JP5416712B2 - タービンおよび運転状態でタービンステータ翼を洗浄するための方法 - Google Patents

タービンおよび運転状態でタービンステータ翼を洗浄するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、運転状態でタービンステータ翼を洗浄(クリーニング)するための方法、タービンおよびターボチャージャー(排気タービン過給機)に関する。
産業ディーゼルエンジンは、重い燃料油を含めて種々の燃料を使用する。このような低級燃料は、灰および他の化合物の形成をもたらす多くの不純物を有する。これらのいくつかは、ディーゼルエンジン排気マニホールドからターボチャージャタービンへ輸送され、タービン翼上に厚く硬い堆積物を形成することがある。このような堆積物は、ターボチャージャー効率の低下、タービンの流量の低下、およびエンジン燃焼温度の上昇を引き起こす。この蓄積が抑制されずに増大することが許容されるならば、エンジン出力(パワー)の能力は減少し、高温エンジン部品の損傷が起こることがある。また、損傷は、ターボチャージャー部品にも起こり得る。
その堆積物の蓄積を回避するために、ターボチャージャータービンには、洗浄装置が備えられる。これは、洗浄媒体として、クルミ殻片または米等の固体粒子を使用する。この場合、洗浄メカニズムは、灰状の堆積物上への媒体の衝撃を使用して堆積物を取り除く。このような「乾式洗浄」装置は、効率的であるが、たとえば、クルミ殻片は多くの国で利用できないこともあるので、実際の洗浄媒体は、世界的に管理することは難しい。さらに、米粒のサイズによって、どのくらい多くの米が使用されるか、およびどのくらい長く使用されるかが決まることがある。また、洗浄媒体は、一般的に、タービン翼自体にいくらか損傷を引き起こすので、ターボチャージャー部品は定期的に交換されなければならない。
産業で使用される主な洗浄媒体は水である。これは、一般的に、人員が配置されたすべての場所で利用可能であり、指定することおよび管理することが容易である。水が硬い灰状の堆積物を洗浄するメカニズムは、完全には明確ではないが、それは、化合物のいくつかを溶解させること、水滴の衝撃を与えて灰状の粒子を取り除くことおよび熱衝撃を与えることにより堆積物を割ることの組み合わせとして考察される。
洗浄媒体としての水の使用の方法は、産業で周知である。たとえば、米国特許5,944,483号および米国特許5,938,402号に、ターボチャージャータービンのノズルリングの洗浄のための方法および装置が開示されている。米国特許5,938,402号において、洗浄装置は、排気ガス流に洗浄剤を噴射するための1つのみのノズルを含む。米国特許5,944,483号には、自動的に動く洗浄輪体が作動される方法が記載されている。その洗浄輪体においては、水がノズルリングの上流の領域に短く繰り返し噴射され、ノズルリングを再加熱するための噴射の小休止が噴射動作間に維持される。使用されるガス入口ケーシングの設計により、水がノズルリングのすぐ上流の領域に噴射されることが可能になる。
典型的には、水に噴霧を形成させる1つまたは複数のノズル、通常は3つが使用される。単一のノズルに多種多様なタービン翼を洗浄させるファンを噴霧が形成するように、スプレーノズルが設計される。スプレーノズルは、最も多数のタービン翼が最も少数のノズルにより洗浄されるように、翼の上流に十分に離れて配置されなければならない。これは、水の流量が最小に維持されることを意味する。ターボチャージャータービンへの多量の冷水の噴射は、タービンの出力(パワー)性能を減少させ、それは結果としてターボチャージャーの増強を減少させる。ターボチャージャーは、たぶん失速し、またはエンジン制御システムは、一定のエンジン出力(パワー)を維持しようとして、燃料供給を増加させ、エンジン燃焼温度を上昇させるであろう。
水噴射ノズルは翼の上流に配置されるので、水滴は高温のタービンガス流内で蒸発し、それらの洗浄媒体としての効率は減少される。水滴は、流れが翼に到達することを可能にするよりもむしろ、効率的にタービン翼を打たなければならないことがわかる。
効率的な洗浄を可能にするために、洗浄が行なわれている間、エンジン負荷が減少される。これは、タービン入口ガス流がより冷たく、それは水滴の蒸発を減少させ、タービン入口ガス流がより遅く、それは全エンジン負荷であるよりも広い噴霧ファンを可能にすることを意味する。水の流量および供給圧力、ノズルの位置および洗浄中のエンジン負荷が、効率的な洗浄プロセスを確保するように指定されなければならない。典型的には、20%のエンジン負荷が指定される。
特に、低級燃料を加速的に用いているパワーステーションのために、低負荷での洗浄を回避するために強い経済性の議論がある。全負荷でパワーを発生しない各瞬間が収益の減少の原因となる。これは、必要以上に頻繁に洗浄しないためにオペレータへの圧力の原因となり、結果としてエンジンおよびターボチャージャーの損傷および信頼性の欠如の印象の原因となることがある。したがって、エンジンの動作に妨げとならず高エンジン負荷で行なわれ得る信頼性のあるタービンの洗浄のための方法が必要に迫られている。
したがって、本発明の目的は、運転状態でタービンのタービンステータ翼を洗浄(クリーニング)するための有利な方法を提供することである。第2の目的は、改善されたタービンを提供することである。最後の目的は、改善されたターボチャージャーを提供することである。
第1の目的は、請求項1にクレームされたような運転状態でタービンの複数のタービンステータ翼を洗浄する方法により解決される。第2の目的は、請求項にクレームされたようなタービンにより解決され、第3の目的は、請求項20にクレームされたようなターボチャージャーにより解決される。従属請求項は、発明のさらなる発展を定義している。
複数のノズルによりタービン翼上に噴霧される洗浄(クリーニング)流体によって運転状態のタービンの複数のタービン翼を洗浄するための方法は、タービン翼上に洗浄流体を噴霧するために任意の一時点で一部のみのノズルが使用されるように、洗浄流体がノズルに分配されることを特徴とする。灰状の堆積物が除去されないならば、ステータ翼間の流路が灰状の堆積物により絞られることがあるので、洗浄されるべきタービン翼は、好ましくはタービンステータ翼である。しかしながら、タービンロータ翼もまた洗浄されることができる。タービンロータ翼上にも、灰が存在するがタービンステータ翼上よりも少ない程度である。
本発明に係る方法は、タービンステータ翼の上流に配置された複数のノズルによりタービンステータ翼上に噴霧される洗浄流体によって運転状態のタービンの複数のタービンステータ翼を洗浄するための方法であって、タービンステータ翼上に洗浄流体を噴霧するために任意の一時点で一部のみのノズルが使用されるように、洗浄流体が複数のノズルに分配されることにより、異なる部分のタービンステータ翼が順次洗浄され、洗浄流体は、分配弁によって分配されるものである。全エンジン負荷でのタービン速度が、タービンが清浄な状態にあるときに記録された全エンジン負荷での基準速度を超えて1.5%以上増加したときに洗浄が開始される。
好ましくは、洗浄流体は、任意の一時点で1つのみのノズルが使用されるように分配される。一度に一部のみのノズルまたは1つのみのノズルを用いて洗浄することにより、水の流量は最小に保たれ、洗浄の間のエンジンへの熱力学的影響もまた最小化される。これは、タービン翼の異なる部分またはタービンの異なる部分のタービン翼が連続的に洗浄される洗浄サイクルを導入する可能性を提供する。したがって、任意の時点での洗浄プロセスによるタービンに対するそれぞれの実際の熱力学的負荷は、翼の総数に対する実際に洗浄される翼の分数または翼の全表面に対する翼の実際に洗浄される表面の分数に対応する分数まで減少される。負荷が減少すると、タービンが全負荷で動作している間、洗浄することが可能となる。洗浄が全負荷で行なわれることができるので、すべてのタービン翼を十分に洗浄するための継続期間の起こり得る延長が重大な結果にはならない。
洗浄流体は、例えば、分配弁によって分配されることができる。分配弁は、圧縮空気により駆動されることができる。
洗浄流体は、有利には、指定された時間の間ノズルの各々に順に導かれることができる。ノズルの各々が水分配弁に接続されることができ、それにより他のノズルが水流を有しない間に水が特定のノズルに流下することが可能になる。運転中に、高圧水が水分配弁に供給されてもよく、水が指定された時間の間ノズルの各々に順に管で運ばれることを制御機構が確保してもよい。
好ましくは、洗浄流体として水、特に高圧水が使用されることができる。さらに、流体の洗浄性能を増加させるために、洗浄流体に化学洗浄剤が添加されることができる。
さらに、圧縮空気によって各ノズルが順に洗い流されてもよい。例えば、使用されていないノズルに清浄な高圧空気が供給されて、それらが灰状の堆積物により塞がれないままであることを確保することができる。圧縮空気により各ノズルを順に洗い流すことは、各ノズルを通して圧縮空気が連続的に流れることと比べて、タービンおよびターボチャージャーの効率を増加させる。
タービンの速度および/またはタービンの温度および/または前の洗浄からの経過時間に依存して制御手段により洗浄流体の流れが制御されることができる。特に、制御システムにより制御手段が作動させられることができる。例えば、タービン速度が全エンジン負荷で記録された基準速度を超えて1.5%以上増加したときに洗浄が開始されることができる。さらに、制御手段は、所与の負荷でのターボチャージャーの速度の変化に作用することができる。制御手段は、同様の方法で、エンジン温度に関係付けられることができる。それは、ターボチャージャー速度、エンジン温度、または前の洗浄からの経過時間に関連して、エンジン制御システムにより作動させられることができる。
タービンは、複数のロータ翼、複数のステータ翼および複数のノズルを備える。各ノズルは洗浄流体供給器に接続される。これは、すべてのノズルのための共通の洗浄流体供給器または複数の洗浄流体供給器のいずれかにより実現されてもよく、そこでは、各供給器が複数のノズルのうちのある単一のノズルまたはノズルの細分に供給する。タービンは、任意の一時点で洗浄流体が一部のみのノズルに分配されることができるように構成された少なくとも1つの分配ユニットをさらに備える。
タービンは、任意の一時点で洗浄流体が一部のみのノズルに分配されることができるようにノズルと洗浄流体供給器との間に配置された少なくとも1つの分配弁をさらに備えてもよい。
本発明に係るタービンは、複数のタービンロータ翼、複数のタービンステータ翼、および複数のタービンステータ翼の上流に配置された複数のノズルを備え、各ノズルが洗浄流体供給器に接続されることにより、洗浄流体が複数のノズルによりタービンステータ翼上に噴霧されるタービンであって、任意の一時点で洗浄流体が一部のみのノズルに分配されることができるように構成された少なくとも1つの分配ユニットをさらに備えることにより、異なる部分のタービンステータ翼が順次洗浄されることができ、複数のノズルと洗浄流体供給器との間に配置された分配弁をさらに備え、洗浄流体は分配弁によって分配されるものである。全エンジン負荷でのタービン速度が、タービンが清浄な状態にあるときに記録された全エンジン負荷での基準速度を超えて1.5%以上増加したときに洗浄が開始されるように、分配ユニットを制御するための制御手段に分配ユニットが接続される。
好ましくは、ノズルが上流方向においてタービン翼の近くのケーシング内に配置される。各ノズルは、高エンジン負荷条件下で少数のタービン翼に衝撃を与える噴霧を形成するように設計されることができる。ノズルは、高負荷条件下で滴が蒸発しないように翼に近い距離に配置されるべきであり、噴霧ファンが標準の設計よりも狭いので、多数のノズルがあり、依然として全体としてタービン翼の各々は水滴により衝撃を受けなければならない。
好ましくは、ノズルの各々が別個の分配弁に接続される。分配弁が圧縮空気により駆動されることができる。
ノズルの数とロータ翼の数との比および/またはノズルの数とステータ翼の数との比が1:1と1:6との間であってもよい。有利には、ノズルの数とロータ翼の数との比および/またはノズルの数とステータ翼の数との比が1:2と1:4との間である。好ましくは、ノズルの数とロータ翼の数との比および/またはノズルの数とステータ翼の数との比が1:2である。例えば、タービンは、24個のタービン翼を有するタービン列を備えてもよい。この場合、タービンは、例えば、8個と、有利には12個との間のノズルを備えてもよい。
洗浄流体が水、好ましくは高圧水であってもよい。有利には、タービン翼の洗浄を促進するために、洗浄流体が化学洗浄剤を含む。
ノズルが圧縮空気供給器に接続されることができる。洗浄システムが使用されていない間、圧縮空気が水と同じ方法で使用されることができる。例えば、圧縮空気は、各ノズルを通して連続的に流れるよりも、各ノズルを順に洗い流してもよい。これは、ターボチャージャー効率を増加させる。
分配ユニットは、タービンの速度および/またはタービンの温度および/または前の洗浄からの経過時間に依存してそれを制御するための制御手段に接続されてもよい。タービンは、繰り返す洗浄サイクルを行うように、洗浄流体が指定された時間の間ノズルの各々に順に導かれることを確保する制御手段をさらに備えることができる。制御手段は、その制御手段を作動させるための制御システムに接続されることができる。
タービンは、複数のステータ翼および複数のロータ翼を備えてもよい。洗浄されることが望まれる灰状の堆積物は、主としてステータ翼上に見出される。ステータ翼のいくつかの間の流路は、完全に塞がれることがある。汚れの程度は、通常非常に少ないが、ロータ翼もまた、同じ堆積物により詰まらせられることになり得る。本発明は、好ましくは、ステータ翼を洗浄するために使用されることができる。
発明のターボチャージャーは、前述したような発明のタービンを備える。ターボチャージャーは、軸流タービンまたは半径流タービンを備えてもよい。ターボチャージャータービンは、特に、少なくとも1列の静止翼および少なくとも1列の回転翼を備えることができる。
発明は、タービンおよびターボチャージャータービン、特にタービンのステータ翼が全負荷で洗浄されることを可能にし、洗浄プロセスはエンジン運転にほとんどまたは全く影響を与えない。これは、任意の一時点で一部のみのノズルまたは1つのみのノズルが使用されることを確実にする分配ユニットを用いることにより達成される。その結果は、洗浄ノズルの数の増加にもかかわらず、洗浄流体、例えば低い流量の水が使用されることである。さらに、タービン翼は効率的に洗浄され、これは全エンジン負荷条件で行なわれることができる。エンジンオペレータがより多くの出力(パワー)を売ることができ、エンジンおよびターボチャージャーがより信頼できるので、水洗浄システムの増加したコスト、すなわち余分なノズル、余分な配管、分配弁、および制御システムは、経済的に採算がとれる。
本発明のさらなる特徴、特性、および利点は、添付図面に関連して実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。
ターボチャージャーを模式的に示す断面図 発明のタービンの一部を模式的に示す断面図 水供給器および圧縮空気供給器にノズルを接続する方法に関する可能性を模式的に示す図
本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1は、ターボチャージャーを断面図で模式的に示す。ターボチャージャーは、タービン11および圧縮機10を備える。タービン11および圧縮機10は、シャフト20により接続されている。
タービン11は、タービンケーシング3の内側に配置されるロータ4を含む。タービンケーシング3は、ロータ4に至る排気入口5を有し、排気入口5に入る排気がロータ4を作動させる。さらに、タービンケーシング3は、排気出口6を有し、その排気出口6を通してロータ4から来る排気がタービンケーシング3を出る。矢印18は、排気入口5を通してタービンケーシング3に入り、ロータ4を作動させ、排気出口6を通してタービンケーシング3を出る排気流を示す。
圧縮機10は、圧縮機ケーシング1の内側に配置された羽根車12を含む。さらに、圧縮機10は、空気を羽根車12に導く空気入口7と、羽根車12から来る空気が圧縮機ケーシング1を出る空気出口8とを有する。矢印19は、空気入口7を通して圧縮機ケーシング1に入り、羽根車12により圧縮され、空気出口8を通して圧縮機ケーシング1を出る空気流を示す。
羽根車12は、ハブ2および羽根(ベーン)9を有する。ハブ2は、シャフト20に連結される。さらに、ハブ2は、一般的に円錐形状であり、円周方向に間隔があけられた複数の弓形の羽根9がその周囲に形成される。
複数のタービンロータ翼13および複数のタービンステータ翼28を備えるタービン11のロータ4は、シャフト20に接続され、作動するロータ4がシャフト20を作動させる。シャフト20は、さらに圧縮機10の内側の羽根車12に接続される。したがって、ロータ4は、シャフト20によって羽根車12を作動させる。ロータ4の回転軸は、参照番号17により示される。
タービン11の運転時に、排気入口5に入る排気流18がロータ4を作動させ、排気出口6を通してタービンを出る。矢印18は、排気流の方向を示す。その間、ロータ4により駆動された圧縮機10内の羽根車12は、自動的に新鮮な空気を空気入口7に吸引し、それを予め圧縮された新鮮な空気に圧縮し、それは空気出口8に入る。それから、圧縮空気は、例えばディーゼルエンジン等の往復エンジン(レシプロエンジン)に使用される。矢印19は、空気流方向を示す。
図2は、発明のタービン11の一部を断面図で模式的に示す。図1および図2には、排気流18が回転軸17に関して半径方向にタービンに入る半径流タービンが示される。半径流タービンの代わりに、排気流が回転軸に関して軸方向に入る軸流タービンを用いることもできる。軸流タービンの構成に関して、軸流タービンの例が記載される米国特許第5,944,483号が参照される。
図2に示される発明のタービン11は、タービンケーシング3の内側に配置されかつ排気入口5に突出する複数のノズル14を備える。排気入口5内に突出する代わりに、ノズル14が排気入口5の内面と面一であることができる。ノズル14は、上流方向においてタービンステータ翼28の近くに配置される。各ノズル14は、本実施の形態において分配弁15である分配ユニットを経由して流路16に接続される。しかしながら、ノズル14の各々は、それぞれ別個の分配弁15に接続されることもできる。あるいは、2つ以上のノズル14が同じ分配弁15に接続されることができる。任意の一時点で1つのみのノズル14または一部のみのノズル14により、高負荷条件でタービン翼13,28を洗浄することが可能になる。分配弁15は、例えば、圧縮空気により駆動される。
洗浄流体は、流路16を通してノズル14に導かれ、そこで排気入口に噴霧される。洗浄流体は、排気流18の方向または排気流18の方向に垂直な方向に排気入口5に噴霧されることができる。排気入口5内に噴霧された洗浄流体は、主としてタービンステータ翼28に当たるが、タービンロータ翼13にも当たり、翼13,28、特にステータ翼28を洗浄する。
洗浄流体は、例えば、本実施の形態のように、水21であり、任意の他の適当な洗浄液であることができる。特に、高圧水が洗浄流体として使用できる。さらに、化学洗浄剤がタービン翼13の洗浄を促進するために洗浄流体に添加されることができる。
一般的に、ノズル14の数とロータ翼13の数との比および/またはノズル14の数とステータ翼28の数との比は、1:1と1:6との間であってもよく、好ましくは、1:2である。本実施の形態では、タービン11は、24個のタービンステータ翼28および12個のノズル14を有するタービン列を備える。
図3は、水供給器24および圧縮空気供給器25への複数のノズル14の接続の例を模式的に示す。図3は、例示的に3本のノズル14a,14b,14cを示す。各ノズル14a,14b,14cは、圧縮空気供給器25に接続される流路26に接続される。さらに、各ノズル14a,14b,14cは、水供給器24に接続される流路16に接続される。各ノズル14a,14b,14cとそれぞれの流路16,26との間には、分配弁15a,15b,15cが配置される。分配弁15a,15b,15cは、ノズル14a,14b,14cに圧縮空気または水が供給され得るように各々形成される。弁14a,14b,14cの各々は、リード27a,27b,27cにより制御手段23にさらに接続される。
分配弁15a,15b,15cは、タービン11の速度および/またはタービン11の温度および/または前の洗浄からの経過時間に依存して制御手段23により制御されることができる。制御手段23は、例えば、所与の負荷でのターボチャージャーの速度の変化に作用することができる。例えば、ターボチャージャーの速度が全エンジン負荷で記録された基準レベルを超えて1.5%以上増加した場合、洗浄サイクルが開始することができる。
代わりにまたは付加的に、制御手段23は、同様の方法でエンジン温度に関係付けられることができる。さらに、制御手段23は、ターボチャージャー速度、エンジン温度、または前の洗浄からの経過時間に関連付けられて、エンジン制御システムにより作動されることができる。
洗浄(washing)サイクルまたは洗浄(cleaning)サイクルは、第1のノズル14aのみが指定された時間の間排気入口5に水を噴霧するように行なわれることができる。その後、第1のノズル14aの弁15aが閉じられ、第2のノズル14bのみが指定された時間の間排気入口に水を噴霧する。その後、第2のノズル14bの弁15bが閉じられ、第3のノズル14cのみが指定された時間の間排気入口5に水を噴霧する。同時に、2以上のノズル14が水を排気入口5に噴霧することも可能である。2つのノズル14が同時に動作している場合、これらのノズル14が回転軸17に関して互いに反対に配置されるならば有利である。
図3のノズル14a,14b,14cが圧縮空気供給器25にさらに接続される。これは、圧縮空気によって各ノズル14a,14b,14cを順に洗い流すことを見込む。図3において、ノズル14aが水21を排気入口5に噴霧し、ノズル14bが空気22により洗い流され、ノズル14cは動作しない。これは、弁15bが水供給器24に接続される流路16に関して閉じられ、圧縮空気供給器25に接続される流路26に関して開かれる間、弁15cが完全に閉じられることを意味する。同時に、弁15aが圧縮空気供給器25に接続される流路26に関して閉じられ、水供給器24に接続される流路16に関して開かれる。
1つのみのノズル14または一部のみのノズル14が任意の一時点で使用されているように分配弁15が使用される。それにより、技術の状態と比べてノズル14の数の減少にかかわらず、低い流量の水が使用される。さらに、全てのタービン翼13,28が全エンジン負荷条件で効率的に洗浄されることができる。

Claims (19)

  1. タービンステータ翼(28)の上流に配置された複数のノズル(14)によりタービンステータ翼(28)上に噴霧される洗浄流体(21)によって運転状態のタービン(11)の複数のタービンステータ翼(28)を洗浄するための方法であって、
    タービンステータ翼(28)上に洗浄流体(21)を噴霧するために任意の一時点で一部のみのノズル(14)が使用されるように、洗浄流体(21)が複数のノズル(14)に分配されることにより、異なる部分のタービンステータ翼(28)が順次洗浄され、
    洗浄流体(21)は、分配弁(15)によって分配され
    全エンジン負荷でのタービン速度が、タービンが清浄な状態にあるときに記録された全エンジン負荷での基準速度を超えて1.5%以上増加したときに洗浄が開始されることを特徴とする複数のタービンステータ翼(28)を洗浄するための方法。
  2. 分配弁(15)は、圧縮空気により駆動されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 洗浄流体(21)は、指定された時間の間ノズル(14)の各々に順に導かれることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 洗浄流体として水(21)が使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 洗浄流体(21)に化学洗浄剤が添加されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 圧縮空気によって各ノズル(14)が順に洗い流されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. タービンの速度および/またはタービンの温度および/または前の洗浄からの経過時間に依存して制御手段により洗浄流体の流れが制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 複数のタービンロータ翼(13)、複数のタービンステータ翼(28)、および複数のタービンステータ翼(28)の上流に配置された複数のノズル(14)を備え、各ノズル(14)が洗浄流体供給器(24)に接続されることにより、洗浄流体(21)が複数のノズル(14)によりタービンステータ翼(28)上に噴霧されるタービン(11)であって、
    任意の一時点で洗浄流体(21)が一部のみのノズル(14)に分配されることができるように構成された少なくとも1つの分配ユニットをさらに備えることにより、異なる部分のタービンステータ翼(28)が順次洗浄されることができ、
    複数のノズル(14)と洗浄流体供給器(24)との間に配置された分配弁(15)をさらに備え、洗浄流体(21)は分配弁(15)によって分配され
    全エンジン負荷でのタービン速度が、タービンが清浄な状態にあるときに記録された全エンジン負荷での基準速度を超えて1.5%以上増加したときに洗浄が開始されるように、分配ユニットを制御するための制御手段に分配ユニットが接続されることを特徴とするタービン(11)。
  9. 分配弁(15)が圧縮空気により駆動されることを特徴とする請求項記載のタービン(11)。
  10. ノズル(14)の各々が別個の分配弁(15)に接続されたことを特徴とする請求項または記載のタービン(11)。
  11. ノズル(14)が上流方向においてタービンロータ翼(13)およびタービンステータ翼(28)の近くに配置されたことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のタービン(11)。
  12. ノズル(14)の数とタービンロータ翼(13)の数との比および/またはノズル(14)の数とタービンステータ翼(28)の数との比が1:1と1:6との間であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のタービン(11)。
  13. 洗浄流体が水(21)であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のタービン(11)。
  14. 洗浄流体(21)が化学洗浄剤を含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載のタービン(11)。
  15. ノズル(14)が圧縮空気供給器(25)に接続されたことを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載のタービン(11)。
  16. 分配ユニットは、タービンの速度および/またはタービンの温度および/または前の洗浄からの経過時間に依存してそれを制御するための制御手段に接続されることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載のタービン(11)。
  17. 洗浄流体(21)が指定された時間の間ノズル(14)の各々に順に導かれることを確保する制御手段を備えることを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載のタービン(11)。
  18. 制御手段は、その制御手段を作動させるための制御システムに接続されることを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載のタービン(11)。
  19. 請求項8〜18のいずれかに記載のタービン(11)を備えたターボチャージャー。
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