JP5410157B2 - ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 Download PDF

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本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる難燃性を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂を発泡せしめたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形用の金型内に充填した後、これらを加熱融着させることによって得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、すでに包装材、緩衝材、断熱材、建築資材、自動車用部品等の広範な用途に供されている。このような用途の中でも、建築資材や自動車部品等の分野においては、難燃性を有することが求められており、必要に応じて難燃剤や難燃助剤を樹脂中に含有させたポリプロピレン系樹脂発泡粒子やこのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を使用した型内発泡成形体が提案されている(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、これらの難燃剤や難燃助剤を含有させたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、機械的強度の低下や、樹脂からブリードすることによる金型の汚染など問題を抱えており、また、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤は環境適合性の問題をも抱えていると言われており、これらの難燃剤や難燃助剤を用いずに難燃性を発現できることが好ましい。
また、外観の点から着色したポリプロピレン系樹脂発泡粒子や該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を使用したポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が要求される場合があり、特に自動車部品等の分野では黒色化したポリプロピレン系樹脂発泡粒子や型内発泡成形体が要求されることから、カーボンブラックを用いて黒色化したポリプロピレン系樹脂発泡粒子および該型内発泡成形体が提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、カーボンブラックは難燃性を低下させることから、カーボンブラックを添加しない場合に比べて多量の難燃剤や難燃助剤を必要とすることになり、機械的強度の低下などの問題が顕在化することになる。
一方、特許文献4には、土木、建築、園芸等の排水資材等に用いられる、親水性に優れ水濡れが速やかで、水が成型体に接触した当初から良好な通水性を呈する連通した空隙を有する通水性発泡成形体を提供することを目的として、発泡成形体に親水性付与剤を含有または塗布させる技術が開示されている。親水性付与剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の親水性液体や界面活性剤が例示されている。
特開平7−309967号公報 特開平10−147661号公報 特開平7−300537号公報 特開平8−59875号公報
本発明は、カーボンブラックを含有している黒色のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体において、難燃性が改善されたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、カーボンブラックを含んでなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子に、通常は添加することで難燃性が低下すると考えられているグリセリンに代表される炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールを所定量添加することにより、意想外にも難燃性が向上することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下の構成よりなる。
〔1〕 カーボンブラック0.1重量%以上10重量%以下、および炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール0.05重量%以上3重量%を含有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
該ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体がFMVSS302に定められる燃焼試験法にて自己消火性または遅燃性を示すことを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔2〕 成形体密度が5g/L以上200g/L未満である〔1〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔3〕炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールが、グリセリンである〔1〕または〔2〕に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
本発明のカーボンブラックおよび炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールを含有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、FMVSS302試験法において、同じ量のカーボンブラックのみを添加したポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体と比較して難燃性が向上する。
本発明において用いるポリプロピレン系樹脂とは、単量体成分としてプロピレンを60重量%以上、好ましくは、80重量%以上含んでなる樹脂をいい、プロピレンと共重合可能な単量体を含んでいてもかまわない。具体的にはプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−ブテン−プロピレンランダム共重合体が例示することが出来る。この中でも、エチレン含有量が0.1重量%以上10重量%以下のエチレン−プロピレンランダム共重合体、あるいは、エチレンと1−ブテンを合計0.1重量%以上、10重量%以下含有し、かつ1−ブテンが0.5重量%以上含まれるエチレン−ブテン−プロピレンランダム共重合体が成形性や機械的強度の観点からより好ましい。
これらポリプロピレン系樹脂は無架橋のものであっても架橋したものであっても良いが、リサイクルの点からいえば無架橋のものであるのが好ましい。
本発明で用いることのできるポリプロピレン系樹脂の融点は、130℃以上165℃以下であることが好ましく、更には135℃以上155℃以下のものが好ましい。融点が130℃未満の場合、耐熱性、機械的強度が十分でない傾向がある。また、融点が165℃を超える場合、型内発泡成形時の融着を確保することが難しくなる傾向がある。ここで、前記融点とは、示差走査熱量計によってポリプロピレン系樹脂1mg以上10mg以下を40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピークのピーク温度をいう。
本発明で用いることが出来るポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(以下、MI値)は0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは2g/10分以上20g/以下、さらに好ましくは5g/10分以上10g/10分以下である。
MI値が0.5g/10分未満の場合、高発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られにくく、30g/10分を超える場合、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡が破泡し易く、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の連泡率が高くなる傾向にある。
なお、本発明において、MI値とはJIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
また、融点、MI値が異なるポリプロピレン系樹脂を2種以上混合して、前記の範囲としても良い。
本発明におけるカーボンブラックは、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子中、0.1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは1重量%以上7重量%以下、さらに好ましくは3重量%以上5重量%以下である。カーボンブラックが0.1重量%未満の場合、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体にした時に、黒色度合いが薄く、10重量%を超える場合、燃焼速度が速くなり、FMVSS302燃焼試験をクリアしない。
本発明に用いるカーボンブラックの種類について制限はなく、ケッチェンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、ガスブラック、ローラーブラック、アセチレンブラックなどを用いることができる。
本発明に用いるカーボンブラックの粒径にも特に制限はないが、粒径としては0.1nm以上10000nm以下が好ましい。0.1nm未満ではハンドリングしにくくなる傾向があり、10000nmを超えると樹脂への分散性が悪くなり色むらの原因になる傾向がある。また、粒子が凝集したストラクチャーの大きさとしてはおおむね数十nm以上数百nm以下のものを用いればよい。
本発明で使用する炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、D−マンニトール、エリスリトール、ヘキサントリオール、キシリトール、D−キシロース、イノシトール、フルクトース、ガラクトース、グルコース、マンノース等が挙げられる。中でも、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、D−マンニトールから選ばれる1種以上であることが好ましく、より好ましくは、グリセリンである。グリセリンは、製造中に排水中へ溶出した場合においても易分解性を示すことから環境影響が小さい特徴も有する。一般に入手し易く、安価な点でも好適である。
一般に分子内に水酸基を多く持ついわゆる親水性物質はポリプロピレン系樹脂への相溶性にやや劣る特性があるが、本発明で使用する炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールであれば、ポリプロピレン系樹脂にブレンド後、押出機にて混練、ストランドカット法にてポリプロピレン系樹脂粒子を作製する工程においても比較的良好に分散するためストランド切れの発生や、溶融樹脂の送り不安定などのトラブルの発生が少ない傾向がある。さらに均一な気泡で倍率バラツキが小さいポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られる傾向がある。該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて型内発泡成形して得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は良好な難燃性を示す。
炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールの添加量は、0.05重量%以上3重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.07重量%以上1重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以上0.7重量%以下である。 炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールの添加量が0.05重量%より少ないと、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の難燃性を向上させることが難しい場合がある。添加量が3重量%を超えては、難燃性が低下する傾向がある。
炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールとして、グリセリンを使用する場合、その添加量は、0.05重量%以上0.8重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.05重量%以上0.5重量%以下であり、最も好ましくは0.05重量%以上0.3重量%以下である。
ここで、ポリプロピレン系樹脂粒子、およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子中の炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールの含有量は、ELSD(エバポレート光散乱)を検出器とするHPLC装置(例えば、島津製作所製高速液体クロマトグラフ:プロミネンス高圧グラジエントシステム)を用いて定量することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子には、カーボンブラック、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール以外に必要に応じて、発泡核剤、親水性物質、相溶化剤、帯電防止剤、着色剤、安定剤、耐候剤、難燃剤などの各種添加剤を使用することが出来る。
発泡核剤は、発泡の時に気泡核の形成を促す物質をいい、たとえば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ゼオライト等の無機物質、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウムなどの脂肪酸金属塩などが挙げられ、これらを単独、或いは、2種以上を併用することが出来る。これらの中でも、タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムが好ましい。更に粒径分布がシャープであることが望ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を向上させるために、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール以外の親水性物質を使用することも可能である。親水性物質とは、発泡粒子を製造する際に、樹脂中の含浸水分量を増加させる物質であり、具体例として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛等の水溶性無機物;メラミン、イソシアヌル酸、メラミン・イソシアヌル酸縮合物等の吸水性有機物;ポリエチレングリコール、およびセチルアルコール、ステアリルアルコールといった炭素数12以上18以下の脂肪アルコール類、等の親水性重合体が挙げられる。中でも、ポリエチレングリコール、メラミンが好適である。
ポリプロピレン系樹脂は、通常、発泡に利用しやすいようにあらかじめ押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体上等のような所望の粒子形状のポリプロピレン系樹脂粒子とする。ポリプロピレン系樹脂粒子の平均粒重量は、0.5〜3.0mgが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0mg、更に好ましくは0.5〜1.5mgである。この際に、カーボンブラック、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール、その他必要に応じて添加する添加剤を一緒に溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂粒子とすることが好ましい。カーボンブラック、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール、その他必要に応じて添加する添加剤は、そのまま添加してもよいし、予め10%以上60%以下の濃度のマスターバッチにして添加してもよい。
上記のようにして得たポリプロピレン系樹脂発泡粒子を密閉圧力容器において発泡剤とともに内容物を攪拌流動させながら水等の分散媒に分散させ、ポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上、具体的にはポリプロピレン系樹脂の融点−10℃〜融点+10℃に加熱し、当該温度(以下、発泡温度と称す場合がある)にて一定時間保持して、しかる後、容器の一端を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながらポリプロピレン系樹脂粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出してポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させ、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
発泡剤としては、例えば、ブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロブタン、シクロペンタンなどの脂肪族炭化水素、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水などの無機物質などを用いることができ、これらの中から2つ以上を併用しても用いても良い。なお、水を発泡剤として用いる場合は、発泡剤を得る際に用いる分散媒の水を利用できる。
発泡剤の使用量は、得ようとする発泡粒子の発泡倍率や発泡温度との関係で適宜調節されるものであるが、加熱中、又は加熱後に発泡温度で1.5〜7MPa(G)の圧力範囲となるように容器内に圧入する、あるいは発泡温度にて該圧力を示すような量を予め加熱前に仕込んでおくことが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒に分散させ、発泡温度に加熱する場合の樹脂粒子相互の融着を防止するために分散剤を用いることができる。このような分散剤としては、例えば、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどが挙げられる。分散剤の平均粒径に特に制限はないが、0.001以上50μm以下が好ましく、より好ましくは0.01μm以上20μm以下である。0.001μm未満の場合ハンドリングしにくくなる場合があり、50μmを超えると分散剤としての性能が低下する傾向にある。
分散剤の添加量は、発泡温度、発泡剤の添加量、発泡剤の種類によりポリプロピレン系樹脂粒子相互の融着を防止するよう適宜調整されるものであるが、一般的にはポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対し、0.01重量部以上5重量部以下が好ましい。0.01重量部未満では分散剤としての性能が低下しポリプロピレン系樹脂粒子同士の融着が見られる場合があり、5重量部を超えても融着防止性能の大きな向上は見られない。
また、分散剤とともに、分散助剤を併用することが出来る。分散助剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、n−パラフィンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、脂肪酸ジエタノールアミドなどの界面活性剤などが挙げられ、これらの1種または2種以上を好適に使用することができる。
このような分散助剤の添加量は、発泡温度、発泡剤の添加量、発泡剤の種類、分散剤の種類や添加量により適宜調節されるものであるが、一般的にはポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対し、0.001重量部以上2重量部以下が好ましい。0.001重量部未満では分散助剤としての性能が低下し樹脂粒子の融着が見られる場合があり、2重量部を超えても融着防止性能の大きな向上は見られない。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の作製方法に特に制限はないが、次のような公知の方法により作製することができる。すなわち、ポリプロピレン系樹脂、カーボンブラック、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールと必要に応じて各種添加剤とを溶融混練することによって得られる。ポリプロピレン系樹脂粒子を、必要に応じて分散剤、分散助剤とともに、密閉容器内にて発泡剤とともに分散媒に、分散せしめ、密閉容器の温度を上昇させ、該ポリプロピレン系樹脂粒子をポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度とするが、必要に応じて昇温前、昇温中、昇温後のいずれかの少なくとも1つの段階で発泡剤を圧入する。ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度で分散媒とともにポリプロピレン系樹脂粒子を上記密閉容器内より低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
なお、上記密閉容器内より低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出する際は、密閉容器内の圧力が低下しないように、例えば、窒素、空気、二酸化炭素などの無機ガスにより保圧することが好ましい。
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、そのまま型内発泡成形に供することもできるが、空気、窒素等の無機ガスにてポリプロピレン系樹脂内に内圧を付与し、加熱することによって、更に発泡倍率を大きくするいわゆる二段発泡法を行ってもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、必要に応じて空気、酸素、窒素、二酸化炭素、あるいはこれらの中から選んだ複数の混合ガスである無機ガスにより加圧熟成して粒子内に所定の内圧を付与した後、閉鎖し得るが密閉し得ない成形用の型内に該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子をそのまま、もしくは加圧圧縮状態で充填し、おおむねポリプロピレン系樹脂の融点付近の温度の水蒸気によりポリプロピレン系樹脂発泡粒子を加熱して粒子相互を融着せしめ、しかる後冷却することによって成形体を得る、型内発泡成形法によって得ることができる。
得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は、5g/L以上200g/L以下であることが好ましく、より好ましくは、10g/L以上150g/L以下である。当該範囲であると、気泡の破裂による機械的強度の低下が起きずに軽量化できるため、好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体は難燃性に優れる。具体的には、本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体はFMVSS302に定められる燃焼試験法にて自己消火性または遅燃性を示す。FMVSS302に定められる燃焼試験法は以下のようにして行う。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から365mm×102mm×12mmの試験片を切り出し、試験片の長手方向の一端側(a側)から、38mmをA標線、A標線から254mmをB標線とし、他端側をクランプ等で試験片が水平になるように保持する。バーナーの口が試験片下面の下19mm、炎の高さが38mmとし、試験片の一端(a側)端部に炎を15秒間あてた後バーナーの炎を消し、炎がA標線に達したときストップウオッチで時間の測定を開始し、炎がA標線に達する前に、あるいはA標線を通過後60秒後以内、50mm以内で消火する場合を、自己消火性があるとし、A標線を超えB標線に至るまで、あるいはB標線に至らない場合はA標線を越え消火するまでの燃焼速度が100mm/分以下である場合を遅燃性とする。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、軽量で熱変化が小さいことから、包装材、緩衝材、断熱材、建築資材、自動車用部品等の広範な用途に用いることができる。
次に、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子、および該ポリプロピレン系樹脂粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関して、実施例を挙げて更に詳細に説明する。なお、「部」「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
<発泡倍率>
200mlのメスシリンダーにエタノールを入れ、その後重量を精秤したポリプロピレン系樹脂発泡粒子を投入し、体積の増分をメスシリンダーで読み取り、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の密度を算出する。ポリプロピレン系樹脂の密度を0.9g/mlとして、ポリプロピレン系樹脂粒子の密度をポリプロピレン系樹脂発泡粒子の密度で割り、発泡倍率とした。
<成形体密度>
成形体の縦、横、厚みの寸法を測定し、重量を測定して密度を算出した。
<難燃性>
成形体から365mm×102mm×12mmの試験片を切り出し、FMVSS302に定められる燃焼試験を行った。即ち、試験片の長手方向の一端側(a側)から、38mmをA標線、A標線から254mmをB標線とし、他端側をクランプ等で試験片が水平になるように保持した。バーナーの口が試験片下面の下19mm、炎の高さが38mmとし、試験片の一端(a側)端部に炎を15秒間あてた後バーナーの炎を消し、炎がA標線に達したときストップウオッチで時間の測定を開始し、次の基準で評価した。
◎:炎がA標線に達する前に、あるいはA標線を通過後60秒後以内、50mm以内で消火する(自己消火)
○:A標線を超えB標線に至るまで、あるいはB標線に至らない場合はA標線を越え消火するまでの燃焼速度が100mm/分以下である
×:A標線を超えB標線に至るまで、あるいはB標線に至らない場合はA標線を越え消火するまでの燃焼速度が100mm/分を超える
(実施例1〜12)
<ポリプロピレン系樹脂粒子の作製>
ポリプロピレン系樹脂、カーボンブラック、炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール、および樹脂添加剤を表1記載の量となるように混合した。この混合物を50mmφの押出機にて投入し、溶融混練するとともに、ストランド状に吐出させ、水冷した後ペレタイザーでカッティングし、ポリプロピレン系樹脂粒子を得た。なお、カッティングの際に、このポリプロピレン系樹脂粒子の粒子重量が1.2mg/粒となるように調節した。
<ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の作製>
上記記載の方法で作製したポリプロピレン系樹脂粒子100重量部を表1記載の量の分散媒、分散剤、分散助剤とともに10リットル圧力容器に仕込み、その後所定温度に加熱した。この際、加熱前から所定温度に達するまでの間、また、必要に応じて所定温度に達した後に、発泡剤を表1記載の圧力となるように仕込んだ。その後、容器内圧力を窒素ガスで保持しつつ、圧力容器下のバルブを開いて圧力容器の内容物を大気下に放出し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た。得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を表1に示す。その後、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を別の圧力容器に仕込み、空気を圧入してポリプロピレン系樹脂発泡粒子に所定の量の空気内圧を付与し、その後攪拌機能を備えた圧力容器に投入した後、攪拌しながら所定圧力の水蒸気を吹き込み、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子よりも発泡倍率が大なるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た。この二段発泡したポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を表1に示す。
<ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体作製工程>
次に得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を別の圧力容器に仕込み、空気を圧入して該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子に0.2MPaの内圧を付与した。
内圧を付与したポリプロピレン系樹脂発泡粒子を400mm×300mm×120mmの金型に充填し、0.3MPaの水蒸気で10秒間加熱し、融着させて型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の特性を表1に示す。
Figure 0005410157
(比較例1〜3)
実施例1〜11と同様にして、表1記載の内容で型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体を表1に示す。

Claims (3)

  1. カーボンブラック0.1重量%以上10重量%以下、および炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコール0.05重量%以上3重量%以下を含有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
    該ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体がFMVSS302に定められる燃焼試験法にて自己消火性または遅燃性を示すことを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  2. 成形体密度が5g/L以上200g/L未満である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  3. 炭素数3以上6以下でかつ水酸基を3個以上有する多価アルコールが、グリセリンである請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
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