JP2005047898A - スルホン酸エステル化合物およびそれを用いた蛍光プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】過酸化水素に高選択的に応答する蛍光プローブ等に使用可能な新規有機化合物を提供する。
【解決手段】本発明の化合物は、単純な脱保護からなる全く新しい発蛍光反応に基づき、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルおよび一重項酸素には応答せず、過酸化水素だけに対して応答する高選択的な蛍光プローブとして機能する。その例として、下記スキーム2に示す蛍光性化合物フルオレセイン類3a〜3cのO−ペンタフルオロベンゼンスルフォニル化体 1a〜1c(無蛍光性化合物)がある。また、1a〜1c のアセチル化体 2a〜2c (スキーム3)、 特に 2a と 2c は、細胞内で発生する過酸化水素を検出するための蛍光プローブとして、淡水性緑藻クラミドモナス・ラインハーディにおける過酸化水素に起因する細胞内酸化ストレスを選択的に検出できる。図1はその結果を示すグラフである。
【化10】
Figure 2005047898

【選択図】 図1

Description

本発明は、スルホン酸エステル化合物およびそれを用いた蛍光プローブに関する。
近年、生体内で活性酸素種の発生が亢進されることにより、様々な疾病が惹起されることが明らかになってきている。したがって、活性酸素種の生体内ダイナミック解析は、病因、病態等の解明において重要である。活性酸素種の解析においては、蛍光プローブによるバイオイメージング法が中心的役割を担っている。過酸化水素に対する蛍光プローブとしては、例えば、下記式に示すジクロロフルオレシン(ジクロロフルオレセインの還元体)、ジヒドロローダミン 123、Amplex Red等の化合物がこれまでに開発され、汎用されている。それらの発蛍光機構は、ペルオキシダーゼまたはペルオキシダーゼ様酵素存在下における過酸化水素による酸化反応に基づく。
Figure 2005047898
しかしながら、過酸化水素だけでなく活性酸素種の多くは酸化剤として働く。その結果、前記のような従来の蛍光プローブを用いた場合、過酸化水素発生量ではなく、様々な活性酸素種を含む生体内酸化剤の総発生量を評価していると考えられる。事実、それらのプローブが、過酸化水素以外の活性酸素種(一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、ペルオキシナイトライト等)および酸化能を有する様々なヘムタンパク質に対しても応答することが報告されている。さらに、それらのプローブは、空気酸化を受け過酸化水素を発生するため、過酸化水素を過剰評価している可能性も指摘されている。
酸化還元反応ではなく、過酸化水素による脱保護反応で蛍光性化合物を生成する化合物も知られている。すなわち、アシル化レゾルフィン(無蛍光化合物)は、過酸化水素による脱保護反応で蛍光性化合物レゾルフィンに変換される(非特許文献1および2参照)。しかし、それらは、細胞系では単純加水分解を受けるため、やはり過酸化水素に対して選択的な応答を与えないという欠点があった。
以上のことから、高選択的に過酸化水素に応答する蛍光プローブの開発が、細胞生理学等の観点から待ち望まれている。
H. Maeda, S. Matsu-ura, M. Nishida, T. Semba, Y. Yamauchi, H. Ohmori, Chem. Pharm. Bull. 2001, 49, 294-298; H. Maeda, S. Matsu-ura, M. Nishida, Y. Yamauchi, H. Ohmori, Chem. Pharm. Bull. 2002, 50, 169-174.
したがって、本発明は、過酸化水素に高選択的に応答する蛍光プローブ等に使用可能な新規有機化合物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、下記一般式(I)で表される構造を含むスルホン酸エステル化合物を提供する。
Figure 2005047898
式(I)中、原子団A−Oは、スルホニル基との共有結合を切断することにより蛍光性化合物を形成する原子団であり、原子団Aに結合する原子団 B−SO3− は1つでも複数でも良く、Bは、1個または複数の電子吸引基で置換された環であり、前記電子吸引基は、ハロゲン、カルボキシル基、カルバモイル基、直鎖もしくは分枝アルキルカルバモイル基、直鎖もしくは分枝アルカノイル基、直鎖もしくは分枝アルコキシカルボニル基、直鎖もしくは分枝ハロゲン化アルキル基、および −NR3 +基(3個のRはそれぞれ水素原子または直鎖もしくは分枝アルキル基であり、同一でも異なっていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つを含み、Bは、複数存在する場合は同一でも異なっていても良い。
本発明のスルホン酸エステル化合物は、前記一般式(I)で表されることにより、例えば、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルおよび一重項酸素に応答せず、過酸化水素だけに対して応答する高選択的な蛍光プローブ等の用途に使用することができる。
前記ジクロロフルオレシン(ジクロロフルオレセインの還元体)、ジヒドロローダミン 123、Amplex Red等の従来の蛍光プローブは酸化還元反応を利用するが、本発明における前記一般式(I)の化合物は、原子団A−Oが、スルホニル基との共有結合を切断して脱保護することにより蛍光を示すという全く異なるメカニズムを利用する。本発明者らは、鋭意検討の結果、このメカニズムを見出した。また、過酸化水素による脱保護で蛍光を示す化合物として、アシル化レゾルフィンがあるが、前記の通り、細胞系では単純加水分解を受けるため、過酸化水素に対して選択的な応答を与えないという欠点があった。しかし、本発明者らは、この点についても鋭意検討を重ね、種々分子設計した結果、前記一般式(I)の構造を見出し、本発明に至った。これにより、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルおよび一重項酸素に応答せず、過酸化水素だけに対して応答する高選択的な蛍光プローブの提供が可能になった。
以下、本発明の実施形態について説明する。
前記式(I)中の原子団Bは、前記の通り1個または複数の電子吸引基で置換された環であるが、過酸化水素検出能等の観点から、1個または複数の電子吸引基で置換された芳香環または複素芳香環が好ましい。すなわち、原子団Bを形成する環が芳香環または複素芳香環であれば、過酸化水素による脱保護反応がより速やかに進行し、さらに検出能に優れることが期待できる。
前記式(I)中の原子団Bにおいて、前記電子吸引基は、ハロゲン、カルボキシル基、カルバモイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキルカルバモイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルカノイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルコキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝ハロゲン化アルキル基、および −NR3 +基(3個のRはそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキル基であり、同一でも異なっていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましく、フルオロ基、トリフルオロメチル基および −N+(CH3)3基からなる群から選択される少なくとも一つであることがより好ましく、これらの中でもフルオロ基が特に好ましい。なお、前記原子団Bは、必要に応じ、前記電子吸引基以外の任意の基、例えばメチル基、イソプロピル基、メトキシ基等でさらに置換されていても良く、ハロゲン化アルキル基、ニトロ基、およびシアノ基は含んでいても良いし含んでいなくても良い。また、前記原子団Bにおいて、前記芳香環または複素芳香環が、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ベンゾピリジン環、ベンゾピロール環、ベンゾチオフェン環、およびベンゾフラン環からなる群から選択される少なくとも一つであることがより好ましい。
前記式(I)において、前記原子団Bは、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基および2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基からなる群から選択される少なくとも一つであることが、蛍光プローブの感度およびH2O2選択性等の観点からさらに好ましく、ペンタフルオロフェニル基および2,4,6−トリフルオロフェニル基の少なくとも一方であることが同様の観点から特に好ましいが、これ以外にも種々の基が可能である。
また、前記式(I)中の原子団A−Oにおいては、例えば、O原子が芳香環または複素芳香環に直接結合していることが好ましい。
前記原子団A−Oとスルホニル基との共有結合を切断することにより形成される蛍光性化合物は、例えば、フルオレセイン、レゾルフィン、7−ヒドロキシクマリン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−ヒドロキシアントラセン、2−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン、1−ヒドロキシアクリジン、2−ヒドロキシアクリジン、9−ヒドロキシアクリジン、2−ヒドロキシキノロン、4−ヒドロキシキノロン、5−ヒドロキシキノロン、6−ヒドロキシキノロン、8−ヒドロキシキノロン、4−ヒドロキシ−7−ニトロ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、またはそれらの誘導体であることが好ましいが、これらには限定されず、あらゆる蛍光性化合物が可能である。これら蛍光性化合物のうち特に好ましい化合物の具体例は、例えば、フルオレセイン、2,7−ジクロロフルオレセイン、2,7−ジフルオロフルオレセイン、4,5−ジフルオロフルオレセイン、2,4,5,7−テトラフルオロフルオレセイン、2,7−ジメチルフルオレセイン、4,5−ジメチルフルオレセイン、2,4,5,7−テトラメチルフルオレセイン、2,7−ジイソプロピルフルオレセイン、2,7−ジ−t−ブチルフルオレセイン、2,7−ジメトキシフルオレセイン、2,4−ジフルオロ−5,7−ジメチルフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、カルボキシ−2,7−ジクロロフルオレセイン、カルボキシ−2,4,5,7−テトラクロロフルオレセイン、カルボキシ−2,7−ジフルオロフルオレセイン、カルボキシ−2,4,5,7−テトラフルオロフルオレセイン、レゾルフィン、2,8−ジクロロレゾルフィン、7−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、または7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンである。
本発明のスルホン酸エステル化合物の特に好ましい例としては、例えば、下記式1、2、4または5のいずれかで表される化合物がある。
Figure 2005047898
式1および2中、X1〜X4は、それぞれ水素原子またはハロゲンであり、同一でも異なっていても良い。
前記一般式(I)で表される本発明のスルホン酸エステル化合物の製造方法は特に限定されず、公知のスルホン酸エステル化合物の製造方法等を適宜用いることができるが、例えば、下記式(II)の化合物と下記式(III)の化合物とを化合させる工程を含む製造方法により製造することができる。
Figure 2005047898
式(III)中、X5はハロゲンであり、AおよびBは前記式(I)と同じである。また、前記式(II)の化合物としては、例えば前記蛍光性化合物等が使用でき、好ましい蛍光性化合物は例えば前述の通りである。すなわち、式(II)の化合物としては、例えば、下記式で表されるフルオレセインおよびその誘導体、レゾルフィン、7−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン等の蛍光色素があるが、これらに限定されず、種々の化合物を使用できる。
Figure 2005047898
なお、本発明で「ハロゲン」とは、任意のハロゲン元素を指すが、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。また、アルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基等があげられ、アルキル基をその構造中に含む基(例えば、アルキルカルバモイル基、アルコキシカルボニル基等)についても同様である。アルカノイル基としては、特に限定されないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基およびイソバレリル基等があげられ、炭素数1のアルカノイル基とはホルミル基を指すものとする。
前記式(I)で表される化合物に互変異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体が存在する場合は、それら異性体も本発明の化合物に含まれる。さらに、前記式(I)の化合物およびその他本発明に係る化合物が塩を形成し得る場合は、その塩も本発明の化合物に含まれる。前記塩は特に限定されず、例えば酸付加塩でも塩基付加塩でも良く、さらに、前記酸付加塩を形成する酸は無機酸でも有機酸でも良く、前記塩基付加塩を形成する塩基は無機塩基でも有機塩基でも良い。前記無機酸としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸および、ヨウ化水素酸等があげられる。前記有機酸も特に限定されないが、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸等があげられる。前記無機塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等があげられ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウム等があげられる。前記有機塩基も特に限定されないが、例えば、エタノールアミン、トリエチルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等があげられる。
前記本発明の化合物の塩の製造方法も特に限定されず、例えば、本発明の化合物に、前記のような酸や塩基を公知の方法により適宜付加させる等の方法で製造することができる。
本発明のスルホン酸エステルの用途は特に限定されないが、蛍光プローブに適し、特に過酸化水素検出用蛍光プローブに適している。本発明の蛍光プローブは、前記本発明のスルホン酸エステル化合物を含むことにより、過酸化水素に対し高い選択性を示す。
なお、本発明のスルホン酸エステル化合物を用いた蛍光プローブの特異性(選択性)は特に限定されないが、好ましくは、例えば以下の通りである。すなわち、過酸化水素に対する蛍光応答が、スーパーオキサイドに対する蛍光応答の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることが特に好ましく、上限値は特に限定されないが、例えばスーパーオキサイドに対する蛍光応答の100倍以下である。前記過酸化水素に対する蛍光応答は、ヒドロキシルラジカルに対しては、5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることが特に好ましく、上限値は特に限定されないが、例えばヒドロキシルラジカルに対する蛍光応答の100倍以下である。また、前記過酸化水素に対する蛍光応答は、グルコース、アスコルビン酸、1,4−ヒドロキノン、プロピルアミン、またはジエチルアミンに対する蛍光応答の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることが特に好ましく、上限値は特に限定されないが、例えばこれらいずれかの物質に対する蛍光応答の100倍以下である。前記過酸化水素に対する蛍光応答は、チトクロームP450リダクターゼ+ NADPH系またはジアフォラーゼ + NADH系に対する蛍光応答と比較した場合は、5倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましく、50倍以上が特に好ましく、上限値は特に限定されないが、例えばこれらいずれかの系に対する蛍光応答の100倍以下である。なお、これらは、過酸化水素と前記各物質とを等モル量で比較した値であるものとし、測定温度は37℃であり、励起波長は485±20 nmであり、放射波長は530±25 nmであるものとする。ただし、本発明の蛍光プローブを用いた測定条件がこれに限定されるものではなく、あらゆる測定条件が可能である。
本発明の蛍光プローブの用途も特に限定されず、あらゆる用途に使用可能であるが、例えばバイオイメージングに用いることが可能であり、本発明の蛍光プローブを含むキットを適宜構築してバイオイメージング用キットを提供することができる。本発明の蛍光プローブを用いる過酸化水素検出方法は感度および精度に優れ、バイオイメージング方法等への応用に適している。したがって、本発明のスルホン酸エステル化合物は臨床分析用試薬等の用途にも適する。
また、本発明は、標識された抗体であって、前記標識が本発明の過酸化水素検出用プローブである抗体をも提供する。このような本発明の標識抗体として、例えば、前記一般式(I)のスルホン酸エステル化合物における原子団Aに抗体を結合させておけば、原子団B−SO2−を切断することで蛍光に応答する標識抗体が得られる。このような標識抗体の例として、例えば下記スキーム1の化合物1'のような化合物が挙げられ、スルホン酸エステル結合を切断することで蛍光性化合物3’に変化する。ただし、スキーム1は例示に過ぎず、本発明を限定しない。
Figure 2005047898
さらに、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブは、例えば、ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法、抗原抗体反応を用いたアッセイ方法、カタラーゼ定量方法、機能性食品または医薬の過酸化水素消去能測定方法、および臨床分析方法等に使用することができる。以下、これらについてより具体的に説明する。
まず、前記ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法とは、支持体上にブロッティング(転写)した物質を、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブまたはそれにより標識された前記本発明の標識抗体を用いて検出する工程を含むアッセイ方法である。前記物質は特に限定されないが、例えば、タンパク質が好ましい。ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法に使用する本発明のキットは、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブまたはそれにより標識された抗体と、前記支持体とを含み、必要に応じてそれ以外の試薬等を適宜含んでいても良い。
前記ブロッティングを用いたアッセイ方法における具体的な操作、工程、使用する試薬等については、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブまたは標識抗体を用いる以外は特に限定されず、公知の試薬、操作等を適宜用いることができる。例えば、前記支持体としては、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、PVDF(polyvinylidene difluoride)膜等を、目的に応じて適宜使用することができる。
前記ブロッティングを用いたアッセイ方法は、前記物質がタンパク質の場合は、例えば、前記支持体上にブロッティングしたタンパク質をグルコースオキシダーゼ標識抗体と反応させて結合物を生成させる工程と、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブと過酸化水素との反応を、前記結合物の存在下および非存在下でそれぞれ行なう工程と、前記結合物存在下における蛍光応答と前記結合物非存在下における蛍光応答とを比較することにより前記結合物を定量する工程とを含む方法により行なうことができる。
ブロッティングを用いたタンパク質のアッセイ方法としては、従来から、いわゆるウェスタンブロット法として知られている方法等があるが、上記のように本発明の過酸化水素検出用プローブを用いることで、検出感度が高い等の効果が得られる。上記アッセイ方法において、タンパク質をグルコースオキシダーゼ標識抗体と反応させて結合物を生成させるにあたっては、例えば、従来と同様、まずタンパク質を一次抗体と結合させ、次にこれを、二次抗体としての前記グルコースオキシダーゼ標識抗体と結合させる等の方法を用いることができる。
また、前記ブロッティングを用いたタンパク質のアッセイ方法は、前記本発明の標識抗体を用いる場合は、例えば、前記支持体上にブロッティングしたタンパク質を、前記標識抗体と反応させて結合物を生成させる工程と、前記結合物を過酸化水素と反応させる工程と、前記反応後の蛍光応答を測定する工程とを含む方法により行なうことができる。すなわち、例えば、従来のウェスタンブロット法において、グルコースオキシダーゼ標識抗体とタンパク質を結合させていたところ、前記グルコースオキシダーゼ標識抗体に代えて本発明の標識抗体を用いても良い。このように本発明の標識抗体を用いることで、検出感度が高い等の利点がある。
本発明の過酸化水素検出用プローブを使用する、抗原抗体反応を用いたアッセイ方法としては、上記以外にも、例えば以下のような方法がある。
すなわち、前記抗原抗体反応を用いたアッセイ方法は、例えば、グルコースオキシダーゼ標識抗体と被検出物質とを結合反応させる工程を含むアッセイ方法であって、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブと過酸化水素との反応を、前記結合反応により生じた結合物の存在下および非存在下でそれぞれ行なう工程と、前記結合物存在下における蛍光応答と前記結合物非存在下における蛍光応答とを比較することにより前記結合物を定量する工程とを含むアッセイ方法であっても良い。
グルコースオキシダーゼ標識抗体を用いたアッセイ方法としては、従来から、例えば、いわゆるELISA等のアッセイ方法が広く用いられている。しかし、このようなアッセイ方法に、さらに本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブを用いることで、被検出物質の検出感度が高い等の利点が得られる。これらのアッセイに用いるキットは、例えば、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブとグルコースオキシダーゼ標識抗体とを含み、さらに、必要に応じてそれ以外の試薬等を適宜含んでいても良い。
また、前記抗原抗体反応を用いたアッセイ方法は、例えば、標識抗体として、前記本発明の標識抗体を用いるアッセイ方法であっても良い。このような方法においては、例えば、前記標識抗体を被検出物質と反応させて結合物を生成させる工程と、前記結合物を過酸化水素と反応させる工程と、前記反応後における蛍光応答を測定する工程とを含むことがより好ましい。すなわち、例えば、従来のELISA法において、グルコースオキシダーゼ標識抗体に代えて本発明の標識抗体を用いる等の方法であっても良い。上記アッセイ方法において、被検出物質を前記標識抗体と反応させて結合物を生成させるにあたっては、例えば、まず前記被検出物質を一次抗体と結合させ、次にこれを、二次抗体としての前記標識抗体と反応させる等の方法を用いることができる。このようなアッセイに用いるキットは、前記本発明の標識抗体を含み、さらに、必要に応じてそれ以外の試薬等を適宜含んでいても良い。
次に、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブを用いたカタラーゼ定量方法は、本発明の過酸化水素検出用蛍光プローブを過酸化水素と反応させた後の蛍光応答を、前記反応をカタラーゼ含有試料の存在下で行なった場合と非存在下で行なった場合とで比較することにより行なう。例えば、前記カタラーゼ含有試料として、ヒトもしくは動物の体液またはその体液から抽出した試料を用いて前記カタラーゼ定量方法を行なうことにより、前記ヒトまたは動物の体液中のカタラーゼ濃度を測定することができる。さらに、前記カタラーゼ定量方法は、例えば、機能性食品または医薬の過酸化水素消去能測定にも応用することができる。すなわち、前記カタラーゼ定量方法を用いてヒトまたは動物の体液中におけるカタラーゼ濃度を測定する工程と、その後前記ヒトまたは動物に機能性食品または医薬を投与する工程と、投与後に再び前記カタラーゼ定量方法を用いて前記ヒトまたは動物の体液中におけるカタラーゼ濃度を測定する工程とを含む方法により、前記機能性食品または医薬の過酸化水素消去能を測定することができる。そして、これら測定方法に適したキットは、本発明の過酸化水素検出用プローブを含むキットを適宜設計することにより得られる。
以上説明したような、ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法、抗原抗体反応を用いたアッセイ方法、カタラーゼ定量方法、または、機能性食品もしくは医薬の過酸化水素消去能測定方法を用いてヒトまたは動物に対するアッセイを行なうことにより、様々な臨床分析方法を実施することができる。このため、本発明のスルホン酸エステル化合物は、前記の通り臨床分析用試薬の用途に適し、また、この臨床分析用試薬を含むキットを適宜設定することで、様々な用途に適した臨床分析用キットが得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。しかし、この実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
Figure 2005047898
本実施例では、上記スキーム2に示す蛍光性化合物フルオレセイン類3a〜3cのO−ペンタフルオロベンゼンスルフォニル化体 1a〜1c(無蛍光性化合物)を合成した。そして、1a〜1c が、単純な脱保護からなる全く新しい発蛍光反応に基づき、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルおよび一重項酸素には応答せず、過酸化水素だけに対して応答する高選択的な蛍光プローブとして機能することを明らかにした。また、1a〜1c のアセチル化体 2a〜2c (スキーム3)を合成した。そして、2a〜2c 特に 2a と 2c が、細胞内で発生する過酸化水素を検出するための蛍光プローブとして、淡水性緑藻クラミドモナス・ラインハーディにおける過酸化水素に起因する細胞内酸化ストレスを選択的に検出できることを明らかにした。さらに、前記化合物4および5の合成も行なった。
(測定条件等)
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、測定機器として、JEOL社製EX-270(商品名)(1H測定時270MHz)を用いて測定した。ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表している。内部標準0ppmには、テトラメチルシラン(TMS)を用いた。結合定数(J)は、ヘルツで示しており、略号s、d、t、q、mおよびbrは、それぞれ、一重線(singlet)、二重線(doublet)、三重線(triplet)、四重線(quartet)、多重線(multiplet)および広幅線(broad)を表す。質量分析(MS)は、JEOL社製JMS-700(商品名)を用い、高分解能(HRMS)/高速原子衝撃法(FAB)により行った。赤外吸収(IR)スペクトルは、日本分光株式会社製VALOR-III(商品名)を用い、KBr法により行った。元素分析は、ヤナコ株式会社製CHN CORDER MT-5(商品名)を用いて行った。融点は、ヤナコ株式会社製MP-S3(商品名)を用いて測定した。カラムクロマトグラフィー分離には、シリカゲル(メルク社製、シリカゲル60(商品名))を用いた。全ての化学物質は、試薬級であり、アルドリッチ社、ランカスター社、東京化成株式会社、ナカライテスク株式会社、および和光純薬株式会社から購入した。
(合成)
[1a〜1c の合成]
化合物1a〜1c は全て同様の方法により合成した。すなわち、まず、目的化合物1a〜1cのいずれかに対応するフルオレセイン誘導体 (1.0 g) の2,6−ルチジン (5.0 mL)−ジクロロメタン (20 mL) 懸濁液にテトラフルオロベンゼンスルホニルクロリド (1.1 eq) を0℃で加えた。得られた混合液を室温で一晩撹拌した。反応液をジクロロメタン (200 mL) で希釈し、1M 塩酸 (200 mL x 2) および飽和食塩水 (200 mL) で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下溶媒を留去し得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−アセトン=20:1)により精製した。以下に1a〜1cの機器分析値を示す。
1a: 0.69 g (41%) 黄色固体. 融点. 100-116°C (dec). 1H-NMR (270 MHz, CDCl3, TMS): δ = 8.04 (d, 3JH,H = 6.9 Hz, 1H; 芳香環), 7.73-7.62 (m, 2H), 7.21 (d, 4JH,H = 2.1 Hz, 1H; 芳香環), 7.17 (d, 3JH,H = 7.4 Hz, 1H; 芳香環), 6.88 (dd, 3JH,H = 8.7 Hz, 4JH,H = 2.1 Hz, 1H; 芳香環), 6.81 (d, 3JH,H = 8.7 Hz, 1H; 芳香環), 6.76 (d, 4JH,H = 2.1 Hz, 1H; 芳香環), 6.65 (d, 3JH,H = 8.6 Hz, 1H; 芳香環), 6.59-6.55 (m, 1H), 5.76 (brs, 1H; OH). FTIR (KBr): ν = 3340 (OH, br) 1765 (CO, s), 1736 (CO, s) cm-1. FAB HRMS 計算値 C26H12F5O7S (MH+): 563.0224; 実測値: 563.0223.
1b: 0.36 g (23%) 黄色固体. 融点. 107-125°C (dec). 1H-NMR (270 MHz, CDCl3, TMS): δ = 8.07 (d, 3JH,H = 6.6 Hz, 1H; 芳香環), 7.78-7.68 (m, 2H), 7.46 (s, 1H; 芳香環), 7.18 (d, 3JH,H = 6.8 Hz, 1H; 芳香環), 6.98 (s, 1H; 芳香環), 6.83 (s, 1H; 芳香環), 6.75 (s, 1H; 芳香環), 5.99 (brs, 1H; OH). FTIR (KBr): ν = 3324 (OH, br) 1768 (CO, s), 1736 (CO, s) cm-1. FAB HRMS 計算値 C26H10Cl2F5O7S (MH+): 630.9444; 実測値: 630.9417.
1c: 0.37 g (23%) 黄色固体. 融点. 90-104°C (dec). 1H-NMR (270 MHz, CDCl3, TMS): δ = 8.05 (d, 3JH,H = 6.8 Hz, 1H; 芳香環), 7.77-7.66 (m, 2H), 7.39 (d, 3JH,H = 6.3 Hz, 1H; 芳香環), 7.18 (d, 4JH,F = 7.1 Hz, 1H; 芳香環), 6.95 (d, 4JH,F = 7.4 Hz, 1H; 芳香環), 6.57 (d, 3JH,F = 10.1 Hz, 1H; 芳香環), 6.49 (d, 3JH,F = 10.4 Hz, 1H; 芳香環), 5.79 (brs, 1H; OH). FTIR (KBr): ν = 3310 (OH, br) 1768 (CO, s), 1748 (CO, s) cm-1. FAB HRMS 計算値 C26H10F7O7S (MH+): 599.0035; 実測値: 599.0027.
[2a〜2cの合成]
2a〜2c は全て同様の方法により合成した。すなわち、まず、化合物1a〜1cのうち目的化合物2a〜2cのいずれかに対応する化合物を前記の通りに合成し、この化合物0.5 g とアセチルクロリド (1.1 eq) とのジクロロメタン溶液にトリエチエルアミン (1.1 eq) を0℃で加えた。得られた混合液を室温で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタン (200 mL) で希釈し、1M 塩酸 (200 mL) および飽和食塩水 (200 mL) で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下溶媒を留去し得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製した。以下に、2a〜2cの機器分析値を示す。
2a: 0.51 g (95%) 白色固体. 融点. 209-210°C. 1H-NMR (270 MHz, [D6]DMSO, TMS): δ = 8.06 (d, 3JH,H = 7.3 Hz, 1H; 芳香環), 7.86-7.74 (m, 2H), 7.51 (d, 4JH,H = 2.1 Hz, 1H; 芳香環), 7.41 (d. 3JH,H = 7.3 Hz, 1H; 芳香環), 7.27 (s, 1H; 芳香環), 7.07 (dd, 3JH,H = 8.7 Hz, 4JH,H = 2.1 Hz, 1H; 芳香環), 6.97-6.89 (m, 3H), 2.29 (s, 3H; CH3). FTIR (KBr): ν = 1771 (CO, s) cm-1. 元素分析値 (%) 計算値 C28H13F5O8S: C 55.64, H 2.17; 実測値: C 55.63, H 2.36. FAB HRMS 計算値 C26H14F5O8S (MH+): 605.0330; 実測値: 605.0331.
2b: 0.49 g (92%) 白色固体. 融点. 120-124°C (dec). 1H-NMR (270 MHz, [D6]DMSO, TMS): δ = 8.06 (d, 3JH,H = 7.3 Hz, 1H; 芳香環), 7.87-7.76 (m, 2H), 7.76 (s, 1H; 芳香環), 7.53 (s, 1H; 芳香環), 7.49 (s, 1H; 芳香環), 7.24 (s, 1H; 芳香環), 7.08 (s, 1H; 芳香環), 2.36 (s, 3H; CH3). FTIR (KBr): ν = 1775 (CO, s) cm-1. 元素分析値 (%) 計算値 C28H11Cl2F5O8S: C 49.94, H 1.65; 実測値: C 49.96, H 1.84. FAB HRMS 計算値 C28H12Cl2F5O8S (MH+): 672.9550; 実測値: 672.9549.
2c: 0.47 g (87%) 白色固体. 融点. 213-214°C. 1H-NMR (270 MHz, [D6]DMSO, TMS): δ = 8.05 (d, 3JH,H = 7.1 Hz, 1H; 芳香環), 7.85-7.74 (m, 2H), 7.76 (d, 4JH,F = 6.4 Hz, 1H; 芳香環), 7.47 (d. 4JH,F = 6.4 Hz, 1H; 芳香環), 7.43 (d, 3JH,H = 7.4 Hz, 1H; 芳香環), 7.13 (d, 3JH,F = 10.2 Hz, 1H; 芳香環), 6.95 (d, 3JH,F = 10.2 Hz, 1H; 芳香環), 2.35 (s, 3H; CH3). FTIR (KBr): ν = 1778 (CO, s) cm-1. 元素分析値 (%) 計算値 C28H11F7O8S: C 52.51, H 1.73; 実測値: C 52.60, H 1.99. FAB HRMS 計算値 C28H12F7O8S (MH+): 641.0141; 実測値: 641
[4 および 5 の合成]
化合物4および5は同様の方法により合成した。すなわち、まず、レゾルフィン・ナトリウム塩 (2.0 g) のピリジン (20 mL) 懸濁液に−40℃でペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドまたは2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホニルクロリド (1.1 eq) を加えた。得られた混合液を−40〜−20℃で6時間撹拌した。反応液をジクロロメタン (200 mL) で希釈し、1M 塩酸 (200 mL x 2) および飽和食塩水 (200 mL) で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下溶媒を留去し得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−アセトン=20:1)により生成した。以下に化合物4および5の機器分析値を示す。
4: 1.7 g (45%) 橙色結晶. 融点. 200-201°C (from AcOEt). 1H-NMR (270 MHz, CDCl3, TMS): δ = 7.82 (d, 3JH,H = 8.6 Hz, 1H; 芳香環), 7.43 (d, 3JH,H = 9.9 Hz, 1H; 芳香環), 7.24-7.19 (m, 2H; 芳香環), 6.88 (dd, 3JH,H = 9.9 Hz, 3JH,H = 2.0 Hz, 1H; 芳香環), 6.34 (d, 4JH,H = 2.0, 1H; 芳香環), 6.49 (dd, 3JH,F = 10.1 Hz, 4JH,F = 2.4 Hz, 2H; 芳香環). FTIR (KBr): ν = 1624 (CO, s) cm-1. 元素分析値 (%) 計算値 C18H6F5NO5S: C 48.77, H 1.36, N 3.16, S 7.23, F 21.43; 実測値: C 48.69, H 1.54, N 3.02, S 7.00, F 21.38.
5: 2.2 g (64%) 橙色結晶. 融点. 204-207°C (from AcOEt). 1H-NMR (270 MHz, CDCl3, TMS): δ = 7.79 (d, 3JH,H = 8.2 Hz, 1H; 芳香環), 7.42 (d, 3JH,H = 9.9 Hz, 1H; 芳香環), 7.22-7.18 (m, 2H; 芳香環), 6.91-6.84 (m, 3H; 芳香環), 6.32 (d, 4JH,H = 2.0 Hz, 1H; 芳香環). FTIR (KBr): ν = 1624 (CO, s) cm-1. 元素分析値 (%) 計算値 C18H8F3NO5S: C 53.08, H 1.98, N 3.44; 実測値: C 53.07, H 2.14, N 3.17. FAB HRMS 計算値 C18H9F3NO5S (MH+): 408.0154; 実測値: 408.0158.
(化合物1のH2O2選択性評価)
スキーム2中の化合物1a、1bおよび1cは、全て、96ウェルミクロプレートアッセイでH2O2濃度依存応答を示した。前記アッセイでは、まず、1aのDMSO溶液 (10 mM)、 1bのDMSO溶液(2 mM)、および1cのDMSO溶液(2 mM)を準備し、これらをそれぞれHEPES 緩衝液 (pH 7.4, 10 mM)で400 倍に希釈して各化合物のプローブ溶液を調製した。これらプローブ溶液中の各化合物の濃度は、1a について25 μM、1b について5 μM、1c について5 μMである。さらに、前記各プローブ溶液150μLをH2O2水(0.92 mM, 10 μL)と25℃で60分間反応させた。1a、1bおよび1cの検出限界値は、それぞれ46.0 (RSD, n= 8; 1.2%), 23.1 (0.5%), および 4.6 (1.0%) pmolであり、細胞レベルの解析に対応可能な値であった。92.3 nmol以下の範囲において、相関係数0.999以上の直線較正曲線が得られた。その傾きは、1a、1bおよび1cのそれぞれについて172, 215 および 591 au/nmolであった。
このようにして得られた1a、1bおよび1cのH2O2に対する蛍光応答を、HO・(ヒドロキシルラジカル)およびO2 -・(スーパーオキサイド)に対する蛍光応答と比較した。HO・ 源としては、H2O2 (1 mM, 10 μL) と Fe2+ (5 mM, 10 μL)とのフェントン反応(Fenton reaction)を用い、そして、O2 -・は、ヒポキサンチン (HPX)(1 mM, 10 μL)とキサンチンオキシダーゼ (XO)(0.26 U/mL, 10 μL)との酵素反応により生成させた。表1にその結果を示す。
表1は、1a、1bまたは1cをH2O2、HO・またはO2 -・と反応させて観測された蛍光応答をそれぞれ比較したものである。表中の数字は蛍光強度(RFU)を表す。ただし、RFUは、測定値から、H2O2またはHPXの非存在下で得られた蛍光強度を差し引いた値である。
[表1]
蛍光強度(RFU)
1a 1b 1c
22 1150 2193 4375
22+Fe2+ 28 195 184
HPX+XO 566 1733 3580
HPX+XO+カタラーゼ −49 −51 −44
HPX+XO+SOD 899 1733 3340
1a、1bおよび1cのHO・との反応は、H2O2との反応と比べて極めて小さい応答を示した。HPX-XO系における1a、1bおよび1cの反応の蛍光応答は、カタラーゼ (5000 U/mL, 10 μL)の添加により完全に排除されたが、スーパーオキサイドジスムターゼ (SOD) (1000 U/mL, 10 μL)の存在下では維持されるかまたは増加した。これらの結果は、1a、1bおよび1cが、HO・ および O2 -・と比較してH2O2に対し高度に選択的な蛍光プローブであることを支持する。
(藻細胞中における化合物2のH2O2選択性評価)
光刺激により、緑藻に酸化的ストレス(Oxidative stress)を引き起こすことができる。Cu2+による刺激は、スーパーオキサイド、過酸化水素およびヒドロキシルラジカル等の種々のROSの細胞内形成を引き起こす。細胞は、さらに、パラコート(PQ)またはメチレンブルー(MB)により特異的に活性化されることで、スーパーオキサイドまたは1O2の生成による酸化的ストレスを起こす。したがって、淡水性緑藻クラミドモナス・ラインハーディ(Chlamydomonas reinharadtii)を用いた実験モデルは、本発明のプローブの細胞系への適応を評価するために有益であった。藻の細胞に1a、1bおよび1cをロードするために、それらのアセチル化誘導体2a、2bおよび2c(スキーム3)を用いた。2a、2bおよび2cが過酸化水素検出用プローブとして機能するためにはエステラーゼが必要であることを、前記と同様のミクロプレートアッセイにより確認した。
すなわち、まず、化合物2a、2bおよび2cのそれぞれをDMSOに溶かし、各化合物の10 mM ストック溶液(stock solutions)を得た。次に、定法により培養したクラミドモナス・ラインハーディ(Chlamydomonas reinhardtii (IAM C-238))を3 mL のMBM 培養液中に接種し、そして、前記化合物2a、2bまたは2cのストック溶液7.5 μLを用い、暗所において25℃で30分間ロードして、プローブ充填細胞懸濁液を調製した。さらに、96ウェル組織培養プレートを準備し、各ウェル中に、CuCl2、 PQ または MVの指示濃度(indicated concentrations)MBM溶液50 μLを加え、そこに前記プローブ充填細胞懸濁液(50μL)を接種し、光照射下または暗所でインキュベートした。60分後、蛍光測定装置(商品名CytoFluor II multiwell fluorescence plate reader 、米国PerSeptive Biosystems 社)を用いて前記細胞の蛍光を測定した。このとき、励起(excitation)および放射(emission)フィルターは、それぞれ485±20 および 530±25 nmにセットした。
図1に、細胞系における蛍光応答結果を示す。同図は、クラミドモナス・ラインハーディの細胞に2a, 2b, 2c (25 μM) または DCFH-DA (50 μM)を暗所において25℃で30分間ロードし、96ウェルミクロプレート中、光照射下または暗所でCu2+, PQ, または MBの存在下60分間インキュベートして蛍光応答を測定したときの濃度(Concentration)対蛍光増分(Fluorescence increment)の相関関係を示すグラフである。図中の白丸は光照射下での結果を表し、黒丸は暗所での結果を表す。
図1の結果から、Cu2+でインキュベートし光照射下測定した場合に、2a, 2bおよび2cをロードした細胞は刺激濃度に依存した蛍光応答を示すことが分かる。中でも、特に2aおよび2cは前記条件に対する高度な選択性を有し、蛍光増分も大きいことが分かった。この結果は、2aおよび2cが、Cu2+刺激および光照射の結果としての、O2 -・ および 1O2ではなくH2O2の細胞内形成に由来する酸化的ストレスを検出したことを示す。化合物1aおよび1cが高度なH2O2選択性を有することを考慮すると、2aおよび2cは細胞に浸透し、それぞれ1aおよび1cに変換されたものと推測される。2a、2bおよび2cの挙動とは対照的に、DCFH-DAは、PQおよびMBによる酸化的ストレスを効果的に検出し、そして、Cu2+刺激により生成したROSをも検出した。この結果は、DCFHが、オキシダント全量の指標を提供するプローブとして有用でないことを示す。このように、化合物2、特に2aおよび2cが細胞系において選択性を喪失することなくプローブとして働くことが確認された。
これらの結果は、1a、1bおよび1cが、非酸化的メカニズムにより、O2 -・, HO・および1O2と比較してH2O2に対し高度な選択性を有する新規蛍光プローブとして機能することを示す。これら新規プローブおよびその同族体は、細胞由来H2O2の測定を容易にし、藻の細胞のみでなく、食細胞(phagocytes)や脈管内皮細胞(vascular endothelium cells)の動的機能(dynamic functions)の解明にも役立つことが期待できる。
以上のデータが示す通り、過酸化水素検出において 1a〜1c は、これまでの酸化的発蛍光機構に基づく蛍光プローブでは達成できなかった選択性を示した。従って、1a〜1c ならびにその類縁体は、細胞レベルでの解析に求められている選択性を持つ蛍光プローブとして利用できると期待される。フェノール性水酸基を有する蛍光化合物としては、多種多様な構造および蛍光特性を有するものが容易に入手できる。それらのO−ペンタフルオロベンゼンスルフォニル化体は、過酸化水素蛍光プローブとして同様に利用できると期待される。すなわち、例えば下記スキーム4のようにである。従って、本発明者らの開発した発蛍光機構を活用することにより、使用目的に適う特性を有する蛍光プローブ(ならびに臨床分析用試薬)を設計開発できると予想される。
Figure 2005047898
以上説明した通り、本発明のスルホン酸エステル化合物は、過酸化水素に対して高選択的に応答する蛍光プローブの用途に適する。蛍光プローブは現在の細胞生理学研究において重要な試薬であり、さらに、蛍光顕微鏡を用いる画像解析システムやフローサイトメトリー(セルソーター)における最近のハードおよびソフト面の著しい発展を考慮すると、今後益々蛍光プローブの市場は広がると考えられる。本発明は例えばバイオイメージングや臨床分析等に適し、活性酸素種と関連のある疾患に対する新しい治療法や創薬シーズを開発するために良好に用いることができる。さらに、本発明のスルホン酸エステル化合物の用途は蛍光プローブに限定されず、あらゆる用途に使用可能である。
細胞系における化合物2a〜2cの蛍光応答結果を示すグラフである。

Claims (23)

  1. 下記一般式(I)で表される構造を含むスルホン酸エステル化合物。
    Figure 2005047898
    式(I)中、原子団A−Oは、スルホニル基との共有結合を切断することにより蛍光性化合物を形成する原子団であり、原子団Aに結合する原子団 B−SO3− は1つでも複数でも良く、Bは、1個または複数の電子吸引基で置換された環であり、前記電子吸引基は、ハロゲン、カルボキシル基、カルバモイル基、直鎖もしくは分枝アルキルカルバモイル基、直鎖もしくは分枝アルカノイル基、直鎖もしくは分枝アルコキシカルボニル基、直鎖もしくは分枝ハロゲン化アルキル基、および −NR3 +基(3個のRはそれぞれ水素原子または直鎖もしくは分枝アルキル基であり、同一でも異なっていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つを含み、Bは、複数存在する場合は同一でも異なっていても良い。
  2. 前記式(I)中の原子団Bが、1個または複数の電子吸引基で置換された芳香環または複素芳香環である請求項1に記載のスルホン酸エステル化合物。
  3. 前記式(I)中の原子団Bにおいて、前記電子吸引基が、ハロゲン、カルボキシル基、カルバモイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキルカルバモイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルカノイル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルコキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝ハロゲン化アルキル基、および −NR3 +基(3個のRはそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキル基であり、同一でも異なっていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項1または2に記載のスルホン酸エステル化合物。
  4. 前記式(I)中の原子団Bにおいて、前記電子吸引基が、フルオロ基、トリフルオロメチル基および −N+(CH3)3基からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物。
  5. 前記式(I)中の原子団Bにおいて、前記環が、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ベンゾピリジン環、ベンゾピロール環、ベンゾチオフェン環、およびベンゾフラン環からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜4のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物。
  6. 前記式(I)において、原子団Bが、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基および2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物。
  7. 前記式(I)中の原子団A−Oにおいて、O原子が芳香環または複素芳香環に直接結合している請求項1〜6のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物。
  8. 前記原子団A−Oとスルホニル基との共有結合を切断することにより形成される蛍光性化合物が、フルオレセイン、レゾルフィン、7−ヒドロキシクマリン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−ヒドロキシアントラセン、2−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン、1−ヒドロキシアクリジン、2−ヒドロキシアクリジン、9−ヒドロキシアクリジン、2−ヒドロキシキノロン、4−ヒドロキシキノロン、5−ヒドロキシキノロン、6−ヒドロキシキノロン、8−ヒドロキシキノロン、4−ヒドロキシ−7−ニトロ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、またはそれらの誘導体である請求項1〜6のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物。
  9. 前記原子団A−Oとスルホニル基との共有結合を切断することにより形成される蛍光性化合物が、フルオレセイン、2,7−ジクロロフルオレセイン、2,7−ジフルオロフルオレセイン、4,5−ジフルオロフルオレセイン、2,4,5,7−テトラフルオロフルオレセイン、2,7−ジメチルフルオレセイン、4,5−ジメチルフルオレセイン、2,4,5,7−テトラメチルフルオレセイン、2,7−ジイソプロピルフルオレセイン、2,7−ジ−t−ブチルフルオレセイン、2,7−ジメトキシフルオレセイン、2,4−ジフルオロ−5,7−ジメチルフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、カルボキシ−2,7−ジクロロフルオレセイン、カルボキシ−2,4,5,7−テトラクロロフルオレセイン、カルボキシ−2,7−ジフルオロフルオレセイン、カルボキシ−2,4,5,7−テトラフルオロフルオレセイン、レゾルフィン、2,8−ジクロロレゾルフィン、7−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、または7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンである請求項8に記載のスルホン酸エステル化合物。
  10. 下記式1、2、4または5のいずれかで表される請求項1に記載のスルホン酸エステル化合物。
    Figure 2005047898
    式1および2中、X1〜X4は、それぞれ水素原子またはハロゲンであり、同一でも異なっていても良い。
  11. 下記式(II)の化合物と下記式(III)の化合物とを化合させる工程を含む、請求項1〜10のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物の製造方法。
    Figure 2005047898
    式(III)中、X5はハロゲンであり、AおよびBは前記式(I)と同じである。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物を含む蛍光プローブ。
  13. 過酸化水素検出に用いる、請求項12に記載の蛍光プローブ。
  14. バイオイメージングに用いる、請求項12または13に記載の蛍光プローブ。
  15. 請求項14に記載の蛍光プローブを含むバイオイメージング用キット。
  16. ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法、抗原抗体反応を用いたアッセイ方法、カタラーゼ定量方法、機能性食品または医薬の過酸化水素消去能測定方法、および臨床分析方法からなる群から選択される少なくとも一つの方法に使用する、請求項13に記載の蛍光プローブ。
  17. 標識された抗体であって、前記標識が請求項13に記載の蛍光プローブである抗体。
  18. 請求項13に記載の蛍光プローブまたは請求項17に記載の抗体と、前記支持体とを含む、ブロッティング(転写)を用いたアッセイ方法に使用するキット。
  19. 請求項13に記載の蛍光プローブとグルコースオキシダーゼ標識抗体とを含む、アッセイ用キット。
  20. 請求項17に記載の抗体を含むアッセイ用キット。
  21. 請求項13に記載の蛍光プローブを含む、ヒトまたは動物の体液中のカタラーゼ濃度を測定するためのキットであり、前記カタラーゼ濃度測定においては、請求項13に記載の蛍光プローブを過酸化水素と反応させた後の蛍光応答を、前記反応をヒトもしくは動物の体液またはその体液から抽出した試料の存在下で行なった場合と非存在下で行なった場合とで比較することにより、カタラーゼを定量するキット。
  22. 請求項1〜10のいずれかに記載のスルホン酸エステル化合物を含む臨床分析用試薬。
  23. 請求項22に記載の臨床分析用試薬を含む臨床分析用キット。
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