JPH10267666A - センサ - Google Patents

センサ

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JPH10267666A
JPH10267666A JP9090050A JP9005097A JPH10267666A JP H10267666 A JPH10267666 A JP H10267666A JP 9090050 A JP9090050 A JP 9090050A JP 9005097 A JP9005097 A JP 9005097A JP H10267666 A JPH10267666 A JP H10267666A
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JP
Japan
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signal
turning
vibrator
output
circuit
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JP9090050A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Chiaki
千明  達生
Hiroshi Yamamoto
博 山本
Masami Sugimori
正巳 杉森
Susumu Sugiyama
進 杉山
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重り部を旋回させる予定旋回面に平行な1軸
もしくは2軸回りの角速度成分を除いた、S/Nの良い
加速度信号を出力する。 【解決手段】 支持手段と、前記支持手段の同一方向に
片持ち支持又は平面的に支持される複数の重り部と、前
記重り部の少なくとも一つを第1の方向に旋回させ、残
りの重り部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に旋回
させるための駆動手段112,6a〜6d,11a〜1
1dと、前記駆動手段が前記重り部を旋回させる予定旋
回面に平行な軸上での該予定旋回面に対する前記第1の
方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれと前記第2
の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれの和を演
算し、前記軸回りの角速度成分を除いた該軸方向の加速
度を検出するための検出手段113とを有する構成にし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置に加わる角速
度や加速度を検出するセンサに関し、特に複数の重り部
を持ち、1軸もしくは2軸方向の加速度、更には角速度
を検出するセンサの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のカメラやビデオカメラにおいて
は、角速度センサの出力に基づいて手振れを補正するシ
ステムを具備したものが製品化されている。この様な手
振れ補正システムにおいては、2軸の角速度検出が必須
であり、小型で高精度の角速度センサが望まれている。
【0003】この種の角速度センサとして、片持ち支持
(一端を固定)された一つ或いは複数の振動子を旋回運
動させて、角速度が加わった際に発生するコリオリ力に
よって、振動子の振動軌跡が傾くことを検出して、2軸
の角速度を検出する角速度センサが、本願出願人により
特開平7−92175号にて開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
カメラ等において、至近距離で撮影を行おうとする際に
はカメラのシフトする方向の手振れ(レリーズ釦の押圧
操作等で生じる)も補正することが望ましく、その為に
はカメラの加速度の信号に基づいた手振れ補正が必要に
なるが、上記の提案装置においてはこの種の対策につい
ては何ら開示されていなかった。
【0005】(発明の目的)本発明の第1の目的は、重
り部を旋回させる予定旋回面に平行な1軸もしくは2軸
回りの角速度成分を除いた、S/Nの良い加速度信号を
出力することのできるセンサを提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、重り部を旋回させ
る予定旋回面に平行な1軸もしくは2軸回りの角速度成
分を除いた、S/Nの良い加速度信号を出力すると共
に、1軸もしくは2軸方向の加速度成分を除いた、S/
Nの良い角速度を出力することのできるセンサを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1,11記載の本発明は、支持手段
と、前記支持手段の同一方向に片持ち支持又は平面的に
支持される複数の重り部と、前記重り部の少なくとも一
つを第1の方向に旋回させ、残りの重り部を前記第1の
方向とは逆の第2の方向に旋回させるための駆動手段
と、前記駆動手段が前記重り部を旋回させる予定旋回面
に平行な軸上での該予定旋回面に対する前記第1の方向
に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれと前記第2の方
向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれの和を演算
し、前記軸回りの角速度成分を除いた該軸方向の加速度
を検出するための検出手段とを有するセンサとするもの
である。
【0008】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項2,11記載の本発明は、支持手段と、前記支持
手段の逆方向に片持ち支持される複数の重り部と、前記
複数の重り部を同一方向に旋回させるための駆動手段
と、前記駆動手段が前記複数の重り部を旋回させる予定
旋回面に平行な軸上での該予定旋回面に対する、前記支
持手段の逆方向に片持ち支持される前記複数の重り部の
それぞれの旋回軌跡のずれの和を演算し、前記軸回りの
角速度成分を除いた該軸方向の加速度を検出するための
検出手段とを有するセンサとするものである。
【0009】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項3,11記載の本発明は、支持手段と、前記支持
手段の同一方向に両持ち支持される複数の重り部と、前
記重り部の少なくとも一つを第1の方向に旋回させ、残
りの重り部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に旋回
させるための駆動手段と、前記駆動手段が前記重り部を
旋回させる予定旋回面に平行な軸上での該予定旋回面に
対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡
のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部の旋回軌
跡のずれの和を演算し、前記軸回りの角速度成分を除い
た該軸方向の加速度を検出するための検出手段とを有す
るセンサとするものである。
【0010】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項6,11記載の本発明は、支持手段と、前記支持
手段の同一方向に片持ち支持又は平面的に支持される複
数の重り部と、前記重り部の少なくとも一つを第1の方
向に旋回させ、残りの重り部を前記第1の方向とは逆の
第2の方向に旋回させるための駆動手段と、前記駆動手
段が前記重り部を旋回させる予定旋回面に平行な2軸上
での該予定旋回面に対する前記第1の方向に旋回する前
記重り部の旋回軌跡のずれと前記第2の方向に旋回する
前記重り部の旋回軌跡のずれの和を演算し、前記2軸回
りの角速度成分を除いた該2軸方向の加速度を検出する
ための検出手段とを有するセンサとするものである。
【0011】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項7,11記載の本発明は、支持手段と、前記支持
手段の逆方向に片持ち支持される複数の重り部と、前記
前記複数の重り部を同一方向に旋回させるための駆動手
段と、前記駆動手段が前記重り部を旋回させる予定旋回
面に平行な2軸上での該予定旋回面に対する、前記支持
手段の逆方向に片持ち支持される前記複数の重り部のそ
れぞれの旋回軌跡のずれの和を演算し、前記2軸回りの
角速度成分を除いた該2軸方向の加速度を検出するため
の検出手段とを有するセンサとするものである。
【0012】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項8,11記載の本発明は、支持手段と、前記支持
手段の同一方向に両持ち支持される複数の重り部と、前
記重り部の少なくとも一つを第1の方向に旋回させ、残
りの重り部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に旋回
させるための駆動手段と、前記駆動手段が前記重り部を
旋回させる予定旋回面に平行な2軸上での該予定旋回面
に対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の旋回軌
跡のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部の旋回
軌跡のずれの和を演算し、前記2軸回りの角速度成分を
除いた該2軸方向の加速度を検出するための検出手段と
を有するセンサとするものである。
【0013】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項4記載の本発明は、重り部を旋回させる予定旋回
面に平行な軸上での該予定旋回面に対する第1の方向に
旋回する重り部の旋回軌跡のずれと第2の方向に旋回す
る重り部の旋回軌跡のずれの差を演算し、軸方向の加速
度成分を除いた該軸回りの角速度を検出する検出手段を
有するセンサとするものである。
【0014】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項5記載の本発明は、重り部を旋回させる予定旋回
面に平行な軸上での該予定旋回面に対する、支持手段の
逆方向に片持ち支持される複数の重り部のそれぞれの旋
回軌跡のずれの差を演算し、軸方向の加速度成分を除い
た該軸回りの角速度を検出する検出手段を有するセンサ
とするものである。
【0015】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項9記載の本発明は、重り部を旋回させる予定旋回
面に平行な2軸上での該予定旋回面に対する第1の方向
に旋回する重り部の旋回軌跡のずれと第2の方向に旋回
する重り部の旋回軌跡のずれの差を演算し、2軸方向の
加速度成分を除いた該2軸回りの角速度を検出する検出
手段を有するセンサとするものである。
【0016】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項10記載の本発明は、重り部を旋回させる予定旋
回面に平行な2軸上での該予定旋回面に対する、支持手
段の逆方向に片持ち支持される複数の重り部のそれぞれ
の旋回軌跡のずれの差を演算し、2軸方向の加速度成分
を除いた該2軸回りの角速度を検出する検出手段を有す
るセンサとするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1〜図12は本発明の実施の第1の形態
におけるセンサに係る図であり、図1はセンサの機械的
構成を示す斜視図、図2は振動子を旋回運動させる駆動
回路を示すブロック図、図3は振動子の傾きを検出する
検出回路を示すブロック図である。尚、図4〜図12に
ついては後述する。
【0019】図1〜図12に示す、本発明の実施の第1
の形態は、通常の機械加工を用いた部品によってセンサ
の振動子部分(振動体)を構成し、コイルとマグネット
による電磁駆動によって振動子を旋回運動させ、圧電素
子によって振動子の傾きを検出するようにした例であ
る。
【0020】図1において、1は基板、2は重り部であ
るところの第1の振動子、3は前記第1の振動子の一端
を弾性支持する板状の第1の振動ベース、4a〜4dは
圧電素子、5a〜5d(但し、5bは見えない)はマグ
ネット、6a〜6d(但し、6bは見えない)はコイ
ル、7は重り部であるところの第2の振動子、8は前記
第1の振動子の一端を弾性支持する板状の第2の振動ベ
ース、9a〜9dは圧電素子、10a〜10d(但し、
10bは見えない)はマグネット、11a〜11d(但
し、11bは見えない)はコイル、12は振動子を旋回
運動させるための駆動回路、13は振動子の傾きを検出
して、角速度や加速度の信号を検出する検出回路であ
る。
【0021】基板1は、例えばセラミック基板やガラス
エボキシ基板で作られており、該基板1上には、第1の
振動子2,第1の振動ベース3,圧電素子4a〜4d,
マグネット5a〜5d,コイル6a〜6dより構成され
る第1の振動体29と、第2の振動子7,第2の振動ベ
ース8,圧電素子9a〜9d,マグネット10a〜10
d,コイル11a〜11dより構成される第2の振動体
30と、駆動回路12と、検出回路13とが設けられて
いる。更に基板1上には、電源端子と、角速度信号と加
速度信号を出力する端子が設けられているが、図1では
図示していない。
【0022】第1の振動子2は、例えば黄銅を旋盤加工
して作られ、第1の振動ベース3に圧入などの手段で一
端を固定されている。
【0023】第1の振動ベース3は、例えばリン青銅板
で作られ、マグネット5a〜5dが固定される略正方形
を成す平坦部と、正方形のそれぞれの辺の中央に設けら
れた第1〜第4の脚部3a,3b,3c,3dを有し、
それぞれ第1〜第4の脚部3a,3b,3c,3dの先
端部は、基板1に固定されている。
【0024】第1〜第4の圧電素子4a,4b,4c,
4dは、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で作ら
れ、略長方形を成し、厚さ方向に分極され、前記第1の
振動ベース3の第1〜第4の脚部3a〜3dに、それぞ
れ接着によって固定されている。
【0025】第1〜第4のマグネット5a,5b,5
c,5dは、例えばフェライト系のプラスチックマグネ
ットで作られており、厚さ方向に着磁がなされており、
基板1側の表面の極が隣合う極同士反対の極になるよう
に、例えば、第1のマグネット5aの基板1側の表面は
N極に、第2のマグネット5b(図1には不図示)の基
板1側の表面はS極に、第3のマグネット5cの基板1
側の表面はN極に、第4のマグネット5dの基板1側の
表面はS極に、それぞれなるように、略正方形を成す平
坦部の各角部に、接着などの周知の手段によって第1の
振動ベース3に固定されている。
【0026】第1〜第4のコイル6a,6b,6c,6
dは空芯コイルであり、前述の第1〜第4のマグネット
5a,5b,5c,5dと対向する位置に、基板1に接
着されており、それぞれ基板1上に接着により固定され
た際に、前述の第1〜第4のグネット5a,5b,5
c,5dの基板1側の表面と僅かな空隙ができる形状を
成している。
【0027】第2の振動子7は、例えば黄銅を旋盤加工
して作られ、第2の振動ベース8に圧入などの手段で一
端を固定されている。
【0028】第2の振動ベース8は、例えばリン青銅板
で作られ、マグネット9a〜9dが固定される略正方形
を成す平坦部と、正方形のそれぞれの辺の中央に設けら
れた第5〜第8の脚部8a,8b,8c,8dを有し、
それぞれ第5〜第8の脚部8a,8b,8c,8dの先
端部は、基板1に固定されている。
【0029】第1,第2の圧電素子4a,4bは、第1
の検出軸方向であるX軸方向の振動子2の傾きに応じた
信号を出力し、第3,第4の圧電素子4c,4bは、第
2の検出軸方向であるY軸方向の振動子2の傾きに応じ
た信号を出力する。
【0030】第5〜第8の圧電素子9a,9b,9c,
9dは、例えばPZTで作られ、略長方形を成し、厚さ
方向に分極され、前記第2の振動ベース8の第1〜第4
の脚部8a〜8dに、それぞれ接着によって固定されて
いる。
【0031】第5〜第8のマグネット10a,10b,
10c,10dは、例えばフェライト系のプラスチック
マグネットで作られており、厚さ方向に着磁がなされて
おり、基板1側の表面の極が隣り合う極同士反対の極に
なるように、例えば、第5のマグネット10aの基板1
側の表面はN極に、第6のマグネット10b(図1には
不図示)の基板1側の表面はS極に、第7のマグネット
10cの基板1側の表面はN極に、第8のマグネット1
0dの基板1側の表面はS極に、それぞれなるように、
略正方形を成す平坦部の各角部に、接着などの周知の手
段によって第2の振動ベース8に固定されている。
【0032】第5〜第8のコイル11a,11b,11
c,11dは空芯コイルであり、前述の第5〜第8のマ
グネット10a,10b,10c,10dと対向する位
置に、基板1に接着されており、それぞれ基板1上に接
着により固定された際に、前述の第5〜第8マグネット
10a,10b,10c,10dの基板1側の表面と僅
かな空隙ができる形状を成している。また、第1乃至第
8のコイルは、それぞれ第1,第2の端子を有してお
り、それぞれ同じ方向に、例えば第1の端子から第2の
端子に向けて電流を流すと、マグネットに面する側には
同じ極が励起されるように、基板1上に固定されてい
る。
【0033】また、第1の振動子2と第2の振動子7は
屈曲方向に略同一の共振周波数を持ち、また、第1の振
動子2,第1の振動ベ−ス3,第1乃至第4のマグネッ
ト5a〜5d,第1乃至第4の圧素子4a〜4dより構
成される、第1の振動体29の振動子2が倒れる方向の
振動モードの共振周波数も、前記振動子の屈曲方向の共
振周波数に一致されている。共振周波数の設定は、第1
の振動ベース3の板厚と脚部3a〜3dの幅および長さ
を適正に設定することによって行われる。
【0034】同様に、第2の振動子7,第2の振動ベー
ス8,第5乃至第8のマグネット10a〜10d、第5
乃至第8の圧電素子9a〜9dより構成される、第2の
振動体30の第2の振動子7が倒れる方向の振動モード
の共振周波数も、前記振動子の屈曲方向の共振周波数に
一致されている。この場合の共振周波数の設定も同様
に、第2の振動ベース8の板厚と脚部8a〜8dの幅お
よび長さを適正に設定することによって行われる。
【0035】駆動回路12は所定の周波数と位相でコイ
ルに電流を流す為のものであり、その構成は、図2に示
す様に、発振回路14,sin波生成回路15,第1の
ドライブ回路16,cos波生成回路17、及び、第2
のドライブ回路18から成り、基板1上に設けられてお
り、出力端子が電気的に前述の第1〜第8のコイル6a
〜6d,11a〜11dに接続されている。
【0036】検出回路13は、前述の第1〜第8の圧電
素子4a〜4d,9a〜9dの出力信号を加算,減算し
て、角速度信号と加速度信号を出力する為のものであ
り、図3に示す様に、第1の加減算回路19,第1のロ
ーパスフィルタ20,第2のローパスフィルタ23,第
1の増幅回路21,第2の増幅回路24、及び、第2の
加減算回路22,第3のローパスフィルタ25,第4の
ローパスフィルタ27,第3の増幅回路26,第4の増
幅回路28とにより構成される。
【0037】この検出回路13の出力端子が、センサ外
部にX軸回りの角速度信号,X軸方向の加速度信号と、
Y軸回りの角速度信号,Y軸方向の加速度信号とを出力
する(図1には不図示)。
【0038】ここで、この実施の第1の形態における駆
動回路12について、図2により、説明する。
【0039】駆動回路12内の第1のドライブ回路16
の出力端子は、第1のコイル6aの第1の端子6a−1
に接続され、第1のコイル6aの第2の端子6a−2
は、第3のコイル6cの第2の端子6c−2に接続さ
れ、第3のコイル6cの第1の端子6c−1はグランド
レベルに接地されている。
【0040】このように接続されることにより、それぞ
れ第1,第3のコイル6a,6cのマグネット側の面に
は、逆の極性の磁場が励起され、例えば第1のドライブ
回路16の出力端子が+出力であるとして、前に説明し
たように、第1,第3,第5,第7のマグネット5a,
5c,10a,10cと、第2,第4,第6,第8のマ
グネット5b,5d,10b,10dの極性が逆である
ために、第1のコイル6aが第1のマグネット5aを吸
引したとすると、第3のコイル6cは第3のマグネット
5cを反発し、振動子1は図1において、A方向に傾く
ようになっている。
【0041】また、駆動回路12内の第1のドライブ回
路16の出力端子は、第6のコイル11bの第2の端子
11b−2に接続され、第6のコイル11bの第1の端
子11b−1は、第8のコイル11dの第1の端子11
d−1に接続され、第8のコイル11dの端子はグラウ
ドレベルに接続されている。
【0042】このように接続されることにより、それぞ
れ第6,第8のコイル11b,11dのマグネット側の
面には、逆の極性の磁場が励起され、例えば、第1のド
ライブ回路16の出力端子が+出力であると、前に説明
したように、第1,第3,第5,第7のマグネット5
a,5c,10a,10cと、第2,第4,第6,第8
のマグネット5b,5d,10b,10dの極性が逆で
あるために、第6のコイル11bは第6のマグネット1
0bを吸引し、第8のコイル11dは、第8のマグネッ
ト10dを反発し、振動子7は図1において、−B方向
(B方向とは逆方向)に傾くようになっている。
【0043】また、駆動回路12内の第2のドライブ回
路18の出力端子は、第2のコイル6bの第1の端子6
b−1に接続され、第2のコイル6bの第2の端子6b
−2は、第4のコイル6dの第2の端子6d−2に接続
され、第4のコイル6dの第1の端子6d−1はグラウ
ンドレベルに接続されている。
【0044】このように接続されることにより、それぞ
れ第2,第4のコイル6b,6dのマグネット側の面に
は、逆の極性の磁場が励起され、例えば、第2のドライ
ブ回路18の出力端子が+出力であるとすると、前に説
明したように、第1,第3,第5,第7のマグネット5
a,5c,10a,10cと、第2,第4,第6,第8
のマグネット5b,5d,10b,10dの極性が逆で
あるために、第2のコイル6bが第2のマグネットを反
発し、第4のコイル6dは、第4のマグネット5dを吸
引し、振動子1は図1において、B方向に傾くようにな
っている。
【0045】また、駆動回路12内の第2のドライブ回
路18の出力端子は、第5のコイル11aの第2の端子
11a−2に接続され、第5コイル11の第1の端子1
1a−1は、第7のコイル11cの第1の端子11c−
1に接続され、第7のコイル11cの第2の端子11c
−2はグラウンドレベルに接続されている。
【0046】このように接続されることにより、それぞ
れ第5,第7のコイル11a,11cのマグネット側の
面には、逆の極性の磁場が励起され、例えば、第2のド
ライブ回路18の出力端子が+出力であると、第5のコ
イル11aが第5のマグネット10aを反発し、第7の
コイル11cは、第7のマグネット10cを吸引し、振
動子7は図1において、−A方向(A方向とは逆方向)
に傾くようになっている。
【0047】図2に示す本発明の実施の第1の形態にお
ける駆動回路12において、発振回路14は、sin波
生成回路15とcos波生成回路17が、前述のコイル
に、第1,第2の振動体29,30をそれぞれの振動子
2,7が傾く方向に共振させるような周波数で信号を発
生する周波数にその発振周波数を設定された周知の発振
回路であり、その出力端子は、sin波生成回路15と
cos波生成回路17のそれぞれの入力端子に接続され
ている。
【0048】sin波生成回路15は、入力端子に入力
されるパルス信号に基づいてsin波を生成する、例え
ばフリップフロック回路を用いた分周回路のような回路
であり、その出力は、第1のドライブ回路16の入力端
子に接続されている。
【0049】第1のドライブ回路16は、入力端子に入
力した信号を所定のゲインで増幅し、前述のコイルに振
動体を駆動するための電力を供給する回路である。
【0050】cos波生成回路17は、入力端子に入力
されるパルス信号に基づいて、前述のsin波生成回路
15とは90度位相の異なるcos波を生成する、例え
ばフリップフロップ回路を用いた分周回路のような回路
であり、その出力は、第2のドライブ回路18の入力端
子に接続されている。
【0051】第2のドライブ回路18は、入力端子に入
力した信号を所定のゲインで増幅し、前述のコイルに振
動体を駆動するための電力を供給する回路である。
【0052】センサの電源(不図示)が投入されて、発
振回路14が所定の周波数のパルスを出力すると、si
n波生成回路15はsin波を、cos波生成回路17
はcos波を生成し、それぞれ第1,第2のドライブ回
路16,18よりコイルに通電が開始される。
【0053】第1のドライブ回路16と第2のドライブ
回路18から、それぞれsin波とcos波がコイルに
印加されると、前述のように、第1の振動体29と第2
の振動体30では、コイルとマグネットの関係が、図1
において、同一の通電をした場合に、傾き方向が逆(B
方向と−B方向)になるようになっており、また、第
1,第2の振動体29,30の共振周波数は一致してい
るので、第1の振動体29と第2の振動体30は入力信
号と共振し、第1,第2の振動子2,7は互いに逆方向
に旋回する。この様な位相関係にすることにより、それ
ぞれの振動子が基板1の慣性の大きなY軸方向で同相
で、慣性の小さなX軸方向で逆相に旋回運動をするため
に、互いの旋回運動が悪影響を及ぼし合うことを抑制す
ることができる。
【0054】さらに本実施の形態においては、前述のよ
うなコイルの接続をしているために、第1の振動子2と
第2の振動子7が旋回する際の位置的な位相差は、図1
に示したX軸方向では180度となり、また、Y軸方向
では同位相となる。
【0055】次に、本発明の実施の第1の形態における
検出回路13について、図1及び図3により説明する。
尚、図3において、図1と共通の構成には同一の符号を
付している。
【0056】図3において、4a,4b,4c,4dと
9a,9b,9c,9dは前述の振動子の傾きを検出す
るために、第1,第2の振動ベース3,8の脚部に張り
付けられた圧電素子であり、弾性を有する第1,第2の
振動ベース3,8の脚部が屈曲すると、その量に応じ
て、所定の電圧を出力する。又前述した様に、19は第
1の加減算回路、20は第1のローパスフィルタ、21
は第1の増幅回路、23は第2のローパスフィルタ、2
4は第2の増幅回路であり、22は第2の加減算回路、
23は第3のローパスフィルタ、24は第3の増幅回
路、27は第4のローパスフィルタ、28は第4の増幅
回路である。
【0057】第1の加減算回路19の入力端子には、第
1の振動子2の図1に示したX軸方向の倒れを検出する
第1,第2の圧電素子4a,4bと、第2の振動子7の
X軸方向の倒れを検出する第5,第6の圧電素子9a,
9bが接続されている。
【0058】第1の加減算回路19は、第1,第2の振
動子2,7のX軸方向の傾きに対応する信号を処理し、
センサがX軸回りに回転することによって振動子に作用
するコリオリ力による振動子の倒れの成分と、センサが
受けるX軸方向の加速度による振動子の倒れの成分を分
離して、それぞれAM変調された信号として、第1のロ
ーパスフィルタ20と第2のローパスフィルタ23に出
力する。
【0059】具体的には、第1の加減算回路19は、第
1の圧電素子4aの信号から第2の圧電素子4bの信号
を減算した信号より、第5の圧電素子9aの信号から第
6の圧電素子9bの信号を減算した信号を減算すること
によって、センサがX軸回りに回転することによって振
動子に作用するコリオリ力による振動子の倒れの成分に
対応した出力信号を、第1のローパスフィルタ20に出
力し、また、第1の加減算回路19は、第1の圧電素子
4aの信号から第2の圧電素子4bの信号を減算した信
号と、第5の圧電素子9aの信号から第6の圧電素子9
bの信号を減算した信号を加算することによって、セン
サが受けるX軸方向の加速度による振動子の倒れの成分
に対応した信号を第2のローパスフィルタ23に出力す
る。
【0060】第1のローパスフィルタ20は周知のロー
パスフィルタであり、前述の第1の加減算回路19から
センサがX軸回りに回転することによって、振動子に作
用するコリオリ力による振動子の倒れの成分に対応した
AM変調された信号を入力し、そのAM変調された入力
信号を電圧信号に変換して、センサがX軸回りに回転す
ることによって、振動子に作用するコリオリ力による振
動子の倒れの成分に対応した電圧信号を第1の増幅回路
21に出力する。
【0061】第1の増幅回路21は、前述の第1のロー
パスフィルタ20から入力した、センサがX軸回りに回
転することによって、振動子に作用するコリオリ力によ
る振動子の倒れの成分に対応した電圧信号を所定の増幅
率で増幅し、センサのX軸回りの角速度に対応する出力
信号を、出力端子21aから出力する。
【0062】一方、第2のローパスフィルタ23は周知
のローパスフィルタであり、前述の第1の加減算回路1
9からセンサが受けるX軸方向の加速度による振動子の
倒れの成分に対応したAM変調された信号を入力し、そ
のAM変調された入力信号を電圧信号に変換して、セン
サが受けるX軸方向の加速度による振動子の倒れの成分
に対応した電圧信号を第2の増幅回路24に出力する。
【0063】第2の増幅回路24は、前述の第2のロー
パスフィルタ23から入力した、センサがX軸方向の加
速度を受けることによる振動子の倒れの成分に対応した
電圧信号を所定の増幅率で増幅し、センサが受けるX軸
方向の加速度による振動子の倒れの成分に対応した出力
信号を出力端子24aから出力する。
【0064】同様に、第2の加減算回路22の入力端子
には、第1の振動子2の図1に示したY軸方向の倒れを
検出する第3,第4の圧電素子4c,4dと、第2の振
動子7のY軸方向の倒れを検出する第7,第8の圧電素
子9c,9dが接続されている。
【0065】第2の加減算回路22は、第1,第2の振
動子2,7のY方向の傾きに対応する信号を処理し、セ
ンサがY軸回りに回転することによって振動子に作用す
るコリオリ力による振動子の倒れの成分と、センサが受
けるY軸方向の加速度による振動子の倒れの成分を分離
して、それぞれAM変調された信号として、第3のロー
パスフィルタ25と、第4のローパスフィルタ27に出
力する。
【0066】具体的には、第2の加減算回路22は、第
3の圧電素子4cの信号から第4の圧電素子4dの信号
を減算した信号より、第7の圧電素子9cの信号から第
8の圧電素子9dの信号を減算した信号を減算すること
によって、センサがY軸回りに回転することによって振
動子に作用するコリオリ力による振動子の倒れの成分に
対応した出力信号を第3のローパスフィルタ25に出力
し、また、第2の加減算回路22は、第3の圧電素子4
cの信号から第4の圧電素子4dの信号を減算した信号
と、第7の圧電素子9cの信号から第8の圧電素子9d
の信号を減算した信号を加算することによって、センサ
が受けるY軸方向の加速度による振動子の倒れの成分に
対応した信号を第4のローパスフィルタ27に出力す
る。
【0067】第3のローパスフィルタ25は周知のロー
パスフィルタであり、前述の第2の加減算回路22から
センサがY軸回りに回転することによって、振動子に作
用するコリオリ力による振動子の倒れの成分に対応した
AM変調された信号を入力し、そのAM変調された入力
信号を電圧信号に変換して、センサがY軸回りに回転す
ることによって、振動子に作用するコリオリ力による振
動子の倒れの成分に対応した電圧信号を第3の増幅回路
26に出力する。
【0068】第3の増幅回路26は、前述の第3のロー
パスフィルタから入力した、センサがY軸回りに回転す
ることによって、振動子に作用するコリオリ力による振
動子の倒れの成分に対応した電圧信号を所定の増幅率で
増幅し、センサのY軸回りの角速度に対応する出力信号
を、出力端子26aから出力する。
【0069】一方、第4のローパスフィルタ27は周知
のローパスフィルタであり、前述の第2の加減算回路2
2からセンサが受けるY軸方向の加速度による振動子の
倒れの成分に対応したAM変調された信号を入力し、そ
のAM変調された入力信号を電圧信号に変換して、セン
サが受けるY軸方向の加速度による振動子の倒れの成分
に対応した電圧信号を第4の増幅回路28に出力する。
【0070】第4の増幅回路28は、前述の第4のロー
パスフィルタから入力した、センサがY軸方向の加速度
を受けることによる振動子の倒れの成分に対応した電圧
信号を所定の増幅率で増幅し、センサが受けるY軸方向
の加速度による振動子の倒れの成分に対応した出力信号
を、出力端子28aから出力する。
【0071】次に、本発明の実施の第1の形態における
センサの動作について、図4乃至図12にしたがって説
明する。
【0072】図4は本発明の実施の第1の形態における
センサの第1,第2の振動子2,7の動きを、該振動子
の傾きとして表した図であり、縦軸には振動子の傾き
を、横軸には時間tを、それぞれ示している。又、図4
(a)は第1の振動子2の傾きのX成分とY成分を太線
と細線で表し、図4(b)は第2の振動子7の傾きのX
成分とY成分を太線と細線で表している。
【0073】図5は振動子に作用するコリオリ力を説明
する為の図であり、図1の、第1の振動子2を通るX軸
方向の断面を示している。
【0074】図6は振動子に作用するコリオリ力によっ
て振動子の旋回軌跡が傾く(変化する)様子を説明する
為の図であり、図中のfcはコリオリ力、fsはコリオ
リ力fcの振動子を傾ける成分の力、θo はコリオリ力
が作用しないときの振動子の旋回範囲、θo ´はコリオ
リ力が作用した状態の振動子の旋回範囲を示している。
【0075】図7,図8,図9,図10は振動子の傾き
を検出する圧電素子の出力信号を説明する為の図であ
り、縦軸は圧電素子の出力電圧Vを、横軸は時間tを、
それぞれ示している。
【0076】また、図11,図12は、角速度信号と加
速度信号を表す加減算回路の出力信号を説明する為の図
であり、縦軸は加減算回路の出力電圧Vを、横軸は時間
tを、それぞれ示している。
【0077】センサの電源が投入されて、前述の駆動回
路12内の発振回路14がパルスを出力すると、前述の
コイルがマグネットを吸引,反発することによって第1
の振動子2は、図4(a)に示す様に、X軸方向の傾き
がY軸方向の傾きよりも位相が90度進んだ振動成分の
運動を始める。このような運動は即ち第1の振動子2の
旋回運動であり、本実施の形態においては、前述のコイ
ルとマグネットの配置とコイルの接続により、第1の振
動子2は、図1において、振動子の上から見て反時計回
りの旋回をする。また同様に、第2の振動子は、図4
(b)に示す様に、X軸方向の傾きがY軸方向の傾きよ
りも位相が90度遅れた振動成分の運動を始める。この
ような運動は即ち第2の振動子の旋回運動であり、本実
施の形態においては、前述のコイルとマグネットの配置
とコイルの接続により、第2の振動子7は、図1におい
て、振動子の上から見て時計回りの旋回をする。
【0078】また、前述のコイルとマグネットの配置と
コイルの接続により、第1と第2の振動子2,7の旋回
運動は、Y軸方向の振動成分の位相が一致し、X軸方向
の振動成分の位相が180度旋回運動をする。
【0079】このような旋回運動をしている振動子が、
例えば、図1のX軸回りに矢印で示した方向に回転させ
られると、振動子の旋回運動の、Y軸方向の速度成分に
比例したコリオリ力がZ軸方向に作用する。第1の振動
子2を例にとって図5を用いて説明すると、第1の振動
子2が図1においてX軸方向に付した矢印とは逆方向
(これを便宜上、−X軸方向と記し、Y軸,Z軸方向に
ついても同様とする)に最も傾いた位置での、第1の振
動体29のX軸方向の断面図のように、第1の振動子2
には−X軸方向に最も傾いた位置でZ方向のコリオリ力
が最も大きく加わる。また、図5とはX軸方向の反対位
相に当たる+X軸方向に最も傾いた位置で、−Z軸方向
のコリオリ力が最も大きく加わる。また、Y軸回りの角
速度がなければY軸方向に最も傾いた位置ではコリオリ
力は発生しない。
【0080】このように旋回運動をしている振動子に、
1回転中に180度ずれた位置で、逆向きのコリオリ力
が作用するために振動子の旋回軌跡は、図6に示す様に
傾くことになる。図6において、前述した様にfcはコ
リオリ力、fsはコリオリ力の振動子を傾ける成分であ
り、θo はコリオリ力が作用しない状態の振動子の旋回
範囲、θo ´はコリオリ力が作用した際の振動子の旋回
範囲を示している。180度位相のずれた位置で逆向き
のコリオリ力が振動子に作用するために、コリオリ力の
振動子を傾ける成分の方向は同じ方向となり、それによ
って振動子の旋回範囲が、θo からθo ´に傾く。
【0081】また、第2の振動子7も同様にコリオリ力
によって振動子の振動軌跡が傾くが、振動子の旋回方向
が第1の振動子2とは逆である為に、コリオリ力の作用
する方向は逆になり、前述の第1の振動子2の傾く方向
とは逆の方向に傾くことになる。
【0082】このような振動子の傾きは、第1乃至第8
の圧電素子がそれぞれ図5に図示した第1,第2の圧電
素子4a,4bと同様に撓むことによって電圧を発生す
るので、その電圧を計ることによって検出することがで
きる。
【0083】ここで、圧電素子の出力電圧によって振動
子の傾きを検出し、センサに加わる角速度と加速度の検
出方法について、第1の振動子2の動きを検出する第1
の圧電素子4a,第3の圧電素子4cと、第2の振動子
7の動きを検出する第5の圧電素子9a,第7の圧電素
子9cの出力波形によって説明する。
【0084】本実施の形態においては、第1の圧電素子
4a,第3の圧電素子4c,第5の圧電素子9a,第7
の圧電素子9cの出力電圧は、それぞれ180度位相の
異なる第2,第4,第6,第8の圧電素子4b,4d,
9b,9dの出力電圧と、前述の加減算回路の中で減算
処理がなされ、各方向の検出信号とされるが、ここで
は、説明を分かり易くする為に、第1の圧電素子4a,
第3の圧電素子4c,第5の圧電素子9a,第7の圧電
素子9cの出力信号(電圧)を用いて説明する。又、そ
れぞれの出力信号をV4a,V4c,V9a,V9cとする。
【0085】振動子が加振され、センサが静止している
状態では、第1の振動子2のX軸方向の傾きを検出する
第1の圧電素子4aと、同じく第1の振動子2のY軸方
向の傾きを検出する第3の圧電素子4cの出力信号V4c
は、図7(a)に示す様に、それぞれ位相が90度ずれ
た正弦波状になり、また、第2の振動子7のX軸方向の
傾きを検出する第5の圧電素子9aと、同じく第2の振
動子7のY軸方向の傾きを検出する第7の圧電素子9c
の出力信号V9cは、図7(b)に示す様に、それぞれ位
相が90度ずれた正弦波状になる。さらに、第1の振動
子2と第2の振動子7は逆方向に旋回しており、その旋
回運動は、Y軸方向には同相で、X軸方向には180度
位相の異なるものである為に、図7(a),(b)に示
す様に、第1の振動子2のX軸方向の傾きを検出する第
1の圧電素子4aの出力信号V4aと、第2の振動子7の
X軸方向の傾きを検出する第5の圧電素子9aの出力信
号V9aは180度位相がずれたものになり、また、第1
の振動子2のY軸方向の傾きを検出する第3の圧電素子
4cの出力信号V4cと、第2の振動子7のY軸方向の傾
きを検出する第7の圧電素子9cの出力信号V9cは位相
が一致したものになる。
【0086】このような状態においては、それぞれの圧
電素子の出力信号は、+成分と−成分が等しいので、ロ
ーパスフィルタを通ると「0」となり、センサの出力側
には信号は発生しない。
【0087】次に、本発明の実施の第1の形態における
センサに角速度が加わった際の圧電素子の出力信号につ
いて説明する。
【0088】図8(a)に示す様な波形のX軸回りの角
速度がセンサに加わると、第1の振動子2の傾きを検出
する第1,第3の圧電素子4a,4cの出力信号V4a
4cは、図8(b)の様になる。すなわち、第1の振動
子2のX軸方向の傾きを検出する第1の圧電素子4aの
出力信号V4aは、センサに加わる角速度に応じて、+側
では振幅が拡大され、−側では振幅が縮小する形とな
る。またこの時、第1の振動子2のY軸方向の傾きを検
出する第3の圧電素子4cの出力信号V4cは変化しな
い。一方、第2の振動子7の傾きを検出する第5,第7
の圧電素子9a,9cの出力信号は、図8(c)の様に
なる。すなわち、第2の振動子7のX軸方向の傾きを検
出する第5の圧電素子9aの出力信号V9aは、センサに
加わる角速度に応じて、−側では振幅が拡大され、+側
では振幅が縮小する形となる。またこの時、第2の振動
子のY軸方向の傾きを検出する第7の圧電素子9cの出
力信号V9cは変化しない。
【0089】また、図8(a)と同様に、図9(a)に
示す様な波形のY軸回りの角速度がセンサに加わると、
第1の振動子2の傾きを検出する第1,第3の圧電素子
4a,4cの出力信号V4a,V4cは、図9(b)の様に
なる。すなわち、第1の振動子2のX軸方向の傾きを検
出する第1の圧電素子4aの出力信号V4aは変化せず、
第1の振動子2のY軸方向の傾きを検出する第3の圧電
素子4cの出力信号V4cは、角速度に応じて、+側では
振幅が拡大され、−側では振幅が縮小する形となる。一
方、第2の振動子7の傾きを検出する第5,第7の圧電
素子9a,9cの出力信号V9a,V9cは、図9(c)の
様になる。すなわち、第2の振動子7のX軸方向の傾き
を検出する第5の圧電素子9aの出力信号V9aは変化せ
ず、第2の振動子のY軸方向の傾きを検出する第7の圧
電素子9cの出力信号V9cは、−側では振幅が拡大さ
れ、+側では振幅が縮小する形となる。
【0090】次に、本発明の実施の第1の形態における
センサに加速度が加わったときの出力信号について説明
する。
【0091】センサに加速度が加わると、振動子は加わ
った加速度によって傾く。センサに−X軸方向の加速度
が加わると、第1の振動子2の振動軌跡はX軸方向に傾
き、第1の振動子のX軸方向の傾きを検出する第1の圧
電素子4aの出力波形は、図10(a)に示す様に、+
方向にシフトする。また、加速度が−X軸方向であるの
で、第1の振動子のY軸方向の傾きを検出する第3の圧
電素子4cの出力波形は、図10(a)に示す様に変化
しない。また同様に、第2の振動子7の振動軌跡もX軸
方向に傾き、第2の振動子7のX軸方向の傾きを検出す
る第5の圧電素子9aの波形は図10(b)に示す様
に、+方向にシフトする。また、加速度がX軸方向であ
るので、第2の振動子7のY軸方向の傾きを検出する第
7の圧電素子9cの出力波形は、図10(b)に示す様
に変化しない。
【0092】また、センサにY軸方向の加速度が加わる
と、第1の振動子2の振動軌跡はY軸方向に傾き、第1
の振動子のX軸方向の傾きを検出する第1の圧電素子4
aの波形は図10(c)に示す様に変化せず、第1の振
動子のY軸方向の傾きを検出する第3の圧電素子4cの
波形は、図10(c)に示す様に、+方向にシフトす
る。また同様に、第2の振動子7の振動軌跡もY軸方向
に傾き、第2の振動子7のX軸方向の傾きを検出する第
5の圧電素子9aの波形は、図10(d)に示す様に変
化せず、第2の振動子7のY軸方向の傾きを検出する第
7の圧電素子9cの出力波形は、図10(d)に示す様
に、+方向にシフトする。
【0093】図3に示した第1の加減算回路19は、第
1の振動子2のX軸方向の傾きの検出信号と第2の振動
子7のX軸方向の傾きの検出信号はそれぞれ同じ値で逆
符号の角速度成分と同じ値で同符号の加速度成分が合成
された値として検出されるので、これら検出信号の差を
とることにより、それぞれの検出信号に一律に重畳され
ている加速度成分を除去し、センサに加わるX軸回りの
角速度を検出し、それに応じた出力信号を第1の出力端
子19aに出力する。また、第2の加減算回路22は、
前記第1の加減算回路19と同様、第1の振動子2のY
軸方向の傾きの検出信号と第2の振動子7のY軸方向の
傾きの検出信号の差をとることにより、それぞれの検出
信号に一律に重畳されている加速度成分を除去し、セン
サに加わるY軸回りの角速度を検出し、それに応じた出
力信号を第1の出力端子22aに出力するようになって
いる。
【0094】従って、X軸回りの角速度が加わった際に
は、X軸回りの角速度信号を出力する第1の加減算回路
19の第1の出力端子19aから出力される出力波形
と、Y軸回りの角速度信号を出力する第2の加減算回路
22の第1の出力端子22aから出力される出力波形
は、図11(a)に示す様になる。
【0095】すなわち、図8に示した、第1の圧電素子
4aのX軸方向の傾きを検出した信号から第5の圧電素
子9aのX軸方向の傾きを検出した信号を減算すること
によって、図11(a)中に「V4a−V9a」で示したよ
うな、加わったX軸回りの角速度に応じて直流成分が変
化する加振周波数で変調された信号が得られ、この信号
を第1のローパスフィルタ20を通し、第1の増幅回路
21で所定の大きさの信号に増幅することによって、X
軸回りの角速度を得ることができる。また、X軸回りの
角速度が加わった際の、Y軸回りの角速度信号を同様に
第1の圧電素子4aのY軸方向の傾きを検出した信号か
ら、第5の圧電素子9aのY軸方向の傾きを検出した信
号を減算することによって得るようになっている第2の
加減算回路22の第1の出力信号は、図11(a)に
「V4c−V9c」で示すように「0」となる。
【0096】また、Y軸回りの角速度が加わった際に
は、X軸回りの角速度信号を出力する第1の加減算回路
19の第1の出力端子19aから出力される出力波形
と、Y軸回りの角速度信号を出力する第2の加減算回路
22の第1の出力端子22aから出力される出力波形
は、図11(b)に示す様になる。
【0097】すなわち、図9に示した、第2の圧電素子
4cのY軸方向の傾きを検出した信号から第6の圧電素
子9cのY軸方向の傾きを検出した信号を減算すること
によって、図11(b)中の「V4c−V9c」で示した様
な、加わったY軸回りの角速度に応じて直流成分と振幅
が変化する、加振周波数で変調された信号が得られ、こ
の信号を第3のローパスフィルタ25を通し、第3の増
幅回路26で所定の大きさの信号に増幅することによっ
て、Y軸回りの角速度を得ることができる。
【0098】また、Y軸回りの角速度が加わった際の、
X軸回りの角速度信号を同様に、第2の圧電素子4cの
X軸方向の傾きを検出した信号から第6の圧電素子9c
のX軸方向の傾きを検出した信号を減算することによっ
て得るようになっている第1の加減算回路19の第1の
出力信号は、図11(b)に「V4a−V9a」で示す様
に、+,−で対称な波形となり、第3のローパスフィル
タ25を通すことによって「0」となる。
【0099】次に、センサに加速度が加わったときの、
第1,第2の加減算回路19,22のそれぞれ第2の出
力端子19b,22bからの加速度信号について説明す
る。
【0100】図3に示した第1の加減算回路19は、そ
れぞれ振幅の変化(旋回半径の変位)として角速度信号
の成分を含み、振動子の旋回中心の倒れとして加速度信
号の成分を含む、第1の振動子2のX軸方向の傾きの検
出信号と第2の振動子7のX軸方向の傾きの検出信号の
和をとることにより、換言すれば、第1の振動子2のX
軸方向の傾きの検出信号と第2の振動子7のX軸方向の
傾きの検出信号はそれぞれ同じ値で同符号の加速度成分
と同じ値で逆符号の角速度成分が合成された値として検
出され、これら検出信号の和をとることにより、前記第
1の加減算センサに加わるX軸方向の、角速度成分を除
去した加速度を検出し、それに応じた出力信号を第2の
出力端子19bに出力する。第2の加減算回路22は、
前記第1の加減算回路19と同様、第1の振動子2のY
軸方向の傾きの検出信号と第2の振動子7のY軸方向の
傾きの検出信号の和をとることにより、センサに加わる
Y軸方向の、角速度成分を除去した加速度を検出し、そ
れに応じた出力信号を第2の出力端子22bに出力する
ようになっている。
【0101】従って、X軸方向に一定の加速度が加わっ
た際には、X軸方向の加速度信号を出力する第1の加減
算回路19の第1の出力端子19bから出力される出力
波形と、Y軸方向の加速度信号を出力する第2の加減算
回路22の第2の出力端子22bから出力される出力波
形は、図12(a)に示す様になる。
【0102】すなわち、図10(a),(b)に示し
た、第1の圧電素子4aのX軸方向の傾きを検出した信
号と第5の圧電素子9aのX軸方向の傾きを検出した信
号を減算することによって、図12(a)中に「V4a
9a」で示した様な、加わったX軸方向の加速度に応じ
て直流信号が得られ、この信号を第2のローパスフィル
タ23を通して、第2の増幅回路24で所定の大きさの
信号に増幅することによって、X軸方向の加速度を得る
ことができる。
【0103】また、X軸方向の加速度が加わった際の、
Y軸方向の加速度信号を同様に、第1の圧電素子4aの
Y軸方向の傾きを検出した信号から、第5の圧電素子9
aのY軸方向の傾きを検出した信号を加算することによ
って得るようになっている第2の加減算回路22の第2
の出力信号は、図12(a)に「V4c+V9c」で示す様
に、「0」を中心とした正弦波状となり、第4のローパ
スフィルタ27を通すことによって「0」となる。
【0104】また、Y軸方向の加速度が加わった際に
は、X軸方向の加速度信号を出力する第1の加減算回路
19の第2の出力端子19bから出力される出力波形
と、Y軸方向の加速度信号を出力する第2の加減算回路
22の第2の出力端子22bから出力される出力波形
は、図12(b)に示す様になる。
【0105】すなわち、図10(c),(d)に示し
た、第1の圧電素子4aのY軸方向の傾きを検出した信
号と第2の圧電素子9aのY軸方向の傾きを検出した信
号を加算することによって、図12(b)中に「V4c
9c」で示したような、加わったY軸方向の加速度に応
じて直流成分とが変化する、加振周波数で変調された信
号が得られ、この信号を第4のローパスフィルタ27を
通し、増幅回路28で所定の大きさの信号に増幅するこ
とによって、Y軸方向の加速度を得ることができる。
【0106】また、Y軸方向の加速度が加わった際の、
X軸回りの加速度信号を同様に、第1の圧電素子のX軸
方向の傾きを検出した信号から第2の圧電素子のX軸方
向の傾きを検出した信号を減算することによって得るよ
うになっている第1の加減算回路19の第2の出力信号
は、図12(b)に「V4a+V9a」で示す様に、「0」
となる。
【0107】また、X軸方向に加速度が加わったときの
角速度信号は、図12(c)に示す様に、第1の加減算
回路19の第1の出力端子19aから出力される、X軸
回りの角速度信号は、図12(c)中に「V4a−V9a
で示す様に、「0」を中心とする正弦波状になり、第1
のローパスフィルタ20を通すことによって「0」とな
り、第2の加減算回路22の第1の出力端子22aから
出力される、Y軸回りの角速度信号は、図12(c)中
に「V4c−V9c」で示す様に「0」となる。
【0108】また、Y軸方向に加速度が加わったときの
角速度信号は、図12(d)に示す様に、第1の加減算
回路19の第1の出力端子19aから出力される、X軸
回りの角速度信号は、図12(d)中に「V4a−V9a
で示す様に、「0」を中心とする正弦波状になり、第1
のローパスフィルタ20を通すことによって「0」とな
り、第2の加減算回路22の第1の出力端子22aから
出力される、Y軸回りの角速度信号は、図12(d)中
に「V4c−V9c」で示す様に「0」となる。
【0109】このように、加減算回路において、2つの
逆方向に旋回する振動子のX軸方向,Y軸方向の傾きを
それぞれ減算処理して、ローパスフィルタを通し、所定
のゲインで増幅することによって、X軸回りとY軸回り
の角速度信号を得ることができ、2つの逆方向に旋回す
る振動子のX軸方向,Y軸方向の傾きをそれぞれ加算処
理して、ローパスフィルタを通し、所定のゲインで増幅
することによって、加速度信号を得ることができる。
【0110】(実施の第2の形態)前述の実施の第1の
形態においては、コリオリ力の振動子を傾ける力の成分
により、傾く振動子の振動軌跡によって、コリオリ力を
検出するようにしていたが、振動体のZ軸方向の共振周
波数を加振周波数に略一致させ、コリオリ力によって、
振動体にZ軸方向の共振を起こし、それを検出すること
によって、コリオリ力を検出することもできる。以下、
この例を本発明の実施の第2の形態として、図13及び
図14によって説明する。
【0111】本発明の実施の第2の形態の機械的構成
は、前述の実施の第1の形態と基本的に同一であり、第
1,第2の振動体の条件のみが異なるので、振動体の条
件について、図1と図13を用いて説明する。
【0112】図1において、前述の第1の実施の形態に
おいては、第1,第2の振動子2,7と、第1,第2の
振動ベース3,8の脚部は、振動子が傾く方向の固有振
動モードの共振周波数が、振動子の状態と振動体の状態
で略一致するようになっていたが、本発明の実施の第2
の形態においては、振動体の状態で、振動子が傾く方向
の振動モードと振動子がZ軸方向に振動するモードの固
有振動数が略一致するようになっている。
【0113】振動体の状態で、振動子が傾く方向の振動
モードと振動子がZ軸方向に振動するモードの固有振動
数が略一致する様にするには、振動子の長さと質量、振
動ベースの脚部の長さおよび断面をそれぞれの共振周波
数が略一致するように選択すればよい。
【0114】本発明の実施の第2の形態における検出回
路は、前述の実施の第1の形態中の、加減算回路のそれ
ぞれ同一の振動子の、同一方向の倒れを検出する圧電素
子の出力信号を処理する部分を変更すればよい。すなわ
ち、前述の実施の第1の形態では、振動子のX(Y)方
向の傾きを検出する圧電素子の出力信号から、振動子の
−X(−Y)方向の傾きを検出する圧電素子の出力信号
を減算していたが、振動子のX(Y)方向の傾きを検出
する圧電素子の出力信号と振動子の−X(−Y)方向の
傾きを検出する圧電素子の出力信号を加算することによ
って角速度信号を得ることができる。
【0115】具体的には、本実施の形態における検出回
路は、図14に示す様に、第1,第2の加減算回路19
0,220の機能のみを、前述の実施の第1の形態と変
更している。
【0116】第1の加減算回路190は、第1の振動子
2のX軸方向の傾きを検出する第1の圧電素子4aと第
1の振動子2の−X軸方向の傾きを検出する第3の圧電
素子4bとの和と、第2の振動子7のX軸方向の傾きを
検出する第5の圧電素子9aと第2の振動子7の−X軸
方向の傾きを検出する第7の圧電素子9bとの和の差を
とり、角速度信号として第1の出力端子190aに出力
する。また、該第1の加減算回路190は、第1の振動
子2のX軸方向の傾きを検出する第1の圧電素子4a
と、第1の振動子2の−X軸方向の傾きを検出する第3
の圧電素子4bとの差と、第2の振動子7のX軸方向の
傾きを検出する第5の圧電素子9aと第2の振動子7の
−X軸方向の傾きを検出する第7の圧電素子9bとの差
の和をとり、加速度信号として第2の出力端子190b
に出力する。
【0117】また同様に、第2の加減算回路220は、
第1の振動子2の−Y軸方向の傾きを検出する第2の圧
電素子4cと第1の振動子2のY軸方向の傾きを検出す
る第4の圧電素子4dとの和と、第2の振動子7の−Y
軸方向の傾きを検出する第6の圧電素子9cと第1の振
動子2のY軸方向の傾きを検出する第8の圧電素子9d
との和の差をとり、角速度信号として第1の出力端子3
0aに入力する。また、第1の加減算回路220は、第
1の振動子2のY軸方向の傾きを検出する第2の圧電素
子4cと第1の振動子2のY軸方向の傾きを検出する第
4の圧電素子4dとの差と、第2の振動子7の−Y軸方
向の傾きを検出する第7の圧電素子9cと第2の振動子
7の−Y軸方向の傾きを検出する第8の圧電素子9dと
の差の和をとり、加速度信号として第2の出力端子30
bに出力する。
【0118】第1,第2の加減算回路29a,29b,
30a,30bの出力信号を、前述の第1の実施の形態
と同様に、ローパスフィルタ20,23,25,27に
よって平滑化し、増幅回路21,24,26,28によ
り所定の増幅率で増幅することによって、X軸回りの角
速度信号とX軸方向の加速度信号、及び、Y軸回りの角
速度信号とY軸方向の加速度信号とを得ることができ
る。
【0119】以上述べてきた実施の第2の形態によれ
ば、コリオリ力の作用する方向の振動子の変位や歪みを
検出できるために、角速度に対して、より感度のよい出
力信号を得ることができる。
【0120】(実施の第3の形態)以上述べてきた本発
明の実施の第1及び第2の形態は、通常の機械加工によ
って製作することが前提となっていたが、本発明による
センサは、半導体製造技術を応用した、いわゆるマイク
ロマシニング技術を用いて製作することもできる。以
下、本発明の実施の第3の形態として、マイクロマシニ
ング技術を用いて製作する例を、図15を用いて説明す
る。
【0121】図15は本発明の実施の第3の形態に係る
センサの斜視図であり、図15において、101はシリ
コン基板、102は第1の振動子、103は第1の振動
ベース、104a,104b,104c,104dは第
1の振動ベース103を介して重り部であるところの第
1の振動子102を弾性支持するばね部、150a,1
50b,150c,150dは可動電極、107は第2
の振動子、108は第2の振動ベース、109a,10
9b,109c,109dは第2の振動ベース108を
介して重り部であるところの第2の振動子107を弾性
支持するばね部、110a,110b,110c,11
0dは可動電極、112は駆動回路、113は検出回路
である。
【0122】基板101は、シリコーンウエハに対して
CMOSプロセスによって回路を形成し、さらにエッチ
ングと膜成形によるサーフェイスマイクロマシニングを
施して作られており、該基板101上には、第1の振動
ベース103,第1乃至第4のばね部104a〜104
d,第1乃至第4の可動電極150a〜150d,第1
乃至第4の固定(駆動)電極106a〜106d(不図
示),第2の振動ベース108,第1乃至第4のばね部
109a〜109d,第1乃至第4の可動電極110a
〜110d、及び、第5乃至第8の固定電極111a〜
111d(不図示)が設けられており、第1の振動ベー
ス103は第1乃至第4のばね部104a〜104dに
よって基板101に対して弾性的に支持されている。ま
た、第2の振動ベース108は第5乃至第8のばね部1
09a〜109dによって基板101に対して弾性的に
支持されている。
【0123】第1,第2の振動ベース103,108に
は、例えばLIGAプロセスを応用して作られた第1,
第2の振動子102,107が接着や接合などの手段で
固定されている。
【0124】第1,第2の振動子102,107を弾性
支持する第1乃至第8のばね部104a〜104d、1
09a〜109dは、それぞれ長さ方向に対して左右に
屈曲したきゃしゃな形状をしており、このきゃしゃな形
状故に僅かな力によっても振動子102,107の傾く
量を大きくすることができる。つまり、大きな加振を与
えることが可能となる。
【0125】さらに、基板101上には、CMOSプロ
セスによって、駆動回路112と検出回路113が設け
られている。尚、基板101上には、電源端子と角速度
信号と加速度信号を出力する端子が設けられているが、
図15では図示していない。
【0126】また、第1乃至第4の可動電極150a〜
150dの第1の振動子102とは反対の面には、それ
ぞれ不図示の第1乃至第4の可動電極150a−1,1
50b−1,150c−1,150d−1が設けられて
おり、それぞれの電極は僅かな空隙を介して、不図示の
第1乃至第4の固定電極106a〜106dと対向する
ようになっており、第1乃至第4の150a−1,15
0b−1,150c−1,150d−1は一定の電圧に
なる様に電気的に接続されており、また、不図示の第1
乃至第4の固定電極106a〜106dは駆動回路11
2に接続され、ほぼ振動子102が旋回運動をする固有
振動数の信号が入力され、第1の振動子102は、第1
乃至第4の可動電極150a−1,150b−1,15
0c−1,150d−1と第1乃至第4の固定電極10
6a〜106dとの間で作用するクーロン力によって旋
回運動させられる。
【0127】同様に、第5乃至第8の可動電極110a
〜110dの第2の振動子107とは反対の面には、そ
れぞれ不図示の第5乃至第8の可動電極110a−1,
110b−1,110c−1,110d−1が設けられ
ており、それぞれの電極は、僅かな空隙を介して、不図
示の第5乃至第8の固定電極111a〜111dと対向
するようになっており、第5乃至第8の110a−1,
110b−1,110c−1,110d−1は一定の電
圧になる様に電気的に接続されており、また、不図示の
第5乃至第8の固定電極111a〜111dは駆動回路
112に接続され、ほぼ振動子107が旋回運動をする
固有振動数の信号が入力され、第2の振動子107は、
第5乃至第8の可動電極110a−1,110b−1,
110c−1,110d−1と第5乃至第8の固定電極
111a〜111dとの間で作用するクーロン力によっ
て旋回運動させられる。
【0128】また、第1〜第8のばね部には、それぞれ
第1乃至第8のピエゾ抵抗効果素子104a−1,10
4b−1,104c−1,104d−1,109a−
1,109b−1,109c−1,109d−1が、シ
リコン上にリンを拡散するなどの手段で設けられてお
り、ピエゾ抵抗効果素子の抵抗値を検出比較することに
よって、第1,第2の振動子102,107の図15に
示すA方向及びB方向の傾きをそれぞれ検出することが
できるようになっている。
【0129】この様にマイクロマシニングを応用した、
本発明の実施の第3の形態においては、センサを小型に
構成することができるのはもとより、精度の良い振動子
を多数作ることも容易であり、それぞれの振動子から検
出した信号の平均化を行うこともできるので、精度を高
めやすいという、独特の効果を有する。
【0130】また、本実施の形態においては、振動子の
傾きを検出するために、ピエゾ抵抗効果素子を用いてお
り、これは、ばね部に一体的に構成できるために、圧電
素子などを接着することによって生じる固有振動数のば
らつきを軽減でき、より高精度なセンサを実現できる。
また、ピエゾ抵抗効果素子は、インピーダンスを低くで
きるので、ノイズの少ない信号を得ることもできる。
【0131】尚、上記の実施の第3の形態においては、
第1〜第8の電極全てを駆動用の電極として用いたが、
例えば、第1,第2,第5,第6を駆動用として使用
し、第3,第4,第7,第8の電極を検出用電極とし
て、可動電極と固定電極間のコンデンサ容量を周知の容
量検出回路によって検出することで、センサを構成する
こともできる。
【0132】以上述べてきた様に、本発明の実施の第1
〜第3の形態によるセンサによれば、以下の様な効果を
有する。
【0133】1)圧電素子を、従来の様に振動子に設け
るのではなく、第1,第2の振動ベースに設けたり(実
施の第1及び第2の形態)、同じく検出素子であるピエ
ゾ抵抗効果素子を第1〜第8のばね部に設ける構造にし
ているため、振動子の形状や大きさを自由に決定するこ
とができ(図1の様に先端部を重くし、軸部を細くする
等)、センサの小型化に資することができる。
【0134】2)この様に振動子の大きさ等を自由に決
定することができるため、図1等に示す様に柱状の長さ
を長くすることで、該振動子の質量を大きくすることも
容易であり、角速度等の検出精度を良好なものにするこ
とができる。
【0135】3)第1,第2の振動子を支持する第1,
第2の振動ベースや第1〜第8のばね部は弾性を有する
ため、振動子に対して大きな加振を与えることができ、
上記の振動子の質量を大きくする事と相まって、上記振
動子の旋回運動を拡大させることができ、従来に比べて
はるかに精度の良い、角速度や加速度の検出を行うこと
が可能となる。
【0136】4)第1及び第2の振動子を所定の位相差
で互いに反対方向に振動子を旋回させて、それぞれの振
動子に加わるコリオリ力と加速度を検出するようにした
ので、感度の高い、2軸方向の角速度と加速度を検出で
きるという効果がある。
【0137】具体的には、第1と第2の振動子をそれぞ
れ逆方向に旋回させ、第1の軸もしくは第2の軸の回り
に角速度が生じると、振動子に作用するコリオリ力が該
振動子の旋回位置によって逆向きに作用することを利用
して、コリオリ力と加速度を分離するようにし、2軸方
向の角速度と加速度を検出するようにしたものである。
【0138】また、正転方向に旋回する振動子と、逆転
方向に旋回する振動子の旋回位相差を所定の設定にする
ことによって、旋回方向によって互いに逆向きに作用す
るコリオリ力による振動子の旋回軌跡の変化や歪みを、
同一時刻に比較し、サンプルホールドなどを行うことな
く、角速度を検出するようにしたものである。
【0139】また、正転方向に旋回する振動子と、逆転
方向に旋回する振動子の旋回位相差を所定の設定にする
ことによって、振動子を旋回運動させることによってセ
ンサに発生する振動を軽減し、比較的S/N比の良い検
出信号を得られるようにしたものである。
【0140】また、柱上の振動子を旋回運動させる方式
でありながら、角速度によるコリオリ力と、加速度を分
離できるようにしたことによってマイクロマシニングに
よって作成した、小型の振動子からも、比較的大きな出
力信号を得ることができるようにしたものである。
【0141】(実施の第4の形態)上記の実施の第1〜
第3の実施の形態においては、センサの振動体の構造を
主に説明し、実施の第1及び第2の実施の形態において
は、該振動体から出力される信号を処理して、角速度信
号及び加速度信号を得る為の回路構成についても説明し
た。しかし、前述の信号処理回路系においては、例えば
角速度信号の検出時を例にすると、図11(a)と
(b)の信号波形の違いから明らかな様に、X軸方向と
Y軸方向で異なった角速度信号(V4a−V9a,V4c−V
9c)が得られるため、各信号の検出精度はそれ程高いも
のではなかった。
【0142】そこで、より精度の高い角速度信号及び加
速度信号を得ることのできる信号処理回路系について、
以下に本発明の実施の第4の形態として説明する。
【0143】図16は本発明の実施の第4の形態に係る
センサの信号処理回路系、更に詳述すると、前述の駆動
回路112及び検出回路113の構成を示すブロック図
である。尚、センサの振動体の機械的構造は、図1と同
様であるので、その詳細は省略する。
【0144】図16において、駆動回路112は、所定
の周波数と位相でコイルに電流を流すための駆動回路で
あり、その構成は、図16に示す様に、発振回路114
と、sin波生成回路115と、第1のドライブ回路1
16と、cos波生成回路117と、第2のドライブ回
路118とにより構成され、図1に示す基板1上に設け
られている。そして、第1のドライブ回路116の出力
端子は、前述の第1のコイル6aと第3のコイル6c、
及び、第6のコイル11bと第8のコイル11dに接続
され、これらのコイルへの通電がなされるように接続さ
れている。また、第2のドライブ回路118の出力端子
は、前述の第2のコイル6bと第4のコイル6d、及
び、第5のコイル11aと第7のコイル11cに接続さ
れ、これらのコイルへの通電がなされるように接続され
ている。また、それぞれsin波生成回路115とco
s波生成回路117の出力端子は、検出回路113に接
続されている。
【0145】検出回路113は、前述の駆動回路112
中のsin波生成回路115の出力信号とcos波生成
回路116の出力信号を互いに処理することによって、
それぞれ図1に示した第1,第2の振動子2,7の検出
軸方向の加振信号を作り、これらの検出軸方向の加振信
号と、前述の第1〜第4の圧電素子4a〜4dの出力信
号から得られる、第1,第2の振動子2,7の検出軸方
向の振幅信号の差信号をそれぞれ作り、さらに、第1の
振動子2の差信号と第2の振動子7の差信号の差をと
り、その出力信号を所定のフィルタ処理をして、所定の
増幅率で増幅をすることによって角速度信号を出力し、
また、第1の振動子2の差信号と第2の振動子7の差信
号の和をとって、その出力信号を所定のフィルタ処理を
して、所定の増幅率で増幅をすることによって、加速度
信号を出力するように構成された回路である。
【0146】すなわち、検出回路113は、第1の信号
合成回路119と、第2の信号合成回路120と、第1
の反転増幅回路121と、第2の反転増幅回路122
と、第1〜第4の差動増幅器123,124,125,
126と、該第1〜第4の差動増幅器123〜126の
出力信号と第1の信号合成回路119,120の出力信
号の差をとる第1乃至第4の演算処理回路127,12
8,129,130と、前記第1の演算処理回路127
の出力信号と前記第2の演算処理回路128の出力信号
の差を出力する第1の信号処理回路131と、前記第1
の演算処理回路127の出力信号と前記第2の演算処理
回路128の出力信号の和を出力する第2の信号処理回
路132と、前記第3の演算処理回路129の出力信号
と前記第4の演算処理回路130の出力信号の差を出力
する第3の信号処理回路133と、前記第3の演算処理
回路129の出力信号と前記第4の演算処理回路130
の出力信号の和を出力する第4の信号処理回路134
と、第1のローパスフィルタ135と、第2のローパス
フィルタ136と、第3のローパスフィルタ137と、
第4のローパスフィルタ138と、第1の増幅回路13
9と、第2の増幅回路140と、第3の増幅回路141
と、第4の増幅回路142とにより構成される。
【0147】上記の構成より成る検出回路113の出力
端子は、センサ外部にX軸回りの角速度信号,X軸方向
の加速度信号と、Y軸回りの角速度信号,Y軸方向の加
速度信号とを出力する。
【0148】図16に示す本発明の実施の第4の形態に
おける駆動回路112において、発振回路114は、s
in波生成回路115とcos波生成回路117が、前
述のコイルに、第1,第2の振動体29,30をそれぞ
れの振動子2,7が傾く方向に共振させるような周波数
で信号を発生する周波数にその発振周波数を設定された
周知の発振回路であり、その出力端子は、sin波生成
回路115とcos波生成回路117のそれぞれの入力
端子に接続されている。
【0149】sin波生成回路115は、入力端子に入
力されるパルス信号に基づいてsin波を生成する、例
えばフリップフロック回路を用いた分周回路のような回
路であり、その出力は、第1のドライブ回路116の入
力端子に接続されている。
【0150】第1のドライブ回路116は、入力端子に
入力した信号を所定のゲインで増幅し、前述のコイルに
振動体を駆動するための電力を供給する回路である。
【0151】cos波生成回路117は、入力端子に入
力されるパルス信号に基づいて、前述のsin波生成回
路115とは90度位相の異なるcos波を生成する、
例えばフリップフロップ回路を用いた分周回路のような
回路であり、その出力は、第2のドライブ回路118の
入力端子に接続されている。
【0152】第2のドライブ回路118は、入力端子に
入力した信号を所定のゲインで増幅し、前述のコイルに
振動体を駆動するための電力を供給する回路である。
【0153】センサの電源(不図示)が投入されて、発
振回路114が所定の周波数のパルスを出力すると、s
in波生成回路115はsin波を、cos波生成回路
117はcos波を生成し、それぞれ第1,第2のドラ
イブ回路116,118よりコイルに通電が開始され
る。
【0154】第1のドライブ回路116と第2のドライ
ブ回路118から、それぞれsin波とcos波がコイ
ルに印加されると、前述のように、第1の振動体29と
第2の振動体30では、コイルとマグネットの関係が、
図1において、同一の通電をした場合に、傾き方向が逆
(B方向と−B方向)になるようになっており、また、
第1,第2の振動体29,30の共振周波数は一致して
いるので、第1の振動体29と第2の振動体30は入力
信号と共振し、第1,第2の振動子2,7は互いに逆方
向に旋回する。
【0155】さらにこの実施の形態においては、前述の
ようなコイルの接続をしているために、第1の振動子2
と第2の振動子7が旋回する際の位置的な位相差は、図
1に示したX軸方向では180度となり、また、Y軸方
向では同位相となる。
【0156】次に、本実施の第4の形態における検出回
路113について説明する。
【0157】図16において、4a,4b,4c,4
d、及び、9a,9b,9c,9dは図1において説明
した通り、振動子の傾きを検出するために、第1,第2
の振動ベース3,8の脚部に張り付けられた圧電素子で
あり、弾性を有する第1,第2の振動ベース3,8の脚
部が屈曲すると、その量に応じて、所定の電圧を出力す
る。
【0158】第1の信号合成回路119は、前述のsi
n波生成回路115の出力信号とcos波生成回路11
7の出力信号を合成することによって第1の振動子2の
X軸方向の加振信号を作り、第1の演算処理回路127
と第2の反転増幅回路122に出力する。第2の反転増
幅回路122は第1の信号合成回路119の出力信号の
符号を反転した信号を、第2の振動子7のX軸方向の加
振信号として第2の演算処理回路128に出力する。
【0159】第1の反転増幅回路121は、前述のsi
n波生成回路115の出力信号を符号反転し、その出力
信号は、第2の信号合成回路120の第1の入力端子に
入力される。第2の信号合成回路120の第2の入力端
子は、前述のcos波生成回路117の出力端子に接続
されており、該第2の信号合成回路120は、第1の反
転増幅回路121の出力信号とcos波生成回路117
の出力信号を合成することによって振動子2のY軸方向
の加振信号を作り、第3の演算処理回路129と第4の
演算処理回路130に出力する。
【0160】第1の差動増幅回路123は第1,第2の
入力端子を有し、第1,第2の入力端子に入力される信
号の差を出力する周知の差動増幅回路であり、該第1,
第2の入力端子は、第1の振動子2のX軸方向の傾きを
検出する、第1,第2の圧電素子4a,4bに接続され
ており、この第1,第2の圧電素子4a,4bの出力信
号の差をとり、第1の振動子2のX軸方向の傾きに対応
する信号として出力する。
【0161】第2の差動増幅回路124は第1,第2の
入力端子を有し、第1,第2の入力端子に入力される信
号の差を出力する周知の差動増幅回路であり、該第1,
第2の入力端子は、第2の振動子7のX軸方向の傾きを
検出する、第5,第6の圧電素子9a,9bに接続され
ており、この第5,第6の圧電素子9a,9bの出力信
号の差をとり、第2の振動子7のX軸方向の傾きに対応
する信号として出力する。
【0162】第3の差動増幅回路125は第1,第2の
入力端子を有し、第1,第2の入力端子に入力される信
号の差を出力する周知の差動増幅回路であり、該第1,
第2の入力端子は、第1の振動子2のY軸方向の傾きを
検出する、第1,第2の圧電素子4a,4bに接続され
ており、この第1,第2の圧電素子4a,4bの出力信
号の差をとり、第1の振動子2のY軸方向の傾きに対応
する信号として出力する。
【0163】第2の差動増幅回路126は第1,第2の
入力端子を有し、第1,第2の入力端子に入力される信
号の差を出力する周知の差動増幅回路であり、該第1,
第2の入力端子は、第2の振動子7のY軸方向の傾きを
検出する、第5,第6の圧電素子9a,9bに接続され
ており、この第5,第6の圧電素子9a,9bの出力信
号の差をとり、第2の振動子7のY軸方向の傾きに対応
する信号として出力する。
【0164】第1乃至第4の演算処理回路127,2
8,29,30は、それぞれ、第1,第2の入力端子と
1つの出力端子を有する周知の差動増幅回路である。
【0165】第1の演算処理回路127の第1の入力端
子には、前述の様に第1の振動子2のX軸方向の加振信
号に相当する信号が第1の信号合成回路119より入力
されており、第2の入力端子には、第1の差動増幅回路
123から第1の振動子2のX軸方向の傾きに対応する
信号が入力されており、該第1の演算処理回路127の
出力端子は、第1の信号処理回路131の第1の入力端
子と、第2の信号処理回路132の第2の入力端子に接
続されている。このように接続されることによって、第
1の演算処理回路127は、第1の振動子2のそれぞれ
X軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当す
る信号を、第1の信号処理回路131と第2の信号処理
回路132に出力する。
【0166】第2の演算処理回路128の第1の入力端
子には、前述の様に第2の振動子7のX軸方向の加振信
号に相当する信号が第2の反転増幅回路122より入力
されており、第2の入力端子には、第2の差動増幅回路
124から第2の振動子7のX軸方向の傾きに対応する
信号が入力されており、該第2の演算処理回路128の
出力端子は、第1の信号処理回路131の第2の入力端
子と第2の信号処理回路132の第1の入力端子に接続
されている。このように接続されることによって、第2
の演算処理回路128は、第2の振動子7のそれぞれX
軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当する
信号を、第1の信号処理回路131と第2の信号処理回
路132に出力する。
【0167】第3の演算処理回路129の第1の入力端
子には、前述の様に第1の振動子2のY軸方向の加振信
号に相当する信号が第2の信号合成回路122より入力
されており、第2の入力端子には、第3の差動増幅回路
125から第1の振動子2のY軸方向の傾きに対応する
信号が入力されており、該第3の演算処理回路129の
出力端子は、第3の信号処理回路133の第1の入力端
子と第4の信号処理回路134の第2の入力端子に接続
されている。このように接続されることによって、第3
の演算処理回路129は、第1の振動子2のそれぞれY
軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当する
信号を、第3の信号処理回路133と第4の信号処理回
路134に出力する。
【0168】第4の演算処理回路130の第1の入力端
子には、前述の様に第2の振動子7のY軸方向の加振信
号に相当する信号が第2の信号合成回路120より入力
されており、第2の入力端子には、第4の差動増幅回路
126から第2の振動子7のY軸方向の傾きに対応する
信号が入力されており、該第4の演算処理回路130の
出力端子は、第3の信号処理回路133の第2の入力端
子と第4の信号処理回路134の第1の入力端子に接続
されている。このように接続されることによって、第4
の演算処理回路130は、第2の振動子7のそれぞれY
軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当する
信号を、第3の信号処理回路133と第4の信号処理回
路134に出力する。
【0169】第1の信号処理回路131は周知の差動増
幅回路であり、第1,第2の入力端子と一つの出力端子
を有し、第1,第2の入力端子に入力された信号の差を
所定の増幅率で増幅し、出力端子に出力する回路であ
る。この第1の信号処理回路131の第1の入力端子に
は、第1の演算処理回路127より第1の振動子2のそ
れぞれX軸方向の加振信号と実際の振動の差に相当する
信号が入力されており、また、第2の入力端子には、第
2の振動子7のそれぞれX軸方向の加振信号と実際の振
動検出信号の差に相当する信号が入力されており、該第
1の信号処理回路131はこれらの差動増幅を行い、第
1のフィルタ回路135の入力端子に出力信号を出力す
る。
【0170】第1のフィルタ回路135は周知のローパ
スフィルタ回路であり、第1の信号処理回路131から
入力された信号の低周波成分のみを第1の増幅回路13
9に出力する。また、第1の増幅回路139は周知の増
幅回路であり、第1のローパスフィルタ回路135から
入力した信号を所定の増幅率で増幅して出力する。
【0171】このような構成によって、第1の増幅回路
139の出力端子からは、センサに加わるX軸周りの角
速度に相当する出力信号が得られる。
【0172】第2の信号処理回路132は周知の加算回
路であり、第1,第2の入力端子と一つの出力端子を有
し、第1,第2の入力端子に入力された信号の和を所定
の増幅率で増幅し、出力端子に出力する回路である。こ
の第2の信号処理回路132の第1の入力端子には、第
2の演算処理回路128より第2の振動子7のそれぞれ
X軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当す
る信号が入力されており、また、第2の入力端子には、
第1の振動子2のそれぞれX軸方向の加振信号と実際の
振動検出信号の差に相当する信号が入力されており、該
第2の信号処理回路132はこれらの加算を行い、第2
のフィルタ回路136の入力端子に出力信号を出力す
る。
【0173】第2のフィルタ回路136は周知のローパ
スフィルタ回路であり、第2の信号処理回路132から
入力された信号の低周波成分のみを第2の増幅回路14
0に出力する。また、第2の増幅回路140は周知の増
幅回路であり、第2のローパスフィルタ回路136から
入力した信号を所定の増幅率で増幅して出力する。
【0174】このような構成によって、第2の増幅回路
140の出力端子からは、センサに加わるX軸方向の加
速度に相当する出力信号が得られる。
【0175】第3の信号処理回路133は周知の差動増
幅回路であり、第1,第2の入力端子と一つの出力端子
を有し、第1,第2の入力端子に入力された信号の差を
所定の増幅率で増幅し、出力端子に出力する回路であ
る。この第3の信号処理回路133の第1の入力端子に
は、第3の演算処理回路129より第1の振動子2のそ
れぞれY軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に
相当する信号が入力されており、また、第2の入力端子
には、第2の振動子7のそれぞれY軸方向の加振信号と
実際の振動検出信号の差に相当する信号が入力されてお
り、が第3の信号処理回路133はこれらの差動増幅を
行い、第3のフィルタ回路137の入力端子に出力信号
を出力する。
【0176】第3のフィルタ回路137は周知のローパ
スフィルタ回路であり、第3の信号処理回路133から
入力された信号の低周波成分のみを第3の増幅回路14
1に出力する。また、第3の増幅回路141は周知の増
幅回路であり、第3のローパスフィルタ回路137から
入力した信号を所定の増幅率で増幅して出力する。
【0177】このような構成によって、第3の増幅回路
141の出力端子からは、センサに加わるY軸回りの角
速度に相当する出力信号が得られる。
【0178】第4の信号処理回路134は周知の加算回
路であり、第1,第2の入力端子と一つの出力端子を有
し、第1,第2の入力端子に入力された信号の和を所定
の増幅率で増幅し、出力端子に出力する回路である。こ
の第4の信号処理回路134の第1の入力端子には、第
4の演算処理回路130より第2の振動子7のそれぞれ
Y軸方向の加振信号と実際の振動検出信号の差に相当す
る信号が入力されており、また、第2の入力端子には、
第1の振動子2のそれぞれY軸方向の加振信号と実際の
振動検出信号の差に相当する信号が入力されており、該
第4の信号処理回路134はこれらの加算を行い、第4
のフィルタ回路138の入力端子に出力信号を出力す
る。
【0179】第4のフィルタ回路138は周知のローパ
スフィルタ回路であり、第4の信号処理回路134から
入力された信号の低周波成分のみを第4の増幅回路14
2に出力する。また、第4の増幅回路142は周知の増
幅回路であり、第4のローパスフィルタ回路138から
入力した信号を所定の増幅率で増幅して出力する。
【0180】このような構成によって、第4の増幅回路
142の出力端子からは、センサに加わるY軸方向の加
速度に相当する出力信号が得られる。
【0181】次に、本発明の実施の第4の形態における
センサの動作について、上記実施の第1の形態時に使用
した図4乃至図6を用いて説明する。
【0182】センサの電源が投入されて、前述の駆動回
路112内の発振回路114がパルスを出力すると、前
述のコイルがマグネットを吸引,反発することによって
第1の振動子2は、図4(a)に示す様に、X軸方向の
傾きがY軸方向の傾きよりも位相が90度進んだ振動成
分の運動を始める。このような運動は即ち第1の振動子
2の旋回運動であり、前述のコイルとマグネットの配置
とコイルの接続により、第1の振動子2は、図1におい
て、振動子の上から見て反時計回りの旋回をする。また
同様に、第2の振動子は、図4(b)に示す様に、X軸
方向の傾きがY軸方向の傾きよりも位相が90度遅れた
振動成分の運動を始める。このような運動は即ち第2の
振動子の旋回運動であり、前述のコイルとマグネットの
配置とコイルの接続により、第2の振動子7は、図1に
おいて、振動子の上から見て時計回りの旋回をする。
【0183】また、前述のコイルとマグネットの配置と
コイルの接続により、第1と第2の振動子2,7の旋回
運動は、Y軸方向の振動成分の位相が一致し、X軸方向
の振動成分の位相が180度旋回運動をする。
【0184】この振動子の運動を式で表すと、第1の振
動子2の先端部の座標(x1,y1)、及び、第2の振
動子7の先端部の座標(x2,y2)は、それぞれの振
動子の旋回中心を原点として、 (x1,y1)=(r・ cosωt,r・ sinωt) (x2,y2)=(−r・ cosωt,r・ sinωt) となる。
【0185】このような旋回運動をしている振動子が、
例えば、図1のX軸回りに矢印で示した方向に回転させ
られると、振動子の旋回運動の、Y軸方向の速度成分に
比例したコリオリ力がZ軸方向に作用する。第1の振動
子2を例にとって図5を用いて説明すると、第1の振動
子2が−X軸方向に最も傾いた位置での、第1の振動体
29のX軸方向の断面図のように、第1の振動子2には
−X軸方向に最も傾いた位置でZ方向のコリオリ力が最
も大きく加わる。また、図5とはX軸方向の反対位相に
当たる+X軸方向に最も傾いた位置で、−Z方向のコリ
オリ力が最も大きく加わる。また、Y軸回りの角速度が
なければY軸方向に最も傾いた位置ではコリオリ力は発
生しない。
【0186】このように旋回運動をしている振動子に、
1回転中に180度ずれた位置で、逆向きのコリオリ力
が作用するために振動子の旋回軌跡は、図6に示す様
に、一方側で振幅が大きくなり、他方側で振幅が小さく
なる。図5において、前述した様にfcはコリオリ力、
fsはコリオリ力の振動子を傾ける成分であり、θo は
コリオリ力が作用しない状態の振動子の旋回範囲、θo
´はコリオリ力が作用した際の振動子の旋回範囲を示し
ている。180度位相のずれた位置で逆向きのコリオリ
力が振動子に作用するために、コリオリ力の振動子を傾
ける成分の方向は同じ方向となり、それによって振動子
の旋回範囲が、θo からθo ´に傾く。
【0187】また、第2の振動子7も同様にコリオリ力
によって振動子の振動軌跡が一方側で振幅が大きくな
り、他方側で振幅が小さくなるが、振動子の旋回方向が
第1の振動子2とは逆であるために、コリオリ力の作用
する方向は逆になり、前述の第1の振動子2とは逆の方
向に一方側で振幅が大きくなり、他方側で振幅が小さく
なることになる。
【0188】また、同時にX軸方向に加速度が作用する
と、第1,第2の振動子2,7はそれぞれ−X軸方向に
傾くことになる。
【0189】このようにコリオリ力が作用したときの第
1の振動子2の先端部の座標(x1,y1)及び、第2
の振動子7の先端部の座標(x2,y2)は、X軸回り
の角速度をΦ、加速度をa、A,Bを定数とすると、 (x1,y1)=((r+A・Φ・ cosωt) cosωt
−B・a,r・ sinωt) (x2,y2)=((r−A・Φ・ cosωt) cosωt
−B・a,r・ sinωt) となる。
【0190】このような振動子の傾きは、第1乃至第8
の圧電素子4a〜4d,9a〜9dが、それぞれ図4に
図示した、第1,第2の圧電素子4a,4bと同様に撓
むことによって電圧を発生するので、その電圧を計るこ
とによって検出することができる。
【0191】圧電素子が撓むことにより発生する電圧に
より、第1の振動子2のX軸方向の傾きに対応する信号
を出力する第1の差動増幅回路123の出力信号Vx1
は Vx1=C・(r+A・Φ・ cosωt) cosωt−B・
a となり、第2の振動子7のX軸方向の傾きに対応する信
号を出力する第2の差動増幅回路124の出力信号Vx
2は Vx2=C・(r+A・Φ・ cosωt) cosωt−B・
a となり、第1の振動子2のY軸方向の傾きに対応する信
号を出力する第3の差動増幅回路125の出力信号は Vy1=C・r・ sinωt となり、第2の振動子7のY軸方向の傾きに対応する信
号を出力する第4の差動増幅回路126の出力信号は Vy2=C・r・ sinωt となる。
【0192】第1の信号合成回路129から出力される
第1の振動子2の、加振信号のX軸方向成分V1xと、
第2の信号合成回路120から出力される第1の振動子
2の、加振信号のY軸方向成分V1yは、kを信号合成
回路の増幅率を示す定数として、 (V1x,V1y)=(k・ cosωt,k・ sinωt) となり、第2の反転増幅回路122から出力される第2
の振動子の、加振信号のX軸方向成分V2xと、第2の
信号合成回路120から出力される第2の振動子の、加
振信号のY軸方向成分V2yは (V2x,V2y)=(−k・ cosωt,k・ sinω
t) となる。
【0193】第1乃至第4の演算処理回路127,12
8,129,130はそれぞれ第1乃至第4の差動増幅
回路123,124,125,126の出力信号から加
振信号を減算して出力するので、その出力信号V127
128 ,V129 ,V130 は、 V127 =C・(r+A・Φ・ cosωt) cosωt−B・
a−k・ cosωt V128 =−C・(r+A・Φ・ cosωt) cosωt−B
・a−(−k・ cosωt) V129 =C・r・ sinωt−k・ sinωt V130 =C・r・ sinωt−k・ sinωt となり、kを適切に設定、つまり「k=C・r」するこ
とによって、 V127 =C・A・Φ・cos2 ωt−B・a V128 =−C・A・Φ・cos2 ωt−B・a V129 =0 V130 =0 となる。
【0194】さらに、第1の信号処理回路131によ
り、第1の演算処理回路127の出力信号V127 から第
2の演算処理回路128の出力信号V128 の差をとるこ
とによって、第1の信号処理回路131の出力信号V
131 は、 V131 =2・A・Φ・cos2 ωt となり、この信号を第1のローパスフィルタ135を通
し、第1の増幅回路139で所定の増幅率Gで増幅する
ことによって、センサの出力となる第1の増幅回路13
9の出力信号V39は、 V139 =G・Ф となり、この信号は、センサに加わるX軸回りの角速度
信号となる。
【0195】さらに、第2の信号処理回路132が、第
1の演算処理回路127の出力信号V127 と第2の演算
処理回路128の出力信号V128 の和をとることによっ
て、該第2の信号処理回路132の出力信号V132 は、 V32=−2・B・a となり、この信号を第2のローパスフィルタ36を通
し、第2の増幅回路140で所定の増幅率Fで増幅する
ことによって、センサの出力となる第2の増幅回路14
0の出力信号V140 は、 V140 =F・a となり、この信号は、センサに加わるX軸方向の加速度
信号となる。
【0196】ここまで、センサのX軸回りの角速度と、
X軸方向の加速度が加わった場合について説明してきた
が、センサのY軸回りの角速度と、Y軸方向の加速度が
加わった場合もまったく同様の検出が行われ、第3の増
幅回路141の出力信号V141 はY軸回りの角速度信号
となり、また、第4の増幅回路142の出力信号V142
はY軸方向の加速度の信号となる。
【0197】(実施の第5の形態)前述した実施の第4
の形態においては、角速度の検出においても、加速度の
検出においても、振動検出信号と加振信号の差をとった
信号を減算又は加算して出力信号を得たが、角速度の検
出のみに振動検出信号と加振信号の差の信号を用い、加
速度の検出には振動検出信号のみを用いてもよい。
【0198】そこで、角速度の検出のみに振動検出信号
と加振信号の差の信号を用いて、加速度の検出には、振
動検出信号を信号処理して検出を行う例を、本発明の実
施の第5の形態として、以下に図17を用いて説明す
る。
【0199】この実施の第5の形態においても、センサ
の機械的な構成は、前述の実施の第1の形態と同じであ
るので、その詳細は省略する。
【0200】図17は本発明の実施の第5の形態に係る
センサの振動回路112及び検出回路113の構成を示
すブロック図であり、上記の実施の第5緒形態である図
16と同一構成部分には同一の符号を付し、その説明は
省略する。
【0201】図17において、第1の演算処理回路15
1は第1,第2,第3,第4の入力端子を有し、第1の
入力端子には、第1の振動子2の加振信号のX成分(V
1x)が第1の信号合成回路129から入力され、第2
の入力端子には、第2の振動子7の加振信号のX成分
(V2x)が第2の反転増幅回路122から入力され、
第3の入力端子には、第1の振動子2のX軸方向の振動
検出信号Vx1が、第1の差動増幅回路123から入力
され、第4の入力端子には、第2の振動子7のX軸方向
の振動検出信号Vx2が、第2の差動増幅回路124か
ら入力されている。
【0202】前記第1の演算処回路151は、第3の入
力端子に入力される第1の振動子2のX軸方向の振動成
分の検出信号Vx1から、第1の入力端子に入力される
第1の振動子2の加振信号のX成分の信号V1xを減算
し、これを第1の差信号とし、第4の入力端子に入力さ
れる第2の振動子7のX軸方向の振動成分の検出信号V
x2から第2の入力端子に入力される第2の振動子7の
加振信号のX成分の信号V2xを減算し、これを第2の
差信号とし、前記第1の差信号から第2の差信号を減算
した結果(V151 )を、第1のローパスフィルタ135
にX軸回りの角速度信号として出力する。
【0203】また、第2の演算処理回路152は第1,
第2の入力端子を有し、第1の入力端子には、第1の振
動子2のX軸方向の振動検出信号Vx1が第1の差動増
幅回路123から入力され、第2の入力端子には、第2
の振動子7のX軸方向の振動検出信号Vx2が第2の差
動増幅回路124から入力されており、第1の振動子2
のX軸方向の振動検出信号Vx1から第2の振動子7の
X軸方向の振動検出信号Vx2を減算した信号を、X軸
方向の加速度を示す信号として第2のローパスフィルタ
136に出力する。
【0204】また同様に、第3の演算処理回路153は
第1,第2,第3,第4の入力端子を有し、第1の入力
端子には、第1の振動子2の加振信号のY成分(V1
y)が第2の信号合成回路120から入力され、第2の
入力端子には、第2の振動子7の加振信号のY成分(V
2y)が第2の信号合成回路120から入力され、第3
の入力端子には、第1の振動子2のY軸方向の振動検出
信号Vy1が第3の差動増幅回路125から入力され、
第4の入力端子には、第2の振動子7のY軸方向の振動
検出信号Vy2が第4の差動増幅回路126から入力さ
れている。
【0205】前記第3の演算処理回路153は、第3の
入力端子に入力される第1の振動子2のY軸方向の振動
成分の検出信号Vy1から、第1の入力端子に入力され
る第1の振動子2の加振信号のY成分の信号V1yを減
算し、これを第1の差信号とし、第4の入力端子に入力
される第2の振動子7のY軸方向の振動成分の検出信号
Vy2から第2の入力端子に入力される第2の振動子7
の加振信号のY成分の信号V2yを減算し、これを第2
の差信号とし、前記第1の差信号から第2の差信号を減
算した結果(V153 )を、第3のローパスフィルタ13
7にY軸回りの角速度信号として出力する。
【0206】また、第4の演算処理回路154は第1,
第2の入力端子を有し、第1の入力端子には、第1の振
動子2のY軸方向の振動検出信号Vy1が第3の差動増
幅回路125から入力され、第2の入力端子には、第2
の振動子7のY軸方向の振動検出信号Vy2が第4の差
動増幅回路126から入力されており、第1の振動子2
のY軸方向の加速度を示す信号(V154 )として、第4
のローパスフィルタ138に出力する。
【0207】このように構成したために、本発明の実施
の第5の形態においては、加速度検出を行う際の信号処
理回路が、前述の実施の第1の形態よりも1段少なくす
ることができるため、ノイズの影響を受けにくくでき、
精度の高い加速度検出ができるという特徴がある。
【0208】(実施の第6の形態)以上述べてきた本発
明の実施の第4及び第5の形態は、振動子の振動状態の
変化を信号処理して検出信号を得ていたが、振動子が一
定の振動をするように制御して、その制御信号を処理す
ることによって角速度信号と加速度信号とを得るいわゆ
るサーボ型のセンサにすることもできる。
【0209】また、前述の本発明の実施の第4及び第5
の形態においては、振動子を加振する方向と、振動子の
動作を検出する方向がずれているのを整合させるため
に、加振信号を合成して、加振信号の検出方向の成分を
求めるようにしていたが、検出信号を合成することによ
って、加振信号と検出信号の方向の違いを整合させるこ
ともできる。
【0210】さらに、以上述べてきた本発明の実施の第
4及び第5の形態は、通常の機械加工によって製作する
ことが前提となっていたが、本発明によるセンサは、半
導体製造技術を応用した、いわゆるマイクロマシニング
技術を用いて製作することもできる。以下、本発明の実
施の第6の形態として、マイクロマシニング技術を用い
て製作されたセンサについて、図18を用いて説明す
る。
【0211】尚、マイクロマシニング技術を用いて製作
されたセンサの構造は、上記実施の第3の形態において
示した図15と同様であるので、その詳細については省
略し、又図15と同じ部分には同一符号を付してある。
【0212】図18において、214は発振回路、21
5はsin波生成回路、217はcos波生成回路、2
71,272,273,274はサーボ回路、217,
218,219,220は反転増幅回路である。以上に
より、駆動回路112を構成する。
【0213】201,202,203,204,20
5,206,207,208はバイアス抵抗、224,
225,226,227は差動増幅回路、228,22
9,230,232は演算処理回路、232,233,
234,235は前述の実施の第4の形態で説明した信
号処理回路と同様の信号処理回路、236,237,2
38,239は前述の実施の第4の形態で説明したロー
パスフィルタと同様のローパスフィルタ、240,24
1,242,243は前述の実施の第4の形態で説明し
た増幅回路と同様の増幅回路である。以上の各回路及び
前述のサーボ回路271〜274により、検出回路11
2を構成する。尚、280はバイアス電源である。
【0214】第1,第2,第3,第4のサーボ回路27
1,272,273,274は周知のサーボ回路であ
り、第1,第2の入力端子と出力端子を有し、第1,第
2の入力単身に入力される信号の差に応じた出力信号を
出力する。
【0215】第1,第2,第3,第4の差動増幅回路2
24,225,226,227は周知の差動増幅回路で
あり、第1,第2の入力端子と出力端子を有しており、
それぞれの入力端子には、第1もしくは第2の振動子1
02,107のA方向又はB方向のピエゾ抵抗効果素子
とバイアス抵抗のそれぞれが接続されており、これら差
動増幅回路はそれぞれ第1もしくは第2の振動子10
2,107のA方向もしくはB方向の傾きに相当する信
号を出力する。
【0216】第1,第2の演算処理回路228,229
は周知の加算回路であり、第1,第2の入力端子と出力
端子を有し、第1,第2の入力端子に入力した信号を加
算して、その加算信号を出力端子より出力する回路であ
る。第3,第4の演算処理回路230,231は周知の
減算回路であり、第1,第2の入力端子を有し、第1
(第2)の入力端子に入力した信号から第2(第1)の
入力端子に入力した信号を減算した信号を出力端子より
出力する回路である。
【0217】次に、この実施の第6の形態における動作
について説明する。
【0218】発振回路214が発振を始めると、sin
波生成回路215はsin波を第1,第2のサーボ回路
271,272に出力し、第1,第2のサーボ回路27
1,272は、この時には振動子がまだ振動しておら
ず、第1,第2の演算処理回路228,229からの入
力信号が0である為に、それぞれ第1,第2の振動子1
02,107を加振するために設けられた、固定電極1
06a,106c,111c,111a(図15では不
図示)への通電を開始する。それぞれの固定電極に電圧
が印加され、可動電極との間にクーロン力が作用するこ
とにより、第1,第2の振動子102,107は、図1
5中に示すX軸方向にsin状に加振される。
【0219】また同様に、cos波生成回路216はc
os波を第3,第4のサーボ回路273,274に出力
し、第3,第4のサーボ回路273,274は、この時
には振動子がまだ振動しておらず、第3,第4の演算処
理回路130,131からの入力信号が0である為に、
それぞれ第1,第2の振動子102,107を加振する
ために設けられた、固定電極106b,106d,11
1b,111d(図15では不図示)への通電を開始す
る。それぞれの固定電極に電圧が印加され、可動電極と
の間にクーロン力が作用することにより、第1,第2の
振動子102、107は、図15中に示すY軸方向にc
os状に加振される。また、第1の振動子102と第2
の振動子とでは、同じ極性で接続される電極が、X軸方
向で振動子を挟んで反対側の、例えば可動電極150a
−1と対向する固定電極106aと可動電極110c−
1と対向する固定電極111cになっているために、第
1,第2の振動子は互いに逆方向に旋回する。
【0220】第1,第2の振動子102,108が旋回
し始めると、それぞれ第1、第2の振動子102,10
7の振動ベース103,105を弾性支持しているばね
部が歪み、ばね部に設けられた前述のピエゾ抵抗の抵抗
値が変化し、第1の差動増幅回路224は、第1の振動
子102のA方向の傾きに相当する信号を出力し、第2
の差動増幅回路225は、第2の振動子107のA方向
の傾きに相当する信号を出力し、第3の差動増幅回路2
26は、第1の振動子102のB方向の傾きに相当する
信号を出力し、第4の差動増幅回路227は、第2の振
動子107のB方向の傾きに相当する信号を出力する。
【0221】第1の演算処理回路228は、第1の差動
増幅回路224から入力される、第1の振動子のA方向
の傾きに相当する信号と、第3の演算処理回路226か
ら入力される、第1の振動子のB方向の傾きに相当する
信号を加え合わせ、第1の振動子102のX軸方向の傾
きに相当する信号を、第1のサーボ回路271の入力端
子に出力し、第1のサーボ回路271は、第1の振動子
102のX軸方向の振動が、sin波生成回路215か
らの入力信号に相当する振動になるように固定電極への
出力信号を制御する。
【0222】第2,第3,第4の演算処理回路229,
230,231も同様に、第2の演算処理回路229は
第1の振動子107のX軸方向の傾きに相当する信号を
出力し、第3の演算処理回路129は第2の振動子10
7のY軸方向の傾きに相当する信号を出力し、第4の演
算処理回路231は第2の振動子107のY軸方向の傾
きに相当する信号を出力する。そして、第2,第3,第
4のサーボ回路272,273,274もそれぞれ入力
されたsin波やcos波と実際の振動が対応する様
に、第1,第2の振動子102,107の振動を制御す
る。
【0223】この時、第1,第2,第3,第4のサーボ
回路271〜274の出力信号は、加振信号と実際に振
動子が振動している軌跡との差になるので、この信号
を、前述の実施の第4の形態と同様に、信号処理回路2
32,233,234,235とローパスフィルタ23
6,237,238,239と、増幅回路240,24
1,242,243を介することによって、X軸回りと
Y軸回りの角速度と、X軸方向とY軸方向の加速度をそ
れぞれ得ることができる。
【0224】この様にマイクロマシニングを応用した、
本発明の実施の第4の形態においては、センサを小型に
構成することができるのはもとより、これまで説明して
きた様な、振動子を2つにする必然性はなく、精度の良
い振動子を多数作ることも用意であり、それぞれの振動
子から検出した信号の平均化を行うこともできるので、
精度を高め易いという、独特の効果を有する。
【0225】以上の実施の第4〜第6の形態によるセン
サは、振動子を複数設け、所定の位相差で互いに反対方
向に振動子を旋回させて、それぞれの振動子に加わるコ
リオリ力と加速度を検出するようにしたので、感度が高
く、しかもS/N比の高い、2軸の角速度と加速度を検
出できるという効果がある。
【0226】また、振動子の傾きを検出するために、ピ
エゾ抵抗効果素子を用いており、これは、ばね部に一体
的に構成できるために、圧電素子などを接着することに
よって生じる固有振動数のばらつきを軽減でき、より高
精度なセンサを実現できる。また、ピエゾ抵抗効果素子
は、インピーダンスを低くできるので、ノイズの少ない
信号を得ることもできる。
【0227】更に、サーボ型のセンサとしていることに
より、感度の高いセンサにすることができる。
【0228】また、マイクロマシニングで作ったセンサ
を、サーボ型のセンサとして構成した為に、駆動に使用
する電極の間隔を狭くすることができ、低い電圧でも強
力なクーロン力が得られ、結果として、少ない電力で、
高い検出感度を得ることができる。
【0229】さらに、振動子が旋回運動をする為に、ケ
ースに収納した際に、定在波がたちにくく、安定した性
能を得ることができる。
【0230】以上の実施の第4〜第6の形態によるセン
サは、振動子を複数設け、所定の位相差で互いに反対方
向に振動子を旋回させて、それぞれの振動子に加わるコ
リオリ力と加速度を検出するようにしたので、感度が高
く、しかもS/N比の高い、2軸の角速度と加速度を検
出できるという効果がある。
【0231】(発明と実施の形態の対応)上記実施の第
4〜第6の形態において、第1,第2の振動ベース3,
8、第1,第2の振動ベース103,108及びばね部
104a〜104d,109a〜109dが本発明の支
持手段に、第1及び第2の振動子2,7又は102,1
07が本発明の重り部に、112,第1〜第8のマグネ
ット5a〜5d,10a〜10d、第1〜第8のコイル
6a〜6d,11a〜11d、可動電極150a〜15
0d,110a〜110d,固定電極106a〜106
d,111a〜11dが本発明の駆動手段に、検出回路
113が本発明の検出手段に、それぞれ相当する。
【0232】また、予定旋回面とは、角速度及び加速度
が加わっていない時の振動子の旋回軌跡の面をいう。以
上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係で
あるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限定され
るものではなく、請求項で示した機能、又は実施の形態
がもつ機能が達成できる構成であればどのようなもので
あってもよいことは言うまでもない。
【0233】(変形例)上記実施の各形態においては、
何れも振動子(振動体)を二つ備えたものを例にしてき
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの
みであっても、又二つ以上の振動子を具備したセンサで
あってもよい。そして、二つ以上の振動子を具備した場
合、例えば第1〜第4の振動子を備えた場合には、第1
の振動子と第3の振動子の検出軸回り(あるいは検出軸
方向)の傾きの信号を加算して平均化した信号と、第2
の振動子と第4の振動子の検出軸回り(あるいは検出軸
方向)の傾きの信号を加算して平均化した信号とを、図
16〜図18の信号処理回路系へ出力することにより、
二つの振動子を備えた場合に比べて、より精度の高い角
速度信号(加速度信号)を得ることが期待できる(各出
力を平均化する事により、ペアとなる振動子個々の構造
上のバラツキや、各素子,抵抗のバラツキ等を低減化で
きる為)。
【0234】また、本発明の実施の各形態においては、
それぞれ2軸の角速度と加速度を検出する様にしていた
が、本発明によるセンサは、1軸回りの角速度と1軸方
向の加速度の検出や、1軸回りの角速度と2軸方向の加
速度の検出等を可能にする構成であってもよい。具体的
には、例えば図1の振動子をX軸方向にのみそれぞれ逆
方向に振動させ、該X軸回りの角速度信号や該X軸方向
の加速度信号を得る様にしてもよい。
【0235】また、上記の実施の第4〜第6の形態にお
ける信号処理回路系は、必ずしも図1や図15に示す様
な、片持ち支持される振動子についてのみ有効なもので
はなく、両端が支持された振動子を持つセンサに対して
も(従って、振動子の形状も柱状に限るものではなく、
平面的に支持される球状等であっても良い)、さらに
は、支持部材に逆方向に片持ちされた振動子を持つセン
サに対しても、これらの実施の形態において述べたのと
同様の種々の効果を得ることができるものである。
【0236】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
重り部を旋回させる予定旋回面に平行な1軸もしくは2
軸回りの角速度成分を除いた、S/Nの良い加速度信号
を出力することができるセンサを提供できるものであ
る。
【0237】また、本発明によれば、重り部を旋回させ
る予定旋回面に平行な1軸もしくは2軸回りの角速度成
分を除いた、S/Nの良い加速度信号を出力すると共
に、前記1軸もしくは2軸方向の加速度成分を除いた、
S/Nの良い角速度を出力することができるセンサを提
供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るセンサの構成
を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係るセンサの駆動
回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係るセンサの検出
回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した第1の振動子と第2の振動子の動
きを、該振動子の傾きとして示した波形図である。
【図5】図1に示した第1,第2の振動子に作用するコ
リオリ力を説明する為の図である。
【図6】図1に示した第1,第2の振動子に作用するコ
リオリ力によって旋回軌跡が傾く様子を説明する為の図
である。
【図7】図1のセンサの静止時における各圧電素子の出
力波形を示す図である。
【図8】図1のセンサにX軸回りの角速度が加わった際
の各圧電素子の出力波形について説明する為の図であ
る。
【図9】図1のセンサにY軸回りの角速度が加わった際
の各圧電素子の出力波形について説明する為の図であ
る。
【図10】図1のセンサにX,Y軸方向に加速度が加わ
った際の各圧電素子の出力波形について説明する為の図
である。
【図11】図1のセンサにX,Y軸回りの角速度が加わ
った際の検出回路内の各部の出力波形について説明する
為の図である。
【図12】図1のセンサにX,Y軸方向の加速度が加わ
った際の検出回路内の各部の出力波形について説明する
為の図である。
【図13】本発明の実施の第2の形態に係るセンサの振
動子に作用するコリオリ力について説明する為の図であ
る。
【図14】本発明の実施の第2の形態に係るセンサの検
出回路の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の第3の形態に係るセンサの構
成を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施の第4の形態に係るセンサの駆
動回路及び検出回路を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の第5の形態に係るセンサの駆
動回路及び検出回路を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の第6の形態に係るセンサの駆
動回路及び検出回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 第1の振動子 3 第1の振動ベース 4a〜4d 圧電素子 5a〜5d マグネット 6a〜6d コイル 7 第2の振動子 9a〜9d 圧電素子 10a〜10d マグネット 11a〜11d コイル 107 第1の振動子 110a〜110d 可動電極 112 駆動回路 113 検出回路 114 発振回路 115 cos波生成回路 117 sin波生成回路 119,120 信号合成回路 123〜126 差動増幅回路 127〜130 演算処理回路 131〜134 信号処理回路 135〜138 ローパスフィルタ 139〜142 増幅回路 150a〜150d 可動電極 151〜154 演算処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 進 愛知県名古屋市天白区天白町大字島田字黒 石4006

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持手段と、前記支持手段の同一方向に
    片持ち支持又は平面的に支持される複数の重り部と、前
    記重り部の少なくとも一つを第1の方向に旋回させ、残
    りの重り部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に旋回
    させるための駆動手段と、前記駆動手段が前記重り部を
    旋回させる予定旋回面に平行な軸上での該予定旋回面に
    対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡
    のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部の旋回軌
    跡のずれの和を演算し、前記軸回りの角速度成分を除い
    た該軸方向の加速度を検出するための検出手段とを有す
    ることを特徴とするセンサ。
  2. 【請求項2】 支持手段と、前記支持手段の逆方向に片
    持ち支持される複数の重り部と、前記複数の重り部を同
    一方向に旋回させるための駆動手段と、前記駆動手段が
    前記複数の重り部を旋回させる予定旋回面に平行な軸上
    での該予定旋回面に対する、前記支持手段の逆方向に片
    持ち支持される前記複数の重り部のそれぞれの旋回軌跡
    のずれの和を演算し、前記軸回りの角速度成分を除いた
    該軸方向の加速度を検出するための検出手段とを有する
    ことを特徴とするセンサ。
  3. 【請求項3】 支持手段と、前記支持手段の同一方向に
    両持ち支持される複数の重り部と、前記重り部の少なく
    とも一つを第1の方向に旋回させ、残りの重り部を前記
    第1の方向とは逆の第2の方向に旋回させるための駆動
    手段と、前記駆動手段が前記重り部を旋回させる予定旋
    回面に平行な軸上での該予定旋回面に対する前記第1の
    方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれと前記第2
    の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれの和を演
    算し、前記軸回りの角速度成分を除いた該軸方向の加速
    度を検出するための検出手段とを有することを特徴とす
    るセンサ。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記軸上での該予定旋
    回面に対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の旋
    回軌跡のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部の
    旋回軌跡のずれの差を演算し、前記軸方向の加速度成分
    を除いた該軸回りの角速度を検出することを特徴とする
    請求項1又は3記載のセンサ。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、前記軸上での該予定旋
    回面に対する、前記支持手段の逆方向に片持ち支持され
    る前記複数の重り部のそれぞれの旋回軌跡のずれの差を
    演算し、前記軸方向の加速度成分を除いた該軸回りの角
    速度を検出することを特徴とする請求項2記載のセン
    サ。
  6. 【請求項6】 支持手段と、前記支持手段の同一方向に
    片持ち支持又は平面的に支持される複数の重り部と、前
    記重り部の少なくとも一つを第1の方向に旋回させ、残
    りの重り部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に旋回
    させるための駆動手段と、前記駆動手段が前記重り部を
    旋回させる予定旋回面に平行な2軸上での該予定旋回面
    に対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の旋回軌
    跡のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部の旋回
    軌跡のずれの和を演算し、前記2軸回りの角速度成分を
    除いた該2軸方向の加速度を検出するための検出手段と
    を有することを特徴とするセンサ。
  7. 【請求項7】 支持手段と、前記支持手段の逆方向に片
    持ち支持される複数の重り部と、前記前記複数の重り部
    を同一方向に旋回させるための駆動手段と、前記駆動手
    段が前記重り部を旋回させる予定旋回面に平行な2軸上
    での該予定旋回面に対する、前記支持手段の逆方向に片
    持ち支持される前記複数の重り部のそれぞれの旋回軌跡
    のずれの和を演算し、前記2軸回りの角速度成分を除い
    た該2軸方向の加速度を検出するための検出手段とを有
    することを特徴とするセンサ。
  8. 【請求項8】 支持手段と、前記支持手段の同一方向に
    両持ち支持される複数の重り部と、前記重り部の少なく
    とも一つを第1の方向に旋回させ、残りの重り部を前記
    第1の方向とは逆の第2の方向に旋回させるための駆動
    手段と、前記駆動手段が前記重り部を旋回させる予定旋
    回面に平行な2軸上での該予定旋回面に対する前記第1
    の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれと前記第
    2の方向に旋回する前記重り部の旋回軌跡のずれの和を
    演算し、前記2軸回りの角速度成分を除いた該2軸方向
    の加速度を検出するための検出手段とを有することを特
    徴とするセンサ。
  9. 【請求項9】 前記検出手段は、前記2軸上での該予定
    旋回面に対する前記第1の方向に旋回する前記重り部の
    旋回軌跡のずれと前記第2の方向に旋回する前記重り部
    の旋回軌跡のずれの差を演算し、前記軸方向の加速度成
    分を除いた該2軸回りの角速度を検出することを特徴と
    する請求項5又は7記載のセンサ。
  10. 【請求項10】 前記検出手段は、前記2軸上での該予
    定旋回面に対する、前記支持手段の逆方向に片持ち支持
    される前記複数の重り部のそれぞれの旋回軌跡のずれの
    差を演算し、前記2軸方向の加速度成分を除いた該2軸
    回りの角速度を検出することを特徴とする請求項7記載
    のセンサ。
  11. 【請求項11】 前記複数の重り部をそれぞれ旋回させ
    る為の加振信号を生成し、前記駆動手段に出力する信号
    発生手段を有し、 前記検出手段は、前記信号発生手段の出力である加振信
    号に基づいて、該加振信号の、検出軸方向の振動成分を
    生成する加振信号成分生成手段と、前記第1の方向に旋
    回する重り部に作用する力を検出する第1の検出手段の
    出力である第1の検出信号に基づいて、該第1の検出信
    号の、検出軸方向の、信号成分を生成する第1の検出信
    号成分生成手段と、前記第2の方向に旋回する重り部に
    作用する力を検出する第2の検出手段の出力である第2
    の検出信号に基づいて、該第2の検出信号の、前記検出
    軸方向の信号成分を生成する第2の検出信号成分生成手
    段と、前記加振信号成分生成手段の出力信号と前記第1
    の検出信号成分生成手段の出力信号の差を算出する第1
    の演算手段と、前記加振信号成分生成手段の出力信号と
    前記第2の検出信号成分生成手段の出力信号の差を算出
    する第2の演算手段と、前記第1の演算手段の出力信号
    と前記第2の演算手段の出力信号の和を算出する第3の
    演算手段と、該第3の演算手段の出力信号の高周波成分
    を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの
    出力信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段とを具備し
    ていることを特徴とする請求項1,2,3,6,7又は
    8記載のセンサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101900745A (zh) * 2009-05-29 2010-12-01 索尼公司 角速度传感器、角速度信号的放大电路和方法、电子设备

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