JP5419278B2 - 蛍光発生分子 - Google Patents

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Description

本発明は、核酸などの生体関連物質を検出するための標識試薬として有用な蛍光発生分子に関する。より詳細には、本発明は、−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基を有する無蛍光性分子であって、該基が水酸基又はオキソ基に還元されると蛍光を発生することを特徴とする分子に関する。さらに本発明は、上記の蛍光発生分子を含む標識試薬、及び上記の蛍光発生分子を用いた標的核酸配列の検出方法に関する。
特定の標的核酸配列を有する核酸分子を検出するための方法としては、その標的核酸配
列を有する核酸分子を検出するための方法としては、その標的核酸配列に相補的な塩基配列を有するプローブを用いるハイブリダイゼーション法が広く使用されている。ハイブリダイゼーション法では、標的核酸配列に相補的な塩基配列を有するプローブを用意し、そのプローブの塩基配列と相補的な塩基配列を持つ試料のみが高い選択性でハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションの結果として形成されるハイブリッド体を検出するための手段としては、プローブ核酸をラジオアイソトープで標識する方法、蛍光物質で標識する方法、発光試薬を利用する方法などが挙げられる。核酸の標識に使用することができる蛍光物質としては、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、Cy3、Cy5等が挙げられるが、これらの蛍光物質で標識した蛍光核酸プローブは、バックグラウンド蛍光シグナルが高く、高感度測定が困難であった。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、安定性が高く(即ち、長期間において活性である)、かつ高感度であり、微量の遺伝子シグナルを増幅し、観察することを可能とする、遺伝子解析用の蛍光on/off型蛍光化合物(蛍光発生分子システム)を提供することを解決すべき課題とした。さらに、本発明は、上記の蛍光on/off型蛍光化合物を用いた生体関連物質を検出するための標識試薬を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フルオレセイン骨格などの蛍光物質骨格を有し、かつ分子内に−O−CH―Nで示される基を有する無蛍光性分子であって、該−O−CH―Nで示される基が水酸基又はオキソ基に還元されると蛍光を発生することを特徴とする分子を合成することに成功した。さらに、上記の無蛍光性分子で標識した第一の核酸プローブと、還元作用を有する分子で標識した第二の核酸プローブとを、標的核酸配列にハイブリダイズさせることによって、第一の核酸プローブ中の無蛍光性分子の−O−CH―Nで示される基を水酸基又はオキソ基に還元し、これにより生成する蛍光を検出することによって標的核酸配列を検出できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、下記式(1)又は(2)で示される化合物が提供される。
Figure 0005419278
(式中、Xは水素原子、又はカルボン酸の保護基を示し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、又は核酸と結合するための反応基を示し、Y1、Y2、Y3及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の化合物を含む、生体関連物質を検出するための標識試薬が提供される。
好ましくは、本発明の標識試薬は、核酸の標識のために用いる。
好ましくは、本発明の標識試薬は、還元剤と組み合わせて使用される。
本発明のさらに別の側面によれば、標的核酸配列の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第一の核酸プローブであって、フルオレセイン骨格、キサンテン骨格、レゾルフィン骨格、クマリン骨格、インドール骨格、又はキナゾリノン骨格から選択される骨格を有し、かつ分子内に−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基(式中、Y1及びY2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)を有する無蛍光性分子で標識した上記の第一の核酸プローブと、標的核酸配列の別の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第二の核酸プローブであって、還元作用を有する分子で標識した上記の第二の核酸プローブとを、標的核酸配列にハイブリダイズさせる工程、及び第一の核酸プローブ中の無蛍光性分子の−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基が水酸基又はオキソ基に還元されることにより生成する蛍光を検出する工程を含む、標的核酸配列の検出方法が提供される。
好ましくは、上記無蛍光性分子として、フルオレセイン骨格を有し、かつ分子内に−O−C(Y1)(Y2)―N(式中、Y1及びY2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)で示される基を有する無蛍光性分子を使用する。
好ましくは、上記無蛍光性分子として、上記した本発明の化合物を用いる。
好ましくは、標的核酸配列はRNAである。
好ましくは、標的核酸配列の一塩基多型を検出する。
好ましくは、細胞内の標的核酸配列を検出することができる。
好ましくは、蛍光をフローサイトメトリーで検出し、蛍光を発する細胞を選別することができる。
本発明によれば、−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基の還元反応をトリガーとする蛍光発生分子システムが提供される。本発明のシステムは、水酸基を持つ蛍光化合物に適用できる。さらに本発明によれば、この蛍光発生分子システムを応用して、生体関連物質を検出するための標識試薬が提供される。本発明の標識試薬は、標的DNAあるいは、RNA分子に結合して、還元されることにより蛍光を発することができるようになる。本発明の化合物は、高いシグナル・バックグラウンド比を持つため、高感度遺伝子検出が可能になるとともに、細胞内、生体内での遺伝子検出イメージングが可能となる。さらに本発明は、他の試薬や酵素を用いる必要がないため、簡便・安価であり、試験管内のみではなく、細胞内あるいは生体内での遺伝子検出が可能となる。さらに、本発明の標識試薬は、安定性が高く(長期間活性)かつ高感度であり、微量の遺伝子シグナルを増幅し、観察することが可能である。さらに、本発明の標識試薬は、試薬や酵素を用いる必要がないために、簡単・安価であり、試験管内のみではなく、細胞内あるいは生体内での遺伝子検出を可能とする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で開発した蛍光発生分子システムは、メチルアジド基の還元をトリガーとして、無蛍光性分子の構造変化が起こり蛍光を発する蛍光on/off型センサーシステムとして一般化できる(図1)。本発明の実施例として、蛍光分子フルオレセインを化学修飾し、メチルアジド基を導入した分子を合成した(図2)。フルオレセインを、モノアルキル化した。つづいて、水酸基をチオメチル化し、さらにナトリウムアジド等を加えることによりアジド体を得た。最後に、アルキル基をスクシイミド化することにより、目的物であるフルオレセインのモノメチルアジド誘導体(図2の化合物4)を得た。また,同様の合成手順を踏んで,フルオレセインのビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8)を得た(図2)。
このフルオレセインのモノメチルアジド誘導体(図2の化合物4)およびビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8)の蛍光特性を解析した。モノメチルアジド誘導体(図2の化合物4)およびビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8)は、無蛍光性であったのに対し,これらを還元剤で処理したところ、アジド基は水酸基に変換され、高い蛍光性を示した。処理前と比較し、約300倍(図2の化合物4),約2600倍(図2の化合物8)に蛍光強度が増加した(図3)。
さらに、上記で合成した蛍光発生分子システムであるメチルアジド誘導体(図2の化合物4)(図2の化合物8)を核酸鎖に導入した遺伝子検出用「化学反応プローブ」を開発した。本発明で開発した2つのDNAプローブは、標的DNAあるいはRNA上に標的配列特異的に結合し、化学反応(還元反応)し初めて高い強度の蛍光を発する(図4)。
この蛍光シグナルの有無や強度を指標にすることによって、核酸配列を区別又は検出することができる。本反応は、他の試薬や酵素を必要とせず、プローブを検出サンプルに加えるのみで測定できる。
本プローブを用いて、白血病原因遺伝子配列の検出実験を行った。標的DNA配列および合成したプローブを図6Aに示した。標的配列特異的なシグナル発生を確認するため、標的配列が存在しない条件でも蛍光シグナルの経時変化を測定し比較した。その結果、本プローブは、標的配列が存在すると、蛍光シグナルが顕著に増大した。一方、標的配列非存在下では、蛍光シグナルの増加はほとんど観察されなかった(図6B:モノメチルアジド誘導体(図2の化合物4),図6C:ビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8))。そのため、本プローブが標的核酸配列特異的に蛍光シグナルを発生することが明らかとなった。また,一塩基変異(SNP)を識別することも可能であった(図6D)。
さらに、本検出反応は等温条件下、反応サイクルが回転し、蛍光シグナルを増幅することができる(図5)。 そのため、微量サンプルの測定が可能となる。細胞内あるいは、生体内においても、本プローブを用いて遺伝子発現の観測が可能になる。実際に,標的配列濃度を低くしてターンオーバー条件とした場合に,約50程度のターンオーバー数が得られたことから,本蛍光発生システムは,等温条件下において50倍程度のシグナル増幅が可能であることが分かった(図7)。
本発明の化合物(蛍光発生分子)は、下記式(1)又は(2)で示される化合物である。
Figure 0005419278
(式中、Xは水素原子、又はカルボン酸の保護基を示し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、又は核酸と結合するための反応基を示し、Y1、Y2、Y3及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)
Xが示すカルボン酸の保護基の種類は特に限定されないが、炭素数1から6のアルキル基、スクシンイミジル基、アジド基、パラニトロフェニル基、ハロゲンなどの脱離能を有する官能基を挙げることができる。
Rが示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
Rが示す核酸と結合するための反応基としては、保護されたアミド基、アミノ基、カルボン酸基、エチニル基、ハロゲン、アジド基、チオール基、アルデヒド基などを挙げることができる。これらは連結基を有していてもよい。なお、アミド基の保護基として、t-ブトキシカルボニル基などのウレタン系保護基、ベンゾイル基などのアシル系保護基、トリチル基などのアルキル系保護基、ジメチルアセタールなどのイミン系保護基などがあげられる。置換基としては、核酸と反応して結合できる反応性基が好ましく、例えば、ハロゲン原子などを挙げることができる。Rが示す核酸と結合するための反応基の具体例としては、−C≡C−CH−NHCO−CHBr、−N、−C≡CH、−SH、−NH、−COH、−CHOなどを挙げることができる。
本発明によれば、標的核酸配列の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第一の核酸プローブであって、フルオレセイン骨格、キサンテン骨格、レゾルフィン骨格、クマリン骨格、インドール骨格、又はキナゾリノン骨格から選択される骨格を有し、かつ分子内に−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基(式中、Y1及びY2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)を有する無蛍光性分子で標識した上記の第一の核酸プローブと、標的核酸配列の別の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第二の核酸プローブであって、還元作用を有する分子で標識した上記の第二の核酸プローブとを、標的核酸配列にハイブリダイズさせ、これにより第一の核酸プローブ中の無蛍光性分子の−O−C(Y1)(Y2)−Nで示される基を水酸基又はオキソ基に還元し、生成する蛍光を検出することによって標的核酸配列を検出することができる。
フルオレセイン骨格、キサンテン骨格、レゾルフィン骨格、クマリン骨格、インドール骨格、及びキナゾリノン骨格の具体的構造を以下に示す。
Figure 0005419278
Figure 0005419278
本発明において、アルキル基としては、例えば、炭素数1から6のアルキル基を挙げることができ、直鎖又は分岐鎖の何れでもよく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基を挙げることができる。
本発明において、アシル基としては、炭素数1から6のアシル基を挙げることができ、具体的にはアセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
本発明において、アリール基としては、例えば、炭素数6から10のアリール基を上げることができ、具体的にはフェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
本発明において、アルコキシ基としては、炭素数1から6のアルコキシ基を挙げることができ、直鎖又は分岐鎖の何れでもよく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
本発明において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
本発明で用いる第一の核酸プローブは、上記した骨格を有し、かつ分子内に−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基(式中、Y1及びY2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又はシアノ基を示す)を有する無蛍光性分子で標識されている。
本発明で用いる第二の核酸プローブは、還元作用を有する分子で標識されている。本発明で用いることができる還元作用を示す分子として、硫黄化合物や三価のリン化合物などがあげられる。硫黄化合物としては、DTT(ジチオスレイトール)、三価のリン化合物としては、トリフェニルフォスフィン、アルキルフォスフィンなどをあげることができる。
本発明において、第一の核酸プローブは、標的核酸配列の一部の領域と相補的な核酸配列を有し、第二の核酸プローブは、標的核酸配列の別の一部の領域と相補的な核酸配列を有する。ここで、第一の核酸プローブと第二の核酸プローブがそれぞれ認識する標的核酸配列の領域は、上記の両プローブが標的核酸配列にハイブリダイズした際に、第一の核酸プローブ中の無蛍光性分子の−O−C(Y1)(Y2)―Nで示される基が、第二の核酸プローブ中の還元作用を有する分子の作用により水酸基又はオキソ基に還元されるという条件を満たす限りは、任意に設定することができる。第一の核酸プローブと第二の核酸プローブがそれぞれ認識する標的核酸配列の領域は、上記条件を満たすためには、隣接または近接していることが一般的には好ましい。第一の核酸プローブと第二の核酸プローブがそれぞれ認識する標的核酸配列の領域は、例えば、1から10塩基程度のスペースを介して近接していることが好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:フルオレセインのモノメチルアジド誘導体の有機合成
(1)モノアルキルフルオレセイン (図2の化合物1)の合成
フルオレセイン (3.00 g, 9.03 mmol) とヨウ化ナトリウム (271 mg, 1.81 mmol) を氷浴中でDMF (50 mL)に溶解し,THF (30 mL)に溶かしたカリウムt-ブトキシド (3.04 g, 27.1 mmol)を加えた。 溶液が透明になったら,methyl bromoacetate (944μL, 9.94 mmol)をゆっくり加え,徐々に室温に戻しながら2.5時間撹拌した。反応はEtOAcで停止し, H2O とbrineで分液した。有機層をNa2SO4で乾燥したのち,残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(silica, gradient elution 30:1 CHCl3/MeOH to 20:1 CHCl3/MeOH with 0.5% triethylamine) で精製した。得られたモノアルキルフルオレセイン (図2の化合物1)は透明な液体であった(820 mg, 23%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CD3OD ) δ7.91 ( 1H, d, J = 7.32Hz ), 7.62 ( 2H, dt, J = 16.40, 15.10Hz ), 7.10 ( 1H, d, J = 7.56Hz ), 6.79 ( 1H, d, J = 2.20Hz ), 6.67-6.55 ( 4H, m ), 6.44 ( 1H, dd, J = 2.20, 2.44Hz ), 4.70 ( 2H, s ), 3.69 ( 3H, s ),
13C NMR ( 100MHz, CD3OD) δ 180.6, 172.5, 169.9, 163.5, 159.4, 155.1, 138.8, 137.6, 129.6, 129.1, 124.9, 116.3, 116.0, 114.5, 104.7, 102.3, 66.1, 52.7
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI):m/z 404.0896 [MH+] C23H16O7: 405.0974, found: 405.0987
(2)モノアルキルチオメチルフルオレセイン (図2の化合物2)の合成
モノアルキルフルオレセイン (図2の化合物1) (720 mg, 1.78 mmol)をAr雰囲気下で脱水CH3CN (36 ml) に溶解した。酸化銀 (620 mg, 2.67 mmol)と クロロメチルメチルスルフィド(223 μl, 2.67 mmol)およびピリジンを5滴加え,40 oC で15時間撹拌した。その後反応液をセライトろ過し,濃縮したのち,フラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt from 6:1 to 2:1 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。 得られたモノアルキルチオメチルフルオレセイン(図2の化合物2) は黄色の結晶であった (206 mg, 25%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3) δ8.01 ( 1H, d, J = 7.08Hz ), 7.64 ( 2H, dt, J = 16.10, 15.10Hz ), 7.15 ( 1H, d, J = 7.56Hz ), 6.83 ( 1H, d, J = 2.44Hz ), 6.83-6.62 ( 5H, m ), 5.15 ( 2H, s ), 4.66 ( 2H, s ), 3.80 ( 3H, s ), 2.24 ( 3H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 168.94, 168.43, 159.04, 152.64, 151.86, 134.80, 129.08, 128.87, 126.41, 124.75, 123.78, 112.66, 102.82, 101.65, 82.57, 72.34, 65.12, 52.27, 14.59
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 464.0930 [MH+] C25H20O7S: 465.1008, found: 465.1004
(3)モノアルキルアジドメチルフルオレセイン (図2の化合物3)の合成
モノアルキルチオメチルフルオレセイン(図2の化合物2) (164 mg, 350 μmol) をジクロロメタン (7 ml)に溶解した。続いて N-クロロスクシンイミド (51.8 mg, 390 μmol) とトリメチルメチルシリルクロライド (42.0 mg, 390 μmol)を加えて1 時間撹拌し,Na2CO3水溶液で反応を停止した。CHCl3で2度分液を行い,有機層を濃縮したのち,真空乾燥した。残渣をDMF (7 ml) に溶解し, 3.5 mlのH2O に溶かしたアジ化ナトリウム(34.4 mg, 530 mmol) を加え,室温で1時間撹拌し,Na2CO3水溶液で反応を停止した。AcOEtで2度分液を行い,有機層を濃縮したのち,フラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt from 5:1 to 3:2 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。得られたモノアルキルアジドメチルフルオレセイン(図2の化合物3) は黄色の結晶であった (71.3 mg, 44%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3) δ8.02 ( 1H, d, J = 7.80Hz ), 7.65 ( 2H, dt, J = 15.2, 14.9Hz ), 7.16 ( 1H, d, J = 7.32Hz ), 6.90 ( 1H, d, J = 2.20Hz ), 6.76-6.63 ( 5H, m ), 5.18 ( 2H, s ), 4.66 ( 2H, s ), 3.82 ( 3H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 169.02, 168.54, 157.87, 152.64, 152.76, 152.08, 134.95, 129.70, 129.27, 126.46, 124.95, 123.80, 111.79, 103.26, 101.80, 82.46, 79.43, 65.27, 52.42
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): [MH+] C24H17N3O7: 460.1145, found: 460.1134
(4)モノアルキルアジドメチルフルオレセインの合成
モノアルキルアジドメチルフルオレセイン(図2の化合物3) (27.8 mg, 60 μmol) をメタノール(605 μl)に溶解し,1M NaOHaq. (66.6 μl, 66.6 μmol) を加え,1時間撹拌した。反応を0.1M HClで停止し,AcOEtで2度分液を行い,有機層を濃縮したのち,フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH from 30:1 to 20:1 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。得られたモノアルキルアジドメチルフルオレセイン(下記化合物) は黄色の結晶であった (28.2 mg, 105%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3) δ8.01 ( 1H, d, J = 7.32Hz ), 7.64 ( 2H, dt, J = 14.9, 15.2 Hz ), 7.16 ( 1H, d, J = 7.56Hz ), 6.88 ( 1H, d, J = 2.20Hz ), 6.82 ( 1H, d, J = 2.20Hz ), 6.73-6.63 ( 4H, m ), 5.18 ( 2H, s ), 4.51 ( 2H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 173.69, 169.17, 157.76, 152.79, 152.30, 134.83, 129.23, 128.61, 126.62, 124.82, 123.91, 112.30, 103.22, 101.74, 82.50, 79.41, 67.57
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 445.0910 [MH+] C23H15O7N3: 446.0988, found: 468.0808
(5)アジドメチルフルオレセインNHSエステル (図2の化合物4)
上記(4)で得られたモノアルキルアジドメチルフルオレセイン(4.60 mg, 10.3 μmol) とN-ヒドロキシスクシンイミド (1.30 mg, 11.4 μmol)をDMF (205 μl)に溶解し,DCC (2.35 mg, 11.4 μmol) を加え,室温で48時間撹拌した。析出した結晶をフィルターろ過したのち,残渣を直接3’ amino DNA とのカップリングに用いた。
Figure 0005419278
実施例2:フルオレセインのビスメチルアジド誘導体の有機合成
(1)ヨードフルオレセイン(図2の化合物5)の合成
フルオレセイン(1.60 g, 4.61 mmol) を12N HCl (16.4 ml) と 8.2 g の氷に溶解した。亜硝酸ナトリウム水溶液 (397 mg, 5.76 mmol, 8.2 ml)をゆっくり加え,2.5時間撹拌した。ヨウ化カリウム水溶液(15.3 g, 92.2 mmol, 13.2 ml) をゆっくり加え,反応液を徐々に室温に戻した。 5時間の反応後,CHCl3 で反応を停止し,H2O とbrineで分液した。有機層をNa2SO4で乾燥したのち,残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー (silica, gradient elution 10:1 hexane/AcOEt to 3:1 hexane/AcOEt (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。得られたヨードフルオレセイン(図2の化合物5) は黄色の結晶であった (1 g, 47%).
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CD3OD ) δ8.33-8.31( 1H, m ), 8.08-8.04 ( 1H, m ), 7.00-6.96 ( 1H, m ), 6.67-6.50 ( 4H, m )
13C NMR ( 100MHz, CD3OD ) δ 169.5, 161.3, 153.9, 145.1, 134.7, 130.3, 130.0, 127.1, 113.6, 110.7, 103.5, 95.6
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 457.9651 [MH+] C20H11IO5: 458.9729, found: 458.9721
(2)トリメチルフルオレセイン (図2の化合物6)の合成
ヨードフルオレセイン(図2の化合物5) (1 g, 2.18 mmol) をAr雰囲気下で脱水CH3CN (36 ml) に溶解した。酸化銀 (1.52 g, 6.55 mmol)と クロロメチルメチルスルフィド (550 μl, 6.55 mmol) およびピリジンを5滴加え,40 oC で24時間撹拌した。その後反応液をセライトろ過し,濃縮したのち,フラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt from 10:1 to 3:1 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。 得られたトリメチルフルオレセイン(図2の化合物6) は黄色の結晶であった (234 mg, 19%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3 ) δ 8.35 ( 1H, s ), 7.96 ( 1H, d, J = 8.1Hz), 6.92 ( 1H, d, J = 8.3Hz), 6.83 ( 2H, d, J = 2.2Hz), 6.73-6.65 ( 4H, m ), 5.16 ( 4H, s ), 2.26 ( 6H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 167.3, 158.6, 152.2, 152.0, 143.6, 133.9, 128.9, 128.6, 125.6, 112.9, 111.3, 103.0, 94.9, 83.1, 72.5, 14.8
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 577.9719 [MH+] C24H19IO5S2: 578.9797, found: 578.9775
(3)アジドメチルフルオレセイン (図2の化合物7)の合成
トリメチルフルオレセイン(図2の化合物6) (200 mg, 350 μmol) をジクロロメタン (7 ml)に溶解した。続いて N-クロロスクシンイミド (102 mg, 760 μmol) を加え,室温で2時間撹拌した。 その後,トリメチルシリルクロライド (97.3 μl, 760 μmol)を加えて6 時間撹拌し,Na2CO3水溶液で反応を停止した。CHCl3で2度分液を行い,有機層を濃縮したのち,真空乾燥した。残渣をDMF (7 ml) に溶解し, 3.5 mlのH2O に溶かしたアジ化ナトリウム(67.5 mg, 1.04 mmol) を加え,室温で30時間撹拌し,Na2CO3水溶液で反応を停止した。AcOEtで2度分液を行い,有機層を濃縮したのち,フラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt from 10:1 to 3:1 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。得られたアジドメチルフルオレセイン(図2の化合物7) は黄色の結晶であった (41.0 mg, 21%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3 ) δ 8.36 ( 1H, s ), 7.99-7.97 ( 1H, m ), 6.94-6.90 ( 3H, m ), 6.77-6.70 ( 4H, m), 5.19 ( 4H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 167.3, 158.1, 152.1, 152.0, 143.7, 134.0, 129.2, 128.5, 125.5, 112.7, 112.3, 103.4, 95.0, 82.6, 79.4
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 567.9992 [MH+] C22H13IN6O5: 569.0070, found: 569.0065
(4)ブロモアセチルアセチレンリンカーの合成
プロパルギルアミン (116.28 μl, 1.82 mmol)と 炭酸カリウム (251 mg, 1.82 mmol) を氷浴中でベンゼン (18.2 ml ) に溶解し、ブロモアセチルブロミド (159μl, 1.82 mmol)を加えて20 時間撹拌した。Ether/H2Oで2回分液し,有機層を濃縮した。残渣 (118 mg, 37.1%) は直接次の反応に用いた。
Figure 0005419278
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 174.9633 [MH+] C5H6BrNO: 175.9711, found: 175.9703
(5)アジドメチルブロモアセチルリンカーフルオレセイン(図2の化合物8)の合成
アジドメチルフルオレセイン(図2の化合物7) (50 mg, 88 μmol)をTHF (1.6 ml)に溶解し,テトラキス (トリフェニルホスフィン)パラジウム(10.2 mg, 8.8 μmol), ヨウ化銅 (3.35 mg, 1.8 μmol), トリエチルアミン(61.9 μl, 440 μmol)を加え,最後に ブロモアセチルアセチレンリンカー (77.0 mg, 440 μmol)を加えて3時間撹拌した。析出した化合物をフィルターろ過で除去したのち,残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt from 5:1 to 1:1 (v/v) with 0.5% triethylamine)で精製した。 得られたアジドメチルブロモアセチルリンカーフルオレセイン(図2の化合物8) は黄色の結晶であった(20 mg, 37%)。
Figure 0005419278
1H NMR ( 400MHz, CDCl3 ) δ 8.06 ( 1H, s ), 7.70 ( 1H, d, J = 8.04 ), 7.27 ( 2H, s ), 7.11 ( 1H, d, J = 8.1 ), 6.91 ( 2H, d, J = 2.2 ), 6.77-6.69 ( 4H, m ), 5.19 ( 4H, s ), 4.36 ( 2H, d, J = 5.6 ), 3.94 ( 1H, s ), 3.76 ( 1H, s )
13C NMR ( 100MHz, CDCl3 ) δ 168.1, 166.6, 158.0, 152.3, 152.0, 138.2, 131.8, 129.2, 128.3, 123.9, 113.0, 112.6, 112.5, 103.4, 86.7, 82.5, 81.8, 79.4, 30.9, 28.8
QSTAR (Applied Biosystems/MDS SCIEX) (ESI): m/z 615.0502 [MH+] C27H18BrN7O6: 616.0580, found: 616.0578
実施例3:蛍光強度の測定
実施例1及び実施例2で得たフルオレセインのモノメチルアジド誘導体(図2の化合物4)およびビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8)の蛍光特性を解析した。モノメチルアジド誘導体(図2の化合物4)およびビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8)は、無蛍光性であったのに対し,これらを還元剤で処理したところ(化合物4:100 mMのジチオスレイトールで室温条件下2時間の反応,化合物8:トリスカルボキシメチルホスフィンで室温条件下1時間の反応)、アジド基は水酸基に変換され、高い蛍光性を示した。処理前と比較し、約300倍(図2の化合物4),約2600倍(図2の化合物8)に蛍光強度が増加した(図3)。
実施例4:オリゴヌクレオチドの合成
図6Aに記載の塩基配列(配列表の配列番号1から3にも記載)を有するオリゴヌクレオチドは、0.2 μMスケールのカラムを用いて、一般的なホスホロアミダイト法に基づいて、DNA自動合成機(H-8-SE; Gene World)で合成した。塩基の脱保護およびCPG担体からの切り出しは、アンモニア水中で、55℃、4時間インキュベートすることにより行った。オリゴヌクレオチドの精製は、逆相カラム(MicroPure II; Biosearch Technologies)にて行い、UV absorbanceを測定することにより濃度を決定した。
実施例5:5’ トリフェニルホスフィン結合DNAの合成
トリフェニルホスフィン基の付加は、 5’ amino-modifiedオリゴと反応させることにより行った。 5’ amino-modified オリゴの合成には、5’ amino-modifier 5 (Glen Research)を用いた。反応は、8 mM のトリフェニルホスフィンNHSエステル(in DMF)、50 mMのsodium tetraborate buffer、200 μMの5’ amino-modifiedオリゴ溶液を含む混合液を、室温で3時間激しく撹拌することにより行った(反応液中のDMF濃度は46%)。 反応産物をエタノール沈殿で回収したのち、逆相HPLC (グラジエント条件: 0−50 % アセトニトリル/50 mM トリエチルアンモニウムアセテート)にて精製を行った。また、ESI-TOF mass spectrometryにより目的の産物が得られていることを確認した。
実施例6:3’アジドメチルフルオレセイン結合DNAの合成
アジドメチルフルオレセインNHSエステル (図2の化合物4)の付加は、 3’ ホスホロチオエートDNAと反応させることにより行った。3’ ホスホロチオエートオリゴの合成は、3’-ホスフェートCPGに始めのモノマーをカップリングしたのち、sulfrizing reagent (Glen research)でホスホロチオエート化することにより行った。反応は、3 mM のブロモアセチルアミド-Rh110-アジド(in DMF)、80 mMのトリエチルアンモニウムビスカーボネート緩衝液、300 μMの3’ ホスホロチオエートオリゴ溶液を含む混合液を、室温で5時間激しく撹拌することにより行った(反応液中のDMF濃度は80%)。 反応産物をエタノール沈殿で回収したのち、逆相HPLC (グラジエント条件: 0−80 % アセトニトリル/50 mM トリエチルアンモニウムアセテート)にて精製を行った。また、ESI-TOF mass spectrometryにより目的の産物が得られていることを確認した。 アジドメチルブロモアセチルリンカーフルオレセイン(図2の化合物8)の付加も同様の方法で行った。
実施例7:DNAテンプレート上での反応および蛍光測定
DNAテンプレート上での反応は、それぞれ50 nMのDNAテンプレート、5’ トリフェニルホスフィン結合プローブ、3’ アジドメチルフルオレセイン結合プローブをバッファー中(20 mM Tris-HCl, 100 mM MgCl2 6H2O, 0.01 mg/ml BSA; pH 7.2)において、37℃で反応させることにより行った。蛍光シグナルは、蛍光分光光度計(FP-6500; JASCO)を用いて解析した。30秒おきに蛍光を測定し、励起波長は490 nm、蛍光波長は520 nmとした。
標的配列特異的なシグナル発生を確認するため、標的配列が存在しない条件でも蛍光シグナルの経時変化を測定し比較した。その結果、本プローブは、標的配列が存在すると、蛍光シグナルが顕著に増大した。一方、標的配列非存在下では、蛍光シグナルの増加はほとんど観察されなかった(図6B:モノメチルアジド誘導体(図2の化合物4),図6C:ビスメチルアジド誘導体(図2の化合物8))。そのため、本プローブが標的核酸配列特異的に蛍光シグナルを発生することが明らかとなった。また,一塩基変異(SNP)を識別することも可能であった(図6D)。
実施例8:ターンオーバー数の測定
ターンオーバー数の測定は、それぞれ50 nMの5’ トリフェニルホスフィン結合プローブ、3’ アジドメチルフルオレセイン結合プローブに,DNAテンプレートを5nM(プローブに対して0.1等量), 0.5nM(プローブに対して0.01等量), 0.05nM(プローブに対して0.001等量)加え,バッファー中(20 mM Tris-HCl, 100 mM MgCl2 6H2O, 0.01 mg/ml BSA; pH 7.2)において、37℃で反応させることにより行った。蛍光シグナルは、蛍光分光光度計(FP-6500; JASCO)を用いて解析した。30秒おきに蛍光を測定し、励起波長は490 nm、蛍光波長は520 nmとして,4時間測定した。4時間後のそれぞれの蛍光シグナルから,水酸基への物質量を求め,それをテンプレートの物質量で除することにより,ターンオーバー数を求めた。測定結果を図7に示す。
実際に、標的配列濃度を低くしてターンオーバー条件とした場合に,約50程度のターンオーバー数が得られたことから,本蛍光発生システムは,等温条件下において50倍程度のシグナル増幅が可能であることが分かった(図7)。
実施例9:HL60 cell 細胞内RNAの検出(蛍光顕微鏡,FACS)
RPMI-1640培地中で培養したHL60細胞をMg, CaフリーのPBSで2度洗浄した。洗浄した細胞に、50U/mlのStreptolysin O(SLO;Sigma-aldrich)を300μL各チャンバーに加え、室温で15分間インキュベートした。このときSLOは、100mMのDTT中で2時間インキュベートし、十分に活性化したものを用いた。15分のインキュベート後、図8(配列番号4から7)及び図9(配列番号8から19)に示す各々のプローブを100nMとなるように加え、さらに5分間インキュベートした。その後、0.2g/LのCaCl2を含むMEM培地を各ウェルに300uL加えてSLOの不活性化した。さらに4℃で1hrインキュベートした。検出した細胞は、蛍光顕微鏡(Zeiss)下で、励起 470/40, 蛍光 525/50のフィルターを用いて撮影した。同様にして,フローサイトメトリー(ベックマンコールター)を用いた検出も行った。結果を図8及び図9に示す。細胞内RNAを検出することができた。
本発明による蛍光発生分子システムを応用して、生体関連物質を検出するための標識試薬を提供することができる。
図1は、メチルアジド基の還元をトリガーとして、無蛍光性分子の構造変化が起こり蛍光を発する、本発明の蛍光off/on型センサーシステムを示す。 図2は、フルオレセイン誘導体の有機合成スキームを示す。 図3は、本発明のフルオレセイン誘導体の蛍光測定の結果を示す。 図4は、本発明による遺伝子検出の概要を示す。 図5は、蛍光シグナルの化学的増幅を示す。 図6は、DNAテンプレート上での反応および蛍光測定の結果を示す。 図7は、本発明の蛍光分子のシグナル増幅を示す。 図8は、HL60細胞内28SrRNAの検出を示す。(A-D)フルマッチのプローブ(A及びB)およびスクランブル配列のプローブ(C及びD)を用いた場合の蛍光画像および明視野画像とのマージ。AとCは蛍光画像を示し、BとDは明視野像とのマージを示す。(E)フローサイトメトリーのヒストグラム。横軸は蛍光強度、縦軸は細胞数を示す。 図9は、HL60細胞内β-actin mRNAの検出を示す。(A-D)フルマッチのプローブ(A及びB)およびスクランブル配列のプローブ(C及びD)を用いた場合の蛍光画像および明視野画像とのマージ。AとCは蛍光画像を示し、BとDは明視野像とのマージを示す。(E)フローサイトメトリーのヒストグラム。横軸は蛍光強度、縦軸は細胞数を示す。

Claims (9)

  1. 下記式(1)又は(2)で示される化合物。
    Figure 0005419278

    (式中、Xは水素原子、炭素数1から6のアルキル基、スクシンイミジル基、アジド基、
    パラニトロフェニル基、又はハロゲンを示し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、−C≡C
    −CH 2 −NHCO−CH 2 Br、−N 3 、−C≡CH、−SH、−NH 2 、−CO 2 H、又
    は−CHOを示し、Y1、Y2、Y3及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1か
    ら6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、又
    はシアノ基を示す)
  2. 請求項1に記載の化合物を含む、生体関連物質を検出するための標識試薬。
  3. 核酸の標識のために用いる、請求項2に記載の試薬。
  4. 還元剤と組み合わせて使用される、請求項2又は3に記載の試薬。
  5. 標的核酸配列の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第一の核酸プローブであって、請求項1に記載の化合物からなる無蛍光性分子で標識した上記の第一の核酸プローブと、標的核酸配列の別の一部の領域と相補的な核酸配列を有する第二の核酸プローブであって、還元作用を有する分子で標識した上記の第二の核酸プローブとを、標的核酸配列にハイブリダイズさせる工程、及び第一の核酸プローブ中の無蛍光性分子の−O−C(Y1)(Y2)―N3で示される基が水酸基又はオキソ基に還元されることにより生成する蛍光を検出する工程を含む、インビトロにおける標的核酸配列の検出方法。
  6. 標的核酸配列がRNAである、請求項5に記載の方法。
  7. 標的核酸配列の一塩基多型を検出する、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 細胞内の標的核酸配列を検出することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  9. 蛍光をフローサイトメトリーで検出し、蛍光を発する細胞を選別することを特徴とする、請求項に記載の方法。
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