<第1の実施の形態>
以下、添付図面に従って本発明に係る像ブレ補正装置を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る像ブレ補正装置を備えたデジタルカメラ1の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ1の概略図であり、(a)は正面斜視図であり、(b)は背面斜視図である。デジタルカメラ1は、静止画のみでなく、動画、音声等の記録再生が可能である。
デジタルカメラ1のカメラボディ11は、図1に示すように、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
なお、図示しないカメラボディ11の下面には、三脚ネジ穴と、開閉自在なカバーを介してバッテリ挿入部とメモリカードスロットとが設けられており、このバッテリ挿入部とメモリカードスロットにバッテリとメモリカードが装填される。
光学系12は、沈胴式のズームレンズで構成されており、電源ボタン16によってカメラのモードを撮影モードに設定することにより、レンズカバー13が開き、カメラボディ11から繰り出される。なお、光学系12のズーム機構や沈胴機構については、公知の技術なので、ここでは、その具体的な構成についての説明は省略する。また、光学系12の詳細については、後に詳述する。
ストロボ14は、主要被写体に向けてストロボ光を照射できるように、その発光部が水平方向及び垂直方向に揺動できるように構成されている。
シャッターボタン15は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式のスイッチで構成されている。デジタルカメラ1は、静止画撮影時(例えば、モードダイヤルで静止画撮影モード選択時、又はメニューから静止画撮影モード選択時)、このシャッターボタン15を半押しすると撮影準備処理、すなわち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)の各処理を行い、全押しすると、画像の撮影・記録処理を行う。また、動画撮影時(例えば、モードダイヤルで動画撮影モード選択時、又はメニューから動画撮影モード選択時)には、このシャッターボタン15を長押しすると、動画の撮影を開始し、再度長全押しすると、撮影を終了する。なお、設定により、シャッターボタン15を全押している間、動画の撮影を行い、全押しを解除すると、撮影を終了するようにすることもできる。
電源ボタン16は、デジタルカメラ1の電源のON/OFFを切り替えるボタンである。
モードダイヤル17は、各種モード(撮影モード、再生モード、消去モード、編集モード等)の切り替え、オート撮影やマニュアル撮影等の撮影モードの設定に用いられる。
モニタ18は、4:3の一般的なアスペクト比を有し、カラー表示が可能な液晶ディスプレイで構成されている。このモニタ18は、再生モード時に撮影済み画像を表示するための画像表示パネルとして利用されるとともに、各種設定操作を行なう際の撮影者インターフェース表示パネルとして利用される。また、撮影モード時には、必要に応じてスルー画像が表示されて、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
ズームボタン19は、光学系12のズーム操作に用いられ、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとで構成されている。
十字ボタン20は、各種のメニューの設定や選択あるいはズームを行うためのボタンであり、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、カメラの設定状態に応じた機能が割り当てられる。たとえば、撮影時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにストロボモードを切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ18の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生時には、右ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、左ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ18の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、モニタ18に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
MENU/OKボタン21は、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、デジタルカメラ1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。メニュー画面では、たとえば露出値、色合い、ISO感度、記録画素数などの画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否かなど、デジタルカメラ1が持つ全ての調整項目の設定が行われる。デジタルカメラ1は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
DISP/BACKボタン22は、モニタ18の表示内容の切り替え指示等の入力及び入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
再生ボタン23は、再生モードへの切り替え指示に用いられる。
次に、光学系12の詳細について説明する。光学系12は、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置24で構成される。
像ブレ補正装置24は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
図2は、デジタルカメラ1を正姿勢(図1(a)の姿勢)で保持した場合において、撮像素子55が光軸上(光軸と略一致する位置)にある場合の像ブレ補正装置24の概略を示す図である。図2に示すように、像ブレ補正装置24は、主として、CCDケース30と、CCDプレート31と、ボイスコイルモータ32と、メインガイド軸33と、回転止めガイド軸34と、ボイスコイルモータ35と、メインガイド軸36と、回転止めガイド軸37と、スライダー38と、フレーム39と、メインフレキシブル基板40と、ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41とで構成される。
CCDケース30は、撮像素子55を保持する樹脂製の部材である。CCDケース30の右側(+x側)上端(+y側)近傍には軸受30aが形成され、回転止めガイド軸34が挿通される。CCDケース30の左側(−x方向)には、軸受30bが2箇所形成され、軸受30bにはメインガイド軸33が挿通される。
CCDプレート31は、金属製の板状の部材であり、アオリ調整等に用いられる。CCDプレート31は、CCDケース30を覆うようにCCDケース30の前面側(+z側)にネジ止めされる。CCDプレート31は略中央に孔が形成され、孔からは撮像素子55が露出される。CCDプレート31の右端部には、右側の辺に沿ってリブ状の凸部31aが形成される。
ボイスコイルモータ32、35は、モータドライバ77(図5参照)から出力される信号に応じて駆動され、ボイスコイルモータ32は、CCDケース30及びCCDプレート31をy方向へ移動させ、ボイスコイルモータ35は、CCDケース30、CCDプレート31及びスライダー38をx方向へ移動させる。ボイスコイルモータ32、35の構造は、ボイスコイルモータ32には放熱部材35d(後の詳述)が配設されていないこと以外同一であるため、ボイスコイルモータ35について説明する。
図3は、図2のA−A断面である。ボイスコイルモータ35は、ヨーク35aと、コイル35bと、磁石35cと、放熱部材35dで構成される。
ヨーク35aは、フレーム39に固着された金属の板材である。ヨーク35aは、磁石35cによる漏れ磁束を減らし、ヨーク35a間の磁界を強くするためのもので、1枚は磁石35cに隣接して配設され、他のヨーク35aは、ヨーク35aでコイル35b、磁石35cを挟むような位置に配設される。他のヨーク35aの前面側には、金属製の放熱部材35dが一体形成される。
磁石35cは、両面多極のマグネットであり、ヨーク35aの前面側に隣接して配設される。磁石35cは、図3中、左側(−x側)には上向き(+z方向)の磁界が発生し、右側(+x側)には下向き(−z方向)の磁界が発生する(図3矢印参照)。なお、図3に示す磁界の向きは一例であり、これに限定されない。
コイル35bは、CCDプレート31の端部に固着された断面略長方形の筒状の空芯コイルであり、+z方向から見て反時計回りの巻方向で光軸方向(z方向)に重ねるように形成される。なお、このコイル35bの巻方向は一例であり、これに限定されない。コイル35bは、CCDケース30の右側に形成された凸部30cに固着され、磁石35cによる磁界中に配設されている。したがって、コイル35bに電流を流すと、フレミングの左手の法則により、磁界と電流の双方に垂直方向に力が発生する。磁石35cはフレーム39に固着されているため、この力により磁石35cが磁界と電流の双方に垂直方向、すなわちx方向に移動し、それにあわせてCCDケース30及びCCDプレート31、すなわち撮像素子55もx方向に移動する。
図4は、図3に示す撮像素子55が光軸上にある状態からCCDケース30及びCCDプレート31が+x方向に最大限移動した後の状態である。CCDケース30及びCCDプレート31は、凸部31aが放熱部材35dに接触する位置まで移動可能である。撮像素子55で発生した熱は、CCDケース30を介してCCDプレート31に伝えられる。凸部31aと放熱部材35dとが接触していることより、CCDプレート31に伝えられた熱は放熱部材35dに伝えられ(図4矢印参照)、放熱部材35dから空気中に放熱される。
メインガイド軸33は、CCDケース30及びCCDプレート31をy方向に移動させるための軸であり、軸受30bに挿通され、スライダー38に固着される。回転止めガイド軸34は、CCDケース30及びCCDプレート31がメインガイド軸33を中心に回転するのを止めるものであり、貫通孔30bに挿通され、スライダー38に固着される。メインガイド軸33と回転止めガイド軸34とは、平行に、撮像素子55の両側に配設される。
スライダー38は、略ロの字形状の部材であり、CCDケース30及びCCDプレート31をx方向へ移動させる。スライダー38を略ロの字形状とすることにより、スライダー38の強度が保たれる。スライダー38の上側(+y方向)両端近傍には軸受38aが2箇所形成され、メインガイド軸36が挿通される。スライダー38の下側(−y方向)左端(−x方向)近傍には、軸受38bが形成され、回転止めガイド軸37が挿通される。
メインガイド軸36は、スライダー38をx方向に移動させるための軸であり、軸受38aに挿通され、フレーム39に固着される。軸受38aがメインガイド軸36に沿って動くことにより、スライダー38がx方向に移動する。回転止めガイド軸37は、スライダー38がメインガイド軸36を中心に回転するのを止めるものであり、軸受38bに挿通されてフレーム39に固着される。メインガイド軸36と回転止めガイド軸37は、平行に、撮像素子55の両側に配設される。
フレーム39は、メインガイド軸36及び回転止めガイド軸37をカメラボディ11内部に固定する部材である。
メインフレキシブル基板40、ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41は、折り曲げ可能な薄型基板である。メインフレキシブル基板40は、撮像素子55へ電源を供給すると共に図示しないメイン基板と撮像素子55との間を電気的に接続する。ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41は、ボイスコイルモータ32、35へ電源を供給すると共に図示しないメイン基板とボイスコイルモータ32、35との間を電気的に接続する。
次に、デジタルカメラ1の電気的な構成について説明する。図5に示すように、デジタルカメラ1は、主として、CPU50、操作手段(シャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等)51、SDRAM52、EEPROM53、タイミングジェネレータ(TG)54、撮像素子55、アナログ信号処理手段56、A/D変換器57、画像入力コントローラ58、画像信号処理手段59、圧縮伸張処理手段60、AE/AWB検出手段61、AF検出手段62、ビデオエンコーダ63、メディアコントローラ64、ジャイロセンサ71、74、アンプ72、75、A/D変換器73、76、モータドライバ77、位置検出素子78、79で構成される。
CPU50は、デジタルカメラ1の全体の動作を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種の演算処理を行う演算手段として機能し、操作手段121等からの入力に基づき所定の制御プログラムに従ってデジタルカメラ1の各部を制御する。
SDRAM52は、CPU50の作業用領域として利用されると共に画像データ等の一時記憶領域として利用される。
EEPROM53は、不揮発性メモリであり、各種制御用のプログラムや設定情報などを格納している。メインCPU50は、このプログラムや設定情報に基づいて各種処理を実行する。
TG54は、撮像素子55の光電荷蓄積・転送動作を制御する。TG54から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッター速度(光電荷蓄積時間)が決定される。
撮像素子55は、レンズ光軸上に配置されたCCD型のイメージセンサであり、ズームレンズ、フォーカスレンズ等によって結像された被写体の画像を電子的に撮像する。図6に示すように、撮像素子55の受光面には多数のフォトダイオード55aが2次元的に配列されており、受光面に入射された被写体光は、各フォトダイオード55aによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。そして、各フォトダイオード55aに蓄積された信号電荷は、TG54から与えられるタイミングパルスに従って読み出され、垂直転送路55b上を図6の上方向へシフトさせて水平転送路55cへと転送され、水平転送路55c上を左方向へ転送され、アンプで電圧信号に変換されることで、信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として出力される。撮像素子55から出力された撮像信号は、それぞれアナログ信号処理手段56に入力される。
垂直転送路55bを駆動するVl〜V4に印加する電圧信号に比べ、水平転送路55cを駆動するHl、H2に印加する電圧信号の方が高周波であり消費電力が高い。したがって、撮像素子55の中で最も熱が発生するのは水平転送路55cである。本実施の形態では、CCDケース30、CCDプレート31及びスライダー38をx方向へ移動させ、ボイスコイルモータ35から放熱を行うため、撮像素子55は、最も熱が発生する水平転送路55cと放熱部材とが最短距離で接触するように、水平転送路55cが+x方向に位置するようにCCDケースの中に配設される。
アナログ信号処理手段56は、撮像素子55から出力された画像信号に対してそれぞれ相関二重サンプリング処理(撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理)を行い、増幅して出力する。
A/D変換器57は、入力された画像データをアナログからデジタルに変換する。A/D変換器57を通して、光学系12の撮像素子55が画像データとして出力される。
画像入力コントローラ58は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、CPU50からの指令に従い、A/D変換器57から出力された1画像分の画像信号を蓄積して、SDRAM52に記録する。
画像信号処理手段59は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、CPU50からの指令に従い、A/D変換器57から入力された画像データに所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成し、表示用のビデオエンコーダ63に出力する。撮影モード時に電子ビューファインダとして使用される際には、生成された画像データが、ビデオエンコーダ63を介してモニタ18にライブビュー画像(スルー画像)として表示される。また、画像信号処理手段59は、撮像素子55により撮影された画像データ及び撮像素子55により撮影された画像データのYC信号を、所定方式の映像信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換した上で、外部の立体画像表示装置等において立体表示を行うための立体画像データに合成する。
圧縮伸張処理手段60は、CPU50からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、圧縮伸張処理手段60は、SDRAM52に記憶された画像データに対して、静止画ではJPEG、動画ではMPEG2、MPEG4、H.264方式等の所定の圧縮形式に従って圧縮処理を施す。圧縮伸張処理手段60は、静止画の2次元画像のデータをExifファイル等の所定のフォーマットの画像ファイル(画像ファイルについては後に詳述する)として記録メディア65に格納する。Exifファイルは、主画像のデータを格納する領域と、縮小画像(サムネイル画像)のデータを格納する領域とを有している。撮影によって取得された主画像のデータから画素の間引き処理その他の必要なデータ処理を経て、規定サイズ(例えば、160×120又は80×60ピクセルなど)のサムネイル画像が生成される。こうして生成されたサムネイル画像は、主画像とともにExifファイル内に書き込まれる。また、Exifファイルには、撮影日時、撮影条件、顔検出情報等のタグ情報が付属されている。
AE/AWB検出手段61は、撮影スタンバイ状態時にレリーズスイッチが半押しされると、CPU50からの指令に従い、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出する。たとえば、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。CPU50は、このAE/AWB検出手段61から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、算出した撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッター速度を決定する。
また、AE/AWB検出手段61は、AWB制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の色別の平均積算値を算出する。CPU50は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス調整値)を決定する。
AF検出手段62は、撮影スタンバイ状態時にレリーズスイッチが半押しされると、CPU50からの指令に従い、入力された画像信号からAF制御に必要な物理量を算出する。本実施の形態のデジタルカメラ1では、撮像素子55から得られる画像のコントラストによりAF制御が行われ(いわゆるコントラストAF)、AF検出手段62は、入力された画像信号から画像の鮮鋭度を示す焦点評価値を算出する。CPU50は、このAF検出手段62で算出される焦点評価値が極大となる位置を検出し、その位置にフォーカスレンズ群を移動させる。すなわち、フォーカスレンズ群を至近から無限遠まで所定のステップで移動させ、各位置で焦点評価値を取得し、得られた焦点評価値が最大の位置を合焦位置として、その位置にフォーカスレンズ群を移動させる。
ビデオエンコーダ63は、画像信号処理手段59から出力されたRGB信号をモニタ18に出力する。
メディアコントローラ64は、圧縮伸張処理手段60によって圧縮処理された各画像データを、メディアコントローラ64経由で接続された記録メディア65やその他の記録メディアに記録させる。
記録メディア65は、デジタルカメラ1に着脱自在なxDピクチャカード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の記録媒体である。
また、デジタルカメラ1には、電源電池が着脱可能に設けられている。電源電池は、充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池は、図示しない電池収納室に装填することにより、デジタルカメラ1の各手段と電気的に接続される。
ジャイロセンサ71、74は、デジタルカメラ1の角速度を検出するセンサであり、手振れによるデジタルカメラ1の振動を検出する。ジャイロセンサ71はx方向(図2参照)の加速度を検出し、ジャイロセンサ74はy方向(図2参照)の加速度を検出する。
アンプ72、75、は、ジャイロセンサ71、74で検出された信号をそれぞれ増幅し、A/D変換器73、76に出力する。
A/D変換器73、76は、アンプ72、75で増幅した信号をデジタル信号に変換し、変換した信号をCPU50に入力する。CPU50は、ジャイロセンサ71、74からそれぞれ入力された信号を増幅して、モータドライバ77に出力する。
モータドライバ77は、CPU50から入力された信号に基づいてボイスコイルモータ32、35を駆動する。
位置検出素子78、79は、例えばホール素子であり、CCDプレート31の位置を検出する。位置検出素子78はy方向の位置を検出し、位置検出素子79はx方向の位置を検出する。位置検出素子78は、スライダー38がy方向に移動された都度、位置検出を行い、位置検出素子79は、CCDプレート31がx方向に移動された都度、位置検出を行う。
このようにして構成されたデジタルカメラ1の作用について説明する。図7は、デジタルカメラ1の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主としてCPU50で行われる。
電源ボタンを押下し、デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS1)と、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS2)。図8(b)に示すように、ステップS2では、CPU50はコイル35bに電流を流してボイスコイルモータ35を駆動することでCCDケース30及びCCDプレート31を+x方向へ移動させ、凸部31aと放熱部材35dとを接触させる(ステップS11)。位置検出素子79はCCDプレート31の位置を検出し(ステップS12)、位置検出素子79により凸部31aと放熱部材35dとが接触したことが検出され、その検出信号がCPU50に入力されると、CPU50は、凸部31aと放熱部材35dとが接触した状態でCCDケース30及びCCDプレート31を停止させるように、コイル35bに電流を流してボイスコイルモータ35を駆動する(ステップS13)。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、再度ステップS3が行われる。
デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS4)。
ステップS4の処理について説明する。まず、CPU50は、位置検出素子79を用いてx方向の位置を検出し、撮像素子55の中心と光軸とが一致していない場合にはコイル35bに電流を流し、撮像素子55の中心と光軸とを一致させる(ステップS14)。その後、撮像素子55で連続的に画像が撮像され、その画像信号が連続的に処理されて、スルー画像用の画像データが生成される。生成された画像データは、順次ビデオエンコーダ63に加えられ、表示用の信号形式に変換されて、それぞれモニタ18に出力される。これにより、撮像素子55によるスルー画像用の撮影が開始される。
このスルー画像撮影開始以降、CPU50は、以下のようにして、デジタルカメラ1に加えられた振動(手ブレなど)による撮像素子55で撮像される被写体像の像ブレを補正する防振処理(ステップS15)を行う。
ジャイロセンサ71、74でx方向及びy方向の振動が検出されると、検出信号がアンプ72、75、及びA/D変換器73、76を介してCPU50に入力される。CPU50は、ジャイロセンサ71から入力された信号に基づいて、モータドライバ77を介してボイスコイルモータ35を駆動させる。また、CPU50は、ジャイロセンサ74から入力された信号に基づいて、モータドライバ77を介してボイスコイルモータ32を駆動させる。位置検出素子78、79は、ボイスコイルモータ32、35が駆動されるとそれぞれy方向、x方向の位置を検出し、CPU50に結果を出力する。CPU50は、位置検出素子78、79から入力された位置が目標の位置となるように、ボイスコイルモータ32、35を制御する。これにより、適切な防振動作を行うことができる。
CPU50は、シャッターボタン15が半押しされたか、すなわちCPU50にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS5)。S1ON信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)には、再度ステップS5を行う。S1ON信号が入力された場合(ステップS5でYES)には、このS1ON信号に応動して、以下のような撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS6)。
まず、撮像素子55から取り込まれた画像信号がAF検出手段138並びにAE/AWB検出手段139に入力される。AF検出手段138で求めた積算値のデータはCPU50に通知される。
CPU50は、光学系12のフォーカスレンズ群を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ群を移動させる。
CPU50は、AE/AWB検出手段139から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、求めた撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッタースピードを決定し、これに従い撮像素子55の電子シャッターと絞りを制御して適正な露光量を得る。同時に、検出された被写体輝度より、ストロボ14の発光が必要かどうかを判断する。
また、AE/AWB検出手段139は、自動ホワイトバランス調整時、分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU50に提供する。CPU50は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
以上のように、シャッターボタン15の半押しによって、AE/AF処理が行なわれる。なお、撮影者は、必要に応じてズームボタン19を操作し、レンズ14をズーミングさせて画角を調整する。
CPU50は、シャッターボタン15が全押しされたか、すなわちCPU50にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS7)。S2ON信号が入力されていない場合(ステップS7でNO)には、再度ステップS5が行われる。S2ON信号が入力された場合(ステップS7でYES)には、このS2ON信号に応動して、以下のような撮影処理及び記録処理(ステップS8)を実行する。
まず、上記のAE処理で求めた絞り値、シャッタースピードで撮像素子55を露光し、記録用の画像を撮像する。撮像素子55から出力された画像信号は、アナログ信号処理手段56、A/D変換器57、画像入力コントローラ58を介して取り込まれ、SDRAM52に格納される。SDRAM52に格納された画像信号は、CPU50の制御の下、画像信号処理手段59に加えられる。画像信号処理手段59は、入力された画像信号に所定の信号処理を施して、輝度データと色差データとからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
画像信号処理手段59で生成された画像データは、一旦SDRAM52に格納されたのち、メディアコントローラ64に加えられる。メディアコントローラ64は、入力された画像データに対して所定の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。
圧縮された画像データは、SDRAM52に格納され、所定フォーマットの静止画像ファイル(たとえば、Exif)として、メディアコントローラ64を介して記録メディア65に記録される。
このようにして撮影処理及び記憶処理(ステップS8)が行われると、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS2)。これにより、CCDプレート31の凸部31aが放熱部材35dに接触し、撮影準備処理(ステップS7)、撮影処理(ステップS8)において撮像素子55で発生した熱が放熱部材35dから放熱される。
CPU50は、ステップS8で生成された圧縮画像データを圧縮伸張処理手段60に加え、非圧縮の画像データとしたのちSDRAM52に加え、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力することによりプレビュー表示を行う(ステップS9)。プレビュー表示(ステップS9)が行われている間も、像ブレ補正装置24はモード2で駆動されており、放熱が継続して行われる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS4)。このように継続して撮影を行う場合においても、直前まで像ブレ補正装置24がモード2で駆動されている(ステップS2)ため、撮像素子55の温度上昇を抑えることができ、熱により画像のノイズを低減することができる。
デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、電源がOFFされたかが判断される(ステップS10)。電源がOFFされていない場合(ステップS10でNO)には、再度ステップS3が行われ、電源がOFFされた場合(ステップS3でYES)には処理が終了される。
プレビュー表示(ステップS9)以外でも、ステップS8で撮影した画像の確認が可能である。再生ボタン23が押下されると、CPU50は、デジタルカメラ1を再生モードに切り替える。CPU50は最後に記録された画像ファイルの圧縮画像データを読み出す。最後に記録された画像ファイルが記録メディア65に記録されている場合には、CPU50は、メディアコントローラ64を介して記録メディア65に最後に記録された画像ファイルの圧縮画像データを読み出す。
記録メディア65から読み出された圧縮画像データは、圧縮伸張処理手段60に加えられ、非圧縮の画像データとされたのちSDRAM52に加えられる。そして、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力される。これにより、記録メディア65又はフラッシュROM114に記録されている画像が、モニタ18に再生表示される。この処理の間も像ブレ補正装置24がモード2で駆動されている(ステップS2)ため、撮像素子55の温度上昇を抑えることができる。
本実施の形態によれば、新たな部品が必要ないうえ、駆動対象物に負荷が加えられないため、像ブレ補正時の駆動物の質量増加が無いため、防振性能の劣化がなく、かつ撮像素子で発生する熱を効率よく放熱することができる。
また、本実施の形態では、撮影後のプレビュー表示が行われている時に防振処理をOFFし、CCDプレートと放熱部材とを接触させるようにしたため、効率よく放熱することができる。したがって、連続撮影時等に撮像素子の温度上昇を防止し、ノイズを低減させることができる。
なお、本実施の形態では、放熱部材35dから空気中へ放熱したが、放熱部材35dとカメラボディ11とを直接又は伝熱部材を介して接触させ、カメラボディ11から外部へ放熱するようにしてもよい。この場合は、カメラボディ11を金属材料、セラミック等の熱伝導性の高い伝熱性材料で形成することが望ましい。カメラボディ11はサイズが大きいため、熱容量も大きい。したがって、撮像素子で発生した熱をより効率的に放熱することができる。
また、本実施の形態では、モード2(ステップS2)において、位置検出素子79はCCDプレート31の位置を検出し(ステップS12)、位置検出素子79により凸部31aと放熱部材35dとが接触したことが検出され、凸部31aと放熱部材35dとが接触した状態でCCDケース30及びCCDプレート31を停止させた(ステップS13)が、デジタルカメラ1に衝撃等が加わることにより凸部31aと放熱部材35dとが離れてしまう虞がある。そのため、図9に示すように、凸部31aと放熱部材35dとが接触した状態でCCDケース30及びCCDプレート31を停止させた(ステップS13)後で、位置検出素子79により凸部31aと放熱部材35dとの接触がはずれたか否かを検出し(ステップS15)、凸部31aと放熱部材35dとの接触がはずれたことが検出された(ステップS15でYES)場合にはCCDケース30及びCCDプレート31を+x方向へ移動させ、凸部31aと放熱部材35dとを接触させる(ステップS11)ようにしてもよい。
また、本実施の形態では、撮像素子55としてCCD型のイメージセンサを用いたが、CMOS型のイメージセンサでもよい。CMOS型のセンサの場合には、搭載されたチップの位置等により最も発熱する位置が異なるため、そのCMOS型のセンサのうち最も発熱しやすいところを放熱部材に一番近いところ(本実施の形態では+x側)に配設するのが望ましい。
また、本実施の形態では、像ブレ補正装置のアクチュエーターとしてボイスコイルモータを用いたが、ボイスコイルモータに限定されない。例えば、ステッピングモータや圧電素子等を用いた伸縮型のアクチュエーター等を用いることもできる。
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、モード2において、像ブレ補正装置24を駆動してCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させて放熱を行ったが、凸部31aと放熱部材35dとを接触状態で保持するためには、ボイスコイルモータ35のコイル35bに電流を流し続ける必要がある。コイル35bで電力を消費するためコイル35bで熱が発生するが、放熱のために発熱が行われることとなり効率が悪い。
第2の実施の形態は、弾性部材を用いてCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させる形態である。以下、第2の実施の形態に係るデジタルカメラ2について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
デジタルカメラ2のカメラボディ11は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12A、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
次に、光学系12Aの詳細について説明する。光学系12Aは、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置25で構成される。
像ブレ補正装置25は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
図10は、像ブレ補正装置25の横断面図である。像ブレ補正装置25は、主として、CCDケース30と、CCDプレート31と、ボイスコイルモータ32と、メインガイド軸33と、回転止めガイド軸34と、ボイスコイルモータ35と、メインガイド軸36と、回転止めガイド軸37と、スライダー38と、フレーム39と、メインフレキシブル基板40と、ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41と、バネ42とで構成される。
バネ42は、図10に示すように、CCDプレート31とフレーム39との間に配設される。バネ42は、CCDプレート31に+x方向の付勢力を付勢する。そのため、ボイスコイルモータ35のコイル35bに電流を流さない場合には、図9(b)に示すように、凸部31aと放熱部材35dとが接触した状態となる。防振処理を行う場合には、ボイスコイルモータ35のコイル35bに電流を流し、図9(a)に示すように凸部31aと放熱部材35dとを離す。この場合には、バネ42は、メインガイド軸33と軸受30bとの間に生ずるメカのガタ部を抑えるために用いられる。
このようにして構成されたデジタルカメラ2の作用について説明する。図11は、デジタルカメラ1の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主としてCPU50で行われる。
電源ボタンを押下し、デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS1)と、CPU50は、像ブレ補正装置25をモード2で駆動する(ステップS20)。図12(b)に示すように、ステップS20では、CPU50はコイル35bに電流を流さないようにすると、バネ42の付勢力でCCDケース30及びCCDプレート31が+x方向へ移動され、凸部31aと放熱部材35dとが接触される(ステップS22)。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、再度ステップS3が行われる。
デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置25をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS21)。
ステップS21の処理について説明する。まず、CPU50は、コイル35bに電流を流し、CCDケース30及びCCDプレート31をバネ42の付勢力に抗して−x方向へ移動させ、撮像素子55の中心と光軸とを一致させる(ステップ23)。その状態で、撮像素子55で連続的に画像が撮像され、その画像信号が連続的に処理されて、スルー画像用の画像データが生成される。生成された画像データは、順次ビデオエンコーダ63に加えられ、表示用の信号形式に変換されて、それぞれモニタ18に出力される。これにより、撮像素子55によるスルー画像用の撮影が開始される。
このスルー画像撮影開始以降、CPU50は、デジタルカメラ1に加えられた振動(手ブレなど)による撮像素子55で撮像される被写体像の像ブレを補正する防振処理(ステップS15)を行う。
CPU50は、シャッターボタン15が半押しされたか、すなわちCPU50にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS5)。S1ON信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)には、再度ステップS5を行う。S1ON信号が入力された場合(ステップS5でYES)には、このS1ON信号に応動して撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS6)。
CPU50は、シャッターボタン15が全押しされたか、すなわちCPU50にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS7)。S2ON信号が入力されていない場合(ステップS7でNO)には、再度ステップS5が行われる。S2ON信号が入力された場合(ステップS7でYES)には、このS2ON信号に応動して撮影処理及び記録処理(ステップS8)を実行する。
撮影処理及び記憶処理(ステップS8)が行われると、CPU50は、像ブレ補正装置25をモード2で駆動する(ステップS20)。これにより、CCDプレート31の凸部31aが放熱部材35dに接触し、撮影準備処理(ステップS7)、撮影処理(ステップS8)において撮像素子55で発生した熱が放熱部材35dから放熱される。
CPU50は、ステップS8で生成された圧縮画像データを圧縮伸張処理手段60に加え、非圧縮の画像データとしたのちSDRAM52に加え、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力することによりプレビュー表示を行う(ステップS9)。プレビュー表示(ステップS9)が行われている間も、像ブレ補正装置25はモード2で駆動されており、放熱が継続して行われる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置25をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS21)。
デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、電源がOFFされたかが判断される(ステップS10)。電源がOFFされていない場合(ステップS10でNO)には、再度ステップS3が行われ、電源がOFFされた場合(ステップS3でYES)には処理が終了される。
本実施の形態によれば、像ブレ補正装置25がモード1で駆動されていない場合は、電源がOFFの場合を含めて常に凸部31aと放熱部材35dとが常時接触する。そのため、凸部31aと放熱部材35dとを接触状態に保持する時に電力を消費しない。したがって、撮像素子で発生した熱を更に効率よく放熱することができる。また、放熱を行う際にボイスコイルモータを駆動させなくてよいため、余分な熱が発生することも無い。
また、本実施の形態によれば、電源がOFFの状態では、CCDプレート31に付勢力が働くため、CCDプレート31が振動しない。したがって、デジタルカメラの持ち運びや振動等によりCCDプレート31や放熱部材35dが破損し、ゴミが発生する等の問題を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、モード2においてコイル35bに電流を流さないことによりバネ42の付勢力で凸部31aと放熱部材35dとを接触させたが、バネの付勢力のバラツキ等により確実に接触しない可能性もある。そのため、位置検出素子79を用いてCCDケース30及びCCDプレート31の位置を検出し、凸部31aと放熱部材35dとが接触していない場合にはコイル35bに電流を流すことにより凸部31aと放熱部材35dとを接触させるようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、モード2において、像ブレ補正装置24を駆動してCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させて放熱を行ったが、凸部31a、放熱部材35dのいずれも金属部材であるため、表面の凹凸や部材の傾き等により、微小な面積でしか接触せず、伝熱効率が低下する虞がある。
第3の実施の形態は、凸部31aと放熱部材35dとを伝熱性弾性部材を介して接触させる形態である。以下、第3の実施の形態に係るデジタルカメラ3について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
デジタルカメラ3のカメラボディ11は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12B、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
次に、光学系12Bの詳細について説明する。光学系12Bは、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置26で構成される。
像ブレ補正装置26は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
図13は、像ブレ補正装置26の横断面図である。像ブレ補正装置26は、主として、CCDケース30と、CCDプレート31と、ボイスコイルモータ32と、メインガイド軸33と、回転止めガイド軸34と、ボイスコイルモータ35と、メインガイド軸36と、回転止めガイド軸37と、スライダー38と、フレーム39と、メインフレキシブル基板40と、ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41と、放熱用ジェル部材43とで構成される。
放熱用ジェル部材43は、シリコン等の弾力性のあるジェル状の伝熱部材であり、図13(a)、(b)に示すように、放熱部材35dのCCDプレート31側の端部に配設される。放熱用ジェル部材43は、熱伝導率が1W/m・K以上の材質のものを用いるのが望ましい。
このようにして構成されたデジタルカメラ3の作用について説明する。図14は、デジタルカメラ1の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主としてCPU50で行われる。
電源ボタンを押下し、デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS1)と、CPU50は、像ブレ補正装置26をモード2で駆動する(ステップS2)。これにより、図13(b)に示すように、凸部31aと放熱部材35dが放熱用ジェル部材43を介して接触するため、接触面積が増加する。したがって、より効率よく放熱することができる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、再度ステップS3が行われる。
デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置26をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS30)。
ステップS30の処理について図15を用いて説明する。本実施の形態では、凸部31aと放熱部材35dが放熱用ジェル部材43を介して接触しているため、放熱用ジェル部材43の粘着力により凸部31aと放熱用ジェル部材43とが張り付いてしまい、像ブレ補正装置26の防振駆動時に凸部31aと放熱用ジェル部材43と外れないために防振駆動が不可能となる、撮像素子55の端での撮影のとなり周辺光量落ちやケラレ等が発生する危険がある。そこで、凸部31aと放熱用ジェル部材43とが張り付いていた場合にも凸部31aと放熱用ジェル部材43とを確実に離すことができるように、ボイスコイルモータ35に通常以上の大きな駆動力を与え、接触からの脱出させる必要がある。そのため、CPU50は、コイル35bに流すことができる最大の電流をコイル35bに流し、CCDケース30及びCCDプレート31を−x方向へ移動させる(ステップS31)。
そして、CPU50は、位置検出素子79を用いてx方向の位置を検出し、凸部31aと放熱用ジェル部材43とが離れたことを確認する(ステップS32)。凸部31aと放熱用ジェル部材43とが離れたことが確認できなかった場合(ステップS32でNO)には、再度ステップS31を行う。
凸部31aと放熱用ジェル部材43とが離れたことが確認できた場合(ステップS32でNO)には、CPU50は、コイル35bに電流を流し、撮像素子55の中心と光軸とを一致させる(ステップS33)。その状態で、撮像素子55で連続的に画像が撮像され、その画像信号が連続的に処理されて、スルー画像用の画像データが生成される。生成された画像データは、順次ビデオエンコーダ63に加えられ、表示用の信号形式に変換されて、それぞれモニタ18に出力される。これにより、撮像素子55によるスルー画像用の撮影が開始される。
このスルー画像撮影開始以降、CPU50は、デジタルカメラ1に加えられた振動(手ブレなど)による撮像素子55で撮像される被写体像の像ブレを補正する防振処理(ステップS15)を行う。
CPU50は、シャッターボタン15が半押しされたか、すなわちCPU50にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS5)。S1ON信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)には、再度ステップS5を行う。S1ON信号が入力された場合(ステップS5でYES)には、このS1ON信号に応動して撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS6)。
CPU50は、シャッターボタン15が全押しされたか、すなわちCPU50にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS7)。S2ON信号が入力されていない場合(ステップS7でNO)には、再度ステップS5が行われる。S2ON信号が入力された場合(ステップS7でYES)には、このS2ON信号に応動して撮影処理及び記録処理(ステップS8)を実行する。
撮影処理及び記憶処理(ステップS8)が行われると、CPU50は、像ブレ補正装置25をモード2で駆動する(ステップS2)。これにより、CCDプレート31の凸部31aが放熱用ジェル部材43放熱部材35dに接触し、撮影準備処理(ステップS7)、撮影処理(ステップS8)において撮像素子55で発生した熱が放熱部材35dから放熱される。
CPU50は、ステップS8で生成された圧縮画像データを圧縮伸張処理手段60に加え、非圧縮の画像データとしたのちSDRAM52に加え、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力することによりプレビュー表示を行う(ステップS9)。プレビュー表示(ステップS9)が行われている間も、像ブレ補正装置25はモード2で駆動されており、放熱が継続して行われる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置25をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS30)。
デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、電源がOFFされたかが判断される(ステップS10)。電源がOFFされていない場合(ステップS10でNO)には、再度ステップS3が行われ、電源がOFFされた場合(ステップS3でYES)には処理が終了される。
本実施の形態によれば、凸部31aと放熱部材35dが放熱用ジェル部材43を介して接触するため、接触面積が増加する。したがって、より効率よく放熱することができる。
なお、本実施の形態では、放熱部材に放熱用ジェル部材を配設したが、CCDプレートに放熱用ジェル部材を配設してもよいし、放熱部材、CCDプレートの両方に放熱用ジェル部材を配設してもよい。
なお、本実施の形態では、放熱部材35dをヨーク35aと別に設けたが、放熱部材をヨーク、磁石等の金属部品と兼用させてもよい。図16は、ヨーク35aを放熱部材としても使用し、放熱用ジェル部材44をヨーク35aのCCDプレート31側の端部に配設した形態である。
ボイスコイルモータの場合には、磁石、ヨークは金属部材であり、熱の吸収が大きい。これらの金属部材が放熱部材を兼ねることで、放熱用に専用の部材を設ける必要がない。すなわち、放熱対策が無い場合の像ブレ補正装置の構造と差がない。したがって、サイズアップ、コストアップもなしに効率のよい放熱を行うことができる。
また、磁石、ヨーク部材はフレーム39に固定されているが、フレーム39はカメラボディ11(もしくはレンズ鏡筒)に固定されているため、撮像素子から発生した熱をフレーム39を介してカメラボディ11に逃がすことができる。したがって、撮像素子から発生した熱を外部に逃がすことができるため、放熱効果が大きい。この場合には、カメラボディ11(もしくはレンズ鏡筒)を金属等の伝熱性材料にすることが望ましい。
また、本実施の形態では、ボイスコイルモータ35を駆動することにより、凸部31aと放熱部材35dとが放熱用ジェル部材43を介して接触したが、図17に示すように、更に圧電素子、ボイスコイルモータ、ステッピングモータ等のアクチュエーターを用いて放熱部材35dを移動させることにより、凸部31aと放熱部材35dとを放熱用ジェル部材43を介して接触させるようにしてもよい。これにより、駆動方向の両方から凸部31aと放熱部材35dとを放熱用ジェル部材43を介して押し付けることが出来るので、放熱面積を増やすことができ、効率よく放熱することが出来る。
また、本実施の形態では、放熱用ジェル部材43を介して接触しているため、ボイスコイルモータ35に通常以上の大きな駆動力を与えてCCDケース30及びCCDプレート31を−x方向へ移動させたが、放熱用ジェル部材43を介していない実施の形態においても同様の処理を行なってもよい。
<第4の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、ボイスコイルモータ35に設けられた放熱部材35dを介して撮像素子55で発生した熱を放熱したが、撮像素子55で発生した熱を放熱する放熱部材を設ける部材はボイスコイルモータ35に限られない。また、本発明の第2の実施の形態では、弾性部材を用いてCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させたが、バネカに打ち勝つための推力を得るためにコイル35bに流す電流を増やさなくてはならないため、効果的ではない。
第4の実施の形態は、ボイスコイルモータ32に設けられた放熱部材を介して撮像素子55で発生した熱を放熱する形態である。以下、第4の実施の形態に係るデジタルカメラ4について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
デジタルカメラ4のカメラボディ11は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12C、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
次に、光学系12Cの詳細について説明する。光学系12Cは、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置27で構成される。
図18は、デジタルカメラ1を正姿勢(図1(a)の姿勢)で保持した場合における像ブレ補正装置27の正面斜視図である。像ブレ補正装置27は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
CCDプレート31Aは、金属製の板状の部材であり、アオリ調整等に用いられる。CCDプレート31Aは、CCDケース30を覆うようにCCDケース30の前面側(+z側)にネジ止めされる。CCDプレート31は略中央に孔が形成され、孔からは撮像素子55が露出される。CCDプレート31Aには、鉛直下側(−y側)の辺に沿ってリブ状の凸部31bが形成される。
ボイスコイルモータ32A、35Aは、モータドライバ77(図5参照)から出力される信号に応じて駆動され、ボイスコイルモータ32Aは、CCDケース30及びCCDプレート31の鉛直下側に設けられ、CCDケース30及びCCDプレート31をy方向へ移動させる。ボイスコイルモータ35Aは、CCDケース30及びCCDプレート31の右側に設けられ、CCDケース30、CCDプレート31及びスライダー38をx方向へ移動させる。ボイスコイルモータ32A、35Aの構造は、ボイスコイルモータ32Aには放熱部材32d(後の詳述)が配設されていないこと以外同一であるため、ボイスコイルモータ32Aについて説明する。
図19は、図18のB−B断面図である。ボイスコイルモータ32Aは、ヨーク32aと、コイル32bと、磁石32cと、放熱部材32dで構成される。
ヨーク32aは、フレーム39に固着された金属の板材である。ヨーク32aは、磁石32cによる漏れ磁束を減らし、ヨーク32a間の磁界を強くするためのもので、1枚は磁石32cに隣接して配設され、他のヨーク32aは、ヨーク32aでコイル32b、磁石32cを挟むような位置に配設される。他のヨーク32aの前面側には、金属製の放熱部材32dが一体形成される。
磁石32cは、両面多極のマグネットであり、ヨーク32aの前面側に隣接して配設される。磁石32cは、図19中、下側(−y側)には上向き(+z方向)の磁界が発生し、上側(+y側)には下向き(−z方向)の磁界が発生する。なお、図3に示す磁界の向きは一例であり、これに限定されない。
コイル32bは、CCDプレート31の端部に固着された断面略長方形の筒状の空芯コイルであり、+z方向から見て反時計回りの巻方向で光軸方向(z方向)に重ねるように形成される。なお、このコイル32bの巻方向は一例であり、これに限定されない。コイル32bは、CCDケース30の右側に形成された凸部に固着され、磁石32cによる磁界中に配設されている。したがって、コイル32bに電流を流すと、フレミングの左手の法則により、磁界と電流の双方に垂直方向に力が発生する。磁石32cはフレーム39に固着されているため、この力により磁石32cが磁界と電流の双方に垂直方向、すなわちy方向に移動し、それにあわせてCCDケース30及びCCDプレート31、すなわち撮像素子55もy方向に移動する。
図20は、図19に示す撮像素子55が光軸上にある状態からCCDケース30及びCCDプレート31が−y方向に最大限移動した後の状態である。CCDケース30及びCCDプレート31は、重力により、凸部31aが放熱部材32dに接触する位置まで−y方向に移動可能である。撮像素子55で発生した熱は、CCDケース30を介してCCDプレート31に伝えられる。凸部31aと放熱部材32dとが接触していることより、CCDプレート31に伝えられた熱は放熱部材32dに伝えられ(図20矢印参照)、放熱部材32dから空気中に放熱される。
このようにして構成されたデジタルカメラ4の作用について説明する。図21は、デジタルカメラ4の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主としてCPU50で行われる。
電源ボタンを押下し、デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS1)と、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS40)。本実施の形態では、図22(b)に示すように、コイル32bに電流を流さない場合には、CCDケース30及びCCDプレート31が重力により−y方向へ移動している。そのため、CPU50は、位置検出素子78を用いてCCDプレート31の位置を検出し(ステップS12)、位置検出素子79により凸部31aと放熱部材32dとが接触したことが検出され、その検出信号がCPU50に入力されると、CPU50は、凸部31aと放熱部材32dとが接触した状態でCCDケース30及びCCDプレート31を停止させるように、コイル32bに電流を流してボイスコイルモータ32Aを駆動する(ステップS13)。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、再度ステップS3が行われる。
デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS41)。
ステップS41の処理について説明する。まず、CPU50は、位置検出素子78を用いてy方向の位置を検出し、撮像素子55の中心と光軸とが一致していない場合にはコイル32bに電流を流し、撮像素子55の中心と光軸とを一致させる(ステップS42)。その後、撮像素子55で連続的に画像が撮像され、その画像信号が連続的に処理されて、スルー画像用の画像データが生成される。生成された画像データは、順次ビデオエンコーダ63に加えられ、表示用の信号形式に変換されて、それぞれモニタ18に出力される。これにより、撮像素子55によるスルー画像用の撮影が開始される。
このスルー画像撮影開始以降、CPU50は、デジタルカメラ1に加えられた振動(手ブレなど)による撮像素子55で撮像される被写体像の像ブレを補正する防振処理(ステップS15)を行う。
CPU50は、シャッターボタン15が半押しされたか、すなわちCPU50にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS5)。S1ON信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)には、再度ステップS5を行う。S1ON信号が入力された場合(ステップS5でYES)には、このS1ON信号に応動して撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS6)。撮影者は、必要に応じてズームボタン19を操作し、レンズをズーミングさせて画角を調整する。
CPU50は、シャッターボタン15が全押しされたか、すなわちCPU50にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS7)。S2ON信号が入力されていない場合(ステップS7でNO)には、再度ステップS5が行われる。S2ON信号が入力された場合(ステップS7でYES)には、このS2ON信号に応動して撮影処理及び記録処理(ステップS8)を実行する。
このようにして撮影処理及び記憶処理(ステップS8)が行われると、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS40)。これにより、CCDプレート31の凸部31aが放熱部材32dに接触し、撮影準備処理(ステップS7)、撮影処理(ステップS8)において撮像素子55で発生した熱が放熱部材32dから放熱される。
CPU50は、ステップS8で生成された圧縮画像データを圧縮伸張処理手段60に加え、非圧縮の画像データとしたのちSDRAM52に加え、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力することによりプレビュー表示を行う(ステップS9)。プレビュー表示(ステップS9)が行われている間も、像ブレ補正装置24はモード2で駆動されており、放熱が継続して行われる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS41)。このように継続して撮影を行う場合においても、直前まで像ブレ補正装置24がモード2で駆動されている(ステップS40)ため、撮像素子55の温度上昇を抑えることができ、熱により画像のノイズを低減することができる。
デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、電源がOFFされたかが判断される(ステップS10)。電源がOFFされていない場合(ステップS10でNO)には、再度ステップS3が行われ、電源がOFFされた場合(ステップS3でYES)には処理が終了される。
本実施の形態によれば、像ブレ補正装置27がモード1で駆動されていない場合は、電源がOFFの場合を含めて常に凸部31bと放熱部材32dとが常時接触する。そのため、凸部31bと放熱部材32dとを接触状態に保持する時に電力を消費しない。したがって、撮像素子で発生した熱を更に効率よく放熱することができる。
また、本実施の形態によれば、CCDプレート31Aを放熱部材32dにばらつきの少ない一定の力で押し当てることが出来るので、バラつきなく、安定した放熱が可能となる。例えば、バネを用いてCCDプレートを放熱部材に押し当てる場合には、バネの製造誤差等により押し付け力にバラツキが発生するが、本実施の形態ではそのような問題は発生しない。
なお、本実施の形態では、ボイスコイルモータ32Aだけに放熱部材を設けたが、第2の実施の形態のようにボイスコイルモータ35Aにも放熱部材を設けるにしても良い。これにより、1方向だけではなく、2方向から放熱することができ、より大きな放熱効果が得られる。
本実施の形態では、他の実施の形態と異なり、像ブレ補正装置のアクチュエーターとしてボイスコイルモータが適切であり、電源をOFFにしてもCCDプレートの位置が保持されてしまうステッピングモータや圧電素子等を用いた伸縮型のアクチュエーター等を用いることはできない。
なお、本実施の形態では、モード2においてコイル32bに電流を流さないで重力により凸部31bと放熱部材3sdとを接触させたが、像ブレ補正装置27の重さのバラツキ等により確実に接触しない可能性もある。そのため、位置検出素子78を用いてCCDケース30及びCCDプレート31の位置を検出し、凸部31bと放熱部材32dとが接触していない場合にはコイル32bに電流を流すことにより凸部31aと放熱部材32dとを接触させるようにしてもよい。
<第5の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態では、弾性部材を用いてCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させたが、放熱のためにバネを用いるとサイズ、コストUPになるという問題がある。また、本発明の第4の実施の形態は、重力により凸部31bと放熱部材32dとを常時接触させたが、弾性部材を用いて凸部31bと放熱部材32dとを常時接触させるようにしてもよい。
第5の実施の形態は、弾性部材としてメインフレキシブル基板40Aを用いて凸部31bと放熱部材32dとを常時接触させる形態である。以下、第5の実施の形態に係るデジタルカメラ5について説明する。なお、第4の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。また、デジタルカメラ5の作用は、デジタルカメラ4の作用と同一であるため、説明を省略する。
デジタルカメラ5のカメラボディ11は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12D、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
次に、光学系12Dの詳細について説明する。光学系12Dは、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置28で構成される。
図23は、弾性部材としてメインフレキシブル基板40Aを用いた場合の像ブレ補正装置28の縦断面図である。像ブレ補正装置28は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
メインフレキシブル基板40Aは、組立時の折くせのつけ方によって、バネカの基本長位置やばね力の付勢方向が変わる。本実施の形態では、図24に示すような折くせをつけるため、メインフレキシブル基板40Aが広がる方向にバネカが働く。そのため、図23に示すようにメインフレキシブル基板40Aを配設することで、凸部31bを放熱部材32dに押し当てることができる。
本実施の形態によれば、電源OFFの場合においても、専用のバネ部材を用いることなく、既存の部品のみで時にCCDプレートを放熱部材に押し当てることができる。したがって、効率よく放熱することが出来る。
<第6の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、ボイスコイルモータ35のコイル35bを移動させることによりCCDケース30及びCCDプレート31を+x方向へ移動させたが、CCDケース30及びCCDプレート31を+x方向へ移動させる方法はこれに限定されない。
第6の実施の形態は、ボイスコイルモータのマグネットを移動させることによりCCDケース及びCCDプレートを+x方向へ移動させる形態である。以下、第6の実施の形態に係るデジタルカメラ6について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。また、デジタルカメラ6の作用は、デジタルカメラ3の作用と同一であるため、説明を省略する。
デジタルカメラ6のカメラボディ11は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、光学系12E、ストロボ14等が配設されている。また、カメラボディ11の上面にはシャッターボタン15、電源ボタン16、モードダイヤル17等が配設されている。一方、カメラボディ11の背面には、モニタ18、ズームボタン19、十字ボタン20、MENU/OKボタン21、DISP/BACKボタン22、再生ボタン23等が配設されている。
次に、光学系12Eの詳細について説明する。光学系12Eは、主として、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ(以上、図示せず)、像ブレ補正装置29で構成される。
像ブレ補正装置28は、ジャイロセンサ71、74(図5参照)によりデジタルカメラ1の振れを検出し、撮像素子55(図5参照)をデジタルカメラ1の振れと反対方向に移動させることにより、撮像素子55に結像される被写体像の像ブレを補正する。
図25は、像ブレ補正装置29の縦断面図である。像ブレ補正装置29は、主として、CCDケース30Aと、CCDプレート31Aと、ボイスコイルモータ32と、メインガイド軸33と、回転止めガイド軸34と、ボイスコイルモータ35Bと、メインガイド軸36と、回転止めガイド軸37と、スライダー38と、フレーム39と、メインフレキシブル基板40と、ボイスコイルモータ用フレキシブル基板41とで構成される。
CCDケース30Aは、撮像素子55を保持する樹脂製の部材である。CCDケース30の右側(+x側)上端(+y側)近傍には軸受30aが形成され、回転止めガイド軸34が挿通される。CCDケース30の左側(−x方向)には、軸受30bが2箇所形成され、軸受30bにはメインガイド軸33が挿通される。また、CCDケース30Aの前面側(+z側)にCCDプレート31ネジ止めされると共に、CCDケース30Aの右側(
にボイスコイルモータ35Bを構成する磁石35c及びヨーク35eが配設される。
CCDプレート31Aは、金属製の板状の部材であり、アオリ調整等に用いられる。CCDプレート31は略中央に孔が形成され、孔からは撮像素子55が露出される。
ボイスコイルモータ35Bは、ヨーク35eと、コイル35bと、磁石35cと、放熱部材35fと、放熱用ジェル部材35gと、固定部材35hとで構成される。
ヨーク35eは、CCDケース30Aに固着された金属の板材である。ヨーク35eは、磁石35cによる漏れ磁束を減らすために磁石35cの前面側(+z側)に隣接して配設される。
磁石35cは、両面多極のマグネットであり、ヨーク35eの裏側(−z側)に隣接して配設される。
コイル35bは、断面略長方形の筒状の空芯コイルであり、+z方向から見て反時計回りの巻方向で光軸方向(z方向)に重ねるように形成される。コイル35bは、固定部材35hの前面側(+z側)に設けられ、図25(a)に示す撮像素子55が光軸上にある状態においても、図25(b)に示すCCDケース30A及びCCDプレート31Aが+x方向に最大限移動した後の状態においても磁石35cの磁界中に位置するように設けられる。
放熱部材35fは、略直方体の金属製の非磁性体の部材であり、固定部材35hの前面側(+z側)のコイル35bと所定の距離だけ右側(+x側)に離れた位置に配設される。
放熱用ジェル部材35gは、シリコン等の弾力性のある弾力性のあるジェル状の伝熱部材であり、放熱部材35fのCCDプレート31A側の端部に配設される。
固定部材35hは、板材であり、フレーム39に固着される。
本実施の形態によれば、磁石、ヨークが撮像素子で発生した熱を吸収できるので、磁石、ヨークから放熱部材へ熱を逃がすことが出来る。これにより、撮像素子の熱を吸収する部材を大きくすることができるため、効率的に熱を逃がすことができる。また、CCDプレートから放熱部材までが全て金属材料で形成されているため、効率的に熱を逃がすことができる上、熱の伝達部材を別途追加する必要がない。
なお、本実施の形態では、放熱部材として金属製の部材を用いたが、放熱部材はこれに限られない。要は熱伝導性が高ければよく、例えばヒートシンクのようなものを用いてもよい。
<第7の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、非撮影時に撮像素子で発生した熱を放熱するものであるが、撮影時でも放熱が可能な場合も考えられる。
第7の実施の形態は、スルー画像の撮影時に焦点距離やフレームレートに応じて放熱の有無を切り替える形態である。以下、第7の実施の形態のデジタルカメラ7について説明する。なお、デジタルカメラ7の構成は、デジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略する。
デジタルカメラ7の作用について説明する。図26は、デジタルカメラ1の処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主としてCPU50で行われる。
電源ボタンを押下し、デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS1)と、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS2)。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、再度ステップS3が行われる。
デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS50)。
ステップS50の処理について、図27を用いて説明する。CPU50は、ミリメートル単位での焦点距離の逆数が、フレームレートの逆数に対して大きいか小さいかを判定する(ステップS51)。
焦点距離の逆数がフレームレートの逆数に対して小さい場合(ステップS51でYES)は、手ぶれの影響を受け易い場合である。したがって、CPU50は、コイル35bに電流を流してCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとの接触を外して非接触状態とする(ステップS52)。そして、CPU50は、撮像素子55の中心と光軸とを一致させ、デジタルカメラ1に加えられた振動(手ブレなど)による撮像素子55で撮像される被写体像の像ブレを補正する防振処理を行うとともに、スルー画像の撮影を行う(ステップS53)。防振処理及びスルー画像の撮影の処理は、第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
焦点距離の逆数がフレームレートの逆数に対して大きい場合(ステップS51でNO)は、焦点距離が短く、手ぶれの影響が小さい場合である。したがって、CPU50は、コイル35bに電流を流してCCDプレート31の凸部31aと放熱部材35dとを接触させる。この場合には、スルー画像の撮影に使用できる撮像素子55の画素数が少なくなるが、スルー画像であるため、画質の低下は大きな問題とはならず、スルー画像の撮影と同時に撮像素子55で発生した熱が放熱部材35dから放熱されることによる効果のほうが大きい。
CPU50は、シャッターボタン15が半押しされたか、すなわちCPU50にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS5)。S1ON信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)には、再度ステップS5を行う。S1ON信号が入力された場合(ステップS5でYES)には、このS1ON信号に応動して撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS6)。撮影者は、必要に応じてズームボタン19を操作し、レンズ14をズーミングさせて画角を調整する。
CPU50は、シャッターボタン15が全押しされたか、すなわちCPU50にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS7)。S2ON信号が入力されていない場合(ステップS7でNO)には、再度ステップS5が行われる。S2ON信号が入力された場合(ステップS7でYES)には、このS2ON信号に応動して撮影処理及び記録処理(ステップS8)を実行する。
このようにして撮影処理及び記憶処理(ステップS8)が行われると、CPU50は、像ブレ補正装置24をモード2で駆動する(ステップS2)。これにより、CCDプレート31の凸部31aが放熱部材35dに接触し、撮影準備処理(ステップS7)、撮影処理(ステップS8)において撮像素子55で発生した熱が放熱部材35dから放熱される。
CPU50は、ステップS8で生成された圧縮画像データを圧縮伸張処理手段60に加え、非圧縮の画像データとしたのちSDRAM52に加え、SDRAM52からビデオエンコーダ63を介してモニタ18に出力することによりプレビュー表示を行う(ステップS9)。プレビュー表示(ステップS9)が行われている間も、像ブレ補正装置24はモード2で駆動されており、放熱が継続して行われる。
CPU50は、デジタルカメラ1の動作モードが撮影モードであるかどうかを検出する(ステップS3)。デジタルカメラ1が撮影モードである場合(ステップS3でYES)には、スルー画像の撮影と同時に像ブレ補正装置24をモード1で駆動して像ブレ補正を行う(ステップS4)。このように継続して撮影を行う場合においても、直前まで像ブレ補正装置24がモード2で駆動されている(ステップS2)ため、撮像素子55の温度上昇を抑えることができ、熱により画像のノイズを低減することができる。
デジタルカメラ1が撮影モードで無い場合(ステップS3でNO)には、電源がOFFされたかが判断される(ステップS10)。電源がOFFされていない場合(ステップS10でNO)には、再度ステップS3が行われ、電源がOFFされた場合(ステップS3でYES)には処理が終了される。
本実施の形態によれば、スルー画像の撮影と同時に、撮影により発生した熱を効率的に放熱することができる。
なお、本実施の形態では、スルー画像の撮影を例に説明したが、スルー画像の撮影時に限らず、動画撮影時、AF動作時、静止画露光時の場合にも適用可能である。動画の場合には、図27と同様、焦点距離の逆数とフレームレートの逆数との関係を用いて効率的な放熱を行うか否かを判断すればよい。
図28(a)は、撮像素子55の中心が光軸中心と一致している場合であり、図28(b)は、CCDプレート31と放熱部材35dとを接触させており撮像素子55の中心が光軸中心と一致していない場合である。通常の撮影では、撮像素子55の全面積のうち大部分に被写体像が結像される。しかしながら、電子ズームを用いる場合には、通常の撮影時に比べて、被写体像が結像される範囲が狭くなる。したがって、図28(b)に示すように、電子ズームが倍率が所定の倍率以上である場合には、CCDプレート31と放熱部材35dとを接触させたとしても撮像素子55に被写体像を結像させることができる。したがって、本実施の形態を静止画に適用する場合には、ステップS8の撮影処理において、電子ズームの倍率が所定の閾値以上か否かを判断し、電子ズームの倍率が所定の閾値以上の場合にはCCDプレート31と放熱部材35dとを接触させて効率的な放熱を行うようにすればよい。電子ズームに限らず、イメージサークルの中央部を用いて画像の結像が可能な場合、例えば低画素数に間引いて画像を読み出し、静止画を記録する間引き読み出しモードの場合にも適用できる。この場合には、画素数が所定の閾値以下であるか否かを判断し、画素数が所定の閾値以下である場合には、CCDプレート31と放熱部材35dとを接触させるようにすればよい。
また、静止画の場合には、ステップS8の撮影処理において、焦点距離の逆数とシャッタースピードとを比較し、シャッタースピードが速い場合は効率的な放熱を行わず、シャッタースピードが遅い場合は効率的な放熱を行うようにしてもよい。
本発明は、デジタルカメラに限らず、ビデオカメラ等の手で保持して撮影を行うあらゆる撮像装置に適用可能である。また、静止画を撮影するデジタルカメラに限らず、動画、ライブビュー画像が撮影可能な撮像装置にも本発明は適用可能である。
また、本発明は、光学系と撮像素子を組み合わせた撮像ユニットを複数持つ複眼撮像装置に適用しても良い。この場合には、撮像中の撮像ユニットと撮像していない撮像ユニットとが混在する場合がありうる。例えば、立体画像の撮影を行う場合は両方の撮像ユニットで撮像するが、平面画像の撮影を行う場合は片方の撮像ユニットでのみ撮影を行う。このような場合には、撮像中の撮像ユニットは手ぶれ補正が必要なので防振動作を行い、撮像していない撮像ユニットは手ぶれ補正は不要なので、CCDケース及びCCDプレートを放熱部材と接触させて放熱効果を高めるように制御すればよい。