JP5411307B2 - 熱式流量センサ - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1の熱式流量センサ100では、ガスケット102の嵌合部にセンサチップ111を装着した後に、ガスケット102がセンサチップ111から位置ずれする問題があった。その理由は、ガスケット102のセンサチップ111に対する装着力が弱いことにある。ガスケット102の位置がずれることにより、センサチップ111へと流れる流量が変化し検出流量への影響を妨げることがあるため問題となる。
また、ガスケット102の装着力が弱いことにより、熱式流量センサ100の組立性が悪くなる問題があった。具体的には、ガスケット102の嵌合部にセンサチップ111を嵌合した後に、センサチップを熱式流量センサ100に装着する場合に、ガスケット102の装着力が弱いと、熱式流量センサ100への取付の際にガスケット102がセンサチップ111から脱落する問題があった。
(1)基板上に流量を計測するためのセンサチップが取り付けられたセンサ基板と、前記センサ基板に固定するガスケットを備える熱式流量センサにおいて、前記ガスケットは、前記センサチップを嵌合する嵌合部と前記嵌合部の周辺に前記熱式流量センサに固定される固定部を有すること、前記センサチップと接触する前記嵌合部のセンサ接触面の長さが、前記センサチップの前記ガスケットと接触するガスケット接触面の長さよりも長いこと、前記センサチップと接触するセンサ接触部が断面蟻溝形状であること、を特徴とする。
また、センサチップと接触するセンサ接触部は断面蟻溝形状であることにより、ガスケットをセンサチップ対して面接触させることができる。面接触することにより接触する部分が多くなりガスケットからセンサチップに係る押圧力が増し装着力が増す。そのため、ガスケットが位置ずれしにくくなり、センサチップへと流れる流量を安定化させることができる。また、ガスケットが位置ずれしにくくなるため、熱式流量センサの組立性を向上させることができる。
(6)(5)に記載する熱式流量センサにおいて、前記接合部が断面円弧形状であること、を特徴とする。それにより、固定部が潰れたときに嵌合部との間に隙間が生じにくい。そのため、隙間がなくなり流体の漏れを防止することができる。また、シール性を向上させることができる。
1.本実施形態の全体構成
1−1.熱式流量センサの構成
図13に、熱式流量センサの概略構成図を示す。図14に、ボディの平面図を示す。図15に、図14に示すボディのDD断面図を示す。図16に、整流板の平面図を示す。図17に、センサ基板の正面図を示す。図18に、センサ基板の下面図を示す。図19に、センサ基板にガスケットを装着した状態の断面図を示す。図20に、センサ基板にガスケットを装着した状態の下面図を示す。
図17、図18及び図20を用いて、センサ基板21について説明する。センサ基板21は、測定流量を電気信号として出力するものである。このためセンサ基板21には、図18及び図20に示すように、ベースとなるプリント基板22の表面側(ボディ41への装着面側)において、その中央部に溝23が加工されている。そして、この溝23の両側に、電気回路用電極が設けられている。一方、図17に示すように、プリント基板22の裏面側には、電気素子で構成される電気回路32が設けられている。そして、プリント基板22の中で、電気回路用電極が電気回路32に接続されている。さらに、プリント基板22の表面側には、後述するようにして、センサチップ11が実装されている。
図1に、ガスケットの正面図を示す。図2に、図1に示すガスケットのAA断面図を示す。図3に、図1に係るガスケットのBB断面図を示す。図4に、図1に係るガスケットのCC断面図を示す。図5に、ガスケットの背面図を示す。図6に、センサ基板にガスケットを装着した図を示す。図7に、参考例に係るセンサ基板にガスケットを装着した正面図を示す。図8に、センサ基板にガスケットを装着した際のセンサチップ付近の一部拡大概念図を示す。図9に、センサ基板にガスケットを装着する装着工程(1)の概念断面図を示す。図10に、センサ基板にガスケットを装着する装着工程(2)の概念断面図を示す。図11に、参考例に係るセンサ基板にガスケットを装着する装着工程(1)の概念断面図を示す。図12に、参考例に係るセンサ基板にガスケットを装着する装着工程(2)の概念断面図を示す。
嵌合部48Bには、センサチップ11を嵌合するように凹部48Cが形成されている。これにより、図19に示すように、嵌合部48Bがセンサ基板21及びセンサチップ11に密着するようになっている。
また、図6に示すように、嵌合部48Bの幅Sは、センサチップ11のうちガスケット48と接触する接触面11Aの幅Uよりも長く形成されている。それにより、嵌合部48Bがセンサチップ11をしっかりと覆うことができる。そのため、センサチップ11がガスケット48から位置ずれしにくくなる。その理由は、ガスケット48とセンサチップ11の接触面が大きくなるためセンサチップ11に対する押圧力が強く装着力が増すためである。
他方、図7の参考例に示すガスケット300のように、嵌合部348Bの幅SAがセンサチップ11の接触面11Aの幅UAよりも短い場合、嵌合部348Bの間には流路が形成されない。そのため、センサチップ11に対して安定した流体を流すことができず、安定した流量を検出することが困難である。
また、図1及び図6に示すように、センサ接触面480Bのうちセンサチップ11と接触しないセンサ非接触部481BをR形状とする。センサ非接触部481BがR形状であることにより、流体の流路を塞ぐことを防止することができる。具体的には、センサ非接触部481BがR形状でない場合には、参考例の図8に示すように、嵌合部58Bがセンサチップ11を嵌合した場合に、センサ非接触部581Bが潰れ、嵌合部58Bの間の流路580に押されて侵入することが考えられる。しかし、図6に示すように、センサ非接触部481BがR形状であると、センサ非接触部481Bが流路480に押されたとしても、図8の参考例と比較して流路480に侵入することがない。その理由は、センサ非接触部481BがR形状であり肉部が少なく形成されているからである。よって、センサ非接触部481BをR形状とすることにより流路480を確実に確保することができる。
また、図2に示すように、凹部48Cは断面蟻溝形状である。凹部48Cは、センサ基板21と接触する側から最も離れた部分に、底面489Cが形成されている。底面489Cは、嵌合部48Bの表面485Bと平行の関係にある。底面489Cの幅Rは、図18に示すセンサチップ11の幅Xと同じ長さである。凹部48Cのうちセンサ基板21と接触する側の最外部に第1最外部484C及び第2最外部486Cを有する。第1最外部484Cから第2最外部486Cまでの幅Yは、凹部48Cが蟻溝形状であることから、底面489Cの幅Rよりも短い。また、底面489Cの端部であり、センサ基板21と接触する側から最も離れた部分に第1最内部483C及び第2最内部485Cを有する。第1最外部484Cと第1最内部483Cを結んだ面は第1テーパ面487Cとし、第2最外部486Cと第2最内部483Cを結んだ面は第2テーパ面488Cとする。
また、図1及び図3に示すように、ガスケット48は、センサチップ11を嵌合する嵌合部48Bと固定部48Aとの間に逃げ溝482Bが形成されている。逃げ溝482Bが形成されていることにより、ガスケット48が熱式流量センサ1に固定され固定部48A、嵌合部48Bがつぶされた時に、過剰な力が発生せず、センサ基板21、センサチップ11を損傷することがない。すなわち、固定部48A、嵌合部48Bがつぶされた場合であっても、固定部48A、嵌合部48Bのつぶれによる力は逃げ溝482Bの空間により解消されるため、センサ基板21、センサチップ11には及ばないためである。
2−1.熱式流量センサの測定法
続いて、上記した構成を有する熱式流量センサ1の作用について説明する。熱式流量センサ1においては、図13に示すように、入口ポート42を介して入口流路43へ流れ込んだ被測定流体(図13のF)は、流路空間44にて、主流路Mへ流れ込むもの(図13のF1)と、センサ流路Zへ流れ込むもの(図13のF2)とに分流される。そして、主流路Mおよびセンサ流路Zから流れ出した被測定流体は、合流して、出口流路45を介して出口ポート46からボディ41の外部に流れ出す(図13のF)。
第2実施形態に係る熱式流量センサは、図13に示す第1実施形態に係る熱式流量センサと比較して、ガスケットの形状以外異なるところがない。そのため第2実施形態においては、第1実施形態と異なるガスケットについて説明することにより、その他の詳細な説明を割愛する。
図21に、ガスケットの固定部の一部拡大図を示す。図22に、ガスケットの固定部の固定状態における一部拡大図を示す。図23に、参考例に係るガスケットの固定部の一部拡大図を示す。図24に、参考例に係るガスケットの固定部の固定状態における一部拡大図を示す。
なお、本実施形態においては、接合部201を角が存在しない円弧形状としたが、角があったとしても図23に示す角度γが約120度以上である場合には、同様の効果を得ることができることを本出願人は確認している。ここで角度γとは、接合部301とガスケットの中心を結んだ線を基準(0度)とし、基準に対する固定部の開きの角度のことである。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で色々な応用が可能である。
例えば、本実施形態においては、固定部と嵌合部の接合部が断面円弧形状としたが、固定部と接合部に角度γが存在しなければよい。すなわち、円弧形状でなくとも接合部がなだらかなテーパ形状や、接合部が溶接等により角を排除する等による不規則な形状とすることもできる。テーパ形状や、不規則な形状であったとしても接合部に角度γがなければ、固定部が潰された時に嵌合部との間に隙間が形成されないためである。したがって、接合部に角度γを有する角部を形成しないこともできる。
例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせることもできる。
なお、本実施形態における熱式流量センサは、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスに対して好適に使用可能である。
11 センサチップ
11B 側面
21 センサ基板
48 ガスケット
48A 固定部
48B 嵌合部
480B センサ接触面
481B センサ非接触部
482B 逃げ溝
Claims (6)
- 基板上に流量を計測するためのセンサチップが取り付けられたセンサ基板と、前記センサ基板に固定するガスケットを備える熱式流量センサにおいて、
前記ガスケットは、
前記センサチップと嵌合する嵌合部と前記嵌合部の周辺に前記熱式流量センサ内に固定される固定部を有すること、
前記嵌合部のうち前記センサチップと接触するセンサ接触面の長さが、前記センサチップの前記ガスケットと接触するガスケット接触面の長さよりも長いこと、
前記センサチップと接触するセンサ接触部が断面蟻溝形状であること、
を特徴とする熱式流量センサ。 - 請求項1に記載する熱式流量センサにおいて、
前記ガスケットは、
前記センサ接触面のうち前記ガスケット接触面と接触しないセンサ非接触部がR形状であること、
を特徴とする熱式流量センサ。 - 請求項1又は請求項2に記載する熱式流量センサにおいて、
前記嵌合部と前記固定部との間に逃げ溝が形成されていること、
を特徴とする熱式流量センサ。 - 請求項3に記載する熱式流量センサにおいて、
前記固定部と前記嵌合部とが接合する接合部の角度は、約120度以上であること、
前記接合部の角度は、前記接合部と前記ガスケットの中心を結んだ線を基準線とし、前記基準線に対する前記固定部の開きの角度であること、
を特徴とする熱式流量センサ。 - 請求項3に記載する熱式流量センサにおいて、
前記固定部と前記嵌合部とが接合する接合部に角部が存在しないこと、
を特徴とする熱式流量センサ。 - 請求項5に記載する熱式流量センサにおいて、
前記接合部が断面円弧形状であること、
を特徴とする熱式流量センサ。
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