JP2014065774A - 難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂成物及びそれよりなる複合体 - Google Patents

難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂成物及びそれよりなる複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い成形流動性、金属との良好な接合力を有するともに、薄い肉厚であっても高い難燃性を有することから、特に携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電子・電気部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途に有用な難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、それからなる複合体を提供する。
【解決手段】 少なくとも、溶融粘度が50〜1000ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、変性エチレン系共重合体(B)、エポキシ当量300〜2500の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)を含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、それぞれの重量分率配合割合(a)、(b)、(c)の関係が下記式1〜3のそれぞれを満足する難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
((b)+(c))/((a)+(b)+(c))=0.070〜0.110 (式1)
(b)/((a)+(b))=0.030〜0.100 (式2)
(c)/((a)+(c))=0.040〜0.080 (式3)
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた成形流動性、金属との良好な接合力を示すとともに、薄い肉厚であっても高い難燃性をも有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び該ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物と金属部材とを一体化した複合体に関するものであり、さらに詳しくは、携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電子・電気部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途に特に有用な成形流動性、金属との良好な接着力を示す難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれよりなる複合体に関するものである。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPSと略記することもある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略記することもある。)は、優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性、耐薬品性を有し、多くの電気・電子機器部材や自動車機器部材、その他OA機器部材等、幅広く使用されている。
特に携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電子・電気部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途においては、部品形状の複雑化や小型化のニーズから、これら部品における薄肉化が望まれている。しかし、部品の薄肉化に伴い難燃性のランクが低下することから高い難燃性への要求と同時に、成形加工も困難になることから高い成形流動性も要求されている。
その一方で、これら部品は金属と樹脂から成り立っているものが殆どであり、その接合には機械的な固定方法(ねじ止め等)や、接着剤を用いる方法などの古くから用いられている既存の接合方法の他、近年、金属と樹脂との強固な接合方法として、射出成形機にインサートした金属部品に熱可塑性樹脂を射出接合する技術が提案されており、電気電子、自動車、産業機器等の幅広い分野から注目を集めている。
それら提案は、金属の表面を処理することにより樹脂との接合力を向上させるものであり、例えば、アルミニウム材の陽極酸化被膜に孔を形成し、樹脂と複合する方法(例えば特許文献1参照。)、また、トリアジンチオール誘導体を含有する陽極酸化皮膜を有する樹脂接合用アルミニウム部材の製造方法(例えば特許文献2参照。)。さらには、熱可塑性樹脂と金属部品との密着性を向上させる方法としてケミカルエッチングを施した金属部品をインサートして熱可塑性樹脂の成形を行う方法(例えば特許文献3参照。)、等が提案されている。
また、これら金属との良好な接合力を有するPAS樹脂組成物については、これまでにもいくつかの検討がなされ、例えば、(a)PAS、(b)極性基含有ポリエチレン系共重合体、及び(c)トリアジンチオール類を配合する樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、また、(a)PPS、(b)ポリオレフィン系樹脂を配合する樹脂組成物(例えば特許文献5参照。)、等が提案されている。
WO2004−055248号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2009−144198号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2001−225352号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2010−070712号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2007−050630号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献4及び5に提案された樹脂組成物においては、金属との良好な接合力に優れるものの、部品の薄肉化に伴う難燃性や成形加工に必要な成形流動性については何ら述べられていない。即ちこれらの提案樹脂組成物はおしなべて、高い難燃性と成形流動性、金属との良好な接合力とを同時に得ることは難しいものであった。
そこで、本発明は、携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電子・電気部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途に特に有用な優れた成形流動性、金属との良好な接合力を有するとともに、薄い肉厚であっても高い難燃性をも有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれよりなる複合体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂、変性エチレン系共重合体とエポキシ樹脂とを特定の配合割合で含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、薄い肉厚での高い難燃性と成形流動性、金属との良好な接合力に優れるものとなり得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、少なくとも、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜1000ポイズのポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体及び無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上の変性エチレン系共重合体(B)、エポキシ当量300〜2500の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)を含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、該ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量分率配合割合(a)、該変性エチレン系共重合体(B)の重量分率配合割合(b)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の重量分率配合割合(c)のそれぞれの関係が下記式1〜3のそれぞれを満足することを特徴とする難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
((b)+(c))/((a)+(b)+(c))=0.070〜0.110 (式1)
(b)/((a)+(b))=0.030〜0.100 (式2)
(c)/((a)+(c))=0.040〜0.080 (式3)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、少なくとも、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、該変性エチレン系共重合体(B)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)を含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、該ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の重量分率配合割合(a)、該変性エチレン系共重合体(B)の重量分率配合割合(b)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の重量分率配合割合(c)のそれぞれの関係が上記式1〜3のそれぞれを満足するものである。
該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)としては、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜1000ポイズのポリアリーレンスルフィド樹脂である。ここで、溶融粘度が50ポイズ未満のポリアリーレンスルフィド樹脂である場合、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成部は、機械的強度に劣るものとなる。一方、溶融粘度が1000ポイズを越えるポリアリーレンスルフィド樹脂である場合、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、薄肉流動性に劣るものとなる。
そして、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)としては、一般にポリアリーレンスルフィド樹脂と称される範疇に属するものであればよく、該ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、例えばp−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルフォン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ビフェニレンスルフィド単位からなる単独重合体又は共重合体を挙げることができ、該ポリアリーレンスルフィド樹脂の具体的例示としては、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドエーテル等が挙げられ、その中でも、特に耐熱性、強度特性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となることから、ポリ(p−フェニレンスルフィド)であることが好ましい。
該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造方法としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法として知られている方法により製造することが可能であり、例えば極性溶媒中で硫化アルカリ金属塩、ポリハロ芳香族化合物を重合することにより得る事が可能である。その際の極性有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を挙げる事ができ、硫化アルカリ金属塩としては、例えば硫化ナトリウム、硫化ルビジウム、硫化リチウムの無水物又は水和物を挙げる事ができる。また、硫化アルカリ金属塩としては、水硫化アルカリ金属塩とアルカリ金属水酸化物を反応させたものであってもよい。ポリハロ芳香族化合物としては、例えばp−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロジビフェニル等を挙げる事ができる。
また、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)としては、直鎖状のものであっても、重合時にトリハロゲン以上のポリハロゲン化合物を少量添加して若干の架橋又は分岐構造を導入したものであっても、ポリアリーレンスルフィド樹脂の分子鎖の一部及び/又は末端を例えばカルボキシル基、カルボキシ金属塩、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等の官能基により変性されたものであっても、窒素などの非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。また、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、加熱硬化前又は後に脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄など)、あるいはアセトン、メチルアルコールなどの有機溶媒による洗浄処理を行うことによってイオン、オリゴマーなどの不純物を低減させたものであってもよい。さらに、重合反応終了後に不活性ガス又は酸化性ガス中で加熱処理を行い、硬化を行ったものであってもよい。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を構成する変性エチレン系共重合体(B)は、難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物と金属との接合性を改良するものであり、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体及び無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上のエチレン系共重合体である。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られる難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が耐冷熱性等に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:40〜1:10〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体の具体的例示としては、(商品名)ボンダインLX4110(アルケマ(株)製)、(商品名)ボンダインTX8030(アルケマ(株)製)、(商品名)ボンダインAX8390(アルケマ(株)製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られる難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が耐冷熱性等に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位(重量比)=85〜99:15〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体の具体的例示としては、(商品名)ボンドファースト2C(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファーストE(住友化学(株)製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られる難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が耐冷熱性等に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:酢酸ビニル残基単位(重量比)=50〜98:15〜1:35〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体の具体的例示としては、(商品名)ボンドファースト2B(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファースト7B(住友化学(株)製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られる難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が耐冷熱性等に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位(重量比)=50〜98:10〜1:40〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の具体的例示としては、(商品名)ボンドファースト7L(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファースト7M(住友化学(株)製)等が挙げられる。
該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られる難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が耐冷熱性等に優れることから、エチレン残基単位:α−オレフィン残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:45〜1:5〜1の範囲からなるものであることが好ましく、具体的には無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、過酸化物、無水マレイン酸を共存し、グラフト化反応を進行することにより入手することが可能である。
そして、変性エチレン系共重合体(B)を構成するα−オレフィンとは、炭素数が3以上のα−オレフィンを言い、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。また、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアルキルエステルが挙げられ、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を構成する固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)は、難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物と金属との接合性を改良するものであり、該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)としては、一般に室温にて固体状を示すビスフェノールA型エポキシ樹脂と称すものであれば如何なるものを用いてもよく、その中でもとりわけ取扱い性に優れ金属との接合性に優れた難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となることからエポキシ当量300〜2500の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。該エポキシ当量300〜2500の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば(商品名)エピクロン3050(DIC(株)製)、(商品名)jER1055(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、該ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量分率配合割合(a)、該変性エチレン系共重合体(B)の重量分率配合割合(b)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の重量分率配合割合(c)のそれぞれの関係が下記式1〜3のそれぞれを満足するものである。
((b)+(c))/((a)+(b)+(c))=0.070〜0.110 (式1)
(b)/((a)+(b))=0.030〜0.100 (式2)
(c)/((a)+(c))=0.040〜0.080 (式3)
そして、本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物においては、上記式1〜3のそれぞれの関係を満足することにより、高い難燃性と高い成形流動性、金属との良好な接合力を有するとともに、薄い肉厚であっても高い難燃性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となるものである。ここで、式1〜3で示される関係のうち1つでも満足しない樹脂組成物である場合、薄肉での高い難燃性、高い成形流動性、金属との良好な接合力という特性を同時に満足することができない。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ガラス繊維、窒化珪素ウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、炭化珪素ウイスカー、ボロンウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー;ロックウール、ジルコニア、チタン酸バリウム、炭化珪素、シリカ、高炉スラグ等の無機系繊維;全芳香族ポリアミド繊維、フェノール樹脂繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の有機系繊維;ワラステナイト、マグネシウムオキシサルフェート等の鉱物系繊維;等の繊維状充填材が添加されたものであってもよい。そして、繊維状充填材を添加する際には、特に優れた機械的強度を有する難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となることから、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、該変性ポリエチレン系樹脂(B)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の合計量100重量部に対して、20〜80重量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、マイカ、シリカ、タルク、クレイ、硫酸カルシウム、カオリン、ワラステナイト、ゼオライト、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カーボンブラック、ハイドロタルサイト、ガラスパウダー、ガラスバルーン、ガラスフレークが添加されたものであっても構わない。
また、本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知のタルク、カオリン、シリカなどの結晶核剤;ポリアルキレンオキサイドオリゴマー系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤;アマイドワックスやカルナバワックスなどの離型剤;酸化防止剤;熱安定剤;滑剤;紫外線防止剤;着色剤;発泡剤などの通常の添加剤を1種以上添加するものであってもよい。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、優れた難燃性を有するものであり、その難燃性は難燃効果が発現し難いとされている薄肉形状であっても高い難燃性を有するものである。その際の難燃性効果としては、例えば本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を長さ127mm×幅12.7mm×厚さ0.75mmの棒状の薄肉試験片を作製し、1本毎にバーナーの炎を試験片に接炎した時の試験片の残炎時間を測定することにより確認することができる。その際に該試験片を5本用いた時の合計残炎時間が45秒以下である場合に、特に薄肉形状であっても高い難燃性を有するものとすることができる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を製造する際の製造方法としては特に制限はなく、一般的な混合・混練方法として知られている方法を用いる事が可能であり、例えば全ての原材料を配合し溶融混練する方法;原材料の一部を配合した後で溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法;あるいは原材料の一部を配合後単軸又は二軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法、など、いずれの方法を用いてもよい。また、小量の添加成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加することで使用してもよい。そして、溶融混練を行う方法としては、従来から使用されている加熱溶融混練方法を用いることができ、例えば単軸又は二軸押出機、ニーダー、ミル、ブラベンダーなどによる加熱溶融混練方法が挙げられ、特に混練能力に優れた二軸押出機による溶融混練方法が好ましい。また、この際の混練温度は特に限定されるものではなく、通常280〜400℃の中から任意に選ぶことができる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、とりわけ金属、金属部材との接合性に優れ、金属部材と一体化した複合体となることから、物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属部材と一体化した複合体として使用することが好ましい。
その際の金属、金属部材としては、金属部材の範疇に属するものであればいかなる材質よりなる部材でもよく、その中でもポリアリーレンスルフィド樹脂組成物との複合体とした際に各種用途への適応が可能となることから、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材、銅合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、鉄製部材、チタン製部材、チタン合金製部材、ステンレス製部材である金属部材が好ましく、特に得られる複合体が軽量化にも優れたものとなることから、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、チタン製部材、チタン合金製部材が好ましい。
また、該金属部材は、表面を物理的処理及び/又は化学処理した金属部材であることが好ましく、該物理的処理及び/又は化学処理を施すことにより、該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる部材と一体化した際に優れた密着性、接合性、気密性を有する複合体となるものである。
そして、金属部材の表面を物理的処理及び/又は化学処理する方法としては如何なる方法も可能であり、その中でも金属部材と難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材との接合性、密着性に特に優れた複合体となることから、物理的処理としては、例えば表面に微小固体粒子を接触又は衝突させる方法、また高エネルギー電磁線を照射する方法等を挙げることができ、より具体的にはサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、レーザ加工処理等を挙げることができる。更に、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理の際の研磨剤としては、例えばサンド、スチールグリッド、スチールショット、カットワイヤー、アルミナ、炭化ケイ素、金属スラグ、ガラスビーズ、プラスチックビーズ等を挙げることができる。また、レーザ加工処理としては、WO2007/072603号公報に提案の方法等をも挙げることができる。
また、金属部材と難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材との接合力、密着性に特に優れた複合体となることから、化学処理としては、例えば陽極酸化処理法、酸又はアルカリの水溶液で化学処理する方法、等を挙げることができる。
そして、陽極酸化処理としては、例えば金属部材を陽極として電解液中で電化反応を行いその表面に酸化被膜を形成する方法であってもよく、メッキ等の分野において陽極酸化法として一般的に知られている方法を用いることができる。より具体的には、例えば1)一定の直流電圧をかけて電解を行う直流電解法、2)直流成分に交流成分を重畳した電圧をかけることにより電解を行うバイポーラ電解法、等を挙げることができる。陽極酸化法の具体的例示としては、WO2004/055248号公報等に提案の方法等を挙げることができる。
また、酸又はアルカリの水溶液で化学処理する方法としては、例えば金属部材を酸又はアルカリの水溶液に浸せきし金属部材表面を化学処理する方法であってもよく、その際の酸又はアルカリの水溶液としては、例えばリン酸等のリン酸系化合物;クロム酸等のクロム酸系化合物;フッ化水素酸等のフッ化水素酸系化合物;硝酸等の硝酸系化合物;塩酸等の塩酸系化合物;硫酸等の硫酸系化合物;水酸化ナトリウム、アンモニア水溶液などのアルカリ水溶液;水溶性アミン水溶液、ヒドラジン水溶液、トリアジンチオール水溶液、トリアジンチオール誘導体水溶液により化学処理する方法等を挙げることができ、より具体的例示としては、特開平10−096088号公報、特開平10−056263号公報、特開平04−032585号公報、特開平04−032583号公報、特開平02−298284号公報、WO2009/151099号公報、WO2011/104944号公報等に提案の方法、等を挙げることができる。
該物理的処理及び/又は化学処理は、単独で処理しても両者を併用して処理しても良く、例えば、表面に物理的処理を施した後に化学処理を施した金属部材を用いて金属部材−難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材としたものであっても良い。
ここで、表面に物理的処理及び/又は化学処理を施していない未処理の金属部材を用いた場合、該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材との優れた接合力は得られず、一体化を行うことが困難となり、複合体を得ることが困難となる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、表面を物理的処理及び/又は化学処理した金属部材と該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる部材とを一体化した複合体として好適に用いられる。該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などを用いて任意の形状とするとともに、該金属部材と一体化した複合体とすることができ、とりわけ、表面を物理的処理及び/又は化学処理した金属部材を金型内にセットし、該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形し一体化した複合体とする射出インサート成形が好適に用いられる。
本発明の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、薄い肉厚での高い難燃性と成形流動性、金属との良好な接合力に優れる特性をあわせもつことから、部品形状の複雑化や小型化のニーズから部品の薄肉化が望まれている携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電気・電子部品、又は自動車電装部品に好適に用いられる。
本発明は、薄い肉厚での高い難燃性と成形流動性、金属との良好な接合力に優れる難燃性ポリアリーレンスルフィド組成物及び金属部材との複合体を提供するものであり、該難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び複合体は、特に携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電気・電子部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途に有用なものである。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
実施例及び比較例において用いた、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、変性エチレン系共重合体(B)、固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)を以下に示す。
<ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)>
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−1)と記す。):溶融粘度400ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−2)と記す。):溶融粘度450ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−3)と記す。):溶融粘度380ポイズ。
<変性エチレン系共重合体(B)>
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(B−1)(以下、変性エチレン系共重合体(B−1)と記す。):アルケマ(株)製、(商品名)ボンダインTX8030
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(B−2)(以下、変性エチレン系共重合体(B−2)と記す。):アルケマ(株)製、(商品名)ボンダインAX8390
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸−グリシジルエステル共重合体(B−3)(以下、変性エチレン系共重合体(B−3)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファーストE
<固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)>
固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)(以下、エポキシ樹脂(C−1)と記す。); DIC(株)製、(商品名)エピクロン3050;エポキシ当量780、ビスフェノールA型、固体状。
固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C−2)(以下、エポキシ樹脂(C−2)と記す。); 三菱化学(株)製、(商品名)jER1055;エポキシ当量850、ビスフェノールA型、固体状。
<合成例1(PPS(A−1)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、339gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2129g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに2時間重合反応を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを遠心濾過器で固液分離した。ケーキをN−メチル−2−ピロリドン、アセトン及び水で順次洗浄した。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が400ポイズのPPS(A−1)を得た。
<合成例2(PPS(A−2)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、340gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2107g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに2時間重合反応を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は170℃で圧力は4.7kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え205℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)の洗浄を合計2回行った。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が450ポイズのPPS(A−2)を得た。
<合成例3(PPS(A−3)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)1854g、30%苛性ソーダ溶液(30%NaOHaq)48g及びN−メチル−2−ピロリドン3679gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、380gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2140g、N−メチル−2−ピロリドン985gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は170℃で圧力は4.7kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え175℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)の洗浄を合計2回行った。得られたポリフェニレンスルフィドを105℃で一昼夜乾燥した。次いで、乾燥したポリフェニレンスルフィドをバッチ式ロータリーキルン型焼成装置に充填し、窒素雰囲気下で245℃まで昇温し、1時間の保持による硬化処理を行うことによって、溶融粘度が380ポイズのPPS(A−3)を得た。
<調製例1(化学処理したアルミニウム製板の調製)>
縦50mm×横12mm×厚さ1.5mmの短冊形状を有するアルミニウム(A5052)製板をアセトンによる脱脂処理を行った。続いて、1%塩酸水溶液、1%水酸化ナトリウム水溶液、1%塩酸水溶液の順で前処理を行った。次に、5%ヒドラジン一水和物の水溶液に浸漬した後に風乾することで、表面を酸又はアルカリ処理したアルミニウム製板を得た。
<調製例2(陽極酸化処理したアルミニウム製板の調製)>
縦50mm×横12mm×厚さ1.5mmの短冊形状を有するアルミニウム(A5052)製板をアセトンによる脱脂処理を行った後、該試験片を1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10重量%硫酸水溶液に浸漬し、さらに15重量%硫酸水溶液中で電流密度0.5A/cmで陽極酸化することにより、表面を陽極酸化処理したアルミニウム製板を得た。
得られたポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の評価・測定方法を以下に示す。
〜ポリアリーレンスルフィド樹脂の溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、商品名CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
〜合計残炎時間の測定(難燃性の評価)〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE−75S)を用い、長さ127mm×幅12.7mm×厚さ0.75mmの薄肉試験片を作製し、該薄肉試験片5本をJIS C 60695−11−10 :2006 B法 垂直燃焼試験に記載の方法を準拠し、1本毎にバーナーの炎を薄肉試験片に接炎した時の試験片の残炎時間を測定し、5本の合計残炎時間を計算した。
そして、厚さ0.75mmの薄肉試験片における合計残炎時間として45秒以下であるものを実用上十分な難燃性を有すると判断した。
〜成形流動性の測定〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE75)に、深さ1mm、幅10mmの溝がスパイラル状に掘られた金型を装着し、次いで、シリンダー温度を310℃、射出圧力を190MPa、射出速度を最大、射出時間を1.5秒、及び金型温度を135℃に設定した該射出成形機のホッパーにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を投入し、射出した。そして金型内のスパイラル状の溝を溶融流動した長さを成形流動性として測定した。成形流動性として180mmを超えるものを実用上十分な成形流動性を有すると判断した。
〜金属部材との接合強度の測定〜
調製例1、調製例2により得られた表面を化学処理した金属部材を金型内にセットし、シリンダー温度330℃、金型温度150℃に設定した射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE75S)を用いて、インサート成形を行うことにより金属部材及びポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材からなる複合体を作成し、該複合体を試験片とした。該試験片を、測定装置(島津製作所製、(商品名)オートグラフAG−5000B)を用い、引張速度10mm/minで、引張試験を実施した。
金属部材とポリアリーレンスルフィド樹脂組成物部材とがはく離する際の最大荷重を接合面積で除し接合強度として測定した。接合強度として25MPaを超えるものを実用上十分な接合強度を有するものと判断した。
実施例1
合成例1で得られたPPS(A−1)89.0重量%、変性エチレン系共重合体(B−1)5.3重量%及びエポキシ樹脂(C−1)5.7重量%を予め均一に混合し、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、繊維径10μm、繊維長3mmのガラス繊維(日本板ガラス(株)製チョップドストランド:(商品名)RES03−TP91)を該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化した難燃性ポリ(p−フェニレンスルフィド)樹脂組成物(以下、難燃性PPS組成物と記す。)を作製した。得られた難燃性PPS組成物は、PPS(A−1)、変性エチレン系共重合体(B−1)及びエポキシ樹脂(C−1)の合計量100重量部に対して、ガラス繊維75重量部を配合するものであった。得られた難燃性PPS組成物の難燃性、調製例1の金属部材との接合強度、成形流動性を評価した。評価結果を表1に示す。
得られた難燃性PPS組成物は、薄い肉厚部品での実用上十分な難燃性を有し、金属部材との接合強度も良好であった。また、成形流動性も実用上十分なものであった。
実施例2〜4
PPS(A−1、A−2、A−3)、エチレン系共重合体(B−1、B−2、B−3)、エポキシ樹脂(C−1、C−2)を表1に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、一方、実施例1と同様のガラス繊維を、表1に示す構成割合になるように二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法により難燃性PPS組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
得られた全ての難燃性PPS組成物は、薄い肉厚部品での実用上十分な難燃性を有し、金属接合強度も良好であった。また、成形流動性も実用上十分なものであった。
実施例5〜7
PPS(A−1、A−2、A−3)、エチレン系共重合体(B−2)、エポキシ樹脂(C−1、C−2)を表1に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、一方、実施例1と同様のガラス繊維を、表1に示す構成割合になるように、二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法により難燃性PPS組成物を作製した。得られた難燃性PPS組成物の、難燃性、調製例2の金属部材との接合強度、成形流動性を評価した。評価結果を表1に示す。
得られた全ての難燃性PPS組成物は、薄い肉厚部品での実用上十分な難燃性を有し、金属接合強度も良好であった。また、成形流動性も実用上十分なものであった。
実施例8〜10
予め複数種のPPS(A−1、A−2)をヘンシェルミキサーで混合させておき、そのPPSと、エチレン系共重合体(B−1)、エポキシ樹脂(C−1、C−2)を表1に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、一方、実施例1で用いた同じ硝子繊維を、表1に示す構成割合になるように、二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法により難燃性PPS組成物を作製した。得られた難燃性PPS組成物の、難燃性、調製例2の金属板との接合強度、成形流動性を評価した。評価結果を表1に示す。
得られた全てのPPS組成物は、薄い肉厚部品での実用上十分な難燃性を有し、金属接合強度も良好であった。また、成形流動性も実用上十分な値を示した。
Figure 2014065774
比較例1〜5
PPS(A−3)、変性エチレン系共重合体(B−1)、エポキシ樹脂(C−1)を表2に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、一方、実施例1で用いた同じ硝子繊維を、表2に示す構成割合になるように、二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法によりPPS組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
比較例1〜3により得られたPPS組成物は、薄い肉厚部品での難燃性、金属接合強度、成形流動性において実用上十分な性能が得られなかった。比較例4により得られたPPS組成物は、金属接合強度において実用上十分な性能が得られなかった。比較例5により得られたPPS組成物は、薄い肉厚部品での難燃性、成形流動性において実用上十分な性能が得られなかった。
比較例6〜9
PPS(A−1)、エチレン系共重合体(B−2)、エポキシ樹脂(C−1)を表2に示す構成割合で配合して、二軸押出機のホッパーに投入し、一方、実施例1で用いた同じ硝子繊維を、表2に示す構成割合になるように、二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法によりPPS組成物を作製した。得られたPPS組成物の、難燃性、調製例2の金属板との接合強度、成形流動性を評価した。評価結果を表2に示す。
比較例6〜9により得られたPPS組成物は、金属接合強度と成形流動性において実用上十分な性能が得られなかった。
Figure 2014065774
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、薄い肉厚での高い難燃性と成形流動性、金属との良好な接合力に優れるものであり、特に携帯端末機器の筐体やLED照明放熱板等の電気・電子部品用途、又は自動車電装部品等の電気部品用途に用いられる樹脂組成物、金属部材としての複合体として期待されるものである。

Claims (7)

  1. 少なくとも、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜1000ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体及び無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上の変性エチレン系共重合体(B)、エポキシ当量300〜2500の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)を含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の重量分率配合割合(a)、該変性エチレン系共重合体(B)の重量分率配合割合(b)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の重量分率配合割合(c)のそれぞれの関係が下記式1〜3のそれぞれを満足することを特徴とする難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
    ((b)+(c))/((a)+(b)+(c))=0.070〜0.110 (式1)
    (b)/((a)+(b))=0.030〜0.100 (式2)
    (c)/((a)+(c))=0.040〜0.080 (式3)
  2. 該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、該変性エチレン系共重合体(B)及び該固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C)の合計量100重量部に対して、さらに繊維状充填材20〜80重量部を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を長さ127mm×幅12.7mm×厚さ0.75mmの薄肉試験片とし、該薄肉試験片5本をJIS C 60695−11−10 :2006 B法 垂直燃焼試験に記載の方法を準拠し、1本毎にバーナーの炎を薄肉試験片に接炎した時の試験片の残炎時間を測定し、5本の合計残炎時間が45秒以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属部材と請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物よりなる部材とを一体化してなることを特徴とする複合体。
  5. 物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属部材が、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材、銅合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、鉄製部材、チタン製部材、チタン合金製部材及びステンレス製部材からなる群より選択される1種以上の金属部材であることを特徴とする請求項4に記載の複合体。
  6. 物理的処理及び/又は化学処理を施した表面を有する金属部材が、アルミニウム製部材又はアルミニウム合金製部材をヒドラジン水溶液、アンモニア水溶液及び水溶性アミン水溶液から選択される1種以上の水溶液に浸漬する化学処理を施した表面を有する金属部材であることを特徴とする請求項4又は5に記載の複合体。
  7. 射出インサート成形にて一体化された複合体であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の複合体。
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