JP5418484B2 - 回転電機の固定子のコイルボビンおよびこのコイルボビンを使用した回転電機の固定子の巻線方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1においては、図1に示されるように、ヘッド部の渡り線が挿通する空間は、コアセグメントのヨーク部上に配置されるヘッドの、底板の背後に背板が、前方に外ガイドがそれぞれ垂直に立てられ、底板の片端に渡り線ガイドが形成されて構成しているため、背板および外ガイドの肉厚、渡り線ガイドのクリアランスが必要であり、小型化が困難であるといった問題点があった。
固定子コアの外周磁路となるヨーク部およびこの固定子コアのヨーク部の中央部から内方へ突出し磁極となるティース部とを被覆し、この固定子コアと固定子コイルとを絶縁するコイルボビンにおいて、
前記固定子コアのヨーク部を被覆するコイルボビンヨーク部の正面に、
結線P板と電気的に接続する端子を挿入するための穴と、
前記固定子コアのティース部を被覆するコイルボビンティース部の根元付近となる電線巻終り位置付近から前記コイルボビンヨーク部の外周側に向けて設けられた第1の渡り線収容溝と、
前記コイルボビンヨーク部の外周側中央付近から前記コイルボビンティース部の根元となる電線巻始め位置付近に向けて設けられた第2の渡り線収容溝と、
を備えるようにしたものである。
図1は、実施の形態1に係る回転電機の固定子の構成を示す図である。図において、1は外周磁路となるヨーク部とこのヨーク部の中央部から内方へ突出し磁極となるティース部とを有し円環状に形成される固定子コア、2は固定子コア1に装着され、このヨーク部とティース部とを被覆する絶縁性のコイルボビン、3はコイルボビン2を介して固定子コア1のティース部に電線を巻線された固定子コイルである。また、4は固定子コイル3と結線P板5とを電気的に接続する端子である。
実施の形態1に係る回転電機の固定子は、固定子コア1、コイルボビン2、固定子コイル3、端子4および結線P板5とから構成される。
U+、U−、V−、V+、W+、W−、U−、U+、V+、V−、W−、W+と、
同相となる突極磁極が2つずつ並んで配置される場合に適用する。ここで、U+とU−とは巻極性(巻き方向)が互いに逆であることを示しており、巻線順序が逆になるように電線を連続して同相となる複数のコイルボビン2に巻線する。
図において、6は固定子コアのヨーク部を被覆するコイルボビンヨーク部の正面に設けられた、固定子コイル3と結線P板5とを電気的に接続する端子4を挿入するための穴である。また、7は固定子コアのティース部を被覆するコイルボビンティース部の根元付近となる電線巻終り位置付近からコイルボビンヨーク部の外周側に向けて、コイルボビンヨーク部の正面に設けられた溝で、巻終り電線を渡り線としてコイルボビンヨーク部の外周側へ出すための第1の渡り線収容溝である。また、8はコイルボビンヨーク部の外周側中央付近からコイルボビンティース部の根元となる電線巻始め位置付近に向けて、コイルボビンヨーク部の正面に設けられた溝で、第1の渡り線収容溝を経由しコイルボビンヨーク部の外周側から出てくる渡り線を電線巻始め位置へ案内するための第2の渡り線収容溝である。
複数の固定子コア1を連結して円環状に形成したときの固定子コア中心から固定子コアのヨーク部の連結部へ引いた中心線に対し、面取り面が垂直となる面取り9を設ける。
(2)コイルボビン2において、固定子コア1のヨーク部を被覆するコイルボビンヨーク部の正面に設けられた穴6に、端子4を挿入、固定する。
(3)巻線機ノズルで、隣り合う同相突極磁極のうち、巻始めとなる第一の突極磁極側におけるコイルボビンヨーク部の端子4へ電線をからげた後、巻芯部となるコイルボビンティース部に電線を巻線して固定子コイル3を製作する。(例えば、U+)
(4)第一の突極磁極において、巻線が完了した後、第1の渡り線収容溝7に電線を通し、コイルボビン2のコイルボビンヨーク部の外周側へ渡り線として引き出す。
(5)続いて、第一の突極磁極側の第1の渡り線収容溝7から引き出された渡り線としての電線を、巻終りとなる第二の突極磁極側におけるコイルボビン2のコイルボビンヨーク部の外周面を経由した後、第2の渡り線収容溝8を使用して第二の突極磁極の電線巻始め位置に案内する。
(6)第二の突極磁極において、第2の渡り線収容溝8を使用して電線巻始め位置に案内された電線を、巻芯部となるコイルボビンティース部に、前記第一の突極磁極への巻方向とは逆方向に電線を巻線して固定子コイル3を製作する。(例えば、U−)
(7)巻線が完了した後、第二の突極磁極の端子4に電線をからげ、ニッパー等で電線を切断する。
(8)そして次の相へ巻線機ノズルを移動し、各隣り合う同相突極磁極について、(V−、V+)、(W+、W−)、(U−、U+)、(V+、V−)、(W−、W+)と、上記(3)〜(7)の工程を、繰り返し行うことにより、1つのワークの巻線が完了する。
また、(3)〜(7)の工程を、複数ノズル(最大M/2本)を使用して多連巻するようにしてもよい。
また、突極磁極ピッチの2倍の距離で直線状に複数個配列されたノズルを使用することで、最短で1サイクルの動作で1つのワークの巻線を完了することも可能である。
また、巻線機治具にコイルボビン2を直線状に複数個セットし、コイルボビン2に直接同巻線を行い、後から固定子コア1の突極磁極に巻線済みのボビンを差し込むようにしてもよい。
図6は実施の形態1に係る巻線済み固定子コアを連結して円環状に形成した回転電機の固定子の構成を示す図である。また、図7は実施の形態1に係る結線P板を使用して結線した回転電機の固定子の構成を示す図である。なお、図6、図7は突極磁極数が12個の回転電機固定子の例を示したもので、各隣り合う同相突極磁極を6組で構成した例である。また、図7は10極のロータと引き合う回転磁界が発生する結線の例である。
図において、1〜4は図1と同様であり、説明を省略する。また、図において、「左」と記載した巻線は、結線側上、内径側から見て反時計回りの巻線、また、「右」と記載した巻線は、結線側上、内径側から見て時計回りの巻線を示す。
また、固定子コア中心から固定子コア折曲げ中心へ引いた中心線に対し、面取り面9が垂直になり、固定子コアを丸めて環状体を製作する際に、渡り線の軌跡の変化による電線の加工劣化を最小限に抑える効果がある。
2 ボビン
3 固定子コイル
4 端子
5 結線P板
6 穴
7 第1の渡り線収容溝
8 第2の渡り線収容溝
9 コアバック側の両端部の面取り
Claims (4)
- 固定子コアの外周磁路となるヨーク部およびこの固定子コアのヨーク部の中央部から内方へ突出し磁極となるティース部とを被覆し、この固定子コアと固定子コイルとを絶縁するコイルボビンにおいて、
前記固定子コアのヨーク部を被覆するコイルボビンヨーク部の正面に、
結線P板と電気的に接続する端子を挿入するための穴と、
前記固定子コアのティース部を被覆するコイルボビンティース部の根元付近となる電線巻終り位置付近から前記コイルボビンヨーク部の外径側に向けて設けられた第1の渡り線収容溝と、
前記コイルボビンヨーク部の外径側中央付近から前記コイルボビンティース部の根元となる電線巻始め位置付近に向けて設けられた第2の渡り線収容溝と、
を備えたことを特徴とする回転電機の固定子のコイルボビン。 - 前記コイルボビンヨーク部の外径側の両端部に、前記固定子コアのコアバック外周面に対して、360°/スロット数/2となる角度で、複数の前記固定子コアを連結して円環状に形成したときの固定子コア中心から前記固定子コアのヨーク部の連結部へ引いた中心線に対し、面取り面が垂直となる面取りを設けたことを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子のコイルボビン。
- 前記コイルボビンヨーク部に設ける前記第2の渡り線収容溝の底面は、入口となる外径側から出口となる前記コイルボビンティース部の根元に向けて、巻芯方向へ向かう傾斜を付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機の固定子のコイルボビン。
- 同相となる突極磁極を2個ずつ並んで配置して構成される回転電機の固定子の巻線方法において、
固定子コアのヨーク部を被覆するコイルボビンヨーク部の正面に、結線P板と電気的に接続する端子を挿入するための穴と、前記固定子コアのティース部を被覆するコイルボビンティース部の根元付近となる電線巻終り位置付近から前記コイルボビンヨーク部の外周側に向けて設けられた第1の渡り線収容溝と、前記コイルボビンヨーク部の外径側中央付近から前記コイルボビンティース部の根元となる電線巻始め位置付近に向けて設けられた第2の渡り線収容溝と、を有するコイルボビンを、
固定子コアの突極磁極に装着する段階と、
隣り合う同相突極磁極のうち、巻始めとなる第一の突極磁極側における前記コイルボビンヨーク部に挿入された端子へ電線をからげた後、巻芯部となる前記コイルボビンティース部に電線を巻回して固定子コイルを製作する段階と、
前記電線を渡り線として前記第1の渡り線収容溝を使用して引き出し、巻終りとなる第二の突極磁極側における前記コイルボビンヨーク部の外周面を経由して、前記第2の渡り線収容溝を使用してこの第二の突極磁極の電線巻始め位置に案内する段階と、
前記第二の突極磁極の巻芯部となる前記コイルボビンティース部に、前記第一の突極磁極への巻方向とは逆方向に電線を巻回して固定子コイルを製作する段階と、
前記第二の突極磁極側における前記コイルボビンヨーク部に挿入された端子へ、前記電線を渡り線としてからげた後、前記電線を切断する段階と、
からなることを特徴とする回転電機の固定子の巻線方法。
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