JP7225038B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体は、ポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体に比較して、耐薬品性、耐衝撃性、圧縮歪回復性等に優れている。このため、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は、衝撃吸収材、断熱材及び各種包装材等として、食品容器、電気・電子部品の包装・緩衝材、自動車バンパーや内装部材、住宅用断熱材等の建築部材、雑貨等の広い分野で利用されている。
また、得られる発泡粒子成形体の物性を向上させるために、プロピレンと他のモノマーとを共重合した共重合体を用いる試みが行われており、その中でも、1-ブテンとエチレンのコモノマー成分を共重合した3元共重合体を用いる試みが行われている。
たとえば、特許文献1には、1-ブテンとエチレンのコモノマー成分を含むプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とする特定密度のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体が開示されている。また、特許文献2には、1-ブテンからなる構造単位を含む低融点のポリプロピレン系樹脂と高融点のポリプロピレン系樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂発泡粒子が開示されている。さらに特許文献3には、特定の融点とメルトインデックスを有するエチレン-プロピレンランダム共重合体あるいはエチレン-プロピレン-1-ブテンランダム共重合体を基材樹脂とすることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。
特開平7-258455号公報 国際公開第2016/60162号 特開平10-316791号公報
しかしながら、近年では様々な用途に適用するために、発泡粒子成形体に用いられる発泡粒子には、幅広い成形圧力によって成形が可能であることが求められ、また、得られる成形体にも高い強度が求められるようになっている。これらの点において、前記特許文献1~3に記載の共重合体を基材とする発泡粒子では、いまだ発泡粒子の成形性や、発泡粒子から得られる発泡粒子成形体の圧縮物性に課題を残すものであった。
本発明は、成形性に優れ、得られる成形体の圧縮時の強度にも優れる発泡粒子成形体を作製できる発泡粒子、及び強度に優れる成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、発泡粒子を構成する基材樹脂であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体の共重合体比率について、鋭意検討し、ブテン成分と、エチレン成分とが特定の関係を有することによって、前記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びそれを用いた発泡粒子成形体である。
本発明によれば、成形性に優れ、得られる成形体の圧縮時の強度にも優れる発泡粒子成形体を作製できる発泡粒子、及び前記の優れた特徴を有する発泡粒子成形体を得ることができる。
[ポリプロピレン系樹脂発泡粒子]
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とする。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成する樹脂には、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体以外の樹脂を含む場合、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体以外の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のみからなることがより更に好ましい。
(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体)
本発明におけるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上である。
このような共重合体比率を満足する共重合体は、低成形圧での成形性と剛性に優れる発泡粒子成形体の製造を可能とする。また、ブテン成分含有量が少なすぎる場合には、従来技術に見られる発泡体と同様に、低い成形圧で、良好な圧縮特性を有する発泡粒子成形体が得られ難くなるおそれがある。
前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のブテン成分含有量の下限は、7質量%であり、好ましくは8質量%である。前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のブテン成分含有量の上限は、20質量%であり、好ましくは15質量%、より好ましくは12質量%である。共重合体のブテン成分に用いられるブテンは、直鎖のα-オレフィンである1-ブテンが好ましい。
また、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量の下限は、好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.3質量%、更に好ましくは0.4質量%である。前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量の上限は、好ましくは2質量%、より好ましくは1.5質量%、更に好ましくは1.2質量%である。
また、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のプロピレン成分含有量の下限は、好ましくは78質量%、より好ましくは80質量%、更に好ましくは85質量%である。前記プロピレン成分含有量の上限は、好ましくは91.7質量%、より好ましくは91質量である。
なお、ブテン成分含有量と、エチレン成分含有量とプロピレン成分含有量との合計を100質量%とする。
前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体は、エチレン成分、プロピレン成分、ブテン成分以外のモノマー成分を含んでいてもよいが、実質的にこれら3種のモノマー成分からなることが好ましく、これら3種のモノマー成分のみからなることがより好ましい。
これらモノマー成分の含有量は、共重合組成が既知であるポリプロピレン系樹脂を基準として、IRスペクトル測定により求めることができる。具体的には実施例に記載の方法で求めることができる。
本発明において、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分、プロピレン成分及びブテン成分とは、前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体における、エチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位及びブテン由来の構成単位を意味し、エチレン成分、プロピレン成分、ブテン成分以外のモノマー成分とは、エチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位、ブテン由来の構成単位以外のモノマー由来の構成単位を意味する。
また、共重合体中の各モノマー成分の含有量は、共重合体中の各モノマー由来の構成単位の含有量を意味するものとする。
ブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)は、7以上であり、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは13以上である。
一方、上限は、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
このような重合体比率を有する共重合体は、そのブテン成分/エチレン成分比率の組成等に起因して、比較的低い融点を有するにもかかわらず、剛性に優れるものとなる。
前記質量比を満足する場合には、発泡粒子とする場合において、発泡時の気泡の生成過程において良好な気泡膜が形成され得るものとなり、さらに型内成形時の2次発泡においても、気泡膜が破壊され難く、良好な成形性を有するものとなる。また、高い成形圧でも気泡構造を保持することができるので、高い成形圧であっても発泡粒子成形体の成形が可能となり、幅広い成形条件幅での成形が可能となる。
また、低い成形圧でも発泡粒子成形体の成形が可能であるとともに、得られる発泡粒子成形体が高い剛性を示すものとなるので、成形性と高圧縮強度を両立する発泡粒子成形体を得ることができる発泡粒子となる。
前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体の融点の下限は、型内成形性と耐熱性を両立させるという観点から、好ましくは136℃、より好ましくは137℃、更に好ましくは138℃である。前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体の融点の上限は、耐熱性の観点から、好ましくは148℃、より好ましくは145℃、更に好ましくは142℃である。
融点は、JIS K7121:1987に準拠して求めることができる。具体的には実施例に記載の方法で求める。
前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは2~10g/10分、より好ましくは5~9g/10分である。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の融解熱量)
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線に、樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)の高温側に1以上の融解ピーク(高温ピーク)を有することが好ましい。
これらの融解ピークは、実施例に示す方法によって得ることができる。
具体的には、示差走査熱量計によって、発泡粒子を23℃から200℃まで10℃/分で昇温測定し、2つ以上の融解ピークを有するDSC曲線を得、最大の融解熱量を有するピークを樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)、それより高温側に現れる融解ピークを高温ピークとする。
この場合のDSC曲線とは、前記測定方法により得られる第1回目の加熱のDSC曲線であり、樹脂固有の融解による吸熱ピーク(樹脂固有ピーク)とは、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークであり、ポリプロピレン系樹脂が本来有する結晶の融解時の吸熱によるものであると考えられる。
一方、樹脂固有ピークの高温側の吸熱ピーク(高温ピーク)とは、第1回目のDSC曲線で前記樹脂固有ピークよりも高温側に現れる吸熱ピークである。この高温ピークが現れる場合、樹脂中に二次結晶が存在するものと推定される。なお、10℃/分の昇温速度で23℃から200℃まで加熱した後、10℃/分の冷却速度で200℃から23℃まで冷却し、その後再び10℃/分の昇温速度で23℃から200℃まで加熱したときに得られるDSC曲線(第2回加熱のDSC曲線)においては、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂に固有の融解による吸熱ピークのみが見られる。この樹脂固有ピークは前記第1回加熱のDSC曲線にも第2回加熱のDSC曲線にも現われ、ピーク頂点の温度は第1回と第2回で多少異なる場合があるが、通常、その差は5℃未満である。これによって、いずれのピークが樹脂固有ピークであるかを確認することができる。この吸熱ピークは、前記ポリプロピレン系樹脂の重合体比率などにより変化する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温ピークの融解熱量は、好ましくは5~40J/g、より好ましくは7~30J/g、更に好ましくは10~20J/gである。
また、前記高温ピークの融解熱量と、DSC曲線の全融解ピークの融解熱量の比(高温ピークの融解熱量/全融解ピークの融解熱量)は、好ましくは0.05~0.3、より好ましくは0.1~0.25、更に好ましくは0.15~0.2である。
高温ピークの融解熱量及び全融解ピークの融解熱量との比をこのような範囲にすることで、高温ピークとして表れる二次結晶の存在により、発泡粒子は特に機械的強度に優れると共に、型内成形性に優れるものになると考えられる。
ここで、全融解ピークの融解熱量とは、DSC曲線の全ての融解ピークの面積から求められる融解熱量の合計をいう。
各ピークの融解熱量は、具体的には、実施例に記載した方法により求めることができる。
前記基材樹脂の引張弾性率は、成形性と成形体の強度を両立させる観点から、好ましくは700~900MPa、より好ましくは730~890MPa、更に好ましくは740~880MPaである。本発明において、特に、基材樹脂が実質的にエチレン-プロピレン-ブテン共重合体からなる場合には、共重合体成分としてブテンを多く含むとともに、エチレンとブテンの比率が特定範囲となるので、引張弾性率が低い共重合体であっても、発泡粒子成形体は剛性に優れるものとなる。引張弾性率はJIS K6758に基づき、サンプル厚み1mmの2号試験片を用い、試験速度0.25mm/分にて測定することで求めることができる。
前記基材樹脂の曲げ弾性率は、好ましくは800~1200MPa、より好ましくは850~1000MPa、更に好ましくは900~1000MPaである。曲げ弾性率が、上記範囲内であることにより、発泡時の気泡膜が強固なものとなり、発泡粒子を成形して得られる発泡粒子成形体の強度をさらに大きくすることができる。曲げ弾性率は、JIS K7171(2008)に基づき、求めることができる。
[ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法]
例えば、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の好ましい製造方法は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒に分散させ、樹脂粒子に発泡剤を含侵させ、低圧下に放出する(分散媒放出発泡方法)方法を採用することができる。
より好ましい製造方法は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を、密閉容器内で分散媒に分散させ、加熱後、発泡剤を圧入して樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。その後、一定温度にて二次結晶を成長させる保持工程を経た後、内容物を低圧下に放出することにより発泡させて発泡粒子を得る。
(ポリプロピレン系樹脂粒子の製造)
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造に用いられる前記樹脂粒子は、押出機内に基材樹脂として、必要に応じて配合される気泡核剤等の他の添加剤とエチレン-プロピレン-ブテン共重合体とを配合して供給し、加熱、混練して樹脂溶融物とした後、該樹脂溶融物を押出機からストランドカット方式、ホットカット方式、水中カット方式等によりペレタイズすることにより得ることができる。
前記樹脂粒子の粒子径は、好ましくは0.1~3.0mm、より好ましくは0.3~1.5mmである。また、前記樹脂粒子の長さ/直径比は、好ましくは0.5~5.0、より好ましくは1.0~3.0である。また、1個当たりの平均質量(無作為に選んだ200個の質量を測定した1個当たりの相加平均値)は、0.1~20mgとなるように調整されることが好ましく、より好ましくは0.2~10mg、更に好ましくは0.3~5mg、特に好ましくは0.4~2mgである。
なお、ストランドカット法における、樹脂粒子の粒子径、長さ/直径比や平均質量の調整は、樹脂溶融物を押出す際に、押出速度、引き取り速度、カッタースピードなどを適宜変えて切断することにより行うことができる。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造)
前記のようにして得られた樹脂粒子を密閉容器内で分散させるための分散媒としては水性分散媒が用いられる。該水性分散媒は、水を主成分とする分散媒である。水性分散媒における水の割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。水性分散媒中の水以外の分散媒としては、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
本発明で好適に用いられる分散媒放出発泡方法においては、容器内で加熱されたポリプロピレン系樹脂粒子同士が容器内で互いに融着しないように、分散媒体中に分散剤を添加することが好ましい。分散剤としては、ポリプロピレン系樹脂粒子の容器内での融着を防止するものであればよく、有機系、無機系を問わず使用可能であるが、取り扱いの容易さから微粒状無機物が好ましい。例えば、アムスナイト、カオリン、マイカ、クレー等の天然又は合成粘土鉱物や、酸化アルミニウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化鉄等が挙げられ、1種または2種以上、数種の組み合わせで使用してもよい。なかでも天然又は合成粘土鉱物が好ましく用いられる。前記分散剤は、前記樹脂粒子100質量部当たり0.001~5質量部程度添加することが好ましい。
なお、分散剤を使用する場合、分散助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を併用することが好ましい。前記分散助剤は、前記樹脂粒子100質量部当たり、0.001~1質量部程度添加することが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させるための発泡剤としては、物理発泡剤を用いることが好ましい。該物理発泡剤は、無機系物理発泡剤と有機系物理発泡剤が挙げられ、無機系物理発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。また、有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素、クロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1-ジフルオロメタン、1-クロロ-1,1-ジクロロエタン、1,2,2,2-テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。なお、該物理発泡剤は単独で用いても、あるいは二種以上を混合して用いてもよい。また、無機系物理発泡剤と有機系物理発泡剤とを混合して用いることもできる。これらの発泡剤のうち、環境に対する負荷や取扱い性の観点から、好ましくは無機系物理発泡剤、より好ましくは二酸化炭素が用いられる。その他有機系物理発泡剤を用いる場合には、ポリプロピレン系樹脂との相溶性、発泡性の観点から、n-ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタンを使用することが好ましい。
基材樹脂100質量部に対する発泡剤の添加量は、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは0.5~15質量部である。
発泡粒子製造工程において、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、樹脂粒子を密閉容器内の水性分散媒中に分散させ、加熱しながら、発泡剤を圧入し、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法が好ましく用いられる。
本発明の発泡粒子は、必要に応じて難燃剤、難燃助剤、気泡核剤、気泡調整剤、可塑剤、耐電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤等の従来公知の添加物を含有していてもよい。これらの添加剤は樹脂粒子を得る工程で添加することで発泡粒子中に含有させることができる。例えば、樹脂粒子中の添加剤の割合は、基材樹脂100質量部あたり、0.01~1質量部が好ましい。
発泡時の密閉容器内圧は0.5MPa(G)以上であることが好ましい。一方、密閉容器内圧の上限は4.0MPa(G)が好ましい。上記範囲内であれば、密閉容器の破損や爆発等のおそれがなく安全に発泡粒子を製造することができる。
発泡粒子製造工程における水性分散媒の昇温を、1~5℃/分で行うことで、発泡時の温度も適切な範囲とすることができる。
本発明の好ましいポリプロピレン系樹脂発泡粒子である、示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線に、樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)の高温側に1以上の融解ピーク(高温ピーク)を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、以下のようにして得ることができる。
発泡粒子製造工程における加熱時に、(ポリプロピレン系樹脂の融点-20℃)以上、(ポリプロピレン系樹脂の融解終了温度)未満の温度で昇温を止め、その温度で十分な時間、好ましくは10~60分程度保持し(一段保持工程)、その後、(ポリプロピレン系樹脂の融点-15℃)から(ポリプロピレン系樹脂の融解終了温度+10℃)に調節し、必要によりその温度でさらに十分な時間、好ましくは10~60分程度保持(二段保持工程)してから発泡性樹脂粒子を密閉容器内から低圧下に放出して発泡させる方法により得ることができる。
密閉容器内を(ポリプロピレン系樹脂の融点-10℃)以上の温度とした後に発泡することが好ましく、(ポリプロピレン系樹脂の融点)~(ポリプロピレン系樹脂の融点+20℃)以下とした後に発泡することがより好ましい。
発泡粒子の平均気泡径は、20~400μmが好ましい。該平均気泡径が前記範囲内であると、型内成形性に優れると共に、成形後の寸法回復性に優れ、圧縮物性などの機械的物性にも優れた発泡粒子成形体を得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、見掛け密度10~100kg/mであることが好ましく、より好ましくは15~50kg/mである。前記範囲内であれば、得られる発泡粒子は、断熱性能に優れると共に十分な軽量性を有することから好ましい。
なお、上記のようにして得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、空気により加圧処理して内圧を高めた後、スチーム等で加熱して発泡させ(二段発泡)、さらに発泡倍率の高い(見掛け密度の低い)発泡粒子とすることもできる。
[ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体]
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は、前記発泡粒子を型内成形することにより得ることができる。
具体的には、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形して得られる。該発泡粒子成形体は、ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とする。
(発泡粒子成形体)
本発明の発泡粒子成形体は、前記発泡粒子を型内成形して得られるものであることが好ましい。
型内成形法は、発泡粒子を成形型内に充填し、スチーム等の加熱媒体を用いて加熱成形することにより行うことができる。具体的には、発泡粒子を成形型内に充填した後、成形型内にスチーム等の加熱媒体を導入することにより、発泡粒子を加熱して発泡させると共に、相互に融着させて成形空間の形状が賦形された発泡粒子成形体を得ることができる。また、本発明における型内成形は、発泡粒子を空気等の加圧気体により予め加圧処理して発泡粒子の気泡内の圧力を高めて、発泡粒子内の圧力を大気圧よりも0.01~0.3MPa高い圧力に調整した後、大気圧下又は減圧下で該発泡粒子を成形型内に充填し、次いで型内にスチーム等の加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱融着させる加圧成形法(例えば、特公昭51-22951号公報)により成形することが好ましい。また、圧縮ガスにより大気圧以上に加圧した成形型内に、当該圧力以上に加圧した発泡粒子を充填した後、キャビティ内にスチーム等の加熱媒体を供給して加熱を行い、発泡粒子を加熱融着させる圧縮充填成形法(特公平4-46217号公報)により成形することもできる。その他に、特殊な条件にて得られる二次発泡力の高い発泡粒子を、大気圧下又は減圧下で成形型のキャビティ内に充填した後、次いでスチーム等の加熱媒体を供給して加熱を行い、発泡粒子を加熱融着させる常圧充填成形法(特公平6-49795号公報)又は上記の方法を組み合わせた方法(特公平6-22919号公報)などによっても成形することができる。
本発明の発泡粒子成形体の密度は5~50kg/mであることが好ましく、10~40kg/mがより好ましい。発泡粒子成形体の密度が前記範囲内であると、圧縮特性に優れる。
発泡粒子成形体の製造において、本発明の発泡粒子は、特に低温での成形性に優れるので、良好な成形品が得られる成形可能圧力範囲が広がるという効果が得られる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例に使用した樹脂、発泡粒子、発泡粒子成形体について、以下の測定及び評価を実施した。なお、発泡粒子又は発泡粒子成形体の評価は、これらを相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して状態調節した後に行った。
(ポリプロピレン系樹脂のモノマー成分含有量)
共重合組成が既知であるポリプロピレン系樹脂を180℃環境下でホットプレスし、厚み約100μmのフィルムを作製した。作製したフィルムのIRスペクトル測定により、プロピレン由来の810cm-1における吸光度(I810)、エチレン由来の733cm-1における吸光度(I733)、ブテン由来の766cm-1における吸光度(I766)を読み取った。そして、吸光度比(I733/I810)を横軸に、エチレン成分含有量を縦軸にとることで、エチレン成分含有量の検量線とした。同様に、吸光度比(I766/I810)を横軸に、ブテン成分含有量を縦軸にとることで、ブテン成分含有量の検量線とした。次いで、検量線作製時のサンプル調製方法と同様にして、実施例及び比較例で用いたポリプロピレン系樹脂をホットプレスして厚み約100μmのフィルムを作製し、IRスペクトル測定により、I810、I733、I766を読み取り、先に作成した検量線に従い、エチレン成分含有量、ブテン成分含有量を算出した。
(ポリプロピレン系樹脂の融点)
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K7121:1987に準拠して求めた。具体的には、ペレット状の基材樹脂2mgを試験片としてJIS K7121:1987に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した後に、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、再度10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した際に得られるDSC曲線により定まる吸熱ピークの頂点温度を基材樹脂の融点とした。なお、測定装置は、熱流束示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製、型番:DSC7020)を用いた。
(ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR))
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、温度190℃、荷重2.16kgの条件でJIS K7210-1:2014に準拠して測定した。
(基材樹脂の曲げ弾性率)
基材樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して求めた。試験片は、発泡粒子を230℃でヒートプレスして4mmのシートを作製し、該シートから長さ80mm×幅10mm×厚さ4mm(標準試験片)に切り出したものを使用した。また、圧子の半径R及び支持台の半径Rは共に5mm、支点間距離は64mmとし、試験速度は2mm/minとした。
(基材樹脂の引張弾性率)
基材樹脂の引張弾性率は、発泡粒子を230℃でシートとし、JIS K6758に準拠してサンプル厚み1mm、2号試験片、試験速度0.25mm/minにて測定した。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量)
発泡粒子1~3mgを採取し、示差熱走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製DSC .Q1000)によって23℃から200℃まで10℃/分で昇温測定を行い、1つ以上の融解ピークを有するDSC曲線を得る。次の説明における樹脂固有ピークをA、それより高温側に現れる高温ピークをBとする。
該DSC曲線上の80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点βとを結ぶ直線(α-β)を引く。なお、上記融解終了温度Tとは、高温ピークBの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。次に上記の樹脂固有ピークAと高温ピークBとの間の谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、前記直線(α-β)と交わる点をδとする。
樹脂固有ピークAの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と、線分(α-δ)と、線分(γ-δ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを樹脂固有ピークの融解熱量とした。
高温ピークBの面積は、DSC曲線の高温ピークB部分の曲線と、線分(δ-β)と、線分(γ-δ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを高温ピークの融解熱量とした。
全融解ピークの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と高温ピークB部分の曲線と、線分(α-β)とによって囲まれる部分の面積であり、これを全融解ピークの融解熱量とした。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内成形性(成形可能範囲)の評価)
後述の<発泡粒子成形体の製造>の方法で、成形スチーム圧を0.20~0.38MPaの間で0.02MPa変化させて発泡粒子成形体を成形し、得られた成形体の融着性、表面外観(間隙=ボイドの度合い)、回復性(型内成形後の膨張または収縮の回復性)の項目について、型内成形性を評価し、下記で示した基準に達したものを合格とし、全ての項目で合格となったスチーム圧を成形可能なスチーム圧とした。成形可能なスチーム圧の下限値から上限値までの幅が広いものほど、成形可能範囲が広く、好適である。
(融着性)
発泡粒子成形体を折り曲げて破断し、破断面に存在する発泡粒子の数(C1)と破壊した発泡粒子の数(C2)とを求め、上記発泡粒子に対する破壊した発泡粒子の比率(C2/C1×100)を材料破壊率として算出した。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均した材料破壊率が90%以上であるときを合格とした。
(表面外観)
発泡粒子成形体の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線上に線を引き、その線上の1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)の数を数え、ボイドの数が5個未満であり、かつ表面に凹凸がないときを合格とした。
(回復性)
型内成形で用いた縦250mm、横200mm、厚み20mmの平板形状の金型の寸法に対応する発泡粒子成形体における四隅部付近(角より中心方向に10mm内側)の厚みと中心部(縦方向、横方向とも2等分する部分)の厚みをそれぞれ計測した。次いで、四隅部付近のうち最も厚みの厚い箇所の厚みに対する中心部の厚みの比(%)を算出し、比が95%以上であるときを合格とした。
(実施例1)
<ポリプロピレン系発泡粒子の製造>
ポリプロピレン系樹脂1(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.0質量%、エチレン成分含有量1.0質量%。その他の特性は表1に示す。)を押出機内で200~230℃にて溶融混練した後、ストランド状に押出して水冷し、ペレタイザーで質量が約1.3mgとなるように切断、乾燥してポリプロピレン系樹脂粒子を得た。なお、樹脂粒子製造に際し、気泡調製剤としてのホウ酸亜鉛を押出機に供給し、基材樹脂中にホウ酸亜鉛500質量ppmを含有させた。
上記ポリプロピレン系樹脂粒子1kgを、分散媒としての水3Lともに5Lの密閉容器内に仕込み、更に樹脂粒子100質量部に対し、分散剤としてカオリン0.3質量部、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.004質量部を密閉容器内に添加し、発泡剤として二酸化炭素を容器内圧力が3.7MPa(二酸化炭素圧力)となるように密閉容器内に添加し、攪拌下に142.3℃(発泡温度)まで加熱昇温して同温度で15分保持した後、容器内容物を大気圧下に放出して発泡粒子1を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
(実施例2)
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂2(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.4質量%、エチレン成分含有量0.5質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子2を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂3(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量9.1質量%、エチレン成分含有量6.5質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子3を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
(比較例2)
ポリプロピレン系樹脂1をポリプロピレン系樹脂4(エチレン-プロピレン-ブテン共重合体。ブテン成分含有量8.8質量%、エチレン成分含有量1.6質量%。その他の特性は表1に示す。)に変更し、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子4を得た。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
なお、本比較例で得られた発泡粒子では30倍成形の成形体を得ることはできなかった。
(実施例3)
発泡粒子のDSC曲線の高温ピークの融解熱量(二次結晶に由来すると推定)を変更するために、二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして発泡粒子5及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
(実施例4)
二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は実施例2と同様にして発泡粒子6及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
(比較例3)
二酸化炭素圧力と発泡温度を表1に示す値に変更した以外は比較例1と同様にして発泡粒子7及び発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子のDSC曲線の各ピークの融解熱量を表1に、型内成形性(成形可能範囲)を表2に示す。
Figure 0007225038000001
Figure 0007225038000002
(発泡粒子成形体の圧縮強度)
実施例及び比較例で得られた成形体から、縦5cm×横5cm×高さ2.5cmの試験片を採取し、上記試験片を圧縮速度10mm/分で圧縮して50%歪時の応力を測定した。
(実施例5)
<発泡粒子成形体(15倍成形)の製造>
縦250mm×横200mm×厚さ50mmの平板成形型に空気で0.25MPa(G)の内圧を付与した後、得られる成形体が15倍成形となるように実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子1を充填し、金型両面からスチームを5秒供給して予備加熱(排気工程)を行った後、成形圧0.30MPa(G)より0.08MPa(G)低い圧力のスチームに達するまで金型の一方の面側から一方加熱を行い、次いで成形圧より0.04MPa(G)低い圧力のスチームに達するまで金型の他方の面側より一方加熱を行った後、成形圧0.30MPa(G)に達するまで加熱を行った(本加熱)。加熱終了後、放圧し、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)になるまで水冷した後、型を開放して成形体を取り出した。得られた成形体を80℃のオーブン中で12時間養生し、発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表3に示す。
(実施例6~8及び比較例4~6)
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1を、表3に示した実施例及び比較例で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子2~7に変更し、成形圧を表3に示した値に変更した以外は実施例5と同様にして発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表3に示す。
Figure 0007225038000003
(実施例9~12及び比較例7~9)
<発泡粒子成形体(30倍成形)の製造>
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1~7を、得られる成形体が30倍成形となるように、平板成形型に充填し、成形圧を表4に示した値に変更した以外は実施例5と同様にして、発泡粒子成形体を製造した。得られた発泡粒子成形体の圧縮強度を表4に示す。
Figure 0007225038000004
実施例のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、成形可能範囲が広いため、成形性に優れ、得られた発泡粒子成形体の圧縮強度も優れることがわかる。
本発明の発泡粒子は、成形性に優れ、かつ得られる成形体の圧縮時の強度にも優れる発泡粒子成形体を作製できるため、シートクッション材、スポーツパッド材、靴底などに好適に利用できる。

Claims (7)

  1. ブテン成分含有量が7~20質量%かつブテン成分含有量とエチレン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が7以上であるエチレン-プロピレン-ブテン共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  2. 前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体のエチレン成分含有量が0.1~2質量%である、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  3. 示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線において、樹脂固有の融解ピーク(樹脂固有ピーク)と該樹脂固有ピークの高温側に1以上の融解ピーク(高温ピーク)とを有し、前記高温ピークの融解熱量が、5~40J/gである、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  4. 前記高温ピークの融解熱量と、前記DSC曲線の全融解ピークの融解熱量の比(高温ピークの融解熱量/全融解ピークの融解熱量)が、0.05~0.3である、請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  5. 前記エチレン-プロピレン-ブテン共重合体の融点が、136~148℃である、請求項1~4のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  6. 前記基材樹脂の引張弾性率が、700~900MPaである、請求項1~5のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載の発泡粒子を型内成形して得られる発泡粒子成形体。
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