JP2020117638A - キサンテン化合物、該化合物を含有する着色組成物、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルター - Google Patents

キサンテン化合物、該化合物を含有する着色組成物、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルター Download PDF

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Abstract

【課題】キサンテン化合物、該化合物を含有する着色組成物、該着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤および該着色剤を用いたカラーフィルターを提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表されるキサンテン化合物。[式中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基を表し、隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。R5、R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子などを表す。R7は、アルキル基、アルコキシ基などを表す。Xは無機または有機アニオンを表し、aは1〜4の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし一般式(1)は全体として電荷的に中性であるものとする。]【選択図】なし

Description

本発明は、キサンテン化合物、該化合物を含有する着色組成物、該着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤および該着色剤を用いたカラーフィルターに関する。
液晶ディスプレイや電界発光(EL)表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラスや透明樹脂などの透光性基板上に、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法などにより着色層を積層することによって製造される。着色層に用いる着色剤は、顔料と染料とに大きく分けられるが、耐熱性および耐光性に優れるとされる顔料が一般的に用いられている(例えば特許文献1〜3)。しかし、顔料を用いたカラーフィルターは、フィルター内の顔料粒子表面で透過光が反射・散乱することによる消偏作用があるためにカラー表示装置のコントラスト比が低下することが知られている。
このようなコントラスト比の低下の問題を改善するため、着色剤としてキサンテン化合物からなる染料を用い、染料のみを用いる方法または染料と顔料を併用する方法などが提案されている(例えば特許文献4〜8)。染料は溶剤に可溶であるため、染料を使用したカラーフィルターは、顔料のみを着色剤として使用した場合に比べ消偏作用が抑えられ、分光特性に優れている。しかしながら、カラーフィルター用着色剤として多くの改良が加えられているが、色域拡大や高着色力などの点で十分満足する性能が得られておらず、新規のキサンテン化合物の創出が望まれている。
従来、キサンテン化合物の染料として、下記式(D−1)で表されるスルホン酸基を有するC.I.Acid Red 52や、下記式(D−2)で表されるカルボン酸基を有するC.I.Basic Violet 10が知られており、これらの染料を用いた着色組成物やカラーフィルター用着色剤が多く提案されている。しかしながら、これらの置換基の代わりに、例えば、スルホニルオキシ基などが導入されたキサンテン化合物を用いたカラーフィルター用着色剤の報告例はほとんどない。このスルホニル基に種々の置換基を結合させることにより多様な染料を合成することができ、用途や性能の範囲をさらに広げることが可能である。ここで、C.I.とはカラーインデックスを意味する。
Figure 2020117638
特開2001−220520号公報 特公表2007−533802号公報 特開2012−12498号公報 特開2002−265834号公報 特開2012−207224号公報 特開2010−254964号公報 特開2014−12814号公報 特開2014−59538号公報
本発明は、多様な用途に適した特性(色特性、溶解性、耐熱性など)を有する新規のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物を提供することを目的とする。また、該着色組成物を含有し、良好な色特性(色域、輝度、コントラスト比など)を有するカラーフィルター用着色剤および該着色剤を用いたカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果得られたものであり、以下を要旨とする。
1.下記一般式(1)で表されるキサンテン化合物。
Figure 2020117638
[式中、R〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
または、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、
隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。
は、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基もしくはシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数0〜20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基、または、
置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基を表す。
Xは無機アニオンまたは有機アニオンを表し、
aは1〜4の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。
ただし、一般式(1)は全体として電荷的に中性であるものとする。]
2.前記一般式(1)において、R〜Rが、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であるキサンテン化合物。
3.前記一般式(1)において、RおよびRが置換基を有していてもよいフェニル基であるキサンテン化合物。
4.前記一般式(1)において、RおよびRが、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基である記載のキサンテン化合物。
5.前記一般式(1)において、Rが、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアミノ基であるキサンテン化合物。
6.前記一般式(1)において、Xがハロゲン化物イオン、または、スルホン酸基もしくはカルボン酸基を有する有機アニオンであるキサンテン化合物。
7.前記キサンテン化合物を含有する着色組成物。
8.前記着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤。
9.前記カラーフィルター用着色剤を用いたカラーフィルター。
本発明に係るキサンテン化合物は、優れた耐熱性や溶解性を有しており、該化合物を含有する着色組成物は、発色性(色域、輝度、コントラスト比など)に優れたカラーフィルター用着色剤として有用である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明要旨の範囲の様々な形態で実施することができる。
一般式(1)で表されるキサンテン化合物は、下記一般式(2)で表される化合物と、「X」で表される有機アニオンまたは無機アニオンと、から構成されており、錯体を形成することができる。一般式(1)において、「a」は前記一般式(2)で表される化合物の数を表し、「b」は前記Xの数を表す。ただし、一般式(1)において、aまたはbは、全体として電荷的に中性となるように選択される。aは1〜4の整数を表し、1または2が好ましい。bは0〜4の整数を表し、0〜3の整数が好ましい。なお、b=0の場合は、適当な置換基を有することにより、下記一般式(2)単独で電荷的に中性となることができる。
Figure 2020117638
[式中、R〜Rは、一般式(1)における定義と同じである。]
一般式(1)において、R〜RまたはRで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」は、具体的に、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの直鎖状のアルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルペンチル基、イソオクチル基などの分岐状のアルキル基などがあげられる。
一般式(1)において、R〜RまたはRで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基における「炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」は、具体的に、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、フルオレニル基、トリフェニレル基、ペリレニル基、フェニルオキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基などの芳香族炭化水素基(縮合多環芳香族基もしくはアリール基、アリールオキシ基を含むものとする。)などがあげられる。
一般式(1)において、R〜Rで表される
「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」または
「置換基を有する炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」における「置換基」は、
具体的に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
水酸基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基(無置換アミノ基);
―COO、―COOHもしくは―COOMで表されるカルボン酸基、
―SO 、―SOHもしくは―SOMで表されるスルホン酸基(ただし、Mは、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などのアルカリ金属原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子などのアルカリ土類金属原子を表す。);
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの炭素原子数3〜20のシクロアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基;
シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、アクリルル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、フェニルアセチル基などの炭素原子数1〜20のアシル基、
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基などの炭素原子数1〜20のアミノ基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、テトラセニル基、トリフェニレニル基、インデニル基、フルオレニル基、フェニルオキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基などの炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基(縮合多環芳香族基、アリール基もしくはアリールオキシ基を含むものとする。);
ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチリジニル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、カルバゾニル基、カルボリニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基などの炭素原子数2〜20の複素環基、などをあげることができる。これらの「置換基」は、1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。なお、上記R〜Rにおける「置換基」が炭素原子を含む場合、その炭素原子は、R〜R中のそれぞれの「炭素原子数」の最大値である「20」に算入される。また、これらの置換基同士が単結合、二重結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)において、RおよびRで表される「ハロゲン原子」または「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」は、具体的に、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、などの直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルペンチル基などの分岐状のアルキル基などがあげられる。
一般式(1)において、RおよびRで表される「置換基を有する炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「置換基」は、
上記一般式(1)においてR〜Rで表される
「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」または
「置換基を有する炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」における「置換基」としてあげたものと同様のものがあげられる。これらの「置換基」は、1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。なお、上記RおよびRにおける「置換基」が炭素原子を含む場合、その炭素原子は、RおよびR中のそれぞれの「炭素原子数」の最大値である「6」に算入される。また、これらの置換基同士が単結合、二重結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」における「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」は、具体的に、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などの直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの分岐状のアルコキシ基;などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基もしくはシクロアルコキシ基」における「炭素原子数3〜20のシクロアルキル基もしくはシクロアルコキシ基」は、具体的に、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基;
シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基、などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、またはこれらのアルケニル基が複数結合した直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアシル基」における「炭素原子数1〜20のアシル基」は、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオノイル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、アクリリル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘプタノイル基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、フェニルアセチル基、ナフタノイル基、などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数0〜20のアミノ基」における「炭素原子数0〜20のアミノ基」としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ペンタニルアミノ基、プロペニルアミノ基、ブテニルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基」における「炭素原子数2〜20の複素環基」は、具体的に、
ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチリジニル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、カルバゾニル基、カルボリニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基などの複素環基(複素芳香族炭化水素基)などがあげられる。
一般式(1)において、Rで表される
「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、
「置換基を有する炭素原子数1〜20のアルコキシ基」、
「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基もしくはシクロアルコキシ基」、
「置換基を有する炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、
「置換基を有する炭素原子数1〜20のアシル基」、
「置換基を有する炭素原子数0〜20のアミノ基」、
「置換基を有する炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」、または
「置換基を有する炭素原子数2〜20の複素環基」における「置換基」は、
〜Rで表される
「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」または
「置換基を有する炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」における「置換基」としてあげたものと同様のものがあげられる。これらの「置換基」は、1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。なお、上記Rにおける「置換基」が炭素原子を含む場合、その炭素原子は、R中の「炭素原子数」の最大値である「20」に算入される。また、これらの置換基同士が単結合、二重結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)において、R〜Rは、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であるか、または、RおよびRが、置換基を有していてもよい置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であるか、または、RおよびRが、置換基を有していてもよいフェニル基であることがより好ましい。
一般式(1)において、R〜Rの組み合わせは、同一でも異なっていてもよい。また、RとR、RとRにおける隣り合う基は、互いに結合して環を形成していてもよく、それらの環は単結合、または、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子のいずれかの原子を介した結合によって環を形成していてもよい。その場合に形成される環は、5員環または6員環が好ましい。
一般式(1)において、RおよびRは、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基が好ましく、ハロゲン原子としては、塩素原子または臭素原子が好ましい。
一般式(1)において、Rは、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアミノ基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアミノ基がより好ましい。
一般式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば、下記反応式(3)に示すような方法で合成することができる。まず、サリチルアルデヒドと、メチルスルホニルクロリドなどの適当な置換基Rを有するスルホニルクロリドとを、トリエチルアミン(TEA)と塩化メチレンの混合溶媒などの適した溶媒中、適温で反応させ、下記反応式(3)において一般式(中間体1)で表される、メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステルを合成する。次に、下記式(中間体1)と、m−(ジアルキルアミノ)フェノールなどの適当な置換基R、RおよびRを有するアミノフェノールとを、p−トルエンスルホン酸(TsOH)や酢酸(CHCOOH)などの適当な酸や触媒の存在下、適温で縮合反応を行い、下記反応式(3)中に表される下記式(中間体2)を合成する。さらに、下記式(中間体2)を、メタノール/クロロホルム混合溶媒などの適した溶媒中、適温でクロラニルなどの酸化剤により酸化を行うことで、前記一般式(1)で表されるスルホニルオキシ基を有するキサンテン化合物として、例えば下記反応式(3)中の、前記化合物(2)と塩素イオンとの錯体の生成物(下記式(A−0))を得ることができる。なお、下記反応式(3)における、R、R、RおよびRは、一般式(1)における定義と同じ定義を有し、この反応では一般式(1)中のRとR、RとR、RとRがそれぞれ同じ場合の例を示している。
Figure 2020117638
一般式(1)で表されるキサンテン化合物の合成において、反応効率向上や安全性の確保のために、反応に不活性な有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、反応基質に対して不活性であれば特に制限されず、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)などを、単独で、または混合して用いることができる。
一般式(1)で表されるキサンテン化合物は、上記の合成過程で得られた生成物を必要に応じて、カラムクロマトグラフィーによる精製;シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製;溶媒による分散洗浄や再結晶、晶析、塩析などの公知の精製を行うことにより、得ることが出来る。これらの精製方法に用いる溶媒は特に限定されず、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類などを単独で、または混合して用いることができる。
一般式(2)で表される化合物として好ましい具体例化合物を用いて、本発明のキサンテン化合物の具体例を下記式(A−1)〜(A−20)に示すが、本発明ではこれらに限定されない。なお、下記の具体例では、化合物中にアニオンとして塩化物イオン「Cl」が含まれる例を示しているが、アニオンは「Cl」に限定されず、他の有機アニオンまたは無機アニオンと錯体を形成することができる。なお、下記構造式では、水素原子を一部省略して記載している。また、立体異性体が存在する場合であっても、その平面構造式を記載している。
Figure 2020117638
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一般式(1)において、「X」で表される「無機アニオン」または「有機アニオン」としては、具体的に、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどハロゲン化物イオン;次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオンなどのオキソ酸イオン;ヒドロキシイオン;シアン化物イオン;
(CN)、(CN)、NC―S、PF 、BF
(C、(CFSO、(CFSO
(CSO、(CSO、(PW12403−
スルホン酸基(―SO )もしくはカルボキシル基(―COO)などの基を有する有機アニオン、があげられる。
一般式(1)で表される「有機アニオン」のうち、「スルホン酸基を有する有機アニオン」または「カルボン酸基を有する有機アニオン」における「スルホン酸基」または「カルボン酸基」に結合する「基」を「R」と表す場合、「R―SO 」または「R―COO」におけるRとしては、具体的に、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜24の芳香族炭化水素基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2〜18の複素環基などがあげられ、これらの「基」は、具体的に、前記一般式(1)におけるRで表される、
「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、
「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基」、
「置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基」としてあげたものと同様のものがあげられる。また、これらの「基」における「置換基」としては、具体的に、
―SO 、―SOH、―COOH、―COO、―O―、―S―、または、前記一般式(1)におけるRで表される「基」における「置換基」と同様のものがあげられる。
これらの「置換基」は1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。なお、「置換基」が炭素原子を含む場合、その炭素原子は、上記の「炭素原子数1〜18」、「炭素原子数6〜24」および「炭素原子数2〜18」に算入される。また、これらの置換基同士が単結合、二重結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)において「X」で表される上記の有機アニオンに含まれる化合物の具体例を以下の式(B−1)〜(B−16)に示すが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。なお、下記構造式では、水素原子を一部省略して記載している。また、立体異性体が存在する場合であっても、その平面構造式を記載している。
Figure 2020117638
Figure 2020117638
Figure 2020117638
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Figure 2020117638
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一般式(1)において、「X」が有機アニオンの場合、スルホン酸基を有する有機アニオンが好ましい。また、「X」が無機アニオンの場合、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
本発明の着色組成物において、一般式(1)における一般式(2)で表されるキサンテン化合物は、1種または分子構造の異なる2種以上を組み合わせて使用(例えば混合)してもよい。当該2種以上を使用する際は、キサンテン化合物全体に占める重量濃度比において、最も少ない方の1種のキサンテン系染料の重量濃度比は0.1〜50重量%である。キサンテン系色素の種類は1種または2種が好ましい。また、本発明の着色組成物において、一般式(1)における「X」で表される有機アニオンまたは無機アニオンは、1種または異なる2種以上を組み合わせて使用してもよく、1種または2種が好ましい。
本発明の着色組成物は、カラーフィルター用着色剤としての性能を高めるために、化合物の他の成分として、界面活性剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、各種の溶媒、その他のカラーフィルター用着色剤の製造時に混合する添加剤を添加することができる。これらの成分は、本発明の着色組成物は、添加剤の添加により、固体(もしくは粉末)状、液体状、それらの中間の形態をとることができ、固体であることが好ましい。ただし、着色組成物におけるこれらの添加剤の含有率は適量であることが好ましく、本発明の着色組成物の溶媒中の溶解性を低下させたり、もしくは必要以上に向上させたり、カラーフィルター製造用のその他の添加剤の効果に影響しない範囲の含有率であることが好ましい。これらの添加物は、着色組成物の調製の任意のタイミングで投入することができる。
本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物の粉末の状態として、その形状は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて観察することができる。本発明の着色組成物の形状は、通常、結晶状、微結晶状、微粉末状、フレーク状、針結晶状、顆粒状などの固体の状態で用いられるが、特に限定されない。
本発明の着色組成物の粉末の粒度分布、表面積、細孔径分布、粉体密度など、公知の粉体測定手法により、粉末の形状の詳細な情報が得られる。本発明の着色組成物は、0.1μm〜数mmの粒径の範囲にあるものが好ましいが、製造条件や乾燥後の粉末の回収方法により粒子の形状が変化するため、高い溶解性のためには粒径がより小さいものが好ましく、粒径分布の中央値が、0.1〜100μmの範囲にあるものが好ましい。
本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物の熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA)を行うことによって、その化合物や着色組成物の耐熱性の指標となる分解開始温度を評価することができる。また、分解開始温度に相当する温度として、試料の加熱後に一定割合(%)重量減少した時点の温度を用いて評価しても良い。分解開始温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、360℃以上が特に好ましい。カラーフィルター用着色剤に応用する場合、分解開始温度は高いほど好ましい。
本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物の溶解性は溶解度で表される。溶解度は、粉末状の着色組成物が特定の溶媒中に溶解することのできる最大量の着色組成物中の割合を表すものであり、例えば「重量%(溶媒名,温度)」などの単位で表される。溶解度は、例えば、試料を特定の溶媒に混合し、一定温度で一定時間、溶媒を撹拌し、調製した飽和溶液の濃度を測定することによって得られ、溶解部の液体クロマトグラフィー(LC)や吸光度測定などによる濃度測定によっても得られる。
カラーフィルター用着色剤に含有される着色組成物は、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルターの製造工程において、樹脂などを含有する有機溶媒に良好に溶解または分散させる必要がある。そのため、本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物は、有機溶媒に対する溶解度が高いことが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などのエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのエーテルエステル類;アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジアセトンアルコール(DAA);ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO);クロロホルム、などがあげられる。これらの溶剤は、単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。これらの中でも、本発明に係るキサンテン化合物を含有する着色組成物は、PGMEやPGMEAへの溶解性に優れることが好ましく、PGMEAへの溶解性に優れることが特に好ましい。
本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物の溶解度は、具体的には、例えば23〜27℃の室温において、一定重量の溶媒(例えば、上記のPGMEやPGMEAなどの有機溶媒)に溶け残るまで徐々に粉末を添加して、その溶解濃度を測定する方法で得ることができる。上記有機溶媒への室温における溶解度は少なくとも1重量%以上であることが好ましい。
本発明のキサンテン化合物は、上記のような有機溶媒に溶解して調製した溶液を用いて、室温付近(例えば23〜27℃)で測定する紫外可視吸収スペクトルの可視光領域(例えば、350〜750nmの波長範囲)において最大吸光度を示す極大吸収波長が観測される。本発明のキサンテン化合物の極大吸収波長としては、例えば、550〜610nmの範囲に観測されるものが好ましいが、要求する色調によってはこの範囲に限定されない。測定試料の濃度は、0.005〜0.02mmol/Lが好ましい。溶媒は、キサンテン化合物を溶解するものであれば限定されないが、濃度やpHなどの溶解条件により紫外可視吸収スペクトルの吸収波長が大きくシフトしないものが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。
本発明のキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物の分光特性(透過率、反射率)は、それらの色素をカラーフィルター用着色剤として単独で使用する場合、または、他の色素と混合して使用する場合のどちらでも重要であり、カラーフィルターの色特性に直接影響する。測定方法は、例えば、上記のように、溶液や分散液状態の紫外可視吸収(または透過)スペクトルの測定と同様に、ガラスや透明樹脂基板に塗布した薄膜について、分光測色計などの分光器を用いて紫外可視吸収(または透過)スペクトルを測定し、極大吸収波長などを測定する方法がある。また、粉末に直接に光照射し、粒子表面や粒子表面付近で反射・散乱した光を計測する方法がある。また、実際に塗布した薄膜(塗膜)からカラーフィルターを作製し、加熱や乾燥前後の分光特性として色差を測定することによって、熱分解による色変化の程度からカラーフィルター用着色剤としての耐熱性を評価することができる。
本発明のカラーフィルター用着色剤は、一般式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する着色組成物と、カラーフィルターの製造に一般的に使用される成分とを含む。一般的なカラーフィルターは、例えば、フォトリソグラフィー工程の場合、染料や顔料などの色素を樹脂成分(モノマー、オリゴマーを含む)や溶媒と混合して調製した液体を、ガラスや樹脂などの基板の上に塗布し、フォトマスクを用いて光重合させ、溶媒に可溶/不溶な色素−樹脂複合膜の着色パターンを作製し、洗浄後、加熱することにより得られる。また電着法や印刷法においても、色素を樹脂やその他の成分と混合したものを用いて着色パターンを作製する。よって、本発明のカラーフィルター用着色剤における具体的な成分としては、一般式(1)で表されるキサンテン化合物、その他の染料や顔料などの色素、樹脂成分、有機溶媒、および光重合開始剤などその他の添加剤があげられる。また、これらの成分から取捨選択してもよく、必要に応じて他の成分を追加してもよい。
本発明のキサンテン化合物を含有する着色組成物をカラーフィルター用着色剤として用いる場合、各色用カラーフィルターに用いてもよいが、青色または赤色カラーフィルター用着色剤として用いるのが好ましい。
本発明のキサンテン化合物を含有する着色組成物を含むカラーフィルター用着色剤は、キサンテン化合物を単独で使用してもよく、色調の調整のために、他の染料または顔料などの公知の色素を混合してもよい。赤色カラーフィルター用着色剤に用いる場合、特に限定されないが、C.I.ピグメントレッド177、209、242、254、255、264、269、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71などの赤色系顔料もしくはその他の赤色系レーキ顔料;C.I.アシッドレッド88、C.I.ベーシックバイオレット10などの赤色染料;C.I.ピグメントイエロー83、138、139、150などの黄色顔料などがあげられる。青色カラーフィルター用着色剤に用いる場合、特に限定されないが、C.I.ベーシックブルー3、7、9、54、65、75、77、99、129などの塩基性染料;C.I.アシッドブルー9、74などの酸性染料;ディスパースブルー3、7、377などの分散染料;スピロン染料;シアニン系、インディゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、メチン系、トリアリールメタン系、インダンスレン系、オキサジン系、ジオキサジン系、アゾ系、本発明に属さないキサンテン系;その他の青色系レーキ顔料、などの青色系の染料または顔料があげられる。
本発明のキサンテン化合物を含有する着色組成物を含むカラーフィルター用着色剤における他の色素の混合比は、キサンテン化合物(2種以上の場合にはそれらの合計)に対して、5〜2000重量%が好ましく、10〜1000重量%がより好ましい。液状のカラーフィルター用着色剤中における染料などの色素成分の混合比は、着色剤全体に対して、0.5〜70重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色剤における樹脂成分としては、これらを使用して形成されるカラーフィルター樹脂膜の製造方式や使用時に必要な性質を有するものであれば、公知のものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、フェノール(ノボラック)樹脂、その他の透明樹脂、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂があげられ、これらのモノマーまたはオリゴマー成分とを適当に組み合わせて使用できる。また、これらの樹脂の共重合体を組み合わせて使用できる。これらのカラーフィルター用着色剤における樹脂の含有量は、液状の着色剤の場合、5〜95重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色剤におけるその他の添加剤は、光重合開始剤や架橋剤などの樹脂の重合や硬化に必要な成分があげられ、また、液状のカラーフィルター用着色剤中の成分の性質を安定させるために必要な界面活性剤や分散剤などがあげられる。これらはいずれも、カラーフィルター製造用の公知のものを使用することができ、特に限定されない。カラーフィルター用着色剤の固形分全体におけるこれらの添加剤の総量の混合比は、5〜60重量%であるのが好ましく、10〜40重量%であるのがより好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。なお、合成実施例で得られた化合物の同定は、H−NMR分析(ブルカー社製核磁気共鳴装置、型番:Magnet System 300MHz/54mm UltraShield)により行い、測定結果を下記合成実施例中に示す。
[合成実施例1] 化合物(A−1)の合成
窒素気流下で100mL容器にサリチルアルデヒド8.00g(65.5mmol)、トリエチルアミン(TEA)7.95g(78.6mmol)、塩化メチレン80.0mLを入れ、撹拌し、5℃に冷却し、溶液にメチルスルホニルクロリド12.0g(105mmol)を45分間かけて滴下した。滴下後、室温(25℃)まで昇温し3時間撹拌した。反応液をろ過し、固体をろ別した後、ろ液を飽和食塩水で洗浄した。有機層を抽出し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、下記式(中間体3)で表される化合物を黄色オイルとして得た(14.6g,収率111.6%)(下記反応式(4))。
Figure 2020117638
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ(ppm)=10.25(1H)、7.94−7.91(1H)、7.86−7.80(1H)、7.61−7.55(1H)、3.59(3H)。
窒素気流下で100mL容器に上記式(中間体3)5.00g(25.0mmol)、N,N−ジブチル−3−アミノフェノール11.1g(50.0mmol)、p−トルエンスルホン酸(TsOH)一水和物0.71g(3.75mmol)、酢酸50.0mLを入れ、70℃で4.5時間撹拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却し、塩化メチレンを100mL加えた。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、ヘプタンを加え晶析し、固体をろ取した。固体を60℃で減圧乾燥し、下記式(中間体4)で表される化合物を薄赤色固体として得た(10.6g,収率68.0%)(下記反応式(5))。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=7.40−7.14(4H)、6.58−6.55(2H)、6.19−6.14(4H)、6.59(1H)、5.18(2H)、3.24−3.19(8H)、3.10(3H)、1.61−1.51(4H)、1.40−1.28(4H)、0.98−0.93(12H)。
Figure 2020117638
100mL容器に上記式(中間体4)3.00g(4.80mmol)、クロラニル1.77g(7.20mmol)、メタノール30.0mL、クロロホルム30.0mLを入れ、室温(25℃)で17時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル150g、溶媒:塩化メチレン→塩化メチレン/メタノール=9/1(体積比))で精製した。精製後、濃縮・乾固し、ヘプタンで分散洗浄し、固体をろ取した。固体を60℃で減圧乾燥し、下記式(A−1)で表される、塩化物イオンとの錯体を茶色固体として得た(0.21g,収率7.2%)。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ(ppm)=7.85−7.55(4H)、7.14(4H)、6.98(2H)、3.60(8H)、3.24(3H)、1.61(4H)、1.40(4H)、0.96−0.92(12H)。
Figure 2020117638
[合成実施例2] 化合物(A−2)の合成
窒素気流下で100mLコルベン容器に窒素気流下でサリチルアルデヒド8.00g(65.5mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン56.0mLを入れ、撹拌しながら80℃で加熱し、溶液にジメチルスルファモイルクロリド9.41g(65.5mmol)を15分間かけて滴下した。滴下後、90℃で加熱し、1.5時間撹拌した。反応液をろ過し、固体をろ別した後、ろ液を2mol/L塩酸水溶液で洗浄した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、下記式(中間体5)で表される化合物を茶色オイルとして得た(14.1g,収率93.7%)。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ(ppm)=10.28(1H)、7.92−7.89(1H)、7.85−7,79(1H)、7.57−7.52(2H)、3.01(6H)。
Figure 2020117638
窒素気流下で100mL容器に上記式(中間体5)5.00g(25.0mmol)、N,N−ジブチル−3−アミノフェノール9.65g(50.0mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.71g(43.6mmol)、酢酸50.0mLを入れ、70℃で6時間撹拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却し、塩化メチレンを100mL加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、ヘプタンを加え晶析し、固体をろ取した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル250g、溶媒:塩化メチレン→塩化メチレン/酢酸エチル=9/1)で精製した。精製後、濃縮・乾固し、ヘプタンで分散洗浄し、固体をろ取した。固体を60℃で減圧乾燥し、下記式(中間体6)で表される化合物を薄紫色固体として得た(8.63g,収率60.5%)。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=7.45−7.21(3H)、7.11−7.08(1H)、6.53−6.50(2H)、6.21−6.20(2H)、6.17−6.13(2H)、5.88(1H)、5.29(2H)、3.24−3.19(8H)、2.98(6H)、1.62−1.51(8H)、1.40−1.28(8H)、0.98−0.93(12H)。
Figure 2020117638
100mL容器に上記式(中間体6)8.60g(13.2mmol)、90%硫酸43mLを入れ、60℃で19時間撹拌した。反応液を氷水200mLに注加し、析出した固体をろ取した。固体を塩化メチレン90mLで分散洗浄し、固体をろ取した。100mL容器に、得られた固体と、メタノール68mL、塩化鉄(III)8.53gを入れ、60℃で14時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル250g、溶媒:塩化メチレン→塩化メチレン/アセトン=1/1)で精製した。精製後、濃縮・乾固し、水で洗浄し、固体をろ取した。固体を80℃で減圧乾燥し、下記式(A−2)で表される、塩化物イオンとの錯体を茶色固体として得た(1.35g,収率15.3%)。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=8.73(1H)、7.82(2H)、7.15(2H)、6.85(2H)、3.6(8H)、3.4(6H)、1.6(8H)、1.3(8H)、0.9(12H)。
Figure 2020117638
[実施例1]
キサンテン化合物として、合成実施例1で得られた化合物(A−1)をPGME溶媒に溶解し、濃度0.02mmol/Lの溶液を調製し、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、型番:V−650)を用い、室温(25℃)にて紫外可視吸収スペクトル(300〜750nmの波長範囲)を測定し、測定波長範囲における極大吸収波長およびモル吸光係数を測定した。次に、熱重量測定−示差熱分析装置(株式会社マック・サイエンス製、型番:TG−DTA 2000S)を用いて、窒素気流下において、TG−DTA測定(試料重量:約5mg(3.5〜6.5mgの範囲)、昇温速度:20℃/分)を行い、5%重量減少温度を測定した。また、上記同様の溶液を用いて、室温(25℃)におけるPGMEAおよびPGME溶媒への溶解度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
キサンテン化合物として、合成実施例2で得られた化合物(A−2)について、実施例1と同様に、紫外可視吸収スペクトル測定、5%重量減少温度および溶解度を測定した。結果を表1にまとめて示す。
[比較例1]
比較のために、実施例1の化合物(A−1)を、本発明に属さない色素である、下記化合物(C−1)に変えて、実施例と同様の測定を行った。結果を表1にまとめて示す。
Figure 2020117638
Figure 2020117638
表1に示すように、本発明のキサンテン化合物は、カラーフィルター用着色剤に使用される溶媒に良好に溶解することができる。本発明に係るスルホニルオキシ基を有するキサンテン化合物は、比較例のようなスルホンアミド基を有する色素化合物と類似するスペクトルを有している。また、本発明のキサンテン化合物は、比較例化合物に対して、5%重量減少温度が高く、優れた耐熱性を有している。
本発明に係るキサンテン化合物および該化合物を含有する着色組成物は、耐熱性や溶解性に優れたカラーフィルター用着色剤として有用であり、色特性(色域、輝度、コントラスト比など)に優れたカラーフィルターの作製に好適である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるキサンテン化合物。
    Figure 2020117638
    [式中、R〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    または、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、
    隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。
    は、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基もしくはシクロアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアシル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数0〜20のアミノ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基、または、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基を表す。
    Xは無機アニオンまたは有機アニオンを表し、
    aは1〜4の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。
    ただし、一般式(1)は全体として電荷的に中性であるものとする。]
  2. 前記一般式(1)において、R〜Rが、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である、請求項1に記載のキサンテン化合物。
  3. 前記一般式(1)において、RおよびRが、置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項1に記載のキサンテン化合物。
  4. 前記一般式(1)において、RおよびRが、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物。
  5. 前記一般式(1)において、Rが、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアミノ基である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のキサンテン化合物。
  6. 前記一般式(1)において、Xがハロゲン化物イオン、または、スルホン酸基もしくはカルボン酸基を有する有機アニオンである、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のキサンテン化合物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のキサンテン化合物を含有する着色組成物。
  8. 請求項7に記載の着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤。
  9. 請求項8に記載のカラーフィルター用着色剤を用いたカラーフィルター。
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