JP5955273B2 - ブレ補正装置及び観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学像のブレを補正するブレ補正装置と、ブレ補正装置を備える観察装置とに関するものである。
遠方の被観察物の像を拡大して観察するために用いられる観察装置として、単眼鏡や双眼鏡などが知られている。観察装置による観察では、手ブレなどによって観察装置が振動し、像にブレが生じて観察がしにくくなることがある。そのため、像のブレを補正する機能を備える観察装置も各種発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の観察装置は、筐体に固定された対物レンズ及び接眼レンズと、この対物レンズ及び接眼レンズにより結ばれる像のブレを補正するブレ補正装置とを備える。ブレ補正装置は、対物レンズと接眼レンズとの間に変位自在に配置された補正光学素子と、補正光学素子を変位するアクチュエータと、筐体と補正光学素子との間の相対変位を測定する変位センサとを備える。ブレ補正装置の制御部は、変位センサから出力される変位信号に基づいてアクチュエータを駆動し、補正光学素子を変位させ、対物レンズ及び接眼レンズにより結ばれる像のブレを補正する。変位センサには、筐体に対する補正光学素子の回転位置を測定するために、例えば角速度センサが用いられている。
特許第3417447号公報
観察装置には、手ブレなどの1種類の振動だけでなく、複数種類の振動が同時に加えられる場合がある。例えば、船の上などの乗物上で観察装置を把持して被観察物を観察する際には、観察装置には手ブレによる高周波振動と、船の揺れによる低周波振動とが同時に加わる。しかしながら、変位センサとして角速度センサを使用する従来のブレ補正装置では、周波数帯域が異なる複数種類の振動が同時に加えられた場合に、低周波領域の振動に起因する像のブレを適切に補正することができなかった。
角速度センサは、周波数帯域が異なる複数種類の振動を測定した場合に、その複数種類の振動の測定結果が混合された角速度信号を出力する。また、図16に示すように、角速度センサは、測定した振動の周波数に比例して角速度信号の出力値が変化するという出力特性を有する。そのため、例えば、手ブレによる10Hzの高周波振動と、船の揺れによる1Hzの低周波振動とを角速度センサで測定した場合には、その角速度信号は、図17に示すように、10Hzの高周波振動と1Hzの低周波振動とが混合されたものとなり、1Hzの振動の振幅から求められる出力値は、10Hzの振動の10分1となる。この角速度信号に基づいてブレ補正装置のアクチュエータを駆動した場合、1Hzの振動に対応する補正光学素子の変位量は僅かなものとなるため、船の揺れに基づく像のブレは適切に補正できない。なお、船の揺れによる像のブレは緩やかであるため、被観察物を観察する上で大きな問題とはならないが、長時間観察するような場合には、像のブレにより乗り物酔いのような不快感が生じることがある。
本発明は、周波数帯域が異なる複数種類の振動が同時に加えられた場合に、像のブレを適切に補正することができるブレ補正装置及び観察装置を提供することを目的とする。
本発明のブレ補正装置は、筐体に固定された対物レンズと接眼レンズとの間に変位自在に設けられた補正光学素子と、補正光学素子を変位させるアクチュエータと、筐体と補正光学素子との相対変位を検出して変位信号を出力する変位センサと、変位信号をその周波数帯域に応じて複数の変位信号に分離し、分離された各々の変位信号を個別の増幅率で増幅して周波数帯域ごとに複数の補正信号を出力する補正信号出力部と、複数の補正信号を合成した合成補正信号に基づいてアクチュエータを駆動し、筐体と補正光学素子との相対的な変位に伴う像のブレを補正する制御部とを備えている。
補正信号出力部は、変位センサである角速度センサの信号出力特性に基づいて複数の変位信号をそれぞれ増幅することが好ましい。
制御部は、複数の補正信号の各々に係数を乗算してから加算して、合成補正信号を作成することが好ましい。また、係数は、選択された補正モードに応じて変更されることが好ましい。
補正信号出力部は、変位信号をその周波数帯域に応じて少なくとも第1及び第2の変位信号に分離するフィルタと、第1及び第2の変位信号を個別の増幅率で増幅し、少なくとも第1及び第2の補正信号を出力する増幅部とを有することが好ましい。
補正信号出力部は、第1及び第2の補正信号を加算した第3の補正信号を出力する信号加算部を有し、制御部は、第1、第2及び第3の補正信号を合成した合成補正信号に基づきアクチュエータを駆動することが好ましい。また、補正光学素子として、正立プリズムを用いることが好ましい。
本発明の観察装置は、上述したブレ補正装置を備えることが好ましい。
本発明によれば、筐体と補正光学素子との相対変位を変位センサで測定し、変位センサから出力された変位信号を、補正信号出力部でその周波数帯域に応じて複数の変位信号に分離し、分離された各々の変位信号を個別の増幅率で増幅して周波数帯域ごとの複数の補正信号を出力し、複数の補正信号を合成した合成補正信号に基づいてアクチュエータを駆動して、筐体と補正光学素子との相対的な変位に伴う像のブレを補正するので、手振れと船の揺れなど、周波数帯域が異なる複数種類の振動が同時に加えられた場合でも、像のブレを適切に補正することができる。
双眼鏡の外観形状を示す斜視図である。 双眼鏡の水平方向断面図である。 双眼鏡の左眼用光軸に沿った垂直方向断面図である。 ブレ補正装置の構成を示す斜視図である。 ロック機構の構成を示す斜視図である。 ロック機構のロック状態を示す斜視図である。 双眼鏡の電気的構成を示すブロック図である。 補正信号出力部及び制御部の構成を示すブロック図である。 第1及び第2の補正信号の周波数帯域を示すグラフである。 補正信号出力部による角速度信号の分離及び増幅を示す説明図である。 ブレ補正モードと係数の対応を示すテーブルの説明図である。 ブレ補正の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の補正信号出力部及びCPUの機能を示すブロック図である。 第3の補正信号の周波数帯域を示すグラフである。 第2実施形態のブレ補正モードと係数の対応を示すテーブルの説明図である。 角速度センサの信号出力特性を示すグラフである。 1Hz及び10Hzの振動を測定した角速度センサの角速度信号を示すグラフである。
[第1実施形態]
図1において、本発明の観察装置の一例である双眼鏡10は、略直方体形状の筐体11と、筐体11の前面及び背面に設けられた1対の対物レンズ部12R、12Lと、一対の接眼レンズ部13R、13Lとを備える。対物レンズ部12R、12L及び接眼レンズ部13R、13Lは、双眼鏡10の前後方向(Y方向)に沿って設定された右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLに沿ってそれぞれ配置されており、被観察物の像を拡大する観察光学系を構成する。双眼鏡10は、筐体11を把持して対物レンズ部12R、12Lを被観察物に向け、接眼レンズ部13R、13Lを覗くことにより、被観察物の拡大された像を観察することができる。
筐体11は、手ブレなどの振動によって生じる像のブレを補正するブレ補正装置30(図4参照)を内蔵している。筐体11の背面側から見た左側上面には、ブレ補正装置30を動作または停止させる押しボタン式の電源スイッチ16が設けられている。電源スイッチ16は、その操作に応じてオン信号及びオフ信号を出力する。筐体11の背面左側には、ブレ補正装置30の補正光学素子31R、31L(図4参照)を筐体11に対してロックまたは解除する際に回動操作される操作部材17が設けられている。なお、図1は、操作部材17が補正光学素子31R、31Lをロックするロック位置にある状態を表しており、このロック位置から時計方向に回動された位置がロックを解除する解除位置となる。
筐体11の背面側の上面には、ブレ補正装置30の動作モードを切り換えるスライド式のモードスイッチ18が設けられている。モードスイッチ18で切り換え可能な動作モードは、例えば「モードA:陸上手持ちモード」、「モードB:船上手持ちモード」及び「モードC:船上固定モード」の3種類である。モードAは、陸上で双眼鏡10を把持して観察を行う際に使用され、主に手ブレによる像のブレが補正される。モードBは、船の上で双眼鏡10を把持して観察を行う際に使用され、手ブレと船の揺れによる像のブレが補正される。モードCは、船の上で双眼鏡10を三脚などに固定して観察を行う際に使用され、主に船の揺れによる像のブレが補正される。
双眼鏡10の水平方向断面、及び左眼用光軸BLに沿った垂直方向断面を表す図2及び図3に示すように、接眼レンズ部13R、13Lは、それぞれ、接眼レンズ20と、この接眼レンズ20を保持する接眼筒21と、この接眼筒21に連結されたプリズムホルダ22とを含んでいる。プリズムホルダ22は、入射光を屈曲して光軸を平行移動させるための屈曲用プリズム23を保持すると共に、回転軸部22aを有する。回転軸部22aは、筐体11に設けられた開口に光軸BR,BLを軸として回転可能に嵌め込まれている。プリズムホルダ22の回転軸部22aを利用して、接眼筒21を矢印RTに沿って回転させることにより、使用者の眼幅に応じて1対の接眼レンズ20の相互間隔を調整することができる。
対物レンズ部12R、12Lは、それぞれ、対物レンズ26と、この対物レンズ26を保持する対物筒27とを含んでいる。なお、図2、3では、接眼レンズ20及び対物レンズ26の一部のみを示しているが、実際には接眼レンズ20及び対物レンズ26はいずれも複数のレンズ群により構成することが可能である。
図4に示すように、ブレ補正装置30は、対物レンズ部12R、12Lと接眼レンズ部13R、13Lの間に配置されている。ブレ補正装置30は、筐体11に固定された対物レンズ26と接眼レンズ20との間に変位自在に設けられた補正光学素子31R、31Lを備える。補正光学素子31R、31Lは、右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLに沿って配置されている。補正光学素子31R、31Lは、例えばダハプリズムタイプの正立プリズムであり、対物レンズ26及び接眼レンズ20により結ばれる倒立像を正立像に戻す。なお、補正光学素子31R、31Lとしては、ポロプリズムタイプの正立プリズムを用いてもよいし、正立プリズムに代えて正立レンズを用いてもよい。
補正光学素子31R、31Lは、内保持枠32と、内保持枠32を保持する外保持枠33とで支持されて変位自在となっている。内保持枠32は、長方体形状をしており、その長手方向が右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLに直交する水平方向(X方向)に沿って配置されている。内保持枠32は、X方向及びY方向に直交するZ方向に沿って外保持枠33に設けられた回動軸46により、Z軸(第1の軸)周りの矢印RAの方向(アジマス方向)に回動可能になっている。
内保持枠32には、右眼用光軸BR及び左眼用光軸BL上にそれぞれ配された素子収容部32R、32Lが設けられている。素子収容部32R、32Lには、補正光学素子31R、31Lがそれぞれ収容されている。内保持枠32の前面(対物レンズ26に対する面)及び背面(接眼レンズ20に対する面)には、素子収容部32R、32Lに収容した補正光学素子31R、31Lを右眼用光軸BR及び左眼用光軸BL上で露呈させる開口32Ra、32Laがそれぞれ設けられている。
外保持枠33は、内保持枠32と同様に長方体形状をしており、その長手方向がX方向に沿って配置されている。外保持枠33は、上面部及び下面部と、右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLに平行な側面部のみを有する枠形状をしており、その内部に内保持枠32を回動自在に収容している。外保持枠33は、X方向に沿って設けられた回動軸43によって、X軸(第2の軸)周りの矢印REの方向(エレベーション方向)に回動自在となっている。回動軸43は、筐体11に設けられた一対の軸受部45R、45Lにより支持されている。これにより、補正光学素子31R、31Lは、右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLに直交する面内で、互いに直交する2つの軸X軸及びZ軸周りに回動自在に支持される。
ブレ補正装置30は、筐体11と補正光学素子31R、31Lとの間の相対的な回転に伴って変化する角度位置と角速度とを、2つの軸(Z軸及びX軸)ごとに測定するZ軸用角度位置センサ35、Z軸用角速度センサ37、X軸用角度位置センサ34、及びX軸用角速度センサ36を備えている。Z軸用角度位置センサ35は、外保持枠33に取り付けられて回動軸46の一端に接続されており、Z軸周りの内保持枠32の角度位置を測定する。Z軸用角速度センサ37は、内保持枠32の前面に設けられており、Z軸周りの内保持枠32の角速度を検出する。X軸用角度位置センサ34は、軸受部45Rに取り付けられて回動軸43の一端に接続されており、X軸周りの外保持枠33の角度位置を測定する。X軸用角速度センサ36は、外保持枠33の内壁上面に設けられており、X軸周りの外保持枠33の角速度を検出する。なお、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37は、本発明の変位センサに相当する。
X軸用角度位置センサ34及びZ軸用角度位置センサ35には、例えばロータリポジションセンサや、レゾルバ、シンクロ、ロータリーエンコーダなどが用いられる。また、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37には、円柱状の柱状振動子と複数個の圧電セラミックを有し、コリオリの力を利用した圧電振動ジャイロセンサが用いられる。なお、円柱状振動子を用いた圧電振動ジャイロセンサに代えて、三角柱振動子や四角柱振動子、音叉状振動子を用いた圧電振動ジャイロセンサを使用してもよい。
ブレ補正装置30は、補正光学素子31R、31Lを2つの軸(Z軸及びX軸)の回りに回動させるZ軸用アクチュエータ39及びX軸用アクチュエータ38を備えている。Z軸用アクチュエータ39は、例えばモータであり、外保持枠33に取り付けられて回動軸46の一端に接続されている。また、X軸用アクチュエータ38もZ軸用アクチュエータ39と同様にモータであり、軸受部45Lに取り付けられて回動軸43の一端に接続されている。Z軸用アクチュエータ39及びX軸用アクチュエータ38は、それぞれ回動軸46、43を介して内保持枠32及び外保持枠33を回動させることにより、補正光学素子31R、31LをZ軸及びX軸の回りに回動させる。
図5に示すように、ブレ補正装置30は、筐体11内の接眼レンズ部13R、13Lと補正光学素子31R、31Lとの間にロック機構49を備える。ロック機構49は、操作部材17の移動に機械的に連携動作して、補正光学素子31R、31Lを、対物レンズ部12R、12Lと接眼レンズ部13R、13Lとの間に設定された基準位置にロックし、あるいはロック解除する。補正光学素子31R、31Lの基準位置とは、補正光学素子31R、31Lとして用いる正立プリズムの光軸が、対物レンズ部12R、12L及び接眼レンズ部13R、13Lの右眼用光軸BR及び左眼用光軸BLと平行な状態となる位置をいう。ロック機構49は、把持機構50、スライドラック53、停止保持部材54、及びギヤ55を備える。
把持機構50は、内保持枠32の背面に設けられた固定ピン58の把持及び把持解除をすることにより、補正光学素子31R、31Lのロック及びロック解除を行う。把持機構50は、筐体11に固定されている基板部51と、基板部51の背面側(接眼レンズ側)に配置された回動リング52と、基板部51と回動リング52との間に組み込まれた3枚の爪部材56(図6参照)とを有している。基板部51及び回動リング52には、固定ピン58が挿入される円形の開口51a、52aがそれぞれ設けられている。回動リング52は、基板部51に対し開口52aの周りで回動自在に設けられている。3枚の爪部材56は、基板部51及び回動リング52に設けられた回動軸で支持されており(図示せず)、回動リング52が回動することにより基板部51の回動軸に対して回動し、開口51a、52a内に突出あるいは退避する。
爪部材56が開口51a、52aから退避する退避位置では、固定ピン58は開口51a、52a内で移動自在となるため、補正光学素子31R、31Lのロックが解除される。また、図6に示すように、爪部材56が開口51a、52a内に突出する把持位置では、固定ピン58が爪部材56に把持されるため、補正光学素子31R、31Lが基準位置でロックされる。
スライドラック53は、操作部材17に対して行われる回動操作に応じて移動することにより、把持機構50を駆動する。スライドラック53は、筐体11によりX方向にスライド可能に支持されている。スライドラック53の一端側の上面には、X方向に延びるラックギヤ53bが設けられている。このラックギヤ53bには、操作部材17の同軸上に設けられたギヤ55が噛合している。ギヤ55は、操作部材17の回動操作によって同方向に回動し、これに伴いラックギヤ53bが移動することにより、スライドラック53はX方向にスライドされる。
スライドラック53の他端側の上面には、Z方向に延びる一対の突起部53aが設けられている。一対の突起部53aの間には、回動リング52の背面にY方向に沿って立設されたリンクピン52bが挿入される。したがって、スライドラック53がスライドすると、これに連動して回動リング52が回動する。回動リング52が回動すると、3枚の爪部材56が把持位置と退避位置との間で移動し、固定ピン58を把持または開放するので、補正光学素子31R、31Lが基準位置にロックまたは解除される。
スライドラック53の一対の突起部53aとラックギヤ53bとの間には、Z方向に突出された突起部53cが設けられている。突起部53cのX方向の側方には、マイクロスイッチからなる状態センサ64が配置されている。状態センサ64は、ブレ補正装置30の起動開始タイミングを検出するために用いられる。状態センサ64は、スライドラック53がスライドして突起部53cに押圧または解除されることにより、補正光学素子31R、31Lのロック及び解除を検出し、ロック信号または解除信号を出力する。なお、状態センサ64としては、マイクロスイッチなどの接触型検出スイッチの他、光や磁気を用いた非接触型センサを用いてもよい。
操作部材17がロック位置と解除位置の途中で停止されると、スライドラック53は、補正光学素子31R、31Lのロックを解除し、かつ状態センサ64によって検出されない位置で停止される可能性があり、このような状態になると、筐体11内で補正光学素子31R、31Lの回動が自由になって破損する恐れがある。そのため、本実施形態では、スライドラック53を停止保持部材54によってスライド方向の両端部に向けて付勢し、スライドラック53が上述した途中位置で停止されないようにしている。停止保持部材54は、例えば、金属細線を屈曲させたトグルバネであり、スライドラック53がスライド途中で停止された場合に、スライド方向の端部に向けて付勢して強制的にスライドさせる。
ブレ補正装置30は、補正光学素子31R、31Lの下方に、ブレ補正装置30を制御するための制御基板40を備える。制御基板40には、図7に示す制御回路65が設けられている。制御回路65は、制御部66、電源制御部69、増幅器70及び71、補正信号出力部72及び73、ドライバ74及び75を備える。制御部66は、CPU67と、制御プログラムや各種データを記憶するROM68とを備えており、CPU67は制御プログラムに基づいてブレ補正装置30を統括的に制御する。CPU67には、電源スイッチ16、モードスイッチ18、状態センサ64の信号が入力される。
電源制御部69は、ブレ補正装置30の電源制御を行う。電源制御部69は、電源スイッチ16のオン信号または状態センサ64の解除信号に応じて、電源76から、制御部66、X軸用角度位置センサ34及びZ軸用角度位置センサ35、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37、X軸用アクチュエータ38及びZ軸用アクチュエータ39に動作電力を供給し、ブレ補正装置30を動作させる。
補正光学素子31R、31Lのロックが解除されている状態でブレ補正装置30がオフ状態になると、補正光学素子31R、31Lの筐体11内での回動が自由になって破損する恐れがある。そのため、電源制御部69は、ラッチリレー(図示せず)のラッチ動作により、電源制御部69によるブレ補正装置30への動作電力の供給が開始された場合には、電源スイッチ16のオフ信号と状態センサ64のロック信号とがともに入力されるAND状態になるまで、電源制御部69によるブレ補正装置30への動作電力の供給を維持する。これにより、電源スイッチ16からオン信号が入力されている状態で状態センサ64からロック信号が入力されても、あるいは状態センサ64から解除信号が入力されている状態で電源スイッチ16からオン信号が入力されても、電源制御部69によるブレ補正装置30への動作電力の供給は停止されない。したがって、補正光学素子31R、31Lのロックが解除されている状態でブレ補正装置30がオフ状態となることはない。
増幅器70及び71は、X軸用角度位置センサ34及びZ軸用角度位置センサ35の角度位置信号を増幅してCPU67に入力する。補正信号出力部72及び73は、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37の角速度信号をその周波数帯域ごとに分離して増幅した補正信号をCPU67に入力する。ドライバ74及び75は、CPU67により制御され、X軸用アクチュエータ38及びZ軸用アクチュエータ39を駆動する。
図8に示すように、X軸用角速度センサ36に接続された補正信号出力部72は、角速度信号から第1の周波数帯域の補正信号を作成する第1補正信号作成部78と、第2の周波数帯域の補正信号を作成する第2補正信号作成部79とを備える。図9に示すように、第1の周波数帯域は、超低周波(0.2Hz)〜低周波(2Hz)の帯域であり、第2の周波数帯域は、低周波(2Hz)〜高周波(20Hz)の帯域である。
第1補正信号作成部78の第1HPF(High-pass filter)80は、超低周波(例えば0.2Hz)を遮断周波数としたフィルタであり、0.2Hz以下の角速度信号を遮断する。第1LPF(Low-pass filter)81は、低周波(例えば2Hz)を遮断周波数としたフィルタであり、2Hz以上の角速度信号を遮断する。これにより、第1補正信号作成部78は、超低周波から低周波までの第1の周波数帯域を角速度信号から分離する。第1増幅器82は、第1の周波数帯域の角速度信号を、X軸用角速度センサ36の信号出力特性に基づいて増幅する。この増幅された第1の周波数帯域の角速度信号は、本発明の第1の補正信号に相当する。第1積分器83は、増幅された第1の周波数帯域の角速度信号を積分して、第1の周波数帯域の振動により補正光学素子31R、31LのX軸周りに生じた変位量を表す第1の補正信号を作成する。
第2補正信号作成部79の第2HPF86は、低周波(例えば2Hz)を遮断周波数としたフィルタであり、2Hz以上の角速度信号を通過させる。第2LPF87は、高周波(例えば20Hz)を遮断周波数としたフィルタであり、20Hz以下の角速度信号を通過させる。これにより、第2補正信号出力部79は、低周波から高周波までの第2の周波数帯域を角速度信号から分離する。第2増幅器88は、第2の周波数帯域の角速度信号を、X軸用角速度センサ36の信号出力特性に基づいて増幅する。この増幅された第2の周波数帯域の角速度信号は、本発明の第2の補正信号に相当する。第2積分器89は、増幅された第2の周波数帯域の角速度信号を積分して、第2の周波数帯域の振動により補正光学素子31R、31LのX軸周りに生じた変位量を表す第2の補正信号を作成する。なお、第1、第2積分器83、89は、第1、第2補正信号作成部78、79ではなく、後述するCPU67に設けてもよい。
図10に示す角速度信号は、例えば、手振れによる10Hzの振動と、船の揺れによる1Hzの振動とを検出したものであるが、この角速度信号を上記第1補正信号作成部78及び第2補正信号作成部79で分離すると、1Hz(第1の周波数帯域)の角速度信号と、10Hz(第2の周波数帯域)の角速度信号とに分離される。図16に示すように、角速度センサは、振動の周波数に応じて角速度信号の出力値が変化するため、1Hzの角速度信号の信号値は、10Hzの角速度信号の10分の1となる。上記第1増幅器82は、角速度センサの信号出力特性に基づき、1Hzの角速度信号の信号値が、第2増幅器88で増幅された10Hzの角速度信号の信号値と同レベルになるように1Hzの角速度信号を増幅する。
制御部66は、CPU67がROM68に記憶されている制御プログラムに基づいて動作することにより、A/D変換器92〜94、係数設定部95、第1係数乗算部96、第2係数乗算部97、加算演算部98、駆動演算部99として機能する。A/D変換器92〜94は、第1及び第2の補正信号と、X軸用角度位置センサ34の角度位置信号とをデジタル信号に変換する。第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97は、係数設定部95で設定された係数を第1及び第2の補正信号にそれぞれ乗算して重み付けする。
加算演算部98は、係数が乗算された第1の補正信号及び第2の補正信号を加算して、合成補正信号を出力する。駆動演算部99は、合成補正信号と、X軸用角度位置センサ34の角度位置信号とに基づいて、観察光学系の像に発生しているX軸周りのブレを補正するために、X軸用アクチュエータ38の駆動信号を作成する。ドライバ74は、駆動演算部99で作成された駆動信号に基づいてX軸用アクチュエータ38を駆動する。
係数設定部95は、モードスイッチ18の設定に応じて、例えば図11に示すテーブル102を参照し、第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97の係数を設定する。テーブルは、例えばROM68に記憶されている。これにより、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とのどちらの振動による像のブレを重点的に補正するかを設定することができる。
モードスイッチ18が、「モードA:陸上手持ちモード」に設定されている場合、X軸用角速度センサ36で測定される振動のほとんどは手振れによるものとなるため、係数設定部95は第1係数乗算部96に係数「0.2」を設定し、第2係数乗算部97に係数「0.8」を設定する。また、モードスイッチ18が、「モードB:船上手持ちモード」に設定されている場合には、X軸用角速度センサ36で手振れによる振動と船の揺れによる振動とが計測されるため、係数設定部95は第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97に、ともに係数「0.5」を設定する。さらに、「モードC:船上固定モード」が設定されている場合には、X軸用角速度センサ36で測定される振動のほとんどは船の揺れによるものとなるため、係数設定部95は第1係数乗算部96に係数「0.8」を設定し、第2係数乗算部97に係数「0.2」を設定する。
なお、Z軸用角速度センサ37の補正信号出力部73は、X軸用角速度センサ36の補正信号出力部72と同一の構成を有し、Z軸用角速度センサ37の角速度信号を処理する制御部66の各構成は、X軸用角速度センサ36の角速度信号を処理する場合と同一の構成を有するため、図を用いた詳しい説明は省略する。
次に、上記実施形態の作用を図12のフローチャートにしたがって説明する。不使用時の双眼鏡10は、操作部材17がロック位置にあるため、補正光学素子31R、31Lは、ロック機構49によって基準位置にロックされている(S10でYES)。また、電源スイッチ16は投入操作されていないため、ブレ補正装置30は動作していない(S11でNO)。
操作部材17を解除位置に回動操作すると、ギヤ55が同方向に回動し、ギヤ55にラックギヤ53bが噛合しているスライドラック53はスライドを開始する。スライドラック53は、スライド途中から停止保持部材54に付勢されてスライド方向の端部まで移動するので、スライド途中で停止されることはない。スライドラック53のスライドによって把持機構50の回動リング52が回動し、3枚の爪部材56が開口51a、52aから退避する退避位置に移動する。これにより、ロック機構49による補正光学素子31R、31Lのロックが解除される(S10でNO)。
電源制御部69は、ロック機構49が解除されて状態センサ64から解除信号が入力された場合(S10でNO)、あるいは電源スイッチ16が投入操作されてオン信号が入力された場合(S11でYES)に、電源76からブレ補正装置30の各部に動作電力を供給する(S12)。
X軸用角度位置センサ34及びZ軸用角度位置センサ35と、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37は、内保持枠32及び外保持枠33の姿勢の変位の測定を開始する(S13)。X軸用角速度センサ36の角速度信号を処理する第1補正信号作成部78は、第1HPF80で0.2Hz以下の角速度信号を遮断し、第1LPF81で2Hz以上の角速度信号を遮断して、超低周波から低周波までの第1の周波数帯域を角速度信号から分離する(S14)。第1増幅器82は、第1の周波数帯域の角速度信号の信号値が、第2増幅器88で増幅された第2の周波数帯域の角速度信号の信号値と同レベルになるように、X軸用角速度センサ36の信号出力特性に基づいて増幅する(S15)。第1積分器83は、第1の周波数帯域の角速度信号を積分して、第1の周波数帯域の振動により補正光学素子31R、31LのX軸周りに生じた変位量を表す第1の補正信号を作成する。
第2補正信号作成部79は、第1補正信号作成部78と並行して、第2HPF86で2Hz以下の角速度信号を遮断し、第2LPF87で20Hz以上の角速度信号を遮断して、低周波から高周波までの第2の周波数帯域を角速度信号から分離する(S14)。第2増幅器88は、第2の周波数帯域の角速度信号を、X軸用角速度センサ36の信号出力特性に基づいて増幅する(S15)。第2積分器89は、第2の周波数帯域の角速度信号を積分して、第2の周波数帯域の振動により補正光学素子31R、31LのX軸周りに生じた変位量を表す第2の補正信号を作成する。
A/D変換器92〜94は、第1及び第2の補正信号と、X軸用角度位置センサ34の増幅された角度位置信号をデジタル信号に変換する。係数設定部95は、モードスイッチ18の設定に応じてテーブル102を参照し、第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97の係数を設定する。モードスイッチ18が、「モードB:船上手持ちモード」に設定されている場合には、係数設定部95は、第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97にともに係数「0.5」を設定する。第1係数乗算部96及び第2係数乗算部97は、係数設定部95で設定された係数を第1及び第2の補正信号にそれぞれ乗算して重み付けする(S16)。
加算演算部98は、係数が乗算された第1及び第2の補正信号を加算して合成補正信号を作成する(S17)。駆動演算部99は、合成補正信号と、X軸用角度位置センサ34の角度位置信号とに基づいて、観察光学系の像に発生しているX軸周りのブレを補正するために、X軸用アクチュエータ38の駆動信号を作成する。ドライバ74は、駆動演算部99で作成された駆動信号に基づいてX軸用アクチュエータ38を駆動する(S18)。X軸用アクチュエータ38は、補正光学素子31R、31Lを振動による変位と逆方向に戻し、補正光学素子31R、31Lを地球に対して固定するように制御するため、観察光学系の像に生じたX軸周りのブレが補正される。
ブレ補正装置では、X軸周りの像のブレ補正と同時に、Z軸周りのブレ補正も行われている。補正信号出力部73の第1及び第2補正信号作成部は、Z軸用角速度センサ37の角速度信号を第1及び第2の周波数帯域に分離し(S14)、Z軸用角速度センサ37の信号出力特性に応じて増幅(S15)し、積算して第1及び第2の補正信号を出力する。また、増幅器71は、Z軸用角度位置センサ34の角度位置信号を増幅する。
A/D変換器は、第1及び第2の補正信号と、Z軸用角度位置センサ34の角度位置信号をデジタル信号に変換する。係数設定部95は、モードスイッチ18の設定に応じた第1及び第2係数を設定する。第1係数乗算部及び第2係数乗算部は、第1及び第2の補正信号に、設定された係数を乗算する(S16)。加算演算部98は、係数が乗算された第1及び第2の補正信号を加算して合成補正信号を作成する(S17)。駆動演算部99は、合成補正信号と、Z軸用角度位置センサ34の角度位置信号とに基づいて、観察光学系の像に発生しているZ軸周りのブレを補正するために、Z軸用アクチュエータ39の駆動信号を作成する。
ドライバ75は、駆動演算部99で作成された駆動信号に基づいてZ軸用アクチュエータ39を駆動する(S18)。Z軸用アクチュエータ39は、補正光学素子31R、31Lを振動による変位と逆方向に戻し、補正光学素子31R、31Lを地球に対して固定するように制御するため、観察光学系の像に生じたZ軸周りのブレが補正される。
上記実施形態によれば、筐体11と補正光学素子31R、31Lとの相対変位をX軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37で測定し、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37から出力された角速度信号を、補正信号出力部72、73でその周波数帯域に応じて複数の角速度信号に分離し、分離された各々の角速度信号を個別の増幅率で増幅して周波数帯域ごとの補正信号を出力している。また、増幅された補正信号を制御部66の加算演算部98で合成した合成補正信号に基づいて、X軸用アクチュエータ38及びZ軸用アクチュエータ39を駆動し、筐体11と補正光学素子31R、31Lとの相対的な変位に伴う像のブレを補正している。したがって、手ブレと船の揺れなど、周波数帯域が異なる複数種類の振動が同時に双眼鏡10に加えられた場合でも、像のブレを適切に補正することができる。
また、補正信号出力部72、73では、X軸用角速度センサ36及びZ軸用角速度センサ37の信号出力特性に基づいて、周波数帯域ごとに分離された角速度信号の信号値が同レベルになるように増幅するので、低周波帯域の角速度信号の信号値を、高周波帯域の角速度信号と同レベルにすることができる。したがって、低周波帯域の振動による像のブレも適切に補正することができる。
さらに、複数の補正信号の各々に係数を乗算してから加算して合成補正信号を作成するので、周波数帯域ごとに重み付けを行ったブレ補正を行うことができる。また、係数は、周波数帯域に対応して設定されたモードに応じて変更されるので、モードを設定するだけで各補正信号の係数を一括して設定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同符号を用いて詳しい説明は省略する。図13に示すように、本実施形態は、第1補正信号作成部78、第2補正信号作成部79とともに、第3補正信号作成部110を有する補正信号出力部109を備えている。第3補正信号作成部110は、第1増幅器82で増幅された第1の周波数帯域の角速度信号と、第2増幅器88で増幅された第2の周波数帯域の角速度信号とを加算した加算角速度信号を出力する加算器111と、加算角速度信号を積分して、第1及び第2の周波数帯域の振動により補正光学素子31R、31LのX軸周りに生じた変位量を表す第3の補正信号を作成する第3積分器112とを有する。なお、第1〜第3積分器83、89、112は、第1〜3補正信号作成部78、79、110ではなく、後述するCPU115に設けてもよい。
図14に示すように、第3の補正信号は、超低周波(0.2Hz)〜高周波(20Hz)までの周波数帯域を含んでいる。なお、X軸用角速度センサ36から出力された直後の角速度信号も同様の周波数帯域を含んでいるが、第3補正信号は、超低周波〜低周波の角速度信号と、低周波〜高周波の角速度信号の信号値が同レベルになるように増幅されている。したがって、第3の補正信号に基づいてアクチュエータを駆動すれば、超低周波〜高周波までの振動による像のブレを適切に補正することができる。
本実施形態のCPU115は、第3補正信号をデジタル信号に変換するA/D変換器116と、第3係数乗算部117とを備える。係数設定部118は、第1係数及び第2係数とともに、第3係数を設定する。第3係数は、図15に示すように、ROM68に記憶されたテーブル119に設定されており、例えば「モードA:陸上手持ちモード」は、手振れが主なブレの原因となるため、第1係数が「0.2」、第2係数が「0.7」となっている。また、超低周波〜高周波までのブレを適切に補正するため、第3係数は「0.1」となっている。「モードB:船上手持ちモード」では、手振れと船の揺れとの両方がブレの原因となるため、第1及び第2係数を「0.5」としている。なお、モードBでは、同じ割合で加算される第1及び第2の補正信号により、超低周波〜高周波までのブレを適切に補正できるので、第3係数は「0」にしている。さらに、「モードC:船上固定モード」は、船の揺れが主なブレの原因となるため、第1係数を「0.7」、第2係数を「0.2」とし、超低周波〜高周波までのブレを適切に補正するため、第3係数を「0.1」としている。
加算演算部98は、係数が乗算された第1〜第3補正信号を加算して合成補正信号を作成する。駆動演算部99は、合成補正信号と、X軸用角度位置センサ34の角度位置信号とに基づいて、観察光学系の像に発生しているX軸周りのブレを補正するために、X軸用アクチュエータ38の駆動信号を作成する。ドライバ74は、駆動演算部99で作成された駆動信号に基づいてX軸用アクチュエータ38を駆動する。なお、本実施形態においても、Z軸周りの像のブレは、Z軸用角速度センサ37の角速度信号を用いてX軸周りと同様の構成及び手法により補正されるので、詳しい説明は省略する。
本実施形態によれば、第1及び第2の補正信号とともに、第1及び第2の補正信号を加算した第3の補正信号も用いて像のブレを補正するので、広い周波数帯域の振動によるブレを適切に補正することができる。
上記実施形態では、角速度信号を2つの周波数帯域に分離したが、3つ以上の周波数帯域に分離してもよい。分離数を多くすれば、複合的な振動による像のブレを、より適切に補正することができる。ブレ補正の例として、手振れと船の揺れとを例に説明したが、本発明は、例えば手振れと自動車や電車、飛行機の揺れなど、様々な場面での像のブレ補正に適用することができる。また、ブレ補正モードとして、「モードA:陸上手持ちモード」、「モードB:船上手持ちモード」及び「モードC:船上固定モード」を説明したがモードの内容はこれに限定されるものではない。また、双眼鏡を例に説明したが、単眼鏡に適用してもよい。
10 双眼鏡
11 筐体
12R、12L 対物レンズ部
13R、13L 接眼レンズ部
16 電源スイッチ
17 操作部材
18 モードスイッチ
30 ブレ補正装置
34 X軸用角度位置センサ
35 Z軸用角度位置センサ
36 X軸用角速度センサ
37 Z軸用角速度センサ
38 X軸用アクチュエータ
39 Z軸用アクチュエータ
49 ロック機構
66 制御部
72、73 補正信号出力部
78 第1補正信号作成部
79 第2補正信号作成部

Claims (8)

  1. 筐体に固定された対物レンズと接眼レンズとの間に変位自在に配された補正光学素子と、
    前記補正光学素子を変位させるアクチュエータと、
    前記筐体と前記補正光学素子との相対変位を検出して変位信号を出力する変位センサと、
    前記変位信号をその周波数帯域に応じて複数の変位信号に分離し、分離された各々の変位信号を個別の増幅率で増幅して周波数帯域ごとに複数の補正信号を出力する補正信号出力部と、
    前記複数の補正信号を合成した合成補正信号に基づいて前記アクチュエータを駆動し、前記対物レンズ及び前記接眼レンズにより結ばれる像のブレを補正する制御部と、
    を備えるブレ補正装置。
  2. 前記補正信号出力部は、前記変位センサである角速度センサの信号出力特性に基づいて前記複数の変位信号をそれぞれ増幅する請求項1に記載のブレ補正装置。
  3. 前記制御部は、前記複数の補正信号の各々に予め設定されている係数を乗算し、加算して前記合成補正信号を作成する請求項1または2に記載のブレ補正装置。
  4. 前記係数は、前記像のブレの補正内容が規定された複数種類の補正モードに対応して設定されており、前記補正モードの選択に応じて変更される請求項3に記載のブレ補正装置。
  5. 前記補正信号出力部は、
    前記変位信号をその周波数帯域に応じて少なくとも第1及び第2の変位信号に分離するフィルタと、
    前記第1及び第2の変位信号を個別の増幅率で増幅して少なくとも第1及び第2の補正信号を出力する増幅部とを有する請求項1〜4いずれか一項に記載のブレ補正装置。
  6. 前記補正信号出力部は、前記第1及び第2の補正信号を加算した第3の補正信号を出力する信号加算部を有し、
    前記制御部は、前記第1、第2及び第3の補正信号を合成した前記合成補正信号に基づき前記アクチュエータを駆動する請求項5に記載のブレ補正装置。
  7. 前記補正光学素子は、正立プリズムである請求項1〜6いずれか一項に記載のブレ補正装置。
  8. 筐体と、前記筐体に固定された対物レンズ及び接眼レンズと、請求項1〜7いずれか一項に記載のブレ補正装置とを備える観察装置。
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