JP5423268B2 - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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本発明はプリンタ、複写機、ファックス等、画像形成装置における、用紙に形成されたトナー画像を定着する定着装置に関するものである。
従来、画像形成装置において、シート部材たる用紙に転写されたトナー像を定着させる装置として、ハロゲンヒータなどを内蔵した定着ローラと、当該定着ローラを加圧する加圧ローラとで形成されたニップ部によって、未定着トナー像を有した用紙を侠持搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式が知られ、広く採用されている。
また、無端状の定着ベルトを、ハロゲンヒータなどを内蔵した加熱ローラと、定着ローラとで張架し、定着ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧ローラと定着ベルトとにで形成されたニップ部によって、未定着トナー像を有した用紙を侠持搬送しながら、加熱・加圧するベルト定着方式も知られている。このような定着ベルト方式は定着ベルトの熱容量が小さいのでウォーミングアップタイムを短縮でき、省エネになるという利点を有している。
以上の定着方式では、用紙に融着したトナー像が定着ローラ/定着ベルトに接触するので、定着ローラ/定着ベルトは、離型性に優れたフッ素系樹脂を表面にコーティングされ、用紙分離に分離爪が用いられている。この場合、分離爪の大きな欠点は、ローラやベルトに爪先端が接触するためにローラやベルトの表面に爪跡(爪キズ)をつけ易く、その場合には出力された用紙上の画像にスジが発生するということである。
一般的に、モノクロ画像形成装置の場合、定着ローラは金属ローラの表面にテフロン(登録商標)コーティングしたものであり、分離爪が接触しても傷に成り難く、寿命も長かった。しかしながら、カラー画像形成装置の場合には、色の発色性をよくするために、表層をシリコーンゴムにフッ素コートしたもの(一般的には数十ミクロン程度のPFAチューブを使用する)か、シリコーンゴムの表面にオイルを塗布したものを使用している。このような構成では表層が軟らかく傷がつき易い。表層に傷がつくと定着画像にスジ状の傷が生じることから、今ではカラー画像形成装置では分離爪のような接触手段をほとんど用いず、大半は非接触分離を行っている。非接触分離では、トナーと定着ローラとの粘着力が高いと定着後の用紙がローラに巻きつくため、容易に巻き付きジャムが発生するようになる。特にカラー画像形成では、幾層ものトナー層が積層されており、粘着力が高まるために巻き付きジャムが発生し易い。
現在、カラー画像形成装置における用紙分離では主に次の方式が用いられている。
(1) 定着ローラ/ベルトとの間に微小なギャップ(約0.2mm〜1.0mm)を空け、定着ローラ/定着ベルトの長手方向/幅方向に並行に延在する分離板を用いる非接触分離板方式;
(2) 定着ローラ/定着ベルトとの間に微小なギャップ(約0.2mm〜1.0mm)を空け、所定間隔に配された分離爪を用いる非接触分離爪方式;
(3) 用紙のコシの強さと定着ローラ/定着ベルトの湾曲部弾性とで自然に剥離させるようにしたセルフストリッピング方式。
しかしながら、いずれの方式でも、定着出口への用紙案内板と定着ローラ/定着ベルトの間に隙間が開いているため、薄紙や先端余白が少ない用紙を通紙するとき、あるいは写真などのベタ画像を通紙するときは、用紙が定着ローラ/定着ベルトに密着したまま隙間を通過して、用紙巻き付きジャムが発生したり、分離板や分離爪に突き当たってジャムが発生することがある。
そこで、非接触の分離手段を強力なものにする機構として、空気を用紙分離位置に吹き付けることが提案され、使用に供されている。そのような提案は、たとえば、特許文献1,2,3,4,5,6にそれぞれ開示されている。
これらは、空気を、用紙の定着後にトナー像と定着部材の間に吹き付け、用紙を強制的に定着部材から剥離するものであるが、近年のカラー電子写真用トナーに代表される高光沢トナーを高付着量で用いると、空気を吹き付けた箇所と吹き付けなかった箇所では、空気を吹き付けた箇所のみが優先的に剥離され、トナー像への熱量の供給量が異なってしまうが故に、光沢や表面の平滑性も異なってしまい、1枚の用紙内で光沢ムラなどの画像ムラが発生するという欠点がある。その模様を図21に示す。Pはベタ画像を形成した用紙、符号11は定着後画像における空気吹き付け部、符号12は空気非吹き付け部、符号13は画像の無い余白を示す。符号11の部分は吹き付けた空気が当たった箇所であり、光沢が変化してしまう不具合が認められる。この光沢の変化は定着条件により、周囲より光沢度が上がってしまう場合と、下がってしまう場合がある。
用紙Pの定着装置通紙時の挙動を次に説明する。図6に示したベルト定着装置(詳細は後述する)において、入口センサ82を通過した用紙Pが更に定着ベルト61と加圧ローラ62とのニップ部を抜ける際に空気が当該用紙Pに向けて噴射されている時、用紙のコシが弱い場合(特に薄いコート紙など)は、用紙先端がニップ部を抜けて進むと、用紙挙動が変わることがある。図6に示すように、用紙先端がニップ部を抜け出た直後においては、圧縮空気が噴射されることによって、トナー粘着力で定着ベルト/定着ローラに巻き付いていた用紙先端が引き剥がされる方向に力が作用する。一方、図7に示すように、用紙が更に搬送され、先端がノズル下面を越えていくと、コアンダ効果(空気のような流体は流れる物体の表面に粘り着く性質があること)と考えられる作用力が働くようになり、用紙全面がノズル下面に粘り付く(=引き寄せられる)現象が見られるようになる。観察結果より、例えばOKトップコート紙(73.3g/m2)のような薄いコート紙の場合、用紙先端がニップ出口を越えてから20〜50mmの間に上記挙動の変化が現れていた。
図6に示す引き剥がす方向の作用力と図7に示す粘り付く(=引き寄せられる)方向の作用力は、共に噴射圧力が高いほど大きくなる。このため、例えば粘着力が高いトナーの高濃度画像(いわゆるベタ画像)が用紙先端付近に存在する場合、分離性能を確保するためにノズル部で100〜150KPa程度の高圧の噴射が必要となっていたが、用紙が搬送されて引き寄せられる作用力が働く領域に入った場合、引き寄せ作用力も大きくなってしまい、結果として用紙の座屈も大きくなってジャムが多発するといった不具合が発生していた。
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ノズルによる圧縮空気の噴射方向を可動とすることで上記用紙挙動の変化を極力抑え、用紙を定着部材から確実に分離して、分離後の用紙排出角度を安定させるとともに、定着装置排出後の画像に光沢ムラを発生させないことを課題とする。
上記課題は、本発明にしたがって、少なくとも一方が加熱手段を備え相接する回転体によってニップ部を形成し、未定着トナーを載置するシート部材を上記ニップ部で挟持搬送することで未定着トナーを溶融定着する定着装置であって、上記ニップ部のシート部材搬送出口側に空気を噴射してシート部材を回転体から分離する空気噴射ノズルを回転体の長手方向に複数個備えた定着装置において、上記空気噴射ノズルが、上記ニップ部を出るシート部材の位置に応じて空気の噴出方向を変えるように構成されていることで、解決される。
上記空気噴射ノズルの噴射口を変位することができる噴射方向移動手段を設ければ、好適である。その際、上記噴射方向移動手段が、空気噴射ノズルに当接するカム部材を有し、当該カム部材の回動によって空気噴射ノズルの噴射口を変位させるのが合理的である。
上記空気噴射ノズルの噴射口が複数設けられ、ニップ部を出るシート部材の位置に応じて開放すべき噴射口を切り換えるようになっていても、好適である。その際、上記空気噴射ノズルの内部空気流路内に、空気流路切り換え弁を配置し、当該切り換え弁を回動させることで開放すべき噴射口を切り換えるのが合理的である。
上記複数の噴射口のうち、シート部材先端を回転体から分離するための第1噴射口の開放面積が他の噴射口よりも小さく形成されていれば、好都合である。各空気噴射ノズルに配した空気流路切り換え弁を互いに一直線上に配置し、これら空気流路切り換え弁を、直線配列をせん断する方向に変形可能な弾性を有する部材で連結することも、好ましい。
前記空気噴射ノズルが軸支され、ギャップ調整機構を空気噴射ノズルに付設して、当該ギャップ調整機構によって、ノズル先端とニップ部との位置関係を調整可能に構成しているのがよい。
少なくとも一方が加熱手段を備え相接する回転体によってニップ部を形成し、未定着トナーを載置するシート部材を上記ニップ部で挟持搬送することで未定着トナーを溶融定着する定着装置であって、上記ニップ部のシート部材搬送出口側に空気を噴射してシート部材を回転体から分離する空気噴射ノズルを回転体の長手方向に複数個備えた定着装置において、上記空気噴射ノズルが、上記ニップ部を出るシート部材の位置に応じて空気の噴出方向を変えるように構成されていれば、具体的には例えば空気噴射ノズルの噴射口を変位することができる噴射方向移動手段として、空気噴射ノズルに当接するカム部材を設け、当該カム部材の回動によって空気噴射ノズルの噴射口を変位させるようにすれば、シート材たる用紙の進行位置に応じて最適な方向に空気噴射を行うことができる。これによって用紙を定着出口から安定した排出角度を保ちつつ下流のローラ群へ搬送することができ、薄紙コートなどの搬送信頼性がアップして定着における用紙対応性が高まる。
上記空気噴射ノズルの噴射口が複数設けられ、ニップ部を出るシート部材の位置に応じて開放すべき噴射口を切り換えるようになっていて、具体的には、上記空気噴射ノズルの内部空気流路内に、空気流路切り換え弁を配置し、当該切り換え弁を回動させることで開放すべき噴射口を切り換えるようになっていれば、上記効果に加えて、用紙分離に効果的な圧縮空気の噴射を正確に分離位置へ噴射する一方で、用紙分離後には搬送用紙の面に向けて空気を噴射でき、分離後の用紙の擦れを確実に防止できる。
上記複数の噴射口のうち、シート部材先端を回転体から分離するための第1噴射口の開放面積が他の噴射口よりも小さく形成されていれば、用紙のコシによる分離が難しい場合であっても定着部から用紙分離する際には分離に効果的な高い噴射圧の空気を瞬間的に噴射して、用紙を引き剥がす方向の作用力を大きくでき、分離後には噴射圧を低く抑えつつ噴射流量を稼いで、用紙全体が空気噴射ノズル等に接触・摺擦するのを効果的に防ぐことができる。
各空気噴射ノズルに配した空気流路切り換え弁を互いに一直線上に配置し、これら空気流路切り換え弁を、直線配列をせん断する方向に変形可能な弾性を有する部材で連結すれば、複数個のノズルを分離部に沿って配置する際に各ノズルや取り付け部の部品精度や定着部材の真直度によって上記ノズルの整列度が狂ってしまう可能性があるが、連結部材の剪断方向の変形によってこの整列度の狂いを吸収できる。更に噴射方向切り換えの際、単一の回転駆動装置で複数のノズルに回転駆動伝達できることになるので、装置を安価でコンパクトに構成できる。
前記空気噴射ノズルが軸支され、ギャップ調整機構を空気噴射ノズルに付設して、当該ギャップ調整機構によって、ノズル先端とニップ部との位置関係を調整可能に構成すれば、熱間時や、直径寸法の誤差が大きい定着部材を使用する場合であっても、噴射口と定着部材の隙間を保つことができるようになり、また、部品の温度や精度に依って狂いが生じることを防止することができる。定着部材を円筒状回転体で構成する場合、定着出口の用紙搬送スペースが狭いため十分な噴射口レイアウトを確保し難いが、簡単な構成で装置をコンパクト化できるので、このようなレイアウト上の困難さも解消できる。
本発明に係る定着装置の分離爪部分での概略構成図である。 定着装置に付設される用紙分離のための分離爪の斜視図である。 図2の分離爪の側面図である。 定着装置に付設される用紙分離機構の構成例である。 図4の用紙分離機構の平面図である。 本発明に係る定着装置の空気噴射ノズル部分での概略構成図である。 用紙が空気噴射ノズルに引き寄せられる様子を示す図である。 空気噴射ノズルの断面概略図である。 空気噴射ノズルの概略的な斜視図である。 空気噴射ノズルの第1実施例を示す図である。 空気噴射ノズルの第2実施例を示す断面図である。 図11の空気噴射ノズルにおいて空気噴射方向を切り換えた様子を示す図である。 空気噴射ノズル内に配設される切り換え弁の斜視図である。 第2実施例に係る空気噴射ノズルで用紙分離部へ空気噴射する様子を示す定着装置の概略構成図である。 第2実施例に係る空気噴射ノズルで用紙搬送方向へ空気噴射する様子を示す定着装置の概略構成図である。 別例の切り換え弁を連結部材とともに示す斜視図である。 図16の切り換え弁を用いた空気噴射ノズルで用紙分離部へ空気噴射する様子を示す定着装置の概略構成図である。 図16の切り換え弁を用いた空気噴射ノズルで用紙搬送方向へ空気噴射する様子を示す定着装置の概略構成図である。 連結部材で隣り合う切り換え弁を、したがって空気噴射ノズルを連結した様子を示す斜視図である。 定着装置の別構成を示す概略構成図である。 複数の空気噴射ノズルによる空気吹き付けをした場合の光沢ムラが起こりうる状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
本発明に係る画像形成装置は、その全体の機構としては従来と基本的に同じであり、感光体の周囲に、画像を形成するために必要な装置、例えば、帯電手段、露光手段、現像手段などが設けられており、当業者ならば全体構成は容易に認識できるものである。説明の簡略化のために、全体構成は割愛し、ここでは本発明と特に関わりのある定着装置について述べる。
定着装置60としては、図1に示すようなベルト定着装置が用いられる。このベルト定着装置60において、定着部材としての定着ベルト61は駆動ロ一ラである定着ローラ113、従動ロ−ラである加熱ローラ114に支持され張架され、回転走行する。加圧ローラ62は定着ベルト61を介して定着ローラ113と対峙して設けられており、不図示の加圧機構により定着ローラ113に加圧される。加熱ローラ114の内部には熱源としての定着ヒータ115が設けられ、この定着ヒータ115により加熱ローラ114が加熱されて定着ベルト61が加熱ローラ114により加熱される。定着ベルト61は、駆動ローラ113が不図示の駆動機構で回転駆動されることで回転し、加圧ローラ62は定着ベルト61に連れ回りする。加圧ローラ62にも駆動を掛けてもよい。また加圧部材として、加圧ローラ62に代えて、加圧ベルトを用いてもよい。ベルトのテンションを保持するためのテンションローラ63を設置しても差し支えなく、テンションローラのレイアウトはベルトの内側、外側どちらでもよいが、本例は外側の例を示す。
定着ベルト61の表面温度は不図示の温度検知素子により検知され、不図示の温度制御部がその温度検知素子の出力値に基づいて定着ヒータ115を、定着ベルト61の表面温度が所定の設定温度になるように制御する。未定着の転写紙Pは定着装置60に搬入されて、所定温度に制御されている定着ベルト61と加圧ローラ62とのニップ部を通過する際にトナー像を溶融定着され、装置外に送り出される。
定着ニップ出口近傍には、定着分離爪71が配されている。定着分離爪の集合体を総じて分離板と呼ぶこともある。定着分離爪71は、定着ベルトとの先端ギャップが調整可能であり、先端ギャップである隙間を約0.6mm以下としている。
図2に、定着分離爪71の斜視図を示す。また図3は、分離爪71の通紙方向と垂直方向から見た投影図である。符号71a,bは分離爪の持つ回動可能な支点であり、先端ギャップ調整方法は不図示のばね機構とねじ機構を伴って行う。その調整方法は、特許文献6(特開2008−102408号公報)に記載されているので、詳細な説明は割愛する。
図4に、分離爪71と圧縮空気噴射ノズル72(以下、ノズルという)を交互に配した用紙分離部を斜視図として示す。図4の例では、分離爪71が7個、ノズル72が6個、配されており、分離爪71とノズル72は同じステー部材73に固定されて、ホルダに装着されている。図5は、分離爪71、ノズル72と加圧ローラ62の軸方向における位置関係を示している。これら図4,5において、符号77a,bは、分離爪71、ノズル72と定着ベルト61との位置決め部材であり、最大画像領域外に設置されている。これら位置決め部材77a,bは、定着ベルト61表面にばね機構で押圧され接触しているが、その接触は画像領域外なので、摺動跡が発生しても画像には影響しない。位置決め部材77を定着ベルト61に突き当てたことで、分離爪71と定着ベルト61のギャップや、ノズル72と定着ベルト61のギャップ、更にはノズルの先端穴(噴射口)の位置が、冷間/熱間や定着ローラの精度に左右されることなく、狂うことがない。
図6は、ノズル72の定着装置断面図であり(図1の分離爪71の箇所にノズル72が位置する以外は、図1に対応する)、画像形成装置本体側に配された不図示の圧縮空気供給源と電磁弁により制御された空気が、少なくとも一部を弾性材料で構成された供給経路を介して、ノズル中の管路を通り、定着ニップに向けて噴射される。用紙Pの先端は噴射される圧縮空気により強制的に定着ベルト61と分離される。
図8はノズルの断面を拡大したものである。ノズルの先端穴72aは小さいもので、□0.5×0.5mmやφ0.5mm(約0.19平方mm:最小)、大きいもので、□2.0×2.0mm(4.0平方mm:最大)やφ2mmの範囲で設定する。定着排紙側から、定着ニップの方へ空気を噴射する場合、用紙搬送のスペースで定着部材の空きスペースに圧縮空気の管路を伴ったノズルを設置しなければならない。この場合、従来の構造では、ノズル穴の有効断面積が0.19平方mm以下だと圧縮空気が分離に十分な量を噴射できず、逆に4.0平方mm以上であるときは、空気の流跡が太くなりすぎて、分離に十分な流跡をもって噴射できないことが、実験的検討により解っている。
また、72bはノズルの空気供給側の穴であるが、これは先端穴72aより太く、先端穴72a近くで徐々に72aの大きさに絞っている。本例では、72bの有効断面積はφ4mm〜φ6mm、もしくは□4×4mm〜□6×6mmとした。
また、ノズル72の斜視図である図9に示すように、ノズル72には回動可能な支点72cと72dがあり、定着ベルト61に対して、ノズル先端穴若しくはノズル筐体先端位置と定着ベルト表面との位置を事前に調整することが可能になっている。その調整機構を図10に示す。調整機構には、ねじ74とばね75が備えられている。なお、図10には、ステー73と支点72c,72d(72dのみ示す)の位置を決めるホルダ76を併せて示している。ねじ74をねじ軸時計回りに廻すとねじが締め込まれ、ノズル72は支点72c,72dを中心に図中時計回りに回動することになる。このような機構により、ノズル72の空気吐出口や先端と定着ベルトとのギャップ位置関係を、実験的検討により求められた最適値に調整することが工場出荷時に可能である。そして本装置においては更に、ノズル72の先端噴射穴と反対側のノズル筐体に当接するカム80が設けられている。不図示のモータによってカム80が回転軸81を中心に反時計方向に回転すると、ばね75を押す方向に作用力が働いて、例えば約90度回転するならばノズル72が図中、二点鎖線の位置まで回動する。これによってノズル72の噴出方向を図9に示すような下向きにずらすことが可能となる。図4,5で示すように、複数のノズル72が同軸上に設けられているため、カム80も回転軸81の同軸上に配することができ、カム駆動とカム配置を一つにまとめて簡素化できる。
実際の動作にあたって、カム80の回転は、定着部の入口センサ82が搬送用紙Pの先端を検知してから一定時間後に行われる。タイミングとしては、用紙Pの先端がコアンダ効果の高い領域に入る前、切り換え動作(上述のカム回動動作)に要する時間を差し引いて、回転駆動が開始される。それによって、ノズルによる圧縮空気の噴射方向を用紙位置、厳密に言えば、用紙先端位置に応じて変更することができる。
以上のノズル向き調整構成・動作によって、圧縮空気の噴射流は、進行する用紙Pに対してコアンダ効果の低い空気流れの領域になり粘り付く(=引き寄せられる)方向の作用力を減少することができる。用紙Pはノズル72下面への引き寄せがなくなって、搬送が略水平方向に安定するため、上述した座屈によるジャムを防止することができる。更には、用紙Pの巻き付きを分離する点P1(図6、図7)を安定した位置に保つことができるようになり、光沢ムラのない安定した画像品質を得ることができるようになる。
ノズル72はねじ74の位置によってノズル位置が事前に調整されているが、カム80の回転動作は、その調整機構や調整位置を妨げることがない上、回転部分を共通にすることができるので、回転駆動装置を簡素で安価に構成できる。
以上は、ノズル72にカム80を当接させて回動させる構成について述べたが、その回動構成はこれに限られるものでなく、図4、図10におけるステー73を回転するように構成しても、同様の効果を発揮することができる。
次にノズルの別の改良例を説明する。これは、図11に示すように、ノズル72の噴射穴を2箇所、即ち、噴射方向の異なる噴射口aと噴射口bを備えるようにしたものである。噴射口aは用紙分離部における定着ローラ113や定着ベルト61に対してほぼ接線方向に圧縮空気を送り出す方向に向いており(空気噴射を図11、図14に矢印で示す)、先の例でカム80が回転を始める前の配置に相当し、同等の機能を発揮する。本例では更に、噴射口aの近傍に、用紙搬送方向に直交する方向(図11、図12における下向き)に向かって圧縮空気を送り出す噴射口bを設けている(空気噴射を図12、図15に矢印で示す)。
噴射口a及び噴射口bは、どちらか一方で噴射するよう、噴射切り換え弁90の切り換えによって切換選択される。噴射切り換え弁90は例えば図13に示すように、円筒部材に一部切欠きを形成したもので、図11に示す回転位置では噴射口bが塞がれているので、空気供給口(図における左上)から送り込まれた圧縮空気は噴射口aのみから噴射されることになる。不図示のモータによって噴射切り換え弁90が円筒の中心を支点に図で見て反時計方向に90度回転されると、図12に示すように、噴射口aが塞がれ、圧縮空気は噴射口bのみから噴射されるようになる。
切り換え弁90,90’の回転は、カム80を備える例と同じく、定着部の入口センサ82が搬送用紙Pの先端を検知してから一定時間後に行われる。タイミングとしては、用紙Pの先端がコアンダ効果の高い領域に入る前、切り換え動作(上述の切り換え弁の回動動作)に要する時間を差し引いて、回転駆動が開始される。
以上の動作によって、圧縮空気の噴射流を、進行する用紙Pに対してコアンダ効果が発生しない下向き作用力に変えることができるようになるので、用紙Pにはノズル下面への引き寄せがなくなって、搬送が略水平方向に安定するため、上述の座屈によるジャムを防止することができる。更には、用紙Pの巻き付きを分離する点P1を安定した位置に保つことができるようになり、光沢ムラのない安定した画像品質を得ることができるようになる。
また本例においては噴射口aと噴射口bを各々最適化することができる。つまり用紙のコシによる分離が難しい用紙先端においては、開放面積(丸穴の場合には噴射口径)が小さい噴射口aを用いることで、噴射圧力、つまりは用紙Pを引き剥がす方向の作用力を大きくすることができ、これによって用紙Pの先端を良好に分離できるようになる。用紙分離後の用紙搬送時は図15に示すように、用紙先端から分離点までの用紙のコシによって先端分離(図14の状態)より分離が容易になるので、開放面積が大きい噴射口bから用紙先端分離の時より低圧で空気を噴射する。この噴射は噴射口aからの空気噴射の場合よりも広い範囲にわたって空気を噴射することになるので、用紙全体がノズルや分離爪に接触・摺擦するのを効果的に防ぐことができる。本構成において、ノズルに圧縮空気を送り込むコンプレッサーの流量(リットル/分)は常に同じになるよう制御される。これによって、コンプレッサーの下流側からノズルまでの間にリリーフ弁(逃がし弁)を設けるだけの簡単な構成で一定流量(又は圧力)を維持することができるようになる。単位時間当たりの流量が一定であれば、噴射口が小さいほど、そこを通過する圧縮空気の流速が大きくなり、上記のように分離を補助する用紙先端への噴射について高速の噴射を行うことができる。逆に用紙先端分離後については、分離爪に接触・摺擦するのを防ぐため、噴射口を大きくすることで、低速で広範囲な噴射に切り換えることが可能になる。
噴射切り換え弁の形状は、一部切欠きを設けた円筒部材に限られるものではなく、例えば図16に示すように、円筒部材にT字型の丸穴を設けたものでも同様な効果を発揮できる。つまり、図17に示す位置では噴射口bが塞がれ、圧縮空気は噴射口aのみから噴射され、不図示のモータによって噴射切り換え弁90’が回転切り換えされ図18の位置に移ると、噴射口aが塞がれ、圧縮空気は噴射口bのみから噴射されるようになる。この場合、各ノズル72に配された噴射切り換え弁90’を、せん断方向に変形可能な弾性を有する例えばポリウレタンやナイロンのような材質のチューブ状連結部材91でつなぐことも想定可能である。このようにすると、用紙分離部において複数のノズル72は同軸上に設けられているため、噴射切り換え弁90もその円筒長手方向を同軸に配することができる。複数のノズル72を用紙分離部近傍の定着ベルト61に沿って配置する際、各ノズルや取り付け部の部品精度や定着ローラやベルトの真直度によってノズルの整列度が多少狂っても、連結部材91のせん断方向の変形によって、その狂いを吸収できる。この場合、分離爪が存在すると、連結部材91と干渉することになるので、図19のように、分離爪71の存在しない用紙分離部としなければならないが、噴射方向切り換えの際、単一の回転駆動装置で複数のノズルに回転駆動伝達でき、装置を安価でコンパクトに構成できる。
上記方式でも、ノズル72はねじ74の位置によってノズル位置が事前に調整されているが、カム付きの場合と同様、切り換え弁90の回転動作は、その調整機構や調整位置を妨げることはない。
以上の説明は、定着ヒータ115によって定着ベルト61を加熱して、定着ローラ113と加圧ローラ62によって用紙を加圧する構成について述べるものであるが、本発明の定着装置の具体的構成はこれに限定されるのではなく、図20に示すような、定着ベルト85を外側から例えばIH加熱部86で加熱する定着装置にも適用できる。更には、下向きニップが形成し難いような凸形状の加圧パッド87と加圧ローラ88とを組み合わせた方式(フリーベルトニップ方式)の定着装置にも本発明を適用して、分離性能を飛躍的に向上することができる。
圧縮空気の吹き付けのみで、用紙を定着部材から剥離すると、空気を吹き付けた箇所のみ優先的に剥離され、空気を吹き付けた箇所と吹き付けられなかった箇所で、熱量の供給量が異なるが故に、光沢や表面の平滑性も異なってしまい、ページ内での光沢ムラなどの画像ムラが発生するという欠点は既に述べた。分離爪71が圧縮空気の非噴射部に配されている構成により、空気の非噴射部も分離板により定着部材から早く剥離することができ、空気の噴射部と非噴射部のトナー像への熱量供給の際による光沢ムラを最小限にすることが可能となった。
23 ピックアップローラ
24 フィードローラ
25 リバースローラ
27 搬送ローラ
28 アイドラ軸
30 搬送ベルト
31 従動ローラ
33 上側ガイド板
34 下側ガイド板
35 縦搬送ガイド板
特開昭51−104350号公報 特許第2876217号公報 特開平11−334191号公報 特開2007−187715号公報 特開2007−240920号公報 特開2008−102408号公報

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が加熱手段を備え相接する回転体によってニップ部を形成し、未定着トナーを載置するシート部材を上記ニップ部で挟持搬送することで未定着トナーを溶融定着する定着装置であって、
    上記ニップ部のシート部材搬送出口側に空気を噴射してシート部材を回転体から分離する空気噴射ノズルを回転体の長手方向に複数個備えた定着装置において、
    上記空気噴射ノズルが、上記ニップ部を出るシート部材の位置に応じて空気の噴出方向を変えるように構成され、
    上記空気噴射ノズルの噴射口が複数設けられ、ニップ部を出るシート部材の位置に応じて開放すべき噴射口を切り換え、
    上記空気噴射ノズルの内部空気流路内に、空気流路切り換え弁を配置し、当該切り換え弁を回動させることで開放すべき噴射口を切り換え、
    各空気噴射ノズルに配した空気流路切り換え弁を互いに一直線上に配置し、これら空気流路切り換え弁を、直線配列をせん断する方向に変形可能な弾性を有する部材で連結することを特徴とする定着装置。
  2. 上記複数の噴射口のうち、シート部材先端を回転体から分離するための第1噴射口の開放面積が他の噴射口よりも小さく形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記空気噴射ノズルが軸支され、ギャップ調整機構を空気噴射ノズルに付設して、当該ギャップ調整機構によって、ノズル先端とニップ部との位置関係を調整可能に構成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の定着装置を具備した画像形成装置。
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