JP7415021B2 - カラーフィルタ、固体撮像素子、着色組成物およびキット - Google Patents

カラーフィルタ、固体撮像素子、着色組成物およびキット Download PDF

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Description

本発明は、緑色顔料を含む緑色画素を有するカラーフィルタに関する。また、本発明は、固体撮像素子、着色組成物およびキットに関する。
近年、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、電荷結合素子(CCD)イメージセンサなどの固体撮像素子の需要が大きく伸びている。ディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されている。カラーフィルタは、緑色画素、青色画素および赤色画素の3原色の着色画素を備えており、透過光を3原色へ分解する役割を果たしている。
特許文献1には、C.I.ピグメントブルー16および黄色着色剤を含み、C.I.ピグメントブルー16の含有量が26質量%以上であり、緑色着色剤を含まない着色剤(A)と、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)を含む着色組成物を用いてカラーフィルタの緑色画素を形成することが記載されている。
特開2018-180081号公報
カラーフィルタの緑色画素としては、緑色の色再現性が良く、他色との色分離性に優れるという理由から一般的に緑色顔料を含む着色組成物を用いて形成されている。
しかしながら、緑色顔料は一般的に耐光性が低い傾向にある。このため、緑色顔料を含む緑色画素を含むカラーフィルタについては、光照射によって緑色の分光特性が経時的に変動しやすい傾向にある。
よって、本発明の目的は、光照射による緑色の分光特性の変動が抑制された耐光性に優れたカラーフィルタを提供することにある。また、本発明の目的は、固体撮像素子、着色組成物およびキットを提供することにある。
本発明者の検討によれば、後述する構成とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下を提供する。
<1> 青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含有する第1の画素と、
緑色顔料を含む顔料を含有する緑色画素である第2の画素と、を含むカラーフィルタ。
<2> 上記第1の画素が含む上記青色顔料は、フタロシアニン青色顔料である、<1>に記載のカラーフィルタ。
<3> 上記第1の画素が含む上記青色顔料は、カラーインデックスピグメントブルー15:3、カラーインデックスピグメントブルー15:4、カラーインデックスピグメントブルー15:6、および、カラーインデックスピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種である、<1>に記載のカラーフィルタ。
<4> 上記第1の画素が含む上記青色顔料は、カラーインデックスピグメントブルー16である、<1>に記載のカラーフィルタ。
<5> 上記第1の画素が含む上記黄色顔料は、カラーインデックスピグメントイエロー129、カラーインデックスピグメントイエロー139、カラーインデックスピグメントイエロー150、および、カラーインデックスピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<6> 上記第1の画素は、上記青色顔料100質量部に対して上記黄色顔料を70~130質量部含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<7> 上記第1の画素は、上記顔料中における上記青色顔料と上記黄色顔料の合計の含有量が75~100質量%である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<8> 上記第2の画素が含む上記緑色顔料は、カラーインデックスピグメントグリーン7、カラーインデックスピグメントグリーン36、カラーインデックスピグメントグリーン58、カラーインデックスピグメントグリーン59、カラーインデックスピグメントグリーン62、および、カラーインデックスピグメントグリーン63から選ばれる少なくとも1種である<1>~<7>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<9> 上記第2の画素は更に黄色顔料を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<10> 上記第2の画素は緑色顔料と、黄色顔料と、青色顔料とを含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<11> 上記第2の画素が含む上記黄色顔料は、カラーインデックスピグメントイエロー129、カラーインデックスピグメントイエロー139、カラーインデックスピグメントイエロー150、および、カラーインデックスピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種である、<9>または<10>に記載のカラーフィルタ。
<12> 上記第1の画素中における上記顔料の含有量が40質量%以上である、<1>~<11>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<13> 上記第2の画素中における上記顔料の含有量が40質量%以上である、<1>~<12>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<14> 上記第1の画素および上記第2の画素の波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、
上記第1の画素については、波長450~600nmの範囲に透過率の最大値を示す波長λが存在し、上記波長λでの透過率が70%以上であり、
上記第2の画素については、波長450~600nmの範囲であって、上記波長λよりも長波長側に透過率の最大値を示す波長λが存在し、上記波長λでの透過率が70%以上であり、
上記第1の画素および第2の画素は、波長400~700nmの範囲に透過率が50%を示す波長が2つ存在する、
<1>~<13>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<15> 上記波長λと上記波長λとの差が5~75nmである、<14>に記載のカラーフィルタ。
<16> 上記第2の画素について透過率50%を示す長波長側の波長λL21が、上記第1の画素について透過率50%を示す長波長側の波長λL11よりも長波長側に存在する、<1>~<15>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<17> 上記波長λL21と上記波長λL11との差が5~75nmである、<16>に記載のカラーフィルタ。
<18> 上記波長λL11での上記第2の画素の透過率が60%以上である、<16>または<17>に記載のカラーフィルタ。
<19> 上記波長λL21での上記第1の画素の透過率が20%以下である、<16>~<18>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ。
<20> <1>~<19>のいずれか1つに記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<21> <1>~<19>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの第1の画素形成用の着色組成物であって、
青色顔料および黄色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含み、
上記青色顔料は、カラーインデックスピグメントブルー16を含み、
上記着色組成物の全固形分中における上記顔料の含有量が40質量%以上であり、
上記顔料中におけるカラーインデックスピグメントブルー16の含有量が50質量%以上である、着色組成物。
<22> <1>~<19>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造用のキットであって、
青色顔料および黄色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する第1の画素形成用の着色組成物と、
緑色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する第2の画素形成用の着色組成物と、
含むキット。
<23> 上記第2の画素形成用の着色組成物は、緑色顔料と黄色顔料と青色顔料とを含む、<22>に記載のキット。
本発明によれば、光照射による緑色の分光特性の変動が抑制された耐光性に優れたカラーフィルタを提供することができる。また、本発明は、固体撮像素子、着色組成物およびキットを提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
本明細書において、顔料とは、溶剤に対して溶解しにくい色材を意味する。例えば、顔料は、23℃の水100gおよび23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度がいずれも0.1g以下であることが好ましく、0.01g以下であることがより好ましい。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、
青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含有する第1の画素と、
緑色顔料を含む顔料を含有する緑色画素である第2の画素と、を含むことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、緑色顔料を含む顔料を含有する緑色画素を含むカラーフィルタであるにもかかわらず、光照射による緑色の分光特性の変動を抑制することができる。このような効果が得られる詳細な理由は不明であるが、青色顔料は緑色顔料より耐光性が強いことに起因すると推測される。即ち、青色顔料を含む第1の画素は、第2の画素より光照射による分光特性の変動が小さいと推測される。このため、青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含有する第1の画素と、緑色顔料を含む顔料を含有する緑色画素である第2の画素とを併用することで、第2の画素単独の場合よりも光照射による緑色の分光特性の変動を抑制することができたと推測される。
まず、本発明のカラーフィルタにおける第1の画素について説明する。第1の画素は、青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含む。第1の画素は緑色画素であることが好ましい。
第1の画素が含む青色顔料としては、フタロシアニン青色顔料、トリアリールメタン青色顔料、インダントロン青色顔料などが挙げられ、耐熱性、耐光性に優れるという理由からフタロシアニン青色顔料であることが好ましい。
青色顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,29,60,64,66,79,80,87(モノアゾ系),88(メチン系)等が挙げられる。
青色顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.スピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、および、C.I.ピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、耐熱性、耐光性、色再現性の特性に特に優れるという理由からC.I.ピグメントブルー16であることが好ましい。
第1の画素は、青色顔料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第1の画素が含む黄色顔料としては、アゾ黄色顔料、アゾメチン黄色顔料、キノフタロン黄色顔料、イソインドリノン黄色顔料、イソインドリン黄色顔料、プテリジン黄色顔料およびアントラキノン黄色顔料等が挙げられ、アゾ黄色顔料、アゾメチン黄色顔料およびイソインドリン黄色顔料であることが好ましい。
黄色顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214,215,228,231,232(メチン系),233(キノリン系),234(アミノケトン系),235(アミノケトン系),236(アミノケトン系)等が挙げられる。
また、黄色顔料としては、下記構造のアゾバルビツール酸ニッケル錯体(アゾ黄色顔料)を用いることもできる。
また、黄色顔料として、特開2013-054339号公報の段落番号0011~0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014-026228号公報の段落番号0013~0058に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062644号公報に記載のイソインドリン化合物、特開2018-203798号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062578号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6432076号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-155881号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-111757号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-040835号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2017-197640号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2016-145282号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-085565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-021139号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209614号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209435号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-181015号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-061622号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-032486号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2012-226110号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074987号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-081565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074986号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074985号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-050420号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-031281号公報に記載のキノフタロン化合物、特公昭48-032765号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2019-008014号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6607427号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2020-033525号公報に記載の化合物、特開2020-033524号公報に記載の化合物、特開2020-033523号公報に記載の化合物、特開2020-033522号公報に記載の化合物、特開2020-033521号公報に記載の化合物、国際公開第2020/045200号に記載の化合物、国際公開第2020/045199号に記載の化合物、国際公開第2020/045197号に記載の化合物を用いることもできる。また、これらの化合物を多量体化したものも、色価向上の観点から好ましく用いられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー215から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
第1の画素は、黄色顔料を1種のみ含んでいてもよいが、色再現性を調整しやすいという理由から2種以上含むことが好ましく、3種以上含むことがより好ましい。
第1の画素は、青色顔料100質量部に対して黄色顔料を50~200質量部含むことが好ましく、60~150質量部含むことがより好ましく、70~130質量部含むことが更に好ましい。
第1の画素に含まれる顔料中における青色顔料の含有量は10~75質量%であることが好ましく、30~65質量%であることがより好ましく、40~60質量%であることが更に好ましい。
また、第1の画素に含まれる顔料中におけるC.I.ピグメントブルー16の含有量は10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることがより一層好ましい。上限は、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。この態様によれば、耐光性と色再現性を高い水準で両立することができる。
また、第1の画素に含まれる顔料中における黄色顔料の含有量は5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。
また、第1の画素に含まれる顔料中における青色顔料と黄色顔料の合計の含有量は50~100質量%であることが好ましく、60~100質量%であることがより好ましく、75~100質量%であることが更に好ましく、90~100質量%であることが特に好ましい。第1の画素に含まれる顔料は、耐光性および分光特性の観点から青色顔料と黄色顔料のみであることが特に好ましい。
第1の画素は、顔料の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましい。また、青色顔料の含有量が5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。また、黄色顔料の含有量が5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。
波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第1の画素については、波長450~600nmの範囲に透過率の最大値を示す波長(以下、波長λともいう)が存在することが好ましい。上記の波長λは、波長460~550nmの範囲に存在することが好ましく、波長470~530nmの範囲に存在することがより好ましい。また、第1の画素については、波長λでの透過率は60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
また、波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第1の画素については、波長400~700nmの範囲に透過率が50%を示す波長が2つ存在することが好ましい。透過率50%を示す短波長側の波長(以下、波長λS11ともいう)は、波長450~500nmの範囲に存在することが好ましく、波長460~490nmの範囲に存在することがより好ましい。透過率50%を示す長波長側の波長(以下、波長λL11ともいう)は、波長525~575nmの範囲に存在することが好ましく、波長530~560nmの範囲に存在することがより好ましい。
また、波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第1の画素の波長400~450nmでの透過率の最大値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、第1の画素の波長600~700nmでの透過率の最大値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、第2の画素が透過率50%を示す長波長側の波長(波長λL21)での第1の画素が示す透過率は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
第1の画素の膜厚は20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。
第1の画素の線幅は、0.4~10.0μmであることが好ましい。下限は、0.4μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.6μm以上であることが更に好ましい。上限は、5.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましく、0.8μm以下であることがより一層好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタにおける第2の画素について説明する。第2の画素は、緑色顔料を含む緑色画素である。
第2の画素が含む緑色顔料としては、フタロシアニン緑色顔料、スクアリリウム緑色顔料などが挙げられる。フタロシアニン緑色顔料を用いた緑色画素は、緑色の色再現性が特に優れているものの、耐光性が低い傾向にあり、光照射によって分光特性が変動しやすい傾向にあるが、本発明によれば、フタロシアニン緑色顔料を用いた場合であっても、上述した第1の画素と併用することにより、光照射による緑色の分光特性の変動を抑制することができる。このため、緑色画素にフタロシアニン緑色顔料を用いた場合において本発明の効果がより顕著に奏される。
フタロシアニン緑色顔料としては、色再現性の観点からハロゲン化フタロシアニン緑色顔料であることが好ましい。また、フタロシアニン緑色顔料としては、中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料であることが好ましく、Cu、Al、Co、Ni、TiまたはZnを中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料であることがより好ましく、Cu、ZnまたはAlを中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料であることが更に好ましく、CuまたはZnを中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料であることがより一層好ましく、Cuを中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料であることが特に好ましい。上記中心金属にはさらに配位子が配位していてもよい。
Cuを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン緑色顔料(以下、ハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料ともいう)の具体例としては、カラーインデックス(C.I.)ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。また、ハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料としては、1分子中の臭素原子の平均個数が11~15個で、塩素原子の平均個数が1~4個であるハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料も挙げられる。このようなハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料の具体例としては、特開2009-197075号公報に記載されたフタロシアニン顔料などが挙げられる。
Znを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン緑色顔料(以下、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料ともいう)の具体例としては、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59などが挙げられる。また、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料としては、1分子中のハロゲン原子の平均個数が10~14個であり、かつ、臭素原子の平均個数が8~12個で、塩素原子の平均個数が2~5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料も挙げられる。具体例としては、国際公開第2015/118720号に記載されたフタロシアニン顔料が挙げられる。
Alを中心金属として有するフタロシアニン緑色顔料(以下、アルミニウムフタロシアニン緑色顔料ともいう)の具体例としては、C.I.ピグメントグリーン62(非ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料)、C.I.ピグメントグリーン63(ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料)などが挙げられる。また、特開2018-141894号公報の段落番号0108、0109に記載されたフタロシアニン顔料も挙げられる。
緑色顔料は、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、および、C.I.ピグメントグリーン63から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、良好な耐光特性を有するという理由からC.I.ピグメントグリーン7およびC.I.ピグメントグリーン36から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントグリーン7であることが更に好ましい。
第2の画素は、緑色顔料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第2の画素は更に黄色顔料を含むことが好ましい。この態様によれば、緑色の色再現性が特に優れた画素とすることができる。黄色顔料としては、第1の画素が含むものとして説明した黄色顔料が挙げられる。第2の画素が含む黄色顔料は、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー215から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
第2の画素は、黄色顔料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第2の画素は、更に青色顔料を含むことも好ましい。すなわち、第2の画素は緑色顔料と黄色顔料と青色顔料とを含むことも好ましい。青色顔料としては、第1の画素が含むものとして説明した青色顔料が挙げられる。第2の画素が含む青色顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.スピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、および、C.I.ピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ピグメントブルー15:4であることがより好ましい。
第2の画素に含まれる顔料中における緑色顔料の含有量は5~75質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、20~45質量%であることが更に好ましい。
また、第2の画素に含まれる顔料が黄色顔料を含有する場合、顔料中における黄色顔料の含有量は5~75質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、黄色顔料の含有量は、緑色顔料100質量部に対して10~200質量部であることが好ましく、25~160質量部であることがより好ましい。
また、第2の画素に含まれる顔料が青色顔料を含有する場合、顔料中における青色顔料の含有量は5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、青色顔料の含有量は、緑色顔料100質量部に対して50~200質量部であることが好ましく、80~130質量部であることがより好ましい。
また、第2の画素に含まれる顔料中における緑色顔料と黄色顔料と青色顔料との合計の含有量は50~100質量%であることが好ましく、55~100質量%であることがより好ましく、60~100質量%であることが更に好ましい。第2の画素に含まれる顔料は、緑色顔料と黄色顔料のみであるか、あるいは、緑色顔料と黄色顔料と青色顔料のみであることが好ましく、分光特性の観点から緑色顔料と黄色顔料と青色顔料のみであることが特に好ましい。
第2の画素は、顔料の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。また、緑色顔料の含有量が10~50質量%であることが好ましく、15~45質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、黄色顔料の含有量が10~60質量%であることが好ましく、20~55質量%であることがより好ましく、35~50質量%であることが更に好ましい。また、青色顔料の含有量が5~40質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましく15~30質量%であることが更に好ましい。
波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第2の画素については、波長450~600nmの範囲であって、上記波長λよりも長波長側に透過率の最大値を示す波長(以下、波長λともいう)が存在することが好ましい。上記の波長λは、波長490~580nmの範囲に存在することが好ましく、波長500~560nmの範囲に存在することがより好ましい。また、第2の画素について、波長λでの透過率は60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
また、上記波長λと上記波長λとの差(λ-λ)は5~75nmであることが好ましく、7~50nmであることがより好ましく、10~40nmであることが更に好ましい。この態様によれば、緑色の再現性が特に優れ、更には、光照射による緑色の分光特性の変動がより抑制された耐光性に優れたカラーフィルタとすることができる。
また、波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第2の画素については、波長400~700nmの範囲に透過率が50%を示す波長が2つ存在することが好ましい。透過率50%を示す短波長側の波長(以下、波長λS21ともいう)は、波長470~530nmの範囲に存在することが好ましく、波長480~510nmの範囲に存在することがより好ましい。透過率50%を示す長波長側の波長(以下、波長λL21ともいう)は、波長560~620nmの範囲に存在することが好ましく、波長570~600nmの範囲に存在することがより好ましい。
また、波長λL21は、波長λL11よりも長波長側に存在することが好ましい。また、波長λL21と波長λL21との差(λL21-λL21)は10~80nmであることが好ましく、20~70nmであることがより好ましく、30~60nmであることが更に好ましい。この態様によれば、緑色の再現性が特に優れ、更には、光照射による緑色の分光特性の変動がより抑制された耐光性に優れたカラーフィルタとすることができる。
また、波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、第2の画素が示す波長400~450nmでの透過率の最大値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、第2の画素が示す波長600~700nmでの透過率の最大値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、第1の画素が50%の透過率を示す長波長側の波長(波長λL11)での第2の画素の透過率は、50%以上であることが好ましく、60~95%であることがより好ましく、75~90%であることが更に好ましい。
第2の画素の膜厚は20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。
第2の画素の線幅は、0.4~10.0μmであることが好ましい。下限は、0.4μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.6μm以上であることが更に好ましい。上限は、5.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましく、0.8μm以下であることがより一層好ましい。
カラーフィルタに占める第2の画素の面積は、第1の画素と同じであってもよく、第1の画素よりも大きくてもよく、第1の画素よりも小さくてもよい。
本発明のカラーフィルタは、更に、第1の画素および第2の画素とは異なる種類の画素(以下、他の画素ともいう)を含んでいてもよい。他の画素としては、赤色画素、青色画素、黄色画素、シアン色画素、マゼンタ色画素、透明画素、赤外線透過フィルタの画素などが挙げられる。これらの他の画素の種類については、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明のカラーフィルタにおいては、各画素の表面に保護層が設けられていてもよい。保護層を設けることで、酸素遮断化、低反射化、親疎水化、特定波長の光(紫外線、近赤外線等)の遮蔽等の種々の機能を付与することができる。保護層の厚さとしては、0.01~10μmが好ましく、0.1~5μmがより好ましい。保護層の形成方法としては、保護層形成用の樹脂組成物を塗布して形成する方法、化学気相蒸着法、成型した樹脂を接着材で貼りつける方法等が挙げられる。保護層を構成する成分としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、セルロース樹脂、Si、C、W、Al、Mo、SiO、Siなどが挙げられ、これらの成分を二種以上含有しても良い。例えば、酸素遮断化を目的とした保護層の場合、保護層はポリオール樹脂と、SiOと、Siを含むことが好ましい。また、低反射化を目的とした保護層の場合、保護層は(メタ)アクリル樹脂とフッ素樹脂を含むことが好ましい。
保護層は、必要に応じて、有機・無機微粒子、特定波長の光(例えば、紫外線、近赤外線等)の吸収剤、屈折率調整剤、酸化防止剤、密着剤、界面活性剤等の添加剤を含有しても良い。有機・無機微粒子の例としては、例えば、高分子微粒子(例えば、シリコーン樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン樹脂微粒子)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、窒化チタン、酸窒化チタン、フッ化マグネシウム、中空シリカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。特定波長の光の吸収剤は公知の吸収剤を用いることができる。これらの添加剤の含有量は適宜調整できるが、保護層の全質量に対して0.1~70質量%が好ましく、1~60質量%がさらに好ましい。
また、保護層としては、特開2017-151176号公報の段落番号0073~0092に記載の保護層を用いることもできる。
本発明のカラーフィルタの各画素は支持体上に形成されていることが好ましい。支持体としては、特に限定は無く、用途に応じて適宜選択できる。例えば、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられ、シリコン基板であることが好ましい。また、シリコン基板には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、シリコン基板には、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下地層が設けられていてもよい。下地層の表面接触角は、ジヨードメタンで測定した際に20~70°であることが好ましい。また、水で測定した際に30~80°であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、各画素間に隔壁が設けられていてもよい。この場合の隔壁は各画素に対して低屈折率であることが好ましい。
<固体撮像素子>
次に、固体撮像素子について説明する。本発明の固体撮像素子は、上述した本発明のカラーフィルタを有する。固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、カラーフィルタを有する構成である。更に、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、特開2019-211559号公報の中で示しているように固体撮像素子の構造内に紫外線吸収層を設けて耐光性を改良してもよい。本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、デジタルカメラや、撮像機能を有する電子機器(携帯電話等)の他、車載カメラや監視カメラ用としても用いることができる。
<画像表示装置>
本発明のカラーフィルタは画像表示装置に用いることもできる。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
<着色組成物>
本明細書は、青色顔料および黄色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含む着色組成物につて開示する。この着色組成物は、上述した第1の画素形成用の着色組成物として好ましく用いることができる。
<<顔料>>
着色組成物は、青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含む。青色顔料としては、フタロシアニン青色顔料、トリアリールメタン青色顔料、インダントロン青色顔料などが挙げられ、耐熱性、耐光性に優れるという理由からフタロシアニン青色顔料であることが好ましい。
青色顔料の具体例としては、上述した第1の画素に含まれるものとして説明した青色顔料が挙げられ、カラーインデックス(C.I.)ピグメントブルー15:3、C.I.スピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、および、C.I.ピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、耐熱性、耐光性、色再現性の特性に特に優れるという理由からC.I.ピグメントブルー16であることが好ましい。
着色組成物は、青色顔料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
着色組成物が含む黄色顔料としては、アゾ黄色顔料、アゾメチン黄色顔料、キノフタロン黄色顔料、イソインドリノン黄色顔料、イソインドリン黄色顔料、プテリジン黄色顔料およびアントラキノン黄色顔料等が挙げられ、アゾ黄色顔料、アゾメチン黄色顔料およびイソインドリン黄色顔料であることが好ましい。
黄色顔料の具体例としては、上述した第1の画素に含まれるものとして説明した黄色顔料が挙げられ、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー215から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
着色組成物は、黄色顔料を1種のみ含んでいてもよいが、色再現性を調整しやすいという理由から2種以上含むことが好ましく、3種以上含むことがより好ましい。
着色組成物は、青色顔料100質量部に対して黄色顔料を50~200質量部含むことが好ましく、60~150質量部含むことがより好ましく、70~130質量部含むことが更に好ましい。
着色組成物に含まれる顔料中における青色顔料の含有量は10~75質量%であることが好ましく、30~65質量%であることがより好ましく、40~60質量%であることが更に好ましい。
また、着色組成物に含まれる顔料中におけるC.I.ピグメントブルー16の含有量は10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることがより一層好ましい。上限は、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。この態様によれば、耐光性と色再現性を高い水準で両立することができる。
また、着色組成物に含まれる顔料中における黄色顔料の含有量は5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。
また、着色組成物に含まれる顔料中における青色顔料と黄色顔料の合計の含有量は50~100質量%であることが好ましく、60~100質量%であることがより好ましく、75~100質量%であることが更に好ましく、90~100質量%であることが特に好ましい。着色組成物に含まれる顔料は、耐光性および分光特性の観点から青色顔料と黄色顔料のみであることが特に好ましい。
着色組成物は、顔料の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましい。また、青色顔料の含有量が5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。また、黄色顔料の含有量が5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。
<<硬化性化合物>>
着色組成物は硬化性化合物を含有する。硬化性化合物としては、重合性化合物、樹脂等が挙げられる。樹脂は、非重合性の樹脂(重合性基を有さない樹脂)であってもよく、重合性の樹脂(重合性基を有する樹脂)であってもよい。重合性基としては、エチレン性不飽和結合含有基、環状エーテル基、メチロール基、アルコキシメチル基などが挙げられる。エチレン性不飽和結合含有基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミド基などが挙げられ、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基および(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましい。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられ、エポキシ基が好ましい。重合性化合物は重合性モノマーであることが好ましい。
硬化性化合物としては、樹脂を少なくとも含むものを用いることが好ましい。また、着色組成物をフォトリソグラフィ用の着色組成物とする場合には、硬化性化合物として樹脂と、重合性モノマー(モノマータイプの重合性化合物)とを用いることが好ましく、樹脂と、エチレン性不飽和結合含有基を有する重合性モノマー(モノマータイプの重合性化合物)とを用いることがより好ましい。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物、環状エーテル基を有する化合物、メチロール基を有する化合物、アルコキシメチル基を有する化合物等が挙げられる。エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物はラジカル重合性化合物として好ましく用いることができる。また、環状エーテル基を有する化合物、メチロール基を有する化合物、アルコキシメチル基を有する化合物は、カチオン重合性化合物として好ましく用いることができる。
モノマータイプの重合性化合物(重合性モノマー)の分子量は、2000未満であることが好ましく、1500以下であることがより好ましい。重合性モノマーの分子量の下限は100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。樹脂タイプの重合性化合物の重量平均分子量(Mw)は、2000~2000000であることが好ましい。重量平均分子量の上限は、1000000以下であることが好ましく、500000以下であることがより好ましい。重量平均分子量の下限は、3000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましい。
重合性モノマーとしてのエチレン性不飽和結合含有基を有する化合物は、3~15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3~6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。具体例としては、特開2009-288705号公報の段落番号0095~0108、特開2013-029760号公報の段落0227、特開2008-292970号公報の段落番号0254~0257、特開2013-253224号公報の段落番号0034~0038、特開2012-208494号公報の段落番号0477、特開2017-048367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報、特開2017-194662号公報に記載されている化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA-DPH-12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの化合物の(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)などが挙げられる。また、エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としてはM-460;東亞合成製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルA-TMMT)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)、RP-1040(日本化薬(株)製)、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)、NKオリゴUA-7200(新中村化学工業(株)製)、8UH-1006、8UH-1012(大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB-A0(共栄社化学(株)製)などを用いることもできる。
また、エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることも好ましい。3官能の(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、アロニックスM-309、M-310、M-321、M-350、M-360、M-313、M-315、M-306、M-305、M-303、M-452、M-450(東亞合成(株)製)、NKエステル A9300、A-GLY-9E、A-GLY-20E、A-TMM-3、A-TMM-3L、A-TMM-3LM-N、A-TMPT、TMPT(新中村化学工業(株)製)、KAYARAD GPO-303、TMPTA、THE-330、TPA-330、PET-30(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物は、更に、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。このような化合物の市販品としては、アロニックスM-305、M-510、M-520、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、カプロラクトン構造を有する化合物を用いることもできる。カプロラクトン構造を有する化合物については、特開2013-253224号公報の段落0042~0045の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。カプロラクトン構造を有する化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されている、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、エチレン性不飽和結合含有基とアルキレンオキシ基を有する化合物を用いることもできる。このような化合物は、エチレン性不飽和結合含有基と、エチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基とを有する化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基とエチレンオキシ基とを有する化合物であることがより好ましく、エチレンオキシ基を4~20個有する3~6官能(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能(メタ)アクリレートであるSR-494、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能(メタ)アクリレートであるKAYARAD TPA-330などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物としては、フルオレン骨格を有する重合性化合物を用いることもできる。市販品としては、オグソールEA-0200、EA-0300(大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー)などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物は、トルエンなどの環境規制物質を実質的に含まない化合物を用いることも好ましい。このような化合物の市販品としては、KAYARAD DPHA LT、KAYARAD DPEA-12 LT(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物は、UA-7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600、LINC-202UA(共栄社化学(株)製)、8UH-1006、8UH-1012(以上、大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB-A0(共栄社化学(株)製)などを用いることも好ましい。
環状エーテル基を有する化合物としては、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物などが挙げられ、エポキシ基を有する化合物であることが好ましい。エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を1~100個有する化合物が挙げられる。エポキシ基の数の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。エポキシ基の数の下限は、2個以上が好ましい。エポキシ基を有する化合物としては、特開2013-011869号公報の段落番号0034~0036、特開2014-043556号公報の段落番号0147~0156、特開2014-089408号公報の段落番号0085~0092に記載された化合物、特開2017-179172号公報に記載された化合物を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)でもよい。エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量は、200~100000が好ましく、500~50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。
環状エーテル基を有する化合物の市販品としては、例えば、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N-695(DIC(株)製)、マープルーフG-0150M、G-0105SA、G-0130SP、G-0250SP、G-1005S、G-1005SA、G-1010S、G-2050M、G-01100、G-01758(以上、日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)等が挙げられる。
メチロール基を有する化合物(以下、メチロール化合物ともいう)としては、メチロール基が窒素原子または芳香族環を形成する炭素原子に結合している化合物が挙げられる。また、アルコキシメチル基を有する化合物(以下、アルコキシメチル化合物ともいう)としては、アルコキシメチル基が窒素原子または芳香族環を形成する炭素原子に結合している化合物が挙げられる。アルコキシメチル基またはメチロール基が窒素原子に結合している化合物としては、アルコキシメチル化メラミン、メチロール化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、メチロール化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル、メチロール化グリコールウリル、アルコキシメチル化尿素およびメチロール化尿素等が好ましい。また、特開2004-295116号公報の段落0134~0147、特開2014-089408号公報の段落0095~0126に記載された化合物を用いることもできる。
(樹脂)
着色組成物は、硬化性化合物として樹脂を用いることができる。硬化性化合物は、樹脂を少なくとも含むものを用いることが好ましい。樹脂は、例えば、顔料等を樹脂組成物中で分散させる用途や、バインダーの用途で配合される。なお、主に顔料等を樹脂組成物中で分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外を目的として樹脂を使用することもできる。なお、重合性基を有する樹脂は、重合性化合物にも該当する。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000~2000000が好ましい。上限は、1000000以下が好ましく、500000以下がより好ましい。下限は、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。
樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
樹脂として、酸基を有する樹脂を用いることが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂は分散剤として用いることもできる。着色組成物が酸基を有する樹脂を含有することにより、アルカリ現像によって所望のパターンを形成できる。酸基を有する樹脂の酸価は、30~500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、400mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が更に好ましく、120mgKOH/g以下が最も好ましい。
着色組成物は、塩基性基を有する樹脂を含むことも好ましい。塩基性基を有する樹脂は、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましく、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位と塩基性基を含まない繰り返し単位とを有する共重合体であることがより好ましく、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位と、塩基性基を含まない繰り返し単位とを有するブロック共重合体であることが更に好ましい。塩基性基を有する樹脂は分散剤として用いることもできる。塩基性基を有する樹脂のアミン価は、5~300mgKOH/gが好ましい。下限は、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、200mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。塩基性基を有する樹脂に含まれる塩基性基としては、式(a-1)で表される基、式(a-2)で表される基などが挙げられる。
式(a-1)中、Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Ra1とRa2とは結合して環を形成していてもよい;
式(a-2)中、Ra11は、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基またはオキシラジカルを表し、Ra12~Ra19は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
a1、Ra2、Ra11~Ra19が表すアルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましく、1~5が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。
a1、Ra2、Ra11~Ra19が表すアリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。
a11が表すアルコキシ基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましく、1~5が特に好ましい。アルコキシ基は置換基を有していてもよい。
a11が表すアリールオキシ基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。アリールオキシ基は置換基を有していてもよい。
a11が表すアシル基の炭素数は、2~30が好ましく、2~20がより好ましく、2~12が更に好ましい。アシル基は置換基を有していてもよい。
塩基性基を有する樹脂の市販品としては、DISPERBYK-161、162、163、164、166、167、168、174、182、183、184、185、2000、2001、2050、2150、2163、2164、BYK-LPN6919(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、SOLSPERSE11200、13240、13650、13940、24000、26000、28000、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、37500,38500,39000,53095、56000、7100(以上、日本ルーブリゾール社製)、Efka PX 4300、4330、4046、4060、4080(以上、BASF社製)等が挙げられる。また、塩基性基を有する樹脂は、特開2014-219665号公報の段落番号0063~0112に記載されたブロック共重合体(B)、特開2018-156021号公報の段落番号0046~0076に記載されたブロック共重合体A1を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
着色組成物は、酸基を有する樹脂と塩基性基を有する樹脂とをそれぞれ含むことも好ましい。この態様によれば、着色組成物の保存安定性をより向上できる。酸基を有する樹脂と塩基性基を有する樹脂とを併用する場合、塩基性基を有する樹脂の含有量は、酸基を有する樹脂の100質量部に対して20~500質量部であることが好ましく、30~300質量部であることがより好ましく、50~200質量部であることが更に好ましい。
樹脂としては、式(ED1)で示される化合物および/または式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)由来の繰り返し単位を含む樹脂を含むことも好ましい。
式(ED1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基を表す。
式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1~30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010-168539号公報の記載を参酌できる。
エーテルダイマーの具体例については、特開2013-029760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
樹脂としては、重合性基を有する樹脂を用いることも好ましい。重合性基は、エチレン性不飽和結合含有基および環状エーテル基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基であることがより好ましい。
樹脂としては、式(X)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂を用いることも好ましい。
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R21およびR22はそれぞれ独立してアルキレン基を表し、nは0~15の整数を表す。R21およびR22が表すアルキレン基の炭素数は1~10であることが好ましく、1~5であることがより好ましく、1~3であることが更に好ましく、2または3であることが特に好ましい。nは0~15の整数を表し、0~5の整数であることが好ましく、0~4の整数であることがより好ましく、0~3の整数であることが更に好ましい。
式(X)で表される化合物としては、パラクミルフェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。市販品としては、アロニックスM-110(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
樹脂としては、芳香族カルボキシル基を有する樹脂(以下、樹脂Acともいう)を用いることも好ましい。樹脂Acにおいて、芳香族カルボキシル基は繰り返し単位の主鎖に含まれていてもよく、繰り返し単位の側鎖に含まれていてもよい。芳香族カルボキシル基は繰り返し単位の主鎖に含まれていることが好ましい。なお、本明細書において、芳香族カルボキシル基とは、芳香族環にカルボキシル基が1個以上結合した構造の基のことである。芳香族カルボキシル基において、芳香族環に結合したカルボキシル基の数は、1~4個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましい。
樹脂Acは、式(Ac-1)で表される繰り返し単位および式(Ac-2)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましい。芳香族カルボキシル基を有する樹脂が式(Ac-2)で表される繰り返し単位を有する樹脂である場合は、この樹脂は分散剤として好ましく用いられる。
式(Ac-1)中、Arは芳香族カルボキシル基を含む基を表し、Lは、-COO-または-CONH-を表し、Lは、2価の連結基を表す。
式(Ac-2)中、Ar10は芳香族カルボキシル基を含む基を表し、L11は、-COO-または-CONH-を表し、L12は3価の連結基を表し、P10はポリマー鎖を表す。
式(Ac-1)においてArが表す芳香族カルボキシル基を含む基としては、芳香族トリカルボン酸無水物から由来する構造、芳香族テトラカルボン酸無水物から由来する構造などが挙げられる。芳香族トリカルボン酸無水物および芳香族テトラカルボン酸無水物としては、下記構造の化合物が挙げられる。
上記式中、Qは、単結合、-O-、-CO-、-COOCHCHOCO-、-SO-、-C(CF-、式(Q-1)で表される基または式(Q-2)で表される基を表す。
Arが表す芳香族カルボキシル基を含む基は、重合性基を有していてもよい。重合性基は、エチレン性不飽和結合含有基および環状エーテル基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基であることがより好ましい。
Arが表す芳香族カルボキシル基を含む基の具体例としては、式(Ar-11)で表される基、式(Ar-12)で表される基、式(Ar-13)で表される基などが挙げられる。
式(Ar-11)中、n1は1~4の整数を表し、1または2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(Ar-12)中、n2は1~8の整数を表し、1~4の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(Ar-13)中、n3およびn4はそれぞれ独立して0~4の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。ただし、n3およびn4の少なくとも一方は1以上の整数である。
式(Ar-13)中、Qは、単結合、-O-、-CO-、-COOCHCHOCO-、-SO-、-C(CF-、上記式(Q-1)で表される基または上記式(Q-2)で表される基を表す。
式(Ar-11)~(Ar-13)中、*1はLとの結合位置を表す。
式(Ac-1)においてLは、-COO-または-CONH-を表し、-COO-を表すことが好ましい。
式(Ac-1)においてLが表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-、-S-およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~15が更に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アリーレン基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~10が更に好ましい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。Lが表す2価の連結基は、-L2a-O-で表される基であることが好ましい。L2aは、アルキレン基;アリーレン基;アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基;アルキレン基およびアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-および-S-から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた基などが挙げられ、アルキレン基であることが好ましい。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~15が更に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
式(Ac-2)においてAr10が表す芳香族カルボキシル基を含む基としては、式(Ac-1)のArと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(Ac-2)においてL11は、-COO-または-CONH-を表し、-COO-を表すことが好ましい。
式(Ac-2)においてL12が表す3価の連結基としては、炭化水素基、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-、-S-およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~15が更に好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。芳香族炭化水素基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~10が更に好ましい。炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。L12が表す3価の連結基は、式(L12-1)で表される基であることが好ましく、式(L12-2)で表される基であることがより好ましい。
式(L12-1)中、L12bは3価の連結基を表し、XはSを表し、*1は式(Ac-2)のL11との結合位置を表し、*2は式(Ac-2)のP10との結合位置を表す。L12bが表す3価の連結基としては、炭化水素基;炭化水素基と、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-および-S-から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた基などが挙げられ、炭化水素基または炭化水素基と-O-とを組み合わせた基であることが好ましい。
式(L12-2)中、L12cは3価の連結基を表し、XはSを表し、*1は式(Ac-2)のL11との結合位置を表し、*2は式(Ac-2)のP10との結合位置を表す。L12cが表す3価の連結基としては、炭化水素基;炭化水素基と、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-および-S-から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた基などが挙げられ、炭化水素基であることが好ましい。
式(Ac-2)においてP10はポリマー鎖を表す。P10が表すポリマー鎖は、ポリ(メタ)アクリル繰り返し単位、ポリエーテル繰り返し単位、ポリエステル繰り返し単位およびポリオール繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有することが好ましい。ポリマー鎖P10の重量平均分子量は500~20000が好ましい。下限は1000以上が好ましい。上限は10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。P10の重量平均分子量が上記範囲であれば組成物中における顔料の分散性が良好である。
10が表すポリマー鎖は、重合性基を含んでいてもよい。重合性基は、エチレン性不飽和結合含有基および環状エーテル基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基であることがより好ましい。
式(Ac-2)において、P10が表すポリマー鎖は、下記式(P-1)~(P-5)で表される繰り返し単位を含むポリマー鎖であることが好ましく、(P-5)で表される繰り返し単位を含むポリマー鎖であることがより好ましい。
上記式において、RP1およびRP2は、それぞれアルキレン基を表す。RP1およびRP2で表されるアルキレン基としては、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましく、炭素数2~16の直鎖状又は分岐状のアルキレン基がより好ましく、炭素数3~12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が更に好ましい。
上記式において、RP3は、水素原子またはメチル基を表す。
上記式において、LP1は、単結合またはアリーレン基を表し、LP2は、単結合または2価の連結基を表す。LP1は、単結合であることが好ましい。LP2が表す2価の連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1~12のアルキレン基)、アリーレン基(好ましくは炭素数6~20のアリーレン基)、-NH-、-SO-、-SO-、-CO-、-O-、-COO-、-OCO-、-S-、-NHCO-、-CONH-、およびこれらの2以上を組み合わせてなる基が挙げられる。
P4は、水素原子または置換基を表す。置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、エチレン性不飽和結合含有基などが挙げられる。
また、P10が表すポリマー鎖は、側鎖にエチレン性不飽和結合含有基を含む繰り返し単位を有するポリマー鎖であることがより好ましい。また、P10を構成する全繰り返し単位中における、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に含む繰り返し単位の割合は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。上限は、100質量%とすることができ、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
また、P10が表すポリマー鎖は、酸基を含む繰り返し単位を有することも好ましい。酸基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。この態様によれば、着色組成物中における顔料などの着色剤の分散性をより向上できる。更には、現像性をより向上させることもでき、現像残渣の発生をより抑制できる。酸基を含む繰り返し単位の割合は、1~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
樹脂Acは、式(Ac-10)で表される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
式(Ac-10)中、Ar21は芳香族カルボキシル基を含む基を表し、L21およびL22はそれぞれ独立して-COO-または-CONH-を表し、R21はエチレン性不飽和結合含有基を含む基を表す。
Ar21が表す芳香族カルボキシル基を含む基としては、芳香族トリカルボン酸無水物から由来する構造、芳香族テトラカルボン酸無水物から由来する構造などが挙げられる。
Ar21が表す芳香族カルボキシル基を含む基の具体例としては、式(Ar-21)で表される基、式(Ar-22)で表される基、式(Ar-23)で表される基などが挙げられる。
式(Ar-21)中、n11は1~3の整数を表し、1または2であることが好ましい。
式(Ar-22)中、n12は1~7の整数を表し、1~4の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
式(Ar-23)中、n13およびn14はそれぞれ独立して0~4の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。ただし、n13およびn14の少なくとも一方は1以上の整数である。
式(Ar-23)中、Qは、単結合、-O-、-CO-、-COOCHCHOCO-、-SO-、-C(CF-、上記式(Q-1)で表される基または上記式(Q-2)で表される基を表す。
式(Ac-10)においてL21およびL22は-COO-であることが好ましい。
式(Ac-10)におけるR21が表すエチレン性不飽和結合含有基を含む基におけるエチレン性不飽和結合含有基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミド基などが挙げられ、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基および(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましい。
21が表す基に含まれるエチレン性不飽和結合含有基の数は、特に制限はないが、現像性及び硬化性の観点から、1~10であることが好ましく、1~6であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
式(Ac-10)のR21において、エチレン性不飽和結合含有基は、式(Ac-10)におけるAr21に直接結合していても、連結基を介して結合していてもよい。上記連結基の炭素数は、特に制限はないが、1~40であることが好ましく、1~20であることがより好ましく、2~9であることが更に好ましく、3~5であることが特に好ましい。また、上記連結基は、脂肪族基であることが好ましく、二価の脂肪族炭化水素基、又は、1以上の二価の脂肪族炭化水素基と、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、及び、ウレア結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とを結合した基であることが好ましい。更に、上記連結基は、ヒドロキシ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。中でも、置換基としては、ヒドロキシ基が好ましく挙げられる。
樹脂は、分散剤としての樹脂を含むことが好ましい。分散剤としては、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。
酸性分散剤(酸性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上である樹脂が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は5~200mgKOH/gが好ましい。上限は150mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましく、80mgKOH/g以下であることが更に好ましい。下限は10mgKOH/g以上であることが好ましく、15mgKOH/g以上であることがより好ましく、20mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
塩基性分散剤(塩基性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が60モル%以上である樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基が好ましい。塩基性分散剤(塩基性樹脂)のアミン価は5~100mgKOH/gが好ましい。上限は80mgKOH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/g以下であることがより好ましく、45mgKOH/g以下であることが更に好ましい。下限は10mgKOH/g以上であることが好ましく、15mgKOH/g以上であることがより好ましく、20mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
分散剤として用いる樹脂は、グラフト樹脂であることも好ましい。グラフト樹脂の詳細は、特開2012-255128号公報の段落番号0025~0094の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
分散剤として用いる樹脂は、芳香族カルボキシル基を有する樹脂(樹脂Ac)であることも好ましい。芳香族カルボキシル基を有する樹脂としては上述したものが挙げられる。
分散剤として用いる樹脂は、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むポリイミン系分散剤であることも好ましい。ポリイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する主鎖と、原子数40~10000の側鎖とを有し、かつ主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子は、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。ポリイミン系分散剤については、特開2012-255128号公報の段落番号0102~0166の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
分散剤として用いる樹脂は、コア部に複数個のポリマー鎖が結合した構造の樹脂であることも好ましい。このような樹脂としては、例えばデンドリマー(星型ポリマーを含む)が挙げられる。また、デンドリマーの具体例としては、特開2013-043962号公報の段落番号0196~0209に記載された高分子化合物C-1~C-31などが挙げられる。
分散剤として用いる樹脂は、エチレン性不飽和結合含有基を含む樹脂であることも好ましい。また、分散剤は、特開2018-087939号公報に記載された樹脂、国際公開第2016/104803号に記載のポリエステル側鎖を有するポリエチレンイミン、国際公開第2019/125940号に記載のブロック共重合体、特開2020-066687号公報に記載のアクリルアミド構造単位を有するブロックポリマー、特開2020-066688号公報に記載のアクリルアミド構造単位を有するブロックポリマー、特許第6432077号公報の段落番号0219~0221に記載されたブロック共重合体(EB-1)~(EB-9)を用いることもできる。
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYKシリーズ、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSEシリーズ、BASF社製のEfkaシリーズ、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーシリーズ等が挙げられる。また、特開2012-137564号公報の段落番号0129に記載された製品、特開2017-194662号公報の段落番号0235に記載された製品を分散剤として用いることもできる。
着色組成物の全固形分中における硬化性化合物の含有量は、1~35質量%であることが好ましい。下限は2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上が更に好ましい。上限は25質量%未満が好ましく、15質量%以下がより好ましい。硬化性化合物は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
着色組成物が硬化性化合物として重合性化合物を含有する場合、着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は1~30質量%であることが好ましい。下限は2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。上限は20質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また、着色組成物が硬化性化合物として重合性モノマーを含有する場合、着色組成物の全固形分中における重合性モノマーの含有量は、1~30質量%であることが好ましい。下限は2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。上限は20質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また、着色組成物が硬化性化合物としてエチレン性不飽和結合含有基を有する化合物を含有する場合、着色組成物の全固形分中におけるエチレン性不飽和結合含有基を有する化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましい。下限は2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。上限は20質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
着色組成物が硬化性化合物として環状エーテル基を有する化合物を含有する場合、着色組成物の全固形分中における環状エーテル基を有する化合物の含有量は、0.5~10質量%であることが好ましい。下限は1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましい。上限は8質量%未満が好ましく、6質量%以下がより好ましい。
着色組成物が硬化性化合物として樹脂を含有する場合、着色組成物の全固形分中における樹脂の含有量は、0.1~35質量%であることが好ましい。下限は1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。上限は30質量%未満が好ましく、25質量%以下がより好ましい。また、着色組成物に含まれる樹脂中における酸基を有する樹脂の含有量は50~100質量%であることが好ましく、75~100質量%であることがより好ましく、90~100質量%であることが更に好ましい。
着色組成物が硬化性化合物として重合性モノマーと樹脂とを含有する場合、着色組成物の全固形分中における重合性モノマーと樹脂との合計の含有量は、5~45質量%であることが好ましい。下限は10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。上限は40質量%未満が好ましく、35質量%以下がより好ましい。
<<光重合開始剤>>
着色組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視光領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3-アリール置換クマリン化合物であることが好ましく、オキシム化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物であることがより好ましく、オキシム化合物であることが更に好ましい。また、光重合開始剤としては、特開2014-130173号公報の段落0065~0111、特許第6301489号公報に記載された化合物、MATERIAL STAGE 37~60p,vol.19,No.3,2019に記載されたパーオキサイド系光重合開始剤、国際公開第2018/221177号に記載の光重合開始剤、国際公開第2018/110179号に記載の光重合開始剤、特開2019-043864号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-044030号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-167313号公報に記載の過酸化物系開始剤、特開2020-055992号公報に記載のオキサゾリジン基を有するアミノアセトフェノン系開始剤、特開2013-190459号公報に記載のオキシム系光重合開始剤などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
α-ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 2959、Omnirad 127(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 184、Irgacure 1173、Irgacure 2959、Irgacure 127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α-アミノケトン化合物の市販品としては、Omnirad 907、Omnirad 369、Omnirad 369E、Omnirad 379EG(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 907、Irgacure 369、Irgacure 369E、Irgacure 379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、Omnirad 819、Omnirad TPO(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 819、Irgacure TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
オキシム化合物としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653-1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156-162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202-232)に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特表2004-534797号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0038に記載の化合物、国際公開第2013/167515号に記載の化合物などが挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、3-ベンゾイルオキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン-2-オン、及び2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。市販品としては、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure OXE03、Irgacure OXE04(以上、BASF社製)、TR-PBG-304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光重合開始剤2)が挙げられる。また、オキシム化合物としては、着色性が無い化合物や、透明性が高く変色し難い化合物を用いることも好ましい。市販品としては、アデカアークルズNCI-730、NCI-831、NCI-930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014-137466号公報に記載の化合物、特許6636081号公報に記載の化合物、韓国公開特許第10-2016-0109444号公報に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、カルバゾール環の少なくとも1つのベンゼン環がナフタレン環となった骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。そのようなオキシム化合物の具体例としては、国際公開第2013/083505号に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010-262028号公報に記載の化合物、特表2014-500852号公報に記載の化合物24、36~40、特開2013-164471号公報に記載の化合物(C-3)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013-114249号公報の段落番号0031~0047、特開2014-137466号公報の段落番号0008~0012、0070~0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007~0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI-831((株)ADEKA製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/036910号に記載されているOE-01~OE-75が挙げられる。
光重合開始剤としては、カルバゾール骨格にヒドロキシ基を有する置換基が結合したオキシム化合物を用いることもできる。このような光重合開始剤としては国際公開第2019/088055号に記載された化合物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、芳香族環に電子求引性基が導入された芳香族環基ArOX1を有するオキシム化合物(以下、オキシム化合物OXともいう)を用いることもできる。上記芳香族環基ArOX1が有する電子求引性基としては、アシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基が挙げられ、アシル基およびニトロ基が好ましく、耐光性に優れた膜を形成しやすいという理由からアシル基であることがより好ましく、ベンゾイル基であることが更に好ましい。ベンゾイル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルケニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アシル基またはアミノ基であることが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基またはアミノ基であることがより好ましく、アルコキシ基、アルキルスルファニル基またはアミノ基であることが更に好ましい。
オキシム化合物OXは、式(OX1)で表される化合物および式(OX2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、式(OX2)で表される化合物であることがより好ましい。
式中、RX1は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基またはスルファモイル基を表し、
X2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基またはアミノ基を表し、
X3~RX14は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す;
ただし、RX10~RX14のうち少なくとも一つは、電子求引性基である。
上記式において、RX12が電子求引性基であり、RX10、RX11、RX13、RX14は水素原子であることが好ましい。
オキシム化合物OXの具体例としては、特許第4600600号公報の段落番号0083~0105に記載の化合物が挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、波長350~500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、波長360~480nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物がより好ましい。また、オキシム化合物の波長365nm又は波長405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、高いことが好ましく、1000~300000であることがより好ましく、2000~300000であることが更に好ましく、5000~200000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、分光光度計(Varian社製Cary-5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤としては、2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。そのような光ラジカル重合開始剤を用いることにより、光ラジカル重合開始剤の1分子から2つ以上のラジカルが発生するため、良好な感度が得られる。また、非対称構造の化合物を用いた場合においては、結晶性が低下して有機溶剤などへの溶解性が向上して、経時で析出しにくくなり、着色組成物の経時安定性を向上させることができる。2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤の具体例としては、特表2010-527339号公報、特表2011-524436号公報、国際公開第2015/004565号、特表2016-532675号公報の段落番号0407~0412、国際公開第2017/033680号の段落番号0039~0055に記載されているオキシム化合物の2量体、特表2013-522445号公報に記載されている化合物(E)および化合物(G)、国際公開第2016/034963号に記載されているCmpd1~7、特表2017-523465号公報の段落番号0007に記載されているオキシムエステル類光開始剤、特開2017-167399号公報の段落番号0020~0033に記載されている光開始剤、特開2017-151342号公報の段落番号0017~0026に記載されている光重合開始剤(A)、特許第6469669号公報に記載されているオキシムエステル光開始剤などが挙げられる。
着色組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量は0.1~30質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。着色組成物において、光重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<顔料誘導体>>
着色組成物は、顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体としては、色素骨格に酸基または塩基性基が結合した構造を有する化合物が挙げられる。顔料誘導体を構成する色素骨格としては、キノリン色素骨格、ベンゾイミダゾロン色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、ベンゾチアゾール色素骨格、イミニウム色素骨格、スクアリリウム色素骨格、クロコニウム色素骨格、オキソノール色素骨格、ピロロピロール色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、アゾ色素骨格、アゾメチン色素骨格、フタロシアニン色素骨格、ナフタロシアニン色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、キナクリドン色素骨格、ジオキサジン色素骨格、ペリノン色素骨格、ペリレン色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、チオインジゴ色素骨格、イソインドリン色素骨格、イソインドリノン色素骨格、キノフタロン色素骨格、イミニウム色素骨格、ジチオール色素骨格、トリアリールメタン色素骨格、ピロメテン色素骨格等が挙げられ、フタロシアニン色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、ピロロピロール色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、アゾ色素骨格、キノフタロン色素骨格またはキナクリドン色素骨格であることが好ましい。酸基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基及びこれらの塩が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、アルカリ金属イオン(Li、Na、Kなど)、アルカリ土類金属イオン(Ca2+、Mg2+など)、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。塩基性基としては、アミノ基、ピリジニル基およびその塩、アンモニウム基の塩、並びにフタルイミドメチル基が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、フェノキシドイオンなどが挙げられる。
顔料誘導体としては、可視透明性に優れた顔料誘導体(以下、透明顔料誘導体ともいう)を含有することもできる。透明顔料誘導体の400~700nmの波長領域におけるモル吸光係数の最大値(εmax)は3000L・mol-1・cm-1以下であることが好ましく、1000L・mol-1・cm-1以下であることがより好ましく、100L・mol-1・cm-1以下であることがさらに好ましい。εmaxの下限は、例えば1L・mol-1・cm-1以上であり、10L・mol-1・cm-1以上でもよい。
顔料誘導体の具体例としては、後述する実施例に記載の化合物、特開昭56-118462号公報、特開昭63-264674号公報、特開平01-217077号公報、特開平03-009961号公報、特開平03-026767号公報、特開平03-153780号公報、特開平03-045662号公報、特開平04-285669号公報、特開平06-145546号公報、特開平06-212088号公報、特開平06-240158号公報、特開平10-030063号公報、特開平10-195326号公報、国際公開第2011/024896号の段落番号0086~0098、国際公開第2012/102399号の段落番号0063~0094、国際公開第2017/038252号の段落番号0082、特開2015-151530号公報の段落番号0171、特開2011-252065号公報の段落番号0162~0183、特開2003-081972号公報、特許第5299151号公報、特開2015-172732号公報、特開2014-199308号公報、特開2014-085562号公報、特開2014-035351号公報、特開2008-081565号公報に記載の化合物が挙げられる。
着色組成物の全固形分中における顔料誘導体の含有量は0.3~20質量%であることが好ましい。下限は0.6質量%以上であることが好ましく、0.9質量%以上であることがより好ましい。上限は15質量%以下であることが好ましく、12.5質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。また、顔料誘導体の含有量は顔料100質量部に対して1~30質量部であることが好ましい。下限は2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましい。上限は、25質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。着色組成物において、顔料誘導体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合はそれらの合計量が上記範囲であることが好ましい。
<<特定アミン化合物>>
着色組成物は、1分子中に塩基性基を3個以上含み、アミン価が2.7mmol/g以上で、分子量が100以上の化合物(以下特定アミン化合物ともいう)を含有することもできる。
特定アミン化合物の分子量は、200以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましい。上限は、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、10000以下であることが更に好ましく、2000以下であることが特に好ましい。なお、特定アミン化合物の分子量の値について、構造式から分子量が計算できる場合は、特定アミン化合物の分子量は構造式から計算した値である。一方、特定アミン化合物の分子量が構造式から計算できない、あるいは、計算が困難な場合には、沸点上昇法で測定した数平均分子量の値を用いる。また、沸点上昇法でも測定できない、あるいは、測定が困難な場合は、粘度法で測定した数平均分子量の値を用いる。また、粘度法でも測定できない、あるいは、粘度法での測定が困難な場合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値での数平均分子量の値を用いる。
特定アミン化合物のアミン価は5mmol/g以上であることが好ましく、10mmol/g以上であることがより好ましく、15mmol/g以上であることが更に好ましい。
特定アミン化合物に含まれる塩基性基の数は4個以上であることが好ましく、6個以上であることがより好ましく、10個以上であることが更に好ましい。
特定アミン化合物が有する塩基性基は、アミノ基であることが好ましい。また、特定アミン化合物は、1級アミノ基を有する化合物であることが好ましく、1級アミノ基と、3級アミノ基とをそれぞれ含む化合物であることがより好ましく、1級アミノ基と2級アミノ基と3級アミノ基とをそれぞれ含む化合物であることが更に好ましい。
また、特定アミン化合物が有するアミノ基は、環状アミノ基であってもよい。環状アミノ基は、ピペリジノ基等のような脂肪族環状アミノ基であってもよく、ピリジル基等のような芳香族環状アミノ基であってもよい。環状アミノ基は、5員環又は6員環構造を有する環状アミノ基であることが好ましく、6員環構造を有する環状アミノ基であることがより好ましく、6員環構造を有する脂肪族環状アミノ基であることが更に好ましい。環状アミノ基は、ヒンダードアミン構造を有することが好ましく、6員環のヒンダードアミン構造を有することが特に好ましい。ヒンダードアミン構造としては、環状アミノ基の窒素原子に隣接する環構造における2つの炭素原子にアルキル基等の置換基を有することが好ましい。ヒンダードアミン構造を有する環状アミノ基としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基、2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基、1,2,6,6-トリメチルピペリジル基、2,6-ジメチルピペリジル基、1-メチル-2,6-ジ(t-ブチル)ピペリジル基、2,6-ジ(t-ブチル)ピペリジル基、1,2,2,5,5-ペンタメチルピロリジル基、2,2,5,5-テトラメチルピロリジル基等が挙げられる。なかでも、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基、又は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基が好ましく、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基がより好ましい。
特定アミン化合物としては、着色組成物の保存安定性をより向上できるという理由から、ポリアルキレンイミンであることが好ましい。ポリアルキレンイミンとは、アルキレンイミンを開環重合したポリマーであって1級アミノ基と、2級アミノ基と、3級アミノ基とをそれぞれ含む分岐構造を有するポリマーである。アルキレンイミンの炭素数は2~6が好ましく、2~4がより好ましく、2または3であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。アルキレンイミンの具体例としては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2-ブチレンイミン、2,3-ブチレンイミンなどが挙げられ、エチレンイミンまたはプロピレンイミンであることが好ましく、エチレンイミンであることがより好ましい。ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンであることが特に好ましい。また、ポリエチレンイミンは、1級アミノ基を、1級アミノ基と2級アミノ基と3級アミノ基との合計に対して10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むことがより好ましく、30モル%以上含むことが更に好ましい。ポリエチレンイミンの市販品としては、エポミンSP-003、SP-006、SP-012、SP-018、SP-200、P-1000(以上、(株)日本触媒製)などが挙げられる。
着色組成物の全固形分中における特定アミン化合物の含有量は0.1~5質量%であることが好ましい。下限は0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましい。上限は4.5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。
また、特定アミン化合物の含有量は、顔料100質量部に対して0.5~10質量部であることが好ましい。下限は0.6質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることが更に好ましい。上限は8質量部以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。
<<有機溶剤>>
着色組成物は、有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開第2015/166779号の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤も好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジクロロメタン、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、3-ペンタノン、4-ヘプタノン、シクロヘキサノン、2-メチルシクロヘキサノン、3-メチルシクロヘキサノン、4-メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、プロピレングリコールジアセテート、3-メトキシブタノール、メチルエチルケトン、ガンマブチロラクトン、スルホラン、アニソール、1,4-ジアセトキシブタン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、二酢酸ブタン-1,3-ジイル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。ただし有機溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
本発明においては、金属含有量の少ない有機溶剤を用いることが好ましく、有機溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの有機溶剤を用いてもよく、そのような有機溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
有機溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
有機溶剤には、異性体(原子数が同じであるが構造が異なる化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
有機溶剤中の過酸化物の含有率は0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
着色組成物中における有機溶剤の含有量は、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~90質量%であることが更に好ましい。
<<硬化促進剤>>
着色組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、チオール化合物、メチロール化合物、アミン化合物、ホスホニウム塩化合物、アミジン塩化合物、アミド化合物、塩基発生剤、イソシアネート化合物、アルコキシシラン化合物、オニウム塩化合物などが挙げられる。硬化促進剤の具体例としては、国際公開第2018/056189号の段落番号0094~0097に記載の化合物、特開2015-034963号公報の段落番号0246~0253に記載の化合物、特開2013-041165号公報の段落番号0186~0251に記載の化合物、特開2014-055114号公報に記載のイオン性化合物、特開2012-150180号公報の段落番号0071~0080に記載の化合物、特開2011-253054号公報に記載のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物、特許第5765059号公報の段落番号0085~0092に記載の化合物、特開2017-036379号公報に記載のカルボキシル基含有エポキシ硬化剤などが挙げられる。硬化促進剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中における硬化促進剤の含有量は0.3~8.9質量%が好ましく、0.8~6.4質量%がより好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
着色組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012-208374号公報の段落番号0052~0072、特開2013-068814号公報の段落番号0317~0334、特開2016-162946号公報の段落番号0061~0080に記載された化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。紫外線吸収剤の市販品としては、UV-503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としては、ミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)が挙げられる。また、紫外線吸収剤は、特許第6268967号公報の段落番号0049~0059に記載された化合物を用いることもできる。着色組成物の全固形分中における紫外線吸収剤の含有量は、0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。着色組成物において、紫外線吸収剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<酸化防止剤>>
着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。フェノール性ヒドロキシ基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1~22の置換又は無置換のアルキル基が好ましい。また、酸化防止剤は、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。また、酸化防止剤は、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。また、酸化防止剤は、韓国公開特許第10-2019-0059371号公報に記載の化合物を用いることもできる。着色組成物の全固形分中における酸化防止剤の含有量は、0.01~20質量%であることが好ましく、0.3~15質量%であることがより好ましい。酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合禁止剤>>
着色組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p-メトキシフェノールが好ましい。重合禁止剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中における重合禁止剤の含有量は、0.0001~5質量%が好ましい。重合禁止剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<シランカップリング剤>>
着色組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基、フェニル基などが挙げられ、アミノ基、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-602)、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-603)、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBE-602)、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-903)、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBE-903)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-502)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-503)等がある。また、シランカップリング剤の具体例については、特開2009-288703号公報の段落番号0018~0036に記載の化合物、特開2009-242604号公報の段落番号0056~0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。シランカップリング剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中におけるシランカップリング剤の含有量は、0.01~15.0質量%が好ましく、0.05~10.0質量%がより好ましい。シランカップリング剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
着色組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤については、国際公開第2015/166779号の段落番号0238~0245に記載された界面活性剤が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、界面活性剤はフッ素系界面活性剤であることが好ましい。着色組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで液特性(特に、流動性)がより向上し、省液性をより改善することができる。また、厚みムラの小さい膜を形成することもできる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3~40質量%が好適であり、より好ましくは5~30質量%であり、特に好ましくは7~25質量%である。
フッ素系界面活性剤としては、特開2014-041318号公報の段落番号0060~0064(対応する国際公開第2014/017669号の段落番号0060~0064)等に記載の界面活性剤、特開2011-132503号公報の段落番号0117~0132に記載の界面活性剤、特開2020-008634号公報に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP、MFS-330、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、R-43、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K、DS-21(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、AGC(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)、フタージェント208G、215M、245F、601AD、601ADH2、602A、610FM、710FL、710FM、710FS、FTX-218、(以上、株)NEOS製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファックDS-21が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。このようなフッ素系界面活性剤は、特開2016-216602号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011-089090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。また、特開2010-032698号公報の段落番号0016~0037に記載されたフッ素含有界面活性剤や、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3000~50000であり、例えば、14000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010-164965号公報の段落番号0050~0090および段落番号0289~0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K等が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤は、特開2015-117327号公報の段落番号0015~0158に記載の化合物を用いることもできる。
また、国際公開第2020/084854号に記載の界面活性剤を、炭素数6以上のパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤の代替として用いることも、環境規制の観点から好ましい。
また、式(fi-1)で表される含フッ素イミド塩化合物を界面活性剤として用いることも好ましい。
式(fi-1)において、mは1または2を表し、nは1~4の整数を表し、αは1または2を表し、Xα+はα価の金属イオン、第1級アンモニウムイオン、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオン、第4級アンモニウムイオンまたはNH を表す。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(富士フイルム和光純薬工業製)、パイオニンD-6112、D-6112-W、D-6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越化学工業(株)製)、BYK-307、BYK-322、BYK-323、BYK-330、BYK-3760、BYK-UV3510(以上、ビックケミー社製)、FZ-2122(ダウ・東レ(株)製)等が挙げられる。
また、シリコーン系界面活性剤には下記構造の化合物を用いることもできる。
着色組成物の全固形分中における界面活性剤の含有量は、0.001質量%~5.0質量%が好ましく、0.005~3.0質量%がより好ましい。着色組成物において、界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他成分>>
着色組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、熱硬化促進剤、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、着色組成物は、必要に応じて、潜在酸化防止剤を含有してもよい。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100~250℃で加熱するか、又は酸/塩基触媒存在下で80~200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤としては、国際公開第2014/021023号、国際公開第2017/030005号、特開2017-008219号公報に記載された化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤の市販品としては、アデカアークルズGPA-5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。
着色組成物は、耐光性改良剤を含んでもよい。耐光性改良剤としては、特開2017-198787号公報の段落番号0036~0037に記載の化合物、特開2017-146350号公報の段落番号0029~0034に記載の化合物、特開2017-129774号公報の段落番号0036~0037、0049~0052に記載の化合物、特開2017-129674号公報の段落番号0031~0034、0058~0059に記載の化合物、特開2017-122803号公報の段落番号0036~0037、0051~0054に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0039に記載の化合物、特開2017-186546号公報の段落番号0034~0047に記載の化合物、特開2015-025116号公報の段落番号0019~0041に記載の化合物、特開2012-145604号公報の段落番号0101~0125に記載の化合物、特開2012-103475号公報の段落番号0018~0021に記載の化合物、特開2011-257591号公報の段落番号0015~0018に記載の化合物、特開2011-191483号公報の段落番号0017~0021に記載の化合物、特開2011-145668号公報の段落番号0108~0116に記載の化合物、特開2011-253174号公報の段落番号0103~0153に記載の化合物などが挙げられる。
着色組成物は、テレフタル酸エステルを実質的に含まないことも好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、テレフタル酸エステルの含有量が、着色組成物の全量中、1000質量ppb以下であることを意味し、100質量ppb以下であることがより好ましく、ゼロであることが特に好ましい。
環境規制の観点から、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の使用が規制されることがある。着色組成物において、上記した化合物の含有率を小さくする場合、パーフルオロアルキルスルホン酸(特にパーフルオロアルキル基の炭素数が6~8のパーフルオロアルキルスルホン酸)及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸(特にパーフルオロアルキル基の炭素数が6~8のパーフルオロアルキルカルボン酸)及びその塩の含有率は、着色組成物の全固形分に対して、0.01ppb~1,000ppbの範囲であることが好ましく、0.05ppb~500ppbの範囲であることがより好ましく、0.1ppb~300ppbの範囲であることが更に好ましい。着色組成物は、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を実質的に含まなくてもよい。例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩の代替となりうる化合物、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の代替となりうる化合物を用いることで、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を実質的に含まない着色組成物を選択してもよい。規制化合物の代替となりうる化合物としては、例えば、パーフルオロアルキル基の炭素数の違いによって規制対象から除外された化合物が挙げられる。ただし、上記した内容は、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の使用を妨げるものではない。着色組成物は、許容される最大の範囲内で、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を含んでもよい。
<収容容器>
着色組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や着色組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられる。また、容器内壁は、容器内壁からの金属溶出を防ぎ、着色組成物の保存安定性を高めたり、成分変質を抑制するなど目的で、ガラス製やステンレス製などにすることも好ましい。
<着色組成物の調製方法>
着色組成物は、前述の成分を混合して調製できる。着色組成物の調製に際しては、全成分を同時に有機溶剤に溶解および/または分散して着色組成物を調製してもよいし、必要に応じて、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して着色組成物を調製してもよい。
また、着色組成物の調製に際して、顔料を分散させるプロセスを含むことが好ましい。有機顔料を分散させるプロセスにおいて、有機顔料の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における有機顔料の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、有機顔料を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全集、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015-157893号公報の段落番号0022に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また有機顔料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば特開2015-194521号公報、特開2012-046629号公報の記載を参酌できる。
着色組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、着色組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン-6、ナイロン-6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01~7.0μmが好ましく、0.01~3.0μmがより好ましく、0.05~0.5μmが更に好ましい。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物をより確実に除去できる。フィルタの孔径値については、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。フィルタは、日本ポール株式会社(DFA4201NXEY、DFA4201NAEY、DFA4201J006Pなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)および株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタを用いることができる。
また、フィルタとしてファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。市販品としては、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)が挙げられる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタ(例えば、第1のフィルタと第2のフィルタなど)を組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
<キット>
次に、本発明のキットを説明する。
本発明のキットは、上述したカラーフィルタの製造用のキットであって、
青色顔料および黄色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する第1の画素形成用の着色組成物と、
緑色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する第2の画素形成用の着色組成物と含む。
第1の画素形成用の着色組成物としては、上述した着色組成物を用いることが好ましい。
第2の画素形成用の着色組成物は緑色顔料を含む顔料を含有する。緑色顔料としては、上述したカラーフィルタの第2の画素に含まれるものとして説明した緑色顔料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
第2の画素形成用の着色組成物に用いられる顔料は更に黄色顔料を含むことが好ましい。黄色顔料としては、上述したカラーフィルタの第2の画素に含まれるものとして説明した黄色顔料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
第2の画素形成用の着色組成物に用いられる顔料は緑色顔料と黄色顔料と青色顔料とを含むことも好ましい。青色顔料としては、第1の画素が含むものとして説明した青色顔料が挙げられる。第2の画素が含む青色顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.スピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、および、C.I.ピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料中における緑色顔料の含有量は5~75質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、20~45質量%であることが更に好ましい。
また、第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料が黄色顔料を含有する場合、顔料中における黄色顔料の含有量は5~75質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、黄色顔料の含有量は、緑色顔料100質量部に対して10~200質量部であることが好ましく、25~160質量部であることがより好ましい。
また、第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料が青色顔料を含有する場合、顔料中における青色顔料の含有量は5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、青色顔料の含有量は、緑色顔料100質量部に対して50~200質量部であることが好ましく、80~130質量部であることがより好ましい。
また、第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料中における緑色顔料と黄色顔料と青色顔料との合計の含有量は50~100質量%であることが好ましく、55~100質量%であることがより好ましく、60~100質量%であることが更に好ましい。第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料は、緑色顔料と黄色顔料のみであるか、あるいは、緑色顔料と黄色顔料と青色顔料のみであることが好ましく、分光特性の観点から緑色顔料と黄色顔料と青色顔料のみであることが特に好ましい。
第2の画素形成用の着色組成物の全固形分中における顔料の含有量は40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。また、第2の画素形成用の着色組成物の全固形分中における緑色顔料の含有量は10~50質量%であることが好ましく、15~45質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。また、第2の画素形成用の着色組成物の全固形分中における黄色顔料の含有量は10~60質量%であることが好ましく、20~55質量%であることがより好ましく、35~50質量%であることが更に好ましい。また、第2の画素形成用の着色組成物の全固形分中における青色顔料の含有量は5~40質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましく、15~30質量%であることが更に好ましい。
第2の画素形成用の着色組成物に用いられる硬化性化合物としては、上述した着色組成物に含まれるものとして説明した硬化性化合物が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
第2の画素形成用の着色組成物は、更に、上述した着色組成物に含まれるものとして説明した光重合開始剤、顔料誘導体、特定アミン化合物、有機溶剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、その他成分を含んでいてもよい。これらの好ましい態様及び含有量については、上述した着色組成物の項で説明した範囲と同様である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<樹脂の評価>
(重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、下記測定条件の下、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により算出した。
装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
検出器:示差屈折計(RI検出器)
プレカラム:TSKGUARDCOLUMN MP(XL)6mm×40mm(東ソー(株)製)
サンプル側カラム:以下4本を直結〔全て東ソー(株)製〕
TSK-GEL Multipore-HXL-M 7.8mm×300mm
リファレンス側カラム:サンプル側カラムに同じ
恒温槽温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
サンプル側移動相流量:1.0mL/分
リファレンス側移動相流量:0.3mL/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:100μL
データ採取時間:試料注入後16~46分
サンプリングピッチ:300ms(ミリ秒)
(酸価)
樹脂の酸価は水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定により求めた。具体的には、得られた樹脂を溶媒に溶解させた溶液を、電位差測定法を用いて水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、樹脂の固形分1gに含まれる酸のミリモル数を算出し、次に、その値に水酸化カリウム(KOH)の分子量56.1をかけることにより求めた。
<C=C価(エチレン性不飽和結合含有基価)の測定方法>
樹脂のC=C価(エチレン性不飽和結合含有基価)は、樹脂の合成に用いた原料から算出した。
<分散液の製造>
下記の表に記載の素材を混合したのち、直径0.05mmのジルコニアビーズ230質量部を加えて、(株)広島メタル&マシナリー ケムテックカンパニー製ウルトラアペックスミルを用いて5時間分散処理を行い、ビーズをろ過で分離して分散液を製造した。
上記表の略語で記載の原料は以下の通りである。
〔青色顔料〕
PB15:3 : C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン青色顔料)
PB15:4 : C.I.ピグメントブルー15:4(フタロシアニン青色顔料)
PB15:6 : C.I.ピグメントブルー15:6(フタロシアニン青色顔料)
PB16 : C.I.ピグメントブルー16(フタロシアニン青色顔料)
〔黄色顔料〕
PY129 : C.I.ピグメントイエロー129(アゾメチン黄色顔料)
PY139 : C.I.ピグメントイエロー139(イソインドリン黄色顔料)
PY150 : C.I.ピグメントイエロー150(アゾ黄色顔料)
PY185 : C.I.ピグメントイエロー185(イソインドリン黄色顔料)
〔緑色顔料〕
PG7 : C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニン緑色顔料)
PG36 : C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニン緑色顔料)
PG58 : C.I.ピグメントグリーン58(フタロシアニン緑色顔料)
PG59 : C.I.ピグメントグリーン59(フタロシアニン緑色顔料)
PG62 : C.I.ピグメントグリーン62(フタロシアニン緑色顔料)
PG63 : C.I.ピグメントグリーン63(フタロシアニン緑色顔料)
〔赤色顔料〕
PR254 : C.I.ピグメントレッド254
〔紫色顔料〕
PV23 : C.I.ピグメントバイオレット23
〔樹脂〕
B-1:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量11000、酸価32mgKOH/g)
B-3:Solsperse 36000(Lubrizol製)
(分散剤)
B-4:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量18000、酸価67mgKOH/g)
B-5:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量21000、酸価36mgKOH/g)
B-6:下記構造の樹脂(重量平均分子量9000、酸価43mgKOH/g)
〔顔料誘導体〕
X-1:下記構造の化合物
X-2:下記構造の化合物
X-3:下記構造の化合物
〔溶剤〕
S-1:シクロヘキサノン
S-2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
<着色組成物の製造>
下記の表に記載の原料を混合して、着色組成物を製造した。
上記表の略語で記載の原料は以下の通りである。
〔分散液〕
分散液GA1~分散液GA15:上述した分散液GA1~分散液GA15
分散液Y1~分散液Y10:上述した分散液Y1~分散液Y10
分散液GB1~分散液GB14:上述した分散液GB1~分散液GB14
分散液R1:上述した分散液R1
分散液B1:上述した分散液B1
〔樹脂〕
B-1:上述した樹脂B-1
B-2:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量10000、酸価77mgKOH/g)
〔重合性化合物〕
M-1:NKエステル A-TMMT(新中村化学工業(株)製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート)
M-2:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)
M-3:NKエステル A-DPH-12E(新中村化学工業(株)製、エチレンオキサイドを有する多官能アクリレート)
〔光重合開始剤〕
Ini-1~Ini-5:下記構造の化合物
〔添加剤〕
A-1:p-メトキシフェノール(重合禁止剤)
A-2:下記構造の化合物(紫外線吸収剤)
〔界面活性剤〕
W-1:KF-6001(信越化学工業(株)製、両末端カルビノール変性シリコーンオイル)
〔溶剤〕
S-2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<色分離特性の評価>
直径8インチ(203.2mm)のガラスウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このガラスウエハ上に、下塗り用レジスト液(CT-4000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、さらに220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付ガラスウエハを得た。
次に、ガラスウエハ上に、下記表に記載の第1の画素形成用の着色組成物を製膜後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、95℃で120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長の光を、パターンを有するマスクを通して500mj/cmの露光量で露光した。マスクは5μm×5μmのアイランドパターンの画素を形成可能なものを用い、11mm×11mmのサイズのショットをガラスウエハの外周3mmを除く全領域に露光した。
次いで、照射された塗布膜が形成されているガラスウエハをスピン・シャワー現像機(DW-30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、アルカリ現像液(CD-2060、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて室温で60秒間パドル現像を行った。次いで、パドル現像後のガラスウエハを、真空チャック方式で水平回転テーブルに固定し、回転装置によってガラスウエハを回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理(23秒×2回)を行い、次いで、スピン乾燥を行い、次いで、230℃で300秒間、ホットプレートを用いて加熱処理(ポストベーク)を行い、第1の画素を形成した。
次に、下記表に記載の第2の画素形成用の着色組成物を用いて同様のプロセスでパターニングして、第2の画素を形成した。
次に、着色組成物としてRed-1を用いて同様のプロセスでパターニングして、第3の画素である赤色画素を形成した。次に、着色組成物としてBlue-1を用いて同様のプロセスでパターニングして、第4の画素である青色画素を形成してカラーフィルタを製造した。
次に、マクベスチャートの24色について、照明光源を規定し分光反射率を400~700nmについて求めた。次にセンサの赤外カットフィルタ特性およびセンサの分光感度を規定し、カラーフィルタの各画素の分光特性から上記により測定した分光センサが受ける赤、緑および青のそれぞれの露光量を計算した。次にこの露光量から赤、緑および青の各色の電荷量を計算した。さらに、これらの電荷量から赤、緑および青の各色の出力信号r、g、およびbを計算した。元の計算に用いたマクベスチャートの24色についてL*a*b*を計算し、上記でもとめた出力信号r、g、およびbからそれぞれのL*a*b*を計算し、もとのマクベスチャートとの色差を計算し(ΔE2000と呼ぶ)、色再現性の指標とした。シミュレーションの詳細は、特開2013-015817号公報の段落番号0406~0429と同様の手法で算出した。実用上問題がある場合をEとし、実用上問題ない場合について、性能が最も優れる場合をAとし、以降B、C、Dに分けた。尚、ΔE2000の値が小さい方ほど色再現性が優れる。
<耐光性の評価>
色分離特性と同様の方法でカラーフィルタを製造した。得られたカラーフィルタの第1の画素および第2の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をそれぞれGINT-1(A)、GINT-1(B)とした。
次いで、カラーフィルタについて、スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用い、照度10万ルクス、1000時間の条件で耐光性試験処理を行った。
耐光性試験後のカラーフィルタの第1の画素および第2の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をそれぞれGINT-2(A)、GINT-2(B)とした。
透過率GINT-1(A)、GINT-1(B)、GINT-2(A)、GINT-2(B)を用い、下記式から変動率を算出して、耐光性を評価した。以下の基準でA~Dであれば、実用上問題ないと判断した。
変動率(%)=|1-(GINT-2(A)+GINT-2(B))/(GINT-1(A)+GINT-1(B))|×100(%)
A:変動率が0.3%以下
B:変動率が0.3%を超え1.0%以下
C:変動率が1.0%を超え2.0%以下
D:変動率が2.0%を超え5.0%以下
E:変動率が5.0%を超える
<第1の画素上の残渣および第2の画素上の残渣の評価>
色分離特性と同様の方法で第1の画素を形成した。第1の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をGINT-11(A)とした。
次に、下記表に記載の第2の画素形成用の着色組成物を用いて同様のプロセスでパターニングして、第2の画素を形成した。第2の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をGINT-11(B)とした。
次に、着色組成物としてRed-1を用いて同様のプロセスでパターニングして、第3の画素である赤色画素を形成した。次に、着色組成物としてBlue-1を用いて同様のプロセスでパターニングして、第4の画素である青色画素を形成した。
第4の画素形成後の第1の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をGINT-12(A)とした。また、第4の画素形成後の第2の画素の透過率(400-700nm)を顕微分光測定装置を用いて測定し、その積分値をGINT-12(B)とした。
第1の画素上の残渣については、透過率GINT-11(A)、GINT-12(A)と下記式を用いて変動率を算出して、第1の画素上の残渣を評価した。以下の基準でA~Dであれば、実用上問題ないと判断した。
変動率(%)=|1-GINT-12(A)/GINT-11(A)|×100(%)
A:変動率が0.3%以下
B:変動率が0.3%を超え1.0%以下
C:変動率が1.0%を超え2.0%以下
D:変動率が2.0%を超え5.0%以下
E:変動率が5.0%を超える
第2の画素上の残渣については、透過率GINT-11(B)、GINT-12(B)と下記式を用いて変動率を算出して、第2の画素上の残渣を評価した。以下の基準でA~Dであれば、実用上問題ないと判断した。
変動率(%)=|1-GINT-12(B)/GINT-11(B)|×100(%)
A:変動率が0.3%以下
B:変動率が0.3%を超え1.0%以下
C:変動率が1.0%を超え2.0%以下
D:変動率が2.0%を超え5.0%以下
E:変動率が5.0%を超える
<耐湿性の評価>
色分離特性と同様の方法でカラーフィルタを製造した。カラーフィルタの第1の画素および第2の画素について、ウエハ欠陥評価装置(ComPLUS3、AMAT社製)を用いて検査し、欠陥数を計測した(初期の欠陥数)。なお、画素上に異物析出、欠け、変形、剥がれ等が見られた場合を欠陥がある画素としてカウントした。
次いで、カラーフィルタを、
ヤマト科学社製恒温恒湿機(EHS-221M)を用いて、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気中、1500時間静置して耐湿試験を行ったのち、耐湿試験後の画素の欠陥数を計測した(耐湿試験後の欠陥数)。初期の欠陥数に対する耐湿試験後の欠陥数の増加率を計算し、以下の基準により耐湿性を評価した。A~Dの評価であれば実用上問題ないと判断する。
増加率(%)={(耐湿試験後の欠陥数-初期の欠陥数)/初期の欠陥数}×100
A:増加率が5%未満である
B:増加率が5%以上10%未満である
C:増加率が10%以上50%未満である
D:増加率が50%以上100%未満である
E:増加率が100%以上である
実施例及び比較例で使用した第1の画素形成用の着色組成物および第2の画素形成用の着色組成物は以下の通りである。
実施例1、2、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、24、25、26、31、33、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44のカラーフィルタの第1の画素と第2の画素の分光特性をそれぞれ下記表に記す。下記表のTmaxは波長400~700nmの範囲における第1の画素の透過率の最大値であり、λは、第1の画素の透過率の最大値を示す波長であり、λL11は、第1の画素の透過率50%を示す長波長側の波長であり、T(λL21)は、第1の画素の波長λL21での透過率であり、Tmax2は波長400~700nmの範囲における第2の画素の透過率の最大値であり、λは、第2の画素の透過率の最大値を示す波長であり、λL21は、第2の画素の透過率50%を示す長波長側の波長であり、T(λL11)は、第2の画素の波長λL11での透過率である。
実施例及び比較例のカラーフィルタの性能評価を以下に示す。
上記表に示すように、実施例は耐光性に優れていた。さらには、色分離特性にも優れていた。
実施例1において、第1の画素形成用の着色組成物を、GreenーA24~GreenーA35に変更しても、実施例1と同様の優れた耐光性を有していた。また、第1の画素上の残渣の評価結果についても、実施例1と同様の評価結果であった。

Claims (22)

  1. 青色顔料および黄色顔料を含む顔料を含有する緑色画素である第1の画素と、
    緑色顔料を含む顔料を含有する緑色画素である第2の画素と、を含むカラーフィルタであって、
    前記第1の画素は青色顔料100質量部に対して黄色顔料を50~200質量部含み、かつ、前記第1の画素に含まれる顔料中における青色顔料と黄色顔料の合計の含有量が90~100質量%であり、
    前記第2の画素に含まれる顔料中における緑色顔料の含有量が20~75質量%である、カラーフィルタ。
  2. 前記第1の画素が含む前記青色顔料は、フタロシアニン青色顔料である、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記第1の画素が含む前記青色顔料は、カラーインデックスピグメントブルー15:3、カラーインデックスピグメントブルー15:4、カラーインデックスピグメントブルー15:6、および、カラーインデックスピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記第1の画素が含む前記青色顔料は、カラーインデックスピグメントブルー16である、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記第1の画素が含む前記黄色顔料は、カラーインデックスピグメントイエロー129、カラーインデックスピグメントイエロー139、カラーインデックスピグメントイエロー150、および、カラーインデックスピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記第1の画素は、前記青色顔料100質量部に対して前記黄色顔料を70~130質量部含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  7. 前記第1の画素に含まれる顔料は、青色顔料と黄色顔料のみである、請求項1~6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  8. 前記第2の画素が含む前記緑色顔料は、カラーインデックスピグメントグリーン7、カラーインデックスピグメントグリーン36、カラーインデックスピグメントグリーン58、カラーインデックスピグメントグリーン59、カラーインデックスピグメントグリーン62、および、カラーインデックスピグメントグリーン63から選ばれる少なくとも1種である請求項1~7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  9. 前記第2の画素は更に黄色顔料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  10. 前記第2の画素は緑色顔料と黄色顔料と青色顔料とを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  11. 前記第2の画素が含む前記黄色顔料は、カラーインデックスピグメントイエロー129、カラーインデックスピグメントイエロー139、カラーインデックスピグメントイエロー150、および、カラーインデックスピグメントイエロー185から選ばれる少なくとも1種である、請求項9または10に記載のカラーフィルタ。
  12. 前記第1の画素中における前記顔料の含有量が40質量%以上である、請求項1~11のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  13. 前記第2の画素中における前記顔料の含有量が40質量%以上である、請求項1~12のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  14. 前記第1の画素および前記第2の画素の波長400~700nmの範囲の透過スペクトルについて、
    前記第1の画素については、波長450~600nmの範囲に透過率の最大値を示す波長λが存在し、前記波長λでの透過率が70%以上であり、
    前記第2の画素については、波長450~600nmの範囲であって、前記波長λよりも長波長側に透過率の最大値を示す波長λが存在し、前記波長λでの透過率が70%以上であり、
    前記第1の画素および第2の画素は、波長400~700nmの範囲に透過率が50%を示す波長が2つ存在する、
    請求項1~13のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  15. 前記波長λと前記波長λとの差が5~75nmである、請求項14に記載のカラーフィルタ。
  16. 前記第2の画素について透過率50%を示す長波長側の波長λL21が、前記第1の画素について透過率50%を示す長波長側の波長λL11よりも長波長側に存在する、請求項1~15のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  17. 前記波長λL21と前記波長λL11との差が5~75nmである、請求項16に記載のカラーフィルタ。
  18. 前記波長λL11での前記第2の画素の透過率が60%以上である、請求項16または17に記載のカラーフィルタ。
  19. 前記波長λL21での前記第1の画素の透過率が20%以下である、請求項16~18のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
  21. 請求項1~19のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造用のキットであって、
    青色顔料および黄色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する緑色画素である第1の画素形成用の着色組成物と、
    緑色顔料を含む顔料と、硬化性化合物とを含有する緑色画素である第2の画素形成用の着色組成物と、
    み、
    前記第1の画素形成用の着色組成物は青色顔料100質量部に対して黄色顔料を50~200質量部含み、かつ、前記第1の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料中における青色顔料と黄色顔料の合計の含有量が90~100質量%であり、
    前記第2の画素形成用の着色組成物に含まれる顔料中における緑色顔料の含有量が20~75質量%である、キット。
  22. 前記第2の画素形成用の着色組成物は、緑色顔料と黄色顔料と青色顔料とを含む、請求項21に記載のキット。
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