JP5423413B2 - 角速度センサ、角速度信号の増幅回路、電子機器、手振れ補正装置、角速度信号の増幅方法及び手振れ補正方法 - Google Patents

角速度センサ、角速度信号の増幅回路、電子機器、手振れ補正装置、角速度信号の増幅方法及び手振れ補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の手振れの検知及びその補正に用いられる、角速度センサ、角速度信号の増幅回路、電子機器、手振れ補正装置、角速度信号の増幅方法及び手振れ補正方法に関する。
近年、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどにおいて、いわゆる手振れによる撮影画像のブレを補正する手振れ補正機構を備えたものがある。この種の手振れ補正機構としては、例えば、結像光学系の光軸を偏心させて像ブレ補正を行う機構(下記特許文献1参照)、画像処理により手振れを補正する機構(下記特許文献2参照)が知られている。また、下記特許文献3には、角速度センサと、被写体像を撮影レンズに導くミラーと、上記角速度センサの出力に基づいて、カメラの振れ角による画像の動揺を相殺する方向に上記ミラーを傾動させるバイモルフとを含む手振れ補正装置が記載されている。
手振れ補正機構は、一般に、手振れによるカメラの回転運動をセンサで検出し、その検出信号に含まれる角速度信号を増幅して角度情報を得る。センサからの信号は微小でありかつドリフト成分が含まれているため、増幅時にハイパスフィルタを通してDC成分を除去することが一般的である(例えば下記特許文献4参照)。
特開平4−95933号公報 特開平3−145880号公報 特開平4−211230号公報 特開平10−65956号公報(段落[0002]〜[0003]、図8)
近年における電子機器の低消費電力化に伴い、各種機構部の駆動回路の低電圧化が進められている。手振れ補正機構に関しては、角速度センサからの出力信号の電圧範囲を大きくすることができないことで、ダイナミックレンジの確保が難しくなっている。このため比較的大きな角速度が検出された場合に角速度の検出範囲を越えてしまい、適正な手振れ補正ができなくなる。一方、角速度検出範囲を確保するためには、手振れ検知感度を小さくしなければならず、このため必要な分解能の確保が難しく高精度な手振れ補正を行えなくなるという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、感度を小さくすることなく、ダイナミックレンジを大きくすることができる角速度センサ、角速度信号の増幅回路、電子機器、手振れ補正装置、角速度信号の増幅方法及び手振れ補正方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る角速度センサは、センサ素子と、増幅回路とを具備する。
前記センサ素子は、角速度に応じた検出信号を発生する。
前記増幅回路は、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する。
増幅回路から出力される第1の出力信号と第2の出力信号とは、それぞれ同一のゲインで増幅され、かつ、相互に極性が異なる。すなわち、第1及び第2の出力信号は相互に差動の関係にある。角速度信号は、互いに差動の関係にある両出力信号の差分の演算により算出される。これにより、検出範囲が2倍の角速度信号を生成することが可能となる。また、上記第1のゲインを当該増幅回路のトータルゲインの1/2に設定すれば、当該トータルゲインで単段の増幅回路によって上記検出信号を増幅する場合と比較して、角速度の出力感度を保ちながら2倍の角速度検出範囲を確保することが可能となる。
上記角速度センサは、前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路をさらに具備していてもよい。
これにより、増幅回路は、第1の出力信号と第2の出力信号とを時系列的に出力することが可能となるため、増幅回路の出力端子数の削減を図ることができる。
上記角速度センサにおいて、前記増幅回路は、第1の増幅回路部と、第2の増幅回路部とを有していてもよい。
前記第1の増幅回路部は、前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する。
前記第2の増幅回路部は、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる。
この場合、前記スイッチ回路は、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する。
これにより、第1及び第2のスイッチ回路部を切り替えることで、第1の出力信号と、第2の出力信号とを第1の増幅回路部から時系列的に出力させることが可能となる。角速度信号は、出力された第1及び第2の出力信号に基づいて生成される。
上記増幅回路が第1の増幅回路部と、第2の増幅回路部とを有する場合、第1の増幅回路部は、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力してもよい。この場合、第2の増幅回路部は、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路から出力させる。
この場合、前記スイッチ回路は、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する。
このような場合にも、第1及び第2のスイッチ回路部を切り替えることで、第1の出力信号と、第2の出力信号とを第1の増幅回路部から時系列的に出力させることが可能となる。
上記角速度センサにおいて、前記センサ素子は、第1のセンサ素子部と、第2のセンサ素子部とを有していてもよい。
前記第1のセンサ素子部は、第1の方向に沿う第1の軸まわりの角速度に応じた第1の検出信号を前記検出信号として発生する。
前記第2のセンサ素子部は、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿う第2の軸まわりの角速度に応じた第2の検出信号を前記検出信号として発生する。
この場合、前記第1の状態は、前記第1の検出信号に関する前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1のスイッチング状態と、前記第2の検出信号に関する前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第2のスイッチング状態とを有する。
一方、前記第2の状態は、前記第1の検出信号に関する前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第3のスイッチング状態と、前記第2の検出信号に関する前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第4のスイッチング状態とを有する。
これにより、各センサ素子部に共通な増幅回路を構成することができ、増幅回路の小型化と部品点数の削減を図ることが可能となる。
センサ素子が上記2つの素子部を有する場合、上記第2の増幅回路部は、第1の反転増幅器と、第2の反転増幅器とで構成することができる。上記第1の反転増幅器は、上記第1の検出信号を上記第2のゲインで反転増幅することで第4の出力信号を上記第3の出力信号として生成する。上記第2の反転増幅器は、上記第2の検出信号を上記第2のゲインで反転増幅することで第5の出力信号を上記第3の出力信号として生成する。
このとき、上記第1のスイッチ回路部は、上記第1の増幅回路部に対する上記第1の検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ部と、上記第1の増幅回路部に対する上記第2の検出信号の入力を制限可能な第2のスイッチ部とを有する。上記第2のスイッチ回路部は、上記第1の増幅回路部に対する上記第4の出力信号の入力を制限可能な第3のスイッチ部と、上記第1の増幅回路部に対する上記第5の出力信号の入力を制限可能な第4のスイッチ部とを有する。
この構成により、第1の検出信号に関する第1及び第2の出力信号と、第2の検出信号に関する第1及び第2の出力信号とを時系列的に増幅回路から出力させることができる。増幅回路から出力された第1及び第2の出力信号に基づいて、第1及び第2の軸まわりの角速度信号が生成される。
一方、センサ素子が上記2つの素子部を有する場合、上記第2の増幅回路部は、単段の反転増幅器で構成することができる。すなわち、上記第2の増幅回路部は、上記第1の検出信号が入力されたときは上記第1の検出信号を上記第2のゲインで反転増幅することで上記第3の出力信号を生成し、上記第2の検出信号が入力されたときは上記第2の検出信号を上記第2のゲインで反転増幅することで上記第3の出力信号を生成する。
このとき、上記第1のスイッチ回路部は、上記第1及び第2のスイッチ部のほか、第5及び第6のスイッチ部を有する。上記第5のスイッチ部は、上記第2の増幅回路部に対する上記第1の検出信号の入力を制限可能に構成され、上記第6のスイッチ部は、上記第2の増幅回路部に対する上記第2の検出信号の入力を制限可能に構成される。
このような構成によっても、第1の検出信号に関する第1及び第2の出力信号と、第2の検出信号に関する第1及び第2の出力信号とを時系列的に増幅回路から出力させることができる。
上記角速度センサにおいて、前記第1、第2、第3及び第4のスイッチング状態は、前記スイッチ回路により所定の順番で順次切り替えられてもよい。この場合、前記各スイッチング状態の切替周波数は、400Hz以上とされる。
これにより、各センサ素子部に共通の増幅回路を用いて、例えば手振れ補正制御等に要求される角速度信号を有効に生成することが可能となる。
上記角速度センサは、前記第1の増幅回路部と前記第2の増幅回路部との間に配置され、前記検出信号から前記検出信号に含まれるドリフト成分を除去するハイパスフィルタをさらに具備していてもよい。
これにより、高精度な角速度検出の際に弊害となり得る検出信号のドリフト成分を、効果的に除去することができる。
上記角速度センサにおいて、前記ハイパスフィルタは、コンデンサと、抵抗とを含む。上記コンデンサは、上記第1の増幅回路部の入力側に接続される第1の電極と、上記第2の増幅回路部の出力側に接続される第2の電極とを有する。上記抵抗は、上記第1の電極と基準電位との間に接続される。この場合において、上記角速度センサは、上記第1のスイッチ回路部が上記第1の増幅回路部に対する上記検出信号の入力を制限している時に、上記抵抗をバイパスして上記第1の電極と上記基準電位との間を接続可能なスイッチ機構をさらに具備してもよい。
上記構成によれば、上記コンデンサと抵抗との積で定まる時定数よりも短い時間で、上記第1の電極を充放電させることが可能となる。これにより、高精度な角速度信号の生成を確保することが可能となる。
上記角速度センサにおいて、前記増幅回路が第1の増幅回路部と、第2の増幅回路部とを有する場合、第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とは、以下のように構成されていてもよい。
すなわち、上記第1の増幅回路部は、前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する。
この場合、上記第2の増幅回路部は、前記第1の出力信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力する。
この構成によれば、第1及び第2の出力信号を信号処理回路に対して同時に入力することが可能となる。
あるいは、第1の増幅回路部は、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力してもよい。
この場合、第2の増幅回路部は、前記第2の出力信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力してもよい。
このような場合にも、第1及び第2の出力信号を信号処理回路に対して同時に入力することが可能となる。
上記角速度センサは、前記第1の増幅回路部の前段に配置され、前記検出信号から前記検出信号に含まれるドリフト成分を除去するハイパスフィルタをさらに具備していてもよい。
上記角速度センサは、前記第1のゲインを可変に設定可能なゲイン可変回路をさらに具備していてもよい。
これにより、第1の出力信号と第2の出力信号の差分を演算して角速度信号を生成する信号処理回路の処理能力や用途に応じて異なるゲインの最適値を、共通の増幅回路を用いて容易に設定することができる。
本発明の一形態に係る増幅回路は、角速度に応じた検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路部を具備する。
本発明の一形態に係る電子機器は、筐体と、センサ素子と、増幅回路と、信号処理回路とを具備する。
前記センサ素子は、前記筐体に作用する角速度に応じた検出信号を発生する。
前記増幅回路は、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する。
前記信号処理回路は、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで前記角速度信号を生成する。
増幅回路から出力される第1の出力信号と第2の出力信号とは、それぞれ同一のゲインで増幅され、かつ、相互に極性が異なる。すなわち、第1及び第2の出力信号は相互に差動の関係にある。したがって、信号処理回路は両出力信号の差分を演算することで、検出範囲が2倍の角速度信号を生成することが可能となる。また、上記第1のゲインを当該増幅回路のトータルゲインの1/2に設定すれば、当該トータルゲインで単段の増幅回路によって上記検出信号を増幅する場合と比較して、角速度の出力感度を保ちながら2倍の角速度検出範囲を確保することが可能となる。
上記電子機器は、撮像ユニットと、補正機構とをさらに具備していてもよい。
上記撮像ユニットは、前記筐体に収容され、被写体像を撮像する。
上記補正機構は、前記信号処理回路で生成された角速度信号に基づいて、前記被写体像の手振れを補正する。
この構成により、生成された角速度信号に基づいて高精度な手振れ補正を実現することができる。
本発明の一形態に係る手振れ補正装置は、撮像ユニットと、センサ素子と、増幅回路と、信号処理回路と、補正機構とを具備する。
前記撮像ユニットは、被写体像を撮像する。
前記センサ素子は、角速度に応じた検出信号を発生する。
前記増幅回路は、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する。
前記信号処理回路は、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成する。
前記補正機構は、前記信号処理回路で生成された角速度信号に基づいて、前記被写体像の手振れを補正する。
本発明の一形態に係る角速度信号の増幅方法は、角速度に応じた検出信号を発生させることを含む。前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とが生成される。
前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号が出力される。
本発明の一形態に係る手振れ補正方法は、角速度に応じた検出信号が発生されることを含む。前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とが生成される。前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号が出力される。前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで前記角速度信号が生成される。前記生成された角速度信号に基づいて、被写体像の手振れが補正される。
本発明によれば、感度を小さくすることなく、角速度の検出範囲が大きい角速度信号を生成することができる。これにより、例えば、高精度な手振れ補正を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。 上記電子機器における手振れ補正装置の構成を示すブロック図である。 角速度信号の基本的な増幅回路の構成を示す回路図である。 図3に示した増幅回路の出力ダイナミックレンジを示す模式図である。 図3に示した増幅回路の出力電圧の時間変化の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図6に示した増幅回路の出力電圧の時間変化を示す模式図であり、(A)は、第1及び第2の出力信号(出力電圧)の時間変化を示し、(B)は上記第1及び第2の出力信号の差分信号の時間変化を示す 本発明の第2の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図9に示した増幅回路におけるスイッチ部の状態変化と、当該増幅回路の出力信号との関係を示すタイミングチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図11に示した増幅回路におけるスイッチ部の状態変化と、当該増幅回路の出力信号との関係を示すタイミングチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図13に示した増幅回路の構成の変形例を示す要部の回路図である。 本発明の第6の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図15に示した増幅回路における各スイッチ部と出力信号との関係を示す図である。 図15に示した増幅回路における各スイッチ部の状態変化と、当該増幅回路の出力信号との関係を示すタイミングチャートである。 本発明の第7の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 本発明の第8の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。 図19に示した増幅回路における各スイッチ部と出力信号との関係を示す図である。 図19に示した増幅回路における各スイッチ部の状態変化と、当該増幅回路の出力信号との関係を示すタイミングチャートである。 信号処理回路80Cを含む制御部90(図2)の構成を示すブロック図である。 増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。 増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。 増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。 増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。 増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[電子機器]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。本実施形態では、電子機器としてデジタルスチルカメラ(以下単に「カメラ」ともいう。)を例に挙げて説明する。
本実施形態のカメラ1は、筐体2を備える。筐体2には、被写体像を撮像する撮像部3、シャッタボタン4、各種のカメラ機能を設定するファンクションスイッチ5、ストロボ発光部6、オートフォーカス制御用の測距センサ7等が設けられている。また図示せずとも、筐体2の背面側には、撮像部3で撮像した被写体画像を表示する液晶素子、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子などで構成された表示部が設けられている。
カメラ1は、手振れ補正ユニットを備える。手振れ補正ユニットは、筐体2に内蔵されており、カメラ1の手振れによる被写体画像のぶれを抑制する。更に詳しくは、手振れ補正ユニットは、筐体2に対して所定方向に作用する角速度を検出する検出部と、検出された角速度に基づいて補正信号を生成する信号処理回路と、その補正信号に基づいて手振れを補正する補正機構とを有する。補正機構は種々の方式に分類され、例えば、画像データを電子的に補正する方式、手振れを打ち消す方向に光軸を機械的に調整する方式が挙げられる。後者の方式は、撮像部3を構成する光学レンズ及び固体撮像素子のいずれかを移動させて、固体撮像素子に入射する光軸の位置を調整する。
筐体2に作用する角速度の検出方向は、典型的には、図1に示す筐体2に対して符号「y」で示すヨー方向と、符号「p」で示すピッチ方向の2方向である。ここで、ヨー方向は、筐体2の高さ方向(c軸方向)に平行な軸のまわりの方向を示し、ピッチ方向は、筐体2の幅方向(a軸方向)に平行な軸まわりの方向を示す。これにより、筐体2がヨー方向及びピッチ方向に向きが変わった場合に生じる手振れを補正することが可能となる。これに加えて、筐体2の厚み方向(b軸方向)に平行な軸のまわりのロール方向に対する角速度を検出し、その方向に関する手振れを補正するようにしてもよい。
[手振れ補正装置]
図2は、手振れ補正ユニットの構成を示すブロック図である。図示する手振れ補正ユニットは、検出部10と、増幅回路20と、制御部90とを有する。
検出部10は、ヨー方向及びピッチ方向の角速度を検出する2つのセンサ素子を有する。すなわち、検出部10は、ヨー方向の角速度を検出するセンサ素子10yと、ピッチ方向の角速度を検出するセンサ素子10pとを有する。これらのセンサ素子10y、10pは、角速度に応じた検出信号を発生する素子からなり、本実施形態では、角速度に比例したコリオリ力を検出する圧電振動型のジャイロセンサで構成される。センサ素子10y、10pは、同一の基準電位を有し、角速度の大きさに比例した電位信号を基準電位に対する電位の変化として出力する。基準電位は所定のオフセット電位(直流電位)に設定されるが、グラウンド電位であってもよい。
増幅回路20は、検出部10から入力された検出信号を所定の増幅率(ゲイン)で増幅し、増幅された検出信号を制御部90へ出力する。増幅回路20は、ハイパスフィルタ30y、30pと、増幅回路部45y、45pとを含む。ハイパスフィルタ30yは、センサ素子10yの検出信号から検出信号に含まれるドリフト成分を除去し、ハイパスフィルタ30pは、センサ素子10pの検出信号から検出信号に含まれるドリフト成分を除去する。増幅回路部45yは、ハイパスフィルタ30yを通過した検出信号を所定のゲインで増幅し、増幅回路部45pは、ハイパスフィルタ30pを通過した検出信号を上記所定のゲインで増幅する。
制御部90は、制御回路91と、手振れ補正機構92とを含む。制御回路91は、増幅回路20によって増幅されたヨー方向及びピッチ方向のそれぞれの検出信号から各方向についての角速度信号を生成する。また、制御回路91は、生成した角速度信号に基づいて、手振れ補正機構92を駆動するための補正信号を生成する。手振れ補正機構92は、補正信号に基づいて、撮像素子61及び光学系62を含む撮像部60(図1の撮像部3に相当)を駆動し、撮像素子61へ入射する被写体像の光軸を調整する。光軸調整は種々の方式が適用可能であり、例えば、手振れを打ち消す方向に光学系62を構成する一部の光学レンズ、または撮像素子63をシフトさせる。撮像素子63は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等の各種固体撮像素子が適用可能である。
手振れ補正機構92による撮像部3の駆動方式は特に限定されない。また、上記の例に限られず、画像処理回路を用いた電子的な手振れ補正方法が採用されてもよい。また、撮像部60は、手振れ補正機構92による調整前後間の位置の差分情報を制御回路91へ入力するようにしてもよい。これにより、手振れ補正についてフィードバック制御系が構築されるため、高精度な手振れ補正が可能となる。
[角速度センサ]
検出部10を構成するセンサ素子10y、10pは、これらセンサ素子を圧電駆動する自励発振回路、センサ素子10y、10pからの検出信号を増幅する増幅回路20、増幅回路20の出力信号から角速度信号を生成する信号処理回路等と共に、共通の回路基板(一次基板)上に実装されることで1つのセンサ部品(角速度センサ)を構成している。このようにして構成される角速度センサは、カメラ1の制御基板(二次基板)上に実装されることで、上記手振れ補正装置を構成している。なお、増幅回路20を構成するハイパスフィルタ30y、30pは、上記制御基板(二次基板)側に実装されていてもよい。
上記自励発振回路、増幅回路、信号処理回路は、それぞれ独立して上記一次基板上に実装されてもよいが、これら各回路を単一の半導体チップの中に集積されて支持基板上に実装される形態であってもよい。本実施形態では、特に断らない限り、後述する増幅回路が当該角速度センサの一構成要素である場合を例に挙げて説明する。手振れ補正機構92を駆動するための補正信号は、当該角速度センサ以外の上記二次基板上に実装された制御ユニットで生成される。この場合、制御回路91は、当該制御ユニットと、角速度センサ内の上記信号処理回路によって構成される。
次に、増幅回路20の詳細について説明する。
[角速度信号の増幅回路]
まず、図3を参照して、角速度信号の基本的な増幅回路について説明する。この増幅回路は、後述する本実施形態に係る増幅回路の構成及び作用を説明する上で比較され得る基本増幅回路として用いられる。図3は、その基本増幅回路を示している。
(基本回路)
図3に示す増幅回路は、非反転増幅器40を含む。非反転増幅器40の入力側には、コンデンサ31と抵抗32とで構成されたハイパスフィルタ30が配置される。非反転増幅器40は、オペアンプ41と、第1の負帰還抵抗42と、第2の負帰還抵抗43とで構成されている。第1の負帰還抵抗42は、オペアンプ41の反転入力端子(−)と基準電位Vrとの間に接続され、その抵抗値はRiである。第2の負帰還抵抗43は、オペアンプ41の出力端子とオペアンプ41の反転入力端子(−)との間に接続され、その抵抗値はRoである。
角速度を検出するセンサ素子の検出信号Vsは、基準電位Vrと、基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号とを含む。したがって、検出信号Vsと基準電位Vrとの差分をとることで、角速度の大きさを表す正味の角速度信号が抽出される。一方、基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号は、経時的に変化するドリフト特性を有する。基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフトには、いわゆる起動ドリフトや温度ドリフトなどが含まれる。ハイパスフィルタ30は、この基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分を除去する目的で使用される。基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフトは、角速度検出時に大きな障害となり得ることから、非反転増幅器40による検出信号の増幅前にハイパスフィルタ30によって除去される。
なお、ハイパスフィルタ30のカットオフ周波数は、基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分を除去可能な周波数に設定される。コンデンサ31の容量をC、抵抗32の値をRとすると、ハイパスフィルタ30のカットオフ周波数(fc)は、1/(2πRC)で定まり、典型的には、0.01Hz程度に設定される。
図3において、センサ素子の出力である検出信号Vsは、ハイパスフィルタ30の入力電圧に相当する。ハイパスフィルタ30の出力電圧Viは、ハイパスフィルタ30によって基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去されたセンサ素子の検出信号に相当し、これが非反転増幅器40の非反転入力端子(+)への入力電圧となる。非反転増幅器40は、センサ素子の検出信号Viと基準電位Vrとの差分を所定のゲインで増幅し、その出力電圧Voを出力信号として生成する。
ここで、ハイパスフィルタ30及び非反転増幅器40を基準電位Vrに相当するバイアス電圧で動作させるために、抵抗32と抵抗42の各々の一端が基準電位Vrに接続されている。オペアンプ41の電源は電源電位(Vcc)とグラウンド(GND)に接続される。以下の説明では、基準電位Vrは、(1)式で示すように、これらの中間の値とされる。
Vr=(Vcc+GND)/2 …(1)
非反転増幅器40のゲインは、負帰還抵抗42、43の抵抗値の組み合わせで決まる。すなわち、非反転増幅器40のゲインは、(2)式で表され、通常は50倍から100倍程度に設定される。
Vo/Vi=1+(Ro/Ri) …(2)
図4は、図3に示した増幅回路の出力ダイナミックレンジを示す模式図である。非反転増幅器40の出力電圧Voは、角速度が加わらないときは基準電位であるVrとなり、ある方向へ角速度が加わるとVrより高い電位に変化し、それとは逆方向に角速度が加わるとVrより低い電位に変化する。出力電圧Voは、基準電位Vrを中心として、GNDからVccまで出力できるのが理想的である。
しかし、基準電位VrのばらつきΔVr、非反転増幅器40のオフセットのばらつきΔVoff、オペアンプ41の回路で決まる飽和電圧のばらつきΔVsatなどが存在し、角速度に応じた信号を出力できるダイナミックレンジ(Dレンジ)は狭くなってしまう。このダイナミックレンジをVdとすると、Vdは式(3)で表される。
Vd=Vr−GND−(ΔVr+ΔVoff+ΔVsat)
=Vcc−Vr−(ΔVr+ΔVoff+ΔVsat) …(3)
図5(A)、(B)は、非反転増幅器40の出力電圧Voの時間変化の一例を示す模式図である。図5(A)は、ダイナミックレンジVdの範囲内で角速度が推移する例を示し、図5(B)は、ダイナミックレンジVdを越えて角速度が推移する例を示している。図5(A)に示すように出力電圧VoがVdの範囲内にあれば適正に角速度検出が可能となるが、図5(B)に示すように出力電圧VoがVdを越えると、適正な角速度検出が不可能となる。ダイナミックレンジVdが広いことは、角速度検出範囲が広いことを意味する。したがって、ダイナミックレンジを広く確保することは、角速度の大きさを広範囲にわたって検出することができるため、角速度の大きさの制限を受けることなく高精度な角速度検出が可能となる。ダイナミックレンジVdは、電源電圧Vccの大きさで決まり、Vccが大きいほど広いダイナミックレンジVdを確保することができる。
ところが近年、電子機器の省電力化が進み、電源電圧の低電圧化が求められている。したがって、図3に示す非反転増幅器40においては、電源電圧Vccの低電圧化によりダイナミックレンジVdがさらに狭くなることは避けられない。一方、非反転増幅器40のゲインを小さくしてダイナミックレンジVdを確保することも考えられる。しかしながらこの方法では、角速度の検出分解能が著しく低下するため、微弱な角速度信号を高精度に検出することが困難となる。
そこで本実施形態に係る角速度センサ、手振れ補正装置及び電子機器は、角速度検出感度を小さくすることなく角速度検出範囲を大きくすることができる増幅回路を備える。以下、本実施形態に係る増幅回路について説明する。
(第1の実施形態に係る増幅回路)
図6は、本発明の第1の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。本実施形態の増幅回路20Aは、図3に示した基本増幅回路に反転増幅器を付加した構成を有している。すなわち、本実施形態の増幅回路20Aは、非反転増幅器40a(第1の増幅回路部)と、反転増幅器50(第2の増幅回路部)とを含む。非反転増幅器40aの入力側には、ハイパスフィルタ30が配置され、反転増幅器50の出力側には、信号処理回路80Aが配置される。
ハイパスフィルタ30は、コンデンサ31と、抵抗32とを有し、検出信号Vsから基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去された信号Viを非反転増幅器40aの非反転入力端子(+)へ入力する。非反転増幅器40aは、図3に示した非反転増幅器40と同様の構成を有しており、オペアンプ41と、第1の負帰還抵抗42と、第2の負帰還抵抗43とを有する。第1及び第2の負帰還抵抗42、43の抵抗値はそれぞれRia、Roaである。反転増幅器50は、オペアンプ51と、第1の負帰還抵抗52と、第2の負帰還抵抗53とを有する。第1及び第2の負帰還抵抗52、53の抵抗値はいずれもRnである。オペアンプ51の反転入力端子(−)は、抵抗52を介してオペアンプ41の出力端子と接続されている。
ここで、ハイパスフィルタ30、非反転増幅器40a及び反転増幅器50を基準電位Vrに相当するバイアス電圧で動作させるために、抵抗32及び42の一端と、オペアンプ51の非反転入力端子(+)とがそれぞれ基準電位Vrに接続されている。
非反転増幅器40aは、検出信号Viと基準電位Vrとの差分を第1のゲインで増幅した第1の出力信号Voaを出力する。第1の出力信号Voaは、反転増幅器50の入力端子に供給される。また、第1の出力信号Voaは、増幅回路20Aの出力端子を介して信号処理回路80Aへ供給される。第1の出力信号Voaを生成する非反転増幅器40aは、第1の増幅回路部を構成する。ここでは、上記第1のゲインが、図3に示した非反転増幅器40のゲインの1/2になるように、抵抗値Roa及び抵抗値Riaが設定された場合について説明する。すなわち、非反転増幅器40aのゲインは、式(4)で表される。
Voa/Vi=1+(Roa/Ria)=(1/2)・(Vo/Vi) …(4)
反転増幅器50は、第1の出力信号Voaと基準電位Vrとの差分を第2のゲインで増幅した第2の出力信号Vobを出力する。第2の出力信号Vobは、増幅回路20Aの出力端子を介して信号処理回路80Aへ供給される。第2の出力信号Vobを生成する反転増幅器50は、第2の増幅回路部を構成する。ここで、抵抗52及び抵抗53は同一の値であるため、上記第2のゲインは1である。すなわち、第2の出力信号Vobは、検出信号Viと基準電位Vrとの差分を上記第1のゲインで反転増幅した出力信号に相当し、第1の出力信号Voaと極性だけが異なる信号である。したがって、反転増幅器50のゲインは、式(5)で表される。
Vob/Vi=−Voa/Vi …(5)
信号処理回路80Aは、第1の出力信号Voaと第2の出力信号Vobとに基づいて角速度信号を生成する回路であり、制御回路91(図2)の一部を構成する。信号処理回路80Aは、第1の出力信号Voaと第2の出力信号Vobとの差分を演算することで、角速度信号を生成する。第1の出力信号Voaと第2の出力信号Vobは、基準電位Vrを基準とした差動の関係にある。信号処理回路80Aにおいて、(Voa−Vob)を演算した場合のゲインは式(6)となり、図3に示した非反転増幅器40のゲインと等しくなる。
(Voa−Vob)/Vi=2・Voa/Vi=Vo/Vi …(6)
図7(A)は、第1及び第2の出力信号(出力電圧)Voa、Vobの時間変化の一例を示す模式図である。図中破線で示す波形は、図5(A)に示した基本増幅回路の出力信号Voである。非反転増幅器40a及び反転増幅器50のゲインは上記基本増幅回路40のゲインの1/2であるため、第1及び第2の出力信号Voa、Vobは出力信号Voの1/2の大きさである。出力信号Voa、Vobのダイナミックレンジは、図4を参照して説明したVdである。
一方、図7(B)は、信号処理回路80Aにおいて出力信号Voaと出力信号Vobとの差分を演算した結果得られる出力信号(Voa−Vob)の時間変化を示す模式図である。出力信号VoaとVobとは、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。また、式(6)に示したように、本実施形態の増幅回路20Aは上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、角速度の出力感度を保ったままで2倍の角速度検出範囲を確保することができる。また、増幅回路20Aのトータルゲインを上記第1及び第2の増幅回路部で分割しているため、Vdを越える出力信号を飽和させることなく生成することが可能となる。これにより、角速度をより広範囲かつ高精度に検出することが可能となる。さらに、電源電圧Vccの低電圧化にも対応可能となるため、機器の小型化、低消費電力化にも貢献することができる。
信号処理回路80A(あるいはこれを含む制御回路91)は、上述のようにして得られた角速度信号に基づいて、手振れ補正機構92を駆動するための補正信号を生成する。信号処理回路80Aは、A/D変換器を有し、アナログ信号である角速度信号をデジタル信号に変換して上記補正信号を生成する。これにより、カメラ1の筐体2に作用する手振れに起因する被写体画像のブレが抑制され、失敗写真の発生確率が大きく低減される。
なお、本実施形態では、角速度の検出方向にヨー方向及びピッチ方向の2方向を有するため、上記構成の増幅回路20Aが各方向の角速度検出にそれぞれ個別に用いられる。
[第1実施形態変形例]
図6の説明では、非反転増幅器40aと、反転増幅器50との組み合わせにより増幅回路20Aが構成される場合について説明した。しかし、これに限られず、増幅回路は、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成されていてもよい。
図23は、増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。
図23に示すように、増幅回路20Iは、反転増幅器140(第1の増幅回路部)と、反転増幅器50(第2の増幅回路部)とを有する。反転増幅器140の入力側には、ハイパスフィルタ30が配置され、反転増幅器50の出力側には、信号処理回路80Aが配置される。
反転増幅器140は、オペアンプ145と、第1の負帰還抵抗42と、第2の負帰還抵抗43とを含む反転増幅部141と、オペアンプ146を含むボルテージフォロア142とを有する。
反転増幅部141のオペアンプ145の非反転入力端子(+)は、基準電位Vrに接続されている。また、反転増幅部141のオペアンプ145の反転入力端子(−)は、抵抗42を介してボルテージフォロア142のオペアンプ146の出力端子に接続されている。
反転増幅部141の第1及び第2の負帰還抵抗42、43の抵抗値はそれぞれRia、Roaである。
ボルテージフォロア142のオペアンプ146の非反転端子(+)は、ハイパスフィルタ30の出力側に接続されている。このボルテージフォロア142は、ハイパスフィルタ30の出力をインピーダンス変換するために用いられる。
反転増幅器50は、図6で説明した反転増幅器50と同様の構成であり、反転増幅器50は、オペアンプ51と、第1の負帰還抵抗52と、第2の負帰還抵抗53とを有する。第1及び第2の負帰還抵抗52、53の抵抗値はいずれもRnである。
(動作説明)
ボルテージフォロア142は、ハイパスフィルタ30を通過した検出信号Viを、高インピーダンスから低インピーダンスへ変換して反転増幅部141へ出力する。これにより、第1の負帰還抵抗42が、ハイパスフィルタ30のインピーダンスの影響を受けてしまい、反転増幅部141の出力が低下してしまうことを防止することができる。
反転増幅部141は、ボルテージフォロア142から出力された信号と基準電位Vrとの差分を反転増幅した信号Vob(第2の出力信号)を出力する。この場合、第1及び第2の負帰還抵抗42、43の抵抗値はそれぞれRia、Roaであるので、検出信号Viがゲイン(Roa/Ria)で反転増幅された(ゲイン(−Roa/Ria)で増幅された)信号Vobが反転増幅部141から出力される。
反転増幅部141から出力された信号Vobは、反転増幅器50の反転入力端子(−)に供給される。また、第2の出力信号Vobは、増幅回路20Iの出力端子を介して信号処理回路80Aへ供給される。
反転増幅器50は、信号Vobと基準電位Vrとの差分を反転増幅した信号Voa(第1の出力信号)を出力する。この場合、第1及び第2の負帰還抵抗52、53の抵抗値はいずれもRnであるので、反転増幅器50からは、信号Vobがゲイン1で反転増幅された(ゲイン−1で増幅された)信号Voaが出力される。信号Voaは、増幅回路20Iの出力端子を介して、信号処理回路80Aへ供給される。
信号Voaは、信号Vobがゲイン1で反転増幅された信号であるので、信号Voaと、信号Vobとは、大きさが同じで極性だけが異なる信号である。
ここで、信号Voaは、検出信号Viが2回反転増幅された信号であるので、検出信号Viが非反転増幅された信号である。一方、信号Vobは、検出信号Viが1回反転された信号であるので、検出信号Viが反転増幅された信号である。
信号処理回路80Aは、信号Voaと信号Vobとの差分を演算することで、角速度信号を生成する。
この図23に示す変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、信号Voaと、信号Vobとは、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)を得ることができる。また、増幅回路20Iは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図6と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Bは、増幅回路部70を備える。増幅回路70の入力側には、ハイパスフィルタ30が配置され、増幅回路70の出力側には、信号処理回路80Bが配置される。
増幅回路部70は、第1のオペアンプ41、第2のオペアンプ51、第1の抵抗71、第2の抵抗72及び第3の抵抗73とを有する。抵抗71〜73は、オペアンプ41の出力端子とオペアンプ51の出力端子との間に直列的に接続されており、抵抗値はそれぞれ、Ric、Roc、Ricである。第1のオペアンプ41の非反転入力端子(+)は、ハイパスフィルタ30に接続される。第1のオペアンプ41の反転入力端子(−)は、第1の抵抗71と第2の抵抗72との間に接続される。第2のオペアンプ51の非反転入力端子(+)は、基準電位Vrに接続される。第2のオペアンプ51の反転入力端子(−)は、第2の抵抗72と第3の抵抗73との間に接続される。
本実施形態では、増幅回路部70のゲインは、式(2)に示した上記基本増幅回路のゲインと同一に設定される。第1のオペアンプ41の入力電圧をVi、第1のオペアンプ41の出力電圧をVoc、第2のオペアンプ51の出力電圧をVodとすると、増幅回路部70のゲインは、式(7)で表される。出力電圧Vocは、検出信号Viを第1のオペアンプ41により非反転増幅することで生成される第1の出力信号に相当する。出力電圧Vodは、検出信号Viを第1のオペアンプ41及び第2のオペアンプ51により反転増幅することで生成される第2の出力信号に相当する。
(Voc−Vod)/Vi=1+(2・Ric/Roc)=Vo/Vi …(7)
信号処理回路80Bは、第1の出力信号Vocと第2の出力信号Vodの差分を演算することで角速度信号を生成する。出力信号VocとVodとは、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。また、本実施形態の増幅回路20Bは上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。本実施形態の増幅回路20Bは、図2に示した増幅回路20として構成することができる。なお、角速度の検出方向にヨー方向及びピッチ方向の2方向を有する場合には、上記構成の増幅回路20Bが各方向の角速度検出にそれぞれ個別に用いられる。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図6と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Cは、非反転増幅器40a(第1の増幅回路部)と、第1の反転増幅器50y(第2の増幅回路部)と、第2の反転増幅器50p(第2の増幅回路部)とを備える。第1の反転増幅器50y及び第2の反転増幅器50pと、非反転増幅器40aとの間には、スイッチ回路100Cが配置され、非反転増幅器40aの出力側には、信号処理回路80Cが配置される。
第1及び第2の反転増幅器50y、50pはそれぞれ、図6に示した反転増幅器50と同様な構成を有しており、オペアンプ51y、51pと、第1の負帰還抵抗52y、52pと、第2の負帰還抵抗53y、53pとを有する。抵抗52y、52p、53y、53pの抵抗値はいずれもRnである。第1及び第2の反転増幅器50y、50pの各々の出力側は、スイッチ回路100Cを介してハイパスフィルタ30に接続されており、このハイパスフィルタ30の出力側は非反転増幅器40aの非反転入力端子(+)に接続されている。
ヨー方向の角速度を検出するセンサ素子10yは検出信号Viyを出力し、ピッチ方向の角速度を検出するセンサ素子10pは検出信号Vipを出力する。検出信号Viy、Vipは、スイッチ回路100Cを介してハイパスフィルタ30に入力可能に構成されている。ハイパスフィルタ30は、スイッチ回路100Cから出力される各種入力信号から基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分を除去する。非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30を通過した検出信号Viy、Vipを上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy1、Vop1(第1の出力信号)を生成する(第1の増幅回路部)。
また、検出信号Viy、Vipは、第1及び第2の反転増幅器50y、50pの入力端子に入力される。第1及び第2の反転増幅器50y、50pは、検出信号Viy、Vipをゲイン1で反転増幅した出力信号Viy2、Vip2(第3の出力信号)を生成する。そして、第1及び第2の反転増幅器50y、50pは、その出力信号Viy2、Vip2を非反転増幅器40aへ入力することで当該出力信号を上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy2、Vop2(第2の出力信号)を生成させる(第2の増幅回路部)。ここでは、第1及び第2の反転増幅器50y、50pから出力される上記第3の出力信号のうち、第1の反転増幅器50yから出力される信号Viy2を第4の出力信号といい、第2の反転増幅器50pから出力される信号Vip2を第5の出力信号という。
スイッチ回路100Cは、4つのスイッチ部101、102、103、104を有する。スイッチ部101は、非反転増幅器40aに対する検出信号Viyの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部102は、非反転増幅器40aに対する第1の反転増幅器50yの出力信号Viy2の入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部103は、非反転増幅器40aに対する検出信号Vipの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部104は、非反転増幅器40aに対する第2の反転増幅器50pの出力信号Vip2の入力及びその遮断を切り替える。
スイッチ部101〜104は、信号処理回路80Cからスイッチ回路100Cへ入力されるセレクト信号S0及びS1によって切り替えられる(バイラテラルスイッチ)。セレクト信号S0及びS1はそれぞれハイレベルとローレベルとを有し、これら信号レベルの組み合わせによって、オン状態とされるスイッチ部が決定される。1つのスイッチ部がオン状態のとき、他のすべてのスイッチ部はオフ状態とされる。
本実施形態では、信号S0及びS1がいずれもローレベルのとき、スイッチ部101がオン状態とされ、信号S0及びS1がいずれもハイレベルのとき、スイッチ部104がオン状態とされる。また、信号S0がローレベル及び信号S1がハイレベルのとき、スイッチ部102がオン状態とされ、信号S0がハイレベル及び信号S1がローレベルのとき、スイッチ部103がオン状態とされる。
スイッチ回路100Cは、第1の出力信号Voy1又はVop1が増幅回路20Cから出力され、信号処理回路80Cへ入力される第1の状態と、第2の出力信号Voy2又はVop2が増幅回路20Cから出力され、信号処理回路80Cへ入力される第2の状態とを選択的に切り替える。本実施形態では、上記第1の状態のうち、第1の出力信号Voy1が信号処理回路80Cへ入力される状態を第1のスイッチング状態といい、第1の出力信号Vop1が増幅回路20Cから出力される状態を第2のスイッチング状態という。一方、上記第2の状態のうち、第2の出力信号Voy2が増幅回路20Cから出力される状態を第3のスイッチング状態といい、第2の出力信号Vop2が増幅回路20Cから出力される状態を第4のスイッチング状態という。
したがって、図9に示す増幅回路20Cにおいては、スイッチ部101がオン状態のとき上記第1のスイッチング状態となり、スイッチ部103がオン状態のとき上記第2のスイッチング状態となる。また、スイッチ部102がオン状態のとき上記第3のスイッチング状態となり、スイッチ部104がオン状態のとき上記第4のスイッチング状態となる。この場合、スイッチ部101、103は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する検出信号Viy、Vipの入力を制限可能な第1のスイッチ回路部に相当する。また、スイッチ部102、104は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する上記第3の出力信号(第4の出力信号Viy2、第5の出力信号Vip2)の入力を制限可能な第2のスイッチ部に相当する。
図22は、信号処理回路80Cを含む制御部90(図2)の構成を示すブロック図である。信号処理回路80Cは、A/Dコンバータ801と、撮影状況判断部802と、積分回路803と、ゲイン調整回路804と、発振器805とを有する。手振れ補正機構92は、D/Aコンバータ921と、レンズドライバ922とを有する。
増幅回路20Cからの出力信号Voutは、差動信号を含む時系列のアナログ信号である。この信号が信号処理回路80Cに入力され、A/Dコンバータ801でデジタル信号に変換される。また、信号Voutは発振器805からのデジタル信号S0とS1で制御される。撮影状況判断部802は、信号Voutを記憶可能な適宜のメモリを有し、第1の出力信号(Voy1、Vop1)と第2の出力信号(Voy2、Vop2)との差分を演算することで角速度信号を生成する。すなわち、(Voy1−Voy2)を演算することでヨー方向の角速度信号が生成され、(Vop1−Vop2)を演算することでピッチ方向の角速度信号が生成される。撮影状況判断部802は、上記の時系列な信号を個別に認識し、その挙動からカメラのパンニングや三脚の状態を推定する。その推定に応じて、積分回路803における信号Voutを手ぶれの角度に変換するための積分をコントロールする。ゲイン調整回路804は、この手ぶれの角度やズーム、フォーカスの状況に応じてゲイン調整し、手ぶれ補正の目標値である信号を得る。決定された目標値の信号は、手振れ補正機構92のD/Aコンバータ921に入力され、再びアナログ信号に変換される。この信号をレンズドライバ922に入力することで、光学系62(図2)の補正レンズ621を駆動し、手ぶれの補正がされる。
以上のように構成される本実施形態の増幅回路20Cにおいて、ヨー方向のセンサ素子10yの出力Vy1とピッチ方向のセンサ素子10pの出力Vp1は、各々独立して入力される。スイッチ回路100Cは、信号処理回路80Cから供給されるセレクト信号S0、S1に基づいてスイッチ部101〜104を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip及びVip2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び非反転増幅器40aへ入力する。
非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30によって基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去された入力信号を第1のゲイン(1+(Roa/Ria))で増幅し、その出力信号(Vout)を信号処理回路80Cへ入力する。非反転増幅器40aの出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の時系列信号である。図10は、セレクト信号S0、S1の信号レベルの時間変化と、非反転増幅器40aの出力信号Voutの時間変化の一例を示している。図示の例では、非反転増幅器40は、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の順で出力信号を生成する。また、ヨー方向の角速度がピッチ方向の角速度よりも大きい例を示しているが、勿論これに限られない。
信号処理回路80Cは、非反転増幅器40aからの出力信号を順次取り込み、Voy1とVoy2との差分信号、及びVop1とVop2との差分信号をそれぞれ演算することで、ヨー方向及びピッチ方向についての角速度信号をそれぞれ生成する。出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。本実施形態の増幅回路20Cは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
また、本実施形態によれば、単一の非反転増幅器40aによってヨー方向及びピッチ方向の検出信号の増幅処理が可能であるため、部品数の削減を図ることが可能となる。さらに、出力信号Voy1、Voy2、Vop1及びVop2を時系列的に信号処理回路80Cへ入力するため、信号処理回路80Cの入力端子やA/D変換器が1つで済むという利点がある。
スイッチ回路100Cの各スイッチ部101〜104による上記第1〜第4のスイッチング状態の切替周波数は、400Hz以上とすることができる。ヨー方向及びピッチ方向の角速度の検出周波数は100Hz(10msec)以下であるため、上記スイッチング状態の切替周波数を400Hz以上(切替時間1msec以下)とすることで、100Hz以下での各方向の角速度を高精度に検出することができる。また、一般にカメラのシャッタースピードが遅い(露光時間が長い)ほど手振れ写真が発生しやすくなる。このため、手振れ写真の発生を効果的に抑制するためには、シャッタースピードを早くするのが好ましく、例えば、4msec以下とする。この場合、上記各スイッチング状態を1msec以下となるように切替周波数を設定することで、手振れ写真の発生を効果的に抑えることが可能となる。
<第4の実施形態>
図11は、本発明の第4の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図6と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Dは、非反転増幅器40a(第1の増幅回路部)と、反転増幅器50(第2の増幅回路部)とを備える。反転増幅器50の入力側及び出力側には、スイッチ回路100Dが配置される。また、非反転増幅器40aの入力側には、ハイパスフィルタ30が配置され、非反転増幅器40aの出力側には、信号処理回路80Dが配置される。
反転増幅器50は、図6に示した反転増幅器50と同様な構成を有している。反転増幅器50の出力側は、スイッチ回路100Dを介してハイパスフィルタ30に接続されており、このハイパスフィルタ30の出力側は非反転増幅器40aの非反転入力端子(+)に接続されている。
ヨー方向の角速度を検出するセンサ素子10yは検出信号Viyを出力し、ピッチ方向の角速度を検出するセンサ素子10pは検出信号Vipを出力する。検出信号Viy、Vipは、スイッチ回路100Dを介してハイパスフィルタ30に入力可能に構成されている。ハイパスフィルタ30は、スイッチ回路100Dから出力される各種入力信号から基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分を除去する。非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30を通過した検出信号Viy、Vipを上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy1、Vop1(第1の出力信号)を生成する(第1の増幅回路部)。
また、検出信号Viy、Vipは、スイッチ回路100Dを介して反転増幅器50の入力端子に入力される。反転増幅器50は、検出信号Viy、Vipをゲイン1で反転増幅した出力信号Viy2、Vip2(第3の出力信号)を生成する。そして、反転増幅器50は、その出力信号Viy2、Vip2を非反転増幅器40aへ入力することで当該出力信号を上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy2、Vop2(第2の出力信号)を生成させる(第2の増幅回路部)。本実施形態では、単一の反転増幅器50によって、検出信号Viyに関する出力信号Viy2(第4の出力信号)と、検出信号Vipに関する出力信号Vip2(第5の出力信号)を生成する。反転増幅器50に対する検出信号Viyの入力と検出信号Vipの入力は、スイッチ回路100Dによって制御される。
スイッチ回路100Dは、5つのスイッチ部111、112、113、114及び115を有する。スイッチ部111は、非反転増幅器40aに対する検出信号Viyの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部112は、反転増幅器50に対する検出信号Viyの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部113は、非反転増幅器40aに対する検出信号Vipの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部114は、反転増幅器50に対する検出信号Vipの入力及びその遮断を切り替える。そして、スイッチ部115は、非反転増幅器40aに対する反転増幅器50の出力信号Viy2、Vip2の入力及びその遮断を切り替える。
スイッチ部111〜115は、信号処理回路80Dからスイッチ回路100Dへ入力されるセレクト信号S0及びS1によって切り替えられる(バイラテラルスイッチ)。セレクト信号S0及びS1はそれぞれハイレベルとローレベルとを有し、これら信号レベルの組み合わせによって、オン状態とされるスイッチ部が決定される。1つ又は2つのスイッチ部がオン状態のとき、他のすべてのスイッチ部はオフ状態とされる。
本実施形態では、信号S0及びS1がいずれもローレベルのとき、スイッチ部111がオン状態とされ、信号S0及びS1がいずれもハイレベルのとき、スイッチ部114及び115がオン状態とされる。また、信号S0がローレベル及び信号S1がハイレベルのとき、スイッチ部112及び115がオン状態とされ、信号S0がハイレベル及び信号S1がローレベルのとき、スイッチ部113がオン状態とされる。
スイッチ回路100Dは、第1の出力信号Voy1又はVop1が増幅回路20Dから出力される第1の状態と、第2の出力信号Voy2又はVop2が増幅回路20Dから出力される第2の状態とを選択的に切り替える。本実施形態では、上記第1の状態のうち、第1の出力信号Voy1が増幅回路20Dから出力される状態を第1のスイッチング状態といい、第1の出力信号Vop1が増幅回路20Dから出力される状態を第2のスイッチング状態という。一方、上記第2の状態のうち、第2の出力信号Voy2が増幅回路20Dから出力される状態を第3のスイッチング状態といい、第2の出力信号Vop2が増幅回路20Dから出力される状態を第4のスイッチング状態という。
したがって、図11に示す増幅回路20Dにおいては、スイッチ部111がオン状態のとき上記第1のスイッチング状態となり、スイッチ部113がオン状態のとき上記第2のスイッチング状態となる。また、スイッチ部112及び115がオン状態のとき上記第3のスイッチング状態となり、スイッチ部114及び115がオン状態のとき上記第4のスイッチング状態となる。この場合、スイッチ部111、113は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する検出信号Viy、Vipの入力を制限可能な第1のスイッチ回路部に相当する。また、スイッチ部112、114及び115は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する上記第3の出力信号(第4の出力信号Viy2、第5の出力信号Vip2)の入力を制限可能な第2のスイッチ部に相当する。
信号処理回路80Dは、スイッチ回路100Dに入力するセレクト信号S0、S1を生成する信号生成部と、非反転増幅器40aから出力される信号を記憶可能な適宜のメモリを有する。そして、非反転増幅器40aから出力される第1の出力信号(Voy1、Vop1)と第2の出力信号(Voy2、Vop2)との差分を演算することで角速度信号を生成する。すなわち、信号処理回路80Dは、(Voy1−Voy2)を演算することでヨー方向の角速度信号を生成し、(Vop1−Vop2)を演算することでピッチ方向の角速度信号を生成する。
以上のように構成される本実施形態の増幅回路20Dにおいて、スイッチ回路100Dは、信号処理回路80Dから供給されるセレクト信号S0、S1に基づいてスイッチ部111〜115を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip及びVip2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び非反転増幅器40aへ入力する。反転増幅器50は、検出信号Viyが入力されたときはその信号Viyをゲイン1で反転増幅することで第4の出力信号Viy2を生成し、検出信号Vipが入力されたときはその信号Vipをゲイン1で反転増幅することで第5の出力信号Vip2を生成する。
非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30によって基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去された入力信号を第1のゲイン(1+(Roa/Ria))で増幅し、その出力信号(Vout)を信号処理回路80Dへ入力する。非反転増幅器40の出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の時系列信号である。図12は、セレクト信号S0、S1の信号レベルの時間変化と、非反転増幅器40aの出力信号Voutの時間変化の一例を示している。図示の例では、非反転増幅器40は、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の順で出力信号を生成する。また、ヨー方向の角速度がピッチ方向の角速度よりも大きい例を示しているが、勿論これに限られない。
信号処理回路80Dは、非反転増幅器40aからの出力信号を順次取り込み、Voy1とVoy2との差分信号、及びVop1とVop2との差分信号をそれぞれ演算することで、ヨー方向及びピッチ方向についての角速度信号をそれぞれ生成する。出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。本実施形態の増幅回路20Dは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
また、本実施形態によれば、単一の非反転増幅器40aと単一の反転増幅器50によってヨー方向及びピッチ方向の検出信号の増幅処理が可能であるため、部品数の削減を図ることが可能となる。さらに、出力信号Voy1、Voy2、Vop1及びVop2を時系列的に信号処理回路80Dへ入力するため、信号処理回路80Dの入力端子やA/D変換器が1つで済むという利点がある。
なお、本実施形態においてもスイッチ回路100Dの上記第1〜第4のスイッチング状態の切替周波数は、400Hz以上とされる。これにより、ヨー方向及びピッチ方向の角速度を高精度に検出することができる。また、上記各スイッチング状態を1msec以下となるように切替周波数を設定することで、手振れ写真の発生を効果的に抑えることが可能となる。
[第4実施形態変形例]
次に、第4実施形態の変形例について説明する。第4実施形態の変形例の説明では、増幅回路が反転増幅器と反転増幅器との組み合わせにより構成される場合について説明する。
図24は、増幅回路が反転増幅器と反転増幅器との組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。
図24に示すように、この変形例に係る増幅回路20Jでは、図11に示した非反転増幅器40aが、反転増幅器140に置換されて構成されている。
反転増幅器140は、図23で説明した反転増幅器140と同様の構成であり、オペアンプ145と、第1の負帰還抵抗42と、第2の負帰還抵抗43とを含む反転増幅部141と、オペアンプ146を含むボルテージフォロア142とを有する。
スイッチ回路100Dは、信号処理回路80Dから供給されるセレクト信号S0、S1に基づいてスイッチ部111〜115を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip及びVip2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び反転増幅器140へ入力する。反転増幅器50は、検出信号Viyが入力されたときはその信号Viyをゲイン1で反転増幅することで信号Viy2を生成し、検出信号Vipが入力されたときはその信号Vipをゲイン1で反転増幅することで信号Vip2を生成する。
反転増幅器140のボルテージフォロア142は、ハイパスフィルタ30によってドリフト成分が除去された入力信号を高インピーダンスから低インピーダンスへ変換して反転増幅部141へ出力する。反転増幅部141は、ボルテージフォロア142から出力された信号をゲイン(Roa/Ria)で反転増幅し、その出力信号(Vout)を出力端子を介して信号処理回路80Dへ出力する。反転増幅器140の出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の時系列信号である。
この第4実施形態の変形例においても、上記第4実施形態と、同様の効果を奏する。すなわち、出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。また、増幅回路20Jは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
<第5の実施形態>
図13は、本発明の第5の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。なお、図において、図11と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Eは、図11に示した増幅回路20Dに対して、非反転増幅器40aのゲイン(第1のゲイン)を可変に設定可能なゲイン可変回路201をさらに備えた構成を有している。ゲイン可変回路201は、非反転増幅器40aの負帰還抵抗を調整可能に構成することで、非反転増幅器40aのゲイン(第1のゲイン)を可変に設定可能とする。
ゲイン可変回路201は、互いに並列的に接続された第1の負帰還抵抗42a及び42bと、互いに直列的に接続された第2の可変抵抗43a及び43bとを有する。抵抗42a、42b、43a及び43bの抵抗値は、それぞれRia、Rib、Roa及びRobである。ゲイン可変回路201は、オペアンプ41に対する抵抗42bの接続を無効とすることが可能な第1のスイッチ44と、オペアンプ41に対する抵抗43bの接続を無効とすることが可能な第2のスイッチ45とをさらに有する。第1のスイッチ44は、抵抗42bに対して直列に接続され、第2のスイッチ45は、抵抗43bに対して並列的に接続される。第1のスイッチ44は、抵抗42bに比べてはるかに小さいオン抵抗値を有し、第2のスイッチ45は、抵抗43bに比べてはるかに小さいオン抵抗値を有するものとする。
第1及び第2のスイッチ44及び45は、切替信号S2及びS3の信号レベルでそれぞれ切り替えられる。例えば、第1のスイッチ44は、切替信号S2がハイレベルのときにオンとなり、ローレベルのときにオフとなる。同様に、第2のスイッチ45は、切替信号S3がハイレベルのときにオンとなり、ローレベルのときにオフとなる。切替信号S2、S3は、信号処理回路80Dから出力されてもよいし、他の制御回路から出力されてもよい。また、第1及び第2のスイッチ44、45は、一度設定されるとその状態が不変となるような構成とされるが、勿論これに限られず電子機器の動作中に適宜変更可能に構成されてもよい。
抵抗値Ria、Rib、Roa及びRobの各値は特に限定されず、適宜の値を設定することが可能である。例えば、Ria=Rib=R/5、Roa=Rob=5Rとすると、スイッチ44、45がいずれもオンのとき、非反転増幅器40aのゲインは51(倍)となる。また、スイッチ44がオン、スイッチ45がオフのときのゲインは101(倍)、スイッチ44がオフ、スイッチ45がオンのときのゲインは26(倍)となる。そして、スイッチ44、45がいずれもオフのときのゲインは51(倍)となる。
上記構成の増幅回路20Eによれば、非反転増幅器40aのゲインを信号処理回路80Dの処理能力や機器や仕様あるいは用途に応じて最適化することができるため、共通の回路構造を用いて機器ごとに個別にゲインを設定できるという利点がある。例えば、カメラ、カーナビゲーションシステム、ゲームコントローラ等のように異種の電子機器に対して、要求される個々のゲインに容易に対応することができる増幅回路を提供することが可能となる。
図14(A)〜(C)は、ゲイン可変回路の構成の変形例を示す要部の回路図である。図において、図13と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
図14(A)に示すゲイン可変回路202は、抵抗42b及び43bをそれぞれ抵抗42a及び43aに対して並列的に接続した構成例である。この場合、スイッチ44、45は、抵抗42b、43bに対してそれぞれ直列的に接続される。図14(B)に示すゲイン可変回路203は、抵抗42b及び42bをそれぞれ抵抗42a及び43aに対して直列的に接続した構成例である。この場合、スイッチ44、45は、抵抗42b、43bに対してそれぞれ並列的に接続される。図14(C)に示すゲイン可変回路204は、抵抗42bを抵抗42aに対して直列的に、かつ、抵抗43bを抵抗43aに対して並列的に接続した構成例である。この場合、スイッチ44は抵抗42bに対して並列的に接続され、スイッチ45は抵抗43aに対して直列的に接続される。
図14(A)〜(C)の構成例においても、上述と同様の作用効果を得ることができる。なお、図13及び図14に示したように、ゲイン可変回路を2つのスイッチ44、45で構成したが、いずれか一方を省略したり、各抵抗の少なくともいずれかを可変抵抗で構成したりしてもよい。
<第6の実施形態>
図15は、本発明の第6の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図6と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Fは、非反転増幅器40a(第1の増幅回路部)と、反転増幅器50(第2の増幅回路部)とを備える。反転増幅器50の入力側及び出力側には、スイッチ回路100Fが配置される。また、非反転増幅器40aの入力側には、ハイパスフィルタ30が配置され、非反転増幅器40aの出力側には、信号処理回路80Fが配置される。
反転増幅器50は、図6に示した反転増幅器50と同様な構成を有している。反転増幅器50の出力側は、スイッチ回路100Fを介してハイパスフィルタ30に接続されており、このハイパスフィルタ30の出力側は非反転増幅器40aの非反転入力端子(+)に接続されている。
ヨー方向の角速度を検出するセンサ素子10yは検出信号Viyを出力し、ピッチ方向の角速度を検出するセンサ素子10pは検出信号Vipを出力する。検出信号Viy、Vipは、スイッチ回路100Fを介してハイパスフィルタ30に入力可能に構成されている。ハイパスフィルタ30は、スイッチ回路100Fから出力される各種入力信号から基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分を除去する。非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30を通過した検出信号Viy、Vipを上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy1、Vop1(第1の出力信号)を生成する(第1の増幅回路部)。
また、検出信号Viy、Vipは、スイッチ回路100Fを介して反転増幅器50の入力端子に入力される。反転増幅器50は、検出信号Viy、Vipをゲイン1で反転増幅した出力信号Viy2、Vip2(第3の出力信号)を生成する。そして、反転増幅器50は、その出力信号Viy2、Vip2を非反転増幅器40aへ入力することで当該出力信号を上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy2、Vop2(第2の出力信号)を生成させる(第2の増幅回路部)。本実施形態では、単一の反転増幅器50によって、検出信号Viyに関する出力信号Viy2(第4の出力信号)と、検出信号Vipに関する出力信号Vip2(第5の出力信号)を生成する。反転増幅器50に対する検出信号Viyの入力と検出信号Vipの入力は、スイッチ回路100Fによって制御される。
スイッチ回路100Fは、4つのスイッチ部121、122、123及び124を有する、スイッチ部121及び123は、非反転増幅器40a及び反転増幅器50に対する検出信号Viyの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部122及び123は、非反転増幅器40a及び反転増幅器50に対する検出信号Vipの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部124は、非反転増幅器40aに対する出力信号Viy2、Vip2の入力及びその遮断を切り替える。
スイッチ部121〜124は、信号処理回路80Fからスイッチ回路100Fへ入力されるセレクト信号S0及びS1によって切り替えられる(バイラテラルスイッチ)。セレクト信号S0及びS1はそれぞれハイレベルとローレベルとを有し、これら信号レベルの組み合わせによって、オン状態とされるスイッチ部が決定される。オン状態とされるスイッチ部は2つであり、このとき他の2つのスイッチ部はオフ状態とされる。
本実施形態では、信号S0及びS1がいずれもローレベルのとき、スイッチ部121及び123がオン状態とされ、信号S0及びS1がいずれもハイレベルのとき、スイッチ部122及び124がオン状態とされる。また、信号S0がローレベル及び信号S1がハイレベルのとき、スイッチ部121及び124がオン状態とされ、信号S0がハイレベル及び信号S1がローレベルのとき、スイッチ部122及び123がオン状態とされる。
スイッチ回路100Fは、第1の出力信号Voy1又はVop1が信号処理回路80Fへ入力される第1の状態と、第2の出力信号Voy2又はVop2が信号処理回路80Fへ入力される第2の状態とを選択的に切り替える。本実施形態では、上記第1の状態のうち、第1の出力信号Voy1が信号処理回路80Fへ入力される状態を第1のスイッチング状態といい、第1の出力信号Vop1が信号処理回路80Fへ入力される状態を第2のスイッチング状態という。一方、上記第2の状態のうち、第2の出力信号Voy2が信号処理回路80Fへ入力される状態を第3のスイッチング状態といい、第2の出力信号Vop2が信号処理回路80Fへ入力される状態を第4のスイッチング状態という。
したがって、図15に示す増幅回路20Fにおいては、スイッチ部121及び123がオン状態のとき上記第1のスイッチング状態となり、スイッチ部122及び123がオン状態のとき上記第2のスイッチング状態となる。また、スイッチ部121及び124がオン状態のとき上記第3のスイッチング状態となり、スイッチ部122及び124がオン状態のとき上記第4のスイッチング状態となる。この場合、スイッチ部121、122及び123は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する検出信号Viy、Vipの入力を制限可能な第1のスイッチ回路部に相当する。また、スイッチ部124は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する上記第3の出力信号(第4の出力信号Viy2、第5の出力信号Vip2)の入力を制限可能な第2のスイッチ部に相当する。
信号処理回路80Fは、スイッチ回路100Fに入力するセレクト信号S0、S1を生成する信号生成部と、非反転増幅器40aから出力される信号を記憶可能な適宜のメモリを有する。そして、非反転増幅器40aから出力される第1の出力信号(Voy1、Vop1)と第2の出力信号(Voy2、Vop2)との差分を演算することで角速度信号を生成する。すなわち、信号処理回路80Fは、(Voy1−Voy2)を演算することでヨー方向の角速度信号を生成し、(Vop1−Vop2)を演算することでピッチ方向の角速度信号を生成する。
以上のように構成される本実施形態の増幅回路20Fにおいて、スイッチ回路100Fは、信号処理回路80Fから供給されるセレクト信号S0、S1に基づいてスイッチ部121〜124を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip及びVip2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び非反転増幅器40aへ入力する。反転増幅器50は、検出信号Viyが入力されたときはその信号Viyをゲイン1で反転増幅することで第4の出力信号Viy2を生成し、検出信号Vipが入力されたときはその信号Vipをゲイン1で反転増幅することで第5の出力信号Vip2を生成する。
非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30によって基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去された入力信号を第1のゲイン(1+(Roa/Ria))で増幅し、その出力信号(Vout)を信号処理回路80Fへ入力する。非反転増幅器40の出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の時系列信号である。図16は、スイッチ部121〜124の開閉状態と出力信号との関係を示している。図17は、セレクト信号S0、S1の信号レベルの時間変化と、非反転増幅器40aの出力信号Voutの時間変化の一例を示している。図示の例では、非反転増幅器40は、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の順で出力信号を生成する。また、ヨー方向の角速度がピッチ方向の角速度よりも大きい例を示しているが、勿論これに限られない。
信号処理回路80Fは、非反転増幅器40aからの出力信号を順次取り込み、Voy1とVoy2との差分信号、及びVop1とVop2との差分信号をそれぞれ演算することで、ヨー方向及びピッチ方向についての角速度信号をそれぞれ生成する。出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。本実施形態の増幅回路20Fは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
また、本実施形態によれば、単一の非反転増幅器40aと単一の反転増幅器50によってヨー方向及びピッチ方向の検出信号の増幅処理が可能であるため、部品数の削減を図ることが可能となる。加えて、図11に示した増幅回路20Dよりもスイッチ回路のスイッチ部の数を減らすことができるという利点がある。さらに、出力信号Voy1、Voy2、Vop1及びVop2を時系列的に信号処理回路80Dへ入力するため、信号処理回路80Dの入力端子やA/D変換器が1つで済むという利点がある。
なお、本実施形態においてもスイッチ回路100Fの上記第1〜第4のスイッチング状態の切替周波数は、400Hz以上とされる。これにより、ヨー方向及びピッチ方向の角速度を高精度に検出することができる。また、上記各スイッチング状態を1msec以下となるように切替周波数を設定することで、手振れ写真の発生を効果的に抑えることが可能となる。
[第6実施形態変形例]
次に、第6実施形態の変形例について説明する。第6実施形態の変形例の説明では、増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器の組み合わせにより構成される場合について説明する。
図25は、増幅回路が反転増幅器と、反転増幅器の組み合わせにより構成される場合の一例を示す図である。
図25に示すように、この変形例に係る増幅回路20Kでは、図15に示した非反転増幅器40aが、反転増幅器140に置換されて構成されている。
反転増幅器140は、オペアンプ145と、第1の負帰還抵抗42と、第2の負帰還抵抗43とを含む反転増幅部141と、オペアンプ146を含むボルテージフォロア142とを有する。
スイッチ回路100Fは、信号処理回路80Fから供給されるセレクト信号S0、S1に基づいてスイッチ部121〜124を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip及びVip2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び反転増幅器140へ入力する。反転増幅器50は、検出信号Viyが入力されたときはその信号Viyをゲイン1で反転増幅することで信号Viy2を生成し、検出信号Vipが入力されたときはその信号Vipをゲイン1で反転増幅することで信号Vip2を生成する。
反転増幅器140のボルテージフォロア142は、ハイパスフィルタ30によってドリフト成分が除去された入力信号を高インピーダンスから低インピーダンスへ変換して反転増幅部141へ出力する。反転増幅部141は、ボルテージフォロア142から出力された信号をゲイン(Roa/Ria)で反転増幅し、その出力信号(Vout)を出力端子を介して信号処理回路80Fへ出力する。反転増幅器140の出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1及びVop2の時系列信号である。
この第6実施形態の変形例においても、上記第6実施形態と、同様の効果を奏する。すなわち、出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。また、増幅回路20Kは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
<第7の実施形態>
図18は、本発明の第7の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図15と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
ハイパスフィルタ30による入力信号の帯域制限を行いながら、非反転増幅器40aによる入力信号の適正な増幅処理を確保するためには、コンデンサ31の入力側電極31aと出力側電極30bとの電位差は常に0Vであることが好ましい。このため、コンデンサ31の出力側電極31bを抵抗32を介して基準電位Vrに接続することで、電極31bの充放電を可能としている。しかしながら、コンデンサ31の容量Cと抵抗32の抵抗値Rとの積で定まる時定数が大きいため、電極31bの充放電に時間を要し、筐体2に作用する角速度の大きさによっては、電極31bの適正な充放電を確保できないことがある。電極31bが適正に充放電されないと、コンデンサ31の両端電極間に電位差が発生し、非反転増幅器40aの出力電圧を飽和させる場合がある。
そこで本実施形態の増幅回路20Gは、図15に示した増幅回路20Fに対して、ハイパスフィルタ30を充放電させるスイッチ機構300をさらに備えた構成を有している。スイッチ機構300は、駆動信号Vswに基づいて、ハイパスフィルタ30の抵抗32をバイパスしてコンデンサ31の出力側電極31bを基準電位Vrへ接続可能である。駆動信号Vswは、例えば信号処理回路80Gにおいて生成され、出力されるが、他の制御回路で生成されてもよい。
スイッチ機構300のオン抵抗値は、ハイパスフィルタ30の有する時定数(C・R)よりも低い値に設定される。例えば、C=22μF、R=470kΩの場合、時定数C・Rは10.3秒であり、これよりも短い時定数が得られるような抵抗値(例えば200Ω)に設定される。これにより、コンデンサ31の急速充放電機能を得ることができるため、検出信号の適正な増幅処理を確保することができる。
また、本実施形態の増幅回路20Gにおいて、スイッチ機構300によるコンデンサ31の充放電時は、スイッチ回路100Gにおけるスイッチ部121〜123をオフとし、かつ、スイッチ部124をオンとする。スイッチ部121〜123をオフとすることにより、コンデンサ31の充放電時に入力信号Viy、Viy2、Vip、Vipがハイパスフィルタ30に入力されることを防止できる。また、スイッチ部124をオンとすることにより、反転増幅器50から基準電位Vrに相当する入力電位をハイパスフィルタ30に入力することができる。これにより、コンデンサ31の入力側電極31a及び出力側電極31bを基準電位に合わせることができるため、電極31aと31bとの間の電位差を0にすることができる。
以上のように、本実施形態の増幅回路20Gは、スイッチ部121〜123によって非反転増幅器40aに対する検出信号の入力を制限している時に、コンデンサ31を急速に充放電させるスイッチ機構を備える。これにより、筐体2に作用する角速度の大きさの影響を受けることなく、ハイパスフィルタ30の適正な動作を確保することができる。当該スイッチ回路300は、図9、図11、図13及び図15に示した増幅回路にも同様に適用することが可能である。
増幅回路は、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成されていてもよい。
図26は、増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器の組み合わせにより構成された場合の一例を示す図である。
図26に示す増幅回路20Lでは、図18に示した非反転増幅器40aが、反転増幅器140に置換されて構成されている。
このような形態においても、図18に示した形態と同様の効果を奏する。
<第8の実施形態>
図19は、本発明の第8の実施形態に係る角速度信号の増幅回路の構成を示す回路図である。図において、図18と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の増幅回路20Hは、ヨー方向、ピッチ方向及びロール方向の角速度検出が可能な回路構成を有している。入力信号Viy、Vip及びVirはそれぞれヨー方向、ピッチ方向及びロール方向の角速度検出信号を示している。検出信号Viy、Vip及びVirは、スイッチ回路100Hを介してハイパスフィルタ30に入力可能に構成されている。非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30を通過した検出信号Viy、Vip及びVirを上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy1、Vop1及びVor1(第1の出力信号)を生成する(第1の増幅回路部)。
また、検出信号Viy、Vip及びVirは、スイッチ回路100Hを介して反転増幅器50の入力端子に入力される。反転増幅器50は、検出信号Viy、Vip及びVirをゲイン1で反転増幅した出力信号Viy2、Vip2及びVir2(第3の出力信号)を生成する。そして、反転増幅器50は、その出力信号Viy2、Vip2及びVir2を非反転増幅器40aへ入力することで当該出力信号を上記第1のゲインで非反転増幅した出力信号Voy2、Vop2及びVor2(第2の出力信号)を生成させる(第2の増幅回路部)。本実施形態では、単一の反転増幅器50によって、検出信号Viyに関する出力信号Viy2(第4の出力信号)と、検出信号Vipに関する出力信号Vip2(第5の出力信号)と、検出信号Virに関する出力信号Vir2(第6の出力信号)を生成する。反転増幅器50に対する検出信号Viy、Vip及びVirの入力は、スイッチ回路100Hによって制御される。
スイッチ回路100Hは、5つのスイッチ部121、122、123、124及び125を有する、スイッチ部121及び123は、非反転増幅器40a及び反転増幅器50に対する検出信号Viyの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部122及び123は、非反転増幅器40a及び反転増幅器50に対する検出信号Vipの入力及びその遮断を切り替える。スイッチ部124は、非反転増幅器40aに対する出力信号Viy2、Vip2の入力及びその遮断を切り替える。そして、スイッチ部125及び123は、非反転増幅器40a及び反転増幅器50に対する検出信号Virの入力及びその遮断を切り替える。
スイッチ部121〜125は、信号処理回路80Hからスイッチ回路100Hへ入力されるセレクト信号S0、S1及びS4によって切り替えられる(バイラテラルスイッチ)。セレクト信号S0、S1及びS4はそれぞれハイレベルとローレベルとを有し、これら信号レベルの組み合わせによって、オン状態とされるスイッチ部が決定される。オン状態とされるスイッチ部は2つであり、このとき他の3つのスイッチ部はオフ状態とされる。
本実施形態では、信号S0、S1及びS4がいずれもローレベルのとき、スイッチ部121及び123がオン状態とされ、信号S1のみがハイレベルのとき、スイッチ部122及び124がオン状態とされる。また、信号S0のみがハイレベルのとき、スイッチ部122及び123がオン状態とされ、信号S4のみがローレベルのとき、スイッチ部122及び124がオン状態とされる。さらに、信号S4のみがハイレベルのとき、スイッチ部123及び125がオン状態とされ、信号S0のみがローレベルのとき、スイッチ部124及び125がオン状態とされる。
スイッチ回路100Hは、第1の出力信号Voy1、Vop1又はVor1が信号処理回路80Hへ入力される第1の状態と、第2の出力信号Voy2、Vop2又はVor2が信号処理回路80Hへ入力される第2の状態とを選択的に切り替える。本実施形態では、上記第1の状態のうち、第1の出力信号Voy1が信号処理回路80Hへ入力される状態を第1のスイッチング状態といい、第1の出力信号Vop1が信号処理回路80Hへ入力される状態を第2のスイッチング状態という。また、第1の出力信号Vor1が信号処理回路80Hへ入力される状態を第5のスイッチング状態という。一方、上記第2の状態のうち、第2の出力信号Voy2が信号処理回路80Fへ入力される状態を第3のスイッチング状態といい、第2の出力信号Vop2が信号処理回路80Fへ入力される状態を第4のスイッチング状態という。また、第2の出力信号Vor2が信号処理回路80Hへ入力される状態を第6のスイッチング状態という。
したがって、図19に示す増幅回路20Hにおいては、スイッチ部121及び123がオン状態のとき上記第1のスイッチング状態となり、スイッチ部122及び123がオン状態のとき上記第2のスイッチング状態となる。また、スイッチ部121及び124がオン状態のとき上記第3のスイッチング状態となり、スイッチ部122及び124がオン状態のとき上記第4のスイッチング状態となる。さらに、スイッチ部123及び125がオン状態のとき上記第5のスイッチング状態となり、スイッチ部124及び125がオン状態のとき上記第6のスイッチング状態となる。この場合、スイッチ部121、122、123及び125は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する検出信号Viy、Vip及びVirの入力を制限可能な第1のスイッチ回路部に相当する。また、スイッチ部124は、第1の増幅回路部(非反転増幅器40a)に対する上記第3の出力信号(第4の出力信号Viy2、第5の出力信号Vip2、第6の出力信号Vir2)の入力を制限可能な第2のスイッチ部に相当する。
信号処理回路80Hは、スイッチ回路100Hに入力するセレクト信号S0、S1及びS4を生成する信号生成部と、非反転増幅器40aから出力される信号を記憶可能な適宜のメモリを有する。そして、非反転増幅器40aから出力される第1の出力信号(Voy1、Vop1、Vor1)と第2の出力信号(Voy2、Vop2、Vor2)との差分を演算することで角速度信号を生成する。すなわち、信号処理回路80Hは、(Voy1−Voy2)を演算することでヨー方向の角速度信号を生成し、(Vop1−Vop2)を演算することでピッチ方向の角速度信号を生成する。また、信号処理回路80Hは(Vor1−Vor2)を演算することでロール方向の角速度信号を生成する。
以上のように構成される本実施形態の増幅回路20Hにおいて、スイッチ回路100Hは、信号処理回路80Hから供給されるセレクト信号S0、S1及びS4に基づいてスイッチ部121〜125を順次切り替えることで、信号Viy、Viy2、Vip、Vip2、Vir及びVir2を時系列の信号に変換し、ハイパスフィルタ30及び非反転増幅器40aへ入力する。反転増幅器50は、検出信号Viyが入力されたときはその信号Viyをゲイン1で反転増幅することで第4の出力信号Viy2を生成し、検出信号Vipが入力されたときはその信号Vipをゲイン1で反転増幅することで第5の出力信号Vip2を生成する。また、反転増幅器50は、検出信号Virが入力されたときはその信号Virをゲイン1で反転増幅することで第6の出力信号Vir2を生成する。
非反転増幅器40aは、ハイパスフィルタ30によって基準電位Vrに対して変化する角速度に応じた電気信号のドリフト成分が除去された入力信号を第1のゲイン(1+(Roa/Ria))で増幅し、その出力信号(Vout)を信号処理回路80Hへ入力する。非反転増幅器40の出力信号Voutは、Voy1、Voy2、Vop1、Vop2、Vor1及びVor2の時系列信号である。図20は、スイッチ部121〜125の開閉状態と出力信号との関係を示している。図21は、セレクト信号S0、S1及びS4の信号レベルの時間変化と、非反転増幅器40aの出力信号Voutの時間変化の一例を示している。図示の例では、非反転増幅器40は、Voy1、Voy2、Vop1、Vop2、Vor1及びVor2の順で出力信号を生成する。また、ヨー方向の角速度がピッチ方向の角速度よりも大きく、ロール方向の角速度がヨー方向の角速度よりも大きい例を示しているが、勿論これに限られない。
信号処理回路80Hは、非反転増幅器40aからの出力信号を順次取り込み、Voy1とVoy2との差分信号、Vop1とVop2との差分信号、及びVor1とVor2の差分信号をそれぞれ演算することで、ヨー方向、ピッチ方向及びロール方向についての角速度信号をそれぞれ生成する。出力信号Voy1とVoy2、Vop1とVop2、Vor1とVor2は、Vrを基準とした差動の関係にあるため、両信号の差分をとることで、上記基本増幅回路の2倍のダイナミックレンジ(2・Vd)が得られることになる。本実施形態の増幅回路20Hは、上記基本増幅回路と同一のゲインを有するため、検出感度を損なうことなく、角速度信号を生成することができる。
また、本実施形態によれば、単一の非反転増幅器40aと単一の反転増幅器50によってヨー方向、ピッチ方向及びロール方向の検出信号の増幅処理が可能であるため、部品数の削減を図ることが可能となる。さらに、出力信号Voy1、Voy2、Vop1及びVop2を時系列的に信号処理回路80Dへ入力するため、信号処理回路80Dの入力端子やA/D変換器が1つで済むという利点がある。
なお、本実施形態において、スイッチ回路100Hの各スイッチ部121〜125による上記第1〜第6のスイッチング状態の切替周波数は、600Hz以上とすることができる。ヨー方向、ピッチ方向及びロール方向の角速度の検出周波数は100Hz(10msec)以下であるため、上記スイッチング状態の切替周波数を600Hz以上(切替時間1.67ms以下)とすることで、100Hz以下での各方向の角速度を高精度に検出することができる。また、一般にカメラのシャッタースピードが遅い(露光時間が長い)ほど手振れ写真が発生しやすくなる。このため、手振れ写真の発生を効果的に抑制するためには、シャッタースピードを早くするのが好ましく、例えば、4msec以下とする。この場合、上記各スイッチング状態を0.67msec以下となるように切替周波数を設定することで、手振れ写真の発生を効果的に抑えることが可能となる。切替時間の下限は特に制限されず、使用されるカメラの最高シャッタースピードに対応できればよい。例えば、最高シャッタースピードが0.125msecの場合、各スイッチング状態の切替時間は、20.8μsecとなる。
増幅回路は、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成されていてもよい。
図27は、増幅回路が、反転増幅器と、反転増幅器との組み合わせにより構成された場合の一例を示す図である。
図27に示す増幅回路20Mでは、図19に示した非反転増幅器40aが、反転増幅器140に置換されて構成されている。
このような形態においても、図19に示した形態と同様の効果を奏する。
<各種変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、手振れ補正用の角速度信号の増幅回路を例に挙げて説明したが、これに限られず、例えば筐体の姿勢の変化を検出してディスプレイの表示画像を制御するゲームコントローラ等の入力装置にも本発明は適用可能である。
また、上述の実施形態の増幅回路において、通常のダイナミックレンジで角速度を検出する第1のモードと、2倍のダイナミックレンジで角速度を検出する第2のモードとを切り替え可能に構成することも可能である。この場合、筐体に大きな角速度が印加された場合に第1のモードから第2のモードに切り替えて角速度を検出するようにしてもよい。
図23〜27の説明では、増幅回路が反転増幅器と反転増幅器の組み合わせで構成される場合について、図6、11、15、18、19に対応させて説明した。しかし、増幅回路が反転増幅器と反転増幅器との組み合わせで構成可能な形態は、これに限られない。例えば、図8、9、13等で説明した形態についても、増幅回路を反転増幅器と反転増幅器との組み合わせで構成することも可能である。
1…電子機器
2…筐体
10p、10y…センサ素子
20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20I、20J、20K、20L、20M…増幅回路
30…ハイパスフィルタ
40a…非反転増幅器
50、140…反転増幅器
80A、80B、80C、80D、80F、80G、80H…信号処理回路
90…制御部
60…撮像部
100C、100D、100F、100H…スイッチ回路
201、202、203、204…ゲイン可変回路
300…スイッチ機構

Claims (20)

  1. 角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    角速度センサ。
  2. 角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    角速度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の角速度センサであって、
    前記センサ素子は、第1の方向に沿う第1の軸まわりの角速度に応じた第1の検出信号を前記検出信号として発生する第1のセンサ素子部と、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿う第2の軸まわりの角速度に応じた第2の検出信号を前記検出信号として発生する第2のセンサ素子部とを有し、
    前記第1の状態は、前記第1の検出信号に関する前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1のスイッチング状態と、前記第2の検出信号に関する前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第2のスイッチング状態とを有し、
    前記第2の状態は、前記第1の検出信号に関する前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第3のスイッチング状態と、前記第2の検出信号に関する前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第4のスイッチング状態とを有する
    角速度センサ。
  4. 請求項に記載の角速度センサであって、
    前記第2の増幅回路部は、前記第1の検出信号を前記第2のゲインで反転増幅することで第4の出力信号を前記第3の出力信号として生成する第1の反転増幅器と、前記第2の検出信号を前記第2のゲインで反転増幅することで第5の出力信号を前記第3の出力信号として生成する第2の反転増幅器とを有し、
    前記第1のスイッチ回路部は、前記第1の増幅回路部に対する前記第1の検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ部と、前記第1の増幅回路部に対する前記第2の検出信号の入力を制限可能な第2のスイッチ部とを有し、
    前記第2のスイッチ回路部は、前記第1の増幅回路部に対する前記第4の出力信号の入力を制限可能な第3のスイッチ部と、前記第1の増幅回路部に対する前記第5の出力信号の入力を制限可能な第4のスイッチ部とを有する
    角速度センサ。
  5. 請求項に記載の角速度センサであって、
    前記第2の増幅回路部は、前記第1の検出信号が入力されたときは前記第1の検出信号を前記第2のゲインで反転増幅することで前記第3の出力信号を生成し、前記第2の検出信号が入力されたときは前記第2の検出信号を前記第2のゲインで反転増幅することで前記第3の出力信号を生成し、
    前記第1のスイッチ回路部は、前記第1の増幅回路部に対する前記第1の検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ部と、前記第1の増幅回路部に対する前記第2の検出信号の入力を制限可能な第2のスイッチ部と、前記第2の増幅回路部に対する前記第1の検出信号の入力を制限可能な第5のスイッチ部と、前記第2の増幅回路部に対する前記第2の検出信号の入力を制限可能な第6のスイッチ部とを有する
    角速度センサ。
  6. 請求項に記載の角速度センサであって、
    前記第1、第2、第3及び第4のスイッチング状態は、前記スイッチ回路により所定の順番で順次切り替えられ、
    前記各スイッチング状態の切替周波数は、400Hz以上である
    角速度センサ。
  7. 請求項1又は2に記載の角速度センサであって、
    前記第1の増幅回路部と前記第2の増幅回路部との間に配置され、前記検出信号から前記検出信号に含まれるドリフト成分を除去するハイパスフィルタをさらに具備する
    角速度センサ。
  8. 請求項に記載の角速度センサであって、
    前記ハイパスフィルタは、
    前記第1の増幅回路部の入力側に接続される第1の電極と、前記第2の増幅回路部の出力側に接続される第2の電極とを有するコンデンサと、
    前記第1の電極と基準電位との間に接続された抵抗とを含み、
    前記角速度センサは、前記第1のスイッチ回路部が前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限している時に、前記抵抗をバイパスして前記第1の電極と前記基準電位との間を接続可能なスイッチ機構をさらに具備する
    角速度センサ。
  9. 請求項1又は2に記載の角速度センサであって、
    前記第1のゲインを可変に設定可能なゲイン可変回路をさらに具備する
    角速度センサ。
  10. 角速度に応じた検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路部と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路部から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路部から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路とを具備し、
    前記増幅回路部は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    角速度信号の増幅回路。
  11. 角速度に応じた検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路部と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路部から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路部から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路とを具備し、
    前記増幅回路部は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    角速度信号の増幅回路。
  12. 筐体と、
    前記筐体に作用する角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路と、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成する信号処理回路とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    電子機器。
  13. 筐体と、
    前記筐体に作用する角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路と、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成する信号処理回路とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    電子機器。
  14. 請求項12又は13に記載の電子機器であって、
    前記筐体に収容され、被写体像を撮像する撮像ユニットと、
    前記信号処理回路で生成された角速度信号に基づいて、前記被写体像の手振れを補正する補正機構とをさらに具備する
    電子機器。
  15. 被写体像を撮像する撮像ユニットと、
    角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路と、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成する信号処理回路と、
    前記信号処理回路で生成された角速度信号に基づいて、前記被写体像の手振れを補正する補正機構とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    手振れ補正装置。
  16. 被写体像を撮像する撮像ユニットと、
    角速度に応じた検出信号を発生するセンサ素子と、
    前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力する増幅回路と、
    前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替えるスイッチ回路と、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成する信号処理回路と、
    前記信号処理回路で生成された角速度信号に基づいて、前記被写体像の手振れを補正する補正機構とを具備し、
    前記増幅回路は、
    前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力する第1の増幅回路部と、
    前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させる第2の増幅回路部とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を制限可能な第1のスイッチ回路部と、
    前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を制限可能な第2のスイッチ回路部とを有する
    手振れ補正装置。
  17. センサ素子が、角速度に応じた検出信号を発生させ、
    増幅回路が、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力し、
    スイッチ回路が、前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替え、
    前記増幅回路の第1の増幅回路部が、前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力し、
    前記増幅回路の第2の増幅回路部が、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させ、
    前記スイッチ回路の第1のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を選択的に制限し、
    前記スイッチ回路の第2のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を選択的に制限する
    角速度信号の増幅方法。
  18. センサ素子が、角速度に応じた検出信号を発生させ、
    増幅回路が、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号の差分の演算により角速度信号を得るために、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力し、
    スイッチ回路が、前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替え、
    前記増幅回路の第1の増幅回路部が、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力し、
    前記増幅回路の第2の増幅回路部が、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させ、
    前記スイッチ回路の第1のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を選択的に制限し、
    前記スイッチ回路の第2のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を選択的に制限する
    角速度信号の増幅方法。
  19. センサ素子が、角速度に応じた検出信号を発生させ、
    増幅回路が、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力し、
    スイッチ回路が、前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替え、
    信号処理回路が、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成し、
    補正機構が、前記生成された角速度信号に基づいて、被写体像の手振れを補正し、
    前記増幅回路の第1の増幅回路部が、前記検出信号を前記第1のゲインで非反転増幅することで前記第1の出力信号を生成し、前記第1の出力信号を出力し、
    前記増幅回路の第2の増幅回路部が、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第2の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させ、
    前記スイッチ回路の第1のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を選択的に制限し、
    前記スイッチ回路の第2のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を選択的に制限する
    手振れ補正方法。
  20. センサ素子が、角速度に応じた検出信号を発生させ、
    増幅回路が、前記検出信号を第1のゲインで非反転増幅した第1の出力信号と、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅した第2の出力信号とを生成し、前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号を出力し、
    スイッチ回路が、前記第1の出力信号が前記増幅回路から出力される第1の状態と、前記第2の出力信号が前記増幅回路から出力される第2の状態とを選択的に切り替え、
    信号処理回路が、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差分を演算することで角速度信号を生成し、
    補正機構が、前記生成された角速度信号に基づいて、被写体像の手振れを補正し、
    前記増幅回路の第1の増幅回路部が、前記検出信号を前記第1のゲインで反転増幅することで前記第2の出力信号を生成し、前記第2の出力信号を出力し、
    前記増幅回路の第2の増幅回路部が、前記検出信号をゲイン1である第2のゲインで反転増幅することで第3の出力信号を生成し、前記第3の出力信号を前記第1の増幅回路部へ入力することで前記第1の出力信号を前記第1の増幅回路部から出力させ、
    前記スイッチ回路の第1のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記検出信号の入力を選択的に制限し、
    前記スイッチ回路の第2のスイッチ回路部が、前記第1の増幅回路部に対する前記第3の出力信号の入力を選択的に制限する
    手振れ補正方法。
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