JPH07269372A - ガスタービンの燃料供給装置 - Google Patents

ガスタービンの燃料供給装置

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JPH07269372A
JPH07269372A JP6086594A JP6086594A JPH07269372A JP H07269372 A JPH07269372 A JP H07269372A JP 6086594 A JP6086594 A JP 6086594A JP 6086594 A JP6086594 A JP 6086594A JP H07269372 A JPH07269372 A JP H07269372A
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JP
Japan
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fuel
water
combustor
steam
gas turbine
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JP6086594A
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English (en)
Inventor
Toru Murakami
透 村上
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】燃焼器の燃料ノズルや燃焼器ライナ等に付着し
たスケールを洗い落とす燃料供給装置を提供する。 【構成】圧縮機で圧縮された空気を燃焼器2に導き、前
記燃焼器の燃料ノズル3から噴射する燃料と混合して燃
焼させるようにした燃料供給系統を備えたガスタービン
の燃料供給装置において、前記燃焼器の燃料ノズルの上
流側に蒸気導入系統12を設け、前記ガスタービンの水
洗実施時に前記蒸気導入系統から蒸気を前記燃料供給系
統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すようにしてい
るので、洗浄時に汚れた水洗水が燃料系統内部に入るこ
とがなく、燃料ノズルを詰まらせて燃焼温度の不均一や
失火等の問題をもたらすことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービンの燃料供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、発電設備の高効率化が地球的視野
から要求され、複合サイクル発電設備の中枢機器とし
て、ガスタービンが多く使用されている。また、ガスタ
ービンは迅速な起動・停止に対応できるため、夏場のピ
ーク負荷対策用として単体の発電設備としても多く設置
されるようになっている。
【0003】現在、このようなガスタービンは、天然ガ
スなどのガス燃料を使用するものが多いが、エネルギ源
の多様化の要求もあり、今後はガス燃料だけてなく、石
油系の液体燃料も必要となってくる。従ってガスタービ
ン燃焼器及びその燃料供給系統はガス燃料だけではな
く、液体燃料も使用できる構造や系統が要求される。
【0004】天然ガスなどの比較的清浄な燃料の場合に
は問題は比較的少ないが、燃料によっては燃焼により多
くの硫黄酸化物などを生成し、これらの生成物すなわち
スケールが燃焼器の燃料ノズルに付着したり、その後流
の燃焼器の内面の各部に付着したりする。これによる悪
影響としては以下のようなものがある。
【0005】燃料ノズルに付着したスケールは、燃焼器
における空気と燃料の割合を変化させ、失火の原因とな
る外、ケーシングの周方向に多数の燃焼器を有する形式
のガスタービンでは各燃焼器の出口温度にばらつきが生
じ、タービン排気ガス温度にもばらつきを生じることと
なる。タービン排気ガス温度は、ガスタービンの失火等
を検出するため周方向に多数配置された温度検出器(熱
電対)により監視しており、タービン排気ガス温度のば
らつきが大きくなると失火等の恐れがあるとして警報を
出し、著しい場合は保護のため緊急停止する。従って、
燃料ノズルに付着したスケールは失火に至らなくても、
ガスタービンの安定した運用に支障を来す結果となる。
【0006】また、燃焼器各部に付着したスケールは、
ある程度溜まった段階で剥離等を生じると、燃焼器の下
流側に位置するタービン通路部の特に第1段付近の動翼
や静翼に損傷を与えることとなる。タービンの第1段付
近の静翼や動翼は非常な高温の条件下で使用され、翼の
場合はさらに高い遠心力で使用されるため、精密な冷却
構造等を有しており、ここに剥離したスケールが当たる
と重大な損傷に至る可能性がある。静翼や動翼は直接ス
ケールにより損傷を受ける可能性がある外、冷却構造が
損傷を受けるだけでも温度が上がり損傷に至る可能性が
ある。損傷により破片が生じると、その後流に位置する
動翼や静翼にも損傷を与え重大な事故に至る可能性があ
る。
【0007】さらに、燃料ノズルだけでなく燃焼器に付
着したスケールは、燃焼方法や燃焼器構造等でその付着
を防止することは、現状では困難である。従って、付着
したスケールを除去する方法を考えなければならない。
しかし、燃焼器を分解して洗浄するのは多大な労力を要
し、その間ガスタービンを停止しなければならず、ガス
タービンの稼働率を下げ、電力供給能力を下げることに
なる。そこで、ガスタービンを分解せずに付着したスケ
ールを除去する技術の開発が望まれている。
【0008】このようなスケール付着除去方法として、
圧縮機の水洗を利用してスケールを除去する方法が考え
られる。圧縮機の水洗は、ガスタービンを起動装置等で
回転させ空気吸込み部から水、温水を噴射して圧縮機の
空気通路部を洗浄するのが一般的である。その水には洗
浄剤を含ませる場合もある。圧縮機水洗の最大の目的は
空気とともに水洗水を吸込み、大気中の汚れが付き易い
圧縮機の汚れを水洗水により除去することである。圧縮
機は汚れによりその圧縮性能や吸込み空気量の低下が生
じ、これはガスタービンの性能低下や最大出力の低下に
直結するからである。従って、発電用ガスタービンには
ほとんどこの水洗を行うための機能が設けられている。
【0009】次に、従来のガスタービンの水洗を図6を
参照して説明する。この図6はガスタービンの水洗方法
を説明するものであるため燃焼器部分は簡略化して記載
しているが、周知のとおり燃焼ガスの窒素酸化物の低減
を図るため燃料ノズルは多数配備し稀薄な燃焼を図った
り、あるいは燃焼温度を下げるために蒸気噴射を行った
りしてる。これらの燃焼方法は燃焼器および燃焼制御の
重要な技術であるが、本発明が対象とするものではない
ため、ここでは詳細には記述しない。要は燃焼器内には
燃料ノズルが一個または多数配備されていることを示し
ている。
【0010】さて、圧縮機1では吸い込み空気5aが圧
縮されて圧縮空気5bとなり、この圧縮空気5bは燃焼
器2に流入し、燃料ノズル3から噴射する燃料6と混合
して燃焼される。高温かつ高圧力の燃焼ガスはタービン
4で膨張して仕事を成し、これが発電等の軸動力として
利用された後、排気ガス7として排出される。8はこれ
らを包括する車室であり、通常はいくつかに分割されて
製作され、また場合によっては二重構造を採用する場合
もある。
【0011】水洗用の水または温水(洗浄剤が含まれる
場合もある)は、車室吸込み部分に設置された水洗水噴
射ノズル9から噴射される。水洗を行う場合には、ガス
タービンを回転させながらこのノズルから水(または温
水等)を噴射する。噴射された水は圧縮機1に空気5a
とともに吸い込まれ、圧縮機1の空気通路部を洗浄しな
がら燃焼器2に達する。水は車室8の燃焼器部分および
排気部等に設けられたドレン抜き系統10から排出され
る。
【0012】このような水洗において、水洗水は燃焼器
2にも達し、燃料ノズル3や燃焼器2内部に付着したス
ケールを洗い落す効果を持つが、多量の水を吸い込む水
洗時には、回転部等のエロージョンなどが生じないよう
に低い回転数において行うのが通常であり、吸い込み空
気量流量も小さくまた圧力や流速も低いため、このよう
なスケールを洗い落とすほどの効果は持っていない。ま
た、水洗水は燃焼器2に到達するまでにドレン抜きから
抜けたり、重力の影響で下側に片寄ったりして燃焼器2
のスケールを落とすにはこれだけでは効果が十分ではな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のスケールの水洗方法では、問題となる燃焼器の燃料ノ
ズルや燃焼器内面に付着したスケールを取り去るには十
分な効果がなく、新しい水洗方法の開発が望まれてい
た。また、従来の水洗方法では圧縮機の汚れを落とした
水洗水が燃焼器の燃料ノズルから燃料供給系統に入り込
み、極端な場合には汚れにより燃料ノズルを詰まらせた
りして、これが各燃焼器の燃料配分の不均衡を招き排気
温度のばらつきを拡大したりするので、最悪の場合には
失火の原因になる場合もあった。
【0014】また、水が燃料供給系統に入り込むと、燃
料ノズルを詰まらさないとしても、入り込んだ水が乾か
ない状態にて起動すると、起動時に燃料系統を生かした
ときに燃料と共に水が燃料ノズルから吹き出るため、同
じように燃焼温度の不均一を招き、排気温度のばらつき
を拡大したり失火の原因となる場合があった。さらに、
この水洗水は圧縮機に付着した大気汚染物質等を含む汚
れた水のため燃料配管内部に滞留すると、燃料配管を腐
食する可能性があった。万一、燃料配管が腐食によって
破れたりすると、燃料を生かしたときには燃料がその部
分から漏れて、最悪の場合にはこれに引火し爆発事故が
発生する可能性があった。
【0015】しかしながら、従来のガスタービンの水洗
方法は、その性能や出力の低下を防止するため圧縮機の
汚れを取る重要な操作でありながら、燃焼器のノズルや
ライナに付着したスケールを取り去るには十分な効果が
なく、また燃料供給系統に水が入った場合にはやはりガ
スタービンにとっては大きな問題となる排気温度のばら
つきや、失火の可能性が増大し、燃料配管の腐食および
燃料漏洩による爆発等の事故が発生する恐れがあった。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、水洗効果を最大限に発揮させ、燃焼器
の燃料ノズルや燃焼器ライナ等に付着したスケールを洗
い落とす燃料供給装置を提供することである。また他の
目的は、水洗時に水洗水が燃料供給系統に入り込み燃料
ノズルを詰まらせたり、燃料系統内に汚れた水が残留し
燃料配管を腐食したりすることを防止する燃料供給装置
を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、圧縮機で圧縮された空気を燃
焼器に導き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料
と混合して燃焼させるようにした燃料供給系統を備えた
ガスタービンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃
料ノズルの上流側に蒸気導入系統を設け、前記ガスター
ビンの水洗実施時に前記蒸気導入系統から蒸気を前記燃
料供給系統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すよう
にしたことを特徴とする。
【0018】請求項2は、圧縮機で圧縮された空気を燃
焼器に導き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料
と混合して燃焼させるようにした燃料供給系統を備えた
ガスタービンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃
料ノズルの上流側に水導入系統を設け、前記ガスタービ
ンの水洗実施時に前記水導入系統から水を前記燃料供給
系統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すようにした
ことを特徴とする。
【0019】請求項3は、圧縮機で圧縮された空気を燃
焼器に導き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料
と混合して燃焼させるようにした燃料供給系統を備えた
ガスタービンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃
料ノズルの上流側に空気導入系統を設け、前記ガスター
ビンの水洗実施時に前記空気導入系統から空気を前記燃
料供給系統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すよう
にしたことを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の燃料供給装置によると、燃焼器の燃料
ノズルや燃焼器ライナ等に付着したスケールを洗い落と
すことができる。この場合、洗浄用として蒸気を用いる
と、燃料ノズルから蒸気を噴射するので、汚れた水洗水
が燃料系統内部に入ることがないため、燃料ノズルを詰
まらせて燃焼温度の不均一や失火等の問題をもたらすこ
ともなく、燃料系統内に水が滞留してもドレン抜き系統
によって簡単に抜くことができる。
【0021】また、洗浄用として水を用いると、水洗時
に水洗水が燃料供給系統に入り込み燃料ノズルを詰まら
せて燃焼温度の不均一や失火等の問題をもたらすことも
なく、燃料系統内に汚れた水が残留し燃料配管を腐食し
たりすることを防止することができ、燃料系統内に水が
滞留してもドレン抜き系統によって簡単に抜くことがで
きる。
【0022】さらに、洗浄用として空気を用いると、水
や蒸気に比較するとスケールを落とすという点では劣る
が、容易に得られる空気を使用する点と燃料系統に水や
蒸気を入れないという点では優位性を持ち、燃焼温度の
不均一や失火等の問題はなくなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は本発明の一実施例(請求項1対応)の構成図
であり、同図はガス燃料あるいは液体燃料をガスタービ
ンの燃焼器2の燃料ノズル3まで導く燃料供給系統が示
されている。燃料ガス母管や燃料タンクから導かれた燃
料は、燃料流量を調整する各種の燃料調整弁11を経由
し、燃料ノズル3に導かれる。蒸気導入系統12が燃料
ノズル3の上流側に接続している。ガスタービンの水洗
を実施するときには、蒸気導入系統12の弁13を開
く。水洗の時はガスタービンは起動装置等により回転さ
れており、燃料を導入していないため燃料調節弁11は
閉じていることとなる。従って、蒸気導入系統12の弁
13を開くと燃料ノズル3から蒸気14が吹き出る状態
となる。この蒸気14は燃料ノズル3に付着したスケー
ルを洗い落とすと同時に、燃焼器2の内部に吹き出しこ
の部分についたスケールも洗い落とす。水洗実施の時は
車室吸い込み部分から噴射された水洗水が圧縮機の汚れ
を落とした後、燃焼器部分にその一部が流入するが、燃
料ノズル3からは蒸気を噴射しているため、圧縮機の汚
れの混じった水洗水が燃料ノズル3から燃料供給系統内
に入ることはない。この蒸気噴射は燃料ノズルや燃焼器
の汚れを落とすだけではなく、汚れた水洗水が燃料ノズ
ルから入り燃料ノズルを詰まらせたり、燃料配管を腐食
する事を防止する役目も果たすわけである。水洗が終わ
った段階で蒸気噴射も停止するが蒸気は当然燃料供給系
統内部で水となるため、燃料系統にはドレン排出系統1
5を備えている。水洗が終わった段階でドレン排出系統
15のドレン弁16を開き、燃料供給系統に滞留した水
(導入蒸気が水となったもの)を排出する。
【0024】蒸気導入系統は、一般に複合発電プラント
においては蒸気タービンを持つため蒸気タービンで使用
される蒸気系統の一部から蒸気を導入する。複合発電プ
ラントでは、1軸に蒸気タービンやガスタービン発電機
が連なったものが数台組になって運用されている形式が
多いが、この場合には、蒸気は動いている軸の蒸気系統
から導入すればよい。また複合発電プラントにおいて
は、多数のガスタービンと発電機の軸と一台の蒸気ター
ビンが組になって運用されている場合には、一部のガス
タービンを停止しても蒸気タービンは運用できるため、
一部のガスタービンを停止し運用している蒸気タービン
から蒸気を導入し水洗を行うこととなる。
【0025】蒸気源がない場所でガスタービンを使用し
ている場合には、蒸気導入系統以外に水導入系統あるい
は空気導入系統を利用する事となる。この蒸気を使用す
る方法は蒸気源が豊富にある複合発電プラントで最も簡
単でかつ効果的であるが、蒸気源はどこから持ってくる
かを限定しているものではないので、他の部分や機械か
ら蒸気を持ってきてもよい。
【0026】以上説明したように、本実施例は、蒸気を
利用しているが、その蒸気源としては一般に複合発電プ
ラントの蒸気タービンに使用される蒸気を用いる。蒸気
タービンに用いられる蒸気は一般に純水にヒドラジンな
どの防錆効果を持つ薬品を加えて処理した機械部品にと
って極めて良好な性状を持っており、燃料ノズルや燃焼
器その他にとっても、全く問題のないものである。
【0027】したがって、蒸気を燃料ノズルから吹き出
すことは、燃焼器以降の機械部品にとっても問題ないだ
けでなく、防錆効果の点などから好ましいものである。
さらに蒸気は水を上回る洗浄効果があるだけでなく温水
に比較しても同等以上の清浄効果を発揮するため、蒸気
による洗浄は非常に好ましいといえる。つまり燃料ノズ
ルについたスケールや燃焼器内部についたスケールを落
とすのに効果的であるだけでなく、防錆効果の点などか
らも好ましい。
【0028】また、燃料ノズルから蒸気を噴射すると、
汚れた水洗水が燃料系統内部に入ることがないため、燃
料ノズルを詰まらせて燃焼温度の不均一や失火等の問題
をもたらすこともない。さらに、燃料系統内に圧縮機に
付着した大気汚染物質を含んだ水洗水が流入すれば燃料
系統配管に腐食や発錆をもたらす可能性があるが、蒸気
の噴射によって水洗水が燃料系統内に入ることがないの
で、このような問題は生じない。ただ、この場合は蒸気
を燃料系統内に入れるので、蒸気を止めた後水がたまる
可能性があるが、これはドレン抜き系統によって簡単に
抜くことができるので全く問題がない。
【0029】図2は本発明の他の実施例(請求項2対
応)の構成図であり、本実施例が図1の実施例と異なる
点は、図1の蒸気導入系統の代りに水導入系統を用いた
点である。
【0030】次に、本実施例の作用について説明する。
ガスタービンの水洗を実施するときには、水導入系統1
7の弁18を開く。水洗の時はガスタービンは起動装置
等により回転されており、燃料を導入していないため燃
料調節弁11は閉じている。従って、水導入系統17の
弁18を開くと、燃料ノズル3から水19が吹き出る状
態となる。この水19は燃料ノズル3に付着したスケー
ルを洗い落すと同時に、燃焼器2の内部に吹き出しこの
部分についたスケールも洗い落す。水洗実施の時は、車
室吸い込み部分から噴射された水洗水が圧縮機の汚れを
落とした後燃焼器部分にその一部が流入するが、燃料ノ
ズルからは水を噴射しているため、圧縮機の汚れの混じ
った水洗水が燃料ノズルから燃料供給系統内に入ること
がない。この水噴射は燃料ノズルや燃焼器の汚れを落と
すだけではなく、汚れた水洗水が燃料ノズルから入り燃
料ノズルを詰まらせたり、燃料配管を腐食する事を防止
する役目も果たす。水洗が終わった段階で弁18も閉じ
るが、燃料供給系統内に残留する水を排出する必要があ
るため、燃料系統にはドレン排出系統15を備えてい
る。水洗が終わった段階でこのドレン弁16を開き、燃
料供給系統に滞留した水を排出する。水導入系統17は
圧縮機水洗に用いられる水を利用するのが通常である。
【0031】本実施例では、燃料系統内部に水を導入
し、これを燃料ノズルから吹き出させるものであるが、
その水は圧縮機水洗に用られる水を利用するのが通常で
ある。ガスタービンを用いるプラントのほとんどがこの
水洗系統を有しており、この水洗水は良く処理された水
や温水あるいはそれに適切な洗浄剤を加えたものであ
る。当然これはガスタービン部品にとって良好な性状を
持っており、燃料ノズルや燃焼器その他にとっても、全
く問題のないものである。この燃料ノズルから噴射する
水は、燃料ノズルについてスケールや燃焼器内部につい
たスケールを落とすのに効果的であるだけでなく、ガス
タービン部品にとって何等問題なく、かつほとんどのガ
スタービンが持っている水洗水を利用すれば、容易にそ
れを導入できる、という利点を有する。
【0032】また、図1の実施例と同様に燃料ノズルか
ら清浄な水を噴射しておけば、車室吸い込み部分から噴
射され圧縮機の汚れを落とした汚れた水洗水は、燃料系
統内部に入ることがないため、燃料ノズルを詰まらせて
燃焼温度の不均一や失火等の問題をもたらすこともな
い。また燃料系統内に圧縮機に付着した大気汚染物質を
含んだ水洗水が流入すると、燃料系統配管に腐食や発錆
をもたらす可能性があるが、清浄な水の噴射によって水
洗水が燃料系統内に入ることがないので、このような問
題は生じない。ただしこの場合は水を燃料系統内に入れ
るので、これを止めても水が滞留する可能性があるが、
これはドレン抜き系統によって簡単に抜くことができる
ので全く問題がない。
【0033】図3は本発明のさらに他の実施例(請求項
3対応)の構成図であり、本実施例が図1の実施例と異
なる点は、蒸気導入系統及びドレン排出系統の代わりに
空気導入系統を設けた点にある。
【0034】次に、本実施例の作用について説明する。
ガスタービンの水洗を実施するときには、空気導入系統
20の弁21を開く。水洗の時はガスタービンは起動装
置等により回転されており、燃料を導入していないため
燃料調節弁11は閉じている。従って空気導入系統20
の弁21を開くと燃料ノズル3から空気22が吹き出る
状態となる。
【0035】この空気は燃料ノズル3に付着したスケー
ルを吹き飛ばす。燃焼器2の内部に吹き出した空気は、
車室吸い込み部分から噴射された空気の一部は燃焼器内
にまで至るためこの部分についたスケールも洗い落す。
水洗実施の時は車室吸い込み部分から噴射された水洗水
は圧縮機の汚れを落した後、燃焼器部分にその一部が流
入するわけであるが、燃料ノズルからは空気を噴射して
いるため、圧縮機の汚れの混じった水洗水が燃料ノズル
から燃料供給系統内に入ることがない。
【0036】この空気噴射は燃料ノズルや燃焼器の汚れ
を落すだけではなく、汚れた水洗水が燃料ノズルから入
り燃料ノズルを詰まらせたりする事を防止する役目も果
たす。水洗が終わった段階で弁21も閉じる。
【0037】なお、上記実施例では燃料供給系統内に残
留する水を排出する必要があるため、燃料系統にはドレ
ン排出系統を持っているが、本実施例では燃料系統内に
空気を入れるため特別な場合を除いては、このようなド
レン系統は必要ない。また、空気導入系統に導く空気
は、一般の発電プラントでは制御用の各種機器の作動用
等として圧縮空気源を持っているため、これを利用して
もよいし、ファンの吐出から導入してもよい。
【0038】本実施例では、燃料系統内部に空気を導入
しており、フィルタを用いることで簡単に清浄な空気を
得られる。これを蒸気や水の処理に比較すると、その処
理が簡単で化学的な処理等はほとんど必要ない。蒸気や
水の場合にはその性状が機械部品に悪さをしないように
配慮する必要があるが、空気の場合にはかかる配慮を特
にしなくてもよいという利点がある。
【0039】上述したように、本実施例によると、燃料
ノズルから空気を噴射しておけば、車室吸い込み部分か
ら噴射され圧縮機の汚れを落とした汚れた水洗水は燃料
系統内部に入ることがないため燃料ノズルを詰まらせて
燃焼温度の不均一や失火等の問題をもたらすこともな
い。また燃料系統内に圧縮機に付着した大気汚染物質を
含んだ水洗水が流入すれば、燃料系統配管に腐食や発錆
をもたらす可能性があるが、空気の噴射によって水洗水
が燃料系統内に入ることがないので、このような問題は
生じない。さらに上記実施例では、水や蒸気を燃料系統
内に入れるので、燃料系統内に水が滞留する可能性があ
る。これはドレン抜き系統によって簡単に抜くことがで
きるが、万一、このドレン抜きに抜き忘れや構造上抜け
きらないような場合があり、このまま起動すると燃焼温
度の不均一や失火に至る可能性があるが、本実施例では
空気を入れるのでこのような可能性がほとんどなくな
る。これはガスタービンにとって非常に重要な利点であ
る。水や蒸気に比較すれば空気はスケールを落とすとい
う目的に限ればかなり劣るが、容易に得られる空気を使
用する点と燃料系統に水や蒸気を入れないという点では
優位性を持つ。
【0040】(他の実施例)上記各実施例は、燃料系統
が1つの場合を示した。しかしながら最近の燃焼器では
これを多数の系統をなして、より燃焼ガスの窒素酸化物
等の量を減らすようになっている。いずれにせよ、すべ
ての蒸気あるいは水あるいは空気の導入系統が燃料系統
に接続する点は燃料ノズルの上流の任意の点でよく、燃
料系統が多数ある場合には図4のように、その各々に導
入系統23を接続する。また、図5のように多数の系統
がその上流側で合流している点に導入系統23を接続し
ても全く同じである。このような意味で導入系統がどの
ような経路でどのような数であっても燃料ノズルの上流
側に接続しているならば、上記各実施例と同様な効果が
得られる。
【0041】さらに、本発明は今後多くなると思われる
液体燃料で重質油などのスケールの発生し易いものにつ
いても、その使用が可能である。ガスタービンを利用し
た複合発電は化石燃料を使用するもののうちで、最高の
効率レベルを誇っており、このような燃料も高効率で利
用可能となることは、エネルギ源の多様化に寄与するだ
けでなく、従来は効率の低いボイラと蒸気タービンによ
る発電設備でしか利用できなかった燃料を高効率で利用
できることになり、炭酸ガスの発生量を減らし地球環境
に寄与できる。
【0042】また、本発明は従来のスケールの発生しに
くいクリーンな燃料(たとえばLNGのガス等)を使用
するガスタービンに適用しても同様の効果を発揮するこ
とができる。それは水洗時に車室吸い込み部から噴射し
た水洗水は圧縮機の汚れを落して燃焼器に達するが、本
発明により燃料ノズルから蒸気、水、空気を流しておけ
ば、燃料ノズルが詰まったり、燃料系統内に汚れた水が
入って燃料配管を腐食し、最悪の場合は燃料漏れを起こ
し最悪の場合はこれに引火爆発したり、あるいは水が溜
まってそれにより起動中に燃焼器出口温度の不均一を生
じたり、失火を生じたりする事がなくなる。これにより
安定した運転を維持できることとなる。
【0043】さらにまた、ガスタービンが複合発電設備
の中枢機器として、あるいはピーク負荷に対応し迅速に
起動できる発電設備として使用されているので、より安
定した運用を確保できるようになる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
燃焼器の燃料ノズルや燃焼器ライナ等に付着したスケー
ルを洗い落とすことができる。この場合、洗浄用として
蒸気を用いると、洗浄時に汚れた水洗水が燃料系統内部
に入ることがなく、燃料ノズルを詰まらせて燃焼温度の
不均一や失火等の問題をもたらすこともなく、また燃料
系統内に水が滞留してもドレン抜き系統によって簡単に
抜くことができる。
【0045】また、洗浄用として水を用いると、水洗時
に水洗水が燃料供給系統に入り込み燃料ノズルを詰まら
せて燃焼温度の不均一や失火等の問題をもたらすことも
なく、燃料系統内に汚れた水が残留し燃料配管を腐食し
たりすることを防止することができ、燃料系統内に水が
滞留してもドレン抜き系統によって簡単に抜くことがで
きる。
【0046】さらに、洗浄用として空気を用いると、水
や蒸気に比較するとスケールを落す点では劣るが、空気
は容易に得られ、かつ燃料系統に水や蒸気を入れないと
いう点では優位性を持ち、燃焼温度の不均一や失火等の
問題はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】本発明は他の実施例の構成図。
【図3】本発明のさらに他の実施例の構成図。
【図4】本発明の別な実施例の構成図。
【図5】本発明のさらに別の実施例の構成図。
【図6】従来のガスタービンの断面図。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…燃料ノズル、4…タービ
ン、5a,5b…空気、6…燃料、7…排気ガス、8…
車室、9…噴射ノズル、10…ドレン抜き系統、11…
燃料調整弁、12…蒸気導入系統、13,18,21…
弁、14…蒸気、15…ドレン排出系統、16…ドレン
弁、17…水導入系統、19…水、20…空気導入系
統、22…空気、23…導入系統。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機で圧縮された空気を燃焼器に導
    き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料と混合し
    て燃焼させるようにした燃料供給系統を備えたガスター
    ビンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃料ノズル
    の上流側に蒸気導入系統を設け、前記ガスタービンの水
    洗実施時に前記蒸気導入系統から蒸気を前記燃料供給系
    統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すようにしたこ
    とを特徴とする燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機で圧縮された空気を燃焼器に導
    き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料と混合し
    て燃焼させるようにした燃料供給系統を備えたガスター
    ビンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃料ノズル
    の上流側に水導入系統を設け、前記ガスタービンの水洗
    実施時に前記水導入系統から水を前記燃料供給系統に導
    入して前記燃料ノズルから吹き出すようにしたことを特
    徴とする燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 圧縮機で圧縮された空気を燃焼器に導
    き、前記燃焼器の燃料ノズルから噴射する燃料と混合し
    て燃焼させるようにした燃料供給系統を備えたガスター
    ビンの燃料供給装置において、前記燃焼器の燃料ノズル
    の上流側に空気導入系統を設け、前記ガスタービンの水
    洗実施時に前記空気導入系統から空気を前記燃料供給系
    統に導入して前記燃料ノズルから吹き出すようにしたこ
    とを特徴とする燃料供給装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516970A (ja) * 2009-02-06 2012-07-26 シーメンス アクティエンゲゼルシャフト ガスタービンの燃料システムの領域を洗浄するための方法
CN103267284A (zh) * 2013-05-29 2013-08-28 江苏中烟工业有限责任公司徐州卷烟厂 一种喷油枪自动清洗装置

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