JP2009298931A - ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂(a)100重量部に対し、ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体(b)0.2重量部以上5重量部未満と、発泡核剤(c)0.005重量部以上2重量部以下を含有するポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させてなるポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし
Description
(1)ポリオレフィン系樹脂(a)が、ポリプロピレン系樹脂である、
(2)ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体(b)のポリエーテル部がポリエチレングリコールからなる、
(3)発泡倍率が6倍以上50倍以下、平均気泡径が50μm以上800μm以下である、
(4)ポリオレフィン系樹脂に、ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体以外の親水性物質(d)を含んでなる、
(5)ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体以外の親水性物質(d)が、メラミンおよび/またはグリセロール類1重量部以下である、
前記記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子に関する。
1)ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子中に空気を圧入することにより発泡能を付与する。
2)得られたポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を2つの金型からなる、閉鎖しうるが密閉し得ない成形空間内に充填する。
3)水蒸気などを加熱媒体として0.2〜0.4MPa(G)程度の水蒸気圧で3〜30秒程度の加熱時間で成形し、ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子同士を融着させる。
4)金型を水冷する。
5)金型を開いて、型内発泡成形体を取り出す。
予備発泡粒子3〜10g程度を取り、60℃で6時間乾燥したのち重量w(g)を測定後、水没法にて体積v(cm3)を測定し、予備発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、発泡前のポリオレフィン系樹脂粒子の密度ρrとの比から発泡倍率K=ρr/ρbを求めた。
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子1kgを、JIS Z8801(1994)付表2記載の標準篩(呼び寸法1、1.18、1.4、1.7、2、2.36、2.8、3.35、4、4.75、5.6の11種の篩)で篩い分けした。各篩に残るポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の重量分率Wi、発泡倍率Kiを測定し、下記の式(1)から平均発泡倍率Kavを算出する。
◎:Rの値が5%未満
○:Rの値が5%以上8%未満
△:Rの値が8%以上10%未満
×:Rの値が10%以上15%未満
××:Rの値が15%以上
気泡膜が破壊されないように充分注意して発泡粒子をほぼ中央で切断し、その切断面をマイクロスコープで拡大し、予備発泡粒子の表面から予備発泡粒子の直径の5%に相当する厚さの表層部を除く部分(A)に関して次の測定をおこなった。ある任意の方向をx方向とし、それに直交する方向をy方向とした時に、ある1個のセルのx、y方向のフェレ径dx、dyを測定し、次式によりその1個の気泡径diを求める。
di=(dx+dy)/(2×0.785)
d=Σ(di)/n
u=σ/d×100
3個以上の予備発泡粒子についてuを求め、その平均をUとする。気泡の均一性を次の基準により評価した。
◎:Uが30以下
〇:Uが30を越えて35以下
×:Uが35超
成形評価では、型内発泡成形体設計外形寸法が400mm×300mm×20mmの金型を用いた。
型内発泡成形体の表面にナイフで約5mmの深さのクラックを入れたのち、このクラックに沿って型内発泡成形体を割り、破断面を観察し、破断面の全粒子数に対する破壊粒子数の割合を求め、成形体融着率とした。
成形後、23℃で2時間静置し、つぎに65℃で6時間養生したのち、23℃の室内に4時間放置して得られた型内発泡成形体の表面について以下の基準で評価した。
◎:しわ、粒間少なく、美麗
〇:僅かなしわ、粒間あるが良好
×:しわ、ヒケがあり外観不良
成形後、23℃で2時間静置し、つぎに65℃で6時間養生したのち、23℃の室内に4時間放置して得られた型内発泡成形体の長手寸法を測定し、対応する金型寸法に対する、金型寸法と型内発泡成形体の寸法との差の割合を対金型寸法収縮率とし、以下の基準で評価した。
◎:対金型寸法収縮率が4%以下
〇:対金型寸法収縮率が4%を超えて7%以下
×:対金型寸法収縮率が7%より大きい
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体:エチレン含有率3.0%、MI=6g/10分、融点143℃)100重量部に対し、ポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体(三洋化成(株)製、ペレスタット303、融点135℃)を0.5重量部、タルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S)0.1重量部を加えドライブレンドした。50mmのフルフライトスクリューを具備した単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.8mmの円筒ダイより押出し、水冷後、カッターで切断し、円柱状のポリオレフィン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を得た。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.75重量部、タルクを0.1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率11倍、気泡の均一性に優れ、平均気泡径234μm、倍率バラツキRは4と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の2段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径327μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率12倍、気泡の均一性に優れ、平均気泡径246μmであった。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、気泡の均一性に優れ、平均気泡径333μm、倍率バラツキRは4と優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を4.5重量部とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率19倍、平均気泡径288μmであった。気泡の均一性は実施例1〜3に比較するとやや劣るもののほぼ均一であった。倍率バラツキRは2と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径335μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.5重量部、他の親水性添加剤としてメラミン(日産化学工業(株)製)0.2重量部、タルク0.03重量部とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率9倍、平均気泡径380μmであった。気泡の均一性は実施例1〜3に比較するとやや劣るもののほぼ均一であった。倍率バラツキRは7と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径567μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.5重量部、他の親水性添加剤としてメラミン(日産化学工業(株)製)0.2重量部、タルク0.2重量部とした他は実施例1と同様に発泡、2段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率16倍、平均気泡径252μmであった。気泡の均一性は実施例1〜3に比較するとやや劣るもののほぼ均一であった。倍率バラツキRは3と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。2段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径311μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.5重量部、他の親水性添加剤としてポリエチレングリコール(ライオン(株)製、#300)0.2重量部、タルク0.1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率17倍、平均気泡径301μmであった。気泡の均一性に優れていた。倍率バラツキRは1と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径364μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を1重量部、他の親水性添加剤としてポリエチレングリコール(ライオン(株)製、ポリエチレングリコール#300)0.5重量部、タルク0.1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、2段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率19倍、平均気泡径309μmであった。気泡の均一性に優れていた。倍率バラツキRは1と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径359μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.5重量部、他の親水性添加剤としてホウ酸亜鉛(富田製薬(株)製、ホウ酸亜鉛2335)0.1重量部、タルク無添加とした他は実施例1と同様に発泡、二段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率15倍、平均気泡径189μmであった。気泡の均一性は実施例1〜3に比較するとやや劣るもののほぼ均一であった。倍率バラツキRは3と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径238μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も無く、成形体の寸法収縮が小さく、成形体の歪が少なく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を1重量部、タルク0.1重量部とし、発泡剤の炭酸ガスは使用せず、窒素ガスを容器内へ導入し、151℃に加熱した。その他は実施例1と同様に一段発泡、二段発泡、型内成形評価した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率10倍、平均気泡径144μmであった。気泡の均一性は実施例1〜3に比較するとやや劣るもののほぼ均一であった。倍率バラツキRは7と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径208μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も僅かであり、成形体の寸法収縮が小さく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体(b−2)(三洋化成(株)製、ペレスタット300、融点135℃)を1重量部に変更し、タルク0.1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、2段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率12倍、平均気泡径241μmであった。気泡の均一性は優れていた。倍率バラツキRは4と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径327μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も僅かであり、成形体の寸法収縮が小さく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体(b−3)(三洋化成(株)製、ペレスタット230、融点163℃)を1重量部に変更し、タルク0.1重量部とした他は実施例1と同様に発泡、2段発泡、型内成形した。一段発泡にて得られた一段発泡粒子は2つの融点を示し、発泡倍率11倍、平均気泡径195μmであった。気泡の均一性は優れていた。倍率バラツキRは4と優れていた。次に、実施例1と同様に発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。二段発泡粒子は、示差走査熱量計測定において2つの融点を示し、平均気泡径272μmで気泡の均一性に優れていた。型内成形評価の結果、得られた型内発泡成形体の表面は平滑性に優れ、しわの発生も僅かであり、成形体の寸法収縮が小さく、粒子どうしの融着に優れ、美麗な型内発泡成形体であった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を使用せず、タルク0.1重量部のみとした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率7倍と低い倍率しか得られず、平均気泡径135μmと小さいものであった。二段発泡においては、発泡倍率30倍にするには高い蒸気圧が必要となり、予備発泡粒子どうしが付着するスティックの発生が多数見られた。その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ得られた型内発泡成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.1重量部、タルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率8倍と低い倍率しか得られず、平均気泡径153μm、倍率バラツキRが11と大きかった。二段発泡においては、発泡倍率30倍にするには高い蒸気圧が必要となり、予備発泡粒子どうしが付着するスティックの発生が多数見られた。その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ得られた型内発泡成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を0.1重量部、他の親水性物質としてメラミン(日産化学工業(株)製)0.2重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率13倍、平均気泡径189μm、大きな気泡と小さな気泡が混在し均一性に劣るものであった。倍率バラツキRは9と大きかった。二段発泡により発泡倍率30倍にすることに問題はなかったが、その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ得られた型内発泡成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を30重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率16倍、平均気泡径245μm、予備発泡粒子の中心側が小さな気泡で、表層側は大きな気泡となる不均一なものであった。倍率バラツキは8と発泡倍率16倍としては大きいものであった。二段発泡により発泡倍率30倍にすることに問題はなかったが、その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ得られた型内発泡成形体の寸法収縮率が少し大きく、しわや表面の凹凸が見られ、外観の劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体は使用せず、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をナトリウムイオン架橋したエチレン系アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1707、融点89℃)を1重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率11倍となり、平均気泡径180μmであった。倍率バラツキRは16とかなり大きく、気泡のバラツキも大きかった。二段発泡では特に問題はなかったが、二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ、成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。混練性の低い押出機にてアイオノマー樹脂を含むポリオレフィン系樹脂粒子を作成しており、アイオノマー樹脂の分散不良が発生していると考えられた。また型内発泡成形体の表面にしわが発生し、寸法収縮も小さかったことは、アイオノマー樹脂が発泡時の温度降下による粘度上昇が大きい樹脂であるために不良を引き起こしており、実施例に示したポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体を使用した場合では問題が無いことがわかる。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体は使用せず、ポリエーテルエステルアミド(b’−1)(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、IRGASTAT P18、融点180℃)を1重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率10倍と低倍率となり、平均気泡径126μmと小さいものであった。倍率バラツキRは12とかなり大きく、気泡のバラツキも大きいものであり、ポリエーテルエステルアミド分散不良となっていると見られた。二段発泡においては、発泡倍率30倍にするには高い蒸気圧が必要となり、予備発泡粒子どうしが付着するスティックの発生が見られた。その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ、成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体は使用せず、マレイン酸変性ポリプロピレン(東洋化成工業(株)製、トーヨータック、融点150℃)を1重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率8倍と低倍率となり、平均気泡径130μmと小さいものであった。倍率バラツキRは11と大きかった。二段発泡においては、発泡倍率30倍にするには高い蒸気圧が必要となり、予備発泡粒子どうしが付着するスティックの発生が多数見られた。その二段発泡粒子を使用し、型内発泡成形したところ、成形体の寸法収縮率が大きく、しわの発生が見られ、外観の劣るものであった。また融着に劣るものであった。
添加剤のポリプロピレン・ポリエチレングリコールブロック共重合体は使用せず、親水性ポリマーとして架橋ポリアルキレンオキサイド(住友精化社製、アクアコークTWB−P、融点60℃)を1重量部、発泡核剤としてタルク0.1重量部とした以外は実施例1と同様に発泡させた。発泡倍率11倍となり、平均気泡径320μmであった。倍率バラツキRが13と大きく、成形体の寸法収縮率が大きく、融着が低い点で劣っていた。
Claims (8)
- ポリオレフィン系樹脂(a)100重量部に対し、ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体(b)0.2重量部以上5重量部未満と、発泡核剤(c)0.005重量部以上2重量部以下を含有するポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させてなるポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- ポリオレフィン系樹脂(a)が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体(b)のポリエーテル部がポリエチレングリコールからなる請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- 発泡倍率が6倍以上50倍以下、平均気泡径が50μm以上800μm以下である請求項1〜3何れか一項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- ポリオレフィン系樹脂に、ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体以外の親水性物質(d)を含んでなる請求項1〜4何れか一項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体以外の親水性物質(d)が、メラミンおよび/またはグリセロール類1重量部以下である請求項5記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
- ポリオレフィン系樹脂(a)100重量部に対し、ポリオレフィン・ポリエーテルブロック共重合体(b)0.2重量部以上5重量部未満と、発泡核剤(c)0.005重量部以上2重量部以下を含有するポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂粒子を、水系分散媒に発泡剤と共に密閉容器内に分散させ、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧した後、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出し、ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させることを特徴とする請求項1〜6何れか一項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
- 発泡剤として炭酸ガスを使用する請求項7記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
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