに直交する方向である場合、境界部の面内遅相軸は第1及び第2位相差領域の面内遅相軸方向の略中間値、即ち45度程度であることが好ましい。
本発明のパターン位相差板は、図1〜図3に簡略化して示した態様に限定されるものではなく、他の部材を含んでいてもよい。例えば、上記した通り、パターン光学異方性層を、配向膜を利用して形成する態様では、支持体とパターン光学異方性層との間に、配向膜を有していてもよい。また、本発明のパターン位相差板は、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等が配置されていてもよい。
本発明は、偏光板にも関する。本発明の偏光板は、偏光膜と、本発明のパターン位相差板とを少なくとも有する。好ましくは、本発明のパターン位相差板の反射層が、パターン光学異方性層と偏光膜との間に配置されている態様である。
本発明の偏光板では、偏光膜は、パターン位相差板のパターン光学異方性層の表面(反射層が形成されている側)に配置される。パターン光学異方性層と偏光膜との間には、反射層以外の他の層が配置されていないか、又は光学的に等方性の層(例えば、粘着剤層)のみが配置されているのが好ましい。
本発明の偏光板では、図4に一例を示すように、第1及び第2位相差領域14及び15の面内遅相軸a及びbをそれぞれ、偏光膜の透過軸pと±45°にして配置する。本明細書では、厳密に±45°であることを要求するものではなく、第1及び第2位相差領域14及び15のいずれか一方については、40〜50°であることが好ましく、他方は、−50〜−40°であることが好ましい。この構成により右眼用及び左眼用の円偏光画像を分離することができる。また、λ/2板をさらに積層することで、視野角をより拡大してもよい。
本発明では、偏光膜として一般的な直線偏光膜を用いることができる。偏光膜は延伸フィルムからなっていても、塗布により形成される層であってもよい。前者の例には、ポリビニルアルコールの延伸フィルムをヨウ素又は二色性染料等で染色したフィルムが挙げられる。後者の例には、二色性液晶性色素を含む組成物を塗布して、所定の配向状態に固定した層が挙げられる。
また、本発明は、本発明のパターン位相差板と、画像信号に基づいて駆動される表示パネルとを少なくとも有する立体画像表示装置にも関する。パターン位相差板は、表示パネルの視認側表面に配置され、右眼用及び左眼用の偏光画像(例えば円偏光画像)に分離する。観察者は、これらの偏光画像を、偏光眼鏡(例えば円偏光眼鏡)等の偏光板を介して観察し、立体画像として認識する。
図5に示す通り、本発明のパターン位相差板は、偏光膜とともに、表示パネルの視認側表面に配置されるが、表示パネルが、視認側に偏光膜を有する場合には、偏光膜はなくてもよい。また、視認側に偏光膜を有する表示パネル上に、図5に示す通り、偏光膜とともに、本発明のパターン位相差板を配置する態様では、該偏光膜の透過軸を、表示パネルの視認側に配置されている偏光膜の透過軸と一致させて配置する。
本発明では、表示パネルについてなんら制限はない。例えば、液晶層を含む液晶パネルであっても、有機EL層を含む有機EL表示パネルであっても、プラズマディスプレイパネルであってもよい。いずれの態様についても、種々の可能な構成を採用することができる。また、液晶パネル等は、視認側表面に画像表示のための偏光膜を有するが、上記した通り、当該偏光膜との組み合わせによって、上記機能を達成してもよい。
表示パネルの一例は、透過モードの液晶パネルであり、一対の偏光膜とその間に液晶セルとを有する。偏光膜のそれぞれと液晶セルとの間には、通常、視野角補償のための位相差フィルムが配置される。液晶セルの構成については特に制限はなく、一般的な構成の液晶セルを採用することができる。液晶セルは、例えば、対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、必要に応じて、カラーフィルタ層などを含んでいてもよい。液晶セルの駆動モードについても特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
本発明では、パターン位相差板に反射層が形成されており、場合によっては、境界部と反射層との間に遮光性層が形成されていることから、表示パネルが含まれるセル(液晶セル)内のカラーフィルタなどにブラックマトリックスが形成されていないセルを使用することができる。
本発明は、本発明の立体画像表示装置と、該立体用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、該偏光板を通じて立体画像を視認させる立体画像表示システムにも関する。立体用画像表示装置の視認側外側に配置される前記偏光板の一例は、観察者が装着する偏光眼鏡である。観察者は、立体画像表示装置が表示する右眼用及び左眼用の偏光画像を円偏光又は直線偏光眼鏡を介して観察し、立体画像として認識する。
以下、本発明のパターン位相差板に用いられる種々の部材等について詳細に説明する。
反射層:
本発明のパターン位相差板は、反射層が境界部上に形成されており、一例は、境界部に沿ってストライプ状に形成されている態様である。
反射層を形成する材料の一例は、金属薄膜からなる態様である。金属薄膜は、例えば、アルミニウム、銀、金、マグネシウム、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、銀が特に好ましい。また、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛等の無機粒子、又は、アクリル樹脂、ポリスチレン、ウレタン系樹脂等の有機粒子などを単体あるいは複合して用いてもよい。反射層は、1種又は2種以上の金属薄膜から形成されていてもよい。
また、反射層は、金属薄膜のパターン光学異方性層により近い面を黒色とし、黒色の部分を遮光性部として利用してもよい。
反射層の線幅は、3〜420μmであることが好ましく、20μm〜380μmであることがより好ましく、40μm〜350μmであることが特に好ましい。
遮光性部:
本発明のパターン位相差板は、反射層の作用を高めるために、反射層とパターン光学異方性層との間に遮光性部を配置するのが好ましい。遮光性部の一例は、黒色の着色層であり、黒色の着色層は、ブラックストライプ層であることが好ましい。
ブラックストライプ層を形成する材料としては、クロム等の金属のスパッタ膜を用いたもの、感光性樹脂と黒色着色剤等を組み合わせた遮光性感光性組成物などが挙げられる。黒色着色剤の具体例としては、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
遮光性部の線幅は、3〜420μmであることが好ましく、20〜380μmであることがより好ましく、40〜350μmであることが特に好ましい。
パターン光学異方性層:
本発明におけるパターン光学異方性層は、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、且つ前記第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されており、第1位相差領域及び第2位相差領域の間には境界部を有する。一例は、第1及び第2位相差領域がそれぞれλ/4程度のReを有し、且つ面内遅相軸が互いに直交している光学異方性層である。このようなパターン光学異方性層の形成には種々の方法があるが、本発明では、重合性基を有する棒状液晶を水平配向させた状態、及びディスコティック液晶を垂直配向させた状態で重合させ、固定化して形成することが好ましい。
パターン光学異方性層は単独でReがλ/4程度であってもよく、その場合はRe(550)が、λ/4±30nm程度が好ましく、110〜165nmであることがより好ましく、120〜150nmであることがさらに好ましく、125〜145nmであることが特に好ましい。なお、本明細書において、面内レターデーションReがλ/4とは、特に断りがない限り、波長λの1/4から±30nm程度幅を持つ値のことを言い、面内レターデーションReがλ/2とは、特に断りがない限り、波長λの1/2から±30nm程度幅を持つ値のことを言う。また、市販の支持体の多くはRthが正の値となる。Rthが正の値となる支持体上に前記パターン光学異方性層を形成する場合は、前記パターン光学異方性層のRth(550)は負であるのが好ましく、−80〜−50nmであることが好ましく、−75〜−60nmであることがより好ましい。
一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、又は棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いて形成することがより好ましく、少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019や特開2007−279688号に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号や特開2010−244038号に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
液晶化合物が重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することもまた好ましい。この場合、条件を選択して複数種類の反応性基の一部種類のみを重合させることにより、未反応の反応性基を有する高分子を含む位相差層を作製することが可能となる。用いる重合条件としては重合固定化に用いる電離放射線の波長域でもよいし、用いる重合機構の違いでもよいが、好ましくは用いる開始剤の種類によって制御可能な、ラジカル性の反応基とカチオン性の反応基の組み合わせがよい。前記ラジカル性の反応性基がアクリル基および/またはメタクリル基であり、かつ前記カチオン性基がビニルエーテル基、オキセタン基および/またはエポキシ基である組み合わせが反応性を制御しやすく特に好ましい。
前記光学異方性層は、配向膜を利用した種々の方法で形成でき、その製法については特に制限はない。
第1の態様は、液晶の配向制御に影響を与える複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。例えば、配向膜による配向制御能と、液晶化合物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(配向膜による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。例えば、所定のピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコール配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基が、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度に配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、ラビング方向に対して液晶の直交配向を促進する。前記ピリジニウム誘導体は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、前述した、液晶、特にディスコティック液晶化合物との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍における直交配向を誘起する。特に、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。しかし、その効果は、ある温度を超えて加熱すると、水素結合が切断され、前記ピリジニウム化合物等の配向膜表面における密度が低下し、その作用を消失する。その結果、ラビング配向膜そのものの規制力により液晶が配向し、液晶は平行配向状態になる。この方法の詳細については、特願2010−141346号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第2の態様は、パターン配向膜を利用する態様である。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶化合物を配置し、液晶を配向させる。液晶は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって配向規制され、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1及び第2の位相差領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。また、配向膜を一様に形成し、配向制御能に影響を与える添加剤(例えば、上記オニウム塩等)を別途所定のパターンで印刷することによって、パターン配向膜を形成することもできる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点で、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特願2010−173077号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
また、第1及び第2の態様を併用してもよい。一例は、配向膜中に光酸発生剤を添加する例である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。前記配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
さらに、第3の態様として、重合性が互いに異なる重合性基(例えば、オキセタニル基及び重合性エチレン性不飽和基)を有するディスコティック液晶化合物を利用する方法がある。この態様では、ディスコティック液晶化合物を所定の配向状態にした後、一方の重合性基のみの重合反応が進行する条件で、光照射等を行い、プレ光学異方性層を形成する。次に、他方の重合性基の重合を可能にする条件で(例えば他方の重合性基の重合を開始させる重合開始剤の存在下で、マスク露光を行う。露光部の配向状態は完全に固定され、所定のReを有する一方の位相差領域が形成される。未露光領域は、一方の反応性基の反応が進行しているものの、他方の反応性基は未反応のままとなっている。よって、等方相温度を超え、他方の反応性基の反応が進行可能な温度まで加熱すると、未露光領域は、等方相状態に固定され、即ち、Reが0nmになる。
本発明に利用可能な支持体(支持体フィルム)としては、その材料については特に制限はない。低レターデーションのポリマーフィルムを用いるのが好ましく、具体的には、面内レターデーションの絶対値が約10nm以下のフィルムを用いるのが好ましい。偏光膜とパターン位相差フィルムとの間に、偏光膜の保護膜が配置されている態様でも、該保護膜として、低レターデーションのポリマーフィルムを用いるのが好ましく、具体的範囲については、上記通りである。
本発明に使用可能な支持体フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、前記フィルムの材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
また、前記フィルムの材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることが出来る。
前記支持体フィルムの製法については特に制限はなく、溶液製膜法であっても溶融製膜法であってもよい。また、レターデーションの調整のために延伸処理が施された延伸フィルムを用いてもよい。
この様にして形成するパターン光学異方性層の厚みについては特に制限されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
偏光膜:
偏光膜は、一般的な偏光膜を用いることができる。例えば、ヨウ素や二色性色素によって染色されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子膜を用いることができる。
粘着層:
光学異方性層と偏光膜との間には、粘着層が配置されていてもよい。光学異方性層と偏光膜との積層のために用いられる粘着層とは、例えば、動的粘弾性測定装置で測定したG’とG”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。粘着剤については特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤を用いることができる。
液晶セル:
本発明の立体画像表示システムに用いられる立体画像表示装置に利用される液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
立体画像表示システム用偏光板:
本発明の立体画像表示システムでは、特に3D映像とよばれる立体画像を視認者に認識させるため、偏光板を通して画像を認識する。偏光板の一態様は、偏光眼鏡である。前記位相差板によって右眼用及び左眼用の円偏光画像を形成する態様では、円偏光眼鏡が用いられ、直線偏光画像を形成する態様では、直線眼鏡が用いられる。光学異方性層の前記第1及び第2の位相差領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、且つ左眼鏡で遮光され、前記第1及び第2位相差領域の他方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、且つ右眼鏡で遮光されるように構成されていることが好ましい。
前記偏光眼鏡は、位相差機能層と直線偏光子を含むことで偏光眼鏡を形成している。なお、直線偏光子と同等の機能を有するその他の部材を用いてもよい。
偏光眼鏡を含め、本発明の立体用画像表示システムの具体的な構成について説明する。まず、位相差板は、映像表示パネルの交互に繰り返されている複数の第一ライン上と複数の第二ライン上(例えば、ラインが水平方向であれば水平方向の奇数ライン上と偶数ライン上であり、ラインが垂直方向であれば垂直方向の奇数ライン上と偶数ライン上でもよい)に偏光変換機能が異なる前記第1位相差領域と前記第2位相差領域が設けられている。円偏光を表示に利用する場合には、上述の前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の位相差は、ともにλ/4であることが好ましく、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域は遅相軸が直交していることがより好ましい。
円偏光を利用する場合、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の位相差値をともにλ/4とし、映像表示パネルの奇数ラインに右眼用画像を表示し、奇数ライン位相差領域の遅相軸が45度方向であるならば、偏光眼鏡の右眼鏡と左眼鏡にともにλ/4板を配置することが好ましく、偏光眼鏡の右眼鏡のλ/4板の遅相軸は具体的には略45度に固定すればよい。また、上記の状況であれば、同様に、映像表示パネルの偶数ラインに左眼用画像を表示し、偶数ライン位相差領域の遅相軸が135度方向であるならば、偏光眼鏡の左眼鏡の遅相軸は具体的には略135度に固定すればよい。
更に、一度前記パターニング位相差フィルムにおいて円偏光として画像光を出射し、偏光眼鏡により偏光状態を元に戻す観点からは、上記の例の場合の右眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平方向45度に近いほど好ましい。また、左眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平135度(又は−45度)に近いほど好ましい。
また、例えば前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合、液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向が通常、水平方向であり、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸が該フロント側偏光板の吸収軸方向に直交する方向であることが好ましく、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸は鉛直方向であることがより好ましい。
また、前記液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向と、前記パターニング位相差フィルムの奇数ライン位相差領域と偶数ライン位相差領域の各遅相軸は、偏光変換の効率上、45度をなすことが好ましい。
なお、このような偏光眼鏡と、パターニング位相差フィルム及び液晶表示装置の好ましい配置については、例えば特開2004−170693号公報に開示がある。
偏光眼鏡の例としては、特開2004−170693号公報に記載のものや、市販品として、Zalman製 ZM−M220Wの付属品、LG製 55LW5700の付属品を挙げることができる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[パターン位相差板Aの作製]
立体画像表示装置(LG社製42LW5700)からFPRフィルムを剥離し、さらに粘着剤を取り除いた。このFPRフィルムにおいて、240μm幅で裏面が黒色のアルミニウムを、パターニング位相差領域を構成する2つの領域の境界部上に粘着剤を用いて設置し、パターン位相差板Aを作製した。
[パターン位相差板Bの作製]
パターン位相差板Aの作製において、裏面が黒色のアルミニウムに代えて、通常の240μm幅のアルミニウムで反射層を形成した以外はパターン位相差板Aと同様にパターン位相差板Bを作製した。
[パターン位相差板Cの作製]
パターン位相差板Aの作製において、富士フイルム製のトランサーを用いて、パターニング位相差領域を構成する2つの領域の境界部上に240μm幅のブラックストライプ層を形成した。このようにして、形成したブラックストライプ層上に反射層を形成しなかった以外はパターン位相差板Aと同様にパターン位相差板Cを作製した。
[パターン位相差板Dの作製]
<<アルカリ鹸化処理>>
セルロースアセテート支持体を有するアンチグレアフィルムである富士フイルム製のCV−LU3を準備し、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、CV−LU3の反射防止層のない面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート透明支持体を作製した。
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アルカリ溶液の組成(質量部)
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
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<ラビング配向膜付透明支持体の作製>
上記作製した支持体の、鹸化処理を施した面に、下記の組成のラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。次に、透過部の横ストライプ幅485μm、遮蔽部の横ストライプ幅485μmのストライプマスクをラビング配向膜上に配置し、室温空気下にて、UV−C領域における照度2.5mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を4秒間照射して、光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1位相差領域用配向層を形成した。その後に、ストライプマスクのストライプに対して45°の角度を保持して500rpmで一方向に1往復、ラビング処理を行い、ラビング配向膜付透明支持体を作製した。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
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配向膜形成用塗布液の組成
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配向膜用ポリマー材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36質量部
水 60質量部
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Figure 2013156494
<パターン化された光学異方性層Dの作製>
下記の光学異方性層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を20秒間照射して、その配向状態を固定化することによりパターン光学異方性層Dを形成した。マスク露光部分(第1位相差領域)は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行にディスコティック液晶が垂直配向しており、未露光部分(第2位相差領域)は直交に垂直配向していた。なお、光学異方性層の膜厚は、1.6μmであった。また、境界部の幅は6〜10μmであり、周期的に変化していた。
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光学異方性層用塗布液の組成
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ディスコティック液晶E−1 100質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 1.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.3質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
メチルエチルケトン 400質量部
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Figure 2013156494
<反射層の作製>
作製した光学異方性層の境界部上に、パターン位相差板Cと同様の方法でパターニング位相差領域を構成する2つの領域の境界部上に幅240μmのブラックストライプ層を形成した。続いて、ブラックストライプ層上に、反射層として240μm幅のアルミニウムを粘着剤を用いて設置し、パターン位相差板Dを作製した。
[パターン位相差板Eの作製]
パターン位相差板Dの作製において、240μm幅のアルミニウムに代えて180μm幅のアルミニウムを設置した以外は、パターン位相差板Dの作製と同様の方法で、パターン位相差板Eを作製した。
[パターン位相差板Fの作製]
パターン位相差板Dの作製において、240μm幅のアルミニウムに代えて120μm幅のアルミニウムを設置した以外は、パターン位相差板Dの作製と同様の方法で、パターン位相差板Fを作製した。
[パターン位相差板Gの作製]
パターン位相差板Dの作製において、240μm幅のアルミニウムに代えて60μm幅のアルミニウムを設置した以外は、パターン位相差板Dの作製と同様の方法で、パターン位相差板Gを作製した。
[実施例1]
(立体画像液晶表示装置Aの作製)
立体画像表示装置(LG社製42LW5700)からパターン位相差板を剥離し、さらに粘着剤を取り除いた。また、パターン位相差板を剥離した前記LG製42LW5700のフロント側およびリア側に貼合されていた偏光板を剥離して、別途用意したLG社製42LD860の液晶セルに貼合し、さらに、パターン位相差板の代わりに、パターン位相差板Aをフロント偏光板上に粘着剤を介して貼合し、立体画像液晶表示装置Aを作製した。なお、液晶表示装置Aの光源には前記LG製42LW5700のものを使用した。
[実施例2]
(立体画像液晶表示装置Bの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Bを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Bを作製した。
[実施例3]
(立体画像液晶表示装置Dの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Dを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Dを作製した。
[実施例4]
(立体画像液晶表示装置Eの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Eを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Eを作製した。
[実施例5]
(立体画像液晶表示装置Fの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Fを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Fを作製した。
[実施例6]
(立体画像液晶表示装置Gの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Gを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Gを作製した。
[比較例1]
(立体画像液晶表示装置Cの作製)
実施例1において、パターン位相差板Aの代わりにパターン位相差板Cを使用した以外は実施例1と同様にして、立体画像液晶表示装置Cを作製した。
[比較例2]
(立体画像液晶表示装置Hの作製)
LG製42LW5700を立体画像液晶表示装置Hとして使用した。
前記LG社製42LW5700のFPRフィルムは、セルロースアセテートフィルムの一方の面に反射防止層が、他方の面にパターン光学異方性層が形成されたフィルムであった。境界部の幅は8〜18μmであり、周期的に幅が変化していた。また、液晶セル内のブラックマトリックスは太さが240μmであった。
(評価)
(1)2D輝度比の測定
暗室にて、白表示にした液晶表示装置の正面に測定器(BM−5A トプコン製)を配置して、2D正面輝度を測定した。
さらに、液晶表示装置Hの2D輝度を基準に、各液晶表示装置の2D輝度から2D輝度比を算出した。
(2)3D輝度比の測定
暗室にて、上下方向に白と黒が交互に並んだストライプ画像を表示した液晶表示装置の正面に、LG製42LW5700に付属の3Dメガネと測定器(BM−5A トプコン製)を配置し、白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて正面輝度Aを測定した。続いて、白と黒の位置を入れ替えたストライプ画像を表示し、同様に白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて正面輝度Bを測定し、正面輝度Aと正面輝度Bの平均値を立体表示装置の3D正面輝度とした。
さらに、液晶表示装置Hの3D輝度を基準に、各液晶表示装置の3D輝度から3D輝度比を算出した。
(3)クロストークの測定
暗室にて、上下方向に白と黒が交互に並んだストライプ画像を表示した液晶表示装置の正面に、LG製42LW5700に付属の3Dメガネと測定器(BM−5A トプコン製)を配置した。白のストライプが視認できる方の3Dメガネを通した位置に測定器をおいて正面輝度Cを測定し、続いて、白と黒の位置を入れ替えたストライプ画像を表示して、先ほどと同じ側のメガネで同様に正面輝度Dを測定し、次の式を用いて左目クロストークを算出した。

クロストーク=正面輝度D/正面輝度C ×100%
(4)3D表示ムラ
暗室にて、液晶表示装置に白と黒が上下方向に交互に並んだストライプ画像を表示し、3Dメガネを装着して、正面にて白ストライプが視認される側のメガネを遮光し、液晶表示装置を観察した。正面から上方向に0〜25度ずれた角度から液晶表示装置を観察して、表示面上下方向にパターンを有し、かつ、横方向に続くムラを観察し、以下の基準で評価した。
○:ムラが全く視認されない、または、わずかに視認される程度で許容できる。
×:ムラがはっきり視認され、許容できない。
(5)明光下での視認性
100ルクスの明室内および太陽光下で、液晶表示装置を2D表示および3D表示にして、正面および正面から上方向に0〜25度ずれた角度から液晶表示装置を観察し、液晶表示装置に表示された画像の視認性を以下の基準で評価した。
○:立体画像液晶表示装置Hに対し、視認される反射は同等以下であり、実用上全く問題ない。
△:立体画像液晶表示装置Hに対し、視認される反射がわずかに強く、太陽光下では実用上問題となる場合があるが、明室内であれば実用上問題ない程度である。
×:立体画像液晶表示装置Hに対し、視認される反射がかなり強く、太陽光下および明室内の両方で実用上問題となる。
本方式の立体画像表示装置は、多くは室内で使用されるため、明室内での実用に問題がなければ、立体画像表示装置として実用に十分に耐えることが可能である。
Figure 2013156494
表から、実施例1〜6は、比較例1〜2と比較して2D輝度比及び3D輝度比が0.1以上高いことから、2D輝度比及び3D輝度比が優れることがわかる。また、実施例1〜6は、クロストーク、3D表示ムラ、及び明光下での視認性も実用上問題ないことがわかる。
比較例1及び2は、反射層を有さないので、2D輝度比及び3D輝度比が実施例1〜6と比較して劣ることがわかる。また、比較例2は、ブラックマトリックスが液晶セル内に有するので、パターン光学異方性層の境界部を光が通過するため、3D表示ムラが視認されることがわかる。
実施例1と2とでは、反射層が異なる以外は同様の構成であるが、実施例1の方が明光下の視認性がより優れることがわかる。これにより、反射層とパターン光学異方性層との間に遮光性部を形成すると、太陽光下での視認性が向上することがわかる。
a 面内遅相軸
b 面内遅相軸
12 パターン光学異方性層
13 支持体フィルム
14 第1位相差領域
15 第2位相差領域
16 境界部
17 反射層
18 ブラックストライプ層

Claims (13)

  1. 支持体と、その上に、
    面内遅相軸方向及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域が所定のパターンで配置されたパターン光学異方性層と、
    隣接する前記第1位相差領域と前記第2位相差領域との境界部に対応する位置に少なくとも配置される反射層と、
    を少なくとも有することを特徴とするパターン位相差板。
  2. 前記反射層と前記パターン光学異方性層との間に、遮光性部を有する請求項1に記載のパターン位相差板。
  3. 前記反射層が、金属薄膜からなる請求項1又は2に記載のパターン位相差板。
  4. 前記反射層が、前記パターン光学異方性層により近い面が黒色の金属薄膜からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン位相差板。
  5. 前記支持体が、高分子フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン位相差板。
  6. 前記高分子フィルムが、トリアセチルアセテート、アクリル系フィルム、及びオレフィン系フィルムのいずれかである請求項5に記載のパターン位相差板。
  7. 前記パターン光学異方性層が、ストライプ状の前記第1及び第2位相差領域が交互に配置されたストライプパターンを有し、隣接する前記第1及び第2位相差領域の各境界部上に、ストライプ状の前記反射層が配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン位相差板。
  8. 前記第1及び第2位相差領域が、互いに直交する面内遅相軸を有し、且つλ/4の面内レターデーションを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン位相差板。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン位相差板と偏光子とを少なくとも有する偏光板。
  10. 前記反射層を、前記偏光子と前記パターン光学異方性層との間に有する請求項9に記載の偏光板。
  11. 請求項8に記載のパターン位相差板を有する偏光板であって、偏光子の吸収軸と、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸とが±45°で交差する請求項9又は10に記載の偏光板。
  12. 画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
    前記表示パネルの視認側に配置される請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン位相差板とを少なくとも有する立体画像表示装置。
  13. 請求項12に記載の立体用画像表示装置と、該立体用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、該偏光板を通じて立体画像を視認させる立体画像表示システム。
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