JP2001198940A - 熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法

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JP2001198940A
JP2001198940A JP2000008799A JP2000008799A JP2001198940A JP 2001198940 A JP2001198940 A JP 2001198940A JP 2000008799 A JP2000008799 A JP 2000008799A JP 2000008799 A JP2000008799 A JP 2000008799A JP 2001198940 A JP2001198940 A JP 2001198940A
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thermoplastic resin
resin
foamed
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Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱効率がよく、短時間に、発泡粒子相互の接
着強度が強く、ひいては得られた発泡成形体の機械的強
度が強く、また、衝撃を与えたり引っ張ったりしても容
易に分解しない熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂予備発泡体を、蒸気孔を有
する閉鎖し得るが密閉し得ない金型に充填し、予熱用水
蒸気で該熱可塑性樹脂予備発泡体と該金型を予熱し、つ
いで融着用水蒸気で該熱可塑性樹脂予備発泡体同士がた
がいに融着する温度以上の温度に加熱し熱可塑性樹脂型
内発泡成形体を製造する方法において、融着用水蒸気と
して常圧過熱水蒸気を使用することを特徴する熱可塑性
樹脂型内発泡成形体の製造方法を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂型内
発泡成形体の製造方法に関し、さらに詳しくは、熱効率
がよく、短時間に、発泡粒子相互の接着強度が強く、ひ
いては得られた発泡成形体の機械的強度が強く、また、
衝撃を与えたり引っ張ったりしても容易に分解しない熱
可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法に関する。そし
て、本発明によって作られた発泡成形体は、保温材、保
冷材、断熱材、クッション材、緩衝材、包装材、梱包
材、浮揚材、容器、建材、床材、水質浄化材、濾過材、
透水材、部品、農業用資材、漁業用資材、スポーツ用
材、車両用材等として利用される。特に生分解性樹脂を
素材として用いた場合には、廃棄処理が容易であり、環
境問題、公害問題の解決の一助となる。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂の予備発泡
ビーズ(ビーズは粒子と同義語であり、以降、粒子と記
載することもある。なお、ビーズの構造は、単層構造の
ものと二層構造のものがある。)を金型内に充填し水蒸
気で加熱し発泡させて、隣接する発泡粒子間の間隙を埋
め、且つ発泡粒子相互を密に融着させて、金型通りの形
状の発泡成形体を得る方法は、広く知られ実施されてい
る。かかる型内発泡成形方法で作られる発泡成形体は、
また、従来の熱可塑性樹脂に発泡剤を配合した発泡性樹
脂組成物を押出機のダイから押し出して作られた単純な
形状の発泡シートや低発泡度の成形体と比較して、形状
が複雑なもの、肉厚の厚いもの、大型のもの、高発泡率
のもの、空隙を有するもの、傾斜性能を有するもの等多
種多様であった。そして、近年、かかる発泡成形体は、
保温材、保冷材、断熱材、クッション材、緩衝材、包装
材、梱包材、浮揚材、容器、建材、床材、水質浄化材、
濾過材、透水材、部品、農業用資材、漁業用資材、スポ
ーツ用材、車両用材等の幅広い分野で活用されている。
また、近年、これら合成樹脂発泡体の需要は、年々増加
する傾向にあり、このため廃棄される量も年々増加し
て、環境問題、公害問題として、大きく社会的にクロー
ズアップされてきており、廃棄合成樹脂発泡体を再生利
用するには、社会的規模の様々な対応が求められ、一
方、焼却処分するには、有害ガスの発生防止、高熱発生
による焼却炉の劣化防止など、山積されている問題が多
く、廃棄処理が容易である発泡体の開発が強く望まれて
きたので、最近では、生分解性樹脂を素材として用いた
予備発泡粒子を金型内に充填し、水蒸気で加熱し発泡成
形体を作る方法が開発されてきた。
【0003】これらの多様な熱可塑性樹脂型内発泡成形
体を製造する方法としては、熱可塑性樹脂予備発泡体
を、金型に充填し予熱し、飽和水蒸気で該熱可塑性樹脂
予備発泡体同士が互いに融着する温度以上の温度に加熱
し熱可塑性樹脂型内発泡成形体を製造する方法が広く行
われている。飽和水蒸気を使用している理由は、ボイラ
ーで低コストのものが容易に得られ、また、飽和水蒸気
の温度と圧力は、相関関係にあるため、温度のコントロ
ールを圧力のコントロールで容易に行うことが出来るか
らである。しかしながら、かかる飽和水蒸気を使用する
方法においては、一般的に、高圧(5〜8kg/c
)水蒸気が小口径(2.5〜3インチ)の配管の途
中に付けられた減圧弁によって低圧(0.7〜1.0k
g/cm)水蒸気に減圧されているが、減圧水蒸気
は、配管内の容積が小さいので体積膨張する余地がなく
高温(約158〜176℃)の過熱水蒸気となり、これ
が予備発泡体粒子の充填された金型内に供給されると、
過熱水蒸気が金型に入る付近の予備発泡体粒子は、融解
し、過熱水蒸気が内部にある予備発泡体粒子まで透過す
ることが困難となり、又、その熱容量は、予備発泡体粒
子が充填された金型全体を一様に加熱できるほど容量が
ないうえ、金型内で一部分の予備発泡体粒子の加熱に消
費され不均質な温度分布が生じる結果となり、予備発泡
体粒子の融着不足又は不均質な融着を引き起こすなど品
質むらの原因となっている。また、水蒸気圧力の調整
は、成形金型内で検出した圧力値をフィードバックさせ
ることにより水蒸気弁の開度を調整して行うことが多
く、金型内は水蒸気弁から遠い場所にあるので応答性が
悪く、フィードバックされた信号に基づいて水蒸気弁を
制御しても金型内は、既に所定の圧力値よりも高くなっ
てしまい、再び圧力値を下げて調圧する必要があり、こ
の圧力値の上げ下げを何度も繰り返した後、ようやく所
定圧力に達することが出来るというもので、調圧に長時
間を要するという問題点があり、また、成形金型内で検
出した圧力値をフィードバックした波形は、波打ちが大
きいために、短時間に正確に制御することが難しく、水
蒸気の供給量を変える必要があるような場合に、迅速に
安定状態へ調整することができないという問題点があっ
た。上記のように、高圧水蒸気を最初から使用しない
で、低圧(0.7〜1.0kg/cm)の飽和水蒸気
(約115〜121℃)を使用することも考えられる
が、金型内の温度が外気により低下しやすく、この場合
には、予備発泡体粒子の表面に水蒸気が凝縮し水膜を生
じ、これが予備発泡体粒子相互の接着を弱め発泡成形体
の機械的強度を弱くする可能性がある。特に、生分解性
樹脂を素材として使用した場合は、水を発泡剤として使
用していることが有り、生分解性樹脂は、水分をおびや
すいので、予備発泡体粒子相互の接着が弱くなる傾向が
あり問題となっている。上記のような問題点を解決する
ために、特開平10−58474号、特開平10−10
9363号公報等が提案されているが、前者の方法は、
水蒸気のコントロール条件が複雑であり、後者の方法
は、生分解性樹脂を素材とした予備発泡体粒子相互の接
着力を増すために、表面を水性接着剤で被覆するもので
あるが、耐水性や生分解性が不十分となり本質的な解決
策とはなっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
熱可塑性樹脂予備発泡体粒子を金型内で水蒸気で加熱し
発泡成形体を得る方法がもつ問題点を解消し、熱効率が
よく、短時間に、発泡粒子相互の接着強度が強く、ひい
ては得られた発泡成形体の機械的強度が強く、また、衝
撃を与えたり引っ張ったりしても容易に分解しない熱可
塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂予備発
泡体を、蒸気孔を有する閉鎖し得るが密閉し得ない金型
に充填し、予熱用水蒸気で該熱可塑性樹脂予備発泡体と
該金型を予熱し、ついで融着用水蒸気で該熱可塑性樹脂
予備発泡体同士がたがいに融着する温度以上の温度に加
熱し熱可塑性樹脂型内発泡成形体を製造する方法におい
て、融着用水蒸気として常圧過熱水蒸気を使用すると、
前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明によれば、(1)熱可塑
性樹脂予備発泡体を、蒸気孔を有する閉鎖し得るが密閉
し得ない金型に充填し、予熱用水蒸気で該熱可塑性樹脂
予備発泡体と該金型を予熱し、ついで融着用水蒸気で該
熱可塑性樹脂予備発泡体同士がたがいに融着する温度以
上の温度に加熱し熱可塑性樹脂型内発泡成形体を製造す
る方法において、融着用水蒸気として常圧過熱水蒸気を
使用することを特徴する熱可塑性樹脂型内発泡成形体の
製造方法が提供される。また、本発明によれば、(2)
予熱用水蒸気として常圧過熱水蒸気を使用することを特
徴する上記(1)記載の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の
製造方法が提供される。さらに、本発明によれば、
(3)常圧過熱水蒸気は、圧力が大気圧、温度が110
〜180℃、相対湿度が70〜90%であることを特徴
とする上記(1)又は上記(2)記載の熱可塑性樹脂型
内発泡成形体の製造方法が提供される。さらにまた、本
発明によれば、(4)熱可塑性樹脂予備発泡体は、ポリ
エチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から選択され
た熱可塑性樹脂のビーズを耐圧容器中で水中に分散さ
せ、攪拌しながら揮発性発泡剤を含浸させ、加圧、加熱
したのち、水分散物を低圧域に放出することにより製造
されたものであることを特徴とする、上記(1)記載の
熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、(5)熱可塑性樹脂予備発泡
体は、ポリスチレン系樹脂のビーズに発泡剤を含浸し水
蒸気による加熱により製造されたものであることを特徴
とする、上記(1)記載の熱可塑性樹脂型内発泡成形体
の製造方法が提供される。さらにまた、本発明によれ
ば、(6)熱可塑性樹脂予備発泡体は、水分の気化膨張
力を利用した水発泡により発泡されたセルロース・アセ
テート系樹脂発泡体であることを特徴とする、上記
(1)記載の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法が
提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】1.熱可塑性樹脂予備発泡体の準備 (1)熱可塑性樹脂 まず、熱可塑性樹脂を準備する。熱可塑性樹脂として
は、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
直鎖状低密度エチレン−αオレフィン共重合体、直鎖状
極低密度エチレン−αオレフィン共重合体、メタロセン
触媒を用いて製造されるポリエチレン系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金
属塩、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム
共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−ブテン1ランダム共重合体、プロピレン−エ
チレン−ブテン1ランダム共重合体、プロピレン−ヘキ
セン1ランダム共重合体、プロピレン−4メチルペンテ
ン1ランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4メチルペン
テン1重合体、ポリスチレン、ポリヒドロキシ酪酸及び
その誘導体、プルラン、セルロース−キトサン混合体、
セルロースやアミロースや木粉のエステル化合物、ポリ
エステル、ポリエステル−ナイロン共重合体、ポリエス
テル共重合体、ポリアミド、澱粉とポリエチレンとの混
合体、澱粉とポリビニルアルコール系樹脂との混合体、
ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル、ポリウレ
タン、セルロース・アセテート樹脂、ポリカプロラクト
ン及びこれらから選択されたものの混合物や混練物であ
る。本発明において、上記した熱可塑性樹脂には、本発
明の目的を損なわない範囲で、スチレンーブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンープロ
ピレンージエンターポリマー、ニトリルーブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ
素ゴム、アクリルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等を配合
してもよい。また、熱可塑性樹脂に、顔料、染料、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防かび剤、加工助
剤、滑剤、防曇剤、スリップ剤、帯電防止剤、導電剤、
難燃剤、熱安定剤等を配合してもよい。熱可塑性樹脂予
備発泡体は、単層構造のものと、二層構造(芯部と表層
部とからなる)のものとがあるが、上記の熱可塑性樹脂
は、単層構造のものの材料として、又は二層構造のもの
の芯部及び表層部の材料として使用される。上記の熱可
塑性樹脂は、それ自体で、又は他の成分を加えた樹脂組
成物として用いられる。
【0009】本発明で使用される熱可塑性樹脂材料とし
ては、前述したように、種々の熱可塑性樹脂が挙げられ
るが、これら樹脂の中で、好ましく用いることのできる
生分解性のセルロース・アセテート系樹脂及びセルロー
ス・アセテート系樹脂組成物を例にとり、更に詳細に説
明する。これらは、単層構造のセルロース・アセテート
系樹脂予備発泡体の材料や、二層構造のセルロース・ア
セテート系樹脂予備発泡体の芯部の材料として用いられ
る。セルロース・アセテート系樹脂中で主成分として含
まれるセルロース・アセテートは、通常、綿の実から得
られるリンター、又は木材パルプのセルロースに酢酸を
反応させることにより製造される。該セルロース・アセ
テートとしては、通常「酢酸セルロース」として市販さ
れているグレードのものならば何でもよいが、その中で
も、セルロースの酢酸エステル化度が、セルロースに結
合している酢酸の重量割合で表される酢化度でいって4
5%以上であるようなものがよく、特に酢化度が47〜
60%(セルロース1単位当たりの結合アセチル基の数
は1.9〜2.8)のものが好ましい。酢化度が45%
未満の場合には、溶融温度が高くなりすぎるため、安定
して発泡体に溶融成形することが困難となる。
【0010】セルロース・アセテートは、物性面では、
軟質又は中硬質のものがよく、表面硬度がロックウェル
硬さで、H=80〜100のもの、衝撃強度が20〜
30kg−cm/cmのものが好ましく用いられる。さ
らに、成形加工性の観点から、軟化して流動を始める軟
化点(流出温度)が150〜170℃のもの、ASTM
D 648に規定された荷重18.6kgf/cm
の条件での熱変形温度は、44〜55℃のものが好まし
く用いられる。一方、硬質のものでは、安定して発泡体
に溶融成形することが困難となる。本発明に用いられる
セルロース・アセテート系樹脂には、単に酢酸基をもつ
アセテートの他に、プロピオン酸或いは酪酸を混合使用
したセルロース・アセトプロピオネートや、セルロース
・アセトブチレートも含まれ、溶融点、吸水率、溶剤に
対する溶解性等の観点から酸の混合比率を適宜選択して
使用できる。
【0011】また、セルロース・アセテート系樹脂に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の生分解性樹
脂を配合することができる。配合してもよい他の生分解
性樹脂は、特に限定されるものではなく、一般に生分解
性樹脂として用いられているものならば何でも使用する
ことができ、具体的には、例えば、脂肪族ポリエステル
やポリカプロラクトンのような低融点の生分解性樹脂、
スターチ系生分解性樹脂、セルロース系生分解性樹脂な
どが挙げられる。これらの生分解性樹脂の中でも、脂肪
族ポリエステル、ポリカプロラクトン等の低融点の生分
解性樹脂は、加熱によりセルロース・アセテートを可塑
化する働きを示し、通常生分解性樹脂発泡体を製造する
際に必要な可塑剤を使用しなくとも済むため、特に好ま
しい。
【0012】本発明に用いられるセルロース・アセテー
ト系樹脂組成物の好ましい態様としては、セルロース・
アセテート系樹脂に、可塑剤(若しくは低融点の生分解
性樹脂)としてポリエチレングリコール、発泡調整剤と
してタルク、及び発泡剤としての水分を含有するものが
挙げられる。可塑剤(若しくは低融点の生分解性樹脂)
としてポリエチレングリコールのセルロース・アセテー
ト系樹脂組成物に対する配合量は、セルロース・アセテ
ート系樹脂100重量部に対して、0〜30重量部、好
ましくは、0〜20重量部の範囲である。ポリエチレン
グリコールは生分解性であるので特に望ましい。
【0013】一方、発泡調整剤としてのタルクのセルロ
ース・アセテート系樹脂組成物に対する配合量は、セル
ロース・アセテート系樹脂100重量部に対して、5〜
50重量部、好ましくは10〜30重量部の範囲であ
る。配合量が5重量部未満であると、タルクを配合した
効果が現れず、不均一で粗い発泡体が形成されやすく、
一方50重量部を超えると、タルクの2次凝集が起こり
やすくなるため、やはり不均一で粗い発泡体が形成され
やすくなる。タルクを用いると均一でかつ高度に発泡し
た発泡体が容易に得られる。発泡剤としての水分の配合
割合は、セルロース・アセテート系樹脂100重量部に
対して、水分が3〜100重量部、好ましくは5〜50
重量部である。
【0014】本発明のセルロース・アセテート系樹脂発
泡体においては、さらに必要に応じて、上記のポリエチ
レングリコール以外の可塑剤を配合してもよい。可塑剤
を添加する目的の一つは、セルロース・アセテート系樹
脂に、可塑剤を添加すると、セルロース・アセテート系
樹脂中の水分の沸点が上昇するため、発泡体が緻密かつ
均一となる働きもあることである。可塑剤は、必要に応
じて、セルロース・アセテート系樹脂100重量部に対
して、0〜30重量部の範囲で適宜添加される。
【0015】他の可塑剤として、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド又は両者の混合物を原料として開
環重合して製造される、ポリプロピレングリコール又は
ポリアルキレングリコールも好ましく用いられる。その
他の可塑剤として、例えば、ポリメチレングリコール、
グリセリン類などの多価アルコール類;フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジアミン、フタル酸ジメトキシエチ
ルなどのフタル酸エステル;リン酸トリブチル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステ
ル;セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル;アジピン酸ジ
オクチル、アジピン酸ブチルオクチル、アジピン酸ブチ
ルベンジル等のアジピン酸エステル;クエン酸トリブチ
ル、クエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸アセ
チルトリブチル、クエン酸アセチルトリオクチルなどの
クエン酸エステル;酒石酸ジイソブチル、ステアリン酸
ブチル、オレイン酸ブチル、大豆油、ひまし油、樟脳な
どが挙げられる。
【0016】さらに、上記セルロース・アセテート系樹
脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記
した以外の他の添加剤等を配合してもよく、例えば、熱
安定剤、発泡調整剤、発泡助剤、増量材等が挙げられ
る。なかでも、酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、珪酸カルシウム等の無機系微粒
子、セルロース粉末、キチン、キトサン、木粉、ステア
リン酸金属塩等の有機系微粒子などの発泡調整剤、さら
に発泡性を向上させたり、発泡体製造時に副生される酸
性物質を中和させると共にガスを発生させる目的で、例
えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子
を併用してもよい。また、増量材として、オカラ、木
粉、麩(小麦の皮)、米粉、古紙等を添加することもで
きる。
【0017】また、二層構造のセルロース・アセテート
系樹脂予備発泡体においては、その表層部に用いられる
低融点の生分解性樹脂は、脂肪族ポリエステル又はポリ
カプロラクトンから選ばれる少なくとも1種の化合物が
特に望ましく、芯部のセルロース・アセテート系樹脂発
泡体の表層部にコーティングされて、予備発泡体粒子間
の接着効果やバインダー効果に寄与するものである。脂
肪族ポリエステルとしては、前記セルロース・アセテー
ト系樹脂の軟化点より低い温度の融点を有し、かつ生分
解性である必要があって、非水溶性のものが好ましく用
いられ、例えば、グリコールと脂肪族ジカルボン酸との
ポリエステルなどが挙げられる。このグリコールと脂肪
族ジカルボン酸とのポリエステルの市販品としては、例
えば、昭和高分子株式会社製造販売の「ビオノーレ」
(商品名)がある。
【0018】また、ポリカプロラクトンも、前記セルロ
ース・アセテート系樹脂の軟化点より低い温度の融点を
有し、かつ生分解性であり、非水溶性でもある。ポリカ
プロラクトンの市販品としては、例えば、日本ユニカー
株式会社販売の「トーン」(商品名)がある。
【0019】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルや
ポリカプロラクトンは、低融点であるため、可塑剤を使
用しなくとも可塑化でき、押出しが可能であるばかりで
なく、さらに好都合なことには、非水溶性であるため、
通常生分解性樹脂発泡体を製造する際に使用される水溶
性可塑剤によって起こる水分との接触による可塑剤の溶
出といった弊害をも回避することができる。本発明にお
いて、表層部樹脂成分として用いられる低融点の生分解
性樹脂、すなわち脂肪族ポリエステルやポリカプロラク
トンの使用量は、芯部樹脂成分として用いられるセルロ
ース・アセテート系樹脂100重量部に対して、概ね2
〜30重量部、好ましくは5〜15重量部の範囲であ
る。使用量が2重量部未満であると、発泡体表層部を低
融点の生分解性樹脂層で十分にコーティングすることが
できず、熱賦形時、発泡体間の接着効果やバインダー効
果に不足を来すことがあり、得られた成型品の機械的強
度が不足する。一方、30重量部を超えると、比較的高
コストに成り易いことの他、得られた成型品の耐熱性等
に支障を来たすようになりがちである。
【0020】(2)熱可塑性樹脂予備発泡体の製造方法 かかる熱可塑性樹脂を用いて、単層構造の熱可塑性樹脂
予備発泡体を製造する方法としては、例えば、熱可塑性
樹脂を押出機中で発泡剤と混練して押出し、押出機のノ
ズルを出たのち放圧して発泡させてから(オプションと
して放射線照射を行ってもよい)切断して得る方法、熱
可塑性樹脂を押出機中で有機過酸化物及び発泡剤と混練
して押出し、押出機のノズルを出たのち放圧して発泡さ
せてから切断して得る方法、有機過酸化物又は放射線で
架橋した熱可塑性樹脂に発泡剤を混合したのち加熱して
架橋熱可塑性樹脂発泡物を得てこれを切断して得る方
法、熱可塑性樹脂粒子を分散剤を含む水懸濁系に収容し
界面活性剤を用いて有機過酸化物を微細に分散させたも
のを添加して、加熱し架橋反応を行うことにより架橋熱
可塑性樹脂粒子を得たのち、これに発泡剤を含有させ加
熱発泡することにより得る方法、熱可塑性樹脂粒子に有
機過酸化物を微細に分散させたものを添加してソーキン
グを十分行い、加熱し架橋反応を行うことにより架橋熱
可塑性樹脂粒子を得たのち、これに発泡剤を含有したの
ち加熱発泡することにより得る方法、耐圧容器内におい
て熱可塑性樹脂粒子を水等の分散液、発泡剤、分散剤等
とともに、熱可塑性樹脂粒子が軟化する温度前後の温度
下で攪拌しながら加熱して、熱可塑性樹脂粒子に発泡剤
を含浸させてから、容器の一部を解放して熱可塑性樹脂
粒子と分散液とを容器内よりも低圧の雰囲気中に放出す
る方法、懸濁重合して得た発泡剤を含有するポリスチレ
ン、スチレングラフトポリプロピレン、スチレングラフ
トポリエチレン等の発泡性樹脂粒子を水蒸気で予備発泡
する方法等がある。
【0021】以上の方法では、得られる熱可塑性樹脂予
備発泡体は、単層構造であるが、次に二層構造の熱可塑
性予備発泡体の製造方法について説明する。二層構造の
熱可塑性予備発泡体は、芯部と該芯部を囲繞する表層部
とからなり、芯部は、発泡剤により発泡された熱可塑性
樹脂発泡体層からなり、一方、表層部は、熱可塑性樹脂
層からなる二層構造の熱可塑性予備発泡体を得る方法と
しては、芯部用として熱可塑性樹脂と発泡剤(オプショ
ンとして有機過酸化物を架橋剤として配合してもよい)
を押出機中で加熱混練して10%以下の低発泡体又は1
0%以上の発泡体層となりうる発泡性樹脂組成物とし、
表層部用として熱可塑性樹脂を押出機中で加熱混練し、
かつ、芯部と表層部は、二重管方式の押出ノズル又はダ
イから同時に吐出、融合一体化され、しかる後、切断し
てビーズ状、ペレット状、紐状、円筒状、円柱状、楕円
状、球状、立方体状、直方体状、瓢箪状、繭状、星形等
の形状又は任意の形状にする方法、芯部用として有機過
酸化物又は放射線で架橋した熱可塑性樹脂と発泡剤を押
出機中で加熱混練して10%以下の低発泡体又は10%
以上の発泡体層となりうる発泡性樹脂組成物とし、表層
部用として熱可塑性樹脂を押出機中で加熱混練し、か
つ、芯部と表層部は、二重管方式の押出ノズル又はダイ
から同時に吐出、融合一体化され、しかる後、切断して
ビーズ状、ペレット状、紐状、円筒状、円柱状、楕円
状、球状、立方体状、直方体状、瓢箪状、繭状、星形等
の任意の形状にする方法等がある。これらの寸法は、特
に限定されないが、金型内にパイプを通して気体で流動
させ充填するために、直径又は辺は0.1〜20mm、
好ましくは1〜5mmであり、また金型内に人手又はオ
ートハンドで充填する場合は、長い寸法のものであって
もよい。熱可塑性樹脂予備発泡体のかさ密度は、5〜7
00g/L好ましくは10〜200g/Lである。
【0022】本発明において、二層構造の熱可塑性予備
発泡体として好ましく用いられる、芯部と該芯部を囲繞
する表層部とからなるセルロース・アセテート系樹脂予
備発泡体の望ましい製法は、前方に内管と外管とからな
る二重管方式の押出ノズル等を有する押出成形装置を用
いて、内管に連導した容器内に、前記のセルロース・ア
セテート系樹脂と発泡剤としての水分とを含有する発泡
性セルロース・アセテート系樹脂組成物を、押出成形す
ると同時に水分の気化膨張力により発泡させて芯部を形
成させ、一方、外管に連導した容器内には、低融点の生
分解性樹脂からなる表層用樹脂組成物を投入し、この表
層用樹脂組成物をセルロース・アセテート系樹脂組成物
の吐出と同時に押出ノズル等から押し出して、表層部を
形成させて、芯部と表層部とが融合一体化させることに
より製造される。
【0023】そのため、本発明のセルロース・アセテー
ト系樹脂予備発泡体は、次の特徴を有している。 1)水によって発泡させている。 2)素材がすべて生分解性であるため、汎用プラスチッ
ク発泡体に比べて様々な廃棄処理に対処できる。 3)スターチ系の生分解性樹脂予備発泡体などに比べて
雰囲気湿度によって衝撃性能が変動しなくて、強度的に
優れている。 4)表面平滑性に優れている。 5)押出ノズル等が二重管方式のため、芯部と表層部の
厚みを自在に調整できる。
【0024】さらに、前記したように、本発明のセルロ
ース・アセテート系樹脂予備発泡体は、発泡体の表層部
に低融点の生分解性樹脂、すなわち脂肪族ポリエステル
やポリカプロラクトンがコーティングされているため、
発泡体間の接着効果やバインダー効果を有し、熱賦形等
の二次成形が容易にできることを特徴としている。ここ
で、発泡体表層部とは、発泡体の短軸方向の切断面積を
円に換算したとき、直径の外側部分で数mm以内の部分
を指す。表面が実質的に低融点の生分解性樹脂からなる
層でコーティングされているので、熱賦形等の二次成形
において、溶融、相互融着することが容易となって、成
形加工性が更によくなる。このように、低融点の生分解
性樹脂が発泡体の表層部にコーティングされることによ
って、曲げ強度等の機械的強度が優れた型内発泡体成形
品が得られる。
【0025】また、単層又は二層構造の熱可塑性予備発
泡体を製造するとき使用される発泡剤としては、プロパ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロブタン、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエー
テル、シクロペンタン、クロロジフルオロメタン、ジフ
ルオロメタン、トリフルオロメタン、トリクロロフルオ
ロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロメタン、
ジクロロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフルオロ
エタン、ジクロロフルオロエタン、クロロフルオロエタ
ン、ジクロロペンタフルオロエタン、テトラフルオロエ
タン、ジフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、トリ
フルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジク
ロロテトラフルオロエタン、クロロペンタフルオロエタ
ン、パーフルオロシクロブタン、空気、窒素ガス、炭酸
ガス、アルゴンガス、水、水蒸気、アゾジカルボンアミ
ド、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、N,N´
−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´−ジ
メチル−N,N´−ジニトロソテレフタルアミド、ジニ
トロソペンタジエン、ジアゾアミノベンゼン、1.1´
−アゾビスホルムアミド、P−トルエンスルホニルヒド
ラジド、4.4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)、4.4´−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド)、トリヒドラジノトリアジン等が挙
げられる。これらの内、特にペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロブタン、窒素ガス、炭酸ガス、水、水蒸
気、アゾジカルボンアミド、4.4´−オキシビス(ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド)等が好ましい。また、そ
の使用量は、特に限定はなく、所望の熱可塑性樹脂予備
発泡体の発泡度に応じて適宜使用すればよく、通常、熱
可塑性樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ま
しくは5〜20重量部である。
【0026】本発明において、熱可塑性樹脂予備発泡体
を製造するとき使用する分散剤としては、例えば第3リ
ン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネ
シウム等が挙げられ、また分散助剤としては、例えばド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスル
ホン酸ソーダ等が挙げられる。かかる分散剤や分散助剤
の使用量は、その種類や熱可塑性樹脂粒子の種類、寸
法、量等によって異なるが、通常、水100重量部に対
して分散剤の場合0.1〜5重量部、分散助剤の場合
0.001〜0.5重量部である。
【0027】このようにして得られた熱可塑性樹脂予備
発泡体の形状は、ビーズ状、ペレット状、紐状、円筒
状、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状、瓢箪
状、繭状、星形等が代表的なものであり、押出機のダイ
の断面の形状や押出物の切断方法によっては、更に様々
な形状の熱可塑性樹脂樹脂予備発泡体を得ることが出来
る。熱可塑性樹脂樹脂予備発泡体は、通常、室温、大気
圧下に放置したり、更に、水蒸気、空気、炭酸ガス、窒
素ガス、プロパンガス、ブタンガス、ペンタンガス等で
加圧圧縮してもよく、必要に応じて熱風乾燥したりして
予備発泡体内圧を大気圧に安定させてもよい。その後、
上記のようにして得られた熱可塑性樹脂予備発泡体は、
型内発泡成形に供せられる。
【0028】2.熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造装
置及びその製造方法 本発明において使用する熱可塑性樹脂型内発泡成形体の
製造装置は、従来から使用されているものでよく、例え
ば、図1に示すような構造及び配置となっている。図1
では、雄型金型3と雌型金型4は、対向しており、雄型
金型3は固定され、雌型金型4は、シリンダー9を移動
することにより、本発明で得られる熱可塑性樹脂型内発
泡成形体と同一な形状のキャビティ6を形成することが
できる。
【0029】熱可塑性樹脂予備発泡体投入口1からビー
ズ状のような流動性の熱可塑性樹脂予備発泡体が熱可塑
性樹脂予備発泡体導入パイプ2を通してキャビティ6に
充填される。紐状の流動性の悪いものは、人手による
か、オートハンドによって充填する。雄型金型3と雌型
金型4には、蒸気孔5が多数構成する板を貫通して設け
られている。蒸気孔5の直径は、0.01〜5mm、好
ましくは0.05〜2mmであり、蒸気孔5の数は、1
〜30個/cm、好ましくは2〜5個/cmであ
る。蒸気孔5は、キャビティ6に充填された熱可塑性樹
脂予備発泡体を予熱し、熱融着させる予熱用水蒸気や融
着用水蒸気の供給用通路として、また、雄型金型3や雌
型金型4の予熱用水蒸気、乾燥用気体の供給用通路とし
ても用いられる。チャンバーA及びチャンバーBは、雄
型金型3、雌型金型4、キャビティ6内の熱可塑性樹脂
予備発泡体や熱可塑性樹脂型内発泡成形体等を予熱、乾
燥、融着、脱気等を行わすための水蒸気、空気、不活性
ガス等を通過、貯蔵、排除等を行わせる機能を有する。
シリンダー9は、チャンバーBや雌型金型4を左方向に
移動させ雄型金型3と雌型金型4を閉鎖しキャビティ6
を形成させる。
【0030】チャンバーA用蒸気導入口10から、雄型
金型3やキャビティ6内の熱可塑性樹脂予備発泡体や熱
可塑性樹脂型内発泡成形体等を予熱したり、融着させる
水蒸気が供給される。乾燥用気体が必要とされる場合に
は、チャンバーA用蒸気導入口10から供給してもよ
い。チャンバーA用水導入口11から、雄型金型3やキ
ャビティ6内の熱可塑性樹脂型内発泡成形体等を冷却さ
せる水が供給される。
【0031】チャンバーB用蒸気導入口12から、雌型
金型4やキャビティ6内の熱可塑性樹脂予備発泡体や熱
可塑性樹脂型内発泡成形体等を予熱したり、融着させる
水蒸気が供給される。乾燥用気体が必要とされる場合に
は、チャンバーB用蒸気導入口12から供給してもよ
い。チャンバーB用水導入口13から、雌型金型4やキ
ャビティ6内の熱可塑性樹脂型内発泡成形体等を冷却さ
せる水が供給される。チャンバーAからのドレイン排出
口14は、チャンバーA内やキャビティ6内で発生した
ドレインを排出するためのものである。
【0032】チャンバーAの脱気口15は、チャンバー
A、雄型金型3、雌型金型4、キャビティ6、キャビテ
ィ6内の熱可塑性樹脂予備発泡体や熱可塑性樹脂型内発
泡成形体等を乾燥したり、脱水したり、気体や水蒸気を
排除するためのものである。チャンバーAからのドレイ
ン排出口16は、チャンバーA内やキャビティ6内で発
生したドレインを排出するためのものである。チャンバ
ーBからのドレイン排出口16は、チャンバーB内やキ
ャビティ6内で発生したドレインを排出するためのもの
である。
【0033】チャンバーBの脱気口17は、チャンバー
B、雌型金型4、キャビティ6、キャビティ6内の熱可
塑性樹脂予備発泡体や熱可塑性樹脂型内発泡成形体等を
乾燥したり、脱水したり、気体や水蒸気を排除するため
のものである。チャンバーA用蒸気導入口10、チャン
バーA用水導入口11、チャンバーB用蒸気導入口1
2、チャンバーB用水導入口13、チャンバーAからの
ドレイン排出口14、チャンバーAの脱気口15、チャ
ンバーAからのドレイン排出口16、及びチャンバーB
の脱気口17等には、流量調節用バルブが設けられてい
る。本発明において、閉鎖し得るが密閉し得ない金型と
は、雄型金型3と雌型金型4を完全に会合させた状態を
意味し、すなわち、キャビティ6は、閉鎖されており、
雄型金型3と雌型金型4には、蒸気孔5が多数あるの
で、密閉されてない状態となっており、型内発泡成形を
可能とする。
【0034】なお、図1において、熱可塑性樹脂予備発
泡体導入パイプ2とシリンダー9の位置を相互に置き換
えても、本発明の熱可塑性樹脂型内発泡体を製造するこ
とができる。また、チャンバーA用蒸気導入口10とチ
ャンバーA用水導入口11、チャンバーB用蒸気導入口
12とチャンバーB用水導入口13、チャンバーAから
のドレイン排出口14とチャンバーAの脱気口15、チ
ャンバーAからのドレイン排出口16とチャンバーBの
脱気口17は、それぞれのパイプ2本を合流させ1本の
パイプとしてチャンバーAやチャンバーBに接続されて
いるが、それぞれのパイプ2本を合流させないで2本の
ままチャンバーAやチャンバーBに接続させても機能的
には、何等変わりはない。
【0035】3.常圧過熱水蒸気及びその供給方法 本発明においては、熱可塑性樹脂予備発泡体同士を、常
圧過熱水蒸気で融着させ熱可塑性樹脂型内発泡体を製造
することを特徴とする。常圧過熱水蒸気とは、圧力が大
気圧であり、任意の温度の水から蒸発した水蒸気を過熱
したものであり、通常、ボイラーで100℃以上の熱水
から飽和水蒸気をつくり、これを密閉状態で加熱し大気
圧まで減圧したものか、又は、ボイラーで100℃以上
の熱水から飽和水蒸気をつくり、これを大気圧まで減圧
し、解放状態で加熱したものである。上記の方法におい
ては、常圧過熱水蒸気を貯蔵する比較的大容量(1〜5
0m )の保温タンクが必要であり、また常圧過熱水蒸
気を輸送するブロワーが必要となる。常圧過熱水蒸気の
温度は、110〜170℃、好ましくは115〜140
℃の範囲である。
【0036】110℃未満であると水蒸気が凝縮し易く
熱可塑性樹脂予備発泡体同士の接着を阻害し、エンタル
ピーも低下するので予熱、乾燥、融着のための熱量が不
足し望ましくなく、一方170℃を超えると熱可塑性樹
脂予備発泡体の融点を超え、その表面だけでなく内部ま
で融解してしまい望ましくない。過熱水蒸気の過熱の程
度は、過熱水蒸気の相対湿度が70〜90%の範囲のも
のが適当である。70%未満であると、個々の水蒸気分
子のエンタルピーは、増大するが単位容積当たりの水蒸
気分子数は、圧力を常圧としているので減少し、単位容
積当たりの熱量は、あまり増えなく、高温による弊害が
発現し望ましくなく、一方90%を超えると、個々の水
蒸気分子のエンタルピーは、減少し熱量不足となり、飽
和度が高いので凝縮し易く望ましくない。ちなみに10
0℃の飽和水蒸気を約110℃の常圧過熱水蒸気にする
と、相対湿度は約90%となり、100℃の飽和水蒸気
を約120℃の常圧過熱水蒸気にすると、相対湿度は約
83.3%となり、100℃の飽和水蒸気を約130℃
の常圧過熱水蒸気にすると、相対湿度は約77%とな
り、100℃の飽和水蒸気を約140℃の常圧過熱水蒸
気にすると、相対湿度は約71%となる。
【0037】別の常圧過熱水蒸気をつくる方法としは、
ボイラーで100℃を超える熱水から加圧状態の飽和水
蒸気をつくり、これを直径が1〜5cm程度の水蒸気輸
送用パイプの途中に設けた減圧バルブで減圧する方法も
あるが、加圧状態の飽和水蒸気は、細い水蒸気輸送用パ
イプ中では大気圧まで膨張できるだけの十分な容積がな
いので加圧状態の飽和水蒸気は、圧力が低下するもの
の、温度は必要以上の高温であり、かつ、圧力、温度等
が上下に変動する過熱水蒸気となっており、この方法に
よる過熱水蒸気は、望ましくない。本発明において、上
記のようにして準備された常圧過熱水蒸気は、チャンバ
ーA用蒸気導入口10及びチャンバーB用蒸気導入口1
2から、それぞれチャンバーA及びチャンバーBに供給
され、それぞれ雄型金型3、雌型金型4、キャビティ
6、キャビティ6内の熱可塑性樹脂予備発泡体や熱可塑
性樹脂型内発泡成形体等を予熱したり乾燥したり熱可塑
性樹脂予備発泡体同士を融着したりする機能を有する。
【0038】
【実施例】以下に、本発明について実施例及び比較例を
挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実
施例に特に限定されるものではない。
【0039】[実施例1] 1−1.ポリエチレン系樹脂予備発泡体(1)の準備 密度0.921g/ml、メルトマスフローレート3.
7g/10minの高圧法低密度ポリエチレン90%に
対し密度0.940g/ml、メルトマスフローレート
27.3g/10min、酢酸ピニール含有量22.3
重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合体10%を配合
した樹脂成分100重量部及びタルク2重量部を、50
φ単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.5
mmφの円筒ダイより押し出し、水中で回転ブレードで
切断し、円柱状の粒子を得た。
【0040】得られたポリエチレン系樹脂粒子100重
量部、水300重量部、第3リン酸カルシウム1.7重
量部及びαオレフィンスルホン酸ソーダ0.06重量部
とともに耐圧密閉容器に投入したのち、攪拌しながら1
58℃に加熱した。耐圧密閉容器に、更に、炭酸ガスで
加圧し内圧を30kg/cmGとし、すぐに耐圧密閉
容器下部のバルブを開いて水分散物(樹脂粒子及び水系
分散媒)を直径4mmφのオリフィスを通して大気圧下
に放出して独立気泡構造を有するポリエチレン系樹脂予
備発泡体粒子(1)を得た。この際、放出中は容器内の
圧力が低下しないように、空気で圧力を保持した。さら
に、該ポリエチレン系樹脂予備発泡体粒子(1)を耐圧
密閉容器内に投入し、空気加圧にて2.4kg/cm
Gとし、室温で24時間放置しポリエチレン系樹脂予備
発泡体粒子(1)に発泡能を付与した。
【0041】1−2.ポリエチレン系樹脂型内発泡成形
体(1)の製造 上記のようにして準備したポリエチレン系樹脂予備発泡
体粒子(1)を図1に示す型内発泡成形体製造装置を用
いてポリエチレン系樹脂型内発泡成形体の製造を行っ
た。但し、キャビティ6の形状が250mm×270m
m×50mmの直方体となる金型を用いた。常圧過熱水
蒸気は、100℃の飽和水蒸気を金属管中へ通過させな
がら外部より120℃に加熱し容積10mの保温タン
クに導入し準備した。
【0042】上記のようにして準備したポリエチレン系
樹脂予備発泡体粒子(1)を熱可塑性樹脂予備発泡体投
入口1より投入し熱可塑性樹脂予備発泡体導入パイプ2
よりキャビティ6に充填し、次いで別に準備した110
℃の相対湿度80%の水蒸気をチャンバーA用蒸気導入
口10及びチャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれ
チャンバーA7及びチャンバーB8に導入し、次いで、
雄型金型3及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5(蒸
気孔5の直径は1mm、蒸気孔5の数は20個/c
)を通過してキャビティ6に入れポリエチレン系樹
脂予備発泡体粒子及び雄型金型3及び雌型金型4を1分
間予熱した。
【0043】次いで上記のようにして準備した常圧12
0℃の過熱水蒸気を、チャンバーA用蒸気導入口10及
びチャンバーB用蒸気導入口12より、それぞれチャン
バーA7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金
型3及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過して
キャビティ6に入れ、ポリエチレン系樹脂予備発泡体粒
子及び雄型金型3及び雌型金型4を30秒間加熱しポリ
エチレン系樹脂型内発泡成形体(1)を得た。
【0044】1−3.ポリエチレン系樹脂型内発泡成形
体(1)の融着度の評価 直方体状ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体(1)より
100mm×100mm正方形の試験片を切り出し、そ
の5つの試験片について中央部に深さ2mmの切れ目を
入れ、切れ目にそって折り曲げて開裂させ、中心部層
(厚み方向センターから±4mm層)の切開断面に存在
する全粒子数に対する材料破断して切裂している粒子数
の百分率(材破率)を求めた。そして5つの試験片の材
破率のうち、最も低い値のものを下記の如く評価した。
その結果、実施例1の材破率は95.6%であり、ポリ
エチレン系樹脂型内発泡成形体(1)の融着度は非常に
優れていた。なお、他の実施例や比較例においても、下
記の評価基準に従って同様に評価した。
【0045】[実施例2] 2−1.ポリエチレン系樹脂予備発泡体(2)の準備 密度0.901g/ml、メルトマスフローレート2.
5g/10minのメタロセン触媒を用いて作った直鎖
状低密度エチレン−ヘキセン1共重合体100重量部、
アゾジカルボンアミド3重量部、タルク0.3重量部及
び酸化防止剤(ブチル化ヒドロキシトルエン)0.5重
量部を混合し、次いでバンバリーミキサーで170℃、
15分間加熱混練して、発泡性樹脂組成物を得た。この
発泡性樹脂組成物をシート状にし、次いでシートカッタ
ーで切断し、厚さ3mm、長さ5mm、幅4mmのペレ
ットとした。一方、密度0.943g/ml、メルトマ
スフローレート35.8g/10min、酢酸ビニール
含有量27.5重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合
体樹脂成分100重量部およびタルク2重量部を、50
φ単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、円筒ダイよ
り押し出し、水中で回転ブレードで切断し、直径3mm
の円柱状の粒子を得た。
【0046】上記の発泡性樹脂組成物からなるペレット
(内層用)とエチレン−酢酸ビニール共重合体樹脂成分
100重量部およびタルク2重量部からなる粒子(外層
用)を二層押出機のそれぞれのホッパーに投入し、それ
ぞれの押出機中で125℃及び110℃で加熱混練し二
層押出ダイより押出し水中で回転ブレードで切断し内層
径1.5mm、外層径2.0mmの円筒状のポリエチレ
ン系樹脂予備発泡体(2)を得た。これの予備発泡率は
5.7%であった。
【0047】2−2.ポリエチレン系樹脂型内発泡成形
体(2)の製造 上記のようにして準備したポリエチレン系樹脂予備発泡
体粒子(2)を図1に示す型内発泡成形体製造装置を用
いてポリエチレン系樹脂型内発泡成形体の製造を行っ
た。但し、キャビティ6の形状が250mm×270m
m×50mmの直方体となる金型を用いた。常圧過熱水
蒸気は、120℃の飽和水蒸気を金属管中へ通過させな
がら外部より158℃に加熱し容積10mの保温タン
クに導入し準備した。
【0048】上記のようにして準備したポリエチレン系
樹脂予備発泡体粒子(2)を熱可塑性樹脂予備発泡体投
入口1より投入し熱可塑性樹脂予備発泡体導入パイプ2
よりキャビティ6に充填し、次いで上記のようにして準
備した158℃過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口
10及びチャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチ
ャンバーA7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄
型金型3及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5(蒸気
孔5の直径は0.2mm、蒸気孔5の数は30個/cm
)を通過してキャビティ6に入れ、ポリエチレン系樹
脂予備発泡体粒子及び雄型金型3及び雌型金型4を40
秒間予熱した。
【0049】次いで上記のようにして準備した常圧11
3℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れ、ポリエチレン系樹脂予備発泡体粒子及
び雄型金型3及び雌型金型4を120秒間加熱しポリエ
チレン系樹脂型内発泡成形体(2)を得た。
【0050】2−3.ポリエチレン系樹脂型内発泡成形
体(2)の融着度の評価 実施例2の材破率は98.6%であり、ポリエチレン系
樹脂型内発泡成形体(2)の融着度は非常に優れてい
た。
【0051】[実施例3] 3−1.ポリプロピレン系樹脂予備発泡体の準備 密度0.902g/ml、メルトマスフローレート8.
6g/10minのブテン1(8.5重量%)−プロピ
レンランダム共重合体95%に対し密度0.943g/
ml、メルトマスフローレート38.7g/10mi
n、アクリル酸エチル含有量26.5重量%のエチレン
−アクリル酸エチル共重合体5%を配合した樹脂成分1
00重量部及び酸化チタン3重量部を、50φ単軸押出
機に供給し、溶融混練したのち、直径2.0mmφの円
筒ダイより押し出し、水中で回転ブレードで切断し、円
柱状の粒子を得た。
【0052】得られたポリプロピレン系樹脂粒子100
重量部、水300重量部、第3リン酸カルシウム2.8
重量部、αオレフィンスルホン酸ソーダ0.5重量部及
び発泡剤としてイソブタン4.5重量部とn−ブタン
5.6重量部とともに耐圧密閉容器に投入したのち、攪
拌しながら146℃に加熱し10分間保持した。耐圧密
閉容器に、更に、窒素ガスで加圧し、内圧を27kg/
cmGとし、すぐに耐圧密閉容器下部のバルブを開い
て水分散物(樹脂粒子及び水系分散媒)を直径4mmφ
のオリフィスを通して大気圧下に放出して独立気泡構造
を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡体粒子を得た。
この際、放出中は容器内の圧力が低下しないように、空
気で圧力を保持した。さらに、該ポリプロピレン系樹脂
予備発泡体粒子を耐圧密閉容器内に投入し、空気加圧に
て2.4kg/cmGとし、室温で24時間放置しポ
リプロピレン系樹脂予備発泡体粒子に発泡能を付与し
た。
【0053】3−2.ポリプロピレン系樹脂型内発泡成
形体の製造 上記のようにして準備したポリプロピレン系樹脂予備発
泡体粒子を図1に示す型内発泡成形体製造装置を用いて
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造を行った。
但し、キャビティ6の形状が250mm×270mm×
50mmの直方体となる金型を用いた。常圧過熱水蒸気
は、100℃の飽和水蒸気を金属管中へ通過させながら
外部より135℃に加熱し容積10mの保温タンクに
導入し準備した。
【0054】上記のようにして準備したポリプロピレン
系樹脂予備発泡体粒子を熱可塑性樹脂予備発泡体投入口
1より投入し熱可塑性樹脂予備発泡体導入パイプ2より
キャビティ6に充填し、次いで別に準備した120℃の
相対湿度70%の水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口1
0及びチャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャ
ンバーA7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型
金型3及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5(蒸気孔
5の直径は3mm、蒸気孔5の数は9個/cm )を通
過してキャビティ6に入れ、ポリプロピレン系樹脂予備
発泡体粒子及び雄型金型3及び雌型金型4を2分間予熱
した。
【0055】次いで上記のようにして準備した常圧13
5℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れ、ポリプロピレン系樹脂予備発泡体粒子
及び雄型金型3及び雌型金型4を45秒間加熱しポリプ
ロピレン系樹脂型内発泡成形体を得た。
【0056】3−3.ポリプロピレン系樹脂型内発泡成
形体の融着度の評価 実施例3の材破率は92.8%であり、ポリプロピレン
系樹脂型内発泡成形体の融着度は非常に優れていた。
【0057】[実施例4] 4−1.ポリスチレン系樹脂予備発泡体の準備 ポリスチレン樹脂(スタイロン680)を押出機中で加
熱溶融させ、発泡剤としてノルマルペンタン(ポリスチ
レン樹脂100重量部に対して3重量部)をバレルより
押出機に供給しポリスチレン樹脂に含浸させ、ダイより
ストランド状に押出し水中で切断し直径15mmのビー
ズを得た。
【0058】4−2.ポリスチレン系樹脂型内発泡成形
体の製造 上記のようにして準備したポリスチレン系樹脂予備発泡
体粒子を図1に示す型内発泡成形体製造装置を用いてポ
リスチレン系樹脂型内発泡成形体の製造を行った。但
し、キャビティ6の形状が250mm×270mm×5
0mmの直方体となる金型を用いた。常圧過熱水蒸気
は、100℃の飽和水蒸気を金属管中へ通過させながら
外部より110℃に加熱し容積10mの保温タンクに
導入し準備した。
【0059】上記のようにして準備したポリスチレン系
樹脂予備発泡体粒子を熱可塑性樹脂予備発泡体投入口1
より投入し熱可塑性樹脂予備発泡体導入パイプ2よりキ
ャビティ6に充填し、次いで別に準備した105℃の相
対湿度80%の水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10
及びチャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャン
バーA7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金
型3及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5(蒸気孔5
の直径は5mm、蒸気孔5の数は4個/cm)を通過
してキャビティ6に入れ、ポリスチレン系樹脂予備発泡
体粒子及び雄型金型3及び雌型金型4を1分間予熱し
た。
【0060】次いで上記のようにして準備した常圧11
0℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れ、ポリスチレン系樹脂予備発泡体粒子及
び雄型金型3及び雌型金型4を30秒間加熱しポリスチ
レン系樹脂型内発泡成形体を得た。
【0061】4−3.ポリスチレン系樹脂型内発泡成形
体の融着度の評価 実施例4の材破率は97.3%であり、ポリスチレン系
樹脂型内発泡成形体の融着度は非常に優れていた。
【0062】[実施例5] 5−1.セルロースアセテート系樹脂予備発泡体(1)
の準備 生分解性樹脂として、軟質の帝人株式会社製セルロース
・ジアセテート(表面硬度(H):85、衝撃強度:
25kgf・cm/cm、流出温度:155℃、熱変
形温度:48℃、酢化度:57%)(基準:100重量
部)を用い、可塑剤として、平均分子量(MW)が40
0のポリエチレングリコール(30重量部)、及び発泡
調整剤として、タルク(14重量部)を添加して、生分
解性樹脂配合物とし、これに、発泡剤として、水分(3
7重量部)を添加して、溶融混練押出機のホッパーに供
給し、180℃の温度で加熱溶融混練した後、口径2.
0mmを有するノズル部から245g/分の速度をもっ
て押し出す。
【0063】該ノズルの押出物がノズル口径の1.5倍
を超えて膨化する前の段階で、切断して、セルロースア
セテート系樹脂予備発泡体(1)を得た。そしてこの得
たセルロースアセテート系樹脂予備発泡体(1)は、長
軸/短軸比が1.3、短軸方向の切断面積が円換算で直
径約10mmであった。
【0064】5−2.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(1)の製造 上記のようにして準備したセルロース・アセテート系樹
脂予備発泡体(1)を図1に示す型内発泡成形体製造装
置を用いてセルロース・アセテート系樹脂型内発泡成形
体(1)の製造を行った。但し、キャビティ6の形状が
250mm×270mm×50mmの直方体となる金型
を用いた。常圧過熱水蒸気は、100℃の飽和水蒸気を
金属管中へ通過させながら外部より180℃に加熱し容
積10m の保温タンクに導入し準備した。
【0065】上記のようにして準備したセルロース・ア
セテート系樹脂予備発泡体粒子(1)を熱可塑性樹脂予
備発泡体投入口1より投入し、熱可塑性樹脂予備発泡体
導入パイプ2よりキャビティ6に充填し、次いで別に準
備した110℃の相対湿度75%の水蒸気をチャンバー
A用蒸気導入口10及びチャンバーB用蒸気導入口12
よりそれぞれチャンバーA7及びチャンバーB8に導入
し、次いで、雄型金型3及び雌型金型4に貫通している
蒸気孔5蒸気孔5(蒸気孔5の直径は1mm、蒸気孔5
の数は20個/cm)を通過してキャビティ6に入れ
セルロース・アセテート系樹脂予備発泡体(1)及び雄
型金型3及び雌型金型4を1分間予熱した。
【0066】次いで上記のようにして準備した常圧18
0℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れ、セルロース・アセテート系樹脂予備発
泡体粒子(1)及び雄型金型3及び雌型金型4を投入し
3分間加熱しセルロース・アセテート系樹脂型内発泡成
形体(1)を得た。
【0067】5−3.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(1)の融着度の評価 実施例5の材破率は93.4%であり、セルロース・ジ
アセテート系樹脂型内発泡成形体(1)の融着度は非常
に優れていた。
【0068】[実施例6] 6−1.セルロースアセテート系樹脂予備発泡体(2)
の準備 生分解性樹脂として、軟質の帝人株式会社製セルロース
・ジアセテート(表面硬度(H):85、衝撃強度:
25kgf・cm/cm、流出温度:155℃、熱変
形温度:48℃、酢化度:57%)(基準:100重量
部)を用い、可塑剤として、日本ユニカー株式会社販売
のポリカプロラクトン(PCL)(商品名:TONEポ
リマー P−787、融点:60℃、密度:1.145
g/cm 、分子量:8万、40重量部)、及び発泡
調整剤として、タルク(14重量部)を添加して、生分
解性樹脂配合物とし、これに、発泡剤として、水分(2
8重量部)を添加して、内管と外管とからなる二重管方
式の押出ノズルを有する溶融混練押出機の、内管のノズ
ルに連導したホッパーに供給し、180℃の温度で加熱
溶融混練した後、口径2.0mmを有する内管ノズル部
から245g/分の速度をもって押し出す。一方、表層
用の低融点の生分解性樹脂として、日本ユニカー株式会
社販売のポリカプロラクトン(PCL)(商品名:TO
NEポリマーP−787、融点:60℃、密度:1.1
45g/cm 、分子量:8万)を用い、これを溶融
混練押出機の外管のノズルに連導したホッパーに供給
し、内管とは若干低い150℃の温度で加熱溶融した
後、内管との幅0.2mmの間の外管ノズル部から、内
管ノズル部の発泡性生分解性樹脂組成物の吐出と同時に
45g/分の速度をもって押し出す。
【0069】該内管ノズルの押出物がノズル口径の1.
5倍を超えて膨化する前の段階で、発泡性生分解性樹脂
の芯部に低融点の生分解性樹脂をコーティングしたもの
を切断して、低融点の生分解性樹脂がコーティングされ
たセルロースアセテート系樹脂予備発泡体(2)を得
た。そしてこの得たセルロースアセテート系樹脂予備発
泡体(2)は、長軸/短軸比が1.3、短軸方向の切断
面積が円換算で直径約10mmであった。
【0070】6−2.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(2)の製造 上記のようにして準備したセルロース・アセテート系樹
脂予備発泡体粒子(2)を図1に示す型内発泡成形体製
造装置を用いてセルロース・アセテート系樹脂型内発泡
成形体(2)の製造を行った。但し、キャビティ6の形
状が250mm×270mm×50mmの直方体となる
金型を用いた。常圧過熱水蒸気は、100℃の飽和水蒸
気を金属管中へ通過させながら外部より130℃に加熱
し容積10mの保温タンクに導入し準備した。
【0071】上記のようにして準備したセルロース・ア
セテート系樹脂予備発泡体粒子(2)を熱可塑性樹脂予
備発泡体投入口1より投入し、熱可塑性樹脂予備発泡体
導入パイプ2よりキャビティ6に充填し、次いで別に準
備した110℃の相対湿度80%の水蒸気をチャンバー
A用蒸気導入口10及びチャンバーB用蒸気導入口12
よりそれぞれチャンバーA7及びチャンバーB8に導入
し、次いで、雄型金型3及び雌型金型4に貫通している
蒸気孔5蒸気孔5(蒸気孔5の直径は1mm、蒸気孔5
の数は20個/cm)を通過してキャビティ6に入
れ、セルロース・アセテート系樹脂予備発泡体粒子
(2)及び雄型金型3及び雌型金型4を1分間予熱し
た。
【0072】次いで上記のようにして準備した常圧13
0℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れ、セルロース・アセテート系樹脂予備発
泡体粒子及び雄型金型3及び雌型金型4を投入し1分間
加熱しセルロース・アセテート系樹脂型内発泡成形体
(2)を得た。
【0073】6−3.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(2)の融着度の評価 実施例6の材破率は97.1%であり、セルロース・ジ
アセテート系樹脂型内発泡成形体(2)の融着度は非常
に優れていた。
【0074】[実施例7] 7−1.セルロースアセテート系樹脂予備発泡体(3)
の準備 生分解性樹脂として、軟質の帝人株式会社製セルロース
・ジアセテート(表面硬度(H):85、衝撃強度:
25kgf・cm/cm、流出温度:155℃、熱変
形温度:48℃、酢化度:57%)(基準:100重量
部)を用い、可塑剤として、平均分子量(MW)が40
0のポリエチレングリコール(20重量部)、及び発泡
調整剤として、タルク(14重量部)を添加して、生分
解性樹脂配合物とし、これに、発泡剤として、水分(2
8重量部)を添加して、内管と外管とからなる二重管方
式の押出ノズルを有する溶融混練押出機の、内管のノズ
ルに連導したホッパーに供給し、180℃の温度で加熱
溶融混練した後、口径2.0mmを有する内管ノズル部
から245g/分の速度をもって押し出す。一方、表層
用の低融点の生分解性樹脂として、日本ユニカー株式会
社販売のポリカプロラクトン(PCL)(商品名:TO
NEポリマー P−787、融点:60℃、密度:1.
145g/cm 、分子量:8万)を用い、これを溶
融混練押出機の外管のノズルに連導したホッパーに供給
し、内管とは若干低い150℃の温度で加熱溶融した
後、内管との幅0.2mmの間の外管ノズル部から、内
管ノズル部の発泡性生分解性樹脂組成物の吐出と同時に
45g/分の速度をもって押し出す。
【0075】該内管ノズルの押出物がノズル口径の1.
5倍を超えて膨化する前の段階で、発泡性生分解性樹脂
の芯部に低融点の生分解性樹脂をコーティングしたもの
を切断して、低融点の生分解性樹脂がコーティングされ
た生分解性樹脂発泡体を得た。そしてこの得た生分解性
樹脂の発泡体は、長軸/短軸比が1.3、短軸方向の切
断面積が円換算で直径約10mmであった。
【0076】7−2.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(3)の製造 上記のようにして準備したセルロース・アセテート系樹
脂予備発泡体粒子(3)を図1に示す型内発泡成形体製
造装置を用いてセルロース・アセテート系樹脂型内発泡
成形体(3)の製造を行った。但し、キャビティ6の形
状が250mm×270mm×50mmの直方体となる
金型を用いた。常圧過熱水蒸気は、120℃の飽和水蒸
気を金属管中へ通過させながら外部より140℃に加熱
し容積10mの保温タンクに導入し準備した。
【0077】上記のようにして準備したセルロース・ア
セテート系樹脂予備発泡体粒子(3)を熱可塑性樹脂予
備発泡体投入口1より投入し熱可塑性樹脂予備発泡体導
入パイプ2よりキャビティ6に充填し、次いで別に準備
した110℃の相対湿度75%の水蒸気をチャンバーA
用蒸気導入口10及びチャンバーB用蒸気導入口12よ
りそれぞれチャンバーA7及びチャンバーB8に導入
し、次いで、雄型金型3及び雌型金型4に貫通している
蒸気孔5蒸気孔5(蒸気孔5の直径は1mm、蒸気孔5
の数は20個/cm)を通過してキャビティ6に入
れ、セルロース・アセテート系樹脂予備発泡体粒子
(3)及び雄型金型3及び雌型金型4を1分間予熱し
た。
【0078】次いで上記のようにして準備した常圧14
0℃の過熱水蒸気をチャンバーA用蒸気導入口10及び
チャンバーB用蒸気導入口12よりそれぞれチャンバー
A7及びチャンバーB8に導入し、次いで、雄型金型3
及び雌型金型4に貫通している蒸気孔5を通過してキャ
ビティ6に入れセルロース・アセテート系樹脂予備発泡
体粒子(3)及び雄型金型3及び雌型金型4を投入し4
5秒間加熱しセルロース・アセテート系樹脂型内発泡成
形体(3)を得た。
【0079】7−3.セルロース・アセテート系樹脂型
内発泡成形体(3)の融着度の評価 実施例7の材破率は98.6%であり、セルロース・ジ
アセテート系樹脂型内発泡成形体の融着度は非常に優れ
ていた。
【0080】[比較例1]実施例1において、融着用水
蒸気として用いた常圧、120℃の過熱水蒸気に代え
て、120℃の飽和水蒸気(圧力1.69気圧)を用い
た以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、材破
率は55.8%であり、ポリエチレン系樹脂型内発泡成
形体の融着度は不良であった。
【0081】[比較例2]実施例7において、融着用水
蒸気として用いた常圧、140℃の過熱水蒸気に代え
て、140℃の飽和水蒸気(圧力3.08気圧)を用い
た以外は、実施例7と同様な実験を行ったところ、材破
率は48.6%であり、セルロース・ジアセテート系樹
脂型内発泡成形体の融着度は不良であった。
【0082】[比較例3]実施例3において、融着用水
蒸気として用いた常圧、135℃の過熱水蒸気に代え
て、常圧、105℃の過熱水蒸気を用いた以外は、実施
例3と同様な実験を行ったところ、材破率は38.9%
であり、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の融着度
は不良であった。
【0083】[比較例4]実施例1において、融着用水
蒸気として用いた常圧、120℃の過熱水蒸気に代え
て、常圧、175℃の過熱水蒸気を用いた以外は、実施
例1と同様な実験を行ったところ、ポリエチレン系予備
発泡粒子が溶融し塊状となり、ポリプロピレン系樹脂型
内発泡成形体は得られなかった。
【0084】[比較例5]実施例5において、融着用水
蒸気として用いた常圧、180℃の過熱水蒸気に代え
て、常圧、105℃、相対湿度95%の過熱水蒸気を用
いた以外は、実施例5と同様な実験を行ったところ、セ
ルロース・ジアセテート系樹脂予備発泡体間の融着は全
く起こらず、セルロース・ジアセテート系樹脂型内発泡
成形体は得られなかった。
【0085】[比較例6]実施例5において、融着用水
蒸気として用いた常圧、190℃、相対湿度66.7%
の過熱水蒸気を用いた以外は、実施例5と同様な実験を
行ったところ、セルロース・ジアセテート系樹脂予備発
泡体が溶融して陥没または塊状となり、セルロース・ジ
アセテート系樹脂型内発泡成形体は得られなかった。
【0086】
【発明の効果】本発明において、上記の如く準備された
常圧飽和水蒸気は、従来の加圧飽和水蒸気や、加圧飽和
水蒸気を細い輸送パイプ中の減圧バルブで減圧した加圧
過熱水蒸気と比較し下記の効果がある。 (1)従来の様に加圧飽和水蒸気を使用して熱可塑性樹
脂予備発泡体同士を融着させると、加圧飽和水蒸気は、
凝縮しやすいので熱可塑性樹脂予備発泡体の表面に水膜
が発生し熱可塑性樹脂予備発泡体同士の融着を阻害し、
耐衝撃性、引張強度、耐捻れ性等に劣る熱可塑性樹脂型
内発泡成形体が得られるが、本発明では、常圧過熱水蒸
気を使用しているので、水蒸気の凝縮は起こらず熱可塑
性樹脂予備発泡体の表面に水膜が発生することなく、熱
可塑性樹脂予備発泡体同士は、十分に融着するので耐衝
撃性、引張強度、耐捻れ性等に優れた熱可塑性樹脂型内
発泡成形体が得られる。
【0087】(2)従来の様に加圧飽和水蒸気を使用し
てチャンバーA、チャンバーB、雄型金型3、雌型金型
4、キャビティ6、キャビティ6内の熱可塑性樹脂予備
発泡体や熱可塑性樹脂型内発泡成形体等を乾燥や予熱を
行うと、熱容量が不足したり、加圧飽和水蒸気が凝縮し
水分を発生し、乾燥や予熱が不十分となり良質の熱可塑
性樹脂型内発泡成形体が得られなく、しかも、時間がか
かり生産性が悪かったが、本発明では、常圧過熱水蒸気
を使用しているので、水蒸気の凝縮は起こらず乾燥や予
熱が十分行われ良質の熱可塑性樹脂型内発泡成形体が得
られ、しかも、時間がかからなく生産性もよい。
【0088】(3)従来のボイラーで100℃を超える
熱水から加圧状態の飽和水蒸気をつくり、これを直径が
1〜5cm程度の水蒸気輸送用パイプの途中に設けた減
圧バルブで減圧する方法でつくった低圧の過熱水蒸気の
温度は、必要以上に高温であり、かつ、圧力、温度等が
上下に変動するので、良好な一定の品質の熱可塑性樹脂
型内発泡成形体をつくるのは困難であったが、本発明で
は、圧力及び温度が常に一定である常圧過熱水蒸気を使
用するので製造時に工程管理が簡単であり、良好な一定
の品質の熱可塑性樹脂型内発泡成形体を安価なコストで
提供することができる。特に、本発明で得られたセルロ
ース・アセテート系樹脂型内発泡成形体は、水分の気化
膨張力を利用した水発泡により発泡された生分解性のセ
ルロース・アセテート系樹脂発泡体からなるために、従
来の生分解性樹脂に比較して生分解性能に優れ、環境に
も優しく、焼却処理しても有毒ガスや焼却炉劣化の問題
が少ないばかりでなく、常圧過熱水蒸気で熱融着してい
るので機械的特性に優れている。したがって、本発明の
セルロース・アセテート系樹脂型内発泡体は、その特徴
を活かし、食品包装容器、水質浄化材、断熱材、緩衝
材、保温材、保冷材、包装材、梱包材、農業用資材、漁
業用資材等の各種分野に使用することができる。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造装
置の図である。
【符号の説明】 1 熱可塑性樹脂予備発泡体投入口 2 熱可塑性樹脂予備発泡体導入パイプ 3 雄型金型 4 雌型金型 5 蒸気孔 6 キャビティ 7 チャンバーA 8 チャンバーB 9 シリンダー 10 チャンバーA用蒸気導入口 11 チャンバーA用水導入口 12 チャンバーB用蒸気導入口 13 チャンバーB用水入口 14 チャンバーAからのドレイン排出口 15 チャンバーAからの脱気口 16 チャンバーBからのドレイン排出口 17 チャンバーBからの脱気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 B29L 31:58 B29L 31:58 C08L 1:12 C08L 1:12 23:04 23:04 23:10 23:10 25:04 25:04 B29C 67/22 Fターム(参考) 4F074 AA02 AA20C AA22C AA24C AA26C AA32 BA13 BA32 BA34 BA37 BA38 BA39 CA24 CA34 CA35 CB52 CC12Z CC32Y CC34Y CC36Y CC47 CC62 DA32 DA33 DA35 DA36 DA42 DA43 DA45 DA46 DA58 4F212 AA04 AA11 AA13 AE06 AE07 AG20 AR02 AR06 UA09 UB01 UE06 UE26 UN08 UN21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂予備発泡体を、蒸気孔を有
    する閉鎖し得るが密閉し得ない金型に充填し、予熱用水
    蒸気で該熱可塑性樹脂予備発泡体と該金型を予熱し、つ
    いで融着用水蒸気で該熱可塑性樹脂予備発泡体同士がた
    がいに融着する温度以上の温度に加熱し熱可塑性樹脂型
    内発泡成形体を製造する方法において、融着用水蒸気と
    して常圧過熱水蒸気を使用することを特徴する熱可塑性
    樹脂型内発泡成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 予熱用水蒸気として常圧過熱水蒸気を使
    用することを特徴する請求項1記載の熱可塑性樹脂型内
    発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 常圧過熱水蒸気は、圧力が大気圧、温度
    が110〜180℃、相対湿度が70〜90%であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱可塑性樹
    脂型内発泡成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂予備発泡体は、ポリエチレ
    ン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から選択された熱可
    塑性樹脂のビーズを耐圧容器中で水中に分散させ、攪拌
    しながら揮発性発泡剤を含浸させ、加圧、加熱したの
    ち、水分散物を低圧域に放出することにより製造された
    ものであることを特徴とする、請求項1記載の熱可塑性
    樹脂型内発泡成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂予備発泡体は、ポリスチレ
    ン系樹脂のビーズに発泡剤を含浸し水蒸気による加熱に
    より製造されたものであることを特徴とする、請求項1
    記載の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂予備発泡体は、水分の気化
    膨張力を利用した水発泡により発泡されたセルロース・
    アセテート系樹脂発泡体であることを特徴とする、請求
    項1記載の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法。
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