JP4370845B2 - 剥離案内板、剥離装置およびそれを用いた定着装置、画像形成装置 - Google Patents

剥離案内板、剥離装置およびそれを用いた定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像記録装置、特に電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置に用いられる定着装置や転写同時定着装置等、周動する回転体の表面に貼り付いた状態で搬送されるシート状の記録媒体を前記回転体から剥離し、その搬送を案内するために、前記回転体近傍に配置して利用することが可能な剥離案内板、該剥離案内板を含む剥離装置、およびこれらを用いた定着装置、画像形成装置に関する。
従来、電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置において、用紙表面に転写されたトナー画像を定着させる定着装置として、定着ロールと加圧ロールからなる一対のロールのニップ部に、トナー画像が転写された用紙を通過させて、定着ロールによる加熱、および、一対のロールによる加圧によりトナー画像を用紙に融着させる定着装置(2ロール方式の定着装置)が広く用いられている。
この定着方式では、用紙に融着したトナー画像が定着ロールに接触するので、例えば、定着ロールとしては、離型性のよいフッ素系樹脂を表面にコーティングしたロールが使用されている。しかし、このような定着ロールを使用しても、溶融したトナーは軟かくかつ粘性が高いため、定着ロールの表面に付着しやすく、用紙が定着ロールに巻き付く恐れがある。そこで、通常、特許文献1の図1に示すような剥離爪や、同文献の図2に示されるようなプラスチック製の剥離シート(プラスチックシート)による強制剥離装置、また、このような剥離シートを非接触で設けて用紙を剥離し、定着ロールへの用紙の巻き付きを防止する方法が採用されている。
その他、定着ロールからの用紙の剥離には、各種形状の剥離爪ないし剥離シートが提案され、かつ、使用されてきている(例えば、特許文献2参照)。これら剥離手段のうち、爪状の剥離爪は、当該剥離爪が当接する部分と当接しない部分とで、トナー画像の光沢度に差異が生じたり、当該剥離爪によりトナー画像を傷付けてしまったりする可能性があるため、そのような危険の少ない点で板状の剥離シート(剥離案内板)が優れている。
図17に、剥離案内板(バッフル)を備えた一般的な2ロール方式の定着装置の模式断面図を示す。図17に示す定着装置は、矢印A方向に回転する定着ロール(加熱回転体)101と、定着ロール101に接触しながら定着ロール101の回転方向Aとは反対の矢印B方向に従動回転する加圧ロール(加圧回転体)106とを備えている。表面に未定着のトナーからなるトナー画像Tを担持する用紙(記録媒体)Pは、矢印C方向に搬送され、定着ロール101−加圧ロール106間に形成されるニップ部Nに挿通され、これら一対のロール101,106により加熱されるとともに加圧されて、トナー画像Tのトナーが融着することで、トナー画像Tが用紙P表面に定着される。
定着ロール101における、ニップ部Nよりも定着ロール101の回転(周動)方向A下流側には、定着ロール101表面近傍に、一辺が近接し、かつ、定着ロール101の回転方向Aに寝かせられた状態で剥離案内板107が配されている。ニップ部Nに挿通されて、トナーが溶融状態となっているトナー画像Tを担持する用紙Pが矢印C方向に搬送されると、剥離案内板107により用紙Pが定着ロール101から剥離される。
用紙Pの先端以降が、剥離案内板107の定着ロール101表面に対向する面の背面(図17中のFX。以下、「記録媒体案内面」という場合がある。)を摺動しながら剥離する工程において、記録媒体案内面FXの用紙Pの搬送方向の長さが長いと、用紙P表面のトナー画像Tが接触していく道程(時間)も長くなるため、用紙Pが剥離案内板107の記録媒体案内面FX表面をスムーズに通過しにくいという問題があった。スムーズに通過することができない場合、最悪の場合には用紙Pのジャミングを惹き起こしてしまうこともある。勿論、画像のグロス変化や画像乱れ等画質に与える影響も僅かながら懸念される。
これを防ぐため、記録媒体案内面FXの用紙Pの搬送方向の長さ(剥離案内板の幅)を短くして、剥離案内板全体の形状をより細くするとこも考えられるが、あまり細くしすぎると、剥離案内板に要求される剛性を満足させることが困難となる。
この問題は、高速定着になればなるほど、また、オイルレス定着であるほど顕在化する。
以上説明した用紙剥離に関する課題は、2ロール方式の定着装置に限らず、ロール−ベルトニップ方式の定着装置やベルト−ベルトニップ方式の定着装置においても、基本的に同様に存在する。さらに、電子写真方式における静電転写を含む、各種印刷方式における画像転写の際、転写体(感光体、印刷版等)と記録媒体(用紙等)とを剥離する際にも、程度の差こそあれ、上記説明した問題が存在する。その他、何らかの回転体(ロール、ベルト等)に記録媒体が何らかの作用(例えば、静電的に)密着しており、これを引き剥がす必要がある場合にも、上記説明した問題が存在する。したがって、上記説明した問題を解消し得る剥離装置が、画像形成分野における様々な部位において望まれていた。
特開昭59−188681号公報 特開昭61−032875号公報 特開2000−250351号公報 特開昭61−59468号公報
したがって、本発明は、画像記録装置、特に電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置に用いられる定着装置や転写同時定着装置等、周動する回転体の表面に貼り付いた状態で搬送されるシート状の記録媒体を前記回転体から剥離し、その搬送を案内するために、前記回転体近傍に配置して利用することが可能な剥離案内板について、剥離後の記録媒体をスムーズに案内することが可能な剥離案内板を提供することを目的とする。また、本発明は、当該剥離案内板を好適な態様で利用した剥離装置、およびこれらを用いた定着装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の剥離案内板は、周動する回転体の表面を(例えば、貼り付いた状態で)搬送されるシート状の記録媒体を前記回転体から剥離し、その搬送を案内するために、前記回転体表面に一辺が近接し、かつ、前記回転体の周動方向に配置され、剥離した前記記録媒体を、前記回転体表面に対向する面の背面側の記録媒体案内面を摺擦するように案内する剥離案内板であって、
前記記録媒体案内面が、少なくとも、前記回転体表面に近接する一辺から、前記記録媒体の搬送方向に所定の長さまで、前記記録媒体が当接する平面部を有し、前記記録媒体の搬送方向に、前記平面部に続いて、陥没部を有し、
前記平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計が、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向のいずれの位置においても、略同じ長さであることを特徴とする。
本発明の剥離案内板を前記回転体表面に近接させて配置すると、前記回転体から剥離した前記記録媒体は、その先端部が本発明の剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺に乗り上げ、さらに主として画像面が本発明の剥離案内板の前記記録媒体案内面を摺擦して移動し、搬送される。
本発明の剥離案内板では、前記記録媒体案内面に前記記録媒体が当接しない陥没部を有する。そのため、前記記録媒体案内面における前記記録媒体が当接する平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さが相対的に短くなる。すなわち、前記記録媒体は、前記記録媒体案内面を通過する際、前記陥没部において当接せず、前記平面部においてのみ当接するため、前記記録媒体が前記記録媒体案内面を摺擦していく道程(時間)を短くすることができ、よりスムーズに案内される。
したがって、本発明の剥離案内板によれば、剥離後の前記記録媒体をスムーズに案内することが可能となる。しかも、前記記録媒体案内面に陥没部を設けただけなので、本発明の剥離案内板は、前記記録媒体の搬送方向の長さ、すなわち剥離案内板の幅が変わらず、全体として細くなっていないので、剛性にほとんど影響を与えることがない。
なお、本発明において、このように前記記録媒体案内面に平面部と陥没部とを有しなければならないのは、前記記録媒体が搬送され際に当接する領域のみであり、その外側(前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の両端部等)においては、かかる構成であることは要求されない。したがって、本発明において、前記記録媒体案内面における平面部と陥没部との関係を論ずる場合には、前記記録媒体が搬送され際に当接する領域のみを考慮し、その外側(前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の両端部等)については考慮の対象外とする。
本発明の剥離案内板としては、前記記録媒体案内面が、前記記録媒体の搬送方向に分割された複数の平面部を有し、該複数の平面部相互間に陥没部を有する態様であっても構わない。すなわち、前記回転体表面に近接する一辺から、前記記録媒体の搬送方向に、まず平面部があり、次に陥没部があれば本発明の構成であるが、さらに平面部が続いても構わないし、さらにまた陥没部が続いても、これが繰り返されても構わない。前記記録媒体案内面が陥没部を有することで、平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さ(時間)が、全体として短くなっていれば、剛性を維持しつつ剥離後の前記記録媒体をスムーズに案内することが可能になるという、本発明特有の効果を存分に発揮することができる。
さらに、本発明においては、前記平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計(前記平面部が、前記回転体表面に近接する一辺から、前記記録媒体の搬送方向に所定の長さまでの領域のみしかない場合に当該「合計」は、前記「所定の長さ」とイコールになる。)が、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向のいずれの位置においても、略同じ長さになっている
前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で平面部の長さの合計が異なると、前記記録媒体の搬送により、前記記録媒体案内面で当接・摺擦される長さ(時間)が、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で位置により異なってきてしまい、グロスむらなどの画質への影響が生じる可能性がある。勿論、その影響は、通常の高速定着や高画質画像と称される程度のものでは、ほとんど問題とならない。しかし、より高速定着を望む場合や格段の高画質化を望む場合には、その影響が顕在化する懸念がある。
これに対して、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で平面部の長さの合計を略同じとすることで、その懸念が解消される。特に以下のように、前記回転体表面に近接する一辺が、前記回転体表面に向けて突出した部位を少なくとも1箇所以上有する場合に、当該突出した部位と突出していない部位とで、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で平面部の長さの合計が、大きく異なってくるが、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で陥没部の長さの合計を、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に応じて調整することで、略同じとすることができる。
本発明の剥離案内板としては、前記回転体表面に近接する一辺が、前記回転体表面に向けて突出した部位を少なくとも1箇所以上有することとすることができる。
前記回転体から剥離する際、記録媒体自身のコシ等により部分的には前記回転体表面から剥離し、他の部分は剥離していないといった状態が起こり得る。この場合、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺が一直線状で、前記回転体表面に対して平行に(等間隔で)離間して配置されていると、前記記録媒体における前記回転体表面から剥離した部位は、前記剥離案内板の前記回転体表面と対向する面の背面側に進行しようとし、剥離していない部位は、前記回転体表面に追随するため、前記剥離案内板の前記回転体表面と対向する面側に進行しようとする。つまり、前記記録媒体の最先端部で、前記剥離案内板の両面に進行しようとする部位が生じ、前記記録媒体の最先端部が、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺にぶつかり、剥離ができないばかりか、ジャミング等の搬送不良を起こしてしまう。
しかし、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺が、前記回転体表面に向けて突出した部位を少なくとも1箇所以上有する、換言すれば、当該一辺に後退した部位を設けることで、前記記録媒体における前記回転体表面から剥離した部位の少なくとも一部は、前記剥離案内板の前記突出した部位に乗り上がり、剥離していない部位は、前記剥離案内板の前記後退した部位で引っ掛かることなく、前記回転体の周動による搬送移動に伴い、前記剥離案内板の前記突出した部位に乗り上がった、前記剥離した部位に引きずられて剥離される場合が想定される。このようになれば、記録媒体全体が良好に剥離される。この作用は、前記記録媒体の最先端部における前記回転体表面から剥離していない部位が、前記剥離案内板の前記後退した部位に対応する場合にのみ起こるので、上記効果を奏するか否かは確率論となる。しかし、前記一辺における突出した部位をどのように設けたとしても、設けない場合に比べ確実に上記効果を奏する確率が上がる。したがって、剥離困難性の程度によっては、上記構成を付加することで十分に高い剥離性を容易に確保することができる。
また、例えば、定着時の剥離においては、記録媒体の搬送方向最先端部における両端部には、通常トナー画像は形成されないため、当該両端部のみを突出させる等、剥離装置が据え付けられる環境、使用状況、記録媒体と回転体との貼り付き状態に応じて、適切な箇所を突出させることで、剥離性を格段に向上させることもできる。
ところで、近年、坪量の小さいコート紙を使用する機会や、用紙の先端余白部が従来のものより少ない状態で、写真画像等のような用紙先端部からトナーを多く使う画像を出力する機会が増えてきており、このような状況下においても画質に影響を与えることがなく、用紙剥離が確実に行える剥離技術が必要とされてきている。本発明者らは、この目的を達成する技術として、APS(Air Pulse Stripping)技術を開発しているが、本発明の剥離案内板は、当該技術による剥離装置において好適に適用することができる。
ここでAPS技術による剥離装置とは、周動する回転体を(例えば、貼り付いた状態で)搬送されるシート状の記録媒体を、前記回転体から剥離する剥離装置であって、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流に配される剥離案内板、および、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出手段、から構成される剥離装置である。
APS技術による剥離装置の作用および効果について説明すれば、まず、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流において、前記回転体の表面に貼り付いた状態で搬送される前記記録媒体は、前記回転体に追随するに際し、当該記録媒体自身のコシにより前記回転体表面から剥離しようとする力が働く。しかし、剥離が困難(例えば、トナー画像のトナー量が多い、記録媒体の先端近くまでトナー画像がある、記録媒体の坪量が小さい、記録媒体が薄いコート紙である、等)な記録媒体の場合には、剥離しようとする力は弱く、剥離性が十分でない。
従来、この剥離力を補うのに、前記領域等で剥離爪や剥離シートを当接させたり、セルフストリッピング方式を採用したりしていたが、回転体や記録媒体に損傷を与えたり、画質への影響が生じたり、剥離性が十分でなかったり等、十分に満足し得るものではなかった。そこでAPS技術では、用紙剥離に圧搾気体を利用して、画質への影響を抑制している。すなわち、前記剥離案内板が前記回転体表面とは離間しているため、前記回転体に損傷を与える心配がなく、前記回転体から機械的かつ強制的に剥離するものではないため、前記記録媒体にも損傷を与えない。また、その際には同様に、画像に損傷を与えることがなく、剥離後も画像は前記剥離案内板と面で接するため、画質を劣化させることがない。
さらに、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて圧搾気体を吐出する構成としているため、吐出された圧搾気体は、スリット状となっている前記間隙でカーテン状になり、曲面状になっている前記回転体表面を回りこむように進行し、前記記録媒体の搬送方向最先端部に当たる。このとき、吐出された圧搾気体流が、前記間隙で整流され、前記記録媒体の適切な箇所に広がった状態で当たるため、圧搾気体の利用効率が極めて高い。そのため圧搾気体の吐出を、連続的なものとする必要がなくパルス状にすることができ、全体として圧搾気体量を極めて少なくすることができる。したがって、装置が大型化・高コスト化することもなく、供給された圧搾気体が装置内で対流する心配もほとんどなく、APS技術は、極めて実用性が高い。
以上のような、極めて高い剥離性と実用性とを備えたAPS技術ではあるが、プロセススピードをより一層向上しようとすると、剥離後の記録媒体を剥離案内板によりスムーズに案内することが困難となってくる。勿論、APS技術自体優れた剥離性と実用性とを備えているため、一般に言う程度の高速定着では、かかる問題は顕在化することは無いが、市場の高速定着に対する要求はとどまることを知らず、これを高い次元で実現しようとすると、当該問題への対処が望まれてくる。そこで、APS技術による剥離装置に本発明の剥離案内板を適用することで、剥離後の記録媒体を剥離案内板によりスムーズに案内することが可能となり、極めて高い高速定着に対する要求に応えることができる。
すなわち、本発明の剥離案内板を適用したAPS技術による剥離装置(本発明の剥離装置)とは、上記APS技術による剥離装置であって、それに用いられる剥離案内板が、本発明の剥離案内板であることを特徴とするものである。
本発明の剥離装置においては、前記回転体の周動に伴い搬送されてきた前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の配された位置に接近した時に、当該最先端部に圧搾気体が当たるように、前記気体吐出手段により圧搾気体が吐出されることが好ましい。このとき、圧搾気体により前記回転体表面から剥離した前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺に乗り上げた状態となるに十分な程度の圧搾気体のみを吐出するように、前記気体吐出手段が制御され、前記記録媒体における搬送方向の最先端部に続く部位は、前記回転体の周動による搬送に伴って、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺に漸次乗り上げ、前記剥離案内板の前記回転体表面に対向する面の背面を前記記録媒体表面が摺擦移動することで、漸次前記回転体表面から剥離され、最終的に前記記録媒体全面が剥離するように構成されることが好ましい。
本発明の剥離装置においても、前記剥離案内板の前記記録媒体案内面としては、前記記録媒体の搬送方向に分割された複数の平面部を有し、該複数の平面部相互間に陥没部を有する態様であっても構わない。
本発明の剥離装置において、前記気体吐出手段としては、圧搾気体を吐出するノズルを、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に配してなるものとすることができ、また、前記ノズルを、前記回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数配してなるものとすることができる。
本発明の剥離装置において、前記気体吐出手段が、圧搾気体を吐出するノズルを、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に(1つ、または、前記回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数)配してなり、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺における、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍が、前記回転体表面に向けて突出した形状を有するものであることが好ましい。
以上のような構成とすることにより、前記記録媒体の搬送方向最先端部のうち、前記ノズルからの圧搾気体が当たる部分が剥離し、浮き上がった状態となるが、ちょうどその部位に対応する、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺の部位は、突出した部位となっている。したがって、圧搾気体により良好に浮き上がらせた前記記録媒体の最先端部が、前記剥離案内板の突出した部位に案内され、前記記録媒体全面が漸次剥離される。このような構成とすることで、画像、記録媒体、および定着ロールを含む回転体に損傷を与えることなく、極めて高い剥離性を確保して、しかも画質に影響を与えることがなく、実用性の高い剥離装置を提供することができる。
この場合、前記剥離案内板において、前記回転体表面に向けて突出した形状を有する部分については、前記記録媒体の搬送方向に直交する位置の中でも、前記記録媒体の搬送方向の長さが長くなっている。しかし本発明においては、前記剥離案内板における前記平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計が、前記記録媒体の搬送方向に直交するいずれの位置においても、略同じ長さになっている。具体的には、前記陥没部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計を、前記記録媒体の搬送方向に直交する位置に応じて、前記平面部の長さの合計を調整する。
このように前記平面部および陥没部を調整することで、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向で位置により、グロスむらなどの画質がばらつく懸念が解消される。
本発明の剥離部材(以下、単に「本発明の剥離部材」という場合には、上記本発明の剥離案内板と上記本発明の剥離装置の双方を意味するものとする。)は、特に高い剥離性が要求される定着装置に適用することが好ましい。
すなわち、本発明の定着装置は、少なくとも、表面が加熱されて周動する加熱回転体と、該加熱回転体の表面に当接しニップ部を形成する加圧回転体とを備え、表面に未定着のトナーからなるトナー画像が形成されたシート状の記録媒体を、前記トナー画像が形成された面が前記加熱回転体の表面に当接するように、前記ニップ部に挿通することで、前記トナー画像を定着する定着装置であって、
前記ニップ部を通過した後、前記トナー画像を構成する溶融状態となったトナーにより前記加熱回転体の表面に融着あるいは融着気味の状態で搬送される記録媒体を、前記加熱回転体から剥離し、その搬送を案内する剥離案内板を備え、かつ、該剥離案内板が本発明の剥離案内板であることを特徴とする。また、前記記録媒体を前記加熱回転体から剥離する剥離装置を備え、かつ、該剥離装置が本発明の剥離装置であることを特徴とするものであってもよい。
本発明の定着装置においては、前記加熱回転体が、ロール状であっても、エンドレスベルト状であっても構わない。また、同様に前記加圧回転体が、ロール状であっても、エンドレスベルト状であっても構わない。すなわち、本発明の定着装置は、2ロール方式の定着装置、ロール−ベルトニップ方式の定着装置、ベルト−ベルトニップ方式の定着装置のいずれの形式もとることができる。勿論、ロール−ベルトニップ方式の場合に、前記加熱回転体と前記加圧回転体のいずれがロールおよびベルトであっても構わない。なお、以上のベルトはいずれも、複数のロールにより張架された状態のものでも、張架されないフリーな状態のもの(フリーベルトニップ方式)でも構わない。
また、本発明の画像形成装置は、少なくとも、電子写真方式によりシート状の記録媒体表面に未定着のトナー画像を形成するトナー画像形成手段と、前記記録媒体表面に保持されたトナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置であって、
前記定着手段が、上記本発明の定着装置であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、画像記録装置、特に電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置に用いられる定着装置や転写同時定着装置等、周動する回転体の表面に貼り付いた状態で搬送されるシート状の記録媒体を前記回転体から剥離し、その搬送を案内するために、前記回転体近傍に配置して利用することが可能な剥離案内板について、剥離後の記録媒体をスムーズに案内することが可能な剥離案内板を提供することができる。また、本発明は、当該剥離案内板を好適な態様で利用した剥離装置、およびこれらを用いた定着装置、画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を好ましい実施の形態を挙げて説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の一例である剥離案内板を備えた第1の実施形態の定着装置について説明する。図1は、本実施形態の定着装置の模式断面図である。本実施形態の定着装置は、2ロール方式のものである。
図1に示す定着装置は、矢印A方向に回転する定着ロール(加熱回転体)1と、定着ロール1に接触しながら定着ロール1の回転方向Aとは反対の矢印B方向に従動回転する加圧ロール(加圧回転体)6とを備えている。表面に未定着のトナーからなるトナー画像Tを担持する用紙(記録媒体)Pは、矢印C方向に搬送され、定着ロール1−加圧ロール6間に形成されるニップ部Nに挿通され、これら一対のロール1,6により加熱されるとともに加圧されて、トナー画像Tのトナーが融着することで、トナー画像Tが用紙P表面に定着される。
定着ロール1における、ニップ部Nよりも定着ロール1の回転(周動)方向A下流側には、定着ロール1表面近傍に、一辺が近接し、かつ、定着ロール1の回転方向Aに寝かせられた状態で剥離案内板7が配されている。ここで「周動方向に寝かせられた状態」とは、剥離案内板(7)の回転体(定着ロール1)に近接する一辺(先端)を通る、当該回転体からの法線に対して、剥離案内板全体が周動方向に傾けられた状態を意味する。
ニップ部Nに挿通されて、トナーが溶融状態となっているトナー画像Tを担持する用紙Pが矢印C方向に搬送されると、剥離案内板7により用紙Pが定着ロール1から剥離される。
ここで、本実施形態における定着ロール1は、本発明にいう「回転体」に相当し、剥離案内板7は、当該定着ロール1から記録媒体である用紙Pを剥離するために設けられている。なお、本実施形態においては、用紙Pと定着ロール1との界面で、加圧ロール6の押圧による定着ロール1の弾性変形で生じる微小歪み(マイクロスリップ)を利用して、用紙Pが定着ロール1から自然に剥離するようにしたセルフストリッピング方式の構成を採用している。セルフストリッピング方式の構成を採用することで、文字画像を普通紙に定着する場合等、一般的な定着条件では、それのみで十分な剥離性を示す。
定着ロール1は、アルミニウム製で厚さ2〜3mmのコア5の表面に、厚さ0.5〜3mmの弾性層3が被覆され、さらにその上に厚さ20〜50μmの表面層4が被覆されてなり、内部に熱源としてヒータ2が配されている。本実施形態では、弾性層3としてゴム硬度25〜45°のシリコーンLSR(Liquid Silicone Rubber)ゴムが用いられている。また、表面層4としてはPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブが用いられている。なお、本実施形態において、定着ロール1の外径は、65mmφである。
なお、弾性層3の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、従来公知の各種材質のものを採用することができ、例えば、フッ素ゴムを用いることができ、シリコーンゴムおよびフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性層を用いてもよい。
また、定着ロールとしては、弾性層のない、いわゆるハードロールを用いてもよい。
次に、本実施形態において用いられている本発明の剥離案内板の一例である剥離案内板7について説明する。図2は、定着ロール1表面側と反対側の面(記録媒体案内面F1)から見た剥離案内板7の平面図である。図2において、W1は、用紙Pが当接し得る最大幅であり、本実施形態においては、A4長辺またはA3短辺と同じ297mmである。勿論、本発明においては、より大きな用紙を使用し得る装置としても構わないし、より小さな用紙のみ使用可能な装置としても構わない。
また、図3(a)は、図2におけるa−a断面を拡大した断面図であり、図3(b)は、b−b断面を拡大した断面図である。
図3(a)および(b)に示すように、剥離案内板7の断面形状は全体として、面F1、面7aおよび面7bを各辺とする楔形の三角形となっており、最も鋭い鋭角となる頂点部分(先端部7c)が、定着ロール1表面に近接する。図3(a)および(b)は断面図であるため、剥離案内板7において面F1、面7aおよび面7bは、実際には平面状または陥没部を有する平面状であり、具体的には、7aは定着ロール1表面に対向する面(「裏面」と称する。)、F1はその背面(記録媒体案内面)、7bは先端部7cと対向する一辺である端面(「端縁面」と称する。)である。
なお、本発明における剥離案内板には、本実施形態における剥離案内板7のように、断面形状が完全には長方形とならない、厳密には平板状でない形状のものが含まれる。
本実施形態において、剥離案内板7は、ステンレス(SUS430)材料を基材として用い、その記録媒体案内面F1、裏面7aおよび端縁面7bに厚さ30μmのフッ素系樹脂層を被覆したものを用いている。勿論、本発明において、剥離案内板の基材としてステンレス材料を用いることに限定されるものではなく、例えば、耐熱性のプラスチック材料やその他の金属を用いてもよい。
本実施形態において、剥離案内板7の先端部7cは、定着ロール1表面に近接して非接触で配されている。このとき、剥離案内板7の先端部7cと定着ロール1表面との間隙(ギャップ)としては、好ましくは1mm以下の範囲から選択される。このギャップが大きすぎると用紙Pが剥離案内板7で方向を大きく変えられることになり、剥離案内板7の先端や記録媒体案内面F1上をスムーズに滑ることが困難となり、用紙案内のストレスとなって剥離に支障を来たす場合がある。
一般的な剥離案内板7は、長手方向におけるいずれの位置をとっても、図3(a)に示されような楔形の三角形となっている。しかし、本実施形態においては、用紙Pが当接し得る最大幅W1の領域にわたり、図2および図3(b)に示されるように、記録媒体案内面F1に、陥没部7hが設けられていることが特徴的である。すなわち、記録媒体案内面F1は、先端部7cから端縁面7bに向けて平面部7sを有し、これに続いて平面部7sから段差をもって陥没している陥没部7hを有している。
このため用紙Pは、搬送方向C先端部が定着ロール1から剥離され、剥離案内板7の先端部7cに乗り上げるようにして漸次定着ロール1から分離される。そして用紙Pのトナー画像Tを担持する面が、漸次記録媒体案内面F1される。しかし、上記した通り記録媒体案内面F1には陥没部7hが設けられているため、当該陥没部7hには用紙Pが当接せず、平面部7sにのみ当接して、摺擦される。
このように、本実施形態によれば、トナー画像Tが摺擦される長さ・時間を短縮することができ、用紙Pのスムーズな搬送が実現される。そのため、ジャミング等の事故が起こる懸念が少なく、また、画像のグロス変化や画像乱れ等画質に与える影響を無きに等しいものとすることができる。勿論、当該記録媒体案内面F1に仮に陥没部7hが設けられていなかったとしても、用紙Pのトナー画像Tは、面で記録媒体案内面F1に当接するため、用紙Pの搬送のスムーズさは比較的高い。しかし、プロセススピードを、例えば300mm/S以上のように極めて速くした場合、どうしても当接面積が大きいと、スムーズさが損なわれてくるため、本発明の構成を採用することが極めて有効となる。
剥離案内板7において、記録媒体案内面F1における平面部7Sおよび陥没部7hの、用紙Pの搬送方向(図2における上下方向)の長さとしては、それぞれ短過ぎても長過ぎても好ましくなく、適宜条件に合わせて設計することが望ましい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の他の一例である剥離案内板を備えた第2の実施形態の定着装置について説明する。本実施形態の定着装置は、剥離案内板の構成のみが第1の実施形態と異なり、その他の基本構成は同様であるため、図1を用いて説明する(ただし、第1の実施形態とは構成の異なる剥離案内板については、符号を「7’」として説明する。)。したがって、剥離案内板以外の構成についての説明は、割愛することにする。
図4は、定着ロール1表面側とは反対側の面(記録媒体案内面F2)から見た剥離案内板7’の平面図である。図4において、W2は、用紙Pが当接し得る最大幅であり、本実施形態においても、A4長辺またはA3短辺と同じ297mmであるが、本発明においては、勿論これに限られるものではない。
また、図5(a)は、図4におけるc−c断面を拡大した断面図、図5(b)は、d−d断面を拡大した断面図、図5(c)は、e−e断面を拡大した断面図、図5(d)は、f−f断面を拡大した断面図である。
図5(a)〜(d)に示すように、剥離案内板7’の断面形状は全体として、記録媒体案内面F2、裏面7’aおよび端縁面7’bを各辺とする楔形の三角形となっており、最も鋭い鋭角となる頂点部分が、定着ロール1表面に近接する。
本実施形態において、前記頂点部分に相当する、剥離案内板7’の定着ロール1表面に近接する一辺は、一直線状とはなっておらず、図4に示すように、定着ロール1表面に向けて突出した形状を有している(以下、このように回転体表面に向けて突出した部位を1箇所以上有する形状を「異形先端形状」と称することがある。)。本実施形態における異形先端形状は、図4に示すように、凸部8aと凹部8bとで構成されている(なお、両端部は凸部8aと同等の突出状態となっているが、本実施形態において当該部位は、用紙Pが当接し得る最大幅W2の外側となる、用紙剥離に寄与しない部分であるため、敢えて凸部8aには含めていない。)。
凸部8aは、その先端が一直線状となるように突出しており、剥離案内板8の長手方向に3箇所設けられている。一方、凹部8bは、凸部8a相互の間および両端に設けられ、円弧状に後退している。さらに、凹部8bにおいては、剥離案内板8の表裏面で、その後退の程度が異なっており、裏面7’aよりも、その背面である記録媒体案内面F2の方が後退し、凹部8bの円弧の中央では、記録媒体案内面F2に対して傾斜した面(図5(b)における8c)が形成されている。
また、本実施形態においては、用紙Pが当接し得る最大幅W1の領域にわたり、図4および図5(b)〜(d)に示されるように、記録媒体案内面F2に、陥没部7’hが設けられていることが特徴的である。すなわち、記録媒体案内面F2は、凸部8aおよび凹部8bよりなる先端部から端縁面7’bに向けて平面部7’sを有し、これに続いて平面部7’sから段差をもって陥没している陥没部7’hを有している。
特に、本実施形態では、平面部7’sの、用紙Pの搬送方向(図4における上下方向)の長さが、用紙Pの搬送方向に直交する方向(図4における左右方向)のいずれの位置においても、略同じ長さとなっている。図5を用いて説明すると、凹部8bとなっている図5(b)の平面部7’sの長さL1と、凸部8aとなっている図5(d)の平面部7’sの長さL3と、その中間的な部分である図5(c)の平面部7’sの長さL2と、の関係は、以下に示すようになっている。
L1≒L2≒L3
これは、逆に言えば、用紙Pの搬送方向に直交する方向(図4における左右方向)で、記録媒体案内面F2の長さが異なるような形状の場合、陥没部7’hの、用紙Pの搬送方向(図4における上下方向)の長さを適宜調整することで、上記関係式を満たすように調整している。
なお、第1の実施形態においては、剥離案内板7’自体が異形先端形状を有していないため、特に形状等を調整せず、一様に陥没部7hを形成すれば、そのまま、平面部7’sの、用紙Pの搬送方向(図2における上下方向)の長さが、用紙Pの搬送方向に直交する方向(図2における左右方向)のいずれの位置においても、略同じ長さとなる。
このような形状の剥離案内板7’を、凸部8aおよび凹部8bが定着ロール1表面に近接するように設けたのが、本実施形態の定着装置である。
ニップ部Nの出口付近において、用紙Pには定着ロール1表面から剥離しようとする力が働くが、「トナー画像Tのトナー量が多い」、「用紙Pの先端近くまでトナー画像Tがある」、「用紙Pの坪量が小さい」、「用紙Pが薄いコート紙である」等、用紙Pの剥離が困難な条件の場合には、用紙P自身のコシにより部分的には定着ロール1表面から剥離し、他の部分は剥離していないといった状態が起こり得る。この場合、剥離案内板7’の定着ロール1に近接する一辺が一直線状で、定着ロール1表面に対して平行に(等間隔で)離間して配置されていると、用紙Pにおける定着ロール1表面から剥離した部位は、剥離案内板7’の記録媒体案内面F2側に進行しようとし、剥離していない部位は、定着ロール1表面に追随するため、剥離案内板22の定着ロール1表面と対向する面側(裏面7’a側)に進行しようとする。つまり、用紙Pの最先端部で、剥離案内板7’の両面に進行しようとする部位が生じ、用紙Pの最先端部が、剥離案内板7’の最先端部にぶつかり、剥離ができないばかりか、ジャミング等の搬送不良を起こしてしまう。
本実施形態によれば、剥離案内板7’における定着ロール1表面に近接する一辺に凸部8aおよび凹部8bを設けることで、用紙Pの最先端部における、少なくとも凸部8aに対応する部位が剥離していれば、凸部8aに乗り上がることになる。このとき、用紙Pの最先端部における、凹部8bに対応する部位が剥離していなくても、凹部8bが用紙Pの搬送方向Cに対して後退しているため、用紙Pの最先端部は引っ掛かることがない。定着ロール1の回転(周動)による搬送移動に伴い、剥離案内板7’の凸部8aに乗り上げた、前記剥離した部位に引きずられて、剥離していない部位も漸次剥離される。このようになれば、用紙P全体が良好に剥離される。
本実施形態では、以上のように剥離案内板7’が異形先端形状を有する。このように異形先端形状を有する剥離案内板7’では、記録媒体案内面F2の用紙Pの搬送方向(図4における上下方向)の長さが、用紙Pの搬送方向に直交する方向(図4における左右方向)の位置により異なってきてしまい、グロスむらなどの画質への影響が生じる懸念がある。この懸念は、格段の高速定着や高画質化を望む場合に初めて顕在化する可能性がある。
本実施形態では、既述の如く、用紙Pの搬送方向に直交する方向(図4における左右方向)のいずれの位置においても、平面部7’sの、用紙Pの搬送方向(図4における上下方向)の長さが、略同じとなるようにしている。このようにすることで、異形先端形状の剥離案内板7’であっても、搬送による用紙Pの記録媒体案内面F2に対する摺擦が、搬送方向に直交する方向で差がなくなり、グロスむらなどの画質への影響が生じる懸念が解消される。
本実施形態において、説明しなかった剥離案内板の構成(材質、ギャップ等)やその他の構成については、第1の実施形態と同様である。
ここで、異形先端形状を有する剥離案内板の変形例を図6に平面図にて示す。図6は、前記回転体表面に対向する面の背面側、すなわち記録媒体案内面側から見た平面図であり、図面上の下側が異形先端形状を有する一辺である。図6において、W3は、用紙Pが当接し得る最大幅であり、本実施形態においては、A4長辺またはA3短辺と同じ297mmである。なお、各剥離案内板は、厚さ方向の形状については省略して示している。
図6(a)は、異形先端形状として、鋭角状に尖っている形状の凸部60aを7つ有する態様である。この場合、剥離対象となる回転体に対して近接する凸部60aの総延長が極めて短くなり、記録媒体の最先端部における前記回転体表面から剥離していない部位を許容する確率が高く、剥離性は比較的高い。
また、例えば、定着時の剥離においては、記録媒体の搬送方向最先端部における両端部には、トナー画像は一般に形成されないため、図6(b)に示すように、当該両端部に対応する部位、すなわち剥離案内板の一辺の両端のみに凸部62aを設けることも効果的である。トナー画像が形成されない両端部は、記録媒体の搬送方向最先端部の中でも高い確率で、定着後の剥離が起こり、これに有効に凸部62aが作用するため、剥離性は極めて高い。このとき、記録媒体の搬送方向と垂直方向の幅や、トナー画像が形成され得る範囲を検討して、凸部62aの幅を適切なものとすればよい。
同様に、図6(c)に示すように、剥離案内板の一辺の片端のみを突出させて凸部64aとし、他端に向けて直線状に後退させた形状とすることも効果的である。片端のみ剥離案内板の最先端部に乗り上げれば、記録媒体の搬送とともに、後退する直線状の最先端部で漸次剥離が進行し、最終的に全面が剥離するため、剥離性は極めて高い。また、記録媒体の搬送方向最先端部における両端のうち、一端側にはトナー画像形成が想定される場合などには、異形先端形状が当該形態の剥離案内板を採用し、トナー画像形成が想定される側の一端に対応する剥離案内板の一辺の一端を後退させることが効果的である。
さらに、用いられる記録媒体の大きさが複数の場合、その搬送方向と垂直方向の幅に対応して、図6(d)に示すように、凸部66a〜66a”を設けることも効果的である。図6(d)に示す剥離案内板を用いた場合、例えば、A4縦方向での搬送では、記録媒体における画像の形成されていない長手方向両端部が、剥離案内板両端の凸部66aおよび凸部66a”が有効に作用し、A4横方向での搬送では、記録媒体における画像の形成されていない短手方向両端部が、剥離案内板の片端の凸部66a”と一辺の途中にある凸部66a’が有効に作用し、それぞれ適切な剥離性が確保される。
れら異形先端形状を有するいずれの剥離案内板についても、記録媒体案内面は、異形先端形状を有する一般から所定の間は平面部50s,52s,54s,56sを有するが、図面におけるその上方には、陥没部50h,52h,54h,56hが続いている。このようにいずれの異形先端形状を有していても記録媒体の搬送方向に、平面部に続いて陥没部を有する剥離案内板は、記録媒体案内面における記録媒体が当接する平面部50s,52s,54s,56sの、記録媒体の搬送方向の長さ(図面上の上下方向)が相対的に短くなり、記録媒体が、記録媒体案内面を通過する際、陥没部50h,52h,54h,56hにおいて当接せず、平面部50s,52s,54s,56sにおいてのみ当接するため、記録媒体が前記記録媒体案内面を摺擦していく道程(時間)を短くすることができ、よりスムーズに記録媒体を案内することができる。
そして、図6において、(c)の例については、本実施形態における剥離案内板(図2および図3に示されるもの)と同様、平面部54sの、記録媒体の搬送方向の長さが、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向(図面上の左右方向)のいずれの位置においても、略同じ長さとなっている。すなわち、(c)の例のみが本発明の剥離案内板に相当し、(a)、(b)および(d)の例は本発明の剥離案内板に相当しない。勿論、これらの例についても、異形先端形状にそれぞれ応じて、平面部50s,52s,56sおよび陥没部50h,52h,56hを適宜調整して、平面部50s,52s,56sの、記録媒体の搬送方向の長さを、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向(図面上の左右方向)のいずれの位置においても、略同じ長さとなるようにすることで本発明の剥離案内板に相当するものになる
<第3の実施形態>
次に、第2の実施形態において説明した本発明の一例である剥離案内板を、APS技術による剥離装置に適用し、これを備えた第3の実施形態の定着装置について説明する。図7は、本実施形態の定着装置の模式断面図である。本実施形態の定着装置は、2ロール方式のものである。
本実施形態の定着装置は、剥離装置(剥離案内板を含む)の構成のみが第1の実施形態と異なり、その他の基本構成は同様であるため、図7において、第1の実施形態と同一の機能を示す部材には図1と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
また、本実施形態で用いた剥離案内板は、既述の如く、第2の実施形態で説明した剥離案内板7と同一であるため、図7において、「7’」の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
定着ロール1における、ニップ部Nよりも定着ロール1の回転(周動)方向A下流側には、定着ロール1表面近傍に、一辺が近接し、かつ、定着ロール1の回転方向Aに寝かせられた状態で剥離案内板7’が配されている。また、定着ロール1表面と、それに対向する剥離案内板7’の記録媒体案内面の背面とに挟まれた領域には、気体吐出装置(気体吐出手段)10が配されている。
図8に、本実施形態における剥離装置、すなわち剥離案内板7’および気体吐出装置10の、定着ロール1表面側から見た拡大平面図を示す。なお、当該図8とは逆方向の面から見た(すなわち、定着ロール1表面側と反対側の面から見た)、当該剥離装置における剥離案内板7’の平面図が図4となる。
図8に示されるように、本実施形態において気体吐出装置10は、剥離案内板7’の長手方向に3個設けられている。ただし、APS技術においては、気体吐出装置の設けられる数に制限はなく、少なくとも一つ設けられればよく、好ましくは複数個である。本実施形態において気体吐出装置10は、内径が0.5〜4mm程度のエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3と、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3と、図7においては不図示の気体供給装置と、からなり、エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から、圧縮された気体流(圧搾気体)をパルス状に吐出するように構成されている。ここで、「パルス状」とは、連続的に流す空気流ではなく、短時間(例えば0.01〜0.1sec)だけ1回、またはある程度時間間隔を置いて断続的に流すことを意味する。
図9は、気体吐出装置10の全体構成を模式的に表す模式構成図である。図9においては、図8で省略されている気体供給装置が模式的に表されており、10c〜10gの符号が付されている。すなわち、気体吐出装置10の一部を構成する気体供給装置は、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に送る気体を溜めておく気体溜め(ACCUMULATOR)10cと、圧縮気体を生成し圧送するエアーポンプ10dと、これらの間を図示のように連結する連結配管10eと、各電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉を制御するエアーパルスコントローラー10f−1,10f−2,10f−3と、エアーポンプ10dから圧送される圧縮気体の圧力を調整するレギュレーター10gと、から構成される。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は各々電磁弁10b−1,10b−2,10b−3に接続されており、エアーパルスコントローラー10f−1,10f−2,10f−3からの電磁弁の弁開閉信号のオンオフにより、吐出時間と吐出タイミングが制御される。さらに、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3は、気体溜め10cを介してエアーポンプ10dに連結配管10eによって連結されており、エアーポンプ10dから圧送された気体は、気体溜め10cで一旦トラップされた後、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に送られ、圧搾気体が突出される。気体溜め10cでは、エアーポンプ10dから供給された気体が、所定の圧力になるまで貯留される。このとき、気体溜め10c内の圧力は、連結配管10eの経路における気体溜め10c近傍に設けられた不図示の圧力計によりモニターされる。
気体吐出装置10から吐出された圧搾気体により剥離された用紙Pの搬送方向Cの最先端部は、剥離案内板7’の記録媒体案内面F2側に乗り上げ、その後は、定着ロール1の周動による搬送に伴って、用紙Pが記録媒体案内面F2を摺擦移動することで、漸次定着ロール1表面から剥離され、最終的に用紙P全面が剥離する。すなわち、用紙Pの最先端部の剥離のみを気体吐出装置10による圧搾気体の突出が行い、その後最後端までの部分の剥離は、剥離案内板7’が担う。
この作用について、詳細に説明する。図10および図11は、本実施形態の定着装置を例に挙げて、APS技術による剥離の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程1および2が図10に、工程3および4が図11に、それぞれ示されている。また、各工程において、左の図は、図7と同一の方向から見た模式断面図であり、右の図は、図8とは逆方向の面から見た(すなわち、記録媒体案内面F2側の面から見た)、剥離装置および用紙のみの拡大平面図である。図10および図11において「ON」「OFF」とあるのは、気体吐出装置10における電磁弁(図3における10b−1,10b−2,10b−3)の動作のオン−オフである。
なお、以下の工程はあくまでも代表例として示すものであり、APS技術による剥離は、本実施形態の工程に限定されるものではない。
矢印C方向に搬送され、定着ロール(加熱回転体)1−加圧ロール(加圧回転体)6間のニップ部Nに挿通された用紙(記録媒体)Pは、剥離対象の回転体としての定着ロール1表面に密着して(貼り付いた状態で)ニップ部N出口から出て来る。ニップ部N出口以降、用紙(記録媒体)Pは、定着ロール1表面に連れて、周動方向(矢印A方向)に曲線を描いて進行し、気体吐出装置10のエアーノズルから吐出されるパルス状の圧搾気体によって、用紙Pの搬送方向Cの最先端部(以下、単に「用紙先端」という場合がある。)のエアーノズル近傍が、定着ロール1表面から剥がされ、浮きが生じながら搬送される(図9の工程1参照)。
エアーノズルから吐出される圧搾気体は、ニップ部Nから出てきた用紙先端を瞬間的に剥がすだけで十分であるため、そのパルス幅(吐出時間)はそれほど長くする必要はない。用紙先端が剥がされ浮き上がったところに、定着ロール1表面と僅かなギャップを保持して設けられた剥離案内板7’の定着ロール1表面に近接する一辺(以下、「先端」と略す場合がある。)が入り込み、用紙先端が剥離案内板7’の先端に乗り上げた状態となる。その段階の前後で、圧搾気体の吐出が終了する(以上、図10の工程2参照)。
その後、用紙Pにおける搬送方向Cの最先端部に続く部位は、定着ロール1の周動による搬送に伴って、漸次剥離案内板7’の先端に乗り上げ、剥離案内板7’表面を摺擦移動することで、漸次定着ロール1の表面から剥離され、最終的に用紙Pの全面が剥離される(以上、図11の工程3および4参照)。そして用紙Pは、排出ガイド11に案内されて、排出ロール12により装置外に排出される。
剥離案内板7’表面は、その全体が平滑な平面またはわずかな曲率を有した曲面の板の表面に好ましくは離型層が構成されており、ニップ部N出口直後の溶融状態にあるトナー画像Tは、表面が僅かに摺擦されても、平滑な剥離案内板7’の全面で支持されるので、画像を傷付けることはない。
APS技術による剥離は、以上のような作用により、極めて良好な剥離性能を発揮する。
本実施形態において、剥離案内板7’の先端は、既述の如く異形先端形状をしており、圧搾気体により瞬間的に剥がされる部分に対応する部位(図4における凸部8a)だけが、定着ロール1表面に向けて突出している。換言すれば、剥離案内板7’は、その先端における、エアーノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍のみが、定着ロール1表面に向けて突出した形状を有する。
したがって、この凸部8aのみが、定着ロール1表面に対してわずかなギャップを形成するように設けられており、用紙Pは最初にこの部分が剥離案内板7’の先端に乗り上げる。このとき、用紙P最先端の搬送方向Cと垂直の方向で、エアーノズルから離れた(圧搾気体が当たらない)部位は、圧搾気体が作用しないので、定着ロール1に密着したままである。しかし、圧搾気体で剥がされた部位において、剥離案内板7’の先端が用紙Pと定着ロール1との間に入り込んでいるので、その後、用紙Pが搬送されるに従い、既に剥離された部位を基点として徐々に剥離案内板7’によって剥離される(以上、図10の工程2の状態)。つまり、用紙P最先端における圧搾気体が多く当たらない部位は、それが直接的に当たる部位よりも遅れて剥離案内板7’によって剥離されることになる。
このように本実施形態の剥離装置は、まずは、定着ロール1に密着してニップ部Nから出てきた用紙Pの最先端部を圧搾気体で瞬間的に剥がし、剥がれたところに剥離案内板7’の先端が入り込むことによって、最終的に用紙全面を剥離するものである。
APS技術による剥離装置において、剥離案内板の先端は、異形先端形状を有することが望ましく、本実施形態における剥離案内板7’についても、かかる形状を採用している。すなわち、APS技術による剥離装置において、剥離案内板の先端部の形状は、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍は、剥離対象となる回転体表面に近接してわずかなギャップを形成することが好ましく、さらに直線状であることがより好ましいのに対して、それ以外の部位(ノズルより離れたところ)は、記録媒体が遅れて剥離されることになるので、当該回転体表面から離れた位置であることが好ましい。したがって、本実施形態において、剥離案内板7’の先端部は、気体吐出装置10におけるエアーノズル(図8における10a−1,10a−2,10a−3)に対向する部位およびその近傍が、直線状で最も定着ロール1に近接して突出しており、エアーノズルに対向する部位から離れるに従い、徐々に定着ロール1表面から遠ざかるように円弧状に切り欠かれた形状となっている。
勿論、APS技術による剥離装置において、剥離案内板の先端をこのような異形先端形状とすることは必須ではなく、例えば直線状であっても構わないが、本実施形態の如き異形先端形状とすることで、ノズルから吐出すべき圧搾気体の圧力や吐出時間(パルス幅)、さらには設けるノズルの数を抑えることができ、装置の小型化、低コスト化の観点から好ましい。
気体吐出装置10におけるエアーノズル(図8における10a−1,10a−2,10a−3)は、定着ロール1表面とそれに対向する剥離案内板7’表面とに挟まれた領域に設けられ、当該ノズルの先端は、剥離案内板7’の先端と定着ロール1との間に形成されるギャップよりも、定着ロール1の周動方向Aの下流に設けられる。
図12に、エアーノズルから吐出された圧搾気体の流れを説明するための模式拡大図を示す(本図においては、3つのエアーノズルのうち10a−1を代表させて示している。)。図12に示すように、エアーノズル10a−1から吐出されたやや放射状の成分を含む直線状の気流(初期気流X)は、剥離案内板7’の先端と定着ロール1との間に形成されるスリット状のギャップを通過する時に形が変換され、平面状(カーテン状)の気流(ギャップ通過気流Y)となる。平面状(カーテン状)の気流は、線状に近い状態で用紙Pの最先端部に当たるので、他の形状の気流に比べ同じ気体量で比較した場合に最も効率よく、用紙Pの最先端部を良好に剥離することが可能である。つまり、剥離対象となる回転体、剥離案内板および気体吐出手段を適切に配置することで、より少ない気体量、より少ないノズル数で、記録媒体を剥離することができる。
本実施形態において、剥離案内板7’の先端(詳しくは凸部8a)は、定着ロール1表面に近接して非接触で配されている。このとき、剥離案内板7’の先端(詳しくは凸部8a)と定着ロール1表面との間隙(ギャップ)としては、好ましくは0.05〜1mmの間、より好ましくは0.1mm〜1mmの間から選択される。このギャップが大きすぎると用紙Pが剥離案内板7’で方向を大きく変えられることになり、剥離案内板7’の先端や記録媒体案内面F2上をスムーズに滑ることが困難となり、用紙案内のストレスとなって剥離に支障を来たす場合がある。また、このギャップが大きすぎると、剥離案内板7’の先端に用紙先端を乗せるべく、用紙先端を大きく浮かさなければならないこと、図11におけるギャップ通過気流Yが、適切な平面状(カーテン状)の気流になり難いこと、等の理由から、必要とする圧搾気体の圧力、パルス幅が大きくなってしまうといった懸念もある。一方、このギャップが小さすぎると、圧搾気体が当該ギャップを通過する際に抵抗となってしまい、変換された平面状(カーテン状)の気流の吐出力が減少してしまう懸念がある。このギャップ調整は、上記範囲内で、エアーノズル10a−1から吐出される圧搾気体の圧力や吐出タイミング、吐出時間(パルス幅)に応じて適切に設定を行えばよい。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は、剥離案内板7’と定着ロール1表面との間に、非接触で挟み込まれる状態で、特に剥離案内板7’の各凸部8aの先端にエアーノズルの吐出口先端が近づいた位置に配されている。この位置が離れていると、用紙Pの最先端部に作用させる圧搾気体の吐出力が弱まり、有効性が抑制される場合がある。したがって、かかるエアーノズルの吐出口先端は、定着ロール1表面および剥離案内板7’に干渉しない範囲内で、極力、剥離案内板7’の各凸部8aの先端近傍に配置することが望ましい。
剥離案内板7’は、定着ロール1の周動方向Aに寝かせられた状態で配されている。傾ける程度としては、回転体表面から剥離する記録媒体の進行方向ができるだけ変更されない程度が好ましく、回転体表面から記録媒体の剥離が開始する点(剥離ポイント)における前記回転体の接線と、前記剥離案内板の前記回転体表面に対向する面の背面(記録媒体案内面F2)とが、平行に近い(両者の成す角が小さい)ことが望ましい。
図面を用いて剥離案内板の配置について説明する。図13は、回転体である定着ロールと剥離案内板との配置関係を説明するための部分拡大断面図である。図13においては、用紙Pが定着ロール1表面から剥離する箇所周辺を拡大して示しており、用紙P、定着ロール1および剥離案内板7’以外の構成は図示を省略している。
図13において、定着ロール1表面に貼り付いた状態で搬送された用紙Pは、不図示の気体吐出装置10による圧搾気体で定着ロール1表面から、剥離ポイントSで剥離する。
剥離ポイントSで剥離した用紙Pの最先端部は、剥離案内板7’の先端Gに乗り上げる。図13は、その状態を示したものである。用紙Pの最先端部近傍は、定着ロール1表面の剥離ポイントSにおける接線Eと略同じ軌跡を辿って搬送されている。接線Eと用紙Pの搬送の軌跡とが近いほど、用紙Pの剥離に自身のコシを最大限活用することができるため、圧搾気体の圧力、パルス幅を抑制することができ、また用紙Pをスムーズに剥離させることができることになる。
したがって、剥離案内板7’の先端Gの位置としては、既述のギャップ範囲であることも好ましい要件ではあるが、その要件の他、接線E上ないし接線Eより定着ロール1表面側にあることが好ましく、接線Eに近ければ近いほど好ましく、接線E上にあることが最も好ましい。
また、剥離ポイントSおよび剥離案内板7’の先端Gを結ぶ直線(図13において、当該直線は接線Eと同じであるため、直線Eと表示する。)と、剥離案内板7’の記録媒体案内面F2(厳密にはその平面部7’s)と、の成す角θとしては、−35°以上+20°以下が好ましく、0゜に近ければ近いほど好ましい。この角度がマイナス側(剥離案内板7’の記録媒体案内面F2が、直線Eよりも定着ロール1表面から遠ざかる側)に大きくなり過ぎると、用紙Pが剥離案内板7’で方向を大きく変えられることになり、剥離案内板7’の先端や記録媒体案内面F2上をスムーズに滑ることが困難となり、用紙案内のストレスとなって剥離に支障を来たす場合がある。一方、この角度がプラス側に大きくなり過ぎると、気体吐出装置10を適切な位置に配置し辛くなる。
したがって、ベストモードとしては、用紙Pが接線Eと略同じ軌跡を辿って搬送される、接線Eと記録媒体案内面F2とが重なる状態である。
定着ロール1における用紙Pの剥離位置(剥離ポイントS)は、ニップ部N出口からの距離が長い程、圧搾気体による用紙Pの最先端部の剥離には有効に働く。例えば、用紙Pの最先端部がニップ部N出口からk(mm)出た状態において、用紙Pの最先端部に圧搾気体の吐出力F(N)を作用させた場合、用紙Pはニップ部N出口を支点として固定されているので、用紙Pの最先端部には、およそF×kのモーメントが作用する。これが、用紙Pが定着ロール1に付着している力とニップ部N出口を支点とした用紙Pのコシに打ち勝って、用紙Pの最先端部を剥離案内板7’の先端に案内するためには、このkの値は大きい方がよい。しかしながら、kが大きすぎると、用紙Pが定着ロール1に巻き付いたまま担持される時間が長くなることになり、用紙P表面に担持されたトナー画像Tが過加熱されることになるため、得られる画像にグロスムラが生じることがある。よって、画質を考慮しながら用紙先Pの最端部に圧搾気体の吐出力が有効に作用する剥離ポイントSを設定する。
この剥離ポイントSの位置は、気体吐出装置10による圧搾気体の向き、圧力、パルス幅等の条件や、用いる用紙Pの厚さ、コシ、形成されるトナー画像のトナー量等条件により適宜調整すればよい。一般的には、前記圧搾気体が最初に当たる位置となるように調整される。
本実施形態において、剥離案内板7’における凸部8aは、定着ロール1の軸方向と略平行に幅を有している。その幅の好ましい範囲は、一概には言えないが、5〜80mm程度から選択することが好ましい。
本実施形態においては、エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は、剥離案内板7’と定着ロール1との間に独立して設けられているが、APS技術においては、回転体表面とそれに対向する剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出し得る構成であれば足り、配される位置は限定されず(例えば、よりエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3が後退した場所に位置する態様が挙げられる。)、また剥離案内板がノズルを兼ねる構成であっても一向に差し支えない(例えば、剥離案内板7’の裏面7’aから、定着ロール1表面と剥離案内板7’の先端との間隙を狙うように開口部が向けられたノズルが突出した態様が挙げられる。)。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出される圧搾気体の吐出時間(パルス幅)としては、様々な条件により変動するため一概には言えないが、大略0.01〜0.1sec程度が望ましい。
吐出時間が0.1secを超えると、一回の吐出で非常に多くの気体が放出され、高速の連続通紙対応が困難になり汎用性に欠ける懸念がある。さらに、エアーポンプ10dとして、大きな気体供給能力を有する大型ポンプが必要となり、気体溜め10cとして、大容量のACCUMULATORが必要となり、装置の大型化が顕在化し、コストも高くなることから現実的でなくなる可能性がある。
一方、吐出時間が0.01sec未満であると、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉応答性が悪くなり、弁開閉タイミングのばらつきが大きくなるので信頼性に欠ける可能性がある。
この吐出時間は、用紙Pの搬送速度(プロセススピード)に合わせて適切に設定すればよいが、搬送速度に応じて可変としてもよい。この他にも、用紙P先端からトナー画像Tが存在する画像部までの長さ(余白部)に応じて、圧搾気体の吐出時間を可変とすることも可能であり、この場合、用紙Pの先端余白部だけに圧搾気体を当てることが可能となり、トナー画像Tに圧搾気体を作用させないように配慮することもできる。また、用紙の先端の余白部がほとんどなくても圧搾気体は定着ロール1と用紙Pとの間に楔的に入り込んで剥離することが可能であるが、勿論、圧搾気体の吐出量は、全体としてはかなり少ないため、仮にトナー画像Tに圧搾気体が当たってしまっても、通常は画質に大きな影響を与えることは無い。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出させる圧搾気体の圧力は、0.05〜0.5MPa以下にすることが望ましい。0.5MPaを超えるとエアーポンプ10dとして、大きな気体供給能力を有する大型ポンプが必要となり装置の大型化に繋がり、また、空気漏れの対策が必要になり装置のコスト高に繋がる。装置を小型化して、低コストで良好な用紙の先端部剥離を実現するためには、低圧力化し、一回に吐出する圧搾空気量を少なく抑えることが望ましい。エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出させる圧搾気体として、用紙Pの最先端部の剥離に必要最小限の圧力と、最短の吐出時間を選択することで、高速の複写機やプリンターにも適応可能である。
圧搾気体の圧力は、挿通される用紙Pの種類や搬送速度等の条件に応じて可変としてもよい。例えば、用紙Pがコシのない用紙で、トナー画像Tが、用紙Pにおける搬送方向Cの最先端部近傍まで多くのトナーが存在する場合などは、付着力の強いトナーが、用紙P先端近くまであることから、定着ロール1から用紙Pを剥離し難い。そこで、用紙Pの最先端部を強い圧搾気体で剥がすために、吐出する気体の圧力を高めに設定すれば、確実に剥離することが可能となる。エアーポンプ10dの圧力調整は、気体溜め10cとエアーポンプ10dとの間に配されたレギュレーター10g等により行う。
圧搾気体の量は、主に気体の圧力、電磁弁のオリフィス径、ノズルの個数(本実施形態では3個)および各電磁弁の開放時間で決定される。
なお、圧搾気体として用いる気体としては、特に制限はないが、一般的には大気中の空気がそのまま用いられる。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出される圧搾気体の温度を、必要に応じて適切に制御してもよい。より画質ムラの少ない高画質化を実現するためには、吐出する圧搾気体の温度は、室温より高く設定することが好ましい。圧搾気体の温度と、ニップ部Nを通過した直後の用紙P表面のトナー画像Tにおけるトナー温度との温度差が大きいと、画質ムラが生じることがある。また、まだ高い温度状態にある前記トナーを急速に冷却してしまう可能性があるため、圧搾気体の温度は室温より高いことが望ましい。
さらに、圧搾気体の温度は、トナーの軟化点付近の温度近くとすることが好ましく、トナー画像Tのニップ部N出口直後の温度、すなわち定着ロール1から用紙Pが離れて熱の供給が終わり、放熱による自然冷却が始まった直後のトナー温度に近いことがより好ましい。具体的には、トナーの軟化点に対して±40℃以内とすることが好ましく、定着ロール1の表面温度に対して−5℃〜−80℃の範囲とすることが好ましい。
必要に応じて、剥離案内板7’の温度を制御してもよい。圧搾気体の吐出後、用紙Pのトナー画像T面が剥離案内板7’の表面8aを摺擦しながら排出ガイド11に導出されるため、ニップ部Nの出口から排出されて、剥離案内板7’の記録媒体案内面F2に達する際の用紙P表面のトナー画像Tにおけるトナー温度と、記録媒体案内面F2との温度差が大きいと、摺擦の際に画質に影響を与えてしまう可能性がある。したがって、両温度が隔たらない(温度差が、好ましくは80℃以内、より好ましくは60℃以内)ように剥離案内板7’の温度を制御することが好ましい。
剥離案内板7’の温度の制御方法は、特に制限は無く、例えば剥離案内板7’を加熱するヒータを別途配設したり、定着ロール1の余熱を利用したり、等の態様が挙げられる。
ニップ部Nに挿通される際に用紙Pがスキューした場合を考慮して、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に接続された電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミングを制御してもよい。すなわち、用紙Pがスキューした場合、用紙Pの最先端部が図12における剥離ポイントに達するタイミングが、用紙Pの搬送方向と垂直の方向でズレてくるため、そのずれに応じて電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミングを制御することが好ましい。
具体的には、用紙Pの進行方向後端部が、ニップ部Nに挿通される前の所定の位置を通過するタイミングを、用紙Pの搬送方向と垂直の方向に配置した複数のセンサーにより検知して、この検知信号からスキュー量を割り出し、該スキュー量に応じて電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミング(すなわち圧搾気体の吐出タイミング)を制御すればよい。当該センサーは、少なくとも用紙Pの進行方向後端部の搬送方向と垂直の方向2カ所を検知すれば、スキュー量を知ることができる。
本実施形態においては、剥離案内板7’の凸部8aとそれに対応するエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3とが、それぞれ3つの場合を例に挙げているが、本発明においては、無論3つに限定されるわけでなく、例えば、剥離案内板に1〜10程度の凸部を設け、この凸部に対応するすべてにエアーノズルを設けてもよいし、凸部のうち任意の複数個所あるいは1箇所にのみエアーノズルを設けてもよい。
以上、<第1の実施形態>〜<第3の実施形態>の3つの態様の定着装置の例を挙げて、本発明の剥離案内板および剥離装置、並びにそれを用いた定着装置を説明したが、本発明は上記例に限定されるものではない。例えば、平面部や陥没部の形状、さらには異形先端形状は、全て例示であり、目的や所望とする性能に応じて、その都度適切な形状を選択すればよい。
なお、上記実施形態では、記録媒体案内面において、陥没部が、平端部から急激に陥没している形状のもののみを例に挙げたが、平面部と陥没部との境界を厳密にすることなく、なだらかにおよび/または段階的に、陥没する形態としても構わない。
また、上記実施形態では、記録媒体案内面において、いずれも平面部と陥没部とを1つずつ有する態様について説明したが、本発明においては、平面部を2つ以上有し、該平面部相互間に陥没部を有する態様としても構わない。図14は、記録媒体案内面に平面部を複数有する2つの例を示す、記録媒体案内面側から見た平面図であり、図面上の下側が回転体表面に近接する一辺である。図14において、W3は、記録媒体が当接し得る最大幅である。図14(a)は平面部70sを2つ、図14(b)は平面部72sを3つ、それぞれ有する例であり、陥没部70h,72hは、それぞれ平面部(70sまたは72s)相互間に位置している。
このように、平面部を2つ以上有する態様も本発明の剥離案内板の作用および効果が期待できるため、本発明の範疇に含まれるが、回転体表面に近接する一辺から、記録媒体の搬送方向(図面上の上下方向)に所定の領域は平面部であることが条件となる。
なお、平面部70sや平面部72sは、図14を見てもわかるように、両端で接続し一体化しているため、外形上平面部が1つしか無いようにも捉えられるが、本発明において、問題となるのは記録媒体が当接し得る最大幅W3の内側のみであり、その外側の両端部は何ら剥離に寄与しない。そのため、「2つ以上の平面部」との文言の解釈についても、剥離に寄与する記録媒体が当接し得る領域のみを考慮して考察することとする。その他、本発明の剥離案内板に関する定義については、全て同様に解するものとする。
記録媒体案内面に平面部が複数ある場合において、「平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計が、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向のいずれの位置においても、略同じ長さである」との規定の解釈に当たっては、個々の平面部の長さを測定し、その合計が、略同じ長さになるようにすることを意味するものとする。
図14(a)の例を用いて説明すると、平面部70sの、記録媒体の搬送方向(図面上の上下方向)の長さ(s1およびs2)の合計(s1+s2)が、記録媒体の搬送方向に直交する方向(図面上の左右方向)のいずれの位置においても、略同じ長さであることを意味する。図14(b)の例であれば、s3+s4+s5について検討することになる。勿論、図14(a)および(b)の例においては、「同じ長さ」の要件を満たす。
上記実施形態においては、定着装置として、2ロール方式の定着装置を例に挙げて説明したが、その他、複数のロールにより張架された状態のロール−ベルトニップ方式の定着装置、フリーベルトニップ方式やベルト−ベルトニップ方式の定着装置についても、本発明の剥離装置は好適に適用することができ、いずれも本発明の定着装置を構成する。ただし、APS技術において、剥離対象となる回転体がベルト状の場合には、前記剥離案内板の取り付け位置を、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流にすることが必要となる。
図15に、前記剥離案内板の取り付け位置を考察するための、剥離対象となるベルト状の回転体と用紙との密着状態を説明する拡大断面図を示す。図15において、25はベルト状の回転体であり、ロール26および他の不図示のロールにより張架され、矢印Q方向に周動する。
剥離対象となる回転体25表面には、剥離しようとする記録媒体が密着した(貼り付いた)状態で回転体25の周動とともに矢印Q方向に搬送される。図15には、記録媒体が密着したままであると仮定した場合について、搬送とともに移動する記録媒体Pa〜Peの最先端部のみを点線で示している。
回転体25表面に密着した状態で矢印Q方向に搬送された記録媒体Paは、回転体25が周動方向に直線状に進行しているため、記録媒体Paの最先端部には、自身のコシによる剥離力が作用しない。
回転体25は、ロール26に張架されているため、ロール26に巻き付きその進行方向が切り替えられる地点で、回転体25が周動方向に曲線を描いて進行する。具体的には、直線Lから直線Mで仕切られた領域においては、回転体25は、周動方向に曲線を描いて進行する。
したがって、直線Lの境界を超えこの領域に差し掛かった記録媒体Pbの最先端部には、前記剥離力が作用し始める。この剥離力の作用は、記録媒体の最先端部が直線Lから直線Mで仕切られた領域の間にある間は確実に生じている。すなわち、当該領域間に最先端部が位置する記録媒体Pcには当然に前記作用が生じている。
さらに、この領域を終えても暫くは、記録媒体全体が曲線を描いていれば、自身のコシの作用により、依然として前記剥離力が作用している。すなわち、直線Mの境界を超えてこの領域の下流に最先端部が位置する記録媒体Pdについても前記作用が生じている。
その後、再び回転体25が周動方向に直線状に進行する状態になり、当該位置において回転体25に密着した状態の記録媒体Peについては、自身のコシによる剥離力の作用は生じなくなる。
図15に示される記録媒体については、Pb〜Pdの間の記録媒体が剥離し得るものであり、これらが自身のコシによる剥離力を利用して、あるいはこの剥離力を補い有効に最先端部のみ剥離させることにより、記録媒体全面を剥離するのがAPS技術のポイントであり、この点から考慮すると、Pb〜Pdの間の記録媒体、換言すれば前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する直線Lから直線Mまでの領域またはその下流に、記録媒体の最先端部が位置するときに剥離することが要求される。
勿論、剥離案内板の回転体表面と近接する一辺(先端)と、当該回転体表面との距離を近づければ、ほとんど直線L上に剥離案内板の先端を配置することもでき、一方、これを離した場合、直線Mからかなり下流の位置に剥離案内板の先端を配置することができる点も存在する。したがって、既述の如く、前記剥離案内板の取り付け位置としては、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流にすることが必要となる。ここで「その下流」についての具体的な範囲については、記録媒体の厚さや材質から来るコシ、トナー画像の領域、トナー画像のトナー量等により変わってくるため、一概には言えない。
以上の例は、剥離対象となる回転体がベルトの場合のみ問題となり、これが上記各実施形態のように円筒である場合には、その表面が周動方向に描くのはいつでも曲線であり、いずれの位置においても前記剥離力の作用が生じるため、剥離案内板の設置位置に関する当該要件は問題とならない。この剥離案内板の位置に関する考え方は、本発明の剥離装置を定着装置に適用した場合に限らず、例えば後述の画像形成装置のように、画像形成装置のいずれの箇所に適用した場合にも同様である。
以上のような構成の定着装置(本発明の定着装置)は、従来公知の電子写真方式の画像形成装置に用いることができる。即ち、電子写真方式によりシート状の記録媒体表面に未定着のトナー画像を形成するトナー画像形成手段と、前記記録媒体表面に保持されたトナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置において、定着手段として上記構成の本発明の定着装置を用いることにより、剥離性および搬送性に優れ、高画質化、高速化を満足し得る画像形成装置を提供することができる。
上記トナー画像形成手段としては、例えば、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られたトナー像をシート状の記録媒体に転写する転写手段と、を含むものが挙げられる。
なお、定着装置以外の構成は、従来公知のいずれの構成であっても、本発明の目的に反しない限り用いることができる。さらに、定着装置以外の構成要素に、本発明の剥離案内板ないし剥離装置を適用しても勿論構わない。
以上、本発明の剥離案内板、剥離装置およびそれを用いた定着装置、画像形成装置について、いくつかの例を挙げて説明したが、本発明はこれら構成に限定されるものではなく、本発明は、本発明における必須の構成要件を具備するものであれば問題なく、当業者は、公知の知見により種々の変更を加えることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、
以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
第3の実施形態における構成の2ロール定着装置を用いて、用紙剥離性および画質の評価試験を行った。
具体的な諸元を、以下に示す。
(定着装置部分の諸元)
・定着ロール1の構成:白黒定着用ハードロール(直径40mmのアルミニウムコアに厚さ20μmのPFAチューブを被覆したフッ素系樹脂コートハードロール。)、および、カラー定着用ソフトロール(外径62mm、内径55mm、長さ350mmの円筒状に形成されたアルミニウムコアに、シリコーンLSR(Liquid Silicone Rubber)ゴム(JIS−Aのゴム硬度:35度)が2mmの厚さに被覆されているとともに、弾性体層の表面には、さらに表面層としてPFAチューブが30μmの厚さで形成されたロール。)の2種類。
・定着ロール1の回転速度(プロセススピード):400mm/s
・定着ロール1の表面温度:160℃に制御
・定着ロール1−加圧ロール6間のニップ圧:490〜686N(50〜70kgf))
・用紙P(記録媒体):ともにA4サイズの、富士ゼロックス製OKトップコート紙(坪量64g/m2、坪量の小さい腰のない紙)と、該富士ゼロックス製OKトップコート紙を湿度90%の状態で24時間以上吸湿させたものを選択した。これは、すなわち坪量が小さいコシのない紙ほど、さらには表面性が滑らかな紙(例えばコート紙)ほど剥離しにくく、当該用紙は元々剥離が困難であるが、用紙が吸湿した状態であれば、なお剥離し難い。したがって、後者の用紙は、剥離するのに最も厳しい条件を与えるものである。なお、用紙の搬送方向は、図16に示すように横送り(Long Edge Feed)とした。
・トナー:オイルレスフューザー用のカラー重合トナー(富士ゼロックス製オイルレスカラー重合トナー、EAトナー:顔料とワックス粒子、そしてそれらを結合させる乳化重合樹脂粒子を水溶液中で化学反応させ加熱成形したもの)
・未定着のトナー画像T:イエロー、マゼンタおよびシアンの3色からなるプロセスブラックのベタ画像を用紙Pの略全幅にわたり静電転写させたもの。トナー量は、15g/m2のものを、各水準40枚用意し、全て定着した。2種類のトナー量による試験全体を通して、後述の評価を行った。用紙先端部の余白は、図16に示すように、3mmとした。なお、未定着の白黒トナー画像は、単色ブラックのベタ画像6g/m2を静電転写させている。
(気体吐出装置10の諸元)
・エアーポンプ10d:市販の空気供給能力8リットル/minのポンプ
・気体溜め10c:タンク容量200ccのACCUMULATOR
・エアーノズル数:3個
・電磁弁のオリフィス径:1.5mm
・圧搾気体:空気を用い、圧力0.1〜0.3MPa、吐出時間0.025msecとした。
・圧搾気体の吐出タイミング:事前に圧搾気体の吐出実験を行い、適切な状態に設定。
(剥離案内板7’の諸元)
・剥離案内板7’は、図4に示されるように凸部8aを3個有する形状のA4長手方向の長さに適応する異形先端形状のものを採用した。具体的な寸法は、長手方向の長さ392mm、図5(b)における記録媒体案内面F2および裏面7’aの辺の長さ32mm、並びに端縁面7’bの辺の長さ5mm、凸部8aの幅36mm、凹部8bの記録媒体案内面F2側の曲率半径約60mm並びに裏面7’a側の曲率半径約50mmである。
また、記録媒体案内面F2には、凸部8aおよび凹部8bよりなる先端部から用紙Pの搬送方向に(図4における、下端から上方へ)、一律に5mm後退する位置に、先端部の凸部8aおよび凹部8bにより描かれる形状に開始し、縁端面7’bに達するように、陥没部7’hが設けられている。当該陥没部7’hは、平面部7’sから1mm陥没しており、剥離案内板7’の長手方向に305mm幅(用紙Pの最大幅W2=297mmよりも大)を有している。
・剥離案内板7’の材質:ステンレス鋼
・定着ロール1表面における剥離ポイントSの接線Eに対する表面8aの為す角θ(図13参照、マイナス符号はロールから遠ざかる方向):−35°
・剥離案内板7’先端と定着ロール1表面とのギャップ:0.5mm
・剥離案内板7’の設置位置:適切に調整(ニップ部N出口から4〜15mm)
以上の条件の定着装置(剥離装置を含む)を用い、用紙Pを2種類、定着ロール1を2種類の計4水準で定着し、剥離性の評価試験を行った。評価試験は、未定着トナー画像Tが静電転写された用紙Pを、連続して20枚を2回、定着装置のニップ部を通過させ、用紙Pが詰まる(ジャムが発生する)ことなくスムーズに安定して剥離できるかどうか調査した。
ここで、用紙Pの先端部を剥離するエアーパルスによる効果は、後述する比較例1と同じであるため、用紙Pの先端部においては、比較例においてもジャムを引き起こすことなく全く問題ない。本調査でいう「ジャム」とは、用紙Pの先端部以降の用紙を剥離する工程(剥離案内板のみで剥離する工程)で生じたものを指す。
なお、評価項目は、用紙Pの剥離性能、および得られた画像の画質とし、以下の基準で評価した。結果を下記表1にまとめて示す。
(剥離性能)
○:良好。
△:ジャムが発生する場合がある。
×:ジャムが発生する。
(画質)
○:凝視しても欠陥が全く見当たらない。
△:凝視すれば微小の欠陥がある。
×:目視でわかる欠陥が発生する場合がある。
<比較例1>
実施例1の定着装置から剥離案内板7’を取り外し、代わりに、陥没部7’hを有さず、長手方向と垂直方向の断面形状が、どこを切っても図5(a)となるような形状の剥離案内板を取り付けた比較例1の定着装置を用いて、実施例1と同様に評価試験を行った。結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 0004370845
<実施例1および比較例1の考察>
比較例1の定着装置においては、用紙の剥離案内板による剥離工程において、ジャムを起こすことはなかったが、画質に欠陥が生じている。これは、用紙が剥離案内板に対してつっかかりが生じ、スムーズな搬送が行われなかったためであると思われる。
これに対して、実施例1の定着装置においては、良好な剥離性能を示し、ジャムが発生することも無く、良好な画質の記録画像を得ることができた。この結果から、平面部と陥没部とを有する本発明の剥離案内板7’を用いることにより、用紙Pが剥離案内板7’に対してつっかかることがなく、スムーズに搬送されたことがわかる。
<実施例2>
実施例1において、気体吐出装置10を作動させず、圧搾空気を吐出させなかったこと、未定着のトナー画像T形成時の用紙先端部の余白を7mmとしたこと、および、用紙Pとして、富士ゼロックス製OKトップコート紙を湿度90%の状態で24時間以上吸湿させたもののみを用いて評価したこと、の3点を変更した以外は、実施例1と同様の定着装置(剥離案内板を含む)の条件で、定着および剥離を行い、剥離性能および画質の評価試験を行った。結果を下記表2に示す。
<比較例2>
比較例1の定着装置と同一の定着装置を用い、実施例2と同一の条件で、評価試験を行った。結果を下記表2に示す。
Figure 0004370845
<実施例2および比較例2の考察>
比較例2の定着装置においては、用紙Pの剥離案内板による剥離工程において、ジャムが生じたのは1度だけであったが、画質に欠陥が生じている。これは、用紙が剥離案内板に対してつっかかりが生じ、スムーズな搬送が行われなかったためであると思われる。
これに対して、実施例2の定着装置においては、良好な剥離性能を示し、ジャムが発生することも無く、良好な画質の記録画像を得ることができた。この結果から、平面部と陥没部とを有する本発明の剥離案内板7’を用いることにより、用紙Pが剥離案内板7’に対してつっかかることがなく、スムーズに搬送されたことがわかる。
第1または第2の実施形態である剥離装置を採用した定着装置の模式断面図である。 第1の実施形態における剥離案内板を、記録媒体案内面から見た平面図である。 (a)は、図2におけるa−a断面を拡大した断面図であり、(b)は、図2におけるb−b断面を拡大した断面図である。 第2の実施形態における剥離案内板を、記録媒体案内面から見た平面図である。 (a)は、図4におけるc−c断面を拡大した断面図、(b)は、d−d断面を拡大した断面図、(c)は、e−e断面を拡大した断面図、(d)は、f−f断面を拡大した断面図である。 剥離案内板の異形先端形状の変形例を示す平面図である。 第3の実施形態である剥離装置を採用した定着装置の模式断面図である。 定着ロール表面側から見た、図7中の剥離装置の拡大平面図である。 図7中の剥離装置における気体吐出装置の全体構成を模式的に表す模式構成図である。 APS技術による剥離装置の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程1および2が示されている。 APS技術による剥離装置の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程3および4が示されている。 エアーノズルから吐出された圧搾気体の流れを説明するための模式拡大図である。 回転体である定着ロールと剥離案内板との配置関係を説明するための部分拡大断面図である。 本発明の剥離案内板の変形例を示す、記録媒体案内面から見た平面図である。 回転体である定着ロールと剥離案内板との配置関係を説明するための部分拡大断面図である。 実施例の評価試験で形成した未定着トナー画像の状態を説明するための用紙の平面図である。 一般的な2ロール方式の定着装置の模式断面図である。
符号の説明
1,101:定着ロール、 2,102:ヒータ、 3,103:弾性層、 4,104:表面層、 5,105:コア、 6,106:加圧ロール、 7,7’,107:剥離案内板、7a,7’a:裏面、 7b,7’b:縁端面、 7s,7’s,50s,52s,54s,56s,70s,72s:平面部、 7h,7’h,50h,52h,54h,56h,70h,72h:陥没部 8a,60a,62a,64a,66a:凸部、 8b:凹部、 10:気体吐出装置、 10a:エアーノズル、 10b:電磁弁、 10c:気体溜め、 10d:エアーポンプ、 10e:連結配管、 10f:エアーパルスコントローラー、 10g:レギュレーター、 11,111:排出ガイド、 12,112:排出ロール、 16:加圧回転体、 17:圧力パッド、 18:リードロール、 19:圧力ロール、 20:張架ロール、 21:エンドレスベルト、 25:回転体、 26:ロール、E:接線(直線)、 G:先端、 N:ニップ部、 P:用紙(記録媒体)、 Pa〜Pe:記録媒体、 S:剥離ポイント、 F1,F2,F3,FX:記録媒体案内面、 T:トナー画像、 W1〜W3:用紙幅、 X:初期気流、 Y:ギャップ通過気流

Claims (13)

  1. 周動する回転体表面を搬送されるシート状の記録媒体を前記回転体から剥離し、その搬送を案内するために、前記回転体表面に一辺が近接し、かつ、前記回転体の周動方向に配置され、剥離した前記記録媒体を、前記回転体表面に対向する面の背面側の記録媒体案内面を摺擦するように案内する剥離案内板であって、
    前記記録媒体案内面が、少なくとも、前記回転体表面に近接する一辺から、前記記録媒体の搬送方向に所定の長さまで、前記記録媒体が当接する平面部を有し、前記記録媒体の搬送方向に、前記平面部に続いて、陥没部を有し、
    前記平面部の、前記記録媒体の搬送方向の長さの合計が、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向のいずれの位置においても、略同じ長さであることを特徴とする剥離案内板。
  2. 前記記録媒体案内面が、前記記録媒体の搬送方向に分割された複数の平面部を有し、該複数の平面部相互間に陥没部を有することを特徴とする請求項1に記載の剥離案内板。
  3. 前記回転体表面に近接する一辺が、前記回転体表面に向けて突出した部位を少なくとも1箇所以上有することを特徴とする請求項1に記載の剥離案内板。
  4. 周動する回転体表面を搬送されるシート状の記録媒体を、前記回転体から剥離する剥離装置であって、
    前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流に配される剥離案内板、および、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出手段、から構成され、
    前記剥離案内板が、請求項1に記載の剥離案内板であることを特徴とする剥離装置。
  5. 前記回転体の周動に伴い搬送されてきた前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の配された位置に接近した時に、当該最先端部に圧搾気体が当たるように、前記気体吐出手段により圧搾気体が吐出されることを特徴とする請求項に記載の剥離装置。
  6. 圧搾気体により前記回転体表面から剥離した前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺に乗り上げた状態となるに十分な程度の圧搾気体のみを吐出するように、前記気体吐出手段が制御され、前記記録媒体における搬送方向の最先端部に続く部位は、前記回転体の周動による搬送に伴って、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺に漸次乗り上げ、前記剥離案内板の前記記録媒体案内面を前記記録媒体表面が摺擦移動することで、漸次前記回転体表面から剥離され、最終的に前記記録媒体全面が剥離するように構成されることを特徴とする請求項に記載の剥離装置。
  7. 前記剥離案内板の前記記録媒体案内面が、前記記録媒体の搬送方向に分割された複数の平面部を有し、該複数の平面部相互間に陥没部を有することを特徴とする請求項に記載の剥離装置。
  8. 前記気体吐出手段が、圧搾気体を吐出するノズルを、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に配してなることを特徴とする請求項5に記載の剥離装置。
  9. 前記ノズルを、前記回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数配してなることを特徴とする請求項に記載の剥離装置。
  10. 前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺における、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍が、前記回転体表面に向けて突出した形状を有することを特徴とする請求項に記載の剥離装置。
  11. 少なくとも、表面が加熱されて周動する加熱回転体と、該加熱回転体の表面に当接しニップ部を形成する加圧回転体とを備え、表面に未定着のトナーからなるトナー画像が形成されたシート状の記録媒体を、前記トナー画像が形成された面が前記加熱回転体の表面に当接するように、前記ニップ部に挿通することで、前記トナー画像を定着する定着装置であって、
    前記ニップ部を通過した後、前記トナー画像を構成する溶融状態となったトナーにより前記加熱回転体の表面に融着あるいは融着気味の状態で搬送される記録媒体を、前記加熱回転体から剥離し、その搬送を案内する剥離案内板を備え、かつ、該剥離案内板が請求項1に記載の剥離案内板であることを特徴とする定着装置。
  12. 少なくとも、表面が加熱されて周動する加熱回転体と、該加熱回転体の表面に当接しニップ部を形成する加圧回転体とを備え、表面に未定着のトナーからなるトナー画像が形成されたシート状の記録媒体を、前記トナー画像が形成された面が前記加熱回転体の表面に当接するように、前記ニップ部に挿通することで、前記トナー画像を定着する定着装置であって、
    前記ニップ部を通過した後、前記トナー画像を構成する溶融状態となったトナーにより前記加熱回転体の表面に融着あるいは融着気味の状態で搬送される記録媒体を、前記加熱回転体から剥離する剥離装置を備え、かつ、該剥離装置が請求項に記載の剥離装置であることを特徴とする定着装置。
  13. 少なくとも、電子写真方式によりシート状の記録媒体表面に未定着のトナー画像を形成するトナー画像形成手段と、前記記録媒体表面に保持されたトナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項11または12に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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