JP7225038B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 - Google Patents
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Description
また、得られる発泡粒子成形体の物性を向上させるために、プロピレンと他のモノマーとを共重合した共重合体を用いる試みが行われており、その中でも、1-ブテンとエチレンのコモノマー成分を共重合した3元共重合体を用いる試みが行われている。
たとえば、特許文献1には、1-ブテンとエチレンのコモノマー成分を含むプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とする特定密度のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体が開示されている。また、特許文献2には、1-ブテンからなる構造単位を含む低融点のポリプロピレン系樹脂と高融点のポリプロピレン系樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂発泡粒子が開示されている。さらに特許文献3には、特定の融点とメルトインデックスを有するエチレン-プロピレンランダム共重合体あるいはエチレン-プロピレン-1-ブテンランダム共重合体を基材樹脂とすることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。
本発明は、成形性に優れ、得られる成形体の圧縮時の強度にも優れる発泡粒子成形体を作製できる発泡粒子、及び強度に優れる成形体を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びそれを用いた発泡粒子成形体である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とする。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成する樹脂には、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体以外の樹脂を含む場合、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体以外の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のみからなることがより更に好ましい。
本発明におけるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上である。
このような共重合体比率を満足する共重合体は、低成形圧での成形性と剛性に優れる発泡粒子成形体の製造を可能とする。また、ブテン成分含有量が少なすぎる場合には、従来技術に見られる発泡体と同様に、低い成形圧で、良好な圧縮特性を有する発泡粒子成形体が得られ難くなるおそれがある。
また、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量の下限は、好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.3質量%、更に好ましくは0.4質量%である。前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量の上限は、好ましくは2質量%、より好ましくは1.5質量%、更に好ましくは1.2質量%である。
また、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のプロピレン成分含有量の下限は、好ましくは78質量%、より好ましくは80質量%、更に好ましくは85質量%である。前記プロピレン成分含有量の上限は、好ましくは91.7質量%、より好ましくは91質量である。
なお、ブテン成分含有量と、エチレン成分含有量とプロピレン成分含有量との合計を100質量%とする。
これらモノマー成分の含有量は、共重合組成が既知であるポリプロピレン系樹脂を基準として、IRスペクトル測定により求めることができる。具体的には実施例に記載の方法で求めることができる。
また、共重合体中の各モノマー成分の含有量は、共重合体中の各モノマー由来の構成単位の含有量を意味するものとする。
一方、上限は、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
このような重合体比率を有する共重合体は、そのブテン成分/エチレン成分比率の組成等に起因して、比較的低い融点を有するにもかかわらず、剛性に優れるものとなる。
前記質量比を満足する場合には、発泡粒子とする場合において、発泡時の気泡の生成過程において良好な気泡膜が形成され得るものとなり、さらに型内成形時の2次発泡においても、気泡膜が破壊され難く、良好な成形性を有するものとなる。また、高い成形圧でも気泡構造を保持することができるので、高い成形圧であっても発泡粒子成形体の成形が可能となり、幅広い成形条件幅での成形が可能となる。
また、低い成形圧でも発泡粒子成形体の成形が可能であるとともに、得られる発泡粒子成形体が高い剛性を示すものとなるので、成形性と高圧縮強度を両立する発泡粒子成形体を得ることができる発泡粒子となる。
融点は、JIS K7121:1987に準拠して求めることができる。具体的には実施例に記載の方法で求める。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線に、樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)の高温側に1以上の融解ピーク(高温ピーク)を有することが好ましい。
これらの融解ピークは、実施例に示す方法によって得ることができる。
具体的には、示差走査熱量計によって、発泡粒子を23℃から200℃まで10℃/分で昇温測定し、2つ以上の融解ピークを有するDSC曲線を得、最大の融解熱量を有するピークを樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)、それより高温側に現れる融解ピークを高温ピークとする。
この場合のDSC曲線とは、前記測定方法により得られる第1回目の加熱のDSC曲線であり、樹脂固有の融解による吸熱ピーク(樹脂固有ピーク)とは、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークであり、ポリプロピレン系樹脂が本来有する結晶の融解時の吸熱によるものであると考えられる。
一方、樹脂固有ピークの高温側の吸熱ピーク(高温ピーク)とは、第1回目のDSC曲線で前記樹脂固有ピークよりも高温側に現れる吸熱ピークである。この高温ピークが現れる場合、樹脂中に二次結晶が存在するものと推定される。なお、10℃/分の昇温速度で23℃から200℃まで加熱した後、10℃/分の冷却速度で200℃から23℃まで冷却し、その後再び10℃/分の昇温速度で23℃から200℃まで加熱したときに得られるDSC曲線(第2回加熱のDSC曲線)においては、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂に固有の融解による吸熱ピークのみが見られる。この樹脂固有ピークは前記第1回加熱のDSC曲線にも第2回加熱のDSC曲線にも現われ、ピーク頂点の温度は第1回と第2回で多少異なる場合があるが、通常、その差は5℃未満である。これによって、いずれのピークが樹脂固有ピークであるかを確認することができる。この吸熱ピークは、前記ポリプロピレン系樹脂の重合体比率などにより変化する。
また、前記高温ピークの融解熱量と、DSC曲線の全融解ピークの融解熱量の比(高温ピークの融解熱量/全融解ピークの融解熱量)は、好ましくは0.05~0.3、より好ましくは0.1~0.25、更に好ましくは0.15~0.2である。
高温ピークの融解熱量及び全融解ピークの融解熱量との比をこのような範囲にすることで、高温ピークとして表れる二次結晶の存在により、発泡粒子は特に機械的強度に優れると共に、型内成形性に優れるものになると考えられる。
ここで、全融解ピークの融解熱量とは、DSC曲線の全ての融解ピークの面積から求められる融解熱量の合計をいう。
各ピークの融解熱量は、具体的には、実施例に記載した方法により求めることができる。
例えば、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の好ましい製造方法は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒に分散させ、樹脂粒子に発泡剤を含侵させ、低圧下に放出する(分散媒放出発泡方法)方法を採用することができる。
より好ましい製造方法は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を、密閉容器内で分散媒に分散させ、加熱後、発泡剤を圧入して樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。その後、一定温度にて二次結晶を成長させる保持工程を経た後、内容物を低圧下に放出することにより発泡させて発泡粒子を得る。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造に用いられる前記樹脂粒子は、押出機内に基材樹脂として、必要に応じて配合される気泡核剤等の他の添加剤とエチレン-プロピレン-ブテン共重合体とを配合して供給し、加熱、混練して樹脂溶融物とした後、該樹脂溶融物を押出機からストランドカット方式、ホットカット方式、水中カット方式等によりペレタイズすることにより得ることができる。
前記のようにして得られた樹脂粒子を密閉容器内で分散させるための分散媒としては水性分散媒が用いられる。該水性分散媒は、水を主成分とする分散媒である。水性分散媒における水の割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。水性分散媒中の水以外の分散媒としては、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は、前記発泡粒子を型内成形することにより得ることができる。
具体的には、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形して得られる。該発泡粒子成形体は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とする。
本発明の発泡粒子成形体は、前記発泡粒子を型内成形して得られるものであることが好ましい。
型内成形法は、発泡粒子を成形型内に充填し、スチーム等の加熱媒体を用いて加熱成形することにより行うことができる。具体的には、発泡粒子を成形型内に充填した後、成形型内にスチーム等の加熱媒体を導入することにより、発泡粒子を加熱して発泡させると共に、相互に融着させて成形空間の形状が賦形された発泡粒子成形体を得ることができる。また、本発明における型内成形は、発泡粒子を空気等の加圧気体により予め加圧処理して発泡粒子の気泡内の圧力を高めて、発泡粒子内の圧力を大気圧よりも0.01~0.3MPa高い圧力に調整した後、大気圧下又は減圧下で該発泡粒子を成形型内に充填し、次いで型内にスチーム等の加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱融着させる加圧成形法(例えば、特公昭51-22951号公報)により成形することが好ましい。また、圧縮ガスにより大気圧以上に加圧した成形型内に、当該圧力以上に加圧した発泡粒子を充填した後、キャビティ内にスチーム等の加熱媒体を供給して加熱を行い、発泡粒子を加熱融着させる圧縮充填成形法(特公平4-46217号公報)により成形することもできる。その他に、特殊な条件にて得られる二次発泡力の高い発泡粒子を、大気圧下又は減圧下で成形型のキャビティ内に充填した後、次いでスチーム等の加熱媒体を供給して加熱を行い、発泡粒子を加熱融着させる常圧充填成形法(特公平6-49795号公報)又は上記の方法を組み合わせた方法(特公平6-22919号公報)などによっても成形することができる。
共重合組成が既知であるポリプロピレン系樹脂を180℃環境下でホットプレスし、厚み約100μmのフィルムを作製した。作製したフィルムのIRスペクトル測定により、プロピレン由来の810cm-1における吸光度(I810)、エチレン由来の733cm-1における吸光度(I733)、ブテン由来の766cm-1における吸光度(I766)を読み取った。そして、吸光度比(I733/I810)を横軸に、エチレン成分含有量を縦軸にとることで、エチレン成分含有量の検量線とした。同様に、吸光度比(I766/I810)を横軸に、ブテン成分含有量を縦軸にとることで、ブテン成分含有量の検量線とした。次いで、検量線作製時のサンプル調製方法と同様にして、実施例及び比較例で用いたポリプロピレン系樹脂をホットプレスして厚み約100μmのフィルムを作製し、IRスペクトル測定により、I810、I733、I766を読み取り、先に作成した検量線に従い、エチレン成分含有量、ブテン成分含有量を算出した。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K7121:1987に準拠して求めた。具体的には、ペレット状の基材樹脂2mgを試験片としてJIS K7121:1987に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した後に、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、再度10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した際に得られるDSC曲線により定まる吸熱ピークの頂点温度を基材樹脂の融点とした。なお、測定装置は、熱流束示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製、型番:DSC7020)を用いた。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、温度190℃、荷重2.16kgの条件でJIS K7210-1:2014に準拠して測定した。
基材樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して求めた。試験片は、発泡粒子を230℃でヒートプレスして4mmのシートを作製し、該シートから長さ80mm×幅10mm×厚さ4mm(標準試験片)に切り出したものを使用した。また、圧子の半径R1及び支持台の半径R2は共に5mm、支点間距離は64mmとし、試験速度は2mm/minとした。
基材樹脂の引張弾性率は、発泡粒子を230℃でシートとし、JIS K6758に準拠してサンプル厚み1mm、2号試験片、試験速度0.25mm/minにて測定した。
発泡粒子1~3mgを採取し、示差熱走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製DSC .Q1000)によって23℃から200℃まで10℃/分で昇温測定を行い、1つ以上の融解ピークを有するDSC曲線を得る。次の説明における樹脂固有ピークをA、それより高温側に現れる高温ピークをBとする。
該DSC曲線上の80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点βとを結ぶ直線(α-β)を引く。なお、上記融解終了温度Tとは、高温ピークBの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。次に上記の樹脂固有ピークAと高温ピークBとの間の谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、前記直線(α-β)と交わる点をδとする。
樹脂固有ピークAの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と、線分(α-δ)と、線分(γ-δ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを樹脂固有ピークの融解熱量とした。
高温ピークBの面積は、DSC曲線の高温ピークB部分の曲線と、線分(δ-β)と、線分(γ-δ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを高温ピークの融解熱量とした。
全融解ピークの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と高温ピークB部分の曲線と、線分(α-β)とによって囲まれる部分の面積であり、これを全融解ピークの融解熱量とした。
後述の<発泡粒子成形体の製造>の方法で、成形スチーム圧を0.20~0.38MPaの間で0.02MPa変化させて発泡粒子成形体を成形し、得られた成形体の融着性、表面外観(間隙=ボイドの度合い)、回復性(型内成形後の膨張または収縮の回復性)の項目について、型内成形性を評価し、下記で示した基準に達したものを合格とし、全ての項目で合格となったスチーム圧を成形可能なスチーム圧とした。成形可能なスチーム圧の下限値から上限値までの幅が広いものほど、成形可能範囲が広く、好適である。
(融着性)
発泡粒子成形体を折り曲げて破断し、破断面に存在する発泡粒子の数(C1)と破壊した発泡粒子の数(C2)とを求め、上記発泡粒子に対する破壊した発泡粒子の比率(C2/C1×100)を材料破壊率として算出した。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均した材料破壊率が90%以上であるときを合格とした。
(表面外観)
発泡粒子成形体の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線上に線を引き、その線上の1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)の数を数え、ボイドの数が5個未満であり、かつ表面に凹凸がないときを合格とした。
(回復性)
型内成形で用いた縦250mm、横200mm、厚み20mmの平板形状の金型の寸法に対応する発泡粒子成形体における四隅部付近(角より中心方向に10mm内側)の厚みと中心部(縦方向、横方向とも2等分する部分)の厚みをそれぞれ計測した。次いで、四隅部付近のうち最も厚みの厚い箇所の厚みに対する中心部の厚みの比(%)を算出し、比が95%以上であるときを合格とした。
<ポリプロピレン系発泡粒子の製造>
ポリプロピレン系樹脂1(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.0質量%、エチレン成分含有量1.0質量%。その他の特性は表1に示す。)を押出機内で200~230℃にて溶融混練した後、ストランド状に押出して水冷し、ペレタイザーで質量が約1.3mgとなるように切断、乾燥してポリプロピレン系樹脂粒子を得た。なお、樹脂粒子製造に際し、気泡調製剤としてのホウ酸亜鉛を押出機に供給し、基材樹脂中にホウ酸亜鉛500質量ppmを含有させた。
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂2(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.4質量%、エチレン成分含有量0.5質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子2を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂3(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.1質量%、エチレン成分含有量6.5質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子3を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂4(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量8.8質量%、エチレン成分含有量1.6質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子4を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
なお、本比較例で得られた発泡粒子では30倍成形の成形体を得ることはできなかった。
発泡粒子のDSC曲線の高温ピークの融解熱量(二次結晶に由来すると推定)を変更するために、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子5及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例2と同様にして発泡粒子6及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は比較例1と同様にして発泡粒子7及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
実施例及び比較例で得られた成形体から、縦5cm×横5cm×高さ2.5cmの試験片を採取し、上記試験片を圧縮速度10mm/分で圧縮して50%歪時の応力を測定した。
<発泡粒子成形体(15倍成形)の製造>
縦250mm×横200mm×厚さ50mmの平板成形型に空気で0.25MPa(G)の内圧を付与した後、得られる成形体が15倍成形となるように実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子1を充填し、金型両面からスチームを5秒供給して予備加熱(排気工程)を行った後、成形圧0.30MPa(G)より0.08MPa(G)低い圧力のスチームに達するまで金型の一方の面側から一方加熱を行い、次いで成形圧より0.04MPa(G)低い圧力のスチームに達するまで金型の他方の面側より一方加熱を行った後、成形圧0.30MPa(G)に達するまで加熱を行った(本加熱)。加熱終了後、放圧し、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)になるまで水冷した後、型を開放して成形体を取り出した。得られた成形体を80℃のオーブン中で12時間養生し、発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1を、表3に示した実施例及び比較例で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子2~7に変更し、成形圧を表3に示した値に変更した以外は実施例5と同様にして発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表3に示す。
<発泡粒子成形体(30倍成形)の製造>
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1~7を、得られる成形体が30倍成形となるように、平板成形型に充填し、成形圧を表4に示した値に変更した以外は実施例5と同様にして、発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表4に示す。
Claims (7)
- ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量が0.1~2質量%である、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線において、樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)と該樹脂固有ピークの高温側に1以上の融解ピーク(高温ピーク)とを有し、前記高温ピークの融解熱量が、5~40J/gである、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 前記高温ピークの融解熱量と、前記DSC曲線の全融解ピークの融解熱量の比(高温ピークの融解熱量/全融解ピークの融解熱量)が、0.05~0.3である、請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体の融点が、136~148℃である、請求項1~4のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 前記基材樹脂の引張弾性率が、700~900MPaである、請求項1~5のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 請求項1~6のいずれか1つに記載の発泡粒子を型内成形して得られる発泡粒子成形体。
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