JP6710676B2 - キサンテン系染料を含有する青色系着色組成物、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルター - Google Patents

キサンテン系染料を含有する青色系着色組成物、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルター Download PDF

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Description

本発明は、キサンテン系染料を含有する青色系着色組成物、該組成物を含有するカラーフィルター用着色剤および該着色剤を用いたカラーフィルターに関する。
液晶や電界発光(EL)表示装置に、カラーフィルターが用いられることがある。カラーフィルターは、ガラスなどの透光性基板上に、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法などにより着色層を積層することによって製造される。着色層に用いる着色剤は、顔料と染料とに大きく分けられるが、一般的に耐熱性、耐光性に優れるとされる顔料が広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、顔料を用いたカラーフィルターは、フィルター中の顔料粒子表面で透過光が反射することによる消偏作用があるために、カラー液晶表示装置の表示コントラスト比が劣化することが知られている。また、顔料は一般的に溶剤に不溶なため、微粒子状にして樹脂などの分散液中に分散させる必要があるが、該微粒子が光散乱を起こし、透明性や色純度の向上に問題があった。
これらの問題を改善するため、着色剤として染料のみを用いる方法や、染料と顔料を併用する方法が提案されている。染料は溶剤に可溶なため、染料を使用したカラーフィルターは、顔料を使用した着色剤として用いた場合と比較して消偏作用が抑えられ、分光特性に優れている。カラーフィルターに用いる染料としては、優れた発色性を有する点からトリアリールメタン系色素が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。しかしながら、トリアリールメタン系色素は、発色性が良好であるものの、耐熱性が不十分であり、さらなる耐熱性の向上が望まれている。
一方、C.I.アシッドレッド289などのキサンテン骨格を有する染料は、耐熱性に優れ、カラーフィルター用の着色剤として期待されている(例えば、特許文献5参照)。なお、C.I.とはカラーインデックスを意味する。
日本国特公表2007−533802号公報 日本国特開2011−252044号公報 日本国特開2008−304766号公報 日本国特開2003−246935号公報 日本国特開2013−205833号公報 日本国特開2011−148973号公報
しかしながら、これらの染料を青色系カラーフィルター用着色剤として使用する場合、青色系の顔料と併用し、発色性を改善するために使用する場合が一般的であり、発色性と耐熱性の両方を兼ね備えた青色系キサンテン系染料の開発が課題として残されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、青色を呈し、かつ耐熱性に優れたキサンテン系染料を含む着色組成物および該着色組成物を含むカラーフィルター用着色剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該カラーフィルター用着色剤を用いたカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために鋭意研究した結果得られたものであり、以下を要旨とするものである。
1.下記一般式(1)で表されるキサンテン系染料を含有する青色系着色組成物。
Figure 0006710676
式中、R〜Rは同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基を表し、
〜R16は同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基を表し、
17〜R21は同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基を表し、
とRは互いに結合し、環を形成していてもよい。
とRは互いに結合し、環を形成していてもよい。
〜R12は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
13〜R16は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
17〜R21は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
ここで、R〜R21のうち少なくとも1個は―SO であるものとする。
Mは、水素原子、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表し、
xは0〜3の整数を表し、yは1または2の整数を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、全体として電荷的に中性であるものとする。
2.前記一般式(1)において、R17〜R21のいずれか1個または2個が―SO である、前記1に記載の青色系着色組成物。
3.前記一般式(1)において、R17が―SO である、前記1または2に記載の青色系着色組成物。
4.前記一般式(1)において、R19が―SO である、前記1または2に記載の青色系着色組成物。
5.前記一般式(1)において、R17およびR19がいずれも―SO である、前記1または2に記載の青色系着色組成物。
6.前記一般式(1)において、RとRが互いに結合し、環を形成しており、かつRとRが互いに結合し、環を形成している、前記1または2に記載の青色系着色組成物。
7.該環が、飽和環である、前記6に記載の青色系着色組成物。
8.前記1〜7のいずれかに記載の青色系着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤。
9.前記8に記載のカラーフィルター用着色剤を用いたカラーフィルター。
本発明に係るキサンテン系染料は、それ自体が青色を呈し、かつ高い耐熱性と有機溶媒への優れた溶解性を有するため、青色系着色組成物、特に青色カラーフィルターに用いる着色剤として有用である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。まず、前記一般式(1)で表されるキサンテン系染料について説明する。
一般式(1)において、R〜R21で表される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などをあげることができる。「ハロゲン原子」としては、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
一般式(1)において、R〜R16で表される、「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」における「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」または「炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などの直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの分岐状のアルコキシ基;シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルコキシ基などをあげることができる。
一般式(1)において、R〜R16で表される、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」または「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」における「置換基」としては、具体的に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの炭素原子数3〜10のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などの炭素原子数1〜10の直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの炭素原子数1〜10の分岐状のアルコキシ基;シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素原子数3〜10のシクロアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素基もしくは炭素原子数6〜18の縮合多環芳香族基などをあげることができる。これらの「置換基」は1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。
一般式(1)において、R17〜R21で表される、「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」、「炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」または「炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などの直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの分岐状のアルコキシ基;シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルコキシ基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基などの直鎖状のアルケニル基;イソプロペニル基、イソブテニル基などの分岐状のアルケニル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R17〜R21で表される、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」、「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」または「置換基を有する炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの炭素原子数3〜10のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などの炭素原子数1〜10の直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソオクチルオキシ基などの炭素原子数1〜10の分岐状のアルコキシ基;シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素原子数3〜10のシクロアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素基もしくは炭素原子数6〜18の縮合多環芳香族基などをあげることができる。これらの「置換基」は1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに、前記例示した置換基を有していてもよい。
一般式(1)において、RとR同士、もしくはRとR同士は、単結合、もしくは置換基を有していてもよいメチレン基を介して互いに結合し、環を形成していてもよい。R〜R12内、もしくはR13〜R16内では、隣り合う基同士で、単結合、もしくは置換基を有していてもよいメチレン基を介して互いに結合し、環を形成していてもよい。また、R17〜R21内では、隣り合う基同士で、単結合、もしくは置換基を有していてもよいメチレン基を介して互いに結合し、環を形成していてもよい。また、これらの「置換基を有してもよいメチレン基」における「置換基」としては、R〜R16で表される、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」または「置換基を有する炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も同様のものがあげられる。
一般式(1)において、R〜Rとしては、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましく、水素原子または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基がより好ましく、水素原子または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基がさらに好ましく、水素原子または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基がより好ましい。
一般式(1)において、RとR同士、もしくはRとR同士は、互いに結合し、環を形成していてもよく、その場合に形成される環としては、5員環または6員環が好ましく、6員環がより好ましい。また、これらの環は、飽和環であることが好ましい。RとR同士、およびRとR同士は、両方の組が環を形成していてもよく、どちらか一組が環を形成していてもよい。
一般式(1)において、R〜R16としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基がさらに好ましく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基が特に好ましい。
一般式(1)において、R〜R12内、もしくはR13〜R16内では、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよく、その場合に形成される環としては、5員環または6員環が好ましく、6員環がより好ましい。R〜R12内、およびR13〜R16内の両方において環が形成されていてもよく、どちらか一方のみにおいて環が形成されていてもよい。
一般式(1)において、R17〜R21としては、水素原子、ハロゲン原子、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましく、水素原子または―SO がより好ましい。
一般式(1)において、R17〜R21内では、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよく、その場合に形成される環としては、5員環または6員環が好ましく、6員環がより好ましい。
一般式(1)において、R〜R21のうち少なくとも1個は―SO であるものとし、―SO の数の最大値は5であることが好ましく、―SO の数は1〜3個であることが好ましく、1個もしくは2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
一般式(1)において、R17〜R21のいずれか少なくとも一つが―SO であることが好ましく、R17もしくはR19が―SO であることがより好ましく、R17が―SO であることが特に好ましい。R17およびR19の両方が―SO であってもよい。
一般式(1)において、「M」は、水素原子;リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などのアルカリ金属原子;ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子などのアルカリ土類金属原子を表し、水素原子またはアルカリ金属原子であることが好ましい。
一般式(1)において、xは「M」の数を表し、0〜3の整数であるものとし、xは0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
一般式(1)において、yは1または2の整数を表し、1であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、全体として電荷的に中性である。例えば、一般式(1)において、R〜R21のうちいずれか1個のみが―SO である場合は、x=0(Mは存在せず)、y=1となる。また、R〜R21のうちいずれか2個が―SO である場合、Mが水素原子またはアルカリ金属である場合は、x=1、y=1となり、Mがアルカリ土類金属の場合は、x=1、y=2となる。さらに、それぞれのM(水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属)の価数に応じて、xは1〜3のいずれかの値をとり、yは1または2となる。
一般式(1)で表されるキサンテン系染料は、可視光領域の吸収スペクトル測定における最大吸収波長が、500〜700nmの範囲にあることが好ましい。より良好な青色の発色のためには、最大吸収波長が530〜700nmの範囲にあることがより好ましく、560〜700nmの範囲にあることがさらに好ましく、600〜700nmの範囲にあることがさらに好ましく、610〜680nmの範囲にあることが特に好ましい。
一般式(1)で表されるキサンテン系染料は、公知の方法を用いて合成することができる(例えば、特許文献6参照)。例えば、出発原料である下記の一般式(2)に示す3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシド(ジクロロスルホフルオラン)誘導体と、相当する置換基を有するインドリン誘導体とを、N−メチルピロリドン(NMP)などの、原料を溶解する任意の溶媒中、適切な温度条件下で反応させることにより、合成することができる。
Figure 0006710676
上記一般式(2)において、R18〜R21は、一般式(1)における定義と同じ定義を有する。
一般式(1)で表されるキサンテン系染料の合成において、出発原料であるジクロロスルホフルオラン誘導体とインドリン誘導体との仕込みモル比は、ジクロロスルホフルオラン誘導体1モルに対し、インドリン誘導体が2〜20倍モル当量であることが好ましく、3〜10倍モル当量であることがより好ましい。
目的のキサンテン系染料は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーによる精製;シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製;溶媒による分散洗浄や再結晶、晶析などの公知の方法により精製を行うことができる。精製に用いる溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロメタン類;トルエンなどを単独で、または混合して用いることができる。
一般式(1)で表される本発明のキサンテン系染料として好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。なお、下記構造式では、水素原子を一部省略して記載している。また、立体異性体が存在する場合であっても、その平面構造式を記載している。
Figure 0006710676
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Figure 0006710676
本発明に係るキサンテン系染料は、熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA)における分解開始温度が、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。カラーフィルターへの応用を考えた場合、この分解開始温度は高いほど好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色剤は、一般式(1)で表されるキサンテン系染料を含有する青色系着色組成物と、カラーフィルターの製造に一般的に使用される成分とを含む。一般的なカラーフィルターは、例えば、フォトリソグラフィー工程を利用した方法の場合、染料や顔料などの色素を樹脂成分(モノマー、オリゴマーを含む)や溶媒と混合して作製した液体を、ガラスや樹脂などの基板の上に塗布し、フォトマスクを用いて光重合させ、溶媒に可溶/不溶な色素−樹脂複合膜の着色パターンを作製し、洗浄後、加熱することにより得られる。また電着法や印刷法においても、色素を樹脂やその他の成分と混合したものを用いて着色パターンを作製する。従って、本発明のカラーフィルター用着色剤における具体的な成分としては、一般式(1)で表されるキサンテン系染料、その他の染料や顔料などの色素、樹脂成分、有機溶媒、および光重合開始剤などその他の添加剤があげられる。また、これらの成分から取捨選択したり、必要に応じて他の成分を追加してもよい。
カラーフィルター用着色剤に含有される着色組成物は、カラーフィルター用着色剤およびカラーフィルターの製造工程において、樹脂などを含有する有機溶媒に溶解または良好に分散させる必要があるため、有機溶媒に対する溶解度が高いことが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などのエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのエーテルエステル類;アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などがあげられる。これらの溶剤は、単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
カラーフィルターの製造において一般的に用いられる有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)があるが、本発明に係るキサンテン系染料のPGMEに対する溶解度は、0.5重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、1.2重量%以上であることがさらに好ましく、1.4重量%以上であることが特に好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色剤は、一般式(1)で表されるキサンテン系染料を単独で使用してもよく、また、色調の調整のために、2種以上を混合して使用してもよい。また、その他の公知の色素を混合して使用することもできる。その他の色素としては、特に限定されないが、青色を示すために、C.I.Basic Blue 3、7、9、54、65、75、77、99、129などの塩基性染料;C.I.Acid Blue 9、74などの酸性染料;Disperse Blue 3、7、377等の分散染料;HC Blue 2、7、11、12、14、15、16、17等のHC染料;スピロン染料;シアニン系、インディゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、メチン系、トリアリールメタン系、インダンスレン系、オキサジン系、ジオキサジン系、アゾ系、本発明に属さないキサンテン系、などの青色系の染料または顔料などがあげられるが、高い溶解性のためには青色系染料であるのが好ましい。キサンテン系染料に対する他の色素の混合比は、5〜2000重量%であるのが好ましく、10〜1000重量%とするのがより好ましい。液状のカラーフィルター用着色剤中における染料などの色素成分の混合比は、着色剤中全体に対して0.5〜70重量%であるのが好ましく、1〜50重量%であるのがより好ましい。
樹脂成分としては、これらを使用して形成されるカラーフィルター樹脂膜の製造方式や使用時に必要な性質を有するものであれば、公知のものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、フェノール(ノボラック)樹脂、その他の透明樹脂、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂があげられ、これらのモノマーまたはオリゴマー成分を適宜組み合わせて使用することができる。また、これらの樹脂の共重合体を組み合わせて使用することもできる。これらのカラーフィルター用着色剤における樹脂の含有量は、液状の着色剤の場合、5〜95重量%であるのが好ましく、10〜50重量%であるのがより好ましい。
その他の添加剤としては、光重合開始剤や架橋剤などの樹脂の重合や硬化に必要な成分があげられ、また、液状のカラーフィルター用着色剤中の成分の性質を安定させるために必要な界面活性剤や分散剤などがあげられる。これらはいずれも、カラーフィルターの製造において公知のものを使用することができ、特に限定されない。カラーフィルター用着色剤の固形分全体におけるこれらの添加剤の総量の混合比は、5〜60重量%であるのが好ましく、10〜40重量%であるのがより好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、合成実施例において得られた化合物の同定は、H−NMR分析(日本電子株式会社製核磁気共鳴装置、JNM−ECA−600)により行った。
[合成実施例1](化合物A−1の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン5.00g、インドリン5.88g、NMP50mLを加え、110℃で7時間撹拌した。放冷後、反応液を水600mLに空けて、pHが4になるまで1M塩酸を加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をエタノールで洗浄することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.79g、収率11%)。
化合物A−1についてNMR測定を行い、以下の26個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、DMSO−d):δ(ppm)=8.22(1H)、8.07(1H)、7.66−7.68(3H)、7.56−7.60(3H)、7.50(2H)、7.40(3H)、7.28−7.33(3H)、7.11(2H)、4.30(4H)、3.22(4H)。
[合成実施例2](化合物A−2の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン2.54g、2,3,3−トリメチルインドリン4.05g、NMP25mLを加え、120℃で10時間撹拌した。放冷後、反応液を水350mLに空けて、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/メタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(1.82g、収率44%)。
化合物A−2についてNMR測定を行い、以下の38個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.47−7.63(6H)、7.25−7.36(8H)、7.08−7.24(3H)、4.17(2H)、1.38(6H)、1.27(6H)、1.25(6H)。
[合成実施例3](化合物A−3の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン2.03g、1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロシクロペンタ[b]インドール3.18g、NMP40mLを加え、80℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水400mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/メタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.63g、収率19%)。
化合物A−3についてNMR測定を行い、以下の34個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.06−7.65(17H)、4.68−4.76(2H)、3.92−3.97(2H)、1.91−2.18(8H)、1.71(2H)、1.36(2H)。
[合成実施例4](化合物A−7の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン1.93g、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール3.30g、NMP40mLを加え、80℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水400mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/メタノール=8/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.901g、収率28%)。
化合物A−7についてNMR測定を行い、以下の38個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.64(1H)、7.47−7.54(5H)、7.25−7.30(8H)、7.16(2H)、7.09(1H)、4.48(2H)、3.62(2H)、2.36(2H)、2.19(2H)、1.86−1.91(4H)、1.61−1.68(4H)、1.19−1.29(4H)。
[合成実施例5](化合物A−8の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン0.530g、6−t−ブチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール1.20g、NMP10mLを加え、80℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水100mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/メタノール=9/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.328g、収率32%)。
化合物A−8についてNMR測定を行い、以下の54個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.64(1H)、7.40−7.50(5H)、7.09−7.28(8H)、7.09(1H)、4.47(2H)、3.60(2H)、2.39(2H)、2.16(2H)、1.88−1.92(4H)、1.62−1.68(4H)、1.21−1.38(22H)。
[合成実施例6](化合物A−9の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン0.530g、3−t−ブチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール1.20g、NMP10mLを加え、80℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水100mLに空けて、pHが1.5になるまで1M塩酸を加えた後、塩化ナトリウム10gを加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/エタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.510g、収率49%)。
化合物A−9についてNMR測定を行い、以下の54個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.65(1H)、7.47−7.54(5H)、7.25−7.30(8H)、7.16(2H)、7.09(1H)、4.40(2H)、3.64(2H)、2.20(2H)、1.98(4H)、1.68(4H)、1.43(2H)、1.26(2H)、0.89(18H)。
[合成実施例7](化合物A−10の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン0.302g、6−トリフルオロメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール0.720g、NMP5mLを加え、100℃で5.5時間撹拌した。放冷後、反応液を水50mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加えた後、塩化ナトリウム5gを加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/エタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(0.161g、収率26%)。
化合物A−10についてNMR測定を行い、以下の36個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.46(1H)、7.67(1H)、7.58−7.61(3H)、7.51−7.54(6H)、7.33−7.37(4H)、7.27(1H)、4.54(2H)、3.65(2H)、2.38(2H)、2.24(2H)、1.93(2H)、1.69(4H)、1.22−1.31(6H)。
[合成実施例8](化合物A−11の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン1.00g、6−メトキシ−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール2.00g、NMP15mLを加え、70℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水150mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加えた後、塩化ナトリウム15gを加え、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/エタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(1.32g、収率73%)。
化合物A−11についてNMR測定を行い、以下の42個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.45(1H)、7.62(1H)、7.49(1H)、7.38−7.45(4H)、7.17(4H)、7.08(1H)、6.84(2H)、6.75(2H)、4.45(2H)、3.86(6H)、3.57(2H)、2.31(2H)、2.16(2H)、1.99(2H)、1.85(2H)、1.62(2H)、1.20−1.29(6H)。
[合成実施例9](化合物A−12の合成)
反応容器に、ジクロロスルホフルオラン1.51g、6−クロロ−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−9H−カルバゾール3.10g、NMP20mLを加え、80℃で8時間撹拌した。放冷後、反応液を水200mLに空けて、pHが2になるまで1M塩酸を加え、塩化ナトリウム20gを加えた後、析出した固体をろ取した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/エタノール=10/1(体積比))で精製することによって、目的物を赤紫色粉末として得た(1.62g、収率58%)。
化合物A−12についてNMR測定を行い、以下の36個の水素のシグナルを検出した。H−NMR(600MHz、CDCl):δ(ppm)=8.44(1H)、7.65(1H)、7.50−7.53(3H)、7.45(1H)、7.40(1H)、7.22−7.27(8H)、7.09(1H)、4.48(2H)、3.60(2H)、2.31(2H)、2.20(2H)、1.89(2H)、1.66(4H)、1.22−1.29(6H)。
[実施例1]
合成実施例2で得られたキサンテン系染料A−2について、分光光度計(株式会社日立製作所製、U−3000)を用い、紫外可視吸収スペクトル測定を行った。測定は室温にて行い、溶媒としてPGMEを用いた。得られた紫外可視吸収スペクトルから、可視光領域における最大吸収波長を求めた。
また、熱重量測定−示差熱分析装置(株式会社マック・サイエンス製、TG−DTA 2000S)を用いて、窒素気流下において、TG−DTA測定(試料重量:4±1mg、昇温速度:20℃/分)を行い、分解開始温度を求めた。さらに、室温におけるPGMEへの溶解度を測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
[実施例2〜実施例7]
合成実施例4〜9で得られたキサンテン系染料A−7〜A−12について、実施例1と同様に、紫外可視吸収スペクトル測定、TG−DTA測定およびPGMEへの溶解度測定を行った。結果を表1にまとめて示す。
[比較例1および比較例2]
比較のために、下記構造式(B−1)で表されるC.I.アシッドレッド289(中外化成株式会社製)および下記構造式(B−2)で表されるC.I.ベーシックブルー1(東京化成工業株式会社製)について、実施例1と同様に紫外可視吸収スペクトル測定、TG−DTA測定およびPGMEへの溶解度測定を行った。結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006710676
Figure 0006710676
Figure 0006710676
表1に示すように、本発明の実施例1〜実施例7のキサンテン染料は、最大吸収波長が600〜700nmの範囲内に存在し、青色を呈している。また、分解開始温度が300℃以上であり、十分な耐熱性を有するため、カラーフィルター用着色剤として有用である。また、本発明の実施例1〜実施例7のキサンテン染料は、PGMEへの溶解度もカラーフィルター用着色剤としての実用上問題ない。
一方、比較例1の染料B−1は、実施例で用いた染料と同様、キサンテン骨格を有しており、分解開始温度は300℃以上であるが、最大吸収波長が600〜700nmの範囲外であり、青色ではなく、マゼンタ色を呈している。さらに、比較例2の染料B−2は、最大吸収波長が600〜700nmの範囲内であり青色を呈するものの、分解開始温度が200℃以下と低く、耐熱性が不十分であることがわかった。
以上の結果から、本発明のキサンテン系染料は、青色を呈し、かつ、高い耐熱性を有しており、青色系着色組成物、特に、カラーフィルター用の着色剤として有用である。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年3月24日出願の日本特許出願2015−061028に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係るキサンテン系染料は、それ自体が青色を呈し、耐熱性および有機溶媒への溶解性に優れており、従来の顔料に代わる青色系着色組成物、特にカラーフィルター用青色系着色剤として有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるキサンテン系染料を含有する青色系着色組成物。
    Figure 0006710676
    [式中、R〜Rは同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基を表し、
    〜R16は同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基を表し、
    17〜R21は同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、―SO 、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基を表し、
    とRは互いに結合し、環を形成しており、かつ
    とRは互いに結合し、環を形成している。
    〜R12は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
    13〜R16は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
    17〜R21は、隣り合う基同士で互いに結合し、環を形成していてもよい。
    ここで、R〜R21のうち少なくとも1個は―SO であるものとする。
    Mは、水素原子、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表し、
    xは0〜3の整数を表し、yは1または2の整数を表す。
    ただし、一般式(1)で表される化合物は、全体として電荷的に中性であるものとする。]
  2. 前記一般式(1)において、R17〜R21のいずれか1個または2個が―SO である、請求項1に記載の青色系着色組成物。
  3. 前記一般式(1)において、R17が―SO である、請求項1または請求項2に記載の青色系着色組成物。
  4. 前記一般式(1)において、R19が―SO である、請求項1または請求項2に記載の青色系着色組成物。
  5. 前記一般式(1)において、R17およびR19がいずれも―SO である、請求項1または請求項2に記載の青色系着色組成物。
  6. とRとが互いに結合して形成された環およびRとRとが互いに結合して形成された環のうち少なくとも一つが、飽和環である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の青色系着色組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の青色系着色組成物を含有するカラーフィルター用着色剤
  8. 請求項7に記載のカラーフィルター用着色剤を用いたカラーフィルター。
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