以下図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態を説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
〔画像形成装置の構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る画像形成装置1の装置構成を説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。図2は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。
図1、2に示す画像形成装置1は、原稿に形成されているカラー画像を読み取って取得された画像データ、又は、ネットワークを介して外部の情報機器(例えばパーソナルコンピューター)から入力された画像データに基づいて、用紙に色を重ね合わせることにより画像を形成する。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する感光体ドラム43Y、43M、43C、43Kを被転写体(画像形成装置1では中間転写ベルト47a)の走行方向に直列配置し、被転写体に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式の画像形成装置である。
図1、2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、搬送部50、定着装置F、及び制御部80を備えて構成される。
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83等を備えて構成されている。CPU81は、ROM82から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM83に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック(画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、搬送部50、定着装置F等)の動作を集中制御する。このとき、記憶部(不図示)に格納されている各種データが参照される。記憶部は、例えば不揮発性の半導体メモリー(いわゆるフラッシュメモリー)や、ハードディスクドライブで構成される。
また、制御部80は、通信部(不図示)を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。通信部は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置(スキャナー)12等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10によって読み取られた画像(アナログ画像信号)には、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部80から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部80に出力する。
画像処理部30は、アナログデジタル(A/D)変換処理を行う回路及びデジタル画像処理を行う回路等を備えて構成される。画像処理部30は、画像読取部10からのアナログ画像信号にA/D変換処理を施すことによりデジタル画像データ(RGB信号)を生成する。また、画像処理部30は、このデジタル画像データに、色変換処理、初期設定又はユーザー設定に応じた補正処理(シェーディング補正等)、及び圧縮処理等を施す。これらの処理が施されたデジタル画像データ(YMCK信号)に基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、異なる色成分Y、M、C、Kに対応して設けられた、露光装置41Y、41M、41C、41K、現像装置42Y、42M、42C、42K、感光体ドラム43Y、43M、43C、43K、帯電装置44Y、44M、44C、44K、クリーニング装置45Y、45M、45C、45K、一次転写ローラー46Y、46M、46C、46K、及び中間転写ユニット47等を備えて構成される。
画像形成部40のY成分用のユニットにおいて、帯電装置44Yは、感光体ドラム43Yを帯電させる。露光装置41Yは、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム43Yに対してY成分に対応するレーザー光を照射する。これにより、感光体ドラム43Yの表面にY成分の静電潜像が形成される。現像装置42Yは、Y成分の現像剤(例えば、小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤)を収容しており、感光体ドラム43Yの表面にY成分のトナーを付着させることにより、静電潜像を現像する(トナー像の形成)。M成分、C成分、及びK成分用のユニットにおいても、同様にして、対応する感光体ドラム43M、43C、43Kの表面に各色トナー像が形成される。
中間転写ユニット47は、複数の支持ローラー47bに被転写体となる無端状の中間転写ベルト47aが張架されて構成される。一次転写ローラー46Y、46M、46C、46Kによって、中間転写ベルト47aが感光体ドラム43Y、43M、43C、43Kに圧接されると、中間転写ベルト47aに各色トナー像が順次重ねて一次転写される。そして、一次転写された中間転写ベルト47aが二次転写ローラー49によって用紙に圧接されると、用紙にトナー像が二次転写される。
クリーニング装置45Y、45M、45C、45Kは、一次転写後に感光体ドラム43Y、43M、43C、43Kの表面に残存するトナーを除去する。クリーニング装置48は、二次転写後に中間転写ベルト47aに残存するトナーを除去する。
搬送部50は、給紙装置51、搬送機構52、及び排紙装置53等を備えて構成される。給紙装置51は、三つの給紙トレイユニット51a〜51cを備えている。これらの給紙トレイユニット51a〜51cには、用紙の坪量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙や特殊用紙が予め設定された種類ごとに収容される。給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー52a等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構52により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー52aが配設されたレジスト部により、給紙された用紙の傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。
そして、画像形成部40において、中間転写ベルト47aのトナー像が用紙の一方の面に一括して二次転写され、定着装置Fにおいて定着工程が施される。画像形成された用紙は、排紙ローラー53aを備えた排紙装置53により機外の排紙トレイ53bに排紙される。
定着装置Fは、図3、4に示すように、定着部60とエア送風部70等を備えて構成された、エア分離方式の定着装置である。定着装置Fの構成の詳細については、後述する。
〔定着装置の構成〕
以下に、図3及び図4を参照して、本発明に係る画像形成装置が有する定着装置の構成について説明する。
定着装置Fは、定着部60とエア送風部70とを有する。
定着部60は、定着ベルト61、加熱ローラー62、定着ローラー63、加熱部材64、加圧ローラー65、不図示の圧接/離間機構を有する。
定着ローラー63および加圧ローラー65は定着ベルト61を介してニップ部Nを構成し、定着ベルト61は加熱ローラー62および定着ローラー63に張架されている。加熱ローラー62は加熱部材64を内蔵し、定着ベルト61を加熱する。
なお、本発明は、定着ローラーに加熱部材を内蔵するような定着装置(熱ローラー方式)を備えた画像形成装置にも適用可能であるが、本実施形態では、熱ベルト方式の定着装置を備えた画像形成装置について説明する。
定着ベルト61は、トナー像が転写された用紙に接触して、この用紙を定着温度で加熱する。ここで、定着温度とは、用紙がニップ部Nを通過する際に、トナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される用紙の紙種等によって異なる。定着ベルト61は、例えば耐熱性のポリイミドからなるフィルム基材の外周面に、シリコーンゴム等からなる弾性層と、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂からなる表面離型層が順に積層して形成された構成を有する。
加熱ローラー62は、用紙が定着ベルト61によって所定の温度で加熱されるように、すなわち定着ベルト61の温度が定着温度となるように定着ベルト61を加熱する。加熱ローラー62は、例えばアルミニウム等からなる円筒状の芯金の外周面に、PTFE等からなる樹脂層が形成された構成を有する。
加熱ローラー62には、ハロゲンヒーター等の加熱部材64が加熱ローラー62の軸方向の複数の位置に内蔵されている。それぞれの加熱部材64は、加熱ローラー62の軸方向のそれぞれ対応する位置を加熱し、その結果、定着ベルト61の幅方向のそれぞれ対応する位置が加熱される。加熱部材64の出力制御は、制御部80によって行われる。なお、定着ベルト61が、電磁誘導加熱(IH:Induction Heating)により加熱されるようになっていてもよい。
定着ベルト61の近傍には、定着ベルト61の温度を検出する制御用の温度センサー(不図示)が配置される。温度センサーは、用紙の幅方向に複数配置されている。制御部80は、それぞれの温度センサーによる測定温度が定着に必要な所定の設定温度と一致するように、各温度センサーに対応する位置にある加熱部材64の出力を制御する。
定着ローラー63は、後述する加圧ローラー65とともに、ニップ部Nを形成するための加圧部を構成する。定着ローラー63の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、回転数等)は、制御部80によって行われる。
定着ローラー63は、例えば鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコーンゴム等からなる弾性層が形成された構成を有する。さらに、弾性層の外周面に、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂からなる表面離型層が形成される場合もある。
加圧ローラー65は、定着ローラー63とともに、ニップ部Nを形成するための加圧部を構成する。加圧ローラー65は、圧接/離間機構により定着ベルト61を介して定着ローラー63に押圧される。加圧ローラー65の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、回転数)は、制御部80によって行われる。加圧ローラー65のその他の構成は、加熱ローラー62と同様であるので、説明を省略する。なお、定着ローラー63および加圧ローラー65には、ハロゲンヒーター等の加熱部材が内蔵されていてもよいし、内蔵されていなくてもよい。
圧接/離間機構は、加圧ローラー65を定着ローラー63に対して付勢する付勢手段を有する。圧接/離間機構の構成は特に限定されず、公知の技術を適用できる。圧接/離間機構は、画像形成に用いられる用紙の紙種、坪量、サイズ等に応じて、加圧ローラー65を定着ローラー63に対して押圧する際の荷重を多段階で切替可能となっている。圧接/離間機構の駆動制御は、制御部80によって行われる。制御部80は、圧接/離間機構の駆動制御を行い、画像形成するときにだけ加圧ローラー65を定着ローラー63に対して押圧させる。
エア送風部70は、エア送風口71、ファン72、駆動部73を有する。ファン72が回転することにより、エア送風口71から定着部60のニップ部Nのうちエア送風口71に対向する部分に向けて送風し、用紙を定着ベルト61から分離する。ファン72の回転数等の駆動制御は、制御部80によって行われる。駆動部73は、制御部80に制御され、エア送風部70の用紙の幅方向Wについての位置を変更するように駆動する。駆動部73が駆動して定着ローラー63上のエア送風口71による送風位置を用紙の幅方向について変更することにより、用紙の幅方向の全面に対して送風することが可能となる。駆動部73の形式は特に限定されないが、例えばラック・アンド・ピニオンを用いることができる。
〔定着装置Fの動作方法〕
上述したように、エア送風部70が定着ベルト61の幅方向の全体に対して継続的に送風する場合は、定着ベルト61上の温度が設定温度から大きく低下するため、加熱部材64で必要となる消費電力が大きくなるという問題点がある。そこで、本発明に係る画像形成装置1が有する定着装置Fにおいては、制御部80は、定着ベルト61の幅方向の全体に対して継続的に送風しないように、送風位置を用紙の幅方向について変更するようにエア送風部70を制御する。以下に、本発明に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法について、図5から図7を参照しながら説明する。
図5(a)、図6(a)、図7(a)は、定着動作の各時点において、図4におけるAの方向から見た、定着装置F内のエア送風部70および定着ベルト61の位置関係を示す模式図であり、図5(b)、図6(b)、図7(b)は、図5(a)、図6(a)、図7(a)に対応する時点における、定着ベルト61上の、用紙の幅方向についての温度分布を示す概念図である。
図5(a)および図5(b)は、用紙の先端付近がニップ部Nを通過する時点の状態を示している。定着動作の開始時、エア送風口71は図5(a)に示す位置にある。用紙の先端がニップ部Nを通過すると、ファン72が回転してニップ部Nに対して送風を開始し、用紙の先端を、定着ベルト61から分離する。このとき、制御部80は、用紙に対して一定の風速で送風するようにファン72を制御する。このとき、図5(a)中の送風位置BP1で用紙の先端部分が定着ベルト61から分離される。この時点において、定着ベルト61上の温度分布は、図5(b)のようになっている。図5(b)は、図5(a)の時点における、定着ベルト61上の幅方向の各位置についての、用紙の搬送方向について最も温度が低い位置での温度の分布を示している。以降に説明する温度分布の図も同様である。図5(b)では、送風位置BP1においてはエアにより設定温度よりもΔT1だけ温度が低下しており、送風位置BP1以外の位置においては、送風されていないため、およそ設定温度と同じ温度となっている。
その後、制御部80は送風位置を用紙の幅方向について一定速度で移動させるように駆動部73を制御し、エア送風口71は図6(a)に示す送風位置BP2に移動する。
図6(a)および図6(b)は、用紙の搬送方向のおよそ中間部分がニップ部Nを通過する時点の状態を示している。このとき、用紙のうちニップ部Nを通過しており、かつ、送風位置となった部分において、直接送風された部分はエア送風口71からの送風によって、また、直接送風されなかった部分は既に分離している部分の剛性によって、それぞれ定着ベルト61から分離されている。
このとき、定着ベルト61上の温度分布は、図6(b)のようになる。すなわち、図5(a)における送風位置BP1から送風位置を変更して図6(a)における送風位置BP2に至るまでの間に送風位置となった位置は、均一な温度となっており、図5(b)の時点と同様に設定温度よりもΔT1だけ温度が低下している。制御部80は、送風位置を一定速度で移動させるように駆動部73を駆動するため、各位置に送風される時間や風量が等しくなるためである。このように、本実施形態においては、定着ベルト61の幅方向の全体に対して継続的に送風されることがないため、定着ベルト61上の温度が設定温度から大きく低下することがない。
その後、制御部80は送風位置を用紙の幅方向について変更するように、一定速度で駆動部73を制御する動作を継続し、エア送風口71は図7(a)に示す送風位置BP3に移動する。
図7(a)および図7(b)は、用紙の後端部分がニップ部Nを通過する時点の状態を示している。このとき、用紙のうちニップ部Nを通過しており、かつ、送風位置となった部分において、直接送風された部分はエア送風口71からの送風によって、また、直接送風されなかった部分は既に分離している部分の剛性によって、それぞれ定着ベルト61から分離される。また、用紙の後端がニップ部Nを通過すると、用紙全体が定着ベルト61から分離される。
このとき、定着ベルト61上の温度分布は、図7(b)のようになる。すなわち、図5(a)における送風位置BP1から送風位置を変更して図7(a)における送風位置BP3に至るまでの間に送風位置となった位置は、およそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT1だけ温度が低下している。
この状態において、制御部80は定着ベルト61上の幅方向全体でのΔT1だけの温度差を解消するように、対応する加熱部材64を制御する。このとき、図7(b)における温度差ΔT1を定着ベルト61の幅方向の全体において解消するために必要な熱量は、図17における温度差ΔTを定着ベルト61の幅方向の全体において解消するために必要な熱量と比べて小さいため、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
以上に説明したように、本発明に係る画像形成装置1が有する定着装置Fによれば、制御部80は、エア送風部70により送風する際の定着ベルト61上の送風位置を用紙の幅方向について変更するようにエア送風部70を制御するため、定着ベルト61の幅方向の全体に対して継続的に送風することがなく、定着ベルト61上において設定温度よりも大きく温度が低下することがない。したがって、定着ベルト61上の温度を設定温度まで回復するのに必要な熱量を小さくすることができ、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
また、以上に説明した動作方法においては、制御部80は、用紙に対して一定の風速で送風するようにファン72を制御し、かつ、送風位置を一定の速度で用紙の幅方向について移動させるように駆動部73を制御する。これにより、用紙がニップ部Nを通過する間に定着ベルト61上の温度が幅方向で均一に低下するため、定着ベルト61上に温度ムラが生じず、次の用紙に定着動作を行う際に定着ムラが生じることがない。なお、「一定の風速」とは、厳密に一定である場合だけではなく、パルス状の送風のように実質的に一定の風速とみなせる場合を含む。
また変形例として、制御部80は、画像形成動作の条件に応じて用紙に対して送風する風速を変更するようにファン72を制御してもよい。ここで画像形成動作の条件とは、画像形成の印字率や画像パターン、画像形成のモード(片面印刷または両面印刷)、用紙の紙種、環境(温度、湿度)等をいう。例えば、用紙への印字率が高い場合、用紙上のトナー量が多いため、定着ベルト61とのニップ部Nを通過した後の用紙は定着ベルト61に強く密着している。したがって、このような画像形成動作の条件においては、制御部80は、用紙に対して送風する風速を強くするようにファン72を制御する。このように制御することによって、用紙の分離に強い風速が必要であるような画像形成動作の条件においては、風速を強くすることによって確実に用紙を定着ベルト61から分離することができる。さらに、弱い風速でも用紙が分離できるような画像形成動作の条件においては、風速を弱くすることによって、定着ベルト61上の温度低下をさらに低減することができ、加熱部材64における消費電力をさらに低減することが可能となる。
なお、制御部80は、エア送風部70による送風位置を、必ずしも用紙の幅全体について変更する必要はない。すなわち、用紙の幅方向において送風されていない部分が存在する場合であっても、既に送風されて定着ベルト61から分離された部分の剛性によって分離することができるからである。幅方向について最低限どれだけの部分に送風すれば用紙が定着ベルト61から分離されるかは、例えば実験やシミュレーション等によって求めることができる。
一方、制御部80は、エア送風部70による送風位置を、定着ベルト61上の、用紙の幅よりも広い範囲で変更してもよい。このように制御することで、定着ベルト61上の、用紙が通過しない部分において、温度が高くなることを抑制することができる。
また、制御部80は、用紙がニップ部Nから排紙される前に送風位置が用紙の幅方向の全体を移動するようにエア送風部70を制御することが望ましい。用紙の幅方向の全体に送風することなく用紙を定着ベルト61から分離する場合、用紙の直接送風されなかった部分において、直接送風されて既に分離した部分の剛性により分離されることとなる。このとき、直接送風された部分と直接送風されなかった部分との境界には剛性による力がはたらき、用紙に筋が生じて画像形成の品質が低下する可能性がある。一方、上述のように制御することで、用紙の幅方向の全体が直接送風されて定着ベルト61から分離するため、用紙に筋が生ずることによる画像形成の品質の低下を防ぐことができる。
〔第1の実施形態における定着装置Fの他の動作パターン〕
以上に説明した定着装置Fの動作方法においては、制御部80は、定着ベルト61上の、エア送風部70による送風位置を定着ベルト61の一方の端側から他方の端側へ一方向に変更するように駆動部73を制御したが、本実施形態における定着装置Fの動作パターンはこれに限定されるものではなく、制御部80は、送風位置を変更することで、定着ベルト61上において用紙の幅方向について最も温度が低い位置における温度と、設定温度との差が小さくなるように駆動部73を制御すればよい。以下に、第1の実施形態における定着装置Fの他の動作方法を説明する。
制御部80は、図8(a)に示すように、定着ベルト61の一方の端側から中央部へエア送風口71を移動し(段階1)、この位置において一定時間エア送風口71を停止させ(段階2)、その後他方の端側へエア送風口71を移動する(段階3)ように、駆動部73を制御してもよい。この場合、エア送風口71が他方の端部へ移動した時点での定着ベルト61上の温度分布は、図8(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61の中央部は、送風される時間が長く、風量も多いため、最も温度が低い位置となり、設定温度よりもΔT2だけ温度が低下している。このような場合であっても、定着ベルト61上の中央部は、用紙がニップ部Nから排紙される間、継続的に送風されることはないため、図8(b)における温度差ΔT2は、図17に示す温度差ΔTと比べて小さい値となる。また、定着ベルト61の両端部も、継続的に送風されることはないため、両端部における温度差も、図17に示す温度差ΔTと比べて小さい値となる。したがって、図8(b)における幅方向の各位置における温度差を、定着ベルト61の幅方向の全体について解消するために必要な熱量は、図17における温度差ΔTを定着ベルト61の幅方向の全体について解消するために必要な熱量と比べて小さいため、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
また、制御部80は、図9(a)に示すように、定着ベルト61の一方の端側から他方の端側へエア送風口71を移動し(段階1)、次に移動を開始した端側へ移動し(段階2)、その後他方の端側へエア送風口71を移動する(段階3)ように、駆動部73を制御してもよい。この場合、エア送風口71が他方の端部へ移動した時点での定着ベルト61上の温度分布は、図9(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61の中央部付近は、送風される時間が長く、風量も多いため、最も温度が低い位置となり、設定温度よりもΔT3だけ温度が低下している。このような場合であっても、定着ベルト61上の中央部は、用紙がニップ部Nから排紙される間、継続的に送風されることはないため、図9(b)における温度差ΔT3は、図17に示す温度差ΔTと比べて小さい値となる。また、定着ベルト61の両端部も、継続的に送風されることはないため、両端部における温度差も、図17に示す温度差ΔTと比べて小さい値となる。したがって、図9(b)における幅方向の各位置における温度差を、定着ベルト61の幅方向の全体について解消するために必要な熱量は、図17における温度差ΔTを定着ベルト61の幅方向の全体について解消するために必要な熱量と比べて小さいため、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。さらにここには図示しないが、制御部80は、ファン72を間欠的に駆動する等の方法により、定着ベルト61上の送風位置を、用紙の幅方向について不連続的に変更してもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、エア送風部70が駆動部73を有し、制御部80は、駆動部73を制御することで定着ベルト61上のエア送風部70による送風位置を変更していたが、本実施形態においてエア送風部70は、エア送風部70から送風する方向を変更するルーバー74を有し、制御部80は、ルーバー74を制御することで送風位置を変更する。
図10は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。エア送風部70において、エア送風口71にはルーバー74が設けられている。ルーバー74はエア送風部70による送風方向を変更するための不図示の駆動部を有し、制御部80により制御されて、送風方向を変更する。
定着動作の開始時、ルーバー74は、図10(a)において点線で示す方向に向いている。用紙の先端付近がニップ部を通過すると、不図示のファンが回転して、定着ベルト61上の一方の端側に向けて送風を開始し、用紙の先端を定着ベルト61から分離する(段階1)。
その後、制御部80はルーバー74を制御してルーバー74の向きを変更し、用紙の後端部分がニップ部Nを通過する時点において、図10(a)において実線で示す方向まで向きを変更する。これにより制御部80は、エア送風部70による送風位置を定着ベルト61上の他方の端側まで変更し、用紙の後端部分を定着ベルト61から分離する(段階2)。
段階2の時点での定着ベルト61上の温度分布は、図10(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61上はおよそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT4だけ温度が低下している。このとき、用紙がニップ部Nから排紙される間、定着ベルト61上が継続的に送風されることはないため、ΔT4は図17における温度差ΔTと比べて小さい値となり、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
なお、制御部80は、ルーバー74を制御して、送風位置を連続的に変更してもよいし、段階的に変更してもよい。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、エア送風部70は、複数の吹き出し口を備えたダクトを有し、制御部80は、送風位置を変更するように複数の吹き出し口を制御する。
図11は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。エア送風部70において、エア送風口71には三つの吹き出し口76a,76b,76cが設けられている。それぞれの吹き出し口は、不図示のファンを有しており、制御部80はそれぞれの吹き出し口が有するファンを制御することで、定着ベルト61上の、対面する位置に向かって送風することができるようになっている。
定着動作が開始し、制御部80は、用紙の先端付近がニップ部Nを通過すると、制御部80は、定着ベルト61上の一方の端側に向けて送風するための吹き出し口76aを制御して、吹き出し口76aが有するファンを駆動し、用紙の先端を定着ベルト61から分離する(図11(a)中の段階1)。
次に、用紙の搬送方向のおよそ中間部分がニップ部Nを通過する時点において、制御部80は、吹き出し口76aからの送風を停止するとともに、定着ベルト61上の中心部に向けて送風するための吹き出し口76bを制御して、吹き出し口76bが有するファンを駆動し、用紙の中間部分を定着ベルト61から分離する(図11(a)中の段階2)。
その後、用紙の後端部分がニップ部Nを通過する時点において、制御部80は、吹き出し口76bからの送風を停止するとともに、定着ベルト61上の他方の端側に向けて送風するための吹き出し口76cを制御して、吹き出し口76cが有するファンを駆動し、用紙の後端部分を定着ベルト61から分離する(図11(a)中の段階3)。
段階3の時点での定着ベルト61上の温度分布は、図11(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61上はおよそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT5だけ温度が低下している。このとき、用紙がニップ部Nから排紙される間、定着ベルト61上が継続的に送風されることはないため、ΔT5は図17における温度差ΔTと比べて小さい値となり、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
なお、以上の説明では、隣り合う吹き出し口から順番に送風する場合について述べたが、制御する吹き出し口を変更する際に、制御部80は、隣り合わない吹き出し口を制御してもよい。また、以上の説明では、一時にはただ一つの吹き出し口から送風する場合について述べたが、用紙がニップ部を通過する間に継続的に送風する吹き出し口が存在しなければよく、制御部80は一時に複数の吹き出し口から送風するように制御してもよい。
(第4の実施形態)
本実施形態においては、エア送風部70は、複数のダクトを有し、制御部80は、送風位置を用紙の幅方向について変更するように複数のダクトを制御する。
図12は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。エア送風部70は、第3の実施形態におけるエア送風口71に替えて、三つのダクト77a,77b,77cを有する。それぞれのダクトは第3の実施形態におけるエア送風口71に相当するものであり、不図示のファンを有している。制御部80はそれぞれのダクトのファンを制御することで、定着ベルト61上の、対面する位置に向かって送風することができるようになっている。
定着動作が開始し、制御部80は、用紙の先端付近がニップ部Nを通過すると、制御部80は、定着ベルト61上の一方の端側に向けて送風するためのダクト77aを制御して、ダクト77aのファンを駆動し、用紙の先端を定着ベルト61から分離する(図12(a)中の段階1)。
次に、用紙の搬送方向のおよそ中間部分がニップ部Nを通過する時点において、制御部80は、ダクト77aからの送風を停止するとともに、定着ベルト61上の中心部に向けて送風するためのダクト77bを制御して、ダクト77bが有するファンを駆動し、用紙の中間部分を定着ベルト61から分離する(図12(a)中の段階2)。
その後、用紙の後端部分がニップ部Nを通過する時点において、制御部80は、ダクト77bからの送風を停止するとともに、定着ベルト61上の他方の端側に向けて送風するためのダクト77cを制御して、ダクト77cが有するファンを駆動し、用紙の後端部分を定着ベルト61から分離する(図12(a)中の段階3)。
段階3の時点での定着ベルト61上の温度分布は、図12(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61上はおよそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT6だけ温度が低下している。このとき、用紙がニップ部Nから排紙される間、定着ベルト61上が継続的に送風されることはないため、ΔT6は図17における温度差ΔTと比べて小さい値となり、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
なお、以上の説明では、隣り合うダクトから順番に送風する場合について述べたが、制御するダクトを変更する際に、制御部80は、隣り合わないダクトを制御してもよい。また、以上の説明では、一時にはただ一つのダクトから送風する場合について述べたが、用紙がニップ部を通過する間に継続的に送風するダクトが存在しなければよく、制御部80は一時に複数のダクトから送風するように制御してもよい。
(第5の実施形態)
本実施形態では、エア送風部70は、送風する方向を規制するスリットを形成する複数の仕切り部材を有し、制御部80は、送風位置を用紙の幅方向について変更するように仕切り部材を制御する。
図13は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。エア送風口71は、二つの仕切り部材78a,78bを有する。仕切り部材78a,78bはスリットSを形成し、エア送風部70による送風位置を規定している。仕切り部材78a,78bはエア送風部70による送風方向を変更するための不図示の駆動部を有し、制御部80により制御されて、送風方向を変更する。
定着動作の開始時、仕切り部材78a,78bは、図13(a)において示す位置にスリットSを形成している。用紙の先端付近がニップ部を通過すると、不図示のファンが回転して、定着ベルト61上の一方の端側に向けて送風を開始し、用紙の先端を定着ベルト61から分離する(段階1)。
その後、制御部80は仕切り部材78a,78bを制御してスリットSを形成する位置を連続的に変更し、用紙の後端部分がニップ部Nを通過する時点において、図13(b)において示す位置までスリットSの位置を変更する。これにより制御部80は、エア送風部70による送風位置を、定着ベルト61上の一方の端側から他方の端側まで変更し、用紙の後端部分を定着ベルト61から分離する(段階2)。
段階2の時点での定着ベルト61上の温度分布は、図13(c)のようになる。すなわち、定着ベルト61上はおよそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT7だけ温度が低下している。このとき、用紙がニップ部Nから排紙される間、定着ベルト61上が継続的に送風されることはないため、ΔT7は図17における温度差ΔTと比べて小さい値となり、加熱部材64における消費電力を低減することが可能となる。
なお、制御部80は、送風位置を上述のように連続的に変更するように仕切り部材78a,78bを制御してもよいし、段階的に変更するように制御してもよい。また、スリットSは、上述のように複数の仕切り部材によって形成されてもよいし、単一の仕切り部材によって形成されていてもよい。
(第6の実施形態)
本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fは、さらに用紙の幅方向の全体に送風する補助エア送風口79を有する。
図14は、本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fの、定着部60、エア送風部70およびニップ部Nの構成を示す概念図である。図14(a)は、斜視図、図14(b)は、ニップ部Nからエア送風部70を見た図である。エア送風部70において、エア送風口71および駆動部73については、第1の実施形態と同様の構成である。すなわち制御部80は、駆動部73を制御することにより、エア送風口71の用紙の幅方向についての位置を変更することができる。一方、補助エア送風口79はエア送風口71と同様に、不図示のファンを有している。制御部80は、補助エア送風口79を制御して、一時に用紙の幅方向の全体に送風することができ、その風速はエア送風口71によって定着ベルト61上から用紙を分離する際の風速よりも小さいものである。補助エア送風口79は、画像形成装置1で用いる最も大きな用紙の幅方向の全体に送風することができればよい。
以下に、本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fの動作方法を説明する。図15は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。用紙の先端がニップ部Nを通過すると、制御部80は、補助エア送風口79を制御して定着ベルト61上の用紙の幅方向の全体に送風を開始する。同時に制御部80は、第1の実施形態での動作方法において説明したように、エア送風口71を制御して、ニップ部Nのうちエア送風口71と対向する部分に対して送風を開始するとともに、駆動部73を制御して、エア送風口71による送風位置を用紙の幅方向について一定速度で移動させる(図15(a)参照)。
以上の動作の後の定着ベルト61上の温度分布は、図15(b)のようになる。すなわち、定着ベルト61上はおよそ均一な温度となっており、設定温度よりもΔT8だけ温度が低下している。本実施形態では、エア送風口71に加えて、補助エア送風口79による送風を行っているため、定着ベルト61は、用紙の幅方向の全体が継続的に送風されることとなる。しかし、補助エア送風口79による送風の風速は、エア送風口71により定着ベルト61上から用紙を分離する際の風速よりも小さいものであるため、定着ベルト61上の温度が大きく低下することはない。すなわち、図15(b)における温度差ΔT8は図17における温度差ΔTと比べて小さい値となり、加熱部材64における消費電力を低減することが可能である。
このように制御することで、用紙を定着ベルト61から分離する際に幅方向の全体が継続的に送風されるため、用紙の姿勢が安定する。これにより、用紙の剛性によって用紙に筋が生じることをより確実に防ぐことができ、画像形成の品質を向上させることができる。なお、本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fの動作方法は、上述の効果が得られるような動作方法であればよく、以上に説明した動作方法に限定されることはない。例えば、必ずしもエア送風口71および補助エア送風口79から同時に送風している必要はない。
(第7の実施形態)
本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fは、エア送風部70による送風位置を定着ベルト61による用紙の搬送方向について切り替える切替部をさらに有し、制御部80は、用紙の先端以外の部分を定着ベルト61から分離する際の送風位置が、用紙の先端部分を定着ベルト61から分離する際の送風位置と比べて、定着ベルト61による用紙の搬送方向についての上流側に位置するように切替部を制御する。
本実施例において切替部は、エア送風部70による送風位置を、定着ベルト61による用紙の搬送方向についての下流側に位置する第1の送風位置と、用紙の搬送方向についての上流側に位置する第2の送風位置とで切り替えることができる。
以下に、本実施形態に係る画像形成装置1の定着装置Fの動作方法を説明する。図16は、本実施形態に係る画像形成装置1が有する定着装置Fの動作方法を説明する図である。また、図中で矢印Rは、定着ベルト61の搬送方向を示している。
図16(a)は、エア送風部70により用紙Pの先端部分を定着ベルト61から分離する時点(段階1)におけるニップ部N付近の位置関係を示している。用紙Pの先端がニップ部Nを通過すると、エア送風部70は、送風を開始して用紙Pの先端部分を定着ベルト61から分離する。このとき、エア送風部70は、定着ベルト61による用紙Pの搬送方向についての下流側に位置する第1の送風位置BPaに対して送風する。
用紙Pの先端部分を定着ベルト61から分離した後に、制御部80は、切替部を制御してエア送風部70を矢印Bの方向に回転させて、定着ベルト61による用紙の搬送方向についての上流側に位置する第2の送風位置BPbに対して送風するための位置までエア送風部70を回転させ、図16(b)の位置関係に遷移する。
図16(b)は、エア送風口71により用紙Pの先端以外の部分を定着ベルト61から分離する時点でのニップ部N付近の位置関係を示している。上述のように、用紙Pの先端部分は定着ベルト61から分離されているため、エア送風口71は、第2の送風位置BPbに対して送風し、先端以外の部分を定着ベルト61から分離する。
その後、制御部80は、再び切替部を制御して、エア送風口71を矢印Cの方向に回転させて、第2の送風位置BPbに対して送風するための位置までエア送風口71を回転させ、図16(a)の位置関係に復帰する。
このように制御することによって、用紙Pを定着ベルト61からより確実に分離することができる。また、用紙Pの分離に必要な風量がより少なくなるため、定着ベルト61の温度低下をさらに低減でき、加熱部材64における消費電力をさらに低減することが可能となる。また、第2の送風位置BPbは、定着ベルト61の表面から離れた位置にあるため、先端以外の部分を定着ベルト61から分離する際に、第2の送風位置BPbに対して送風することにより、用紙Pの定着ベルト61から分離した部分を冷却することができる。これによって、用紙Pに定着された画像の光沢を均一化することができる。また、機内温度の上昇を抑制することができる。
なお、以上の説明において切替部は、第1の送風位置および第2の送風位置のみを切り替えるが、三つ以上の送風位置を切り替えるものであっても良い。