JP2005128333A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 定着装置における回転体に損傷を与えることなく、剥離が困難な記録媒体に画像形成する際に、定着手段における安定した剥離が実現できるとともに、剥離が比較的容易な記録媒体に画像形成する際にも、他の影響を抑制し得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも、(1)未定着のトナー画像を形成するトナー画像形成手段と、(2)加熱回転体1および加圧回転体6を備える定着手段100と、(3)加熱回転体1表面に一辺が近接して配される剥離案内板と、加熱回転体1表面と剥離案内板7表面とに挟まれた領域から、両者の間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出機構10と、を備え、記録媒体Pを加熱回転体1から剥離する剥離手段と、さらに、(4)画像情報および/または記録媒体Pに関する情報に応じて、気体吐出機構10の動作条件を制御する吐出制御手段160,161を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、未定着トナー画像を加熱・加圧することにより、トナーを溶融させて定着する方式による定着手段を画像記録装置、特に電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置に関する。
従来、電子複写機・ファクシミリなどの電子写真方式の画像記録装置において、用紙表面に転写されたトナー画像を定着させる定着装置として、定着ロールと加圧ロールからなる一対のロールのニップ部に、トナー画像が転写された用紙を通過させて、定着ロールによる加熱、および、一対のロールによる加圧によりトナー画像を用紙に融着させる定着装置(2ロール方式の定着装置)が広く用いられている。
この定着方式では、用紙に融着したトナー画像が定着ロールに接触するので、例えば、定着ロールとしては、離型性のよいフッ素系樹脂を表面にコーティングしたロールが使用されている。しかし、このような定着ロールを使用しても、溶融したトナーは軟かくかつ粘性が高いため、定着ロールの表面に付着しやすく、用紙が定着ロールに巻き付く恐れがある。そこで、通常、特許文献1の図1に示すような剥離爪や、同文献の図2に示されるようなプラスチック製の剥離シート(プラスチックシート)による強制剥離装置、また、このような剥離シートを非接触で設けて用紙を剥離し、定着ロールへの用紙の巻き付きを防止する方法が採用されている。
しかし、このような剥離爪や剥離シートを備えた定着装置では、例えば定着直後のトナー画像の厚さが比較的薄く、かつその粘度が大きい場合は問題なく剥離することができるが、トナーが多量に載ったトナー画像の場合や、カラー画像形成時のように、定着直後のトナー画像の厚さが比較的厚く、かつトナー画像が定着ロールで高温に加熱されて粘着力が大きくなっている場合は、定着ロール表面のフッ素系樹脂層に多量のトナーが付着し、剥離爪や剥離シート等の剥離部材に過大な剥離力が作用する。この時、ニップ部通過直後のトナー画像が上記剥離部材のガイド部に擦られて搬送されるため、トナー画像が剥離部材によって傷付けられて画像欠陥を生じやすい。特に、カラー画像の定着の場合はトナーを十分に発色させる必要から、トナーを十分に加熱して溶融させなければならず、従ってニップ部通過直後のトナーは低粘度となっているので、ますます画像欠陥を生じやすくなることになる。
このような事情から、この問題を解決するための方式としてセルフストリッピング方式が採用されている。セルフストリッピング方式は、特にカラー定着に多く採用されている。セルフストリッピング方式とは、剥離爪や剥離シートなどによる強制剥離装置を用いずに、用紙のコシの強さと定着ロールの弾性とで用紙が定着ロールから自然に剥離するようにした剥離方式である。このセルフストリッピング方式を成立させるための手段として、カラー画像定着の場合は、通常、ロールコアの表面にフッ素樹脂よりも離型性に優れたシリコーンゴムを用いた弾性層を形成した定着ロールを用い、さらにその弾性層表面に比較的多量(10mg/A4サイズ紙以上)のオイルを常時供給する方式が広く採用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、セルフストリッピングを達成する従来の定着装置には次のような種々の問題がある。
(1)定着ロール表面のシリコーンゴムの弾性層が摩耗したり、離型性が劣化したり、オイルが定着ロール内部に染み込んで弾性層を劣化させたりなどの原因により、定着ロールの信頼性を低下させることがある。
(2)定期的にオイルの補給を行わなければならず、メインテナンス性に劣り、オイル過多、オイル筋の発生による画像欠陥などが生じやすく、複写機・プリンターの信頼性を低下させる。
(3)定着後の用紙表面にオイルが残りやすく、ボールペンやインクによる加筆性を低下させやすい。
さらに近年、坪量の小さいコート紙を使用する機会や、用紙の先端余白部が従来のものより少ない状態で、写真画像等のような用紙先端部からトナーを多く使う画像を出力する機会が増えてきており、このような状況下においても用紙剥離が確実に行える剥離技術が必要とされてきている。
ところで、用紙剥離に圧搾空気を利用する技術がある。具体的には、例えば特許文献3に記載されているように、剥離爪内部に空気路を有し該空気路から、印刷紙の先端位置に対応して圧搾空気を供給する構成が挙げられる。当該文献においては、圧搾空気を印刷紙の先端位置に吹き付けて印刷紙先端部を剥離させることから、定着ローラ表面に剥離爪が当たることによる定着ローラ表面の剥離層の劣化や、剥離爪が印刷用紙上のトナー画像を傷付けることによる画質の劣化を大幅に改善することが可能になった旨記載されている。しかし、熱ローラ定着面(定着ローラ表面)の前記剥離爪に対応する位置に複数の切りかけ溝が刻まれることが条件であり、定着ローラ表面の平面性を確保できないことから、定着画像の質感に影響を与えてしまう。しかも、用紙を剥離するのに必要な圧搾空気量は膨大であり、装置の大型化・高コスト化を来たし、さらに供給された圧搾空気が装置内で対流することによる不具合、例えばトナー飛散等の懸念もあり、実用化は困難である。
他にも用紙剥離に圧搾空気を利用する技術はあるが、いずれも定着ローラ表面に切りかけ溝が刻まれていない技術であり、そのため用紙剥離にはより一層の圧搾空気量が必要となり、上記技術以上に実用化は困難である(例えば、特許文献4)。
以上説明した用紙剥離に関する課題は、2ロール方式の定着装置に限らず、ロール−ベルトニップ方式の定着装置やベルト−ベルトニップ方式の定着装置においても、基本的に同様に存在する。
一方、電子写真方式を代表とする画像形成装置においては、普通紙、コピー用紙、高光沢紙、各種コート紙、さらにはOHP紙等のプラスチックシート、といった厚紙から薄紙まで、コシのあるものから無いものまで、各種用紙が記録媒体として使用される。これら各種用紙に対して、常に安定的に用紙剥離性を確保しようとすれば、最も用紙剥離性の低いコシの無い薄紙を基準としなければならず、厚紙やコシのある用紙を記録媒体とした際には過剰スペックとなり兼ねない。過剰スペックは、例えばエネルギーの浪費等、用紙剥離性以外の何らかの影響を画像形成装置や記録画像に与える場合がある。
特開昭59−188681号公報 特許第3322095号公報 特開2000−250351号公報 特開昭61−59468号公報
したがって、本発明は、上記の事情に鑑み、定着装置における加熱回転体に損傷を与えることなく、剥離が困難(例えば、オイルレス、トナー画像のトナー量が多い、記録媒体の先端近くまでトナー画像がある、記録媒体の坪量が小さい、記録媒体が薄いコート紙である、等)な記録媒体に画像形成する際に、定着後の安定した剥離が実現できるとともに、剥離が比較的容易な記録媒体に画像形成する際にも、他の影響を抑制し得る画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、剥離が困難な記録媒体に画像形成する際に、定着手段における安定した剥離を実現する技術として、APS(Air Pulse Stripping)技術を開発している。
ここでAPS技術による剥離装置とは、周動する回転体の表面に貼り付いた状態で搬送されるシート状の記録媒体を、前記回転体から剥離する剥離装置であって、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流に配される剥離案内板、および、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出機構、から構成される剥離装置である。
APS技術による剥離装置の作用および効果について説明すれば、まず、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流において、前記回転体の表面に貼り付いた状態で搬送される前記記録媒体は、前記回転体に追随するに際し、当該記録媒体自身のコシにより前記回転体表面から剥離しようとする力が働く。しかし、剥離が困難(例えば、トナー画像のトナー量が多い、記録媒体の先端近くまでトナー画像がある、記録媒体の坪量が小さい、記録媒体が薄いコート紙である、等)な記録媒体の場合には、剥離しようとする力は弱く、剥離性が十分でない。
従来、この剥離力を補うのに、前記領域等で剥離爪や剥離シートを当接させたり、セルフストリッピング方式を採用したりしていたが、回転体や記録媒体に損傷を与えたり、画質への影響が生じたり、剥離性が十分でなかったり等、十分に満足し得るものではなかった。そこでAPS技術では、用紙剥離に圧搾気体を利用して、画質への影響を抑制している。すなわち、前記剥離案内板が前記回転体表面とは離間しているため、前記回転体に損傷を与える心配がなく、前記回転体から機械的かつ強制的に剥離するものではないため、前記記録媒体にも損傷を与えない。また、その際には同様に、画像に損傷を与えることがなく、剥離後も画像は前記剥離案内板と面で接するため、画質を劣化させることがない。
さらに、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて圧搾気体を吐出する構成としているため、吐出された圧搾気体は、スリット状となっている前記間隙でカーテン状になり、曲面状になっている前記回転体表面を回りこむように進行し、前記記録媒体の搬送方向最先端部に当たる。このとき、吐出された圧搾気体流が、前記間隙で整流され、前記記録媒体の適切な箇所に広がった状態で当たるため、圧搾気体の利用効率が極めて高い。そのため圧搾気体の吐出を、連続的なものとする必要がなくパルス状にすることができ、全体として圧搾気体量を極めて少なくすることができる。したがって、装置が大型化・高コスト化することもなく、供給された圧搾気体が装置内で対流する心配もほとんどなく、APS技術は、極めて実用性が高い。
以上のような、極めて高い剥離性と実用性とを備えたAPS技術ではあるが、剥離が比較的容易な記録媒体に画像形成する際の剥離時には、必ずしもAPS技術を適用しなくても剥離可能な場合がある。また、APS技術を適用するにしても、剥離が困難な記録媒体の場合に比して、前記気体吐出機構の動作条件(圧搾気体の吐出量や吐出圧等)を緩和することが可能な場合がある。前記気体吐出機構の動作条件が過剰スペックの場合、必要以上の圧搾気体が吐出され、エネルギー効率が低下し、また、定着用に表面が加熱された回転体(加熱回転体)の温度低下の懸念もある。後者については、加熱エネルギーを高く保つことで解消が可能な場合もあるが、それでもエネルギー効率が低下することは避けられず、また、高速化に対する足かせになり兼ねない。
したがって、本発明者らは、剥離が困難な記録媒体、および、比較的容易な記録媒体のいずれにおいても対応可能な定着手段を有する画像形成装置の実現を鋭意研究した結果、上記優れたAPS技術を使いこなす技術として、本発明を想到するに至った。
すなわち本発明の画像形成装置は、少なくとも、(1)画像情報に応じて像様に、未定着のトナー画像をシート状の記録媒体の表面に形成するトナー画像形成手段と、(2)表面が加熱されて周動する加熱回転体および該加熱回転体の表面に当接しニップ部を形成する加圧回転体を備え、前記記録媒体を、前記トナー画像が形成された面が前記加熱回転体の表面に当接するように、前記ニップ部に挿通することで、前記トナー画像を定着する定着手段と、(3)前記ニップ部を通過した後、前記トナー画像を構成する溶融状態となったトナーにより前記加熱回転体の表面に貼り付いた状態で搬送される記録媒体を、前記加熱回転体から剥離する剥離手段と、を備える画像形成装置であって、
(3)剥離手段が、(a)前記加熱回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流に、前記加熱回転体表面に一辺が近接し、かつ、前記加熱回転体の周動方向に寝かせられた状態で配される剥離案内板と、(b)前記加熱回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記加熱回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出機構と、から構成され、
さらに、(4)前記画像情報および/または前記記録媒体に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件を制御する吐出制御手段を備えることを特徴とする
本発明によれば、まず、(3)剥離手段について、APS技術による極めて良好な剥離性を得ることができる。そして、前記気体吐出機構の動作条件を制御する前記吐出制御手段によって、高い剥離性が求められる、剥離が困難な記録媒体に画像形成する際には、余すことなくAPS技術による利益を享受し得るように前記気体吐出機構の動作条件が高めに制御され、そこまで高い剥離性が求められない、剥離が比較的容易な記録媒体に画像形成する際には、前記気体吐出機構の動作条件を低めに、ないし、圧搾気体の吐出が停止するように制御される。
このように、本発明によれば、剥離性に優れたAPSの技術を採用しつつ、その主たる構成要素である前記気体吐出機構の動作条件(圧搾気体の吐出停止を含む。以下同様。)を、必要に応じた程度に制御することができる。このように、必要に応じて、圧搾気体の吐出量の調整や吐出の有無等動作条件を制御することにより、圧搾気体の使用効率を高めることができ、省エネルギー化に繋がるとともに、圧搾気体の常時大量吐出による前記加熱回転体表面の温度低下の懸念が解消される。そのため、前記加熱回転体表面を加熱するための加熱源の省エネルギー化を図ることができるのは勿論のこと、より一層の高速化に対する設計の自由度も高くなる。
本発明において、APS技術の部分、すなわち、(3)剥離手段については、前記加熱回転体の周動に伴い搬送されてきた前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の配された位置に接近した時に、当該最先端部に圧搾気体が当たるように、前記気体吐出機構により圧搾気体が吐出されることが好ましい。このとき、圧搾気体により前記加熱回転体表面から剥離した前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺に乗り上げた状態となるに十分な程度の圧搾気体のみを吐出するように、前記画像情報および/または前記記録媒体に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件が制御され、前記記録媒体における搬送方向の最先端部に続く部位は、前記加熱回転体の周動による搬送に伴って、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺に漸次乗り上げ、前記剥離案内板の前記回転体表面に対向する面の背面を前記記録媒体表面が摺擦移動することで、漸次前記加熱回転体表面から剥離され、最終的に前記記録媒体全面が剥離するように構成されることが好ましい。
また、前記気体吐出機構としては、圧搾気体を吐出するノズルを、前記回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に配してなるものとすることができ、このとき、前記ノズルを、前記回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数配してなるものとすることができる。さらに、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺における、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍が、前記加熱回転体表面に向けて突出した形状を有することが好ましい。
以上のような構成とすることにより、前記記録媒体の搬送方向最先端部のうち、前記ノズルからの圧搾気体が当たる部分が剥離し、浮き上がった状態となるが、ちょうどその部位に対応する、前記剥離案内板の前記回転体表面に近接する一辺の部位は、突出した部位となっている。したがって、圧搾気体により良好に浮き上がらせた前記記録媒体の最先端部が、前記剥離案内板の突出した部位に案内され、前記記録媒体全面が漸次剥離される。したがって、画像、記録媒体および加熱回転体に損傷を与えることなく、極めて高い剥離性を確保して、しかも画質に影響を与えることがなく、実用性が高い。
本発明において、(4)吐出制御手段による前記気体吐出機構の動作条件の制御としては、具体的には、前記気体吐出機構による前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御することが挙げられる。この場合、前記吐出量および/または吐出圧の制御の範囲に、前記圧搾気体を吐出しない場合を含むことが、省エネルギーや前記加熱回転体表面の温度低下抑制の点で、有利である。
また、このような制御を行うための、具体的な前記吐出制御手段の構成としては、例えば、以下のようなもの(態様Aおよび態様B)が挙げられる。
(態様A)前記吐出制御手段が、前記記録媒体の坪量、厚さ、紙種および湿度からなる群より選ばれる少なくとも1つの性質を認識する紙質認識部を含み、該紙質認識部からの情報に応じて、前記気体吐出機構による前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御する態様。
(態様B)前記吐出制御手段が、前記画像情報に応じて、前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御する態様。
その他の態様としては、例えば、前記気体吐出機構が、圧搾気体を吐出するノズルを、前記加熱回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に、かつ前記加熱回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数配されてなる場合、以下のようなもの(態様C)が挙げられる。
(態様C)前記吐出制御手段が、前記記録媒体のサイズを認識するサイズ認識部を含み、該サイズ認識部からの情報に応じて、前記圧搾気体を吐出するノズルを選択する態様。
本発明において、(2)定着手段は、前記加熱回転体が、ロール状であっても、エンドレスベルト状であっても構わない。また、同様に前記加圧回転体が、ロール状であっても、エンドレスベルト状であっても構わない。すなわち、本発明において、(2)定着手段は、2ロール方式、ロール−ベルトニップ方式、ベルト−ベルトニップ方式のいずれの形式もとることができる。勿論、ロール−ベルトニップ方式の場合に、前記加熱回転体と前記加圧回転体のいずれがロールおよびベルトであっても構わない。なお、以上のベルトはいずれも、複数のロールにより張架された状態のものでも、張架されないフリーな状態のもの(フリーベルトニップ方式)でも構わない。
本発明によれば、定着装置における回転体に損傷を与えることなく、剥離が困難(例えば、オイルレス、トナー画像のトナー量が多い、記録媒体の先端近くまでトナー画像がある、記録媒体の坪量が小さい、記録媒体が薄いコート紙である、等)な記録媒体に画像形成する際に、定着後の安定した剥離が実現できるとともに、さらに、(4)前記画像情報および/または前記記録媒体に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件を制御する吐出制御手段を含めることで、剥離が比較的容易な記録媒体に画像形成する際にも、他の影響を抑制し得る画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を好ましい実施の形態を挙げて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態であるカラーの画像形成装置の概略構成図である。
このカラー画像形成装置は、大別すると、図示するようにトナー画像形成装置(トナー画像形成手段)80と定着装置(定着手段)100とを備えている。トナー画像形成装置80は、矢印方向Rに回転する感光ドラム120の周囲に、帯電装置121、像露光装置122、現像装置123、中間転写ベルト130、第1転写装置(転写ロール124)、第2転写装置132,134等をほぼこの順で配置して構成されている。なお、定着装置100については、後述する。
像露光装置122は、通常、画像読取装置としてのカラースキャナでカラー原稿140の画像を読み取った画像データを画像処理装置145で所定の処理をした後に得られる画像信号に基づいて露光を行うものである。像露光装置122は、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器から送信して入力される画像データから生成される画像信号に基づいて露光を行うことも可能になっている。
カラースキャナは、搬送移動するまたはプラテンガラス上に載置固定されるカラー原稿140の画像を光源141によって光を照射し、そのときのカラー原稿140からの反射光を図示しない光学素子を介してCCD等からなるカラー画像読取素子143上に入力させることにより、カラー原稿140の画像をRGBの画像信号として読み取るように構成されている。このカラースキャナで読み取られた画像信号は、画像処理装置145において所定の画像処理が施された後、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色成分の画像信号として像露光装置122に送られる。
像露光装置122は、たとえば、半導体レーザ122aと、f−θレンズやポリゴンミラー等からなる走査光学系122b等を備えたレーザビーム走査式露光装置(ROS)として構成されている。そして、この像露光装置122では、その半導体レーザ122aから画像信号に応じて変調された状態で出射されるレーザビーム光LBを、走査光学系122bを介して感光ドラム120上に走査露光する。
感光ドラム120の表面は、上記画像露光に先立って、帯電装置121としての帯電ロールやスコロトロン等により所定の電位に一様に帯電される。その後、感光ドラム120の帯電された表面には、像露光装置122によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応する各色の画像露光が順次行われ、対応する色成分の静電潜像が形成される。
感光ドラム120は、特に制限はなく公知のものを使用することができる。具体的には、有機感光材料からなる感光層を形成したものが使用されるが、必要に応じて無機感光材料からなる感光層を形成したものを使用してもよい。
感光ドラム120上に順次形成される各色の静電潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各有色トナーを収容した現像器123Y、123M、123C、123Kを回転可能な支持体にその回転周方向に沿って順次配設し、その各現像器のうち現像に必要な現像器を感光ドラム120に対向させるように支持体を回転させることで移動させる、いわゆるロータリー式現像装置123によってそれぞれ現像される。これにより、感光ドラム120上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各有色トナーからなる有色トナー画像が順次形成される。
この現像装置123で使用される有色トナー(シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、ブラックトナー)はいずれも、少なくとも結着樹脂と所定の着色剤を含有してなる絶縁性の微粒子(粉体)である。この有色トナーは、現像装置123における現像方式等に応じて、トナーおよびキャリアからなる二成分現像剤や、トナーのみからなる一成分現像剤として構成される。このような有色トナーとしては、公知の製法によって製造したものを使用するか、あるいは、市販品のものを使用する。
感光ドラム120に順次形成される4色の有色トナー画像は、感光ドラム120に接するような状態で矢印方向に回転する中間転写ベルト130に、転写ロール、コロトロン等の第一転写装置(転写ロール124)によって形成される転写電界により、互いに重ね合わせた状態で静電的に一次転写される。中間転写ベルト130は、ポリイミド等の誘電体に、所望の電位半減時間を示すように調整するため導電性カーボン等の導電性無機粉、ポリアニリン等の導電性有機材料等を分散した材料にて形成される誘電体層を形成したものである。この中間転写ベルト130は、転写ロール124を含む複数の支持ロール(131〜133)に張架された状態で掛け回されている。支持ロールの一つであるバックアップロール132は、二次転写装置を構成するバックアップロールとして使用され、同様に駆動ロール133は、中間転写ベルト130を駆動させるための駆動ロールとして使用される。
中間転写ベルト130の表面に多重転写された有色トナー画像は、二次転写装置を構成する二次転写ロール134とバックアップロール132との間に印加される二次転写バイアスによって形成される転写電界により、給紙装置150からピックアップロール151によりピックアップされ、搬送ロール152およびレジストロール153を経由して二次転写位置に所定のタイミングで搬送される用紙(記録媒体)Pに対して静電的に一括して二次転写される。二次転写装置は、中間転写ベルト130を挟む状態に対向して圧接配置されるロール対132、134にて構成される。図中の矢印Cは、用紙Pの搬送方向を示す。
以上のように未定着の有色トナー画像が転写された用紙Pは、搬送装置154により、定着装置100に向けて、そのまま矢印C方向に搬送される。
次に、定着装置100について説明する。図2に本実施形態の画像形成装置における定着手段である定着装置100の模式断面図を示す。本実施形態において定着手段は、2ロール方式のものである。
定着装置100は、矢印A方向に回転する定着ロール(加熱回転体)1と、定着ロール1に接触しながら定着ロール1の回転方向Aとは反対の矢印B方向に従動回転する加圧ロール(加圧回転体)6とを備えている。表面に未定着のトナーからなるトナー画像Tを担持する用紙(記録媒体)Pは、矢印C方向に搬送され、定着ロール1−加圧ロール6間に形成されるニップ部Nに挿通され、これら一対のロール1,6により加熱されるとともに加圧されて、トナー画像Tのトナーが融着することで、トナー画像Tが用紙P表面に定着される。
定着ロール1における、ニップ部Nよりも定着ロール1の回転(周動)方向A下流側には、定着ロール1表面近傍に、一辺が近接し、かつ、定着ロール1の回転方向Aに寝かせられた状態で剥離案内板7が配されている。ニップ部Nに挿通されて、トナーが溶融状態となっているトナー画像Tを担持する用紙Pが矢印C方向に搬送されると、剥離案内板7により用紙Pが定着ロール1から剥離される
。また、定着ロール1表面とそれに対向する剥離案内板7表面とに挟まれた領域には、気体吐出装置(気体吐出機構)10が配されている。
かかる剥離部材は、定着ロール1から記録媒体である用紙Pを剥離するために設けられている。なお、本実施形態においては、用紙Pと定着ロール1との界面で、加圧ロール6の押圧による定着ロール1の弾性変形で生じる微小歪み(マイクロスリップ)を利用して、用紙Pが定着ロール1から自然に剥離するようにしたセルフストリッピング方式の構成を採用している。セルフストリッピング方式の構成を採用することで、文字画像を普通紙に定着する場合等、一般的な定着条件では、それのみで十分な剥離性を示すが、本実施形態では、後に詳述する剥離案内板7および気体吐出装置10からなる本発明の剥離装置を備えることで、より一層厳しい条件においても、安定した剥離性が実現される。
定着ロール1は、アルミニウム製で厚さ2〜3mmのコア5の表面に、厚さ0.5〜3mmの弾性層3が被覆され、さらにその上に厚さ20〜50μmの表面層4が被覆されてなり、内部に熱源としてヒータ2が配されている。本実施形態では、弾性層3としてゴム硬度25〜45°のシリコーンLSR(Liquid Silicone Rubber)ゴムが用いられている。また、表面層4としてはPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブが用いられている。なお、本実施形態において、定着ロール1の外径は、65mmφである。
なお、弾性層3の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、従来公知の各種材質のものを採用することができ、例えば、フッ素ゴムを用いることができ、シリコーンゴムおよびフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性層を用いてもよい。
また、定着ロールとしては、弾性層のない、いわゆるハードロールを用いてもよい。
図3に、本実施形態における剥離装置、すなわち剥離案内板7および気体吐出装置10の、定着ロール1表面側から見た拡大平面図を示す。図3に示されるように、本実施形態において気体吐出装置10は、剥離案内板7の長手方向に3個設けられている。ただし、本発明においては、気体吐出装置の設けられる数に制限はなく、少なくとも一つ設けられればよく、好ましくは複数個である。本実施形態において気体吐出装置10は、内径が0.5〜4mm程度のエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3と、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3と、図3においては不図示の気体供給装置と、からなり、エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から、圧縮された気体流(圧搾気体)をパルス状に吐出するように構成されている。ここで、「パルス状」とは、連続的に流す空気流ではなく、短時間(例えば0.01〜0.1sec)だけ1回、またはある程度時間間隔を置いて断続的に流すことを意味する。
図4は、気体吐出装置10の全体構成を模式的に表す模式構成図である。図4においては、図3で省略されている気体供給装置が模式的に表されており、10c〜10gの符号が付されている。すなわち、気体吐出装置10の一部を構成する気体供給装置は、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に送る気体を溜めておく気体溜め(ACCUMULATOR)10cと、圧縮気体を生成し圧送するエアーポンプ10dと、これらの間を図示のように連結する連結配管10eと、各電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉を制御するエアーパルスコントローラー10f−1,10f−2,10f−3と、エアーポンプ10dから圧送される圧縮気体の圧力を調整するレギュレーター10gと、から構成される。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は各々電磁弁10b−1,
10b−2,10b−3に接続されており、エアーパルスコントローラー10f−1,10f−2,10f−3からの電磁弁の弁開閉信号のオンオフにより、吐出時間と吐出タイミングが制御される。さらに、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3は、気体溜め10cを介してエアーポンプ10dに連結配管10eによって連結されており、エアーポンプ10dから圧送された気体は、気体溜め10cで一旦トラップされた後、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に送られ、圧搾気体が突出される。気体溜め10cでは、エアーポンプ10dから供給された気体が、所定の圧力になるまで貯留される。このとき、気体溜め10c内の圧力は、連結配管10eの経路における気体溜め10c近傍に設けられた不図示の圧力計により検知される。
図3とは逆方向の面から見た(すなわち、定着ロール1表面側と反対側の面から見た)、当該剥離装置における剥離案内板7の拡大平面図を図5(a)に、図5(a)のA−A断面をさらに拡大した断面図を図5(b)に、それぞれ示す。図5(b)に示すように、剥離案内板7の断面形状は全体として、8a、8bおよび8cを各辺とする楔形の三角形となっており、最も鋭い鋭角となる頂点部分が、定着ロール1表面に近接する。図5(b)は断面図であるため、剥離案内板7において8a、8bおよび8cは、実際には全て平面状であり、具体的には、8bは定着ロール1表面に対向する面(「裏面」と称する。)、8aはその背面(「表面」と称する。)、8cは定着ロール1表面に近接する一辺と対向する一辺である端面(「端縁面」と称する。)である。
なお、本発明における剥離案内板には、本実施形態における剥離案内板7のように、断面形状が完全には長方形とならない、厳密には平板状でない形状のものが含まれる。
本実施形態において、前記頂点部分に相当する、剥離案内板7の定着ロール1表面に近接する一辺は、一直線状とはなっておらず、図5に示すように、定着ロール1表面に向けて突出した形状を有している(以下、このように回転体表面に向けて突出した部位を1箇所以上有する形状を「異形先端形状」と称することがある)。本実施形態における異形先端形状は、図5(a)に示すように、凸部7aと凹部7bとで構成されている(なお、両端部は凸部7aと同等の突出状態となっているが、本実施形態において当該部位は用紙剥離に寄与しない部分であるため、敢えて凸部7aには含めていない。勿論、用紙剥離に寄与する場合には、当該部位を凸部として考察することとなる。)。
凸部7aは、その先端が一直線状となるように突出しており、剥離案内板7の長手方向に3箇所設けられている。一方、凹部7bは、凸部7a相互の間および両端に設けられ、円弧状に後退している。さらに、凹部7bにおいては、剥離案内板7の表裏面で、その後退の程度が異なっており、裏面8bよりも、その背面である表面8aの方が後退し、凹部7bの円弧の中央では、表面8aに対して傾斜した面(図5(b)における7c)が形成されている。
気体吐出装置10から吐出された圧搾気体により剥離された用紙Pの搬送方向Cの最先端部は、剥離案内板7の表面8a側に乗り上げ、その後は、定着ロール1の周動による搬送に伴って、用紙Pが表面8aを摺擦移動することで、漸次定着ロール1表面から剥離され、最終的に用紙P全面が剥離する。すなわち、用紙Pの最先端部の剥離のみを気体吐出装置10による圧搾気体の吐出により行い、その後最後端までの部分の剥離は、剥離案内板7が担う。
この作用について、詳細に説明する。図6および図7は、本実施形態の定着装置を例に挙げて、本発明における剥離手段の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程1および2が図6に、工程3および4が図7に、それぞれ示されている。また、各工程において、左の図は、図2と同一の方向から見た模式断面図であり、右の図は、図3とは逆方向の面から見た(すなわち、定着ロール1表面側と反対側の面から見た)、剥離装置および用紙のみの拡大平面図である。図6および図7において「ON」「OFF」とあるのは、気体吐出装置10における電磁弁(図3における10b−1,10b−2,10b−3)の動作のオン−オフである。
なお、以下の工程はあくまでも代表例として示すものであり、本発明は、本実施形態の工程に限定されるものではない。
矢印C方向に搬送され、定着ロール(加熱回転体)1−加圧ロール(加圧回転体)間のニップ部Nに挿通された用紙(記録媒体)Pは、剥離対象の回転体としての定着ロール1表面に密着して(貼り付いた状態で)ニップ部N出口から出て来る。ニップ部N出口以降、用紙(記録媒体)Pは、定着ロール1表面に連れて、周動方向(矢印A方向)に曲線を描いて進行し、気体吐出装置10のエアーノズルから吐出されるパルス状の圧搾気体によって、用紙Pの搬送方向Cの最先端部(以下、単に「用紙先端」という場合がある。)のエアーノズル近傍が、定着ロール1表面から剥がされ、浮きが生じながら搬送される(図6の工程1参照)。
エアーノズルから吐出される圧搾気体は、ニップ部Nから出てきた用紙先端を瞬間的に剥がすだけで十分であるため、そのパルス幅(吐出時間)はそれほど長くする必要はない。用紙先端が剥がされ浮き上がったところに、定着ロール1表面と僅かなギャップを保持して設けられた剥離案内板7の定着ロール1表面に近接する一辺(以下、「先端」と略す場合がある。)が入り込み、用紙先端が剥離案内板7の先端に乗り上げた状態となる。その段階の前後で、圧搾気体の吐出が終了する(以上、図6の工程2参照)。
その後、用紙Pにおける搬送方向Cの最先端部に続く部位は、定着ロール1の周動による搬送に伴って、漸次剥離案内板7の先端に乗り上げ、剥離案内板7表面を摺擦移動することで、漸次前記回転体表面から剥離され、最終的に用紙Pの全面が剥離される(以上、図7の工程3および4参照)。そして用紙Pは、排出ガイド11に案内されて、排出ロール12により装置外に排出される。
剥離案内板7表面は、その全体が平滑な平面またはわずかな曲率を有した曲面の板の表面に好ましくは離型層が構成されており、ニップ部N出口直後の溶融状態にあるトナー画像Tは、表面が僅かに摺擦されても、平滑な剥離案内板7の全面で支持されるので、画像を傷付けることはない。
本発明の剥離装置は、以上のような作用により、極めて良好な剥離性能を発揮する。
本実施形態において、剥離案内板7の先端は、既述の如く異形先端形状をしており、圧搾気体により瞬間的に剥がされる部分に対応する部位(図5における凸部7a)だけが、定着ロール1表面に向けて突出している。換言すれば、剥離案内板7は、その先端における、エアーノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍のみが、定着ロール1表面に向けて突出した形状を有する。
したがって、この凸部7aのみが、定着ロール1表面に対してわずかなギャップを形成するように設けられており、用紙Pは最初にこの部分が剥離案内板7の先端に乗り上げる。このとき、用紙P最先端の搬送方向Cと垂直の方向で、エアーノズルから離れた(圧搾気体が当たらない)部位は、圧搾気体が作用しないので、定着ロール1に密着したままである。しかし、圧搾気体で剥がされた部位において、剥離案内板7の先端が用紙Pと定着ロール1との間に入り込んでいるので、その後、用紙Pが搬送されるに従い、既に剥離された部位を基点として徐々に剥離案内板7によって剥離される(以上、図6の工程2の状態)。つまり、用紙P最先端における圧搾気体が多く当たらない部位は、それが直接的に当たる部位よりも遅れて剥離案内板7によって剥離されることになる。
このように本実施形態の剥離装置は、まずは、定着ロール1に密着してニップ部Nから出てきた用紙Pの最先端部を圧搾気体で瞬間的に剥がし、剥がれたところに剥離案内板7の先端が入り込むことによって、最終的に用紙全面を剥離するものである。
本発明において、剥離案内板の先端は、異形先端形状を有することが望ましく、本実施形態における剥離案内板7についても、かかる形状を採用している。すなわち、本発明において、剥離案内板の先端部の形状は、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍は、剥離対象となる加熱回転体表面に近接してわずかなギャップを形成することが好ましく、さらに直線状であることがより好ましいのに対して、それ以外の部位(ノズルより離れたところ)は、記録媒体が遅れて剥離されることになるので、当該加熱回転体表面から離れた位置であることが好ましい。したがって、本実施形態において、剥離案内板7の先端部は、気体吐出装置10におけるエアーノズル(図4における10a−1,10a−2,10a−3)に対向する部位およびその近傍が、直線状で最も定着ロール1に近接して突出しており、エアーノズルに対向する部位から離れるに従い、徐々に定着ロール1表面から遠ざかるように円弧状に切り欠かれた形状となっている。
勿論、本発明において、剥離案内板の先端をこのような異形先端形状とすることは必須ではなく、例えば直線状であっても構わないが、本実施形態の如き異形先端形状とすることで、ノズルから吐出すべき圧搾気体の圧力や吐出時間(パルス幅)、さらには設けるノズルの数を抑えることができ、装置の小型化、低コスト化の観点から好ましい。
気体吐出装置10におけるエアーノズル(図4における10a−1,10a−2,10a−3)は、定着ロール1表面とそれに対向する剥離案内板7表面とに挟まれた領域に設けられ、当該ノズルの先端は、剥離案内板7の先端と定着ロール1との間に形成されるギャップよりも、定着ロール1の周動方向Aの下流に設けられる。
図8に、エアーノズルから吐出された圧搾気体の流れを説明するための模式拡大図を示す(本図においては、3つのエアーノズルのうち10a−1を代表させて示している。)。図8に示すように、エアーノズル10a−1から吐出されたやや放射状の成分を含む直線状の気流(初期気流X)は、剥離案内板7の先端と定着ロール1との間に形成されるスリット状のギャップを通過する時に形が変換され、平面状(カーテン状)の気流(ギャップ通過気流Y)となる。平面状(カーテン状)の気流は、線状に近い状態で用紙Pの最先端部に当たるので、他の形状の気流に比べ同じ気体量で比較した場合に最も効率よく、用紙Pの最先端部を良好に剥離することが可能である。つまり、本発明に規定される位置関係になるように剥離対象となる加熱回転体、剥離案内板および気体吐出機構を配置することで、より少ない気体量、より少ないノズル数で、記録媒体を剥離することができる。
本実施形態において、剥離案内板7は、ステンレス(SUS430)材料を基材として用い、その表面8a、裏面8bおよび端縁面8cに厚さ30μmのフッ素系樹脂層を被覆したものを用いている。勿論、本発明において、剥離案内板の基材としてステンレス材料を用いることに限定されるものではなく、例えば、耐熱性のプラスチック材料やその他の金属を用いてもよい。
本実施形態において、剥離案内板7の先端(詳しくは凸部7a)は、定着ロール1表面に近接して非接触で配されている。このとき、剥離案内板7の先端(詳しくは凸部7a)と定着ロール1表面との間隙(ギャップ)としては、好ましくは0.05〜1mmの間、より好ましくは0.1mm〜1mmの間から選択される。このギャップが大きすぎると用紙Pが剥離案内板7で方向を大きく変えられることになり、剥離案内板7の先端や表面8a上をスムーズに滑ることが困難となり、用紙案内のストレスとなって剥離に支障を来たす場合がある。また、このギャップが大きすぎると、剥離案内板7の先端に用紙先端を乗せるべく、用紙先端を大きく浮かさなければならないこと、図8におけるギャップ通過気流Yが、適切な平面状(カーテン状)の気流になり難いこと、等の理由から、必要とする圧搾気体の圧力、パルス幅が大きくなってしまうといった懸念もある。一方、このギャップが小さすぎると、圧搾気体が当該ギャップを通過する際に抵抗となってしまい、変換された平面状(カーテン状)の気流の吐出力が減少してしまう懸念がある。このギャップ調整は、上記範囲内で、エアーノズル10a−1から吐出される圧搾気体の圧力や吐出タイミング、吐出時間(パルス幅)に応じて適切に設定を行えばよい。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は、剥離案内板7と定着ロール1表面との間に、非接触で挟み込まれる状態で、特に剥離案内板7の各凸部7aの先端にエアーノズルの吐出口先端が近づいた位置に配されている。この位置が離れていると、用紙Pの最先端部に作用させる圧搾気体の吐出力が弱まり、有効性が抑制される場合がある。したがって、かかるエアーノズルの吐出口先端は、定着ロール1表面および剥離案内板7に干渉しない範囲内で、極力、剥離案内板7の各凸部7aの先端近傍に配置することが望ましい。
剥離案内板7は、定着ロール1の周動方向Aに寝かせられた状態で配されている。ここで「周動方向に寝かせられた状態」とは、剥離案内板(7)の加熱回転体(定着ロール1)に近接する一辺(先端)を通る、当該加熱回転体からの法線に対して、剥離案内板全体が周動方向に傾けられた状態を意味する。傾ける程度としては、加熱回転体表面から剥離する記録媒体の進行方向ができるだけ変更されない程度が好ましく、加熱回転体表面から記録媒体の剥離が開始する点(剥離ポイント)における前記加熱回転体の接線と、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に対向する面の背面(表面8a)とが、平行に近い(両者の成す角が小さい)ことが望ましい。
図面を用いて剥離案内板の配置について説明する。図9は、加熱回転体である定着ロールと剥離案内板との配置関係を説明するための部分拡大断面図である。図9においては、用紙Pが定着ロール1表面から剥離する箇所周辺を拡大して示しており、用紙P、定着ロール1および剥離案内板7以外の構成は図示を省略している。
図9において、定着ロール1表面に貼り付いた状態で搬送された用紙Pは、不図示の気体吐出装置10による圧搾気体で定着ロール1表面から、剥離ポイントSで剥離する。
剥離ポイントSで剥離した用紙Pの最先端部は、剥離案内板7の先端Gに乗り上げる。図9は、その状態を示したものである。用紙Pの最先端部近傍は、定着ロール1表面の剥離ポイントSにおける接線Eと略同じ軌跡を辿って搬送されている。接線Eと用紙Pの搬送の軌跡とが近いほど、用紙Pの剥離に自身のコシを最大限活用することができるため、圧搾気体の圧力、パルス幅を抑制することができ、また用紙Pをスムーズに剥離させることができることになる。
したがって、剥離案内板7の先端Gの位置としては、既述のギャップ範囲であることも好ましい要件ではあるが、その要件の他、接線E上ないし接線Eより定着ロール1表面側にあることが好ましく、接線Eに近ければ近いほど好ましく、接線E上にあることが最も好ましい。
また、剥離ポイントSおよび剥離案内板7の先端Gを結ぶ直線(図9において、当該直線は接線Eと同じであるため、直線Eと表示する。)と、剥離案内板7の表面8aと、の成す角θとしては、−35°以上+20°以下が好ましく、0゜に近ければ近いほど好ましい。この角度がマイナス側(剥離案内板7の表面8aが、直線Eよりも定着ロール1表面から遠ざかる側)に大きくなり過ぎると、用紙Pが剥離案内板7で方向を大きく変えられることになり、剥離案内板7の先端や表面8a上をスムーズに滑ることが困難となり、用紙案内のストレスとなって剥離に支障を来たす場合がある。一方、この角度がプラス側に大きくなり過ぎると、気体吐出装置10を適切な位置に配置し辛くなる。
したがって、ベストモードとしては、用紙Pが接線Eと略同じ軌跡を辿って搬送される、接線Eと剥離案内板7の表面8aとが重なる状態である。
定着ロール1における用紙Pの剥離位置(剥離ポイントS)は、ニップ部N出口からの距離が長い程、圧搾気体による用紙Pの最先端部の剥離には有効に働く。例えば、用紙Pの最先端部がニップ部N出口からk(mm)出た状態において、用紙Pの最先端部に圧搾気体の吐出力F(N)を作用させた場合、用紙Pはニップ部N出口を支点として固定されているので、用紙Pの最先端部には、およそF×kのモーメントが作用する。これが、用紙Pが定着ロール1に付着している力とニップ部N出口を支点とした用紙Pのコシに打ち勝って、用紙Pの最先端部を剥離案内板7の先端に案内するためには、このkの値は大きい方がよい。しかしながら、kが大きすぎると、用紙Pが定着ロール1に巻き付いたまま担持される時間が長くなることになり、用紙P表面に担持されたトナー画像Tが過熱されることになるため、得られる画像にグロスムラが生じることがある。よって、画質を考慮しながら用紙先Pの最端部に圧搾気体の吐出力が有効に作用する剥離ポイントSを設定する。
この剥離ポイントSの位置は、気体吐出装置10による圧搾気体の向き、圧力、パルス幅等の条件や、用いる用紙Pの厚さ、コシ、形成されるトナー画像のトナー量等条件により適宜調整すればよい。一般的には、前記圧搾気体が最初に当たる位置となるように調整される。
本実施形態において、剥離案内板7における凸部7aは、定着ロール1の軸方向と略平行に幅を有している。その幅の好ましい範囲は、一概には言えないが、5〜80mm程度から選択することが好ましい。
本実施形態においては、エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3は、剥離案内板7と定着ロール1との間に独立して設けられているが、本発明においては、回転体表面とそれに対向する剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出し得る構成であれば足り、配される位置は限定されず(例えば、よりエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3が後退した場所に位置する態様が挙げられる。)、また剥離案内板がノズルを兼ねる構成であっても一向に差し支えない(例えば、剥離案内板7の裏面8bから、定着ロール1表面と剥離案内板7の先端との間隙を狙うように開口部が向けられたノズルが突出した態様が挙げられる。)。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出される圧搾気体の吐出時間(パルス幅)としては、様々な条件により変動するため一概には言えないが、大略0.01〜0.1sec程度が望ましい。
吐出時間が0.1secを超えると、一回の吐出で非常に多くの気体が放出され、高速の連続通紙対応が困難になり汎用性に欠ける懸念がある。さらに、エアーポンプ10dとして、大きな気体供給能力を有する大型ポンプが必要となり、気体溜め10cとして、大容量のACCUMULATORが必要となり、装置の大型化が顕在化し、コストも高くなることから現実的でなくなる可能性がある。 一方、吐出時間が0.01sec未満であると、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉応答性が悪くなり、弁開閉タイミングのばらつきが大きくなるので信頼性に欠ける可能性がある。
この吐出時間は、用紙Pの搬送速度(プロセススピード)に合わせて適切に設定すればよいが、搬送速度に応じて可変としてもよい。後述するが、当該吐出時間を、本発明により制御される動作環境の条件の一つとすることも可能である。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出させる圧搾気体の圧力(吐出圧)は、0.05〜0.5MPa以下にすることが望ましい。0.5MPaを超えるとエアーポンプ10dとして、大きな気体供給能力を有する大型ポンプが必要となり装置の大型化に繋がり、また、空気漏れの対策が必要になり装置のコスト高に繋がる。装置を小型化して、低コストで良好な用紙の先端部剥離を実現するためには、低圧力化し、一回に吐出する圧搾空気量を少なく抑えることが望ましい。なお、後述するが、当該吐出圧を、本発明により制御される動作環境の条件の一つとすることも可能である。
圧搾気体の量(吐出量)は、主に気体の圧力、電磁弁のオリフィス径、ノズルの個数(本実施形態では3個)および各電磁弁の開放時間で決定される。勿論、当該吐出量を、本発明により制御される動作環境の条件の一つとすることも可能である。
なお、圧搾気体として用いる気体としては、特に制限はないが、一般的には大気中の空気がそのまま用いられる。
エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3から吐出される圧搾気体の温度を、必要に応じて適切に制御してもよい。より画質ムラの少ない高画質化を実現するためには、吐出する圧搾気体の温度は、室温より高く設定することが好ましい。圧搾気体の温度と、ニップ部Nを通過した直後の用紙P表面のトナー画像Tにおけるトナー温度との温度差が大きいと、画質ムラが生じることがある。
また、まだ高い温度状態にある前記トナーを急速に冷却してしまう可能性があるため、圧搾気体の温度は室温より高いことが望ましい。
さらに、圧搾気体の温度は、トナーの軟化点付近の温度近くとすることが好ましく、トナー画像Tのニップ部N出口直後の温度、すなわち定着ロール1から用紙Pが離れて熱の供給が終わり、放熱による自然冷却が始まった直後のトナー温度に近いことがより好ましい。具体的には、トナーの軟化点に対して±40℃以内とすることが好ましく、定着ロール1の表面温度に対して−5℃〜−80℃の範囲とすることが好ましい。
必要に応じて、剥離案内板7の温度を制御してもよい。圧搾気体の吐出後、用紙Pのトナー画像T面が剥離案内板7の表面8aを摺擦しながら排出ガイド11に導出されるため、ニップ部Nの出口から排出されて、剥離案内板7の表面8aに達する際の用紙P表面のトナー画像Tにおけるトナー温度と、剥離案内板7の表面8aとの温度差が大きいと、摺擦の際に画質に影響を与えてしまう可能性がある。したがって、両温度が隔たらない(温度差が、好ましくは80℃以内、より好ましくは60℃以内)ように剥離案内板7の温度を制御することが好ましい。
剥離案内板7の温度の制御方法は、特に制限は無く、例えば剥離案内板7を加熱するヒータを別途配設したり、定着ロール1の余熱を利用したり、等の態様が挙げられる。
ニップ部Nに挿通される際に用紙Pがスキューした場合を考慮して、各エアーノズル10a−1,10a−2,10a−3に接続された電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミングを制御してもよい。すなわち、用紙Pがスキューした場合、用紙Pの最先端部が図8における剥離ポイントに達するタイミングが、用紙Pの搬送方向と垂直の方向でズレてくるため、そのずれに応じて電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミングを制御することが好ましい。
具体的には、用紙Pの進行方向後端部が、ニップ部Nに挿通される前の所定の位置を通過するタイミングを、用紙Pの搬送方向と垂直の方向に配置した複数のセンサにより検知して、この検知信号からスキュー量を割り出し、該スキュー量に応じて電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の開閉タイミング(すなわち圧搾気体の吐出タイミング)を制御すればよい。当該センサは、少なくとも用紙Pの進行方向後端部の搬送方向と垂直の方向2カ所を検知すれば、スキュー量を知ることができる。
本実施形態においては、剥離案内板7の凸部8aとそれに対応するエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3とが、それぞれ3つの場合を例に挙げているが、本発明においては、無論3つに限定されるわけでなく、例えば、剥離案内板に1〜10程度の凸部を設け、この凸部に対応するすべてにエアーノズルを設けてもよいし、凸部のうち任意の複数個所あるいは1箇所にのみエアーノズルを設けてもよい。
ここで、本実施形態の定着装置並びに剥離装置の、具体的な装置構成を検証することで、APS技術の実用性の高さを立証する。なお、エアーノズルの数等、本実施形態において特定されているものについても、一部変数として検討するものがある。
ニップ部Nに搬送される用紙Pのプロセススピードをv(mm/sec)、搬送される用紙Pの長さをL(mm)、連続して搬送される用紙P相互間のインターイメージをα(mm)とした場合に、圧搾空気(圧搾気体)を安定して吐出可能な条件を示す。諸条件は、以下の記号で表して説明する。
・エアーポンプ10dの空気供給能力:S(ml/sec)
・気体溜め(ACCUMULATOR)10cの容量:T(ml)
・気体溜め10cの設定空気圧力:P1(MPa)
・大気圧:P0(MPa)
・電磁弁10b−1,10b−2,10b−3のオリフィス径:a(mm)
・圧搾空気の吐出時間(電磁弁の開放時間):t(sec)
・エアーノズルの個数:n(個)
・圧搾空気一回の総吐出量:A(cc)
電磁弁10b−1,10b−2,10b−3をt(sec)だけ開放したときに低下する圧力をΔp(MPa)とすると、エアーパルス一回の総吐出量Aは、以下の式(i)で表される。
A=Δp×T/P0(ml) ・・・(i)
エアーノズル1個あたりではA/n(ml)だけ吐出される。
用紙が搬送されて来て圧搾空気が吐出され、その後次の用紙が搬送されて来て再度圧搾空気が吐出されるまでの時間に、気体溜め10cに所定の設定圧力となる空気が供給されていなければならないので、エアーパルス一回の総吐出量Aは、以下の式(ii)を満たせばよいこととなる。
A≦(L+α)×S/v ・・・(ii)
上記式(ii)において、左辺は、1の用紙と次の用紙との間の圧搾空気の吐出が行われていない間に、気体溜め10cにエアーポンプ10dから供給することが可能な最大の空気量である。
例えば、エアーポンプ10dとして空気供給能力S=8リットル/min(≒130ml/sec)の小型ポンプを用い、気体溜め10cとして容量T=200mlのACCUMULATORを、設定空気圧力P1=0.3MPaで使用し、エアーノズルの個数n=3個、電磁弁10b−1,10b−2,10b−3のオリフィス直径a=1.5mm(エアーノズル内直径2mm)から、圧搾空気の吐出時間t=0.025secの条件で圧搾空気を吐出させると、ΔPはおよそ0.04MPaであった。よって、一回のエアー総吐出量Aは、大気圧P0=0.101MPaとすると、
A=0.04×200/0.101
およそ79mlであり、ノズル1個当たりおよそ26mlになる。
ここで、用紙PとしてA4サイズのものを横送り(Long Edge feed)で用い(すなわち、用紙Pの長さL=210mm)、インターイメージα=30mm、プロセススピードv=350mm/secで搬送する場合に、1の用紙と次の用紙との間の圧搾空気の吐出が行われていない所用時間内で、気体溜め10cにエアーポンプ10dから供給することが可能な最大の空気量(L+α)×S/vは、
(L+α)×S/v=(210+30)×130/350
およそ89mlとなり、上記式(ii)を満たす。
よってこのケースにおけるエアーポンプ10dの空気供給能力と気体溜め(ACCUMULATOR)10cの容量は、適切な範囲内にあると言え、350mm/secという高速の連続通紙条件においても安定して同じ吐出力の圧搾空気を、用紙Pの最先端部に作用させることができる。
圧搾空気が吐出している間(t(sec))の用紙の搬送距離Δm(mm)は、Δm=v×tであり、上記ケースの場合には8.75mmとなる。圧搾空気が吐出している間にも用紙Pは搬送されており、ニップ部Nを出た用紙Pの最先端部が所定の位置に達した時に圧搾空気が吐出し始め、次いで用紙Pの最先端部に空気流が継続して作用するので、用紙Pの最先端部は定着ロール1から離れる方向に移動しながら搬送され、剥離案内板7の凸部7aに案内されて吐出を終了させる。用紙Pと圧搾空気の空気流は、相互に相対移動する関係にあるので、用紙Pの搬送速度に合わせて、適切に用紙Pの最先端部を剥離案内板7の凸部7aに案内可能な圧搾空気の吐出タイミングと吐出時間を選択すればよい。
ここで、各電磁弁10b−1,10b−2,10b−3の直径a(mm)のオリフィスからA/n(ml=cm3)の空気が吐出されるので、各電磁弁のオリフィス付近における空気の平均流速k(m/sec)は、損失を無視して単純に計算すると、下記式(iii)で表すことができる。
k=(A/n)/{(πa2)・t/4}=4A/(nπa2t) ・・・(iii)
上記例においては、
k=4×(79×10-6)/{3×π×(1.5×10-32×0.025}≒
600 となり、平均流速kは約600m/secに及ぶ。
本実施形態においては、以上説明したAPS技術による剥離装置を搭載した画像形成装置において、さらに、画像情報および/または用紙P(記録媒体)に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件を制御する吐出制御手段を備える。具体的には、吐出制御手段は、吐出コントローラ160および吐出ドライバ161で構成される。
吐出コントローラ160は、画像情報および/または用紙P(記録媒体)に関する情報を受け取って、気体吐出装置の動作環境が最適となるように吐出ドライバ161に制御信号S1を送る。この信号を受け取った吐出ドライバ161は、気体吐出装置10に、最適な動作環境で吐出が為されるように動作信号S2を送る。
吐出コントローラ160が受け取る画像情報や用紙P(記録媒体)に関する情報は、本実施形態の画像形成装置においては、画像処理装置145、用紙検知装置155および操作盤156にて検知ないし入力されて認識される。
画像処理装置145は、既述の如く、前記カラースキャナにより読み取ったRGBの画像信号を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色成分の画像信号に変えて像露光装置122に送るが、この画像信号は画像情報SI1として、吐出コントローラ160にも送られる。このとき吐出コントローラ160が認識する画像情報としては、画像濃度、用紙先端から画像までの距離(余白の大きさ)、画像濃度、画像面積、トナー像作成後のトナー量(トナー高さ=パイルハイト)等が挙げられる。
用紙検知装置155は、用紙Pの厚さを検知するセンサである。得られた厚さの情報は、吐出コントローラ160に用紙情報SI2として送られ、そのままの状態で気体吐出機構の動作環境の制御に供されてもよいが、概算的に坪量に換算した上で当該制御に供することとしても構わない。
また、例えば予め、用紙Pに坪量、厚さ、紙種等が識別可能な表示を付しておき、用紙検知装置155によりこれを読み取ることとしてもよい。こうすることで、用紙の詳細で正確な情報を吐出コントローラ160に送ることができる。用紙Pに付し得る上記表示としては、エッジに切り欠きを設ける、端に点字状の孔を穿つ、可視または不可視の識別マークを端に印刷しておく、等が挙げられ、これらに応じた検知装置を配することにより、用紙Pの坪量、厚さ、紙種等を認識することができる。また、坪量や厚さに関しては、本実施形態における用紙Pの厚さを検知するセンサで認識し、他の情報を用紙Pに付された表示で認識することとしても構わない。
さらに、用紙検知装置155により、用紙のサイズ(例えば、A3、A4、B4等)を検知することとしてもよい。用紙サイズの情報は、用紙検知装置155で検知するほか、例えば、用紙カセット等の給紙装置150で検知したり、それ自体その用紙サイズ専用の物としておいたり、操作盤156に入力した情報をそのまま利用したり等、他の情報入手手段を利用しても構わない。
本実施形態では、用紙検知装置155に湿度センサを内蔵している。用紙P近傍の湿度を検知することで、実質的に用紙Pの吸湿度合いを間接的に測定することができる。湿度センサの設置位置としては、用紙検知装置155に内蔵させるのに限定されるものではなく、用紙Pが収容されている装置本体の内部あるいは外部に配置すればよい。
操作盤156は、画像形成装置の装置本体に取り付けられたものである。装置の使用者がこの操作盤156に必要な情報を入力して、画像形成装置が起動するようになっている。通常の画像形成装置では、操作盤には起動スイッチや枚数ボタン等が配されているが、本実施形態の操作盤156においては、それらに加えて、画像情報や用紙P(記録媒体)に関する情報が入力できるようになっている。具体的には、用紙Pの坪量、厚さ、紙種等の情報を、直接入力するか、あるいは、製品固有の記号を入力することで、間接的に入力したり、画像に関する情報を入力したりすることができる。これらの情報は、画像処理装置145からの画像情報S1や用紙検知装置155からの用紙情報SI2を補足するように、あるいはこれら情報に代えて利用される。
操作盤156に入力された入力信号SI3は、そのまま吐出コントローラ160に送られる。
一方、制御される動作環境としては、前記圧搾気体の吐出量および吐出圧が挙げられる。前記圧搾気体の吐出量や吐出圧を増減することによって、用紙Pの剥離性の強弱をコントロールすることができる。つまり、前記圧搾気体の吐出量を多くするか、前記圧搾気体の吐出圧を上げれば、剥離性は向上し、その逆に制御すれば、剥離性は低下する。このとき前記圧搾気体の吐出量と吐出圧とは、どちらか一方を制御してもよいし、双方を制御してもよい。吐出時間が同一であれば、どちらか一方を制御すれば、他方もそれに応じて変化する。吐出圧を制御する方が、一般的には容易である。また、吐出圧をそのままで吐出時間のみ変えれば、吐出量が変化する。この場合の吐出時間の制御は、吐出量の制御と同一視することができ、本発明において、吐出量の制御の概念に含める。
なお、吐出量および吐出圧の概念には、ゼロの場合、すなわち既述の如く、圧搾気体の吐出停止の状態が含まれる。
省エネルギーやその他吐出量および/または吐出圧が連続して高いことによる不具合を緩和する観点から、吐出量および/または吐出圧は必要最小限に抑えることが望ましいので、吐出コントローラ160が、認識した画像情報および/または用紙P(記録媒体)に関する情報に応じて、用紙剥離し得る最小の吐出量および/または吐出圧となるように吐出ドライバ161に制御信号S1を送る。吐出圧を制御するには、例えば、気体溜め10cとエアーポンプ10dとの間に配されたレギュレーター10gにより行う。このとき、気体溜め10c近傍に設けられた既述の圧力計(不図示)のから情報により、吐出ドライバ161が目標の吐出圧にフィードバック制御する。
より具体的な気体吐出機構の動作条件の制御について、以下(1)〜(4)の4つの制御態様を例示する。
(1)紙質(坪量・紙種、湿度)に応じて圧搾気体の吐出の有無を制御<APS+セルフストリップ>
用紙検知装置155および/または操作盤156からの紙質(坪量・紙種、湿度)の情報により、圧搾気体の吐出の有無(つまりは、APS技術使用の有無)を制御することができる。例えば、コシのある用紙(坪量大)はセルフストリップの作用のみで剥離可能である場合があり、その場合は圧搾気体を吐出させないように制御する。また、コシのない紙(坪量小)はセルフストリップの作用のみで剥離させることが困難であり、その場合は圧搾気体を吐出させて剥離するように制御する。その他、セルフストリップの作用をより高めるために、より曲率剥離を効果的に達成し得る構成を採用することも好ましい(例えば、後述する第2の実施形態の如きロール−ベルトニップ方式)。
(2)紙質(坪量・紙種、湿度)やトナー量に応じて圧搾気体の吐出量(吐出圧)を制御<APS+セルフストリップ>
用紙検知装置155および/または操作盤156からの紙質(坪量・紙種、湿度)の情報に加えて、画像処理装置145からの画像情報を利用することにより、圧搾気体の吐出量(吐出圧)を制御することができる。例えば、用紙Pが、コシがない〜コシが中程度の場合や、トナー画像Tにおけるトナー量が比較的多い場合には、用紙剥離にAPS技術によるアシストが望まれ、用紙剥離性の程度に応じて、圧搾気体の吐出量(吐出圧)を制御すればよい。
(3)用紙先端部の画像(トナー量)に応じて適正吐出量や吐出の有無を制御<APS+セルフストリップ>
画像処理装置145からの画像情報により、用紙先端部の余白や用紙先端部周辺における画像のトナー量を判断して、圧搾気体の吐出の有無(つまりは、APS技術使用の有無)や、吐出する場合の吐出量(吐出圧)を制御することができる。APS技術は、圧搾気体を用紙先端部に作用させるので、用紙先端部の余白やトナー量により、圧搾気体の吐出の必要性や、適正な吐出量を判断することが。つまり、トナー画像Tが、用紙Pにおける搬送方向Cの最先端部近傍まで多くのトナー像が存在する場合などは、付着力の強いトナーが、用紙P先端近くまであることから、定着ロール1から用紙Pを剥離し難い。そこで、用紙Pの最先端部を強い圧搾気体で確実に剥がすために、吐出する気体の圧力を高めに制御する。
この他にも、用紙P先端からトナー画像Tが存在する画像部までの長さ(余白部)に応じて、圧搾気体の吐出時間を可変とすることも可能であり、この場合、用紙Pの先端余白部だけに圧搾気体を当てることが可能となり、トナー画像Tに圧搾気体を作用させないように配慮することもできる。また、用紙の先端の余白部がほとんどなくても圧搾気体はロールと用紙の間に楔的に入り込んで剥離することが可能であるが、勿論、圧搾気体の吐出量は、全体としてはかなり少ないため、仮にトナー画像Tに圧搾気体が当たってしまっても、通常は画質に大きな影響を与えることは無い。
(4)用紙サイズ幅に応じて吐出するノズルを選択する<APS単独でも可>
用紙検知装置155および/または操作盤156からの用紙サイズに関する情報により、圧搾気体を吐出するべきエアーノズルを制御することができる。
例えばA3サイズ縦送り(用紙の長い辺と搬送方向とが一致)やA4サイズ横送り(用紙の短い辺と搬送方向とが一致)で用紙を投入した場合に比して、B5サイズの用紙を投入した場合(縦送り横送りの別を問わず)は、用紙幅(搬送方向に対して垂直側の用紙の辺の長さ)が短い。そのため用紙の幅方向に複数配置されたエアーノズルのうち、少なくとも端部のエアーノズルは、圧搾気体を吐出しても、用紙が存在しないところに圧搾気体を吹き付ける結果となってしまう。これは、圧搾気体吐出のためのエネルギーが無駄であるばかりか、定着ロール1表面の温度を無駄に低下させてしまう。
したがって、用紙検知装置155および/または操作盤156からの用紙サイズに関する情報により、用紙PのサイズがA3サイズ縦方向やA4サイズ横方向の場合にはエアーノズル10a−1,10a−2,10a−3の全てから圧搾気体を吐出する。そして、用紙PのサイズがB5サイズ横方向の場合には、例えばエアーノズル10a−3から吐出される圧搾気体が用紙P先端に当たらずに定着ロール1表面に直接当たってしまう状態を仮定すると,エアーノズル10a−3からの圧搾気体の吐出は停止し、吐出用紙エアーノズル10a−1および10a−2からのみ圧搾気体を吐出するように制御すれば、吐出のためのエネルギーが3分の2に抑えられるとともに、用紙Pがない領域に圧搾気体を吐出しないことで、定着ロール1表面の温度低下を抑制することができる。
以上の態様において、それぞれ、紙質やトナー量、画像配置等に応じてきめ細かに、圧搾気体の吐出量(吐出圧)を制御することができる。勿論、総合的に剥離が容易で、APS技術によるアシストを要しない用紙の場合には、圧搾気体の吐出自体を停止すればよい(既述の如く、吐出ゼロも吐出量の制御範囲の中に含む。)。
また、上記(1)〜(4)の制御態様において、圧搾気体の吐出量(吐出圧)の制御は、例えばON−OFFや多少(強弱)の2段階のみの制御としても構わないし、その途中段階をむけることで、3段階以上の多段階の制御としても構わないし、段階を設けず連続的に調整可能な無段階の制御としても構わない。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態であるカラーの画像形成装置について説明する。当該実施形態のカラー画像形成装置の概略構成は、第1の実施形態のカラー画像形成装置と近似しており、詳しくは、トナー画像形成装置(トナー画像形成手段)80は同一で、定着装置(定着手段)の構成のみが異なっている。具体的には、図1に示される定着装置100が、図10に示される定着装置200に置き換わっている。ただし、画像情報および/または用紙P(記録媒体)に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件を制御する吐出制御手段の構成は、基本的にしたがって、以下の説明においては、定着装置200についてのみ詳細に説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態における定着装置200の模式断面図である。本実施形態の剥離装置は、上記第1の本発明と第2の本発明とを適切に組み合わせた態様のものであり、定着装置としては、ロール−ベルトニップ方式のものである。本実施形態は、上記第1の実施形態と定着装置の構成が異なるほかは、第1の実施形態と同一の構成であるため、図10において、第1の実施形態と同一の機能を示す部材には図1と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態における定着装置200は、定着ロール1と、加圧回転体16と、剥離装置7,10とで主要部が構成されている。
加圧回転体16は、リードロール18、圧力ロール19および張架ロール20の3本のロールにより張架されたエンドレスベルト21と、これを介して定着ロール1に押圧される圧力パッド(圧力部材)17とで主要部が構成されている。
エンドレスベルト21は、定着ロール1に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部N'を形成している。エンドレスベルト21の内側には、圧力パッド17がエンドレスベルト21を介して定着ロール1に押圧される状態で配置されている。
エンドレスベルト21の定着ロール1への巻付角度としては、定着ロール1の回転速度にもよるが、ニップ部N'を十分に広く確保できるよう、20〜45°程度とすることが好ましい。また、ニップ部のデュエルタイム(用紙Pの挿通時間)が、30msec以上、特に50〜70msec程度となるような巻付角度とすることが好ましい。
エンドレスベルト21は、ベース層とその表面(定着ロール1と接する面、または両面)に被覆された離型層とから構成されることが好ましい。ベース層はポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等から選ばれ、その厚さは、好ましくは50〜125μm程度、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に形成される離型層としては、前述の如きフッ素樹脂、例えばPFA等が5〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。
圧力パッド17は、例えば、幅の広いニップ部N'を確保するための弾性体部材と、該弾性体部材のエンドレスベルト21の内周面と接触する面に低摩擦層とが設けられ、金属製等のホルダーに保持されている。低摩擦層を表面に有する弾性体部材は、ほぼ定着ロール1の外周面に倣う凹形になっており、定着ロール1に対して押圧されてニップ部N'を形成し、また、その搬送方向下流の圧力ロール19はエンドレスベルト21を介して定着ロール1に強く押圧されており、定着ロール1の当該箇所に一定の歪み量を生じさせている。
圧力パッド17における弾性体部材としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。弾性体部材上に形成される低摩擦層は、エンドレスベルト21内周面と圧力パッド17との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のあるものが望ましい。具体的には、テフロン(R)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。
エンドレスベルト21は、定着ロール1の矢印A方向の回転により、従動して矢印B方向に周動する。
トナー画像Tが表面に形成された用紙Pは、図10における左側からニップ部に向けて(矢印C方向)搬送されてくる。ニップ部に挿通させられた用紙P表面のトナー画像Tは、ニップ部に作用する圧力と、ヒータ2により定着ロール1を通じて与えられる熱と、により定着させられる。本実施形態の定着装置により定着を行えば、ニップ部を広く採ることができるため、安定した定着性能を確保することができる。
既述の如く、ニップ部N'の出口において圧力ロール19が定着ロール1に押圧され、定着ロール1の弾性層3に歪みを与えている。このような構成により、ニップ部N'が確保されるとともに、ニップ部N'の出口付近において定着ロール1の歪みが局所的に大きくなるようにしている。
定着装置200によれば、ニップ部N'の出口付近における定着ロール1の歪み量を比較的大きく採ることができる。このように該歪み量を大きく採ればセルフストリッピングが可能となり、離型剤(オイル)を使用することなく高い離型性能が得られる。勿論、さらに高い離型性を得るためにオイルを使用してもよい。オイルを使用する場合には、適宜、定着ロールおよびベルトの表面層の材質を変更してもよい。
しかしながら、既述の如く、トナー画像Tのトナー量が多い、用紙Pの先端近くまでトナー画像Tがある、用紙Pの坪量が小さい、用紙Pが薄いコート紙である、等剥離が困難な条件であっても、より一層安定した剥離を行うことができるようにするためには、第1の本発明で説明した剥離装置を備えることが極めて有効である。本実施形態においては、第1の実施形態と同様の剥離装置7,10を採用することで、極めて高い剥離性能を実現している。
剥離装置7,10の具体的な構成、好ましい態様、変形例等については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上、<第1の実施形態>および<第2の実施形態>の2つの態様を挙げて、本発明の画像形成装置を説明したが、本発明は上記例に限定されるものではない。例えば、2つの実施形態で説明した各構成要素を相互に入れ替えた態様であっても構わない。
また、定着装置として、2ロール方式の定着装置、ベルトについては複数のロールにより張架された状態のロール−ベルトニップ方式の定着装置を例に挙げて説明したが、その他、フリーベルトニップ方式やベルト−ベルトニップ方式の定着装置についても、本発明の剥離装置は好適に適用することができ、いずれも本発明の定着装置を構成する。ただし、剥離対象となる回転体がベルト状の場合には、前記剥離案内板の取り付け位置を、前記回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流にすることが必要となる。
図11に、前記剥離案内板の取り付け位置を考察するための、剥離対象となるベルト状の加熱回転体と用紙との密着状態を説明する拡大断面図を示す。図11において、25はベルト状の加熱回転体であり、ロール26および他の不図示のロールにより張架され、矢印Q方向に周動する。
剥離対象となる加熱回転体25表面には、剥離しようとする記録媒体が密着した(貼り付いた)状態で加熱回転体25の周動とともに矢印Q方向に搬送される。図11には、記録媒体が密着したままであると仮定した場合について、搬送とともに移動する記録媒体Pa〜Peの最先端部のみを点線で示している。
加熱回転体25表面に密着した状態で矢印Q方向に搬送された記録媒体Paは、加熱回転体25が周動方向に直線状に進行しているため、記録媒体Paの最先端部には、自身のコシによる剥離力が作用しない。
加熱回転体25は、ロール26に張架されているため、ロール26に巻き付きその進行方向が切り替えられる地点で、加熱回転体25が周動方向に曲線を描いて進行する。具体的には、直線Lから直線Mで仕切られた領域においては、加熱回転体25は、周動方向に曲線を描いて進行する。
したがって、直線Lの境界を超えこの領域に差し掛かった記録媒体Pbの最先端部には、前記剥離力が作用し始める。この剥離力の作用は、記録媒体の最先端部が直線Lから直線Mで仕切られた領域の間にある間は確実に生じている。すなわち、当該領域間に最先端部が位置する記録媒体Pcには当然に前記作用が生じている。
さらに、この領域を終えても暫くは、記録媒体全体が曲線を描いていれば、自身のコシの作用により、依然として前記剥離力が作用している。すなわち、直線Mの境界を超えてこの領域の下流に最先端部が位置する記録媒体Pdについても前記作用が生じている。
その後、再び加熱回転体25が周動方向に直線状に進行する状態になり、当該位置において加熱回転体25に密着した状態の記録媒体Peについては、自身のコシによる剥離力の作用は生じなくなる。
図11に示される記録媒体については、Pb〜Pdの間の記録媒体が剥離し得るものであり、これらが自身のコシによる剥離力を利用して、あるいはこの剥離力を補い有効に最先端部のみ剥離させることにより、記録媒体全面を剥離するのが本発明のポイントであり、この点から考慮すると、Pb〜Pdの間の記録媒体、換言すれば前記加熱回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する直線Lから直線Mまでの領域またはその下流に、記録媒体の最先端部が位置するときに剥離することが要求される。
勿論、剥離案内板の加熱回転体表面と近接する一辺(先端)と、当該加熱回転体表面との距離を近づければ、ほとんど直線L上に剥離案内板の先端を配置することもでき、一方、これを離した場合、直線Mからかなり下流の位置に剥離案内板の先端を配置可能である点である。したがって、既述の如く、前記剥離案内板の取り付け位置としては、前記加熱回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流にすることが必要となる。ここで「その下流」についての具体的な範囲については、記録媒体の厚さや材質から来るコシ、トナー画像の領域、トナー画像のトナー量等により変わってくるため、一概には言えない。
以上の例は、剥離対象となる加熱回転体がベルトの場合のみ問題となり、これが上記各実施形態のように円筒である場合には、その表面が周動方向に描くのはいつでも曲線であり、いずれの位置においても前記剥離力の作用が生じるため、剥離案内板の設置位置に関する当該要件は問題とならない。
以上、本発明の画像形成装置について、好ましい例を挙げて説明したが、本発明において、トナー画像形成手段の構成は、従来公知のいずれの構成であっても、本発明の目的に反しない限り用いることができる。その他、本発明における必須の構成要件を具備するものであれば問題なく、当業者は、公知の知見により種々の変更を加えることができる。
[検証試験]
以下、検証試験を行うことにより、本発明による気体吐出機構の動作条件制御の可能性を検証する。ただし、本発明は、以下の検証試験により何ら限定されるものではない。
第1の実施形態の画像形成装置中の定着装置と同様の構成の定着装置(すなわち図2に記載された定着装置100)を用いて、用紙剥離性および画質の評価試験を行った。ニップ部Nを通過した後の用紙P表面の溶融トナーが、定着ロール1に対して付着している状態から用紙Pを剥がす剥離力が大きい条件において評価を実施した。
具体的な諸元を、以下に示す。
(定着装置部分の諸元)
・定着ロール1の構成:白黒定着用ハードロール(直径40mmのアルミニウムコアに厚さ20μmのPFAチューブを被覆したフッ素系樹脂コートハードロール。)、および、カラー定着用ソフトロール(外径62mm、内径55mm、長さ350mmの円筒状に形成されたアルミニウムコアに、シリコーンLSR(Liquid Silicone Rubber)ゴム(JIS−Aのゴム硬度:35度)が2mmの厚さに被覆されているとともに、弾性体層の表面には、さらに表面層としてPFAチューブが30μmの厚さで形成されたロール。)の2種類
・定着ロール1の回転速度(プロセススピード):250mm/s
・定着ロール1の表面温度:150〜160℃に制御
・定着ロール1−加圧ロール6間のニップ圧:490〜686N(50〜70kgf))
・用紙P(記録媒体):ともにA4サイズの、富士ゼロックス製C2紙(坪量70g/m2、モノクロ/カラー兼用紙)と、富士ゼロックス製OKトップコート紙(坪量64g/m2、坪量の小さいコシのない紙)を選択した。また、富士ゼロックス製OKトップコート紙については、別途湿度90%の状態で24時間以上吸湿させたものも用意した。これは、用紙を剥離するのに最も厳しい条件を与えるものである(すなわち坪量が小さいコシのない紙ほど、さらには表面性が滑らかな紙(例えばコート紙)ほど剥離しにくく、当該用紙は元々剥離が困難であるが、用紙が吸湿した状態であればなお剥離し難い)。用紙の搬送方向は、図12に示すように横送り(Long Edge Feed)とした。
・トナー:オイルレスフューザー用のカラー重合トナー(富士ゼロックス製オイルレスカラー重合トナー、EAトナー:顔料とワックス粒子、そしてそれらを結合させる乳化重合樹脂粒子を水溶液中で化学反応させ加熱成形したもの)
・未定着のトナー画像T:カラー用は、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色からなるプロセスブラックのベタ画像を用紙Pの略全幅にわたり静電転写させたもの。白黒トナー画像用は、単色ブラックのベタ画像を静電転写させたもの。トナー量は、白黒用で4g/m2と8g/m2のものを、カラー用で12g/m2と24g/m2のものを、各水準ごとに双方とも20枚用意し、全て定着した。2種類のトナー量による試験全体を通して、後述の評価を行った。用紙先端部の余白は、図12に示すように、3mmまたは5mmの2水準とした。
(気体吐出装置10の諸元)
・エアーポンプ10d:市販の空気供給能力8リットル/minのポンプ
・気体溜め10c:タンク容量200ccのACCUMULATOR
・エアーノズル数:3個
・電磁弁のオリフィス径:1.5mm
・圧搾気体:空気を用い、設定圧力0.2MPa、吐出時間0.025secとした。
・圧搾気体の吐出圧調整(エアーアシスト用):設定圧力より低い圧力に調整可能とした。調整圧力は、設定圧力の50%と75%、それに設定圧力の3段階。圧力の調節は、空気溜め10c(AirTank)とエアーポンプ10dの間にあるレギュレーター10gで行った。
・圧搾気体の吐出タイミング:事前に圧搾気体の吐出実験を行い、適切な状態に設定
(剥離案内板7の諸元)
・剥離案内板7は、図5に示されるように凸部を3個有する形状のA4横幅の長さに適応する異形先端形状のものを採用した。具体的な寸法は、長手方向の長さ392mm、図5(b)における辺8aおよび8bの長さ32mm並びに8cの長さ5mm、凸部7aの幅36mm、凹部7bの表面8a側の曲率半径約50mm並びに裏面8b側の曲率半径60mmである。
・剥離案内板7の材質:ステンレス鋼
・定着ロール1表面における剥離ポイントSの接線Eに対する表面8aの為す角θ(図9参照):−5°
・剥離案内板7先端と定着ロール1表面とのギャップ:0.2〜0.5mm
・剥離案内板7の設置位置:適切に調整(ニップ部N出口から4〜15mm)
以上の条件の定着装置を用い、用紙Pを3種類、定着ロール1を2種類、用紙P先端部の余白を2段階の計12水準で定着し、トナー量の違いと圧搾気体吐出の有無、吐出圧の違いに対する剥離性の評価試験を行った。評価試験は、未定着トナー画像Tが静電転写された用紙Pを、連続して20枚、定着装置のニップ部を通過させ、用紙Pが詰まる(ジャムが発生する)ことなくスムーズに安定して剥離できるかどうか調査した。なお、用紙Pの剥離性能の評価基準は、以下の通りとした。結果を下記表1にまとめて示す。
(剥離性能)
○:良好。
△:ジャムが発生する場合がある。
×:ジャムが発生する。
Figure 2005128333
(検証試験の考察)
上記表1に示されるように、全ての条件においてAPS技術を適用すれば、確実な用紙剥離が可能であるが、APS技術を適用しなくても、セルフストリップの効果による剥離が行われるため、用紙や画像の条件(剥離の困難さ)によっては圧搾気体の吐出(APS技術によるアシスト)が不要となる。吐出圧を設定圧力で圧搾気体の吐出をすれば、勿論全ての条件で剥離可能であるが、空気使用量をより少なく吐出することが望まれ、したがって、必要最小限の吐出圧で剥離できるように制御することが好ましい。
上記表1の結果より、今回の評価の範囲でも、セルフストリップのみ(圧搾気体の吐出無し)で剥離可能な条件、設定圧力よりも低い吐出圧(APSアシスト)で剥離可能な条件、および、設定圧力で圧搾気体を吐出(APSフル)しなければ剥離できない条件に分かれることがわかる。したがって、この条件を踏まえ、画像情報や用紙P(記録媒体)に関する情報に応じて吐出コントローラ160が圧搾気体の吐出圧を制御することで、必要最小限の圧搾気体の空気使用量で用紙剥離することができ、省エネルギー化に繋がるとともに、圧搾気体の常時大量吐出による定着ロール1表面の温度低下の懸念が解消される。
第1の実施形態である剥離装置を採用した定着装置の模式断面図である。 第1の実施形態である剥離装置を採用した定着装置の模式断面図である。 定着ロール表面側から見た、図1中の剥離装置の拡大平面図である。 図1中の剥離装置における気体吐出装置の全体構成を模式的に表す模式構成図である。 図1中の剥離装置における剥離案内板を示す図であり、(a)は、定着ロール表面側と反対側の面から見た拡大平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面をさらに拡大した断面図である。 第1の本発明の剥離装置の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程1および2が示されている。 第1の本発明の剥離装置の作用について工程を追って説明するための説明図であり、工程3および4が示されている。 エアーノズルから吐出された圧搾気体の流れを説明するための模式拡大図である。 回転体である定着ロールと剥離案内板との配置関係を説明するための部分拡大断面図である。 第2の実施形態である剥離装置を採用した定着装置の模式断面図である。 剥離案内板の取り付け位置を考察するための、剥離対象となるベルト状の加熱回転体と用紙との密着状態を説明する拡大断面図である。 実施例の評価試験で形成した未定着トナー画像の状態を説明するための用紙の平面図である。
符号の説明
1:定着ロール、 2:ヒータ、 3:弾性層、 4:表面層、 5:コア、
6:加圧ロール、 7、22:剥離案内板、 7a、22a:凸部、 7b、
22b:凹部、 8a、23a:表面、 8b、23b:裏面、 8c、23c:端縁面、 10:気体吐出装置、 10a:エアーノズル、 10b:電磁弁、 10c:気体溜め、 10d:エアーポンプ、 10e:連結配管、 10f:エアーパルスコントローラー、 10g:レギュレーター、 11:排出ガイド、 12:排出ロール、 16:加圧回転体、 17:圧力パッド、 18:リードロール、 19:圧力ロール、 20:張架ロール、 21:エンドレスベルト、 25:加熱回転体、 26:ロール、80 トナー画像形成装置、 100:定着装置、 120:感光ドラム、 121:帯電装置、 122:像露光装置、 122a:半導体レーザ、 122b:走査光学系、 123:現像装置、 124:転写ロール、 130:中間転写ベルト、 132:バックアップロール、 133:駆動ロール、 134:二次転写ロール、 140:カラー原稿、 141:光源、 143:カラー画像読取素子、 145:画像処理装置、 150:給紙装置、 151:ピックアップロール、 152:搬送ロール、 153:レジストロール、 154:搬送装置、 155:用紙検知装置、 156:操作盤、 160:吐出コントローラ、 161:吐出ドライバ、 200:定着装置、 E:接線(直線)、 G:先端、 N:ニップ部、 P:用紙(記録媒体)、 Pa〜Pe:記録媒体、 S:剥離ポイント、 S1:画像情報、 S1:制御信号、 S2:動作信号、 SI1:画像情報、 SI2:用紙情報、 SI3:入力信号、 T:トナー画像、 X:初期気流、 Y:ギャップ通過気流

Claims (13)

  1. 少なくとも、(1)画像情報に応じて像様に、未定着のトナー画像をシート状の記録媒体の表面に形成するトナー画像形成手段と、(2)表面が加熱されて周動する加熱回転体および該加熱回転体の表面に当接しニップ部を形成する加圧回転体を備え、前記記録媒体を、前記トナー画像が形成された面が前記加熱回転体の表面に当接するように、前記ニップ部に挿通することで、前記トナー画像を定着する定着手段と、(3)前記ニップ部を通過した後、前記トナー画像を構成する溶融状態となったトナーにより前記加熱回転体の表面に貼り付いた状態で搬送される記録媒体を、前記加熱回転体から剥離する剥離手段と、を備える画像形成装置であって、
    (3)剥離手段が、(a)前記加熱回転体表面が周動方向に曲線を描いて進行する領域、またはその下流に、前記加熱回転体表面に一辺が近接し、かつ、前記加熱回転体の周動方向に寝かせられた状態で配される剥離案内板と、(b)前記加熱回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域から、前記加熱回転体表面とそれに近接する前記剥離案内板の一辺との間隙に向けて、パルス状の圧搾気体を吐出する気体吐出機構と、から構成され、
    さらに、(4)前記画像情報および/または前記記録媒体に関する情報に応じて、前記気体吐出機構の動作条件を制御する吐出制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記加熱回転体の周動に伴い搬送されてきた前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の配された位置に接近した時に、当該最先端部に圧搾気体が当たるように、前記気体吐出機構により圧搾気体が吐出されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 圧搾気体により前記加熱回転体表面から剥離した前記記録媒体の搬送方向最先端部が、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺に乗り上げた状態となるに十分な程度の圧搾気体のみを吐出するように、前記気体吐出機構が制御され、前記記録媒体における搬送方向の最先端部に続く部位は、前記加熱回転体の周動による搬送に伴って、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺に漸次乗り上げ、前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に対向する面の背面を前記記録媒体表面が摺擦移動することで、漸次前記加熱回転体表面から剥離され、最終的に前記記録媒体全面が剥離するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記気体吐出機構が、圧搾気体を吐出するノズルを、前記加熱回転体表面とそれに対向する前記剥離案内板表面とに挟まれた領域に配してなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記ノズルを、前記加熱回転体の周動方向に対して垂直方向に、複数配してなることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記剥離案内板の前記加熱回転体表面に近接する一辺における、前記ノズルが吐出する個々の圧搾気体の進行方向中心に対向する部位ないしその近傍が、前記加熱回転体表面に向けて突出した形状を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記気体吐出機構による前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記吐出量および/または吐出圧の制御の範囲に、前記圧搾気体を吐出しない場合を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記吐出制御手段が、前記記録媒体の坪量、厚さ、紙種および湿度からなる群より選ばれる少なくとも1つの性質を認識する紙質認識部を含み、該紙質認識部からの情報に応じて、前記気体吐出機構による前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 前記吐出制御手段が、前記画像情報に応じて、前記圧搾気体の吐出量および/または吐出圧を、少なくとも2段階以上段階的に、または無段階に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  11. 前記吐出制御手段が、前記記録媒体のサイズを認識するサイズ認識部を含み、該サイズ認識部からの情報に応じて、前記圧搾気体を吐出するノズルを選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  12. 前記加熱回転体が、ロール状またはエンドレスベルト状であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記加圧回転体が、ロール状またはエンドレスベルト状であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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