JP6321902B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、3次元表示が可能な液晶表示装置、またこれに用いるパターンドリターダー付カラーフィルタ、およびパターンドリターダー付モノクロ表示用基材に関するものである。
フラットパネルディスプレイとしては、従来、2次元表示のものが主流であったが、近年においては3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めており、一部市販されているものも存在しつつある。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては3次元表示可能であることが、その性能として当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式において右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パネル全体において右目用の映像と左目用の映像とを一定の周期で交互に切り替えて表示させ、かつ視聴者に装着させたメガネと画像切り替え周期とを同期させて、右目用の映像が表示されるタイミングでは左目側のメガネレンズが遮蔽されることによって右目のみに右目用の映像が届くようにし、反対に左目用の映像が表示されるタイミングでは右目側のメガネレンズを遮蔽されることによって左目のみに左目用の映像が届くようにする方式が知られている(メガネシャッター方式)。このような方式は、パネルの全面で右目用映像および左目用映像を表示するため、解像度が低下しないという利点があることが知られている。しかしながら、このような方式では、右目用映像と左目用映像とを高速周期で切り換える必要があるため、応答速度の速い表示方式を採用したフラットパネルディスプレイでしか採用することが難しいという問題点があった。例えば、プラズマディスプレイは表示の応答速度が速いため、このようなメガネシャッター方式を採用することも可能であるが、プラズマディスプレイと比較して表示の応答速度が遅い液晶表示装置においては、メガネシャッター方式を採用した場合は映像の明るさが極端に低下してしまうことが多いという問題点があった。
一方、液晶表示装置において右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示する方式としては、パッシブ方式というものが知られている(特許文献1)。このようなパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図20はパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。図20に示すようにこの方式では、まず、液晶表示装置の映像表示領域を、右目用の映像表示領域と左目用の映像表示領域の2種類の複数の映像表示領域にパターン状に分割し、一方のグループの映像表示領域では右目用の映像を表示させ、他方のグループの映像表示領域では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該映像表示領域の分割パターンに対応したパターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルム(パターンドリターダーフィルム)とを用い、右目用の映像と、左目用の映像とを互いに直交関係にある円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示を可能とするものがパッシブ方式である。
このようなパッシブ方式では、応答速度が高速でない液晶表示装置にも難なく採用することができること、および上記パターンドリターダーフィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に従来の液晶表示装置を3次元表示が可能なものにできるという利点がある。このようなことから、パッシブ方式の液晶表示装置は今後の3次元表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
ところで、上述したパッシブ方式の液晶表示装置においては、上述したパターンドリターダーフィルムは液晶表示装置の液晶セルの観察者側の表面上に貼り合わされることにより配置される。この際、上述したようにパターンドリターダーフィルムの位相差層は液晶表示装置の映像表示領域に対応するパターン状に形成されていることから、上記位相差層と上記映像表示領域、より具体的には上記映像表示領域におけるカラーフィルタの画素部との位置を高い精度で合わせて貼り合わせる必要がある。
しかしながら、現状の貼合方法を用いた場合は、液晶セルの外側に配置されるパターンドリターダーフィルムの位相差層と、液晶セルの内部に形成されたカラーフィルタの画素部との位置合わせの精度には限界があり、所望の精度を達成することが困難となる場合がある。その結果、両者の位置ずれにより、液晶表示装置において右目用の映像と左目用の映像とを良好に円偏光に変換することができず、3次元表示の質が低下したり、3次元表示自体を行うことができなくなるという問題がある。
また、近年、液晶表示装置においては、表示の高精細化が望まれていることから、パターンドリターダーの位相差層、およびカラーフィルタの画素部についても、高精細化に伴い、より小さなパターンで形成されることが望まれている。そのため、上述した貼合時における位置ずれは、液晶表示装置の3次元表示により大きな影響を与えることとなるため、より深刻な問題である。
特開2012−18421号公報
本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭意研究を行うなかで、従来、液晶表示装置の内部に配置されて用いられるカラーフィルタを液晶表示装置の偏光板の液晶セル側とは反対側(以下、偏光板の外側と称する場合がある。)に配置した新たな液晶表示装置の構造を見出した。さらに、本発明者らは、液晶表示装置の構造を上述した構造とすることにより、同一の基材の表面上にカラーフィルタの画素部または遮光部と、パターンドリターダーの位相差層とが形成された新たな構成のカラーフィルタおよびモノクロ表示用基材を用いることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
本発明は、上述した位相差層および画素部または遮光部の開口部の位置ずれの発生を抑制し、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置、ならびに、これに用いられるパターンドリターダー付カラーフィルタおよびパターンドリターダー付モノクロ表示用基材を提供することを主目的とする。
本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上にパターン状に形成され、赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素を含む画素部と、上記基材の一方の表面上に形成された配向層、および上記配向層の表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層を有するパターンドリターダーとを有し、上記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域を有し、上記第1位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値と、上記第2位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域がそれぞれn(nは自然数)個分の上記画素部のパターンに沿うパターン状に設けられていることを特徴とするパターンドリターダー付カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、同一の基材の表面上に画素部とパターンドリターダーとを形成することが可能となることから、画素部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとを良好な位置精度で形成することができる。よって、画素部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとの位置ずれの少ないパターンドリターダー付カラーフィルタとすることができるため、液晶表示装置の偏光板の外側に配置して用いることにより、良好に3次元表示を行うことが可能となる。
本発明においては、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域が互いに平行な帯状のパターンに設けられていることが好ましい。上記第1位相差領域および第2位相差領域のパターンと画素部のパターンとを容易に対応させることができ、両者の位置精度をより良好なものとすることができるからである。
本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の一方の表面上に形成された配向層、および上記配向層の表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層を有するパターンドリターダーとを有し、上記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域を有し、上記第1位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値と、上記第2位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域がそれぞれn(nは自然数)個分の上記遮光部の開口部のパターンに沿うパターン状に設けられていることを特徴とするパターンドリターダー付モノクロ表示用基材を提供する。
本発明によれば、同一の基材の表面上に遮光部とパターンドリターダーとを形成することが可能となることから、遮光部の開口部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとを良好な位置精度で形成することができる。よって、遮光部の開口部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとの位置ずれの少ないパターンドリターダー付モノクロ表示用基材とすることができるため、液晶表示装置の偏光板の外側に配置して用いることにより、良好に3次元表示を行うことが可能となる。
本発明においては、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域が互いに平行な帯状のパターンに設けられていることが好ましい。上記第1位相差領域および第2位相差領域のパターンと遮光部の開口部のパターンとを容易に対応させることができ、両者の位置精度をより良好なものとすることができるからである。
本発明は、上述したパターンドリターダー付カラーフィルタと、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板と、を有し、上記パターンドリターダー付カラーフィルタが上記一対の偏光板のうち、一方の上記偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、パターンドリターダー付カラーフィルタを偏光板の外側に配置することにより、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置とすることが可能となる。
本発明は、上述したパターンドリターダー付モノクロ表示用基材と、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板と、を有し、上記パターンドリターダー付モノクロ表示用基材が上記一対の偏光板のうち、一方の上記偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材を偏光板の外側に配置することにより、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置とすることが可能となる。
本発明の液晶表示装置は、上述した位相差層および画素部または遮光部の開口部の位置ずれの発生を抑制し、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置、ならびに、これに用いられるパターンドリターダー付カラーフィルタおよびパターンドリターダー付モノクロ表示用基材を提供することができるといった作用効果を奏する。
本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明におけるパターンドリターダーの位相差層ならびに第1位相差領域およおび第2位相差領域について説明するための図である。 本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明における第1位相差領域および第2位相差領域について説明するための図である。 本発明におけるパターンドリターダーについて説明するための図である。 本発明におけるパターンドリターダーについて説明するための図である。 本発明におけるパターンドリターダーについて説明するための図である。 本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの製造方法を示す工程図である。 本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるパターンドリターダーの位相差層ならびに第1位相差領域および第2位相差領域について説明するための図である。 本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。 パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の例を示す概略図である。
本発明は、パターンドリターダー付カラーフィルタ、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材、およびこれらを用いた液晶表示装置に関する。
以下、これらの発明について詳細に説明する。
A.パターンドリターダー付カラーフィルタ
まず、本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタについて説明する。
本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタは、基材と、上記基材の一方の表面上にパターン状に形成され、赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素を含む画素部と、上記基材の一方の表面上に形成された配向層、および上記配向層の表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層を有するパターンドリターダーとを有し、上記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域を有し、上記第1位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値と、上記第2位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域がそれぞれn(nは自然数)個分の上記画素部のパターンに沿うパターン状に設けられていることを特徴とする。
ここで、面内レターデーション値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標であり、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚みをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができるし、微小領域の面内レタデーション値はAXOMETRICS社(米国)製のAxoScanでミューラーマトリクスを使って測定することも出来る。また、本願明細書においては特に別段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
ここで、本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタについて図を用いて説明する。図1は本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの一例を示す概略断面図であり、図2(a)は図1におけるパターンドリターダーの概略平面図であり、図2(b)は図1における第1位相差領域および第2位相差領域について説明する説明図である。図1に例示するように本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタ11は、透明基材1’(基材1)と、透明基材1’の一方の表面上にパターン状に形成され、赤色副画素2R、緑色副画素2G、および青色副画素2Bを含む画素部2と、画素部2の表面上に形成された平坦化層4と、平坦化層4の表面上に形成された配向層3a、および配向層3aの表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層3bを有するパターンドリターダー3とを有するものである。また、図1および図2に例示するように、位相差層3bが、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2を有し、第1位相差領域B1に形成される位相差層3bの面内レターデーション値と、第2位相差領域B2に形成される位相差層3bの面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2がそれぞれn(nは自然数)個分の画素部2のパターンに沿うパターン状に設けられているパターンドリターダー3を有する。この例においては、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2が互いに平行な帯状のパターンに設けられ、少なくとも帯の幅方向(図2(b)中、xで示される方向)に1個分の画素部2のパターンを有するパターン状に設けられている例について示している。
図3は、本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。本発明においては、パターンドリターダー付カラーフィルタ11の基材1として、偏光板30を用いてもよい。また、図示はしないが、パターンドリターダー付カラーフィルタの基材として、面内レターデーション値がλ/4分に相当する位相差性を有する位相差板(以下、λ/4板と称する場合がある。)を用いてもよい。なお、図3において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、同一の基材の表面上に画素部とパターンドリターダーとを形成することが可能となることから、画素部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとを良好な位置精度で形成することができる。
この点について、より詳細に説明する。ここで、一般的に、液晶表示装置のカラーフィルタは、液晶駆動素子を有する液晶駆動基板とともに用いられ、カラーフィルタの画素部と液晶駆動基板の液晶駆動素子とは、非常に高い精度で位置を合わせることが必要となる。そのため、カラーフィルタおよび液晶駆動基板に用いられる各基材には、予め、位置合わせのためのアライメントマークが形成されており、カラーフィルタの画素部や液晶駆動基板の液晶駆動素子は、上述したアライメントマークを基準にして、フォトリソグラフィー法等を用いて形成される。本発明においては、カラーフィルタおよびパターンドリターダーが同一の基材上に形成されることから、カラーフィルタの画素部だけではなく、パターンドリターダーにおける配向層および位相差層についても上述したアライメントマークを基準にして形成することが可能となるため、画素部のパターンと、パターンドリターダーの位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとの位置精度を良好なものとすることが可能となるのである。
したがって、本発明によれば、画素部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとの位置ずれの少ないパターンドリターダー付カラーフィルタとすることができるため、液晶表示装置の偏光板の外側に配置して用いることにより、良好に3次元表示を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、液晶表示装置の高精細化に伴い、画素部のパターンならびに第1位相差領域および第2位相差領域のパターンを小さくした場合も、両者の位置ずれを抑制することが可能となる。よって、より高精細な(立体感のある)三次元表示が可能なパターンドリターダー付カラーフィルタとすることができる。
また、本発明によれば、液晶表示装置の偏光板の外側にパターンドリターダー付カラーフィルタを配置して用いることができることから、画素部と液晶セル中の液晶とが直接接触しないものとすることができる。よって、例えば画素部の各副画素が有する着色層の材料が液晶中に溶出すること等を考慮する必要がないため、上記着色層を形成する際に不純物除去のための高温焼成処理を必要としない。
また、ここでパターンドリターダーにおける位相差層は、屈折率異方性を有する化合物(以下、屈折率異方性化合物と称する場合がある。)を所定の方向に配向させることにより、位相差性が付与されているものであるが、上記屈折率異方性化合物は加熱によりその配向に乱れを生じやすい性質を有する場合がある。上述したように、本発明においては着色層の形成時に高温焼成処理を必要としないことから、熱による配向の乱れが生じやすい屈折率異方性化合物を含む位相差層の表面上に着色層を形成した場合も、位相差層中の屈折率異方性化合物の配向の乱れを抑制して着色層を形成することが可能となる。
以下、本発明のパターンドリターダー付カラーフィルタ(以下、カラーフィルタと称する場合がある。)の詳細について説明する。
I.カラーフィルタの構造
本発明のカラーフィルタの構造は、基材の一方の表面上に画素部とパターンドリターダーとを有する構造であれば特に限定されない。具体的には、基材の種類に分けて考えることができる。具体的には、基材が透明基材である場合と、基材が偏光板である場合と、基材が面内レターデーションがλ/4分に相当する位相差性を有する位相差板(λ/4板)である場合とによりその構造が選択される。
1.基材が透明基材である場合
上記の場合、カラーフィルタの構造としては、図1、図4(a)、(b)に例示するように、透明基材1’の一方の表面上に画素部2とパターンドリターダー3とが積層して形成された構造であってもよく、図4(c)に例示するように、透明基材1’の一方の表面上に画素部2が形成され、透明基材1’の他方の表面上にパターンドリターダー3が形成された構造であってもよい。本発明においては、なかでも、図1、図4(a)、(b)に例示するように、透明基材1’の一方の表面上に画素部2とパターンドリターダー3とが積層して形成された構造であることが好ましい。画素部2のパターンとパターンドリターダー3の位相差層3bの第1位相差領域B1および第2位相差領域B2のパターンとの位置ずれをより少ないものとすることができるからである。また、この場合の具体的なカラーフィルタ11の構造としては、図1、図4(a)に例示するように、透明基材1’、画素部2、およびパターンドリターダー3の順に積層された構造や、図4(b)に例示するように、透明基材1’、パターンドリターダー3、および画素部2の順に積層された構造を挙げることができる。本発明においては、特に、透明基材1’、画素部2、およびパターンドリターダー3の順に積層された構造であることが好ましい。上記構造とすることにより、パターンドリターダー付カラーフィルタの形成時において、位相差層が加熱されないものとすることができることから、屈折率異方性化合物を良好に配列させることができ、良好な位相差性を示す位相差層とすることが可能となるからである。
さらにこの場合は、図1に例示するように、画素部2と配向層3aとの間に平坦化層4を形成したり、図4(a)に例示するように、画素部2の各副画素2R、2G、2Bが有する着色層間に、着色層と同等の厚みを有する遮光部5を形成することが好ましい。配向層を平坦な層の表面上に形成することが可能となることから、配向層を形成する際にラビング処理等を行いやすくなるからである。
なお、図4は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.基材が偏光板である場合
上記の場合、本発明のカラーフィルタは液晶表示装置に用いられるに際しては、画素部およびパターンドリターダーが観察者側の偏光板の外側に配置されるものとなる(後述する図16参照)。
したがって、カラーフィルタの構造としては、偏光板の一方の表面上に画素部およびパターンドリターダーが積層された構造となる。具体的には、図3に例示するように偏光板30、画素部2、およびパターンドリターダー3の順に積層された構造や、図5に例示するように偏光板30、パターンドリターダー3、および画素部2の順に積層された構造を挙げることができる。本発明においては、なかでも、偏光板、画素部、およびパターンドリターダーの順に積層された構造であることが好ましい。なお、この理由については、上述した「1.基材が透明基材である場合」の項で説明した理由と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお図5は本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。なお、説明していない符号については、図2等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.基材がλ/4板である場合
本発明におけるカラーフィルタは、基材として、上述した透明基材や偏光板の他に、必要に応じて配置されるλ/4板を用いることができる。この場合のカラーフィルタの構造および配置については、上述した「1.基材が透明基材である場合」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
II.カラーフィルタの各構成
本発明のカラーフィルタは、基材と、画素部と、パターンドリターダーとを有するものである。以下、各構成について説明する。
1.パターンドリターダー
本発明に用いられるパターンドリターダーについて説明する。ここで、パターンドリターダーとは、3次元表示用の液晶表示装置の観察者側に配置される偏光板の外側に設けられるものである。また、上記パターンドリターダーは、上記偏光板とともに、もしくは、必要に応じてさらにλ/4板を併用して用いることにより、液晶表示装置における右目用の映像表示領域および左目用の映像表示領域により表示された右目用の映像および左目用の映像を互いに直交関係にある円偏光に変換する機能を有するものである。
(1)第1位相差領域および第2位相差領域のパターン
本発明におけるパターンドリターダーは、位相差層が有する第1位相差領域および第2位相差領域のパターンに特徴を有する。すなわち、第1位相差領域および上記第2位相差領域がそれぞれn(nは自然数)個分の上記画素部のパターンに沿うパターン状に設けられていることに特徴を有する。
ここで、上記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域をパターン状に有するとは、第1位相差領域および第2位相差領域の両方に位相差層が形成されている場合だけではなく、第1位相差領域または第2位相差領域のいずれか一方のみに位相差層が形成されている場合も含む概念である。また、この場合、位相差層が形成されていない領域についても、本発明においては、第1位相差領域または第2位相差領域として扱うものとする。
ここで、n(nは自然数)個分の画素部のパターンに沿うパターンとは、第1位相差領域および第2位相差領域にそれぞれ少なくとも1個の画素部が含まれるパターンをいうものであり、1個の画素部が第1位相差領域および第2位相差領域の2つの領域に含まれないパターンをいうものである。
また、本発明においては第1位相差領域に含まれる画素部は、液晶表示装置において右目用の映像表示領域または左目用の映像表示領域のいずれか一方に用いられ、第2位相差領域に含まれる画素部は、他方の目用の映像表示領域に用いられる。
このような第1位相差領域および第2位相差領域の具体的なパターンは、パターンドリターダー付カラーフィルタの用途、画素部のパターン等に応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。より具体的には、帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等を挙げることができる。なかでも本発明においては、第1位相差領域および第2位相差領域のパターンが互いに平行な帯状パターンであることが好ましい。第1位相差領域および第2位相差領域を、画素部のパターンに沿うように良好な位置精度でパターン状に設けることが可能となるからである。
第1位相差領域および第2位相差領域に含まれる画素部の個数としては、1個以上であれば特に限定されず、第1位相差領域および第2位相差領域のパターン、画素部のパターン等により適宜選択されるものである。
なお、通常、第1位相差領域と第2位相差領域とに含まれる画素部の個数は同数である。
より具体的には、第1位相差領域および第2位相差領域が互いに平行な帯状パターンで設けられている場合、各領域に含まれる画素部の個数としては、上記帯状パターンの幅方向に1個〜30個の範囲内、なかでも1個〜20個の範囲内、特に1個〜10個の範囲内とすることが好ましい。上記数値を超える場合は、液晶表示装置に用いた場合に、良好な3次元表示を行うことが困難となる場合があるからである。また、上記帯状パターンの長さ方向における画素部の個数についてはカラーフィルタの種類により適宜選択される。
なお、本発明において「帯状パターンの幅方向に1個の画素部を含む」とは、図2(b)や図6に例示するようなパターンを指す。なお、図6は、本発明における第1位相差領域および第2位相差領域を説明する説明図である。
また、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いて3次元表示をする場合は、第1位相差領域または第2位相差領域に含まれる画素部が、第1位相差領域または第2位相差領域のパターンの配列方向(帯状パターンにおいては幅方向)の断面を観察した場合に1個であることが特に好ましい。これにより、液晶表示装置においてさらに良好な3次元表示を行うことができる。
第1位相差領域および第2位相差領域が帯状のパターンに形成されている場合、第1位相差領域および第2位相差領域の幅は同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。しかしながら、本発明においては第1位相差領域の幅と第2位相差領域の幅は同一であることが好ましい。液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいては、通常、画素部が同一の幅で形成されていることから、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域の幅を同一幅とすることにより、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域のパターンと、カラーフィルタにおける画素部のパターンとを対応関係にすることが容易になるからである。
第1位相差領域および上記第2位相差領域の具体的な幅としては、本発明のカラーフィルタの用途等に応じて適宜決定される。このように上記第1位相差領域および第2位相差領域の幅は特に限定されるものではないが、通常、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜600μmの範囲内であることがより好ましい。
(2)パターンドリターダーの形態
本発明におけるパターンドリターダーは、基材の一方の表面上に形成された配向層と、上記配向層の表面上に形成された位相差層とを有するものである。
配向層は、位相差層に含有される屈折率異方性化合物を所定の配向に配列させる機能を有するものであり、位相差層は屈折率異方性化合物を含有することにより、パターンドリターダーに位相差性を付与するものである。
また、本発明におけるパターンドリターダーは、位相差層が上述した第1位相差領域および第2位相差領域をパターン状に有し、上記第1位相差領域おける面内レターデーション値と、上記第2位相差領域における面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものである。このようなパターンドリターダーとしては、具体的には、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、第2位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、各領域の位相差層に含有される屈折率異方性化合物の配向方向が直交する態様(第1態様)と、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、第2位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当し、各領域の位相差層に含有される屈折率異方性化合物の配向方向が同一方向である態様(第2態様)と、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/2分に相当する態様(第3態様)とを挙げることができる。
以下、各態様について説明する。
(a)第1態様
まず、本発明に用いられるパターンドリターダーの第1態様について説明する。本態様のパターンドリターダーは、基材の一方の表面上に形成された配向層と、上記配向層の表面上に形成され、屈折率異方性を有する屈折率異方性化合物を含有する位相差層と、を有し、位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域をパターン状に有し、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、第2位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、各領域の位相差層に含有される屈折率異方性化合物の配向方向が直交するものである。このようなパターンドリターダー3は、具体的には、図7(a)、(b)に例示するように、配向層3aが、上記屈折率異方性化合物を一方向に配列させることができるように配向処理が施されている第1配向領域A1と、上記屈折率異方性化合物を上記第1配向領域A1における配列方向と直交する方向に配列させることができるように配向処理が施されている第2配向領域A2とがパターン状に配置されたものであり、第1位相差領域B1に形成される位相差層3bと第2位相差領域B2に形成される位相差層3bとの厚みが同等であり、それぞれλ/4分に相当する厚みである構成を有する。
なお、図7は本態様のパターンドリターダーについて説明する説明図である。
本態様においては、上記配向層に上記第1配向領域および上記第2配向領域がパターン状に形成されていることにより、当該パターンに従って上記位相差層においても第1配向領域上に形成された位相差層と、上記第2配向領域上に形成された位相差層と、がパターン状に配置されることになる。ここで、上記第1配向領域と上記第2配向領域とでは上記屈折率異方性化合物を配列させる方向が互いに直交する方向になることから、上記第1位相差領域と上記第2位相差領域とでは屈折率の最も大きくなる方向(遅相軸方向)が互いに直交する関係になる。このため、本態様においては上記第1配向領域および上記第2配向領域が形成されたパターンに対応して、上記位相差層において遅相軸方向が異なる第1位相差領域、および第2位相差領域がパターン状に配置されたパターンドリターダーとすることができる。
(i)配向層
本態様に用いられる配向層について説明する。
本態様に用いられる配向層は、その表面に位相差層に含有される屈折率異方性化合物を一方向に配列することができるように配向処理が施された上記第1配向領域と、上記屈折率異方性化合物を上記第1配向領域における配列方向と直交するように配向処理が施された第2配向領域とがパターン状に配置されているものである。
なお、第1配向領域および第2配向領域のパターンについては、上述した第1位相差領域および第2位相差領域のパターンと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明に用いられる配向層の構成について説明する。ここで、上記パターンドリターダーは、上記配向層上に後述する位相差層が積層された構成を有するものであることから、上記第1配向領域および上記第2配向領域に形成される配向層としては、第1配向領域および第2配向領域の表面上に形成された位相差層中の屈折率異方性化合物をその配列方向が互いに直交するように配列できるように配向処理が施されたものであれば特に限定されない。このような配向層の構成としては、配向処理の違いにより、2つの態様に大別することができる。すなわち、配向層がその表面に微細凹凸形状が形成されたものである態様(Aの態様)と、配向層が光配向膜から構成されるものである態様(Bの態様)とに大別することができる。以下、各態様について説明する。
(Aの態様)
まず、Aの態様の配向層について説明する。
本態様の配向層は、その表面に微細凹凸形状が形成されたものである。
上記微細凹凸形状としては、上記位相差層中に含まれる屈折率異方性化合物を一定方向に配列させることが可能なものであれば特に限定されない。例えば、ストライプ状のライン状凹凸構造であってもよく、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに不連続な状態で形成された態様であってもよい。
ここで、ストライプ状のライン状凹凸構造とは、壁状に形成された凸部が一定の間隔でストライプ状に形成された態様を意味するものであり、例えば表面にラビング処理がなされた場合に形成されるような微小な傷のような凹凸形状はこれに含まれないものである。
またここで、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに不連続な状態で形成された態様とは、例えば、表面にラビング処理がなされた場合等に形成されるような微小な傷のようなライン状凹凸構造が、略一定方向に不連続な状態で形成された態様を意味するものである。
本態様においては、なかでも微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに不連続な状態で形成された態様であることが好ましい。フォトリソグラフィー法を用いて、画素部のパターンに沿ってより良好な位置精度で第1配向領域および第2配向領域を形成することが可能となるため、配向層上に形成される第1位相差領域および第2位相差領域についても良好な位置精度とすることが可能となるからである。
本態様における配向層を形成するために用いられる構成材料としては、表面に所定の微細凹凸形状が形成された第1配向領域および第2配向領域を、所望のパターン状に形成できるものであれば特に限定されるものではない。このような構成材料としては、たとえば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を挙げることができる。
本態様における配向層の形成方法としては、表面に上述した第1配向領域および第2配向領域が配置された配向層を形成することが可能であれば特に限定されない。例えば、次のような方法を好適に用いることができる。まず、基材の一方の表面上に配向層の材料を含む配向層形成用層を形成した後、配向層形成用層上にレジストを塗布し、露光および現像することにより、第2配向領域に対応する領域にレジスト層をパターン状に形成する。またこの際、第1配向領域に対応する領域の表面を露出させる。次に、上記表面にラビング処理を施して第1配向領域を形成する。次いで、レジスト層を剥離して、第2配向領域に対応する領域の表面を露出させた後、再度レジストの塗布、露光および現像を行うことにより第1配向領域上にレジスト層をパターン状に形成し、第2配向領域に対応する領域の表面にラビング処理を施した後、レジスト層の剥離を行うことにより第2配向領域を形成する。
(Bの態様)
次に、Bの態様の配向層について説明する。
本態様の配向層は、光配向膜から構成されるものである。
ここで、光配向膜は、後述する光配向膜の構成材料を塗布した基板に偏光を制御した光を照射し、光励起反応(分解、異性化、二量化)を生じさせて得られた膜に異方性を付与することによりその膜上の屈折率異方性化合物を配向させるものである。
本態様に用いられる光配向膜の構成材料は、光を照射して光励起反応を生じることにより、屈折率異方性化合物を配向させる効果(光配列性:photoaligning)を有するものであれば特に限定されるものではなく、このような材料としては、大きく、分子の形状のみが変化し可逆的な配向変化が可能な光異性化型と、分子そのものが変化する光反応型とに分けることができる。
ここで、光異性化反応とは、光照射により単一の化合物が他の異性体に変化する現象をいう。このような光異性化型材料を用いることにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより光配向膜に容易に異方性を付与することができる。
また、上記光反応は、光照射により分子そのものが変化し、光配向膜の光配列性に異方性を付与することができるものであればよいが、光配向膜への異方性の付与がより容易となることから、光二量化反応または光分解反応であることが好ましい。ここで、光二量化反応とは、光照射により偏光方向に配向した反応部位がラジカル重合して分子2個が重合する反応をいう。この反応により偏光方向の配向を安定化し、光配向膜に異方性を付与することができる。一方、光分解反応とは、光照射により偏光方向に配向したポリイミドなどの分子鎖を分解する反応をいう。この反応により偏光方向に垂直な方向に配向した分子鎖を残し、光配向膜に異方性を付与することができる。
本態様においては、光配向膜の構成材料として、上記のなかでも、光二量化反応または光分解反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料を用いることが好ましい。
上記光配向膜の構成材料が光励起反応を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。
光異性化型材料としては、光異性化反応により光配向膜に異方性を付与することができる材料であれば特に限定されるものではないが、偏光方向により吸収を異にする二色性を有し、かつ、光照射により異性化反応を生じる光異性化反応性化合物を含むことが好ましい。このような特性を有する光異性化反応性化合物の偏光方向に配向した反応部位の異性化を生じさせることにより、上記光配向膜に容易に異方性を付与することができる。
上記光異性化反応性化合物において、上記異性化反応は、シス−トランス異性化反応であることが好ましい。光照射によりシス体またはトランス体のいずれかの異性体が増加し、それにより光配向膜に異方性を付与することができるからである。
本態様に用いられる光異性化反応性化合物としては、単分子化合物、または、光もしくは熱により重合する重合性モノマーを挙げることができる。これらは、用いられる屈折率異方性化合物の種類に応じて適宜選択すればよいが、光照射により光配向膜に異方性を付与した後、ポリマー化することにより、その異方性を安定化することができることから、重合性モノマーを用いることが好ましい。このような重合性モノマーのなかでも、光配向膜に異方性を付与した後、その異方性を良好な状態に維持したまま容易にポリマー化できることから、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーであることが好ましい。
このような光異性化反応性化合物としては、具体的には、アゾベンゼン骨格やスチルベン骨格などのシス−トランス異性化反応性骨格を有する化合物を挙げることができる。
上述したような単分子化合物または重合性モノマーの光異性化反応性化合物のなかでも、本態様に用いられる光異性化反応性化合物としては、分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物であることが好ましい。アゾベンゼン骨格は、π電子を多く含むため、液晶分子との相互作用が高く、屈折率異方性化合物として好適に用いられる液晶材料の配向制御に特に適しているからである。
また、光二量化反応を利用した光反応型の材料としては、光二量化反応により光配向膜に異方性を付与することができる材料であれば特に限定されるものではないが、ラジカル重合性の官能基を有し、かつ、偏光方向により吸収を異にする二色性を有する光二量化反応性化合物を含むことが好ましい。偏光方向に配向した反応部位をラジカル重合することにより、光二量化反応性化合物の配向が安定化し、光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
このような特性を有する光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基およびシンナモイル基から選ばれる少なくとも1種の反応部位を有する二量化反応性ポリマーを挙げることができる。これらのなかでも光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリンまたはキノリンのいずれかを含む二量化反応性ポリマーであることが好ましい。偏光方向に配向したα、β不飽和ケトンの二重結合が反応部位となってラジカル重合することにより、光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
上記二量化反応性ポリマーの主鎖としては、ポリマー主鎖として一般に知られているものであれば特に限定されるものではないが、芳香族炭化水素基などの、上記側鎖の反応部位同士の相互作用を妨げるようなπ電子を多く含む置換基を有していないものであることが好ましい。
さらに、光分解反応を利用した光反応型の材料としては、例えば日産化学工業(株)製のポリイミド「RN1199」などを挙げることができる。
また、本態様に用いられる光配向膜の構成材料は、光配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
次に、光配向処理方法について説明する。まず、基材の一方の表面上に、上述の光配向膜の構成材料を有機溶剤で希釈した塗工液を塗布し、乾燥させる。この場合に、塗工液中の光二量化反応性化合物または光異性化反応性化合物の含有量は、0.05重量%〜10重量%の範囲内であることが好ましく、0.2重量%〜2重量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より小さいと、配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より大きいと、塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
塗布法としては、スピンコート法、ロールコート法、ロッドバーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、スロットダイコート法、ワイヤーバーコート法などを用いることができる。
上記構成材料を塗布することにより得られる膜の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。膜の厚みが上記範囲より薄いと十分な光配列性を得ることができない可能性があり、逆に厚みが上記範囲より厚いとコスト的に不利になる場合があるからである。
得られた膜は、偏光を制御した光を照射することにより、光励起反応を生じさせて異方性を付与することができる。照射する光の波長領域は、用いられる光配向膜の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、紫外光域の範囲内、すなわち100nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは250nm〜380nmの範囲内である。
また、本発明においては、上記変更を制御した光をパターン状に照射することにより、光配向膜に第1配向領域および第2配向領域を形成することができる。上記光をパターン状に照射する方法としては、例えばフォトマスクを用いて上記光を照射する方法等が挙げられる。
偏光方向は、上記光励起反応を生じさせることができるものであれば特に限定されるものではないが、屈折率異方性化合物の配向状態を良好なものとすることができることから基材面に対して斜め0°〜45°の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは20°〜45°の範囲内とする。
さらに、光配向膜の構成材料として、上記の光異性化反応性化合物の中でも重合性モノマーを用いた場合には、光配向処理を行った後、加熱することにより、ポリマー化し、光配向膜に付与された異方性を安定化することができる。
(ii)位相差層
本態様における位相差層について説明する。
本態様に用いられる位相差層は後述する屈折率異方性化合物が含有されることにより、位相差性を発現するものになっているところ、当該位相差性の程度は上記屈折率異方性化合物の種類および位相差層の厚みに依存して決定されるものである。したがって、本態様における位相差層の厚みは、位相差層の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内で形成される。なお、本態様における位相差層では第1位相差領域および第2位相差領域の厚みはほぼ同一となる。
上記位相差層の面内レターデーション値は、具体的には、100nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、110nm〜150nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜140nmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、本態様における位相差層において第1位相差領域および第2位相差領域が示す面内レターデーション値は、遅相軸の方向が異なる以外はほぼ同一となる。
本態様において、位相差層の厚みを位相差層の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、後述する屈折率異方性化合物の種類により適宜決定されることになる。もっとも、当該距離は本態様において一般的に位相差層用いられる屈折率異方性化合物であれば、通常、0.5μm〜2μmの範囲内となるがこれに限られるものではない。
次に、位相差層に含有される屈折率異方性化合物について説明する。本態様に用いられる上記屈折率異方性化合物は屈折率異方性を有するものである。本態様における位相差層中に含有される上記屈折率異方性化合物としては、規則的に配列することにより本態様における位相差層に所望の位相差性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。本態様に用いられる屈折率異方性化合物は、なかでも棒状化合物であることが好ましく、特に液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料は屈折率異方性が大きいため、上記パターンドリターダーに所望の位相差性を付与することが容易になるからである。
本態様に用いられる上記液晶性材料としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料を挙げることができる。本態様においては、これらのいずれの液晶相を示す材料であっても好適に用いることができるが、なかでもネマチック相を示す液晶性材料を用いることが好ましい。ネマチック相を示す液晶性材料は、他の液晶相を示す液晶性材料と比較して規則的に配列させることが容易であるからである。
また、本態様においては上記ネマチック相を示す液晶性材料として、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶性材料は柔軟性に優れるため、このような液晶性材料を用いることにより、上記パターンドリターダーを透明性に優れたものにできるからである。
さらに、本態様に用いられる屈折率異方性化合物は、分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられ、なかでも3次元架橋可能な重合性官能基を有するものがより好適に用いられる。上記屈折率異方性化合物が重合性官能基を有することにより、上記屈折率異方性化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくい位相差層を得ることができるからである。なお、重合性官能基を有する屈折率異方性化合物を用いた場合、本態様における位相差層には、重合性官能基によって架橋された屈折率異方性化合物が含有されることになる。
なお、上記「3次元架橋」とは、液晶性分子を互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。
上記重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、本態様における屈折率異方性化合物は液晶性を示す液晶性材料であって、末端に上記重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶性材料を用いることにより、例えば、互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、配列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた上記位相差層を形成することができるからである。
なお、本態様においては片末端に重合性官能基を有する液晶性材料を用いた場合であっても、他の分子と架橋して配列安定化することができる。
本態様に用いられる屈折率異方性化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本態様において上記屈折率異方性化合物は、1種類のみを用いてもよく、または、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、上記屈折率異方性化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料と、片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)および光学特性を任意に調整できる点から好ましい。また、信頼性確保の観点からは、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料が好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであることが好ましい。
上記位相差層の形成方法としては、公知の方法とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)第2態様
次に、本発明に用いられるパターンドリターダーの第2態様について説明する。本態様のパターンドリターダーは、基材の一方の表面上に形成された配向層と、上記配向層の表面上に形成され、屈折率異方性を有する屈折率異方性化合物を含有する位相差層と、を有し、位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域をパターン状に有し、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、第2位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当し、各領域の位相差層に含有される屈折率異方性化合物の配向方向が同一方向であるものである。このようなパターンドリターダーは、具体的には、図8(a)、(b)に例示するように、上記配向層3aが、表面に厚みが大きい厚膜領域A11および上記厚膜領域A11よりも厚みが小さい薄膜領域A12をパターン状に有するものであり、上記厚膜領域A11および上記薄膜領域A12が同一方向に上記屈折率異方性化合物を配列させることができるように表面に配向処理が施されている構成を有する。また、本態様においては、厚膜領域A11の表面上に形成された位相差層3bの厚みが薄膜領域A12の表面上に形成された位相差層3bの厚みよりも小さいものとなる。また、このようなパターンドリターダーにおいては、上記厚膜領域A11上に形成された位相差層3bを第1位相差領域B1として用い、上記薄膜領域A12上に形成された位相差層3bを第2位相差領域B2として用いる。
なお、図8は本態様のパターンドリターダーについて説明する説明図である。
本態様においては、上記配向層が上記厚膜領域および上記薄膜領域が形成されたものであり、かつ上記厚膜領域と、上記薄膜領域とが同一方向に上記屈折率異方性化合物を配列させることができるようなものであることにより、上記厚膜領域上に形成された位相差層と上記薄膜領域上に形成された位相差層とは、厚膜領域と薄膜領域との厚みの差に相当する分だけ異なった位相差値(面内レターデーション)を示すことになる。このため、本態様においては厚膜領域および薄膜領域に対応して、位相差層において面内レターデーション値が異なる第1位相差領域および第2位相差領域がパターン状に配置されたパターンドリターダーとすることができる。
(i)配向層
本態様に用いられる配向層について説明する。
本態様に用いられる配向層は、表面に厚みが大きい厚膜領域および上記厚膜領域よりも厚みが小さい薄膜領域をパターン状に有するものであり、上記厚膜領域および上記薄膜領域が同一方向に屈折率異方性化合物を配列させることができるようにその表面に配向処理が施されているものである。
なお、本態様において配向層が表面に厚みが大きい厚膜領域および上記厚膜領域よりも厚みが小さい薄膜領域をパターン状に有するとは、図8に例示するように、配向層自体の厚みが厚膜領域および薄膜領域で異ならせて形成されている場合だけではなく、図示はしないが、例えば、基材上に形成された画素部上に配向層を形成する場合は、厚膜領域に対応する画素部における着色層の厚みを、薄膜領域に対応する画素部における着色層の厚みよりも厚く形成し、各領域に同等の厚みを有する配向層が形成されている場合、すなわち、配向層の下層に位置する着色層により厚膜領域および薄膜領域の膜厚差が調整されている場合を含むものとする。
上記厚膜領域および薄膜領域のパターンについては、上述した第1位相差領域のパターンおよび第2位相差領域のパターンと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様における配向層に形成された厚膜領域と薄膜領域とは、配向層の表面において互いに厚みが異なる部位である。上述したように上記パターンドリターダーにおいては、位相差層において厚膜領域と薄膜領域との厚みの差に相当する分だけ位相差値が異なるパターンが形成されることになる。したがって、本態様においては上記厚膜領域と上記薄膜領域との厚みの差が、位相差層の第1相差領域の面内レターデーション値と、位相差層の第2位相差領域の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当する距離とされる。これにより、例えば、配向層上に位相差層を形成する際に、第1位相差領域の面内レターデーションがλ/4分に相当するようにすることにより、得られる上記パターンドリターダーは、第1位相差領域の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、かつ第2位相差領域の面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当することになるが、このような態様の上記パターンドリターダーにおいては、上記第1位相差領域、上記第2位相差領域を通過する直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、精度良く3次元映像を表示できる。
本態様において、上記厚膜領域と上記薄膜領域との厚みの差を、第2位相差領域の面内レターデーション値と、第1位相差領域の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するようになる距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、後述する位相差層に用いられる屈折率異方性化合物の種類により適宜決定されることになる。もっとも、当該距離は本態様において一般的に用いられる屈折率異方性化合物であれば、通常、1.5μm〜3.0μmの範囲内となる。
上記厚膜領域および上記薄膜領域の厚みとしては、厚膜領域と薄膜領域の差を所定の範囲にすることができる範囲内であれば、厚膜領域の厚みと薄膜領域の厚みは特に限定されるものではない。例えば、厚膜領域の厚みが3.0μmで薄膜領域の厚みが1.0μmの場合、その差は2.0μmとなるが、厚膜領域の厚みが13.0μmで薄膜領域の厚みが11.0μmで、その差が2.0μmとなる様にしてもよい。中でも本態様においては、上記厚膜領域の厚みは1.6μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、2.5μm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、2.5μm〜5μmの範囲内であることがさらに好ましい。また、上記薄膜領域の厚みは0.1μm〜17μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜7μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜4μmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、上記厚膜領域の厚み、上記薄膜領域の厚み、および上記厚膜領域と薄膜領域との厚みの差は、それぞれ図8中のD1、D2、およびD3で示す距離を意味するものとする。
配向層に関して上記以外の点については上述した「(a)第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(ii)位相差層
次に、本態様における位相差層について説明する。
なお、上記屈折率異方性を有する屈折率異方性化合物としては、上記「(a)第1態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる位相差層は、上記屈折率異方性化合物が含有されることにより、位相差性を発現するものになっているところ、当該位相差性の程度は屈折率異方性化合物の種類および位相差層の厚みに依存して決定されるものである。したがって、第1位相差領域の厚みは第1位相差領域の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内とされる。これにより、上記厚膜領域と上記薄膜領域との厚みの差を第1位相差領域の面内レターデーション値と、第2位相差領域の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当する距離とすることにより、第1位相差領域の面内レターデーション値がλ/4分に相当し、かつ位相差層における第2位相差領域の面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当することになるが、このような態様のパターンドリターダーにおいては、上記第1位相差領域、上記第2位相差領域を通過する直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、より精度良く3次元映像を表示できる。
より具体的には上記第2位相差領域の面内レターデーション値は、300nm〜480nmの範囲内であることが好ましく、330nm〜450nmの範囲内であることがより好ましく、360nm〜420nmの範囲内であることがさらに好ましい。また第1位相差領域の面内レターデーション値は100nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、110nm〜150nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜140nmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、本態様における位相差層において、第2位相差領域の面内レターデーション値と第1位相差領域の面内レターデーション値とは異なるが、遅相軸の方向はほぼ同一の方向となる。
本態様において、上記第1位相差領域の厚みを当該第1位相差領域の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、位相差層に用いられる屈折率異方性化合物の種類により適宜決定されることになる。もっとも、当該距離は本態様において一般的に用いられる屈折率異方性化合物であれば、通常、0.1μm〜1.9μmの範囲内であることが好ましく、0.25μm〜1.75μmの範囲内であることがより好ましく、0.5μm〜1.5μmの範囲内であることがさらに好ましい。
(c)第3態様
次に、本発明に用いられるパターンドリターダーの第3態様について説明する。本態様のパターンドリターダーは、基材の一方の表面上に形成された配向層と、上記配向層の表面上に形成され、屈折率異方性を有する屈折率異方性化合物を含有する位相差層と、を有し、位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域をパターン状に有し、第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/2分に相当するものである。このようなパターンドリターダーは、具体的には、図9に例示するように、少なくとも第1位相差領域に面内レターデーションがλ/2分に相当する位相差層3bが形成されている構成を有する。
なお、図9は本態様のパターンドリターダーについて説明する説明図である。
上記パターンドリターダーを有する場合は、本態様のカラーフィルタとλ/4板とを用いてように3次元表示を行うことが可能となる。この点について詳しくは後述する「C.液晶表示装置」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
(i)位相差層
本態様に用いられる位相差層について説明する。本態様においては、少なくとも第1位相差領域に面内レターデーションがλ/2分に相当する位相差層が形成される。
ここで、「少なくとも第1位相差領域に面内レターデーションがλ/2分に相当する位相差層が配置される」とは、位相差層が第1位相差領域のみに配置されている場合だけではなく、第2位相差領域に、第2位相差領域を透過する直線偏光の偏光状態に影響しない位相差層が形成されている場合を含む。本態様のパターンドリターダーの態様については、後述する。
上記第1位相差領域に含有される屈折率異方性化合物について説明する。本態様に用いられる屈折率異方性化合物は屈折率異方性を有するものである。ここで、上記第1位相差領域は面内レターデーションがλ/2分に相当する程度の位相差性を示すものであるため、通常、上記屈折率異方性化合物は第1位相差領域内において一方向に配列して存在することになる。
このような屈折率異方性化合物としては、第1位相差領域に面内レターデーション値がλ/2分に相当する程度の位相差性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、上記「(a)第1態様」の項に記載されたものと同様とすることができる。
本態様に用いられる位相差層は、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域を有するものであるが、第1位相差領域の面内レターデーションの具体的な値は、通常、200nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、220nm〜280nmの範囲内であることがより好ましく、230nm〜270nmの範囲内であることが特に好ましい。
本態様に用いられる位相差層としては、具体的には、図9(a)に例示するように、第1位相差領域B1のみに位相差層3bが形成された態様(Cの態様)や、図9(b)、(c)に例示するように、第1位相差領域に位相差層が形成され、さらに第2位相差領域に第2位相差領域を透過する直線偏光の偏光状態に影響しない位相差層が形成された態様(Dの態様)を挙げることができる。
本態様に用いられる位相差層としては、上記Cの態様および上記Dの態様の何れの態様であってもよいが、上記Dの態様であることが好ましい。Dの態様の位相差層は、位相差層自体の形状をパターン状にすることを要しないため、位相差層を形成することが容易だからである。
上記Dの態様の位相差層を用いる場合、第2位相差領域に形成される位相差層としては図9(b)に例示するように、位相差性を示すものであってもよく、あるいは図9(c)に例示するように、位相差性を示さないものであってもよいが、位相差性を有するものである場合には、遅相軸の方向が、上記第1位相差領域の遅層軸の方向と、45°に交差する方向であることを要する。そうでなければ、3次元映像を表示することが困難になるからである。中でも本態様においては上記第2位相差領域に形成される位相差層に含有される上記屈折率異方性化合物の配向方向が、上記第1位相差領域に形成される位相差層に含有される屈折率異方性化合物の配向方向に対して45°の方向であることが好ましい。さらに、上記第2位相差領域に形成される位相差層は、面内レターデーション値がλ/2分に相当することが好ましい。これにより、上記位相差層における第1位相差領域および第2位相差領域を透過する光量を同程度とすることができ、また第1位相差領域および第2位相差領域の境界を目立たなくすることができるため、表示品質に優れたものを得ることができるからである。すなわち、液晶表示装置に用いる場合、偏光板の偏光軸と第2位相差領域の遅層軸が平行又は直交の関係にあれば、第2位相差層が偏光状態を変換する作用効果はゼロになるので、第2位相差領域の面内レターデーション値はいくつであっても良いが、第1位相差領域と第2位相差領域を透過する光の透過率が変わると第1位相差領域と第2位相差領域の境界が見えてしまうので、第1位相差領域と第2位相差領域は同一の物質で構成され膜厚が等しいことがより好ましいからである。
本態様に用いられる位相差層の厚みとしては、上記第1位相差領域の面内レターデーション値をλ/2分に相当する程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上記屈折率異方性化合物の種類等に応じて適宜決定することができるものであるが、通常、0.5μm〜4μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、1.5μm〜2.5μmの範囲内であることがさらに好ましい。
(ii)配向層
次に、本態様に用いられる配向層について説明する。
本態様に用いられる配向層は、第1位相差領域に含有される化合物を一方向に配列させることが可能なものであれば特に限定されない。
なお、本態様に用いられる位相差層が、上記第1位相差領域および第2位相差領域に形成される場合、本態様に用いられる配向層は、上記第1位相差領域に対応する領域と、第2位相差領域に対応する領域とにおいて、屈折率異方性化合物を配列させることができる方向が、45°交差するように配向処理がなされることが好ましい。
配向層について上述した点以外は上述した「(a)第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(d)パターンドリターダー
本発明に用いられるパターンドリターダーの形態としては、上述したなかでも、第1態様の形態または第3態様の形態であることが好ましい。配向層の厚み均一なものとすることが可能となることから、配向層の表面に第1位相差領域および第2位相差領域に対応する第1配向領域および第2配向領域をフォトリソグラフィー法を用いて、容易に形成することができ、また、画素部のパターンとの位置合わせについても容易に行うことが可能となるからである。また、本発明においては、特に第1態様のパターンドリターダーとすることが好ましい。λ/4板を用いることなく、3次元表示を行うことが可能な液晶表示装置を得ることができるからである。
2.画素部
次に本発明における画素部について説明する。本発明における画素部は、赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素を有するものである。また、本発明においては、上記画素部が基材の一方の表面上に複数パターン状に配列される。
上記画素部のパターン配列としては、液晶表示装置の用途等に応じて適宜選択することができ特に限定されず、一般的な液晶表示装置のカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。より具体的には、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列となるようなパターン配列とすることができる。また、画素部の面積は任意に設定することができる。なお、本発明においては、通常、各副画素は同一の面積で形成される。
画素部を構成する副画素は、着色層を有するものである。また、各色の着色層の材料は、各色の顔料や染料等の着色剤を感光性樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、赤色顔料としてはペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。
また、赤色染料としては、ローダミン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、緑色顔料としてはハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
また、緑色染料としては、フタロシアニン系染料、アントラキンノン系染料、トリフェニルメタン系塩基性染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、青色顔料としては銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリアリールメタン系レーキ顔料等が挙げられる。
また、青色染料としては、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、なかでも青色着色層に用いられる着色剤が、トリアリールメタン系レーキ顔料またはトリアリールメタン系染料等であることが好ましい。ここで、トリアリールメタン系レーキ顔料またはトリアリールメタン系染料等とは、トリアリールメタン化合物を含むレーキ顔料または染料を指す。
上記トリアリールメタン化合物としては、従来公知の青色系染料として用いられているものを用いることができる。
例えば、特開2008−304766号公報に記載のトリアリールメタン系色素や、特開2000−162429号公報に記載のトリフェニルメタン染料、特開平11−223720号公報に記載のトリフェニルメタン系染料を用いることができる。
特に、下記一般式(1)および(2)で表わされるトリアリールメタン化合物が、透過率、耐熱性、および耐候性の観点から好ましい。
上記透過率とは、着色剤を30質量%濃度で均一に分散させて作製した厚さ2μm〜3μmの塗膜について、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した値をいう。本発明においては、青色着色層の透過率は、405nm〜480nmにおいて80%以上であることが好ましい。
上記耐熱性とは、例えば、焼成前後の色濃度を合わせた場合に輝度が低下しないことをいう。焼成温度は例えば、150℃〜250℃、焼成時間は例えば、10分〜200分の間で工程条件により任意に設定する。
耐候性とは、例えば、成膜後の着色層にキセノンランプ(照度35mW/cm)を100時間照射する前後の色差ΔE*ab(JIS Z8729)が小さいことをいう。ΔE*abは5.0以下であることが好ましく、さらに3.0以下であることが好ましい。
(一般式(1)および(2)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいベンジル基を表す。)
は、透過率の観点から、水素原子が好ましい。
、R、RおよびRは、耐熱性、耐候性の観点から、フェニル基または置換基を有していても良いベンジル基が好ましい。
このようなトリアリールメタン化合物は市販品を用いても良く、例えば、BASF社製の商品名FANAL BLUE D6340等を好適に用いることができる。
青色着色層が着色剤として、トリアリールメタン化合物を含有する場合、その含有量は、要求される輝度やコントラスト等に応じて適宜調節すれば良いが、例えば、青色着色層の着色剤全体の合計質量に対して25質量%以上とすることが、輝度を高める観点から好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが特に好ましい。
この他、青色着色層の着色剤として、燐、モリブデン、タングステン、銅、ニッケル、コバルト等の金属を含む金属錯体を含有するトリアリールメタン化合物を用いてもよい。
この理由は定かではないが、このような着色剤は、耐熱性や耐光性に優れ、着色画素形成時の焼成条件やUV照射による基板洗浄の影響等のプロセス条件の影響を受けづらいためと推測される。
青色着色層の着色剤としては、上述したトリアリールメタン化合物を含むレーキ顔料、または染料のなかでも、トリアリールメタン系レーキ顔料が耐熱性、耐光性を高める観点から好ましい。上記トリアリールメタン系レーキ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(PB)1、PB56、PB61およびPB62等が挙げられ、これらの1種又は2種以上のトリアリールメタン系レーキ顔料を含有することが好ましい。
その合計含有量は、要求される輝度やコントラスト等に応じて適宜調節すれば良いが、例えば、青色着色層の着色剤全体の合計質量に対して25質量%以上とすることが、輝度を高める観点から好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが特に好ましい。
本発明において、青色着色剤として、トリアリールメタン系染料またはトリアリールメタン系レーキ顔料を用いる場合、青色着色層には、上述した着色剤以外に、輝度、色味等を調節するために必要に応じて適宜、PB15:1、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PV23等のその他の着色剤を併用することができる。
本発明における青色着色層においては、着色剤全体に対する上記併用される着色剤の含有量は、高い輝度を確保する観点から、25質量%未満であることが好ましい。
本発明における着色層は、着色剤として染料のみが含有されていてもよい。本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合は、画素部と液晶セル中の液晶とが直接接触しない構成とすることが可能であることから、着色層を形成する際に不純物除去のための高温焼成処理を行わなくてもよいため、耐熱性の低い染料を用いることが可能となる。また、染料を用いることにより、液晶表示装置の輝度を好適に向上させることが可能となる。
また、感光性樹脂としては、ネガ型感光性樹脂およびポジ型感光性樹脂のいずれも用いることができるが、通常はネガ型感光性樹脂が用いられる。このネガ型感光性樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有するものが挙げられる。
また、本発明に用いられる着色層の厚みとしては、液晶表示装置において所望のカラー表示を行うことが可能な程度の厚みであれば特に限定されず、液晶表示装置の用途等により適宜選択することができる。
本発明における着色層の形成方法としては、所望のカラー表示を行うことが可能な着色層を形成することが可能であれば特に限定されない。なお、本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置に用いた場合に画素部と液晶セル中の液晶とが直接接触しない構成とすることが可能であることから、従来の着色層の製造方法において行われていた高温焼成処理を行わなくてもよいといった利点がある。より具体的には、フォトリソグラフィー法を用いた従来の着色層の形成方法においては、着色層用組成物を調製し、上記着色層用組成物を基材上またはパターンドリターダー上に塗布し、次いでパターン露光処理および現像処理を施した後、高温焼成処理が行われることにより着色層が形成される。一方、本発明における着色層の形成方法においては、上述したように、着色層に高温焼成処理を行わなくてもよいことから、パターン露光および現像処理を施した後、着色層中に含まれる溶剤等が除去可能な程度の温度を加えて乾燥させることにより着色層を形成することが可能となる。よって、本発明においては、着色層の形成工程に必要なエネルギーを少なくすることができ、高温焼成炉等を必要としないことから、製造コストを削減することが可能となる。
また、本発明においては、高温焼成処理を必要としないことから、画素部を形成する基体として樹脂製フィルムを好適に用いることが可能となる。また、着色層を後述する偏光板に用いられる偏光板保護フィルム上に直接形成することが可能となる。さらに、高温焼成処理による着色層の輝度の低下を抑制することができる。
さらに、本発明においては着色層の形成時に高温焼成処理を必要としないことから、熱による配向の乱れが生じやすい屈折率異方性化合物を含む位相差層の表面上に着色層を形成した場合も、位相差層中の屈折率異方性化合物の配向の乱れを抑制して着色層を形成することが可能となる。
なお、上述した「溶剤等が除去可能な程度の温度」とは、着色層を形成する際に用いられる溶剤の種類等により適宜選択されるものであるが、100℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。上記温度が上記範囲内であることにより、加熱による着色層の輝度の低下を好適に防止することが可能となるからである。
また、上記の説明においては、フォトリソグラフィー法を用いた着色層の形成方法について説明したが、これに限定されず、本発明においては一般的な着色層の形成方法を用いることができる。
また、着色層を形成する際に用いられる着色層用組成物としては、上述した着色剤および樹脂の他に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
3.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明の基材はその表面上に上述した画素部およびパターンドリターダーが形成されるものである。
このような基材としては、具体的には、透明基材、偏光板、およびλ/4板を挙げることができる。以下、それぞれについて説明する。
(1)透明基材
本発明に用いられる透明基材としては、所定の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる透明基材は、位相差性が低いものであることが好ましい。より具体的には、本発明に用いられる透明基材は、面内レターデーション値(Re値)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。透明基材の面内レターデーション値が上記範囲よりも大きいと、例えば、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いて三次元表示を行った場合に、コントラストが低下したり、3次元表示の見え方が悪くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記透明基材としては、ガラス基板等の屈曲性を有さない透明な基材であってもよく、あるいは、樹脂製フィルム等の屈曲性を有する透明な基材であってもよいが、屈曲性を有する透明な基材であることがより好ましい。パターンドリターダーを加工しやすくなるからである。
屈曲性を有さない透明な基材としては、青板ガラス(ソーダライムガラス)、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基板、合成石英板等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、青板ガラスを用いることが好ましい。本発明におけるパターンドリターダー付カラーフィルタは、液晶セル中の液晶と直接接触しないことから、ガラス中の不純物が液晶中に溶出することを考慮する必要がないため、安価な青板ガラスを用いることにより、液晶表示装置の製造コストを削減することが可能となる。
また、樹脂製フィルム等の屈曲性を有する透明な基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂からなるものを挙げることができるが、透明フィルム基材の面内レターデーション値をゼロに近付けやすいことからアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
透明基材の厚みについては、本発明のカラーフィルタの用途および透明基材を構成する材料等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではないが、通常は、20μm〜188μmの範囲内であることが好ましく、30μm〜90μmの範囲内であることがより好ましい。
(2)偏光板
上記偏光板は、透過光を直線偏光とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、通常、偏光子と、偏光子の両側に配置された偏光板保護フィルムとからなるものである。
また、本発明において偏光板をカラーフィルタの基材として用いる場合、画素部やパターンドリターダーは偏光板保護フィルムの表面上に形成される。
また、基材として偏光板を用いる場合は、偏光板の偏光軸に対して、第1位相差領域または第2位相差領域に形成される位相差層の少なくとも一方の位相差層の進相軸方向または遅相軸方向が45°となるようにしてパターンドリターダーが形成される。
本発明に用いられる偏光子としては、透過光を直線偏光とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用の偏光板に用いられる偏光子として公知のものを用いることができる。このような偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールからなるフィルムにヨウ素を含浸させ、これを一軸延伸することによってポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させたものを挙げることができる。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムとしては、上記偏光子を保護することができ、かつ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、可視光領域における透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがより好ましい。
ここで、上記偏光板保護フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記偏光板保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記材料としてセルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂またはアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
上記セルロース誘導体としては、偏光板において偏光子が空気中の水分等に曝されることを防止する機能と、偏光子の寸法変化を防止する機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記セルロース誘導体としてセルロースエステル類を用いることが好ましく、さらにセルロースエステル類の中でもセルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであってもよい。
また本発明においては、上記低級脂肪酸エステルの中でもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。このようなトリアセチルセルロールは光学的等方性に優れるからである。
ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
なお、従来、セルロース誘導体からなるフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、表面をけん化処理することによってポリビニルアルコールからなる偏光子との接着性を向上することができる。
一方、上記シクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。このような上記環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。また、上記シクロオレフィン系樹脂は上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、または、共重合体であってもよい。
また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂は、23℃における飽和吸水率が1質量%以下であるものが好ましく、なかでも0.1質量%〜0.7質量%の範囲内であるものが好ましい。このようなシクロオレフィン系樹脂を用いることにより、偏光板を吸水による光学特性の変化や寸法の変化がより生じにくいものとすることができるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、上記吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、Ticona社製 Topas(登録商標)、ジェイエスアール社製 ARTON(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONOR(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONEX(登録商標)、三井化学社製 アペル(登録商標)等を挙げることができる。
また、上記アクリル系樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)などが挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル、特に好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、日本触媒社製アクリビュア(登録商標)を挙げることができる。
また、本発明に用いられる偏光板保護フィルムの厚みは特に限定されないが、通常、5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に15μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、さらに30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(3)λ/4板
本発明においては、基材としてλ/4板を用いることも可能である。このようなλ/4板については公知のものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、λ/4板を基材に用いる場合は、λ/4板の遅相軸方向に対して、第1位相差領域に形成される位相差層の遅相軸が平行または直交の関係になるようにパターンドリターダーが形成される。
4.その他の構成
本発明のカラーフィルタは、上述したパターンドリターダー、画素部、および基材以外にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。
本発明においては、例えば、パターンドリターダーの第1位相差領域および第2位相差領域の間、各画素部の間、または各副画素の間に遮光部を有することが好ましい。また、上記遮光部としては、基材の一方の表面上に形成することができる。また、上記遮光部はパターンドリターダーの表面上に形成してもよい。
このような遮光部としては、上記遮光部の材料としては、例えば、後述する「B.パターンドリターダー付モノクロ表示用基材」で用いられる遮光部の他、後述する複数色の着色層を積層させたもの等が挙げられる。また、遮光部の厚み、線幅、形成方法、その他の事項については一般的な液晶表示装置に用いられる遮光部と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
本発明においては、例えば、画素部の表面上に平坦化層を形成することが好ましい。平坦化層を形成することにより、画素部の表面上にパターンドリターダーを形成する場合には、配向層を形成しやすくなるからである。なお、平坦化層については、透明性を有していれば特に限定されず、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、例えば、上記基材が透明基材である場合、上記透明基材の上記配向層が形成された面とは反対面上に形成されるアンチグレア層や反射防止層を挙げることができる。このようなアンチグレア層や反射防止層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置を表示品質の良い3次元表示装置とすることができるという利点がある。なお、本発明においては、上記反射防止層およびアンチグレア層の一方のみが用いられていてもよく、または両方が用いられてもよい。
III.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、特に限定されず、一般的な液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法、位相差層の製造方法等と同様とすることができる。一例としては、以下の製造方法が挙げられるがこれに限定されるものではない。
図10は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基材1’の一方の表面上にフォトリソグラフィー法等を用いて着色層(副画素2R、2G、および2B)を形成することにより、画素部2を形成する。次に、画素部2の表面上に紫外線硬化性樹脂等を含有する平坦化層4を形成する(図10(a)参照)。
次に、平坦化層4の表面上に紫外線硬化性樹脂等を含有する配向層形成用層3a’を形成し、次いで、上記配向層形成用層3a’の表面にレジストを塗布し、露光および現像することにより、第1配向領域となる部分を露出させ、第2配向領域となる部分を保護するレジストパターン層50を形成する(図10(b)参照)。次に、第1配向領域となる部分の配向層形成用層3a’の表面をラビング処理等することにより、配向規制力を付与して第1配向領域A1を形成する(図10(c)参照)。
次に、レジストパターン層50を剥離した後、新たにレジストを塗布し、露光および現像することにより、第1配向領域A1を保護するレジストパターン層(図示せず)を形成し、第2配向領域となる部分の配向層形成用層3a’の表面を露出させる。次に、第2配向領域となる部分の配向層形成用層3a’の表面をラビング処理等することにより、配向規制力を付与して第2配向領域A2を形成した後レジストパターン層を剥離することにより、配向層3aを形成することができる(図10(d)参照)。
次に、屈折率異方性化合物を含有する位相差層用組成物を配向層3a上に塗布し、紫外線等を照射することにより、屈折率異方性化合物を第1配向領域A1および第2配向領域A2に沿って配向させることにより、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2を有する位相差層3bを形成することができる(図10(e)参照)。
以上の手順を経ることにより、本発明のカラーフィルタ11を形成することができる。
B.パターンドリターダー付モノクロ表示用基材
次に本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材について説明する。
本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材は、基材と、上記基材の一方の表面上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の一方の表面上に形成された配向層、および上記配向層の表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層を有するパターンドリターダーとを有し、上記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域を有し、上記第1位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値と、上記第2位相差領域に形成される上記位相差層の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域がそれぞれn(nは自然数)個分の上記遮光部の開口部のパターンに沿うパターン状に設けられていることを特徴とする。
なお、面内レターデーション値については、上述した「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材について図を用いて説明する。図11は本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の一例を示す概略断面図であり、図12(a)は図11におけるパターンドリターダーの概略平面図であり、図12(b)は図11における第1位相差領域および第2位相差領域について説明する説明図である。
図11および図12に例示するように、本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材12は、透明基材1’(基材1)と、透明基材1’の一方の表面上にパターン状に形成された遮光部5と、遮光部5の表面上に形成された平坦化層4と、平坦化層4の表面上に形成された配向層3a、および配向層3aの表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層3bを有するパターンドリターダーとを有するものである。また、位相差層3bが、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2を有し、第1位相差領域B1に形成される位相差層3bの面内レターデーション値と、第2位相差領域B2に形成される位相差層3bの面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2がそれぞれn(nは自然数)個分の遮光部5の開口部6のパターンに沿うパターン状に設けられているパターンドリターダー3を有する。この例においては、第1位相差領域B1および第2位相差領域B2が互いに平行な帯状のパターンに設けられ、少なくとも帯の幅方向(図12(b)中、xで示される方向)に3個分の遮光部5の開口部6のパターンを有するパターン状に設けられている例について示している。
また、図13は本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の他の例を示す概略断面図である。図13に例示するように、本発明においては、基材1として偏光板30を用いてもよく、図示はしないが、λ/4板を用いてもよい。なお、図13は、本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図11と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、同一の基材の表面上に遮光部とパターンドリターダーとを形成することが可能となることから、遮光部の開口部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとを良好な位置精度で形成することができる。よって、遮光部の開口部のパターンと位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域のパターンとの位置ずれの少ないパターンドリターダー付モノクロ表示用基材とすることができるため、液晶表示装置の偏光板の外側に配置して用いることにより、良好に3次元表示を行うことが可能となる。
以下、本発明のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材(以下、モノクロ表示用基材と称する場合がある。)の詳細について説明する。
I.モノクロ表示用基材の構造
まず、本発明のモノクロ表示用基材の構造について説明する。本発明のモノクロ表示用基材の構造としては、基材の一方の表面上に遮光部およびパターンドリターダーを形成することが可能な構造であれば特に限定されない。
上記モノクロ表示用基材の構造については、上記基材の種類により適宜選択され、具体的には、上記基材が透明基材である場合と、上記基材が観察者側の偏光板である場合と、上記基材がλ/4板である場合とに大別される。以下、各場合について説明する。
1.基材が透明基材である場合
上記の場合、カラーフィルタの構造としては、図11、図14(a)、(b)に例示するように、透明基材1’の一方の表面側に遮光部5およびパターンドリターダー3が形成されている構造であってもよく、図14(c)に例示するように、透明基材1’の一方の表面上に遮光部5が形成され、透明基材1’の他方の表面上にパターンドリターダー3が形成されている構造であってもよい。本発明においては、なかでも、図11、図14(a)、(b)に例示するように、透明基材1’の一方の表面側に遮光部5およびパターンドリターダー3が形成されている構造であることが好ましい。遮光部の開口部のパターンとパターンドリターダーの第1位相差領域および第2位相差領域のパターンをより良好な位置精度で形成することができるからである。また、この場合の具体的なカラーフィルタ11の構造としては、図14(a)に例示するように、透明基材1’の同一表面上に遮光部5およびパターンドリターダー3が形成されている構造や、透明基材の一方の表面上に遮光部およびパターンドリターダーが積層された構造、すなわち、図11に例示するように、透明基材1’、遮光部5、およびパターンドリターダー3の順に積層された構造や、図14(b)に例示するように、透明基材1’、パターンドリターダー3、および遮光部5の順に積層された構造を挙げることができる。また、本発明においては、特に透明基材、遮光部、およびパターンドリターダーの順に積層された構造であることが好ましい。モノクロ表示用基材の形成時に、位相差層が加熱されないものとすることができるからである。また、この場合、遮光部とパターンドリターダーの配向層との間に平坦化層を設けることが好ましい。配向層の表面にラビング処理等を行いやすくなるからである。
なお、図14は本発明のモノクロ表示用基材の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については、図11等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.基材が観察者側の偏光板である場合
上記の場合、本発明のカラーフィルタは液晶表示装置に用いられるに際しては、遮光部およびパターンドリターダーが観察者側の偏光板の外側に配置されるものとなる(後述する図19参照)。
したがって、モノクロ表示用基材の構造としては、偏光板の観察者側の表面上に画素部およびパターンドリターダーが積層された構造となる。具体的には、図13(a)に例示するように偏光板30、遮光部5、およびパターンドリターダー3の順に積層された構造や、図13(b)に例示するように偏光板30、パターンドリターダー3、および遮光部5の順に積層された構造を挙げることができる。また、図13(c)に例示するように偏光板30の同一表面上に遮光部5およびパターンドリターダー3が形成された構造を挙げることができる。
3.基材がλ/4板である場合
本発明のモノクロ表示用基材は、基材として、上述した透明基材や偏光板の他に、必要に応じて配置されるλ/4板を用いることができる。この場合のカラーフィルタの構造および配置については、「1.基材が透明基材である場合」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
II.モノクロ表示用基材の各構成
本発明のモノクロ表示用基材は、基材と、遮光部と、パターンドリターダーとを有するものである。以下、各構成について説明する。
1.パターンドリターダー
(1)第1位相差領域および第2位相差領域のパターン
まず、第1位相差領域および第2位相差領域のパターンについて説明する。第1位相差領域および第2位相差領域はそれぞれn(nは自然数)個分の遮光部の開口部のパターンに沿うパターン状に設けられているものである。
ここで、n(nは自然数)個分の遮光部の開口部のパターンに沿うパターンとは、第1位相差領域および第2位相差領域にそれぞれ少なくとも1個の遮光部の開口部が含まれるパターンをいうものであり、1個の遮光部の開口部が第1位相差領域および第2位相差領域の2つの領域に含まれないパターンをいうものである。
このような第1位相差領域および第2位相差領域の具体的なパターンは、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材の用途、遮光部の開口部のパターン等に応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。より具体的には、帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等を挙げることができる。なかでも本発明においては、第1位相差領域および第2位相差領域のパターンが互いに平行な帯状パターンであることが好ましい。第1位相差領域および第2位相差領域を、遮光部の開口部のパターンに沿うように良好な位置精度でパターン状に設けることが可能となるからである。
第1位相差領域および第2位相差領域に含まれる遮光部の開口部の個数としては、1個以上であれば特に限定されず、そのパターンに応じて適宜選択される。なお、通常、第1位相差領域と第2位相差領域とに含まれる遮光部の開口部の個数は同数である。
より具体的には、第1位相差領域および第2位相差領域が互いに平行な帯状パターンで設けられている場合、各領域に含まれる遮光部の開口部の個数としては、上記帯状パターンの幅方向に1個〜90個の範囲内、なかでも1個〜60個の範囲内、特に1個〜30個の範囲内とすることが好ましい。上記数値を超える場合は、液晶表示装置に用いた場合に、良好な3次元表示を行うことが困難となる場合があるからである。また、上記帯状パターンの長さ方向における遮光部の開口部の個数についてはモノクロ表示用基材の種類により適宜選択される。
また、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いて3次元表示をする場合は、第1位相差領域または第2位相差領域に含まれる開口部が、第1位相差領域または第2位相差領域のパターンの配列方向(帯状パターンにおいては幅方向)の断面を観察した場合に1個であることが特に好ましい。これにより、液晶表示装置においてさらに良好な3次元表示を行うことができる。
なお、第1位相差領域および第2位相差領域のパターンについて、上述した点以外は、「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)パターンドリターダーの形態
本発明に用いられるパターンドリターダーの形態については上述した「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.遮光部
本発明における遮光部について説明する。本発明における遮光部は、モノクロ表示用の画素部を画定するものである。
本発明における遮光部の開口部のパターン配列としては、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができ、具体的には、上述した「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明した画素部のパターン配列と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記遮光部の材料としては、例えば、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものや、クロム、酸化クロム、窒化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。
本発明において、パターンドリターダーの表面上に遮光部を形成する場合は、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものが好適に用いられる。
遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合、遮光部に用いられる黒色着色剤については一般的なものを用いることができる。一方、バインダ樹脂としては、遮光部の形成方法に適したものを用いることが好ましい。この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、遮光部用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
上記の場合であって、遮光部の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する遮光部用感光性樹脂組成物には、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
一方、遮光部が金属薄膜である場合、金属薄膜としては、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィー法、マスクを用いた蒸着法、印刷法等を挙げることができる。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2μm〜0.4μm程度で設定され、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合は0.5μm〜3μm程度で設定される。
3.基材
本発明に用いられる基材については、上述した「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
III.その他
本発明のモノクロ表示用基材は、基材、遮光部、およびパターンドリターダーを有するものであれば特に限定されず、他にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、例えば、平坦化層、反射防止層、およびアンチグレア層等を挙げることができる。
また、本発明のモノクロ表示用基材の製造方法としては、特に限定されない。例えば、上述したカラーフィルタの製造方法において、画素部の形成工程に代えて遮光部の形成工程を適用する方法を好適に用いることができる。
C.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、その構成の違いにより2つの態様を有し、具体的には、上述したパターンドリターダー付カラーフィルタを有する態様と、上述したパターンドリターダー付モノクロ表示用基材を有する態様とを挙げることができる。
以下、各態様について説明する。
I.第1態様
第1態様の液晶表示装置は、上述したパターンドリターダー付カラーフィルタ(以下、単にカラーフィルタと称する場合がある。)と、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板と、を有し、上記パターンドリターダー付カラーフィルタが、上記一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする。
本態様の液晶表示装置について図を用いて説明する。図15は本態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図15に例示するように、本態様の液晶表示装置100は、パターンドリターダー付カラーフィルタ11と、一対の液晶セル用基材21α、21βおよび両者の間に形成された液晶層22を有する液晶セル20と、液晶セル20の両側に配置された一対の偏光板30α、30βとを有し、パターンドリターダー付カラーフィルタ11が偏光板30αの外側に配置されていることを特徴とする。また、パターンドリターダー付カラーフィルタ11は、通常、液晶表示装置100において観察者側に位置する偏光板30α(以下、観察者側の偏光板30αと称する場合がある。)の外側に配置される。また、観察者側の偏光板30αと反対側の偏光板30βの外側には、通常、バックライト40が配置される。
図16は本態様の液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。図16に例示するように、本態様に用いられるパターンドリターダー付カラーフィルタ11の基材1が偏光板30αである場合は、上記パターンドリターダー付カラーフィルタ11は、液晶セル20の観察者側に配置され、画素部2およびパターンドリターダー3が観察者側に位置するように配置される。
本態様によれば、パターンドリターダー付カラーフィルタを偏光板の外側に配置することにより、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置とすることが可能となる。
また、本態様においては、λ/4板をカラーフィルタとともに用いることにより、本態様の液晶表示装置を用いて3次元表示を容易に行うことが可能となる。以下、この理由について図を用いて説明する。図17は、λ/4板とを組み合わせた液晶表示装置の一例を示す概略図である。図17に例示するように、本態様の液晶表示装置において、上述した第3態様のパターンリターダーを有する場合は、λ/4板を配置することによりは、パッシブ方式により3次元表示が可能なものとなる。その原理は次の通りである。
まず、液晶表示装置の映像表示領域を、右目用の映像表示領域と左目用の映像表示領域の2種類の複数の映像表示領域にパターン状に分割し、一方のグループの映像表示領域では右目用の映像を表示させ、他方のグループの映像表示領域では左目用の映像を表示させる。次に、本態様に用いられるカラーフィルタとして、位相差層の第1位相差領域が左目用の映像表示領域の配列パターンに対応するように形成され、かつ第1位相差領域以外の領域(図17では、当該領域には何も形成されていないものとする。)が右目用の映像表示領域の配列パターンに対応するように形成されたパターンドリターダーを有するものを用意する。そして、このような本態様に用いられるカラーフィルタを、観察者側の偏光板の外側に配置し、さらにλ/4板をカラーフィルタの表示面側に配置する。このとき、第1位相差領域の遅相軸の方向と、偏光板の偏光軸の方向とが45°で交差するようにし、さらに第1位相差領域の遅相軸方向とλ/4板の遅相軸方向とが平行または直交の関係になるようにする。このようにカラーフィルタとλ/4板とを配置することによって、右目用の映像表示領域および左目用の映像表示領域によって表示された映像(以下、それぞれ「右目用映像」、「左目用映像」と称する場合がある。)は、次のような経路で観察者に視認されることになる。
すなわち、右目用の映像表示領域および左目用の映像表示領域によって表示された各映像は、まず、偏光板を透過することから、それぞれが直線偏光に変換されることになる。ここで、図17においては、偏光板の偏光軸は0°方向となっているため、第2偏光板を透過した各映像も、0°方向の直線偏光となる。次に、このように直線偏光に(0°)変換された各映像は、本態様に用いられるカラーフィルタのパターンドリターダーに入射することになるが、左目用映像は第1位相差領域を通過し、右目用映像は位相差層が形成されていない第2位相差領域を通過するため、左目用映像は偏光軸が90°の直線偏光(L1)として、パターンドリターダーを透過するが、右目用映像には変化はなく、偏光軸が0°の直線偏光(L2)のままパターンドリターダーを透過することになる。次に、L1およびL2がλ/4板に入射することにより、左目用映像は右旋回の円偏光(C1)に、右目用映像は左旋回の円偏光(C2)に、それぞれ変換されることになる。
このように、本態様に用いられるカラーフィルタのパターンドリターダーおよびλ/4板を通過した右目用映像および左目用映像は、互いに直交する円偏光に変換されることになるため、視聴者に右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにすることによって、右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることができ、3次元表示が可能となるのである。
なお、図17においては、本態様に用いられるパターンドリターダーにおける位相差層において、第1位相差領域以外の領域には何も形成されていない例を説明したが、例えば、上記第1位相差領域以外の領域に、面内レターデーション値がλ/2分に相当し、かつ遅相軸方向が上記第1位相差領域の遅相軸方向と45°で交差する関係にあり、さらに遅相軸方向が、偏光板の偏光軸方向と平行又は直交の関係にある第2位相差領域が形成されている場合であっても、上記と同様に3次元表示可能な液晶表示装置を得ることができる。
以下、本態様の液晶表示装置について説明する。
1.カラーフィルタの配置
本態様におけるカラーフィルタの配置としては、偏光板の外側に配置することが可能であれば特に限定されない。本態様においては、偏光板の偏光軸方向に対して、カラーフィルタの位相差層の進相軸方向または遅相軸方向が45°となるように配置される。
また、このようなカラーフィルタの配置としては、基材が偏光板である場合は、偏光板の表面上に積層されて形成された画素部およびパターンドリターダーが液晶セル側とは反対側に位置するように配置される。
一方、基材が透明基材やλ/4板である場合、基材の一方の表面上に画素部およびパターンドリターダーが積層された構造を有する場合は、偏光板と基材側とが対向するようにカラーフィルタが配置されていてもよく、偏光板と画素部およびパターンドリターダー側とが対向するようにカラーフィルタが配置されていてもよい。また、基材の一方の表面上に画素部が形成され、他方の表面上にパターンドリターダーが形成されている場合は、偏光板と画素部側とが対向するように配置されていてもよく、偏光板とパターンドリターダー側とが対向するように配置されていてもよい。
2.液晶表示装置の各構成
本態様の液晶表示装置に用いられる各構成について説明する。
(1)カラーフィルタ
本態様に用いられるカラーフィルタについては「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)液晶セル
本態様における液晶セルは、通常、一対の液晶セル用基材と、一対の液晶セル用基材の間に形成された液晶層とを有するものである。また、一対の液晶セル用基材は、通常、一方の液晶セル用基材がTFT素子等の液晶駆動素子を有し、液晶駆動素子側基板として用いられ、他方の液晶セル用基材が透明電極層を有し、対向基板として用いられる。
本態様における液晶セル用基材および液晶層の材料、液晶セル、および液晶セルの形成方法については、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)偏光板
次に、本態様における偏光板について説明する。
本態様における偏光板は、液晶セルの両側に配置されるものである。また、上記偏光板は、上述した「A.パターンドリターダー付カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他の構成
本態様の液晶表示装置は、上述した各構成を有するものであれば特に限定されず、必要に応じてその他を構成を適宜選択して追加することができる。
また、本態様の液晶表示装置は、通常、液晶表示装置のカラーフィルタの配置側の偏光板とは、反対側に位置する偏光板の外側にバックライトが配置される。バックライトについては、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.液晶表示装置の製造方法
本態様の液晶表示装置の製造方法としては、特に限定されず、一般的な液晶表示装置の製造方法を適用することができる。例えば、カラーフィルタ、液晶セル、偏光板等をそれぞれ準備し、各層を接着剤等を用いて貼り合わせる方法を挙げることができる。
II.第2態様
第2態様の液晶表示装置は、上述したパターンドリターダー付モノクロ表示用基材(以下、単にモノクロ表示用基材と称する場合がある。)と、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板と、を有し、上記パターンドリターダー付モノクロ表示用基材が、上記一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする。
本態様の液晶表示装置について図を用いて説明する。図18は本態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図18に例示するように、本態様の液晶表示装置100は、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材12と、液晶セル20と、液晶セル20の両側に配置された一対の偏光板30α、30βとを有し、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材12が観察者30α側の偏光板の外側に配置されていることを特徴とする。
図19は本態様の液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。図19に例示するように、本態様においてパターンドリターダー付モノクロ表示用基材12の基材として偏光板30αを用いる場合は、液晶セルの観察者側に配置され、遮光部5およびパターンドリターダー3が観察者側に位置するように配置される。
本態様によれば、パターンドリターダー付モノクロ表示用基材を偏光板の外側に配置することにより、3次元表示を良好に行うことが可能な液晶表示装置とすることが可能となる。また、本態様によれば、λ/4板を配置することによっても容易に3次元表示を行うことが可能な液晶表示装置とすることができる。なお、この理由については上述した「I.第1態様」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
1.モノクロ表示用基材の配置
本態様におけるモノクロ表示用基材の配置としては、偏光板の外側に配置することが可能であれば特に限定されない。本態様においては、偏光板の偏光軸方向に対して、モノクロ表示用基材の位相差層の進相軸方向または遅相軸方向が45°となるように配置される。
また、このようなモノクロ表示用基材の配置としては、基材が偏光板である場合は、偏光板の表面上に積層されて形成された遮光部およびパターンドリターダーが液晶セル側とは反対側に位置するように配置される。
一方、基材が透明基材やλ/4板である場合、基材の一方の表面上に遮光部およびパターンドリターダーが積層された構造を有する場合は、偏光板と基材側とが対向するようにモノクロ表示用基材が配置されていてもよく、偏光板と遮光部およびパターンドリターダー側とが対向するようにモノクロ表示用基材が配置されていてもよい。また、基材の一方の表面上に遮光部が形成され、他方の表面上にパターンドリターダーが形成されている場合は、偏光板と遮光部側とが対向するように配置されていてもよく、偏光板とパターンドリターダー側とが対向するように配置されていてもよい。
2.その他
本態様の液晶表示装置に用いられるモノクロ表示用基材については、上述した「B.パターンドリターダー付モノクロ表示用基材」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。また、液晶セル、偏光板、その他の構成、および液晶表示装置の製造方法については上述した「I.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本態様の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本態様の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本態様を具体的に説明する。
[実施例1]
(硬化性樹脂組成物の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’ −アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、およびハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
(遮光部の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 23質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光層用組成物を得た。
<遮光部用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
厚み0.7mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約1μmの遮光層を形成した。当該遮光層を、超高圧水銀ランプで遮光パターン(RGBの繰り返しが75μmピッチのストライプ状)に露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光部を形成すべき領域に遮光部を形成した。
(着色層の形成)
上記のようにして遮光部を形成したガラス基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を150℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して赤色副画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターン(赤色着色層)を形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色副画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターン(緑色着色層)を形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色副画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターン(青色着色層)を形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる副画素を有する画素部を形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド254 7質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58 7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー1 5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
(保護膜の形成)
上記のようにして着色層を形成したガラス基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。
硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて保護層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を150℃の雰囲気中に15分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成した。
(パターンドリターダーの形成)
前記保護膜形成後のガラス基板にポリイミドよりなる配向膜(日産化学社製、SE−6210)を形成後、配向層形成用層上にポジ型レジスト(DX 6270P、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布し、露光および現像することにより、第2配向領域に対応する領域にレジスト層をパターン状に形成した。またこの際、第1配向領域に対応する領域の表面を露出させた。次に、上記表面にラビング処理を施して第1配向領域を形成した。次いで、レジスト層を剥離して、第2配向領域に対応する領域の表面を露出させた後、再度レジストの塗布、露光および現像を行うことにより第1配向領域上にレジスト層をパターン状に形成し、第2配向領域に対応する領域の表面にラビング処理を施した後、レジスト層の剥離を行うことにより第2配向領域を形成した。次に、前記配向処理を施した基板に、位相差層を1.0μm形成し面内レターデーションがλ/4分に相当するように形成した。ここで、第1配向領域上が第1位相差領域であり面内レターデーションは450μmであった。第2位相差領域も同様であった。
また、得られた位相差層の第1位相差領域および第2位相差領域は、互いに平行な帯状パターンに設けられたものであり、帯の幅方向に10個分の画素部のパターンが含まれるように設けられたものである。
(液晶表示装置の作製)
TFTを形成したガラス基板上に上記硬化性樹脂組成物をスピンコートし、所定の位置にフォトスペーサを形成した。さらに、上記TFT基板および対向ガラス基板上にポリイミドよりなる配向膜(日産化学社製、SE−6210)を形成し、IPS液晶を必要量滴下し、UV硬化性樹脂(スリーボンド社製、ThreeBond3025)をシール材として用い、常温で0.3kgf/cmの圧力をかけながら400mJ/cmの照射量で露光することにより接合して、セル組みし、液晶セルを得た。液晶セルに両面に偏光板(日東電工社製、SEG1425DU)を貼り、前記パターンドリターダーを形成した基板上にUV硬化性樹脂を塗布し、パターンドリターダーと偏光板とが対向するように、液晶セルの一方の偏光板とカラーフィルタを貼り合わせた。光源として白色LED素子、導光板、プリズムシート、輝度向上シートを用いたバックライトユニットをカラーフィルタと反対側に設置した。
[実施例2]
第2位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/4+λ/2分になるように着色層の膜厚を変更し、ラビング方向を同一にした以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例3]
第1位相差領域に形成される位相差層の面内レターデーション値がλ/2分になるように位相差層の膜厚を変更し、第2位相差領域に位相差層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例4]
カラーフィルタの遮光部を形成しなかった以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例5]
パターンドリターダー形成後のガラス基板の裏面側にUV硬化性樹脂を塗布し、ガラス基板と偏光板とが対向するように、液晶セルの一方の偏光板と貼り合わせた以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
(着色層の形成)
実施例1と同様にしてブラックマトリクスを形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して赤色副画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターン(赤色着色層)を形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色副画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターン(緑色着色層)を形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色副画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターン(青色着色層)を形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる副画素を有する画素部を形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド254 7質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58 7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 4質量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・硬化性樹脂組成物 25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
(保護膜の形成)
上記のようにして着色層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。
硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて保護層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成した。
(スペーサの形成)
上記のようにして着色層および保護層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてスペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して所定の個数密度となるように形成した。
(液晶表示装置の作製)
上記のようにして得られたカラーフィルタの膜形成表面に、配向膜を形成した。次いでTFTを形成したガラス基板上にIPS液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cmの圧力をかけながら400mJ/cmの照射量で露光することにより接合して、セル組みし、バックライトユニットを設置した。最後にパターンドリターダーを別途基板に形成し、バックライトユニットの反対側に張り合わせ液晶表示装置を作製した。
なお、パターンドリターダーの第1位相差領域および第2位相差領域のパターンについては、実施例1と同様に、互いに帯状のパターンに設けられたものであり、帯の幅方向に10個分の画素部のパターンが含まれるように設けられたものである。
[比較例2]
カラーフィルタの遮光部を形成しなかった以外は比較例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
(評価)
作製した液晶表示装置を用いて3次元表示し、視認性を目視で評価した。
パターンドリターダーが画素部上に形成されたカラーフィルタを有する実施例1〜5の液晶表示装置については、良好な三次元表示行うことができた。一方、比較例1〜2の液晶表示装置については、画素部のパターンとパターンドリターダーの第1位相差領域および第2位相差領域との位置ずれに起因して三次元表示ができない部分を生じており、実施例1〜5の液晶表示装置に比べて三次元表示の視認性の低下が確認された。
1 … 基材
1’ … 透明基材
2 … 画素部
2R … 赤色副画素
2G … 緑色副画素
2B … 青色副画素
3 … パターンドリターダー
3a … 配向層
3b … 位相差層
5 … 遮光部
11 … パターンドリターダー付カラーフィルタ
12 … パターンドリターダー付モノクロ表示用基材
20 … 液晶セル
30α、30β、30 … 偏光板
100 … 液晶表示装置
B1 … 第1位相差領域
B2 … 第2位相差領域

Claims (3)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の表面上にパターン状に形成された遮光部と、
    前記基材の一方の表面上に形成された配向層、および前記配向層の表面上に形成され屈折異方性を有する化合物を含有する位相差層を有するパターンドリターダーとを有し、
    前記位相差層が第1位相差領域および第2位相差領域を有し、前記第1位相差領域に形成される前記位相差層の面内レターデーション値と、前記第2位相差領域に形成される前記位相差層の面内レターデーション値との差がλ/2分に相当するものであり、
    前記第1位相差領域および前記第2位相差領域がそれぞれ複数個分の前記遮光部の開口部のパターンに沿うパターン状に設けられていることを特徴とするパターンドリターダー付モノクロ表示用基材。
  2. 前記第1位相差領域および前記第2位相差領域が互いに平行な帯状のパターンに設けられていることを特徴とする請求項に記載のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材。
  3. 請求項または請求項に記載のパターンドリターダー付モノクロ表示用基材と、
    液晶セルと、
    前記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板と、
    を有し、
    前記パターンドリターダー付モノクロ表示用基材が前記一対の偏光板のうち、一方の前記偏光板の前記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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