JP5418102B2 - 樹脂製筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなることから放熱性に優れる樹脂製筐体に関するものであり、さらに詳しくは放熱性に優れると共に、金属に酷似した音質を発し、金属のようなヒンヤリとした清涼感を有することから金属に近い高級感を演出する樹脂製筐体、特に携帯機器用樹脂製筐体に関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性、成形性等に優れた特性を示す樹脂であり、その優れた特性を生かし、電気・電子機器部材、自動車機器部材およびOA機器部材等に幅広く使用されている。また、ポリアリーレンスルフィドを成形品とし、その成形品を落下させた際には、金属と酷似した金属音を発することが知られている。そこで、これら特性を活かし金属代替材料として各種用途への適応が試みられている。
そして、ポリフェニレンスルフィドを用いてなる筐体として、例えばポリフェニレンスルフィド樹脂、無機充填材、オレフィン系樹脂からなる組成物よりなる筐体材料(例えば特許文献1参照。)、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ガラス転移温度120℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、混和剤、無機フィラーからなる組成物よりなる樹脂製筐体(例えば特許文献2参照。)、熱可塑性樹脂、無機質充填剤、−20℃以下の弾性重合体からなる樹脂組成物よりなる携帯機器用筐体(例えば特許文献3参照。)、等が提案されている。
また、ポリフェニレンスルフィドの熱伝導性を改良する試みについては、これまでにもいくつかの検討がなされ、例えば(a)ポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンエーテルとからなる樹脂、(b)特定の熱伝導率を有する炭素繊維、及び(c)黒鉛を配合する樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、ポリアリーレンスルフィド、金属ケイ素粉末及び繊維状充填材、好ましくは離型剤からなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献5参照。)、ポリアリーレンスルフィド、繊維長2〜8mmの炭素繊維/繊維長20〜600μmの炭素繊維=9/1〜1/9からなる混合炭素繊維、熱伝導性フィラーからなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献6参照。)、ポリアリーレンスルフィド、収束剤未添加炭素繊維、熱伝導性フィラー及びシラン化合物、好ましくは離型剤からなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献7参照。)、が提案されている。
特開2001−316587号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2004−268391号公報(特許請求の範囲参照。) 特開平09−216245号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2004−137401号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−146105号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−291220号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−291300号公報(特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1〜3に提案された筐体、携帯機器用筐体は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂よりなることから高剛性、高耐衝撃性等の機械的性能に優れる筐体、携帯機器用筐体ではあるが、熱伝導性が低いために放熱性という点においては課題を有するものであった。また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂からなることから金属音に酷似した音質を発するものではあるが、触った際にはヒンヤリとする清涼感はなく、所詮プラスチックとの感は諫めないものであり、金属の有する高級感とは隔たるものであった。
また、熱伝導性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する提案のなされている特許文献4〜7については、部品構成材料としての組成物が提案されているのみである。
そこで、本発明は、熱伝導性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなることから放熱性に優れると共に、金属に酷似した音質を発し、金属のようなヒンヤリとした清涼感を有することから金属に近い高級感を演出する樹脂製筐体、携帯機器用樹脂製筐体を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、高熱伝導性を示すポリフェニレンスルフィド樹脂組成物よりなる樹脂製筐体が、高い放熱性を有すると共に、金属に酷似した音質を発し、金属に近いヒンヤリ感を有し、金属に近い高級感を演出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、携帯機器用樹脂製筐体であって、少なくともポリフェニレンスルフィド、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維及び金属ケイ素粉末からなる、厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物よりなり、表面がニッケルメッキ、アルミニウムメッキ、亜鉛メッキ及び銅メッキより選択されるメッキをされてなる樹脂製筐体に関するものである。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の樹脂製筐体は、厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上を有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなるものである。ここで、厚み方向の熱伝導率は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形により試験片形状に成形し、熱伝導率測定装置を用い、23℃の条件下で、レーザーフラッシュ法により測定するものである。なお、厚み方向の熱伝導率は、一次元法により熱容量Cpと厚み方向の熱拡散率α、また、ASTM D−792 A法(水中置換法)に準じ密度ρのそれぞれを求め、次式より算出したものである。
厚み方向の熱伝導率=ρ×Cp×α
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物としては、厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上、好ましくは4.5W/m・K以上を有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であれば如何なるものを用いることも可能であり、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物としては、例えばポリフェニレンスルフィド樹脂に高熱伝導性繊維状充填剤及び/又は高熱伝導性非繊維状充填剤を配合してなる組成物を挙げることができる。ここで、厚み方向の熱伝導率が4W/m・K未満のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物である場合、得られる樹脂製筐体は放熱性に劣るばかりか、触れた際のヒンヤリ感も得られず、プラスチック感しか得られない貧相なものとなる。
厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上を有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を構成するポリフェニレンスルフィド樹脂としてはポリフェニレンスルフィド樹脂であれば如何なるものでもよく、その中でも、樹脂製筐体とする際の成形加工性に優れ、得られる樹脂製筐体自体が機械的強度に優れたものとなることから、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを用いて、高化式フローテスターで測定した溶融粘度が50〜3000ポイズのポリフェニレンスルフィドが好ましく、特に60〜1500ポイズであるものが好ましい。
また、該ポリフェニレンスルフィドとしては、その構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましい。そして、他の構成成分としては、例えば、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、アミノ基含有フェニレンスルフィド単位、水酸基含有フェニレンスルフィド単位、カルボン酸基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位等を含有していてもよく、中でもポリ(p−フェニレンスルフィド)が好ましい。
該ポリフェニレンスルフィドの製造方法としては、特に限定はなく、例えば一般的に知られている重合溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応する方法により製造することが可能であり、アルカリ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の形で使用しても差し支えない。これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られ、ジハロ芳香族化合物の重合系内への添加に先立ってその場で調整されても、また系外で調整されたものを用いても差し支えない。また、ジハロ芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン等を挙げることができ、さらに1−クロロ−4−ブロモベンゼン、4、4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4、4’−ジクロロベンゾフェノン、4、4’−ジクロロジフェニル等を目的に応じ混合していてもよい。また、アルカリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物の仕込み比は、アルカリ金属硫化物/ジハロ芳香族化合物(モル比)=1.00/0.90〜1.10の範囲とすることが好ましい。
重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロトン性で高温でのアルカリに対して安定な有機アミドが好ましい溶媒である。該有機アミドとしては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素及びその混合物、等が挙げられる。また、該重合溶媒は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3500重量%で用いることが好ましく、特に250〜1500重量%となる範囲で使用することが好ましい。重合は200〜300℃、特に220〜280℃にて0.5〜30時間、特に1〜15時間攪拌下にて行うことが好ましい。
さらに、該ポリフェニレンスルフィドは、直鎖状のものであっても、酸素存在下高温で処理し、架橋したものであっても、トリハロ以上のポリハロ化合物を少量添加して若干の架橋または分岐構造を導入したものであっても、窒素等の非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物におけるポリフェニレンスルフィドの配合量としては25〜40重量%であることが好ましく、特に27〜35重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物は、放熱性を高め機械強度を付与することを目的として、繊維状充填剤を配合してなることが好ましく、該繊維状充填剤としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、セラミック繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維等の少なくとも1種を挙げることができ、その中でも特に放熱性に優れた樹脂製筐体を構成することが可能となることから、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維等の高熱伝導性繊維状充填剤であることが好ましい。そして、更に炭素繊維である場合には、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維であることが好ましく、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維であれば、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系、ポリビニルアルコール系等の何れでも良く、中でもピッチ系炭素繊維が好ましい。また、該炭素繊維である場合の形状としては、例えば繊維径5〜20μm、繊維長2〜8mmのチョップドファイバー、繊維径5〜20μm、繊維長30〜150μmのミルドファイバー等が例示でき、その中でも特に機械的強度に優れたポリフェニレンスルフィド組成物となることからチョップドファイバー又はチョップドファイバーとミルドファイバーを組み合わせたものであることが好ましい。また、該繊維状充填剤の配合量としては、20〜60重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物は、放熱性を高め表面性に優れた樹脂製筐体を提供できることから、非繊維状充填剤を配合してなることが好ましく、該非繊維状充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、タルク、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、ワラステナイト、ゼオライト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、金属ケイ素粉末、黒鉛粉末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化硼素粉末等の少なくとも1種を挙げることができ、その中でも特に放熱性に優れた樹脂製筐体を構成することが可能となることから、金属ケイ素粉末、黒鉛粉末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化硼素粉末等の高熱伝導性非繊維状充填剤であることが好ましい。そして、更に金属ケイ素粉末である場合には、ケイ素含有率が95重量%以上であるものが好ましく、特に98重量%以上であるものが更に好ましい。また、該金属ケイ素粉末は、特に機械的特性、熱伝導性に優れたポリフェニレンスルフィド組成物となることから、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D50)が1μm以上であるものが好ましい。また、該金属ケイ素粉末の形状は特に限定されなく、例えば樹枝状粉、片状粉、角状粉、球状粉、粒状粉、針状粉、不定形状粉、海綿状粉等が挙げられる。また、これら形状の混合物であっても良い。該金属ケイ素粉末の製造方法としては、例えば電解法、機械的粉砕法、アトマイズ法、熱処理法、化学的製法等が挙げられ、これらの製法に限定されるものではない。また、該非繊維状充填剤の配合量としては、10〜40重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物は、樹脂製筐体とする際の成形加工性に優れ、得られる樹脂製筐体が特に機械的特性に優れたものとなることから、ポリエチレン系共重合体を配合してなるものであることが好ましい。該ポリエチレン系共重合体としては、一般的にポリエチレン系共重合体として知られている範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、その中でも特に耐ヒートサイクル性、ウェルド強度に優れる樹脂製筐体となることから無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上のポリエチレン系共重合体であることが好ましい。
そして、該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えばエチレン残基単位:α−オレフィン残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:45〜1:5〜1の範囲からなるものが挙げられ、具体的には無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、過酸化物、無水マレイン酸を共存し、グラフト化反応を進行することにより入手することが可能である。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えばエチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:40〜1:10〜1の範囲からなるものが挙げられ、より具体的には(商品名)ボンダインLX4110(アルケマ社製)、(商品名)ボンダインTX8030(アルケマ社製)、(商品名)ボンダインAX8390(アルケマ社製)等が挙げられる。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えばエチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位(重量比)=85〜99:15〜1の範囲からなるものが挙げられ、より具体的には、(商品名)ボンドファスト2C(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファストE(住友化学(株)製)等が挙げられる。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えばエチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:酢酸ビニル残基単位(重量比)=50〜98:15〜1:35〜1の範囲からなるものを挙げることができ、より具体的には、(商品名)ボンドファスト2B(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファスト7B(住友化学(株)製)等が挙げられる。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えばエチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位(重量比)=50〜98:10〜1:40〜1の範囲かなるものを挙げることができ、より具体的には、(商品名)ボンドファスト7L(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファスト7M(住友化学(株)製)等が挙げられる。
ここで、該ポリエチレン系共重合体を構成するα−オレフィンとは、炭素数が3以上のα−オレフィンを言い、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。また、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアルキルエステルが挙げられ、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物がポリエチレン系共重合体を配合してなる場合、その配合量は3〜10重量%であることが好ましく、特に4〜9重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂製筐体を構成するポリフェニレンスルフィド組成物は、成形加工時における金型からの離型性を優れたものとし、生産効率、外観に優れた樹脂製筐体を得ることができることから、さらに離型剤を配合してなるものであることが好ましい。該離型剤としては、ポリフェニレンスルフィドの離型剤として一般に知られている離型剤を用いることができ、例えばカルナバワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ステアリン酸金属塩、酸アマイド系ワックス等を挙げることができる。その中でも、特にポリフェニレンスルフィド組成物を成形加工する際の金型離型性や製品外観改良効果に優れることから、カルナバワックスが好ましい。又、離型剤を用いる際のその配合量としては0.1〜1重量%であることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂製筐体は本発明の目的を逸脱しない範囲においてポリフェニレンスルフィド以外の各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等の1種以上を混合していてもよい。
本発明の樹脂製筐体は、レーザーフラッシュ法により測定した厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を、射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法等の各種成形法に供することにより製造することが可能である。
また、本発明の樹脂製筐体は、落下時の金属音に近い音質、接触の際の金属に近いヒンヤリとした清涼感以上に金属感を演出するために、メッキを施してなることが好ましく、その際のメッキとしては金属メッキであることが好ましく、例えばアルミニウムメッキ、銅メッキ、亜鉛メッキ、金メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ等を挙げることができる。
本発明の樹脂製筐体は、発熱量の多い半導体素子等からの発熱を外部に逃がし、内部素子、端子等を保護するとともに、落下の際に金属に近い音質を発し、手などの接触の際にはヒンヤリとした清涼感を与え、金属に近い高級感を演出することから、テレビ、LCD、有機EL、パーソナルコンピューター、ゲーム機器、VTR、DVDレコーダー等の筐体として適したものであり、特に常に人が携帯し接触することにより、金属感を演出することが可能となる携帯電話、携帯ゲーム機、携帯音楽再生機等の携帯機器用の筐体として適したものである。
本発明の樹脂製筐体、特に携帯機器用樹脂製筐体は、放熱性に優れると共に、金属に酷似した音質を発し、金属のようなヒンヤリとした清涼感を有することから金属に近い高級感を演出するものである。
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例になんら制限されるものではない。
実施例及び比較例において、ポリフェニレンスルフィド、炭素繊維、金属ケイ素粉末、ポリエチレン系共重合体、炭酸カルシウム、鱗片状窒化ホウ素粉末、黒鉛、離型剤として以下のものを用いた。
<ポリフェニレンスルフィド>
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(a−1)(以下、単にPPS(a−1)と記す。):溶融粘度110ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(a−2)(以下、単にPPS(a−2)と記す。):溶融粘度300ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(a−3)(以下、単にPPS(a−3)と記す。):溶融粘度350ポイズ。
<炭素繊維>
炭素繊維(b−1);三菱樹脂(株)製、(商品名)ダイアリードK6371T;熱伝導率140W/m・K、チョップドファイバー、繊維径10μm、繊維長6mm。
<金属ケイ素粉末>
金属ケイ素粉末(c−1);キンセイマテック(株)製、(商品名)金属シリコン#200(98%);ケイ素含有率98.4重量%、平均粒子径17μm、不定形状粉末。
金属ケイ素粉末(c−2);キンセイマテック(株)製、(商品名)金属シリコン#600;ケイ素含有率98.5重量%、平均粒子径6μm、不定形状粉末。
金属ケイ素粉末(c−3);キンセイマテック(株)製、(商品名)金属シリコン#200(95%);ケイ素含有率95.6重量%、平均粒子径16μm、不定形状粉末。
<ポリエチレン系共重合体>
無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(d−1)(以下、単にPE系共重合体(d−1)と記す。);合成例3に従って得られた無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン;無水マレイン酸含有量1.4重量%、MFR=0.7g/10分。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(d−2)(以下、単にPE系共重合体(d−2)と記す。):アルケマ社製、(商品名)ボンダインAX8390;アクリル酸エチル残基単位30.5重量%、無水マレイン酸残基単位1.5重量%、MFR=7g/10分。
<炭酸カルシウム>
炭酸カルシウム(e−1):白石工業(株)製、(商品名)カルライトKT;平均粒子径2.3μm、BET比表面積38m/g。
<球状アルミナ>
球状アルミナ粉末(f−1);電気化学工業(株)製、(商品名)DAW−10;平均粒子径10.0μm。
<黒鉛>
黒鉛(g−1);昭和電工(株)製、(商品名)UFG−30;人造黒鉛、固定炭素含有量99.4%。
<離型剤>
カルナバワックス(h−1);日興ファインプロダクツ製、(商品名)精製カルナバ1号粉末。
〜熱伝導率の測定〜
熱伝導率測定装置(アルバック社製、(商品名)TC7000;ルビーレーザー)を用い、23℃の条件下で、レーザーフラッシュ法にて測定した。厚み方向の熱伝導率は、一次元法により、熱容量Cpと厚み方向の熱拡散率αを求め、またASTM D−792 A法(水中置換法)に準じ密度ρを求めて、次式より熱拡散率を算出した。
厚み方向の熱伝導率=ρ×Cp×α
〜メルトフローレート(MFR)の測定〜
高化式フローテスターを用い、温度315℃、荷重5kg、ダイ内径2.0mmの条件下、10分間で流出する組成物の重さ(g単位)を測定し、メルトフローレート(以下、MFRと記す。)とした。
合成例1(PPS(a−1)、PPS(a−2)の合成)
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、NaS・2.8HO1866g及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)5リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、407gの水を溜出させた。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2280gとNMP1500gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、ポリマーを遠心分離器により単離した。温水でポリマーを繰り返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(a−1))の溶融粘度は110ポイズであった。
更にPPS(a−1)を、空気雰囲気下235℃で加熱硬化処理を行った。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(a−2))の溶融粘度は300ポイズであった。
合成例2(PPS(a−3)の合成)
攪拌機を装備する15リットルチタン製オートクレーブにNMP3232g、47%硫化水素ナトリウム水溶液1682g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1142gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、1360gの水を溜出させた。この系を170℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン2118gとNMP1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて1時間重合し、続けて250℃まで昇温し、250℃にて2時間重合した。更に、250℃で水451gを圧入し、再度255℃まで昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを固液分離した。ポリマーをNMP、アセトン及び水で順次洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(a−3))は直鎖状のものであり、その溶融粘度は350ポイズであった。
合成例3(PE系共重合体(d−1)の合成)
直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、(商品名)ニポロンZ 1P53A)10kgに対し無水マレイン酸(和光純薬工業製)250g、ジアルキルパーオキサイド(日本油脂(株)製、(商品名)パーヘキサ25B)10gをヘンシェルミキサーにて均一に混合した、その後、二軸押出機(東芝機械(株)、(商品名)TEM−35−102B)にて、シリンダー温度220℃で押出し、PE系共重合体(d−1)を得た。赤外線吸収スペクトルによりカルボニル基による吸収を測定し、別途作製した検量線から求めた無水マレイン酸含有量は1.4wt%であった。また、MFRは0.7g/10分であった。
実施例1
PPS(a−2)46.2重量%及び金属ケイ素粉末(c−1)53.8重量%の割合で配合して、310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに、一方、炭素繊維(b−1)を二軸押出機サイドフィーダーのホッパーに、それぞれ投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリフェニレンスルフィド組成物を作製した。その際のポリフェニレンスルフィド組成物の構成割合は、PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)であった。
該ポリフェニレンスルフィド組成物を、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)のホッパーに投入し、熱伝導率を測定するための平板を成形し、厚み方向の熱伝導率を測定したところ5.1W/m・kであった。該平板を1m程度の高さより落下させるとカランと金属質に近い音を発した。また、該平板は手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。そして、MFRは78g/10分であった。
また、幅40mm、奥行き110mm、高さ20mm、厚み3mmの箱形筐体用の金型を装着した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)のホッパーに上記により得られたポリフェニレンスルフィド組成物を投入し、箱形筐体の成形を行った。得られた箱形筐体は、平板と同様、音質、触感ともに金属質に近いものであった。
実施例2
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−3)/金属ケイ素粉末(c−2)/炭素繊維(b−1)/カルナバワックス(h−1)=29/35/35/1(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が4.7W/m・Kであり、MFRは69g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発し、手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。
実施例3
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−1)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)/PE系共重合体(d−1)/炭酸カルシウム(e−1)/カルナバワックス(h−1)=30/30/30/9.3/0.5/0.2(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が4.5W/m・Kであり、MFRは110g/10分であった。
次に、箱形筐体を100℃に加熱したキシレン(和光純薬工業(株)製)500mlに30分浸漬した後、箱形筐体を24時間常温で乾燥し、以下の方法によりニッケルメッキを施した。
1)純水750mlに(商品名)コンディライザーSP(奥野製薬工業(株)製)を150ml加え、40℃としたところで該箱形筐体を5分浸漬し前処理を行った。
2)純水790mlに、塩酸(和光純薬工業(株)製)150mlと(商品名)キャタリストC(奥野製薬工業(株)製)60mlとを加え、室温にて1)で前処理を行った箱形筐体を5分間浸漬し触媒付与を行った。
3)純水900mlに、硫酸(和光純薬工業(株)製)150ml加え、40℃としたところで2)で触媒付与を行った箱形筐体を5分間浸漬し活性化を行った。
4)純水680mlに、(商品名)TMP化学ニッケルA液(奥野製薬工業(株)製)160ml及び(商品名)TMP化学ニッケルB液(奥野製薬工業(株)製)160ml加え、室温で3)で活性化を行った箱形筐体を15分間浸漬し、無電解ニッケルメッキを施した。
得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発し、手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。さらに、ニッケルメッキを施した箱形筐体は、金属質に近い音、ヒヤンリとした清涼感に加え、より金属らしい感触を発するものであった。
実施例4
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−3)/金属ケイ素粉末(c−3)/炭素繊維(b−1)/PE系共重合体(d−2)/炭酸カルシウム(e−1)/カルナバワックス(h−1)=31.3/25/35/8/0.5/0.2(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が4.8W/m・Kであり、MFRは130g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発し、手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。
実施例5
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−1)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)/鱗片状窒化ホウ素粉末(f−1)/カルナバワックス(h−1)=29/35/25/10/1(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が5.1W/m・Kであり、MFRは66g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発し、手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。
実施例6
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−1)/金属ケイ素粉末(c−2)/炭素繊維(b−1)/黒鉛(g−1)/カルナバワックス(h−1)=30/25/23/20/2(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が5.2W/m・Kであり、MFRは60g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発し、手で持ち続けてもヒヤンリとした清涼感を持続するものであった。
比較例1
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/カルナバワックス(h−1)=30/69/1(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が0.8W/m・Kであり、MFRは48g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発するものであったが、手で持ち続けると生暖かくなりプラスチックとの感の諫めないものであった。
比較例2
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−2)/炭素繊維(b−1)/カルナバワックス(h−1)=59/40/1(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が0.6W/m・Kであり、MFRは108g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発発するものであったが、手で持ち続けると生暖かくなりプラスチックとの感の諫めないものであった。
比較例3
PPS(a−2)/金属ケイ素粉末(c−1)/炭素繊維(b−1)=30/35/35(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド組成物の代わりに、PPS(a−2)/炭素繊維(b−1)/球状アルミナ粉末(f−1)/カルナバワックス(h−1)=35/25/39/1(重量%)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド組成物、平板、箱形筐体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィド組成物は、厚み方向の熱伝導率が2.1W/m・Kであり、MFRは72g/10分であった。また、得られた平板、箱形筐体は落下させるとカランと金属質に近い音を発発するものであったが、手で持ち続けると生暖かくなりプラスチックとの感の諫めないものであった。

Claims (2)

  1. 携帯機器用樹脂製筐体であって、少なくともポリフェニレンスルフィド、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維及び金属ケイ素粉末からなる、レーザーフラッシュ法により測定した厚み方向の熱伝導率4W/m・K以上のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物よりなり、表面がニッケルメッキ、アルミニウムメッキ、亜鉛メッキ及び銅メッキより選択されるメッキをされてなることを特徴とする樹脂製筐体。
  2. ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、さらにポリエチレン系共重合体を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製筐体。
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