WO2023234094A1 - 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 - Google Patents

光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

光電変換素子(10)と、光電変換素子(10)の光入射側に設けられた光学フィルタ(30)と、光電変換素子(10)と光学フィルタ(30)との間に設けられた中間層(20)と、を有し、光電変換素子(10)は、量子ドット層(13)と、第1の電極(11)と、第2の電極(12)とを有し、光学フィルタ(30)は所定の分光特性を有し、中間層(20)は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、もしくは、パラキシレンポリマーを含むか、または、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10―4g/m/day以下である光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法。

Description

光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法
 本発明は、量子ドット層を有する光電変換素子を備えた光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法に関する。
 数nm~十数nm程度にまで小さくされた物質は、バルク状態とは異なる物性を示すようになる。このような現象は、量子サイズ効果などと呼ばれ、また、このような効果が発現する物質は、量子ドットと呼ばれている。量子ドットは、サイズを変化させることで、そのバンドギャップ(光吸収波長や発光波長)を調整することができる。
 近年、量子ドットについての研究が進められている。例えば、量子ドットを光電変換素子の素材に用いることが検討されている。
 特許文献1には、波長800nm以上の赤外域に極大吸収波長を有する量子ドットを含む量子ドット層を有する光電変換素子上に、赤外線透過フィルタなどの光学フィルタを積層した光センサが記載されている。
国際公開第2020/241535号
 一般的に、赤外線透過フィルタなどの光学フィルタは、光学フィルタ形成用の組成物を支持体上に適用して形成されている。本発明者が、量子ドットを用いた光電変換素子を備えた光検出素子について鋭意検討を進めたところ、量子ドットを用いた光電変換素子上に赤外線透過フィルタなどの光学フィルタを形成した場合、光学フィルタの形成後の光検出素子の暗電流が、光学フィルタの形成前の状態よりも増加し易い傾向にあることが分かった。ここで、暗電流とは光非照射時に流れる電流のことである。光検出素子の暗電流が多いと、信号ノイズ比が小さくなりやすい。
 よって、本発明の目的は、暗電流の抑制された光検出素子を提供することにある。また、本発明の目的は、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法を提供することにある。
 本発明は以下を提供する。
 <1> 光電変換素子と、
 上記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 上記光電変換素子と上記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 上記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、上記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、上記量子ドット層の上記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 上記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、上記量子ドット層の上記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 上記中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、
 光検出素子。
 <2> 光電変換素子と、
 上記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 上記光電変換素子と上記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 上記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、上記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、上記量子ドット層の上記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 上記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、上記量子ドット層の上記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 上記中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である、
 光検出素子。
 <3> 上記量子ドット層の厚みに対する上記中間層の厚みの比が0.01~1である、<1>または<2>に記載の光検出素子。
 <4> 上記中間層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウムおよび酸化ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を、原子層堆積法で製膜した膜を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <5> 上記量子ドット層の厚みに対する上記光学フィルタの厚みの比が0.1~100である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <6> 上記量子ドット層は、波長1450nmにおける吸光度よりも波長550nmにおける吸光度の方が大きい、<1>~<5>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <7> 上記量子ドット層は、Ga、As、Se、In、Sb、TeおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む量子ドットを含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <8> 上記量子ドット層は、上記量子ドットと、上記量子ドットに配位する配位子とを含み、
 上記配位子は、ハロゲン原子を含む無機配位子を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <9> 上記量子ドット層の厚みが200~700nmである、<1>~<8>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <10> 上記量子ドット層の上記極大吸収波長が、波長1300~1500nmの範囲に存在する、<1>~<9>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <11> 上記第1の電極は酸化インジウムスズを含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の光検出素子。
 <12> <1>~<11>のいずれか1つに記載の光検出素子を含むイメージセンサ。
 <13> 赤外線センサである、<12>に記載のイメージセンサ。
 <14> 光電変換素子と、
 上記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 上記光電変換素子と上記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 上記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、上記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、上記量子ドット層の上記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 上記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、上記量子ドット層の上記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 上記中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、
 光検出素子の製造方法であって、
 上記中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、上記光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して上記光学フィルタを形成する工程を含む、光検出素子の製造方法。
 <15> 光電変換素子と、
 上記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 上記光電変換素子と上記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 上記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、上記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、上記量子ドット層の上記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 上記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、上記量子ドット層の上記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 上記中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である、
 光検出素子の製造方法であって、
 上記中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、上記光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して上記光学フィルタを形成する工程を含む、光検出素子の製造方法。
 本発明によれば、暗電流の抑制された光検出素子を提供することができる。また、本発明は、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法を提供することができる。
本発明の光検出素子の一実施形態を示す概略図である。
 以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
 本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<光検出素子>
 本発明の第1の態様の光検出素子は、
 光電変換素子と、
 光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 光電変換素子と光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、量子ドット層の第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、ことを特徴とする。
 本発明の第2の態様の光検出素子は、
 光電変換素子と、
 光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 光電変換素子と光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、量子ドット層の第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である、ことを特徴とする。
 以下、第1の態様の光検出素子と第2の態様の光検出素子を合わせて、本発明の光検出素子ともいう。
 第1の態様の光検出素子は、光電変換素子と光学フィルタとの間に、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む中間層を有するので、この中間層によって光学フィルタの形成時における量子ドット層のダメージなどを抑制することができ、その結果、暗電流の増加を抑制することができる。更には、光学フィルタ形成前後における外部量子効率の変動も抑制することもできる。このため、感度の高い光検出素子とすることができる。
 第2の態様の光検出素子は、光電変換素子と光学フィルタとの間に、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/dayである中間層を有するので、この中間層によって光学フィルタの形成時における量子ドット層のダメージなどを抑制することができ、その結果、暗電流の増加を抑制することができる。更には、光学フィルタ形成前後における外部量子効率の変動も抑制することもできる。このため、感度の高い光検出素子とすることができる。
 また、本発明の光検出素子(第1の態様の光検出素子および第2の態様の光検出素子)は、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層を有する光電変換素子の光入射側に、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上である光学フィルタが設けられているので、光電変換素子にて太陽光由来のノイズの少ない目的波長の赤外線を受光させることができる。このため、本発明の光検出素子は、赤外線を利用したセンシングの精度を高めることができる。
 また、本発明の光検出素子は、量子ドットを光電変換素子に用いているが、量子ドットのサイズなどを調整することで、吸収波長を調整することができる。例えば、量子ドットのサイズを大きくすることで、吸収波長を長波側にシフトさせることができ、量子ドットのサイズを小さくすることで、吸収波長を短波側にシフトさせることができる。このため、光検出素子の分光設計の変更や調整などを容易に行うことができ、光検出素子の用途や目的に応じた設計変更が簡便である。
 本発明の光検出素子について、図面を用いてさらに詳細に説明する。なお、図中の矢印は光検出素子への入射光を表す。
 図1に示す光検出素子1は、本発明の光検出素子の一実施形態を示す概略図である。この光検出素子1は、光電変換素子10の光入射側に中間層20が設けられている。そして、中間層20上に光学フィルタ30が設けられている。
<<光電変換素子10>>
 光電変換素子10は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層13と、量子ドット層13の光入射側に設けられた第1の電極11と、量子ドット層13の第1の電極11が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極12と、を有する。本発明の光検出素子において、光電変換素子の第1の電極11側が光入射側である。
(第1の電極11)
 第1の電極11は、量子ドット層13の光入射側に設けられている。第1の電極11は、光検出素子で検出する目的の光の波長に対して実質的に透明な導電材料で形成された透明電極であることが好ましい。なお、本明細書において、「実質的に透明である」とは、光の透過率が50%以上であることを意味し、60%以上が好ましく、80%以上が特に好ましい。第1の電極の材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、有機導電性化合物などが挙げられる。具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムタングステン、酸化インジウム亜鉛(indium zinc oxide:IZO)、酸化インジウムスズ(indium tin oxide:ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(fluorine-doped tin oxide:FTO)等が挙げられる。
 第1の電極11は、中間層20との密着性に優れるという理由から、酸化インジウムスズを含むものであることが好ましい。特に中間層20が、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムおよびパラキシレンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む膜で構成されている場合においては、上記の効果がより顕著に得られる。
 第1の電極11は、真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などの方法で形成することができる。
 第1の電極11は、中間層20との密着性に優れるという理由から、酸化インジウムスズをスパッタリングで製膜した膜であることが好ましい。
 第1の電極11の厚みは、10~100000nmであることが好ましい。下限は、30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。上限は、10000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。本明細書において、各層の厚みは、走査型電子顕微鏡等を用いて光検出素子の断面を観察することにより、測定できる。
(第2の電極12)
 第2の電極12は、量子ドット層13の、量子ドット層13の第1の電極11が設けられている側とは反対側の面上に設けられている。第2の電極12は、量子ドット層13の第1の電極11が設けられている側とは反対側の面上に設けられていればよい。すなわち、第1の電極11と第2の電極12との位置関係に関して、第2の電極12は、第1の電極11と対向する位置に設けられている態様(第1の電極11の光路上に第2の電極12が設けられている態様)に限定されず、第1の電極11の光路からズレた位置に第2の電極12が設けられていてもよい。
 第2の電極12は、光検出素子で検出する目的の光の波長に対して透明であってもよく、透明でなくてもよい。第2の電極12の材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、有機導電性化合物、炭素材料(フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等)が挙げられる。
 第2の電極12は、Ag、Au、Pt、Ir、Pd、Cu、Pb、Sn、Zn、Ti、W、Mo、Ta、Ge、Ni、Al、CrおよびInから選ばれる少なくとも1種の金属原子を含む金属材料で構成されていることが好ましい。
 第2の電極12は、真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などの方法で形成することができる。
 第2の電極12の厚みは、10~100000nmであることが好ましい。下限は、30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。上限は、10000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。
(量子ドット層13)
 量子ドット層13は第1の電極11と第2の電極13との間に配置されている。量子ドット層13は量子ドットを含む層である。量子ドットは、金属原子を含む半導体粒子であることが好ましい。なお、本明細書において、金属原子には、Si原子に代表される半金属原子も含む。また、本明細書における「半導体」とは、比抵抗値が10-2Ωcm以上10Ωcm以下である物質を意味する。
 量子ドットを構成する量子ドット材料としては、一般的な半導体結晶〔a)IV族半導体、b)IV-IV族、III-V族、またはII-VI族の化合物半導体、c)II族、III族、IV族、V族、および、VI族元素の内3つ以上の組み合わせからなる化合物半導体〕のナノ粒子(0.5nm以上100nm未満大の粒子)が挙げられる。
 量子ドットは、Ga、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、Ag、CuおよびHgからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むものであることが好ましく、Ga、As、Se、In、Sb、TeおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むものであることがより好ましい。また、量子ドットは、Pb原子を含むものであることも好ましい。
 量子ドットを構成する量子ドット材料の具体例としては、PbS、PbSe、PbSeS、InN、Ge、GeO、InAs、InGaAs、CuInS、CuInSe、CuInGaSe、InSb、InP、HgTe、HgCdTe、AgS、AgSe、AgTe、SnS、SnSe、SnTe、Si、InP、AgBiS、AgBiSTe、鉛ペロブスカイト等の比較的バンドギャップの狭い半導体材料が挙げられる。赤外域の光の吸収係数が大きい、光電流のライフタイムが長い、キャリア移動度が大きい等の理由から、量子ドットは、PbS、InAs、InSb、InP、Ge、GeO、AgBiSまたはAgBiSTeであることがより好ましい。
 量子ドットの極大吸収波長は、波長900~1700nmの範囲に存在することが好ましく、波長1300~1500nmの範囲に存在することがより好ましい。量子ドットの極大吸収波長が上記範囲に存在するものであれば、赤外域の波長の光に対してより高い感度を有する量子ドット層を形成できる。
 量子ドットのバンドギャップは、1.35eV以下であることが好ましく、1.1eV以下であることがより好ましく、1.0eV以下であることが更に好ましい。量子ドットのバンドギャップの下限値は、特に限定はないが、0.5eV以上とすることができる。量子ドットのバンドギャップが1.35eVであれば、赤外域の波長の光に対してより高い感度を有する量子ドット層を形成できる。量子ドットのバンドギャップは、紫外可視近赤外分光光度計を用いた可視~赤外領域の光吸収測定により得られた吸収スペクトルの、極大吸収波長におけるエネルギーから算出することができる。また、極大吸収波長を有さない量子ドットの場合は、特許第5949567号に記載さているように、Taucプロットから求めることができる。
 量子ドットの平均粒径は、1~20nmであることが好ましい。量子ドットの平均粒径の下限値は、2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましい。量子ドットの平均粒径の上限値は、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。量子ドットの平均粒径が上記範囲であれば、赤外域の波長の光に対してより高い感度を有する量子ドット層を形成できる。なお、本明細書において、量子ドットの平均粒径の値は、任意に選択された量子ドット10個の粒径の平均値である。量子ドットの粒径の測定には、透過型電子顕微鏡を用いればよい。
 量子ドット層13は、量子ドットと、量子ドットに配位する配位子とを含むことが好ましい。配位子は、有機配位子であってもよく、無機配位子であってもよい。
 無機配位子は、ハロゲン原子を含む無機配位子を含むものであることが好ましい。ハロゲン原子を含む無機配位子は、量子ドットに配位し易く、表面欠陥の発生を抑制できる。
 ハロゲン原子を含む無機配位子に含まれるハロゲン原子としては、F、Cl、BrおよびIが挙げられ、Brであることが好ましい。
 ハロゲン原子を含む無機配位子は、量子ドットに含まれる原子を含むものであることが好ましい。例えば、量子ドットがInSbを母結晶とするものである場合、ハロゲン原子を含む無機配位子は、InおよびSbから選ばれる少なくとも1種の原子を含むことが好ましく、In原子を含むものであることがより好ましい。
 ハロゲン原子を含む無機配位子の具体例としては、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化インジウム、臭化インジウム、塩化インジウム、ヨウ化カドミウム、臭化カドミウム、塩化カドミウム、ヨウ化ガリウム、臭化ガリウム、塩化ガリウムなどが挙げられる。
 なお、ハロゲン原子を含む無機配位子では、前述の配位子からハロゲンイオンが解離して量子ドットの表面にハロゲンイオンが配位していることもある。また、前述の配位子のハロゲン原子以外の部位についても、量子ドットの表面に配位している場合もある。具体例を挙げて説明すると、臭化インジウムの場合は、臭化インジウムが量子ドットの表面に配位していることもあれば、臭素イオンやインジウムイオンが量子ドットの表面に配位していることもある。
 量子ドット層13は、ハロゲン原子を含まない無機配位子を含んでいてもよい。ハロゲン原子を含まない無機配位子の具体例としては、硫化アンモニウムなどが挙げられる。
 有機配位子としては、配位部を1つ有する単座の有機配位子であってもよく、配位部を2以上含む多座の有機配位子であってもよい。有機配位子に含まれる配位部としては、チオール基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、ホスホン酸基が挙げられる。
 多座配位子としては、式(A)~(C)のいずれかで表される配位子が挙げられる。
 式(A)中、XA1及びXA2はそれぞれ独立して、チオール基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基又はホスホン酸基を表し、
 LA1は炭化水素基を表す。
 式(B)中、XB1及びXB2はそれぞれ独立して、チオール基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基又はホスホン酸基を表し、
 XB3は、S、O又はNHを表し、
 LB1及びLB2は、それぞれ独立して炭化水素基を表す。
 式(C)中、XC1~XC3はそれぞれ独立して、チオール基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基又はホスホン酸基を表し、
 XC4は、Nを表し、
 LC1~LC3は、それぞれ独立して炭化水素基を表す。
 XA1、XA2、XB1、XB2、XC1、XC2およびXC3が表すアミノ基には、-NHに限定されず、置換アミノ基および環状アミノ基も含まれる。置換アミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基などが挙げられる。これらの基が表すアミノ基としては、-NH、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、-NHであることがより好ましい。
 LA1、LB1、LB2、LC1、LC2およびLC3が表す炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基または芳香環を含む基が好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。炭化水素基の炭素数は、1~20が好ましい。炭素数の上限は、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。炭化水素基の具体例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基が挙げられる。
 アルキレン基は、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基および環状アルキレン基が挙げられ、直鎖アルキレン基または分岐アルキレン基であることが好ましく、直鎖アルキレン基であることがより好ましい。アルケニレン基は、直鎖アルケニレン基、分岐アルケニレン基および環状アルケニレン基が挙げられ、直鎖アルケニレン基または分岐アルケニレン基であることが好ましく、直鎖アルケニレン基であることがより好ましい。アルキニレン基は、直鎖アルキニレン基および分岐アルキニレン基が挙げられ、直鎖アルキニレン基であることが好ましい。アリーレン基は単環であってもよく、多環であってもよい。単環のアリーレン基であることが好ましい。アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられ、フェニレン基であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基およびアリーレン基は更に置換基を有していてもよい。置換基は、原子数1以上10以下の基であることが好ましい。原子数1以上10以下の基の好ましい具体例としては、炭素数1~3のアルキル基〔メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基〕、炭素数2~3のアルケニル基〔エテニル基およびプロペニル基〕、炭素数2~4のアルキニル基〔エチニル基、プロピニル基等〕、シクロプロピル基、炭素数1~2のアルコキシ基〔メトキシ基およびエトキシ基〕、炭素数2~3のアシル基〔アセチル基、及びプロピオニル基〕、炭素数2~3のアルコキシカルボニル基〔メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基〕、炭素数2のアシルオキシ基〔アセチルオキシ基〕、炭素数2のアシルアミノ基〔アセチルアミノ基〕、炭素数1~3のヒドロキシアルキル基〔ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基〕、アルデヒド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、カルバモイル基、シアノ基、イソシアネート基、チオール基、ニトロ基、ニトロキシ基、イソチオシアネート基、シアネート基、チオシアネート基、アセトキシ基、アセトアミド基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルムアミド基、スルファミノ基、スルフィノ基、スルファモイル基、ホスホノ基、アセチル基、ハロゲン原子、アルカリ金属原子等が挙げられる。
 式(A)において、XA1とXA2はLA1によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。
 式(B)において、XB1とXB3はLB1によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。また、XB2とXB3はLB2によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。
 式(C)において、XC1とXC4はLC1によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。また、XC2とXC4はLC2によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。また、XC3とXC4はLC3によって、1~10原子隔てられていることが好ましく、1~6原子隔てられていることがより好ましく、1~4原子隔てられていることが更に好ましく、1~3原子隔てられていることがより一層好ましく、1または2原子隔てられていることが特に好ましい。
 なお、XA1とXA2はLA1によって、1~10原子隔てられているとは、XA1とXA2とをつなぐ最短距離の分子鎖を構成する原子の数が1~10個であることを意味する。例えば、下記式(A1)の場合は、XA1とXA2とが2原子隔てられており、下記式(A2)および式(A3)の場合は、XA1とXA2とが3原子隔てられている。以下の構造式に付記した数字は、XA1とXA2とをつなぐ最短距離の分子鎖を構成する原子の配列の順番を表している。
 具体的な化合物を挙げて説明すると、3-メルカプトプロピオン酸は、XA1に相当する部位がカルボキシ基で、XA2に相当する部位がチオール基で、LA1に相当する部位がエチレン基である構造の化合物である(下記構造の化合物)。3-メルカプトプロピオン酸においては、XA1(カルボキシ基)とXA2(チオール基)とがLA1(エチレン基)によって2原子隔てられている。
 XB1とXB3はLB1によって、1~10原子隔てられていること、XB2とXB3はLB2によって、1~10原子隔てられていること、XC1とXC4はLC1によって、1~10原子隔てられていること、XC2とXC4はLC2によって、1~10原子隔てられていること、XC3とXC4はLC3によって、1~10原子隔てられていることの意味についても上記と同様である。
 多座配位子の具体例としては、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、2-アミノエタノール、2-アミノエタンチオール、2-メルカプトエタノール、グリコール酸、エチレングリコール、エチレンジアミン、アミノスルホン酸、グリシン、アミノメチルリン酸、グアニジン、ジエチレントリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、4-メルカプトブタン酸、3-アミノプロパノール、3-メルカプトプロパノール、N-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、3-(ビス(3-アミノプロピル)アミノ)プロパン-1-オール、1-チオグリセロール、ジメルカプロール、1-メルカプト-2-ブタノール、1-メルカプト-2-ペンタノール、3-メルカプト-1-プロパノール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、ジエタノールアミン、2-(2-アミノエチル)アミノエタノール、ジメチレントリアミン、1,1-オキシビスメチルアミン、1,1-チオビスメチルアミン、2-[(2-アミノエチル)アミノ]エタンチオール、ビス(2-メルカプトエチル)アミン、2-アミノエタン-1-チオール、1-アミノ-2-ブタノール、1-アミノ-2-ペンタノール、L-システイン、D-システイン、3-アミノ-1-プロパノール、L-ホモセリン、D-ホモセリン、アミノヒドロキシ酢酸、L-乳酸、D-乳酸、L-リンゴ酸、D-リンゴ酸、グリセリン酸、2-ヒドロキシ酪酸、L-酒石酸、D-酒石酸、タルトロン酸、1,2-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、2-メルカプト安息香酸、3-メルカプト安息香酸、4-メルカプト安息香酸およびこれらの誘導体が挙げられる。
 量子ドット層13は、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する。量子ドット層の極大吸収波長は、波長1300~1500nmの範囲に存在することが好ましい。
 量子ドット層13は、波長1450nmにおける吸光度よりも波長550nmにおける吸光度の方が大きいことが好ましい。この態様によれば、本件の効果がより顕著である。波長1450nmにおける吸光度に対する波長550nmにおける吸光度の比(波長550nmにおける吸光度/波長1450nmにおける吸光度)は、1.1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、5以上であることが更に好ましい。上限は、特に制限されないが、1000以下とすることができる。
 量子ドット層13の厚みは、10~2000nmであることが好ましい。下限は、50nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましい。上限は、1000nm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましい。量子ドット層13の厚みは、200~700nmであることが特に好ましい。
 量子ドット層13は、量子ドットを含む分散液(以下、量子ドット分散液ともいう)を適用する工程を経て形成することができる。
 量子ドット分散液としては、量子ドットと、溶剤と、を含むものが挙げられる。
 量子ドットの詳細は上述のとおりであり、好ましい態様も同様である。分散液中の量子ドットの含有量は、1~500mg/mLであることが好ましく、10~200mg/mLであることがより好ましく、20~100mg/mLであることが更に好ましい。
 溶剤は、特に制限されないが、量子ドットを溶解し難い溶剤であることが好ましい。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。具体例としては、アルカン類(n-ヘキサン、n-オクタン等)、アルケン類(オクタデセンなど)、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。量子ドット分散液に含まれる溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上を混合した混合溶剤であってもよい。
 量子ドット分散液中の溶剤の含有量は、50~99質量%であることが好ましく、70~99質量%であることがより好ましく、90~98質量%であることが更に好ましい。
 量子ドット分散液は、更に、量子ドットに配位する配位子を含んでいてもよい。量子ドット分散液に含まれる配位子としては、上述した有機配位子および無機配位子が挙げられ、上述した無機配位子を含むものであることが好ましい。
 量子ドット分散液は、量子ドットに配位する配位子として働くと共に、立体障害となり易い分子構造を有しており、溶剤中に量子ドットを分散させる分散剤としての役割も果たす配位子を含んでいてもよい。このような配位子としては、主鎖の炭素数が少なくとも6以上の配位子が挙げられ、主鎖の炭素数が10以上の配位子であることが好ましい。上記配位子は、飽和化合物であってもよく、不飽和化合物のいずれであってもよい。具体例としては、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸、オレイルアミン、ステアリルアミン、1-アミノデカン、ドデシルアミン、アニリン、ドデカンチオール、1,2-ヘキサデカンチオール、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリブチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、臭化セトリモニウム等が挙げられる。
 量子ドット分散液中の配位子の含有量は0.2~3.0mol/Lであることが好ましく、0.2~1.0mol/Lであることがより好ましい。
 分散液を支持体上に適用する手法は、特に限定はない。スピンコート法、ディップ法、インクジェット法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、スプレーコート法等の塗布方法が挙げられる。
 量子ドット分散液を適用して量子ドットの集合体の膜を形成した後、前述の膜に配位子溶液を適用する工程を行ってもよい。この工程を行うことで、量子ドットに配位している配位子を配位子溶液に含まれる配位子と交換したり、量子ドットに配位子溶液に含まれる配位子を配位させて量子ドットの表面欠陥の発生を抑制することができる。量子ドット分散液を適用する工程と、配位子溶液を適用する工程を交互に複数回繰り返し行ってもよい。
 配位子溶液に含まれる配位子は、量子ドット層に含まれる配位子として説明した配位子が挙げられる。配位子溶液に含まれる配位子は、量子ドット分散液に含まれている配位子と同じであってもよく、異なっていてもよい。配位子溶液は、配位子を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また、配位子溶液を適用する工程では、2種以上の配位子溶液を用いてもよい。
 配位子溶液に含まれる溶剤は、各配位子溶液に含まれる配位子の種類に応じて適宜選択することが好ましく、各配位子を溶解しやすい溶剤であることが好ましい。また、配位子溶液に含まれる溶剤は、誘電率が高い有機溶剤が好ましい。具体例としては、エタノール、アセトン、メタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ブタノール、プロパノール等が挙げられる。また、配位子溶液に含まれる溶剤は、形成される量子ドット層中に残存し難い溶剤が好ましい。乾燥し易く、洗浄により除去し易いとの観点から、低沸点のアルコール、または、ケトン、ニトリルが好ましく、メタノール、エタノール、アセトン、またはアセトニトリルがより好ましい。配位子溶液に含まれる溶剤は量子ドット分散液に含まれる溶剤とは交じり合わないものが好ましい。好ましい溶剤の組み合わせとしては、量子ドット分散液に含まれる溶剤が、ヘキサン、オクタン等のアルカンや、トルエンの場合は、配位子溶液に含まれる溶剤は、メタノール、アセトン等の極性溶剤を用いることが好ましい。
 配位子を適用する工程を行った後の膜にリンス液を接触させてリンスする工程(リンス工程)を行ってもよい。リンス工程を行うことで、量子ドット層中に含まれる過剰な配位子や量子ドットから脱離した配位子を除去することができる。また、リンス工程は、極性(比誘電率)の異なるリンス液を2種以上用いて複数回行ってもよい。例えば、最初に比誘電率の高いリンス液(第1のリンス液ともいう)を用いてリンスを行ったのち、第1のリンス液よりも比誘電率の低いリンス液(第2のリンス液ともいう)を用いてリンスを行うことが好ましい。第1のリンス液の比誘電率は、15~50であることが好ましく、20~45であることがより好ましく、25~40であることが更に好ましい。第2のリンス液の比誘電率は、1~15であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、1~5であることが更に好ましい。
 量子ドット層の形成にあたり、乾燥工程を行ってもよい。乾燥時間は、1~100時間であることが好ましく、1~50時間であることがより好ましく、5~30時間であることが更に好ましい。乾燥温度は10~100℃であることが好ましく、20~90℃であることがより好ましく、20~60℃であることが更に好ましい。乾燥工程は、酸素が含まれる雰囲気下で行ってもよく、窒素雰囲気下で行ってもよい。
(電子輸送層)
 光電変換素子10は、第1の電極11または第2の電極12と、量子ドット層13との間に電子輸送層が設けられていてもよい。電子輸送層は、量子ドット層13で発生した電子を電極へと輸送する機能を有する層である。電子輸送層は正孔ブロック層ともいわれている。電子輸送層は、この機能を発揮することができる電子輸送材料で形成される。
 電子輸送材料としては、[6,6]-Phenyl-C61-Butyric Acid Methyl Ester(PC61BM)等のフラーレン化合物、ペリレンテトラカルボキシジイミド等のペリレン化合物、テトラシアノキノジメタン、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムタングステン、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウム錫、フッ素をドープした酸化錫等が挙げられる。電子輸送材料は粒子であってもよい。
 電子輸送層は、Zn以外の金属原子がドープされた酸化亜鉛を含むもので構成されていることも好ましい。以下、Zn以外の金属原子がドープされた酸化亜鉛を、ドープド酸化亜鉛ともいう。
 ドープド酸化亜鉛における上記Zn以外の金属原子は、1~3価の金属原子であることが好ましく、Li、Mg、AlおよびGaから選ばれる少なくとも1種を含むものであることがより好ましく、Li、Mg、AlまたはGaであることがより好ましく、LiまたはMgであることが特に好ましい。
 ドープド酸化亜鉛は、ZnとZn以外の金属原子との合計に対する、Zn以外の金属原子の割合が1原子%以上であることが好ましく、2原子%以上であることがより好ましく、4原子%以上であることが更に好ましい。上限は、結晶欠陥の増加抑制の観点から20原子%以下であることが好ましく、15原子%以下であることがより好ましく、12原子%以下であることが更に好ましい。なお、ドープド酸化亜鉛の上記Zn以外の金属原子の割合は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)法にて測定することができる。
 ドープド酸化亜鉛は、有機残存成分の低減及び量子ドット層との接触面積増大の観点から粒子(ドープド酸化亜鉛粒子)であることが好ましい。また、ドープド酸化亜鉛粒子の平均粒径は、2~30nmであることが好ましい。ドープド酸化亜鉛粒子の平均粒径の下限値は、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。また、ドープド酸化亜鉛粒子の平均粒径の上限値は、20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、ドープド酸化亜鉛粒子の平均粒径の値は、任意に選択された量子ドット10個の粒径の平均値である。ドープド酸化亜鉛粒子の粒径の測定には、透過型電子顕微鏡を用いればよい。
 電子輸送層は単層膜であってもよく、2層以上の積層膜であってもよい。電子輸送層の厚さは、10~1000nmであることが好ましい。上限は、800nm以下であることが好ましい。下限は、20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。
(正孔輸送層)
 光電変換素子10は、第1の電極11または第2の電極12と、量子ドット層13との間に正孔輸送層が設けられていてもよい。正孔輸送層は、量子ドット層13で発生した正孔を電極へと輸送する機能を有する層である。正孔輸送層は電子ブロック層ともいわれている。
 正孔輸送層は、この機能を発揮することができる正孔輸送材料で形成されている。例えば、正孔輸送材料としては、PEDOT:PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4-スチレンスルホン酸))、PTB7(ポリ{4,8-ビス[(2-エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル-lt-alt-3-フルオロ-2-[(2-エチルへキシル)カルボニル]チエノ[3,4-b]チオフェン-4,6-ジイル})、PTB7-Th(ポリ([2,6’-4,8-ジ(5-エチルヘキシルチエニル)ベンゾ[1,2-b;3,3-b]ジチオフェン]{3-フルオロ-2[(2-エチルヘキシルl)カルボニル]チエノ[3,4-b]チオフェンジイル}))、PC71BM([6,6]-フェニル-C71-酪酸メチル)、MoOなどが挙げられる。また、特開2001-291534号公報の段落番号0209~0212に記載の有機正孔輸送材料等を用いることもできる。また、正孔輸送材料には量子ドットを用いることもできる。量子ドットを構成する量子ドット材料としては、一般的な半導体結晶〔a)IV族半導体、b)IV-IV族、III-V族、またはII-VI族の化合物半導体、c)II族、III族、IV族、V族、および、VI族元素の内3つ以上の組み合わせからなる化合物半導体〕のナノ粒子(0.5nm以上100nm未満大の粒子)が挙げられる。具体的には、PbS、PbSe、PbSeS、InN、Ge、InAs、InGaAs、CuInS、CuInSe、CuInGaSe、InSb、HgTe、HgCdTe、AgS、AgSe、AgTe、SnS、SnSe、SnTe、Si、InP等の比較的バンドギャップの狭い半導体材料が挙げられる。量子ドットの表面には配位子が配位していてもよい。
 正孔輸送層の厚さは、5~100nmであることが好ましい。下限は10nm以上が好ましい。上限は、50nm以下が好ましく、30nm以下が更に好ましい。
<<中間層20>>
 本発明の光検出素子は、光電変換素子10と光学フィルタ30との間に中間層20を有する。
 本発明の第1の態様の光検出素子においては、中間層20は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含むもので構成されている。パラキシレンポリマーとしては、無置換のパラキシレンポリマー、ベンゼン環の水素原子を塩素原子で置換したパラキシレンポリマー、α水素原子をフッ素原子に置換したパラキシレンポリマーなどが挙げられる。
 本発明の第2の態様の光検出素子においては、中間層20は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である。
 中間層20は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムおよびパラキシレンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む膜であることが好ましい。
 中間層20は、真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、原子層堆積法(ALD)などの方法で形成することができ、密着性、および、暗電流抑制に優れるという理由から、中間層20は、原子層堆積法で製膜した膜を含むことが好ましく、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウムおよび酸化ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を、原子層堆積法で製膜した膜を含むことがより好ましい。ここで、原子層堆積法とは、気相の連続的な化学反応を利用した製膜方法のことである。
 中間層20は、単層膜であってもよく、2種以上の膜を積層した積層膜であってもよい。
 中間層20は、波長400~1500nmの範囲の光の透過率は高いことが好ましく、前述の範囲の光の透過率が70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることがより一層好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
 中間層20の厚みは、1~100000nmであることが好ましい。下限は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。上限は、10000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。
 量子ドット層13の厚みに対する中間層20の厚みの比(中間層20の厚み/量子ドット層13の厚み)は、0.01~1であることが好ましい。上記比が上記範囲内であれば、暗電流抑制に優れる。さらには、面内の性能のバラつきを抑制することもできる。下限は、0.02以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましい。上限は、0.8以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
<<光学フィルタ30>>
 本発明の光検出素子は、光学フィルタ30を有する。光学フィルタ30は、中間層20上に設けられている。図1においては、光学フィルタ30は、中間層20の表面に直接設けられているが、中間層20の表面に下地層が形成されており、この下地層の表面に光学フィルタ30が設けられていてもよい。
 光学フィルタ30は、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上である分光特性を有するものである。
 光学フィルタ30の波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値は、18%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
 光学フィルタ30の量子ドット層13の極大吸収波長の±100nmの範囲(好ましくは、極大吸収波長の±90nmの範囲、より好ましくは極大吸収波長の±80nmの範囲)の光の透過率の最大値は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、光学フィルタ30の量子ドット層13の極大吸収波長の±50nmの範囲の光の透過率の最小値は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
 本発明の光検出素子においては、量子ドット層13の極大吸収波長が波長1300~1500nmの範囲に存在し、光学フィルタ30は、波長400~700nmの範囲(好ましくは、波長400~1200nmの範囲)の光の透過率の最大値が、20%以下であり、波長1300~1500nmの範囲の光の透過率の最大値が、60%以上であることが好ましい。この態様において、光学フィルタ30の、波長400~700nmの範囲(好ましくは、波長400~1200nmの範囲)の光の透過率の最大値は、18%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。また、光学フィルタ30の、波長1300~1500nmの範囲の光の透過率の最大値は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、光学フィルタ30の、波長1300~1500nmの範囲の光の透過率の最小値は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
 このような光検出素子は、波長1300~1500nmの範囲の光を精度よく検出することができる。このため、このような光検出素子は、赤外線センサ、自動運転、監視カメラなどの用途に好ましく用いることができる。
 光学フィルタ30の厚みは、10~100000nmであることが好ましい。下限は、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。上限は、50000nm以下であることが好ましく、10000nm以下であることがより好ましい。
 また、量子ドット層13の厚みに対する光学フィルタ30の厚みの比は0.1~100であることが好ましい。上限は、暗電流の変動をより抑制でき、更には、性能の面内バラつきも抑制できるという理由から、50以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。下限は、暗電流の変動をより抑制でき、更には、性能の面内バラつきも抑制できるという理由から、0.5以上であることが好ましく、1以上であることがより好ましい。
 光学フィルタ30は複数の色材を含有する樹脂膜であることが好ましい。光学フィルタ30は、複数の色材を含有する単層の樹脂膜であってもよい。樹脂膜に含まれる色材としては、赤色色材、緑色色材、青色色材、黄色色材、紫色色材、オレンジ色色材などの有彩色色材、および、赤外線吸収色材が挙げられる。
 色材は、顔料であってもよく、染料であってもよい。長期信頼性に優れるという理由から色材は、顔料を含むものであることが好ましい。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれでもよいが、有機顔料であることが好ましい。顔料の平均一次粒子径は、1~150nmが好ましい。下限は2nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。上限は、150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましい。顔料の平均一次粒子径が上記範囲であれば、目的波長の透過性が良好である。なお、本明細書において、顔料の一次粒子径は、顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。具体的には、顔料の一次粒子の投影面積を求め、それに対応する円相当径を顔料の一次粒子径として算出する。また、本発明における平均一次粒子径は、400個の顔料の一次粒子についての一次粒子径の算術平均値とする。また、顔料の一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
 顔料の、CuKα線をX線源としたときのX線回折スペクトルにおけるいずれかの結晶面に由来するピークの半値幅より求めた結晶子サイズは、0.1~100nmであることが好ましく、0.5~50nmであることがより好ましい。
 顔料の比表面積は1~300m/gであることが好ましい。下限は10m/g以上であることが好ましく、30m/g以上であることがより好ましい。上限は、250m/g以下であることが好ましく、200m/g以下であることがより好ましい。比表面積の値は、BET(Brunauer、EmmettおよびTeller)法に準じてDIN 66131:determination of the specific surface area  of solids by gas adsorption(ガス吸着による固体の比表面積の測定)に従って測定することができる。
 有彩色色材としては、波長400~700nmの範囲に極大吸収波長を有する色材が挙げられる。例えば、黄色色材、オレンジ色色材、赤色色材、緑色色材、紫色色材、青色色材などが挙げられる。
 赤色色材としては、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、ナフトール化合物、アゾメチン化合物、キサンテン化合物、キナクリドン化合物、ペリレン化合物、チオインジゴ化合物などが挙げられ、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物であることが好ましく、ジケトピロロピロール化合物であることがより好ましい。また、赤色色材は顔料であることが好ましい。
 赤色色材の具体例としては、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,269,270,272,279,291,294,295,296,297等の赤色顔料が挙げられる。また、赤色色材として、特開2017-201384号公報に記載の構造中に少なくとも1つの臭素原子が置換したジケトピロロピロール化合物、特許第6248838号の段落番号0016~0022に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/102399号に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/117965号に記載のジケトピロロピロール化合物、特開2020-085947号公報に記載の臭素化ジケトピロロピロール化合物、特開2012-229344号公報に記載のナフトールアゾ化合物、特許第6516119号公報に記載の赤色色材、特許第6525101号公報に記載の赤色色材、特開2020-090632号公報の段落番号0229に記載の臭素化ジケトピロロピロール化合物、韓国公開特許第10-2019-0140741号公報に記載のアントラキノン化合物、韓国公開特許第10-2019-0140744号公報に記載のアントラキノン化合物、特開2020-079396号公報に記載のペリレン化合物、特開2020-066702号公報の段落番号0025~0041に記載のジケトピロロピロール化合物などを用いることもできる。また、赤色色材として、芳香族環に対して、酸素原子、硫黄原子または窒素原子が結合した基が導入された芳香族環基がジケトピロロピロール骨格に結合した構造を有する化合物を用いることもできる。
 緑色色材としては、フタロシアニン化合物、スクアリリウム化合物などが挙げられ、フタロシアニン化合物であることが好ましい。また、緑色色材は顔料であることが好ましい。
 緑色色材の具体例としては、C.I.ピグメントグリーン7,10,36,37,58,59,62,63,64,65,66等の緑色顔料が挙げられる。また、緑色色材として、1分子中のハロゲン原子数が平均10~14個であり、臭素原子数が平均8~12個であり、塩素原子数が平均2~5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/118720号に記載の化合物が挙げられる。また、緑色色材として中国特許出願第106909027号明細書に記載の化合物、国際公開第2012/102395号に記載のリン酸エステルを配位子として有するフタロシアニン化合物、特開2019-008014号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2018-180023号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2019-038958号公報に記載の化合物、特開2020-070426号公報に記載のアルミニウムフタロシアニン化合物、特開2020-076995号公報に記載のコアシェル型色素、特表2020-504758号公報に記載のジアリールメタン化合物などを用いることもできる。
 オレンジ色色材の具体例としては、C.I.ピグメントオレンジ2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等のオレンジ色顔料が挙げられる。
 黄色色材としては、アゾ化合物、アゾメチン化合物、イソインドリン化合物、プテリジン化合物、キノフタロン化合物およびペリレン化合物が挙げられる。黄色色材の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214,215,228,231,232,233,234,235,236等の黄色顔料が挙げられる。
 また、黄色色材としては、下記構造のアゾバルビツール酸ニッケル錯体を用いることもできる。
 また、黄色色材として、特開2017-201003号公報に記載の化合物、特開2017-197719号公報に記載の化合物、特開2017-171912号公報の段落番号0011~0062、0137~0276に記載の化合物、特開2017-171913号公報の段落番号0010~0062、0138~0295に記載の化合物、特開2017-171914号公報の段落番号0011~0062、0139~0190に記載の化合物、特開2017-171915号公報の段落番号0010~0065、0142~0222に記載の化合物、特開2013-054339号公報の段落番号0011~0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014-026228号公報の段落番号0013~0058に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062644号公報に記載のイソインドリン化合物、特開2018-203798号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062578号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6432076号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-155881号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-111757号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-040835号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2017-197640号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2016-145282号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-085565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-021139号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209614号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209435号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-181015号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-061622号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-032486号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2012-226110号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074987号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-081565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074986号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074985号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-050420号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-031281号公報に記載のキノフタロン化合物、特公昭48-032765号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2019-008014号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6607427号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2019-073695号公報に記載のメチン染料、特開2019-073696号公報に記載のメチン染料、特開2019-073697号公報に記載のメチン染料、特開2019-073698号公報に記載のメチン染料、韓国公開特許第10-2014-0034963号公報に記載の化合物、特開2017-095706号公報に記載の化合物、台湾特許出願公開第201920495号公報に記載の化合物、特許第6607427号公報に記載の化合物、特開2020-033525号公報に記載の化合物、特開2020-033524号公報に記載の化合物、特開2020-033523号公報に記載の化合物、特開2020-033522号公報に記載の化合物、特開2020-033521号公報に記載の化合物、国際公開第2020/045200号に記載の化合物、国際公開第2020/045199号に記載の化合物、国際公開第2020/045197号に記載の化合物、特開2020-093994号公報に記載のアゾ化合物、特開2020-083982号公報に記載のペリレン化合物、国際公開第2020/105346号に記載のペリレン化合物、特表2020-517791号公報に記載のキノフタロン化合物を用いることもできる。また、これらの化合物を多量体化したものも、色価向上の観点から好ましく用いられる。
 紫色色材の具体例としては、C.I.ピグメントバイオレット1,19,23,27,32,37,42,60,61等の紫色顔料が挙げられる。
 青色色材の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,29,60,64,66,79,80,87,88等の青色顔料が挙げられる。青色色材として、リン原子を有するアルミニウムフタロシアニン化合物を用いることもできる。具体例としては、特開2012-247591号公報の段落番号0022~0030、特開2011-157478号公報の段落番号0047に記載の化合物が挙げられる。
 有彩色色材として、韓国公開特許第10-2020-0028160号公報に記載されたトリアリールメタン染料ポリマー、特開2020-117638号公報に記載のキサンテン化合物、国際公開第2020/174991号に記載のフタロシアニン化合物、特開2020-160279号公報に記載のイソインドリン化合物又はそれらの塩、韓国公開特許第10-2020-0069442号公報に記載の式1で表される化合物、韓国公開特許第10-2020-0069730号公報に記載の式1で表される化合物、韓国公開特許第10-2020-0069070号公報に記載の式1で表される化合物、韓国公開特許第10-2020-0069067号公報に記載の式1で表される化合物、韓国公開特許第10-2020-0069062号公報に記載の式1で表される化合物、特許第6809649号に記載のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、特開2020-180176号公報に記載のイソインドリン化合物、特開2021-187913号公報に記載のフェノチアジン系化合物、国際公開第2022/004261号に記載のハロゲン化亜鉛フタロシアニン、国際公開第2021/250883号に記載のハロゲン化亜鉛フタロシアニンを用いることができる。顔料または染料は、ロタキサンであってもよく、色素骨格はロタキサンの環状構造に使用されていてもよく、棒状構造に使用されていてもよく、両方の構造に使用されていてもよい。
 赤外線吸収色材は、波長700nmを超え1400nm以下の範囲に極大吸収波長を有する色材であることが好ましい。
 赤外線吸収色材は、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.03以下であることが更に好ましく、0.02以下であることが特に好ましい。下限は、特に限定はないが、例えば、0.0001以上とすることができ、0.0005以上とすることもできる。
 赤外線吸収色材としては、特に限定はないが、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、イミニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物、ジベンゾフラノン化合物、ジチオレン金属錯体および無機粒子等が挙げられる。ピロロピロール化合物としては、特開2009-263614号公報の段落番号0016~0058に記載の化合物、特開2011-068731号公報の段落番号0037~0052に記載の化合物、国際公開第2015/166873号の段落番号0010~0033に記載の化合物などが挙げられる。スクアリリウム化合物としては、特開2011-208101号公報の段落番号0044~0049に記載の化合物、特許第6065169号公報の段落番号0060~0061に記載の化合物、国際公開第2016/181987号の段落番号0040に記載の化合物、特開2015-176046号公報に記載の化合物、国際公開第2016/190162号の段落番号0072に記載の化合物、特開2016-074649号公報の段落番号0196~0228に記載の化合物、特開2017-067963号公報の段落番号0124に記載の化合物、国際公開第2017/135359号に記載の化合物、特開2017-114956号公報に記載の化合物、特許6197940号公報に記載の化合物、国際公開第2016/120166号に記載の化合物などが挙げられる。シアニン化合物としては、特開2009-108267号公報の段落番号0044~0045に記載の化合物、特開2002-194040号公報の段落番号0026~0030に記載の化合物、特開2015-172004号公報に記載の化合物、特開2015-172102号公報に記載の化合物、特開2008-088426号公報に記載の化合物、国際公開第2016/190162号の段落番号0090に記載の化合物、特開2017-031394号公報に記載の化合物などが挙げられる。クロコニウム化合物としては、特開2017-082029号公報に記載の化合物が挙げられる。イミニウム化合物としては、例えば、特表2008-528706号公報に記載の化合物、特開2012-012399号公報に記載の化合物、特開2007-092060号公報に記載の化合物、国際公開第2018/043564号の段落番号0048~0063に記載の化合物が挙げられる。フタロシアニン化合物としては、特開2012-077153号公報の段落番号0093に記載の化合物、特開2006-343631号公報に記載のオキシチタニウムフタロシアニン、特開2013-195480号公報の段落番号0013~0029に記載の化合物、特許第6081771号公報に記載のバナジウムフタロシアニン化合物、国際公開第2020/071470号に記載の化合物が挙げられる。ナフタロシアニン化合物としては、特開2012-077153号公報の段落番号0093に記載の化合物が挙げられる。ジチオレン金属錯体としては、特許第5733804号公報に記載の化合物が挙げられる。無機粒子としては、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、酸化亜鉛、Alドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ二酸化スズ、ニオブドープ二酸化チタン、酸化タングステンまたは金属ホウ化物の粒子などが挙げられる。酸化タングステンの詳細については、特開2016-006476号公報の段落番号0080を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。金属ホウ化物としては、ホウ化ランタンなどが挙げられる。ホウ化ランタンの市販品としては、LaB6-F(日本新金属(株)製)などが挙げられる。金属ホウ化物としては、国際公開第2017/119394号に記載の化合物を用いることもできる。
 赤外線吸収色材としては、特開2017-197437号公報に記載のスクアリリウム化合物、特開2017-025311号公報に記載のスクアリリウム化合物、国際公開第2016/154782号に記載のスクアリリウム化合物、特許第5884953号公報に記載のスクアリリウム化合物、特許第6036689号公報に記載のスクアリリウム化合物、特許第5810604号公報に記載のスクアリリウム化合物、国際公開第2017/213047号の段落番号0090~0107に記載のスクアリリウム化合物、特開2018-054760号公報の段落番号0019~0075に記載のピロール環含有化合物、特開2018-040955号公報の段落番号0078~0082に記載のピロール環含有化合物、特開2018-002773号公報の段落番号0043~0069に記載のピロール環含有化合物、特開2018-041047号公報の段落番号0024~0086に記載のアミドα位に芳香環を有するスクアリリウム化合物、特開2017-179131号公報に記載のアミド連結型スクアリリウム化合物、特開2017-141215号公報に記載のピロールビス型スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有する化合物、特開2017-082029号公報に記載されたジヒドロカルバゾールビス型のスクアリリウム化合物、特開2017-068120号公報の段落番号0027~0114に記載の非対称型の化合物、特開2017-067963号公報に記載されたピロール環含有化合物(カルバゾール型)、特許第6251530号公報に記載されたフタロシアニン化合物、特開2020-075959号公報に記載されたスクアリリウム化合物、韓国公開特許第10-2019-0135217号公報に記載の銅錯体などを用いることもできる。
 光学フィルタ30に含まれる色材は、2種以上の有彩色色材を含むものであることが好ましく、2種以上の有彩色色材と、赤外線吸収色材とを含むものであることがより好ましく、2種以上の有彩色色材と、2種以上の赤外線吸収色材とを含むものであることが更に好ましい。有彩色色材を2種以上含む場合においては、2種以上の有彩色色材の組み合わせで黒色を形成していることが好ましい。2種以上の有彩色色材の組み合わせで黒色を形成する色材の組み合わせについては、特開2013-077009号公報、特開2014-130338号公報、国際公開第2015/166779号等を参照することができる。
 2種以上の有彩色色材の組み合わせで黒色を形成する場合の、有彩色色材の組み合わせとしては、例えば以下の(C1)~(C7)の態様が挙げられる。
 (C1)赤色色材と青色色材とを含有する態様。
 (C2)赤色色材と青色色材と黄色色材とを含有する態様。
 (C3)赤色色材と青色色材と黄色色材と紫色色材とを含有する態様。
 (C4)赤色色材と青色色材と黄色色材と紫色色材と緑色色材とを含有する態様。
 (C5)赤色色材と青色色材と黄色色材と緑色色材とを含有する態様。
 (C6)赤色色材と青色色材と緑色色材とを含有する態様。
 (C7)黄色色材と紫色色材とを含有する態様。
 上記(C1)の態様において、赤色色材と青色色材との質量比は、赤色色材:青色色材=20~80:20~80であることが好ましく、20~60:40~80であることがより好ましく、20~50:50~80であることが更に好ましい。
 上記(C2)の態様において、赤色色材と青色色材と黄色色材の質量比は、赤色色材:青色色材:黄色色材=10~80:20~80:10~40であることが好ましく、10~60:30~80:10~30であることがより好ましく、10~40:40~80:10~20であることが更に好ましい。
 上記(C3)の態様において、赤色色材と青色色材と黄色色材と紫色色材との質量比は、赤色色材:青色色材:黄色色材:紫色色材=10~80:20~80:5~40:5~40であることが好ましく、10~60:25~80:5~30:5~30であることがより好ましく、10~40:25~50:10~30:10~30であることが更に好ましい。
 上記(C4)の態様において、赤色色材と青色色材と黄色色材と紫色色材と緑色色材の質量比は、赤色色材:青色色材:黄色色材:紫色色材:緑色色材=10~80:20~80:5~40:5~40:5~40であることが好ましく、10~60:30~80:5~30:5~30:5~30であることがより好ましく、10~40:40~80:5~20:5~20:5~20であることが更に好ましい。
 上記(C5)の態様において、赤色色材と青色色材と黄色色材と緑色色材の質量比は、赤色色材:青色色材:黄色色材:緑色色材=10~80:20~80:5~40:5~40であることが好ましく、10~60:30~80:5~30:5~30であることがより好ましく、10~40:40~80:5~20:5~20であることが更に好ましい。
 上記(C6)の態様において、赤色色材と青色色材と緑色色材の質量比は、赤色色材:青色色材:緑色色材=10~80:20~80:10~40であることが好ましく、10~60:30~80:10~30であることがより好ましく、10~40:40~80:10~20であることが更に好ましい。
 上記(C7)の態様において、黄色色材と紫色色材の質量比は、黄色色材:紫色色材=10~50:40~80であることが好ましく、20~40:50~70であることがより好ましく、30~40:60~70であることが更に好ましい。
 光学フィルタ30に含まれる色材が、2種以上の赤外線吸収色材を含む場合、2種以上の赤外線吸収色材は、波長1000nmを超え1200nm以下の範囲に極大吸収波長が存在する第1の赤外線吸収色材と、波長700nmを超え1000nmの範囲に極大吸収波長が存在する第2の赤外線吸収色材と、を含むことが好ましい。例えば、光学フィルタ30に含まれる色材が、2種以上の有彩色色材と、2種以上の赤外線吸収色材とを含むものであり、2種以上の有彩色色材の組み合わせで黒色を形成しており、2種以上の赤外線吸収色材は、波長1000nmを超え1200nm以下の範囲に極大吸収波長が存在する第1の赤外線吸収色材と、波長700nmを超え1000nmの範囲に極大吸収波長が存在する第2の赤外線吸収色材と、を含むものである場合においては、光学フィルタ30の分光特性について、波長400~1200nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下で、かつ、波長1300~1500nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上に調整させやすい。第1の赤外線吸収色材は1種であってもよく、2種以上であってもよい。第2の赤外線吸収色材は1種であってもよく、2種以上であってもよい。第1の赤外線吸収色材と第2の赤外線吸収色材との割合は、第1の赤外線吸収色材の100質量部に対して、第2の赤外線吸収色材が1~10000質量部であることが好ましい。上限は、1000質量部以下であることが好ましく、500質量部以下であることがより好ましい。下限は、10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
 光学フィルタ30は、中間層20上に光学フィルタ形成用組成物を適用する工程を経て形成することができる。
 光学フィルタ形成用組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(例えば、特開2009-145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えば、オンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット-特許に見る無限の可能性-、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115ページ~133ページ)や、特開2003-262716号公報、特開2003-185831号公報、特開2003-261827号公報、特開2012-126830号公報、特開2006-169325号公報などに記載の方法が挙げられる。また、着色組成物の塗布方法については、国際公開第2017/030174号、国際公開第2017/018419号の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 中間層20上に形成した光学フィルタ形成用組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスにより膜を製造する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10~300秒が好ましく、40~250秒がより好ましく、80~220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
 光学フィルタ30は、中間層20上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、光学フィルタ形成用組成物層を露光して形成することが好ましく、光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して形成することがより好ましい。
 光学フィルタ30の形成にあたり、光学フィルタ形成用組成物層をパターン状に露光し、光学フィルタ形成用組成物層の未露光部を現像除去してパターンを形成することも好ましい。
 例えば、光学フィルタ形成用組成物層に対し、ステッパー露光機やスキャナ露光機などを用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、光学フィルタ形成用組成物層の露光部分を硬化させることができる。
 露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等が挙げられる。また、波長300nm以下の光(好ましくは波長180~300nmの光)を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられ、KrF線(波長248nm)が好ましい。また、300nm以上の長波な光源も利用できる。
 また、露光に際して、光を連続的に照射して露光してもよく、パルス的に照射して露光(パルス露光)してもよい。なお、パルス露光とは、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光する方式の露光方法のことである。
 照射量(露光量)は、例えば、0.03~2.5J/cmが好ましく、0.05~1.0J/cmがより好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば、酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、または、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、または、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m~100000W/m(例えば、5000W/m、15000W/m、または、35000W/m)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m、酸素濃度35体積%で照度20000W/mなどとすることができる。
 光学フィルタ形成用組成物層の未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。現像液は、有機溶剤、アルカリ現像液などが挙げられ、アルカリ現像液が好ましく用いられる。アルカリ現像液としては、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液(アルカリ現像液)が好ましい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。また、現像液は、さらに界面活性剤を含有していてもよい。
 光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光する場合、現像前の光学フィルタ形成用組成物層に対して2回以上露光してもよいが、現像前の光学フィルタ形成用組成物層に対して1回目の露光を行い、現像後の光学フィルタ形成用組成物層に対して2回目の露光を行うことが好ましい。また、1回目の露光は、波長350nmを超え380nm以下の光で行い、2回目の露光は波長254~350nmの光で行うことも好ましい。
(光学フィルタ形成用組成物)
 光学フィルタ30の形成に用いる光学フィルタ形成用組成物は、色材と、樹脂と、溶剤とを含むものであることが好ましい。
-色材-
 色材については、上述したものが挙げられる。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における色材の含有量は、20~90質量%であることが好ましい。下限は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。上限は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
-樹脂-
 光学フィルタ形成用組成物は樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、例えば、顔料等を光学フィルタ形成用組成物中で分散させる用途や、バインダーの用途で配合される。なお、主に顔料等を光学フィルタ形成用組成物中で分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外を目的として樹脂を使用することもできる。
 樹脂の重量平均分子量は、3000~2000000が好ましい。上限は、1000000以下が好ましく、500000以下がより好ましい。下限は、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。
 樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。環状オレフィン樹脂としては、耐熱性向上の観点からノルボルネン樹脂が好ましい。ノルボルネン樹脂の市販品としては、例えば、JSR(株)製のARTONシリーズ(例えば、ARTON F4520)などが挙げられる。また、樹脂としては、国際公開第2016/088645号の実施例に記載された樹脂、特開2017-057265号公報に記載された樹脂、特開2017-032685号公報に記載された樹脂、特開2017-075248号公報に記載された樹脂、特開2017-066240号公報に記載された樹脂、特開2017-167513号公報に記載された樹脂、特開2017-173787号公報に記載された樹脂、特開2017-206689号公報の段落番号0041~0060に記載された樹脂、特開2018-010856号公報の段落番号0022~0071に記載された樹脂、特開2016-222891号公報に記載されたブロックポリイソシアネート樹脂、特開2020-122052号公報に記載された樹脂、特開2020-111656号公報に記載された樹脂、特開2020-139021号公報に記載された樹脂、特開2017-138503号公報に記載の主鎖に環構造を有する構成単位と側鎖にビフェニル基を有する構成単位とを含む樹脂を用いることもできる。また、樹脂としては、フルオレン骨格を有する樹脂を好ましく用いることもできる。フルオレン骨格を有する樹脂については、米国特許出願公開第2017/0102610号明細書の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、樹脂としては、特開2020-186373号公報の段落0199~0233に記載の樹脂、特開2020-186325号公報に記載のアルカリ可溶性樹脂、韓国公開特許第10-2020-0078339号公報に記載の式1で表される樹脂を用いることもできる。
 樹脂として、酸基を有する樹脂を用いることが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂は、例えば、アルカリ可溶性樹脂として用いることができる。酸基を有する樹脂の酸価は、30~500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、400mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が更に好ましく、120mgKOH/g以下が最も好ましい。
 樹脂としては、重合性基を有する繰り返し単位を含む樹脂を含むことも好ましい。重合性基としては、エチレン性不飽和結合含有基などが挙げられる。
 樹脂としては、芳香族カルボキシ基を有する樹脂(以下、樹脂Acともいう)を用いることも好ましい。樹脂Acにおいて、芳香族カルボキシ基は繰り返し単位の主鎖に含まれていてもよく、繰り返し単位の側鎖に含まれていてもよい。芳香族カルボキシ基は繰り返し単位の主鎖に含まれていることが好ましい。なお、本明細書において、芳香族カルボキシ基とは、芳香族環にカルボキシ基が1個以上結合した構造の基のことである。芳香族カルボキシ基において、芳香族環に結合したカルボキシ基の数は、1~4個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましい。
 光学フィルタ形成用組成物は、分散剤としての樹脂を含有することが好ましい。分散剤としては、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上である樹脂が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシ基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、10~105mgKOH/gが好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基が好ましい。
 分散剤として用いる樹脂は、グラフト樹脂であることも好ましい。グラフト樹脂の詳細については、特開2012-255128号公報の段落番号0025~0094の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
 分散剤として用いる樹脂は、芳香族カルボキシ基を有する樹脂(樹脂Ac)であることも好ましい。芳香族カルボキシ基を有する樹脂としては上述したものが挙げられる。
 分散剤として用いる樹脂は、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むポリイミン系分散剤であることも好ましい。ポリイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する主鎖と、原子数40~10000の側鎖とを有し、かつ主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子は、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。ポリイミン系分散剤については、特開2009-203462号公報の段落番号0022~0097、特開2012-255128号公報の段落番号0102~0166の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 分散剤として用いる樹脂は、コア部に複数個のポリマー鎖が結合した構造の樹脂であることも好ましい。このような樹脂としては、例えば、デンドリマー(星型ポリマーを含む)が挙げられる。また、デンドリマーの具体例としては、特開2013-043962号公報の段落番号0196~0209に記載された高分子化合物C-1~C-31などが挙げられる。
 分散剤として用いる樹脂は、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する繰り返し単位を含む樹脂であることも好ましい。エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位中10モル%以上であることが好ましく、10~80モル%であることがより好ましく、20~70モル%であることが更に好ましい。
 分散剤として、特開2018-087939号公報に記載された樹脂、特許第6432077号公報の段落番号0219~0221に記載されたブロック共重合体(EB-1)~(EB-9)、国際公開第2016/104803号に記載のポリエステル側鎖を有するポリエチレンイミン、国際公開第2019/125940号に記載のブロック共重合体、特開2020-066687号公報に記載のアクリルアミド構造単位を有するブロックポリマー、特開2020-066688号公報に記載のアクリルアミド構造単位を有するブロックポリマー、国際公開第2016/104803号に記載の分散剤などを用いることもできる。
 分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYKシリーズ、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSEシリーズ、BASF社製のEfkaシリーズ、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーシリーズ等が挙げられる。また、特開2012-137564号公報の段落番号0129に記載された製品、特開2017-194662号公報の段落番号0235に記載された製品を分散剤として用いることもできる。
 光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における樹脂の含有量は、1~60質量%であることが好ましい。下限は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、20質量%以上が特に好ましい。上限は50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。光学フィルタ形成用組成物は、樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。樹脂を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-溶剤-
 光学フィルタ形成用組成物は溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤の種類は、各成分の溶解性や組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開第2015/166779号の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤も好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジクロロメタン、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、3-ペンタノン、4-ヘプタノン、シクロヘキサノン、2-メチルシクロヘキサノン、3-メチルシクロヘキサノン、4-メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、プロピレングリコールジアセテート、3-メトキシブタノール、メチルエチルケトン、ガンマブチロラクトン、スルホラン、アニソール、1,4-ジアセトキシブタン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、二酢酸ブタン-1,3-ジイル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ジアセトンアルコール(別名としてダイアセトンアルコール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、2-メトキシプロピルアセテート、2-メトキシ-1-プロパノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。ただし有機溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
 光学フィルタ形成用組成物は沸点が110℃以下の溶剤を含むことも好ましい。沸点が110℃以下の溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
 光学フィルタ形成用組成物中における溶剤の含有量は、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~90質量%であることが更に好ましい。
-顔料誘導体-
 光学フィルタ形成用組成物は、顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体は例えば分散助剤として用いられる。分散助剤とは、光学フィルタ形成用組成物中において顔料の分散性を高めるための素材のことである。顔料誘導体としては、色素構造およびトリアジン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造と、酸基または塩基性基とを有する化合物が挙げられる。
 上記色素構造としては、キノリン色素構造、ベンゾイミダゾロン色素構造、ベンゾイソインドール色素構造、ベンゾチアゾール色素構造、イミニウム色素構造、スクアリリウム色素構造、クロコニウム色素構造、オキソノール色素構造、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、アゾ色素構造、アゾメチン色素構造、フタロシアニン色素構造、ナフタロシアニン色素構造、アントラキノン色素構造、キナクリドン色素構造、ジオキサジン色素構造、ペリノン色素構造、ペリレン色素構造、チアジンインジゴ色素構造、チオインジゴ色素構造、イソインドリン色素構造、イソインドリノン色素構造、キノフタロン色素構造、ジチオール色素構造、トリアリールメタン色素構造、ピロメテン色素構造等が挙げられる。
 顔料誘導体が有する酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ボロン酸基、イミド酸基及びこれらの塩等が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、アルカリ金属イオン(Li、Na、Kなど)、アルカリ土類金属イオン(Ca2+、Mg2+など)、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
 顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基、ピリジニル基およびその塩、アンモニウム基の塩、並びにフタルイミドメチル基が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、フェノキシドイオンなどが挙げられる。
 顔料誘導体は、可視透明性に優れた顔料誘導体(以下、透明顔料誘導体ともいう)を用いることもできる。透明顔料誘導体の400~700nmの波長領域におけるモル吸光係数の最大値(εmax)は3000L・mol-1・cm-1以下であることが好ましく、1000L・mol-1・cm-1以下であることがより好ましく、100L・mol-1・cm-1以下であることがさらに好ましい。εmaxの下限は、例えば1L・mol-1・cm-1以上であり、10L・mol-1・cm-1以上でもよい。
 顔料誘導体の具体例としては、特開昭56-118462号公報に記載の化合物、特開昭63-264674号公報に記載の化合物、特開平01-217077号公報に記載の化合物、特開平03-009961号公報に記載の化合物、特開平03-026767号公報に記載の化合物、特開平03-153780号公報に記載の化合物、特開平03-045662号公報に記載の化合物、特開平04-285669号公報に記載の化合物、特開平06-145546号公報に記載の化合物、特開平06-212088号公報に記載の化合物、特開平06-240158号公報に記載の化合物、特開平10-030063号公報に記載の化合物、特開平10-195326号公報に記載の化合物、国際公開第2011/024896号の段落番号0086~0098に記載の化合物、国際公開第2012/102399号の段落番号0063~0094に記載の化合物、国際公開第2017/038252号の段落番号0082に記載の化合物、特開2015-151530号公報の段落番号0171に記載の化合物、特開2011-252065号公報の段落番号0162~0183に記載の化合物、特開2003-081972号公報に記載の化合物、特許第5299151号公報に記載の化合物、特開2015-172732号公報に記載の化合物、特開2014-199308号公報に記載の化合物、特開2014-085562号公報に記載の化合物、特開2014-035351号公報に記載の化合物、特開2008-081565号公報に記載の化合物、特開2019-109512号公報に記載の化合物、特開2019-133154号公報に記載の化合物、国際公開第2020/002106号に記載のチオール連結基を有するジケトピロロピロール化合物、特開2018-168244号公報に記載のベンゾイミダゾロン化合物又はそれらの塩が挙げられる。
 顔料誘導体の含有量は、顔料100質量部に対して1~30質量部が好ましく、3~20質量部がより好ましい。光学フィルタ形成用組成物は、顔料誘導体を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。顔料誘導体を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-重合性化合物-
 光学フィルタ形成用組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、ラジカル、酸または熱により架橋可能な公知の化合物を用いることができる。重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和結合含有基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
 重合性化合物としては、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。重合性化合物の分子量は、100~3000が好ましい。上限は、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。
 重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有基を3個以上含む化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基を3~15個含む化合物であることがより好ましく、エチレン性不飽和結合含有基を3~6個含む化合物であることが更に好ましい。また、重合性化合物は、3~15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3~6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。重合性化合物の具体例としては、特開2009-288705号公報の段落番号0095~0108、特開2013-029760号公報の段落0227、特開2008-292970号公報の段落番号0254~0257、特開2013-253224号公報の段落番号0034~0038、特開2012-208494号公報の段落番号0477、特開2017-048367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報に記載されている化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA-DPH-12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。また、重合性化合物としては、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としてはM-460;東亞合成製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルA-TMMT)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)、RP-1040(日本化薬(株)製)、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)、NKオリゴUA-7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600、LINC-202UA(共栄社化学(株)製)、8UH-1006、8UH-1012(以上、大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB-A0(共栄社化学(株)製)などを用いることもできる。
 重合性化合物には、酸基を有する化合物を用いることもできる。酸基を有する重合性化合物を用いることで、現像時に未露光部の重合性化合物が除去されやすく、現像残渣の発生を抑制できる。酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。酸基を有する重合性化合物としては、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、アロニックスM-510、M-520、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)等が挙げられる。酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1~40mgKOH/gであり、より好ましくは5~30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像液に対する溶解性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。
 重合性化合物には、カプロラクトン構造を有する化合物を用いることもできる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物の市販品としては、KAYARAD DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
 重合性化合物には、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物は、エチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基を有する重合性化合物が好ましく、エチレンオキシ基を有する重合性化合物がより好ましく、エチレンオキシ基を4~20個有する3~6官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物の市販品としては、例えば、サートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能(メタ)アクリレートであるSR-494、日本化薬(株)製のイソブチレンオキシ基を3個有する3官能(メタ)アクリレートであるKAYARAD TPA-330などが挙げられる。
 重合性化合物には、フルオレン骨格を有する重合性化合物を用いることもできる。フルオレン骨格を有する重合性化合物の市販品としては、オグソールEA-0200、EA-0300(大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー)などが挙げられる。
 重合性化合物としては、トルエンなどの環境規制物質を実質的に含まない化合物を用いることも好ましい。このような化合物の市販品としては、KAYARAD DPHA LT、KAYARAD DPEA-12 LT(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
 光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は0.1~50質量%であることが好ましい。下限は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。上限は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることが更に好ましい。光学フィルタ形成用組成物は、重合性化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。重合性化合物を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-光重合開始剤-
 光学フィルタ形成用組成物は光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
 光重合開始剤としては、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3-アリール置換クマリン化合物であることが好ましく、オキシム化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物であることがより好ましく、オキシム化合物であることが更に好ましい。また、光重合開始剤としては、特開2014-130173号公報の段落0065~0111に記載された化合物、特許第6301489号公報に記載された化合物、MATERIAL STAGE 37~60p,vol.19,No.3,2019に記載されたパーオキサイド系光重合開始剤、国際公開第2018/221177号に記載の光重合開始剤、国際公開第2018/110179号に記載の光重合開始剤、特開2019-043864号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-044030号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-167313号公報に記載の過酸化物系開始剤、特開2020-055992号公報に記載のオキサゾリジン基を有するアミノアセトフェノン系開始剤、特開2013-190459号公報に記載のオキシム系光重合開始剤、特開2020-172619号公報に記載の重合体、国際公開第2020/152120号に記載の式1で表される化合物、特開2021-181406号公報に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 α-ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 2959、Omnirad 127(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 184、Irgacure 1173、Irgacure 2959、Irgacure 127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α-アミノケトン化合物の市販品としては、Omnirad 907、Omnirad 369、Omnirad 369E、Omnirad 379EG(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 907、Irgacure 369、Irgacure 369E、Irgacure 379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、Omnirad 819、Omnirad TPO(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 819、Irgacure TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
 オキシム化合物としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653-1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156-162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202-232)に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特表2004-534797号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0038に記載の化合物、国際公開第2013/167515号に記載の化合物、特許第5430746号に記載の化合物、特許第5647738号に記載の化合物、特開2021-173858号公報の一般式(1)で表される化合物や段落0022から0024に記載の化合物、特開2021-170089号公報の一般式(1)で表される化合物や段落0117から0120に記載の化合物、特開2014-137466号公報に記載の化合物、特許第6636081号公報に記載の化合物、韓国公開特許第10-2016-0109444号公報に記載の化合物、特表2020-507664号公報に記載のフルオレニルアミノケトン類光開始剤、国際公開第2021/023144号に記載のオキシムエステル化合物、国際公開第2013/083505号に記載の化合物、特開2010-262028号公報に記載の化合物、特表2014-500852号公報に記載の化合物24、36~40、特開2013-164471号公報に記載の化合物(C-3)、特開2013-114249号公報の段落番号0031~0047、特開2014-137466号公報の段落番号0008~0012、0070~0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007~0025に記載されている化合物、国際公開第2015/036910号に記載されているOE-01~OE-75、国際公開第2019/088055号に記載された化合物などが挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、3-ベンゾイルオキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン-2-オン、2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロヘキシル-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-アセチルオキシム)などが挙げられる。市販品としては、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure OXE03、Irgacure OXE04(以上、BASF社製)、TR-PBG-301、TR-PBG-304、TR-PBG-327(TRONLY社製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光重合開始剤2)、アデカアークルズNCI-730、NCI-831、NCI-930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
 光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量は0.1~30質量%であることが好ましい。下限は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。上限は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。光学フィルタ形成用組成物は、光重合開始剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。光重合開始剤を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-環状エーテル基を有する化合物-
 光学フィルタ形成用組成物は、環状エーテル基を有する化合物を含有することができる。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。環状エーテル基を有する化合物は、エポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物ともいう)であることが好ましい。環状エーテル基を有する化合物としては、特開2013-011869号公報の段落番号0034~0036に記載された化合物、特開2014-043556号公報の段落番号0147~0156に記載された化合物、特開2014-089408号公報の段落番号0085~0092に記載された化合物、特開2017-179172号公報に記載された化合物を用いることもできる。環状エーテル基を有する化合物の市販品としては、例えば、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N-695(DIC(株)製)、マープルーフG-0150M、G-0105SA、G-0130SP、G-0250SP、G-1005S、G-1005SA、G-1010S、G-2050M、G-01100、G-01758(以上、日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)等が挙げられる。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における環状エーテル基を有する化合物の含有量は、0.1~20質量%が好ましい。下限は、例えば、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、例えば、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。光学フィルタ形成用組成物は、環状エーテル基を有する化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。環状エーテル基を有する化合物を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-硬化促進剤-
 光学フィルタ形成用組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、チオール化合物、メチロール化合物、アミン化合物、ホスホニウム塩化合物、アミジン塩化合物、アミド化合物、塩基発生剤、イソシアネート化合物、アルコキシシラン化合物、オニウム塩化合物などが挙げられる。硬化促進剤の具体例としては、国際公開第2018/056189号の段落番号0094~0097に記載の化合物、特開2015-034963号公報の段落番号0246~0253に記載の化合物、特開2013-041165号公報の段落番号0186~0251に記載の化合物、特開2014-055114号公報に記載のイオン性化合物、特開2012-150180号公報の段落番号0071~0080に記載の化合物、特開2011-253054号公報に記載のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物、特許第5765059号公報の段落番号0085~0092に記載の化合物、特開2017-036379号公報に記載のカルボキシ基含有エポキシ硬化剤、特開2021-181406号公報に記載の化合物などが挙げられる。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における硬化促進剤の含有量は0.3~8.9質量%が好ましく、0.8~6.4質量%がより好ましい。
-紫外線吸収剤-
 光学フィルタ形成用組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物、ジベンゾイル化合物などが挙げられる。このような化合物の具体例としては、特開2009-217221号公報の段落番号0038~0052、特開2012-208374号公報の段落番号0052~0072、特開2013-068814号公報の段落番号0317~0334、特開2016-162946号公報の段落番号0061~0080に記載された化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV-503(大東化学(株)製)、BASF社製のTinuvinシリーズ、Uvinul(ユビナール)シリーズ、住化ケムテックス(株)製のSumisorbシリーズなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としては、ミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)が挙げられる。また、紫外線吸収剤は、特許第6268967号公報の段落番号0049~0059に記載された化合物、国際公開第2016/181987号の段落番号0059~0076に記載された化合物、国際公開第2020/137819号に記載されたチオアリール基置換ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、特開2021-178918号公報に記載の反応性トリアジン紫外線吸収剤を用いることもできる。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における紫外線吸収剤の含有量は、0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。光学フィルタ形成用組成物は紫外線吸収剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。紫外線吸収剤を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-重合禁止剤-
 光学フィルタ形成用組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p-メトキシフェノールが好ましい。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における重合禁止剤の含有量は、0.0001~5質量%が好ましい。光学フィルタ形成用組成物は重合禁止剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。重合禁止剤を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-シランカップリング剤-
 光学フィルタ形成用組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤については、特開2009-288703号公報の段落番号0018~0036に記載の化合物、特開2009-242604号公報の段落番号0056~0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。光学フィルタ形成用組成物の全固形分中におけるシランカップリング剤の含有量は、0.01~15質量%であることが好ましく、0.05~10質量%であることがより好ましい。光学フィルタ形成用組成物はシランカップリング剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。シランカップリング剤を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-界面活性剤-
 光学フィルタ形成用組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤はシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤については、国際公開第2015/166779号の段落番号0238~0245に記載された界面活性剤を参照することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 フッ素系界面活性剤としては、特開2014-041318号公報の段落番号0060~0064(対応する国際公開第2014/017669号の段落番号0060~0064)等に記載の界面活性剤、特開2011-132503号公報の段落番号0117~0132に記載の界面活性剤、特開2020-008634号公報に記載の界面活性剤、特開2016-216602号公報に記載されたフッ素系界面活性剤、特開2010-032698号公報の段落番号0016~0037に記載されたフッ素含有界面活性剤、特開2010-164965号公報の段落番号0050~0090および段落番号0289~0295に記載されたフッ素含有界面活性剤、特開2015-117327号公報の段落番号0015~0158に記載されたフッ素含有界面活性剤を用いることもできる。また、国際公開第2020/084854号に記載の界面活性剤を、炭素数6以上のパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤の代替として用いることも、環境規制の観点から好ましい。
 ノニオン性界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(富士フイルム和光純薬(株)製)、パイオニンD-6112、D-6112-W、D-6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
 シリコーン系界面活性剤としては、DOWSIL SH8400、SH8400 FLUID、FZ-2122、67 Additive、74 Additive、M Additive、SF 8419 OIL(以上、ダウ・東レ(株)製)、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP-341、KF-6000、KF-6001、KF-6002、KF-6003(以上、信越化学工業(株)製)、BYK-307、BYK-322、BYK-323、BYK-330、BYK-333、BYK-3760、BYK-UV3510(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
 光学フィルタ形成用組成物の全固形分中における界面活性剤の含有量は、0.001質量%~5.0質量%が好ましく、0.005~3.0質量%がより好ましい。光学フィルタ形成用組成物は界面活性剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。界面活性剤を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
-その他成分-
 光学フィルタ形成用組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、潜在酸化防止剤、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、酸化防止剤は、特許第6268967号公報の段落番号0023~0048に記載された化合物、国際公開第2017/006600号に記載された化合物、国際公開第2017/164024号に記載された化合物、韓国公開特許第10-2019-0059371号公報に記載された化合物を使用することもできる。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100~250℃で加熱するか、又は酸/塩基触媒存在下で80~200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤としては、国際公開第2014/021023号、国際公開第2017/030005号、特開2017-008219号公報に記載された化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤の市販品としては、アデカアークルズGPA-5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。
<<その他の部材>>
 本発明の光検出素子は、中間層20上であって、上述した光学フィルタ30が設けられている領域とは異なる領域に、カラーフィルタが更に設けられていてもよい。すなわち、カラーフィルタを更に備える場合、カラーフィルタは、中間層20上であって、光学フィルタ30とは別の光路上に設けられている。
 カラーフィルタは、赤色層、青色層、緑色層、黄色層、マゼンタ色層およびシアン色層からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色層を有するフィルタであることが好ましい。カラーフィルタは2色以上の着色層を含んでいてもよく、1色のみであってもよい。用途や目的に応じて適宜選択することができる。例えば、国際公開第2019/039172号に記載のカラーフィルタを用いることができる。
 カラーフィルタの好ましい一態様として、赤色層と青色層と緑色層を有するフィルタが挙げられる。好ましい別の態様として、黄色層とマゼンタ色層とシアン色層とを有するフィルタが挙げられる。
 カラーフィルタが2色以上の着色層を含む場合、各色の着色層同士は隣接していてもよく、各着色層間に隔壁が設けられていてもよい。隔壁の材質としては、特に限定はない。例えば、シロキサン樹脂、フッ素樹脂などの有機材料や、シリカ粒子などの無機粒子が挙げられる。また、隔壁は、タングステン、アルミニウムなどの金属で構成されていてもよい。
 また、カラーフィルタを設ける場合、カラーフィルタの光路上には赤外線カットフィルタが設けられていることも好ましい。赤外線カットフィルタの具体例としては、例えば、国際公開第2016/186050号、国際公開第2016/035695号、特許第6248945号公報、国際公開第2019/021767号、特開2017-067963号公報、特許第6506529号公報に記載されたフィルタなどが挙げられる。
 本発明の光検出素子は、光学フィルタ30の光入射側に、保護層、反射防止膜、レンズなどが設けられていてもよい。反射防止膜としては、例えば、国際公開第2019/017280号に記載の組成物から作製した膜を用いることができる。レンズとしては、例えば、国際公開第2018/092600号に記載の構造体を用いることができる。
 本発明の光検出素子は、光学フィルタ30の光入射側にバンドパスフィルタを更に備えていてもよい。バンドパスフィルタは、光学フィルタ30の表面に形成されていてもよく、光学フィルタ30とは別の部材に形成されて、光学フィルタ30上に設けられていてもよい。
 バンドパスフィルタとしては、誘電体多層膜などが挙げられる。誘電体多層膜としては、高屈折率の誘電体薄膜(高屈折率材料層)と低屈折率の誘電体薄膜(低屈折率材料層)とを交互に複数層積層したものが挙げられる。誘電体多層膜における誘電体薄膜の積層数は、特に限定はないが、2~100層が好ましく、4~60層がより好ましく、6~40層が更に好ましい。高屈折率材料層の形成に用いられる材料としては、屈折率が1.7~2.5の材料が好ましい。具体例としては、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrOなどが挙げられる。低屈折率材料層の形成に用いられる材料としては、屈折率が1.2~1.6の材料が好ましい。具体例としては、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThF、NaAlFなどが挙げられる。誘電体多層膜の形成方法としては、特に制限はないが、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられる。高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚みは、遮断しようとする光の波長λ(nm)の0.1λ~0.5λの厚みであることが好ましい。
 バンドパスフィルタは、量子ドット層13の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
 バンドパスフィルタの波長400~1100nmの分光特性については、適宜選択することができる。
 一態様として、バンドパスフィルタの波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が30%以下である態様が挙げられる。この態様によれば、光電変換素子にて太陽光由来のノイズの少ない目的波長の赤外線を受光させることができ、赤外線を利用したセンシングの精度をより高めることができる。
 別の態様として、バンドパスフィルタの波長900~1100nmの範囲の光の透過率の最小値が30%以下である態様が挙げられる。この態様によれば、光電変換素子にて目的波長の赤外線が1200~1500nmの場合に、目的波長以外の赤外線の受光を抑制でき、目的波長の赤外線を利用したセンシングの精度をより高めることができる。
<イメージセンサ>
 本発明のイメージセンサは、上述した本発明の光検出素子を含む。
 本発明の光検出素子は、赤外線に対して優れた感度を有しているので、赤外線センサとして特に好ましく用いることができる。また、上記イメージセンサは、波長900~1700nmの光をセンシングするものとして好ましく用いることができ、波長1300~1500nmの光をセンシングするものとしてより好ましく用いることができる。
 また、本発明のイメージセンサは、可視光画像と、赤外線画像とを同時に取得できるものとして用いることもできる。本発明の光検出素子がカラーフィルタを備えている場合においては、カラーの可視光画像と、赤外線画像とを同時に取得できるイメージセンサとすることができる。
<光検出素子の製造方法>
 本発明の光検出素子の製造方法の第1の態様は、
 光電変換素子と、
 光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 光電変換素子と光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、量子ドット層の第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、
 光検出素子の製造方法であって、
 中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して光学フィルタを形成する工程を含むことを特徴とする。
 すなわち、本発明の光検出素子の製造方法の第1の態様は、上述した第1の態様の光検出素子の製造方法であって、中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して光学フィルタを形成する工程を含むことを特徴とするものである。
 本発明の光検出素子の製造方法の第2の態様は、
 光電変換素子と、
 光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
 光電変換素子と光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
 光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、量子ドット層の第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
 光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、量子ドット層の極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
 中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10―4g/m/day以下である、
 光検出素子の製造方法であって、
 中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して光学フィルタを形成する工程を含むことを特徴とする。
 すなわち、本発明の光検出素子の製造方法の第2の態様は、上述した第2の態様の光検出素子の製造方法であって、中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して光学フィルタを形成する工程を含むことを特徴とするものである。
 光検出素子および光学フィルタ形成用組成物の詳細については上述した通りである。
 光学フィルタ形成用組成物の適用方法としては、上述した方法が挙げられる。
 光学フィルタの形成にあたり、光学フィルタ形成用組成物層をパターン状に露光し、光学フィルタ形成用組成物層の未露光部を現像除去してパターンを形成することも好ましい。例えば、光学フィルタ形成用組成物層に対し、ステッパー露光機やスキャナ露光機などを用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、光学フィルタ形成用組成物層の露光部分を硬化させることができる。
 露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等が挙げられる。また、波長300nm以下の光(好ましくは波長180~300nmの光)を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられ、KrF線(波長248nm)が好ましい。また、300nm以上の長波な光源も利用できる。
 また、露光に際して、光を連続的に照射して露光してもよく、パルス的に照射して露光(パルス露光)してもよい。なお、パルス露光とは、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光する方式の露光方法のことである。
 照射量(露光量)は、例えば、0.03~2.5J/cmが好ましく、0.05~1.0J/cmがより好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば、酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、または、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、または、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m~100000W/m(例えば、5000W/m、15000W/m、または、35000W/m)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m、酸素濃度35体積%で照度20000W/mなどとすることができる。
 光学フィルタ形成用組成物層の未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。現像液は、有機溶剤、アルカリ現像液などが挙げられ、アルカリ現像液が好ましく用いられる。アルカリ現像液については、上述したものが挙げられる。
 光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光するにあたり、現像前の光学フィルタ形成用組成物層に対して2回以上露光してもよいが、現像前の光学フィルタ形成用組成物層に対して1回目の露光を行い、現像後の光学フィルタ形成用組成物層に対して2回目の露光を行うことが好ましい。また、1回目の露光は、波長350nmを超え380nm以下nmの光で行い、2回目の露光は波長254~350nmの光で行うことも好ましい。
 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下に示す構造式中のPhはフェニル基を表す。
<顔料分散液の製造>
 下記の表に記載の素材を混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10、日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、顔料分散液を製造した。
 上記表に記載の素材は以下の通りである。
(色材)
 PR254:C.I.ピグメントレッド254(赤色顔料)
 PY139:C.I.ピグメントイエロー139(黄色顔料)
 PV23:C.I.ピグメントバイオレット23(紫色顔料)
 PB15:6:C.I.ピグメントブルー15:6(青色顔料)
 IR-1:下記構造の化合物(ピロロピロール化合物、赤外線吸収色材)
 IR-2:下記構造の化合物(ピロロピロール化合物、赤外線吸収色材)
(顔料誘導体)
 誘導体1:下記構造の化合物
 誘導体2:下記構造の化合物
(樹脂)
 B-1:下記構造の樹脂(主鎖に付した数値は繰り返し単位のモル比である。重量平均分子量11000)
 BB-1:下記構造の樹脂(主鎖に付した数値は繰り返し単位のモル比であり、側鎖に付した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量20900)
(溶剤)
 S-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
 S-2:シクロヘキサノン
<光学フィルタ形成用組成物の製造>
 下記表に記載の原料を混合して、光学フィルタ形成用組成物(組成物1~3)を製造した。なお、顔料分散液については、合計で表に記載の質量部となり、かつ、得られる光学フィルタの分光特性が後述する表に記載の分光特性を満たすようにその比率を調整した。
 上記表に記載の素材は以下の通りである。
(顔料分散液)
 A-1、A-2、B-1、B-2:上記顔料分散液A-1、A-2、B-1、B-2
(色材)
 IRD-1:下記構造の化合物(イミニウム化合物、赤外線吸収色材)
(樹脂)
 B-1:上述した樹脂B-1
(重合性化合物)
 M-1:下記構造の化合物の混合物(左側化合物(6官能の(メタ)アクリレート化合物)と右側化合物(5官能の(メタ)アクリレート化合物)とのモル比が7:3の混合物)
 M-2:下記構造の化合物
(光重合開始剤)
 I-1、I-2:下記構造の化合物
(添加剤)
 H-1:メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル
(溶剤)
 S-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
 S-3:シクロペンチルメチルエーテル
<光検出素子の製造>
 図1に示す光検出素子を製造した。光電変換素子、中間層および光学フィルタは以下の通りである。なお、以下の表中のITOは、酸化インジウムスズのことである。また、以下の表中の膜厚比1は、量子ドット層の厚みに対する中間層の厚みの比(中間層の厚み/量子ドット層の厚み)であり、膜厚比2は、量子ドット層の厚みに対する光学フィルタの厚みの比(光学フィルタの厚み/量子ドット層の厚み)である。
 中間層は、光電変換素子の第1の電極の表面に、下記表に記載の素材を、化学的気相成長法(CVD)または原子層堆積法(ALD)で製膜して形成した。実施例9については、第1の電極の表面に、ZrOを原子層堆積法(ALD)で製膜したのち、ZrO膜上にSiOを原子層堆積法(ALD)で製膜して形成した。実施例10については、第1の電極の表面に、SiONを原子層堆積法(ALD)で製膜したのち、SiON膜上にSiOを原子層堆積法(ALD)で製膜して形成した。
 また、中間層の水蒸気透過率を、JIS K 7129に準拠した方法で測定した。各実施例の中間層の水蒸気透過率は、いずれも1×10-4g/m/day以下であった。
 光学フィルタは、中間層の表面に、光学フィルタ形成用組成物をスピンコート塗布し、i線ステッパー露光装置FPA-i5+(キヤノン(株)製)を使用して、塗布膜に365nmの波長の光を、2.0μm四方のアイランドパターンを有するマスクを通し、50~1700mJ/cmの露光量で照射し、第1の露光を実施した。その後、紫外線フォトレジスト硬化装置(MMA-802-HC-552、ウシオ電気(株)製)を用いて、10000mJ/cmの露光量で照射し、第2の露光を実施して形成した。
 光学フィルタ1は、光学フィルタ形成用組成物として組成物1を用いて形成した光学フィルタであって、その分光特性は、波長400~1200nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、波長1300~1500nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上である。
 光学フィルタ2は、光学フィルタ形成用組成物として組成物2を用いて形成した光学フィルタであって、その分光特性は、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、波長900~1000nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上である。
 光学フィルタ3は、光学フィルタ形成用組成物として組成物3を用いて形成した光学フィルタであって、その分光特性は、波長400~1200nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、波長1500~1700nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上である。
<暗電流および外部量子効率の評価>
 光学フィルタの形成前後の光検出素子の暗電流および外部量子効率を半導体パラメータアナライザー(C4156、Agilent製)を用いて測定し、暗電流の変動度、および、外部量子効率の変動度を算出し、以下の基準で暗電流および外部量子効率を評価した。
 暗電流の変動度=光学フィルタの形成後の光検出素子の暗電流/光学フィルタの形成前の光検出素子の暗電流
 外部量子効率の変動度=光学フィルタの形成後の光検出素子の外部量子効率/光学フィルタの形成前の光検出素子の外部量子効率
 -暗電流の評価基準-
 A:暗電流の変動度が1以上5以下である
 B:暗電流の変動度が5を超え10以下である
 C:暗電流の変動度が10を超える
 -外部量子効率の評価基準-
 A:外部量子効率の変動度が0.8を超え1以下である
 B:外部量子効率の変動度が0.5を超え0.8以下である
 C:外部量子効率の変動度が0.5以下である
 上記表に示すように、実施例の光検出素子は暗電流を抑制することができた。
 1:光検出素子
 10:光電変換素子
 11:第1の電極
 12:第2の電極
 13:量子ドット層
 20:中間層
 30:光学フィルタ

Claims (15)

  1.  光電変換素子と、
     前記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
     前記光電変換素子と前記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
     前記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、前記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、前記量子ドット層の前記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
     前記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、前記量子ドット層の前記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
     前記中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、
     光検出素子。
  2.  光電変換素子と、
     前記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
     前記光電変換素子と前記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
     前記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、前記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、前記量子ドット層の前記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
     前記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、前記量子ドット層の前記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
     前記中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である、
     光検出素子。
  3.  前記量子ドット層の厚みに対する前記中間層の厚みの比が0.01~1である、請求項1または2に記載の光検出素子。
  4.  前記中間層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウムおよび酸化ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を、原子層堆積法で製膜した膜を含む、請求項1または2に記載の光検出素子。
  5.  前記量子ドット層の厚みに対する前記光学フィルタの厚みの比が0.1~100である、請求項1または2に記載の光検出素子。
  6.  前記量子ドット層は、波長1450nmにおける吸光度よりも波長550nmにおける吸光度の方が大きい、請求項1または2に記載の光検出素子。
  7.  前記量子ドット層は、Ga、As、Se、In、Sb、TeおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む量子ドットを含む、請求項1または2に記載の光検出素子。
  8.  前記量子ドット層は、前記量子ドットと、前記量子ドットに配位する配位子とを含み、
     前記配位子は、ハロゲン原子を含む無機配位子を含む、請求項1または2に記載の光検出素子。
  9.  前記量子ドット層の厚みが200~700nmである、請求項1または2に記載の光検出素子。
  10.  前記量子ドット層の前記極大吸収波長が、波長1300~1500nmの範囲に存在する、請求項1または2に記載の光検出素子。
  11.  前記第1の電極は酸化インジウムスズを含む、請求項1または2に記載の光検出素子。
  12.  請求項1または2に記載の光検出素子を含むイメージセンサ。
  13.  赤外線センサである、請求項12に記載のイメージセンサ。
  14.  光電変換素子と、
     前記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
     前記光電変換素子と前記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
     前記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、前記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、前記量子ドット層の前記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
     前記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、前記量子ドット層の前記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
     前記中間層は、Si、Al、Zr、Sn、Zn、CeおよびHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含むか、または、パラキシレンポリマーを含む、
     光検出素子の製造方法であって、
     前記中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、前記光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して前記光学フィルタを形成する工程を含む、光検出素子の製造方法。
  15.  光電変換素子と、
     前記光電変換素子の光入射側に設けられた光学フィルタと、
     前記光電変換素子と前記光学フィルタとの間に設けられた中間層と、を有し、
     前記光電変換素子は、量子ドットを含み、波長900~1700nmの範囲に吸光度の極大吸収波長が存在する量子ドット層と、前記量子ドット層の光入射側に設けられた第1の電極と、前記量子ドット層の前記第1の電極が設けられている側とは反対側の面上に設けられた第2の電極と、を有し、
     前記光学フィルタは、波長400~700nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、かつ、前記量子ドット層の前記極大吸収波長の±100nmの範囲の光の透過率の最大値が60%以上であり、
     前記中間層は、JIS K 7129に準拠した方法で求めた水蒸気透過度が1×10-4g/m/day以下である、
     光検出素子の製造方法であって、
     前記中間層上に、光学フィルタ形成用組成物を適用して光学フィルタ形成用組成物層を形成し、前記光学フィルタ形成用組成物層を2回以上露光して前記光学フィルタを形成する工程を含む、光検出素子の製造方法。
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