JP5409743B2 - 冷却装置 - Google Patents
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Description
《機器構成》
本発明の実施の形態1に係る冷却装置100の構成を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る冷却装置100の構成図である。図1及び後述の図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
圧縮機1は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。圧縮機1は、運転容量を可変することが可能な圧縮機で、インバータにより制御されるモータ(図示せず)によって駆動される容積式圧縮機から構成されている。図1においては、圧縮機1は1台のみ搭載されている状態を例に示しているが、これに限定されず、2台以上の圧縮機が並列又は直列に接続されたものであってもよい。
凝縮器2は圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒と被熱交換媒体が熱交換するものである。凝縮器2は、例えば間隔をおいて薄板を多数並べて、周縁部をシールし、各薄板間に形成された空間を交互に冷媒流路と水流路としてなるプレート式熱交換器で構成するとよい。プレート式熱交換器を用いる場合であって、被熱交換媒体が例えば水のような流体である場合、ポンプ等の送出装置(図示せず)を用いて被熱交換媒体を凝縮器2に供給すればよい。なお、被熱交換媒体を水に限定するものではなく、同様な作用を示す流体であれば、別の流体であってもよい。
減圧装置3は、冷媒を減圧して膨張させるものである。減圧装置3は、冷媒回路A内を流れる冷媒の流量の調節等を行うもので、ステッピングモータ(図示せず)により絞りの開度を調整することが可能な電子膨張弁で構成するとよい。なお、電子膨張弁以外にも、受圧部にダイアフラムを採用した機械式膨張弁、又は可変制御可能な流量制御弁、キャピラリ−チューブ、定差圧弁等を用いてもよい。
蒸発器4は、減圧装置3で減圧された低温低圧の冷媒と被冷却流体とが熱交換するものである。蒸発器4は、例えば間隔をおいて薄板を多数並べて、周縁部をシールし、各薄板間に形成された空間を交互に冷媒流路と被冷却流体流路としてなるプレート式熱交換器で構成するとよい。
被冷却流体は、凝固点を降下させる添加物を混ぜたブラインを用いる。被冷却流体の凍結温度(凝固点)は、添加物の含有濃度(以下、ブライン濃度という)によって異なるため、実際使用時において冷却負荷に供給する被冷却流体の最低被冷却流体流出温度に対し、それよりも低い凝固点になるように、ブライン濃度が調整されて使用される。例えば、最低被冷却流体流出温度が−5℃であれば、凝固点が−15℃となるようにブライン濃度を調整して使用される。なお、凝固点は、添加物の含有濃度を高めてブライン濃度を高くするほど低下する。
冷却装置100に用いられる冷媒には、例えばR410A、R407C、R404A等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒、R22、R134a等のHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)冷媒、もしくは炭化水素、ヘリウムのような自然冷媒等があるが、これに限定されず同様な役割を果たすものであれば、他の冷媒であってもよい。
冷却装置100には、低圧冷媒温度検出装置10、被冷却流体流入温度検出装置11及び被冷却流体流出温度検出装置12が設置されている。
冷却装置100には、使用する被冷却流体に関する情報を入力する入力部20と、入力部20から入力された情報と各検出装置10〜12によって検出された各検出値とを用いて凍結判定を行う凍結判定部30と、凍結判定部30の判定結果に基づいて冷却装置100の各アクチュエータの操作を行い、凍結を防止する制御を行う制御部40とが設けられている。
図1に基づいて冷却装置100の運転動作について説明する。
冷媒回路Aにおいては、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器2に流入し、被熱交換媒体との熱交換作用により放熱しながら凝縮液化し、高圧低温の冷媒となる。凝縮器2で凝縮液化した冷媒は、減圧装置3にて減圧されて二相冷媒となって、蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した二相冷媒は、被冷却流体送出装置5により供給される被冷却流体との熱交換作用により蒸発し、低圧のガス冷媒となる。ここで、減圧装置3は通常、圧縮機1の吸入側における冷媒の圧縮機吸入過熱度が所定値となるように、蒸発器4を流れる冷媒の流量を制御している。このため、蒸発器4出口のガス冷媒は所定の過熱度を有する状態となる。そして、蒸発器4にてガス化された低圧ガス冷媒は圧縮機1へ戻る。
次に、凍結判定方法についてまず簡単に説明する。凍結判定は、蒸発器4において被冷却流体が通過する流路と冷媒が通過する流路との間の壁面の温度(以下、壁面温度)θwと、凍結壁面温度(被冷却流体が凍結する限界の壁面温度)θwfとを比較し、壁面温度θwが凍結壁面温度θwfより高ければ、凍結は発生していないと判定し、壁面温度θwが凍結壁面温度θwf以下であれば、凍結により流路の閉塞が発生していると判断する。以下、壁面温度θwと凍結壁面温度θwfの算出について順に説明する。
図3は、壁面温度θwの算出方法の説明図で、蒸発器4における被冷却流体(ブライン)と冷媒との温度プロファイルを示した概念図である。
図3が示すように壁面温度θwは、被冷却流体温度θb、冷媒温度Te、冷媒側熱伝達率αi、被冷却流体側熱伝達率αbの関係から求められる。例えば冷媒側熱伝達率αiと被冷却流体側熱伝達率αbの比を求めて、その比から壁面温度θwを演算することができる。具体的には、被冷却流体温度が10℃、冷媒温度が4℃、被冷却流体側熱伝達率αbと冷媒側熱伝達率αiの比が例えば2:1の場合、壁面温度θwは10−{(10−4)×2}/3=6℃として求められる。なお、壁面内の熱移動の温度低下分は、被冷却流体(ブライン)及び冷媒の熱伝達に起因する温度変化に対して非常に小さいため、無視するものとする。
次に、凍結判定の閾値となる凍結壁面温度θwfの算出について説明する。凍結壁面温度θwfは、冷却開始からの時間(冷却運転時間)t、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体流出温度θout、被冷却流体の流速Uw、被冷却流体の凝固点θfに応じて変化することが知られており、また、被冷却流体の物性(熱伝導率λw、比熱Cpw、密度ρw、動粘度νw等)によっても異なったものとなることが知られている。ここではまず、凍結壁面温度θwfの算出に用いる蒸発器4の凍結限界冷却温度比θc*の算出方法について説明する。
まず、被冷却流体流入温度検出装置11により検出される被冷却流体流入温度θinと、被冷却流体流出温度検出装置12により検出される被冷却流体流出温度θoutとにより定常運転時での凍結限界冷却温度比θcs*を算出する。また、被冷却流体流入温度θinと、被冷却流体流出温度θoutと、冷却運転時間tとより、冷却開始時点での過渡運転時(圧縮機起動時等)における凍結限界冷却温度比θct*を算出する。そして、θcs*とθct*の何れか高い方を蒸発器4の凍結限界冷却温度比θc*とする。θcs*、θct*は次式より求めることができる。
Fo:管内閉塞開始時刻のフーリエ数(=aw×tc/dh2)[無次元]
aw:被冷却流体の温度拡散率(=λw/(Cpw×ρw))[m2/s]
tc:冷却開始より閉塞開始までの時間[sec]
λw:被冷却流体の熱伝導率[W/m・K]
Cpw:被冷却流体の定圧比熱[J/(kg・K)]
ρw:被冷却流体の密度[kg/m3]
Rew:被冷却流体レイノルズ数(=Uw×dh/νw)[無次元]
Uw:被冷却流体の流速[m/s]
dh:水力相当直径[m]
νw:被冷却流体の動粘度[m2/s]
ここで、
θb:被冷却流体温度(=(θin+θout)/2)[℃]
図4は、凍結壁面温度θwfの補正方法を説明するための概念図で、数式(4)を、横軸が被冷却流体温度θb、縦軸が凍結壁面温度θwfとした座標軸上に表現したグラフである。図4に示すように、数式(4)は、右下がりのグラフとなり、グラフが、補正係数βの値に応じて凝固点θfを支点としてシフトする様子が示されている。すなわち、補正係数β=1のグラフを基準として、β>1とすると下側にシフトして凍結壁面温度θwfが下がり、β<1とすると上側にシフトして凍結壁面温度θwfが上がる。
ここで、
Nuw:被冷却流体ヌッセルト数(=0.664×Rew1/2×Prw1/3)[無次元]
Rew:被冷却流体レイノルズ数(=Uw×dh/νw)[無次元]
Prw:被冷却流体プラントル数(=νw/aw)[無次元]
aw:被冷却流体の温度拡散率(=λw/(Cpw×ρw))[m2/s]
λw:被冷却流体の熱伝導率[W/m・K]
Cpw:被冷却流体の定圧比熱[J/(kg・K)]
ρw:被冷却流体の密度[kg/m3]
νw:被冷却流体の動粘度[m2/s]
Uw:被冷却流体の流速[m/s]
dh:水力相当直径[m]
図5から明らかなように、プロピレングリコールを用いた場合の実際の凍結壁面温度θwfはナイブラインに比べて高い。よって、補正係数βを0.7〜0.85の範囲の値に設定することで、補正後の凍結壁面温度を、プロピレングリコールを用いた場合の実際の凍結壁面温度に近づけることができる。
次に、冷却装置100における凍結判定と凍結防止制御の流れについて説明する。図6は、本発明の実施の形態1に係る冷却装置100の凍結判定と凍結防止制御の流れを示したフローチャートである。
まず、冷却装置100を運転するに先立って、使用者は、入力部20を操作して所定の入力画面を報知部50に表示させ、使用ブラインの凝固点θf及び使用ブラインの各種物性値を入力部20から入力する。演算部32は、入力画面上で使用ブラインの凝固点θf及び各種物性値が入力されると、使用ブラインの凝固点θfを内部に設定すると共に、各種物性値から使用ブラインの熱伝達率αw2を求め、求めた使用ブラインの熱伝達率αw2と予め記憶した基準ブラインの熱伝達率αw1とから比(αw2/αw1)を求め、この比を補正係数βとして設定する。この補正係数βの設定後、冷却装置100が運転が開始され、図6のフローチャートの処理を計測間隔Δt毎に実施する。なお、ここでは、使用ブラインの各種物性値を入力するとしたが、予め使用者側で補正係数βを計算しておき、その補正係数βを入力部20から入力するようにしてもよい。
次に、ステップS20で実施される凍結防止制御について説明する。例えば、圧縮機1の現在の運転周波数Fに対して、ある一定の比率であるアンロード比率fdだけ圧縮機1の運転周波数を低下させる制御を行う。このようにすることで、圧縮機1の吸入の低圧圧力が上昇し、蒸発器4へ流入する冷媒液の温度が上昇し、冷却能力が低下する。その結果、被冷却流体の凍結を防止することができる。また、低い冷媒液の流入温度を維持できるため、冷却能力を最大限に利用できるので効率の高い運転を実現することができる。
また、凍結防止制御はこれに限られるものではなく、減圧装置3の開口面積を段階的もしくは連続的に増加させてもよい。このようにすることで圧縮機1の吐出冷媒液圧力と吸入圧力の差が小さくなり、低圧が上昇するため、蒸発器4の流入冷媒液温度が上昇し、被冷却流体の凍結を防止することができる。
また、凍結を防止する際に、被冷却流体送出装置5によって被冷却流体の送出量を段階的もしくは連続的に増加させてもよい。このようにすることで蒸発器4内の被冷却流体の流速が増加するため、凍結壁面温度θwfが低くなり、被冷却流体の凍結を防止することができる。
更に、壁面温度θwが凍結壁面温度θwfよりも低くなった場合に、制御部40は報知部50により警報を出力する信号を出力して、圧縮機1を停止させる停止信号を出力してもよい。これにより、圧縮機1の容量を低下させる制御を行ったにもかかわらず被冷却流体が凍結する恐れが解消しない場合に、警報を発し、圧縮機1を停止して安全を図ることができる。この場合、制御部40は圧縮機1の停止信号を解除する装置を備えていることが好ましい。
また、一度、凍結防止制御が作動し、圧縮機1が停止した場合は蒸発器4が凍結し易い状態となっていることが想定されるため、次回圧縮機1を起動する場合は前回の起動周波数よりも低い周波数で運転すればより安全な運転ができる。
また、凍結の状況を判定する際に、図6に示したフローチャートでは凍結防止制御が行われた回数が閾値cntN以上の場合、異常と判定するようにしているが、所定の時間内に所定の回数だけ判定条件(ステップS19)を満たした場合に異常と判定するようにしてもよい。このように、異常判定に猶予を設けた判定方法とすることで、一過性の状態変動と区別することができ、判定精度の向上を図ることができる。なお、判定条件(ステップS19)を1回でも満たした場合に、即凍結異常と判定する方法としてもよい。
本実施の形態1に係る冷却装置100によって実現される作用効果について説明する。従来から蒸発器における被冷却流体の凍結判定を行い、凍結を防止する冷却装置は知られている。しかし、本実施の形態1に係る冷却装置100は、上記のような動作とすることで、以下の効果が得られる。
実施の形態1では、被冷却流体の凝固点θfを固定値としていたが、冷却装置100の運転中、被冷却流体中の水が蒸発する等の要因によってブライン濃度が濃くなる等、ブライン濃度が変化する場合があり、この場合、凝固点θfも変化する。実施の形態2では、ブライン濃度の変化に伴う凝固点θfの変化も加味して正確な凍結判定を行えるようにしたものである。
図7は、本発明の実施の形態2に係る冷却装置200の構成図である。
実施の形態2の冷却装置200は、図1に示した実施の形態1の冷却装置100の構成に加えて、被冷却流体流路Bに凝固点検出装置13を設けた構成を有し、その他の構成は実施の形態1と同様である。なお、実施の形態1と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施の形態2及び後述の実施の形態3についても同様に適用される。
実施の形態2では、凝固点検出装置13で検出された凝固点θfに基づいて補正係数βを補正する。以下、凝固点θfに応じた補正係数βの補正原理について説明する。
図8から明らかなように、凝固点θfが高くなるにつれ、凍結限界冷却温度比θc*が上がることがわかる。なお、図8に示した傾向は、ナイブラインZ1特有の傾向ではなく、他のブラインでも同様の傾向となる。
図9は、本発明の実施の形態2に係る冷却装置200の凍結判定と凍結防止制御の流れを示したフローチャートである。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
冷却装置200では、実施の形態1の冷却装置100と同様、運転開始前に使用ブラインに応じた補正係数βが設定され、その後、運転を開始する。冷却装置200では、S10〜S13の処理は実施の形態1と同様である。そして、実施の形態2では、凝固点検出装置13により凝固点θfを検出する(ステップS30)。その後、ステップS14〜S17までの処理は実施の形態1と同様である。そして、凝固点検出装置13により検出された凝固点θfに基づいて上述のように補正係数βを補正する(ステップS31)。凝固点θfに変化が無ければ、補正係数βの補正は不要であることは言うまでもない。補正係数βを補正後の処理は実施の形態1と同様である。
本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、被冷却流体の凝固点θfを検出し、その検出した凝固点θfを用いて補正係数βを補正するようにしたので、被冷却流体の濃度変化にも対応して正確な凍結判定を実現できる冷却装置200を得ることができる。よって、蒸発器4における被冷却流体の凍結を確実に防止し、機器の安全を図ることができる。
実施の形態1、2では、被冷却流体の流速Uwを固定値としたが、実施の形態3では、流速の変化も加味して凍結の可能性の判断を行うようにしたものである。
図10は、本発明の実施の形態3に係る冷却装置300の構成図である。
実施の形態3の冷却装置300では、図7に示した実施の形態2の冷却装置200の構成に加えて、被冷却流体流路Bに被冷却流体流速検出装置60を設けた構成を有し、その他の構成は実施の形態2と同様である。なお、ここでは実施の形態2の冷却装置200に被冷却流体流速検出装置60を設けた構成を示したが、実施の形態1の冷却装置100に被冷却流体流速検出装置60を設けた構成としてもよい。
被冷却流体流速検出装置60は、流量計設置による直接測定か、もしくは冷凍サイクル及び被冷却流体の運転状態から被冷却流体の流速Uwを推測する。
次に、図11に基づいて実施の形態3に係る冷却装置300における凍結判定と凍結防止制御について説明する。実施の形態3に係る冷却装置300では、以下の点で実施の形態2に係る冷却装置200と相違している。なお、図11におけるステップS40〜ステップS44、ステップS48〜ステップS57は、図9に示した実施の形態2と同様である。
本実施の形態3によれば、実施の形態1、2と同様の作用効果が得られると共に、被冷却流体の流量Uwを考慮して凍結壁面温度θwfを決定することができ、被冷却流体の流量が大きいときは凍結しないと判定する等の処置が可能となる。よって、蒸発器4における被冷却流体の凍結判定の精度が向上する。
Claims (16)
- 冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧装置、前記減圧装置によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器が順次配管接続されて構成された冷媒回路と、
被冷却流体を被冷却流体送出装置により前記蒸発器に送出し、前記蒸発器を流れる冷媒と熱交換して冷却する被冷却流体流路と、
前記冷媒回路における低圧側の低圧冷媒温度を検出する低圧冷媒温度検出装置と、
前記蒸発器に流入する被冷却流体の被冷却流体流入温度を検出する被冷却流体流入温度検出装置と、
前記蒸発器から流出する被冷却流体の被冷却流体流出温度を検出する被冷却流体流出温度検出装置と、
前記被冷却流体の凝固点と前記被冷却流体の物性に応じた補正係数とを設定する設定部と、
前記設定部に設定される値を入力する入力部と、
前記低圧冷媒温度、前記被冷却流体流入温度、前記被冷却流体流出温度のうち少なくとも1つを用いて前記蒸発器の壁面温度を演算し、前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度と、前記被冷却流体の凝固点と、前記補正係数とを用いて凍結壁面温度を演算する演算部と、
前記壁面温度と前記凍結壁面温度とを比較し、比較結果に基づいて前記被冷却流体の凍結の状況を判定する凍結判定部と、
前記凍結判定部により凍結による流路の閉塞が発生していると判定された場合に、前記被冷却流体の凍結を防止するための凍結防止制御を行う凍結防止制御部と、
を備えたことを特徴とする冷却装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧装置、前記減圧装置によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器が順次配管接続されて構成された冷媒回路と、
被冷却流体を被冷却流体送出装置により前記蒸発器に送出し、前記蒸発器を流れる冷媒と熱交換して冷却する被冷却流体流路と、
前記冷媒回路における低圧側の低圧冷媒温度を検出する低圧冷媒温度検出装置と、
前記蒸発器に流入する被冷却流体の被冷却流体流入温度を検出する被冷却流体流入温度検出装置と、
前記蒸発器から流出する被冷却流体の被冷却流体流出温度を検出する被冷却流体流出温度検出装置と、
前記被冷却流体の物性値を入力する入力部と、
前記入力部から入力された前記被冷却流体の物性値に基づいて前記被冷却流体の物性に応じた補正係数を設定すると共に、前記被冷却流体の凝固点を設定する設定部と、
前記低圧冷媒温度、前記被冷却流体流入温度、前記被冷却流体流出温度のうち少なくとも1つを用いて前記蒸発器の壁面温度を演算し、前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度と、前記被冷却流体の凝固点と、前記補正係数とを用いて凍結壁面温度を演算する演算部と、
前記壁面温度と前記凍結壁面温度とを比較し、比較結果に基づいて前記被冷却流体の凍結の状況を判定する凍結判定部と、
前記凍結判定部により凍結による流路の閉塞が発生していると判定された場合に、前記被冷却流体の凍結を防止するための凍結防止制御を行う凍結防止制御部と、
を備えたことを特徴とする冷却装置。 - 前記設定部は、前記被冷却流体の物性値を用いて前記被冷却流体の熱伝達率を演算し、この熱伝達率を、予め設定された基準の被冷却流体の熱伝達率で除算し、その除算結果を、前記被冷却流体の物性に応じた補正係数として設定することを特徴とする請求項2記載の冷却装置。
- 前記物性値は、熱伝導率、比熱、密度、動粘度又は粘度であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の冷却装置。
- 前記演算部は、
前記蒸発器における前記被冷却流体の冷却開始からの経過時間である冷却運転時間を計測する冷却運転時間計測部を備え、
前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度と、前記冷却運転時間と、基準の被冷却流体の物性値とに基づいて凍結限界冷却温度比を求め、
前記凍結限界冷却温度比に前記補正係数を乗じて補正後の凍結限界冷却温度比を求め、前記補正後の凍結限界冷却温度比と、前記被冷却流体の凝固点と、前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度とによって前記凍結壁面温度を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の冷却装置。 - 前記被冷却流体の凝固点を検出する凝固点検出装置を備え、
前記演算部は、前記凝固点検出装置により検出された凝固点が変化した場合に、前記凝固点の検出値に基づいて前記補正係数を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の冷却装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧装置、前記減圧装置によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器が順次配管接続されて構成された冷媒回路と、
被冷却流体を被冷却流体送出装置により前記蒸発器に送出し、前記蒸発器を流れる冷媒と熱交換して冷却する被冷却流体流路と、
前記冷媒回路における低圧側の低圧冷媒温度を検出する低圧冷媒温度検出装置と、
前記蒸発器に流入する被冷却流体の被冷却流体流入温度を検出する被冷却流体流入温度検出装置と、
前記蒸発器から流出する被冷却流体の被冷却流体流出温度を検出する被冷却流体流出温度検出装置と、
前記被冷却流体の凝固点を検出する凝固点検出装置と、
前記被冷却流体の凝固点と前記被冷却流体の物性に応じた補正係数とを設定する設定部と、
前記低圧冷媒温度、前記被冷却流体流入温度、前記被冷却流体流出温度のうち少なくとも1つを用いて前記蒸発器の壁面温度を演算し、前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度と、前記被冷却流体の凝固点と、前記補正係数とを用いて凍結壁面温度を演算する演算部と、
前記壁面温度と前記凍結壁面温度とを比較し、比較結果に基づいて前記被冷却流体の凍結の状況を判定する凍結判定部と、
前記凍結判定部により凍結による流路の閉塞が発生していると判定された場合に、前記被冷却流体の凍結を防止するための凍結防止制御を行う凍結防止制御部と、
を備え、
前記演算部は、前記凝固点検出装置により検出された凝固点が変化した場合に、前記凝固点の検出値に基づいて前記補正係数を変更することを特徴とする冷却装置。 - 前記演算部は、
前記蒸発器における前記被冷却流体の冷却開始からの経過時間である冷却運転時間を計測する冷却運転時間計測部を備え、
前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度と、前記冷却運転時間と、基準の被冷却流体の物性値とに基づいて凍結限界冷却温度比を求め、
前記凍結限界冷却温度比に前記補正係数を乗じて補正後の凍結限界冷却温度比を求め、前記補正後の凍結限界冷却温度比と、前記被冷却流体の凝固点と、前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度とによって前記凍結壁面温度を演算することを特徴とする請求項7記載の冷却装置。 - 前記演算部は、前記凝固点検出装置により検出された凝固点が高く変化した場合には前記補正係数を大きくし、凝固点が低く変化した場合には前記補正係数を小さくし、前記凍結壁面温度の演算には、補正後の補正係数を用いることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の冷却装置。
- 前記演算部は、前記設定部に設定された前記被冷却流体の凝固点に代えて前記凝固点検出装置により検出された凝固点を用いて前記凍結壁面温度を演算することを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか一項に記載の冷却装置。
- 前記蒸発器を流れる被冷却流体の流量を検出する被冷却流体流量検出装置を備え、
前記演算部は、前記流量も加味して前記凍結限界冷却温度比を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の冷却装置。 - 前記凍結防止制御部は、前記凍結防止制御として、前記圧縮機の回転数を連続的に又は段階的に低下させる制御、前記減圧装置の開口面積を連続的に又は段階的に増加させる制御、前記被冷却流体送出装置の被冷却流体送出量を連続的に又は段階的に増加させる制御、の何れか少なくとも1つ以上の制御をすることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の冷却装置。
- 前記凍結防止制御部は、前記凍結防止制御として、前記圧縮機の運転を停止させる運転停止指令を発することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の冷却装置。
- 前記凍結防止制御部は、前記運転停止指令を発した後に再起動する際、前記圧縮機の起動回転数を前記運転停止指令が発せられる前の起動回転数よりも低い回転数にすることを特徴とする請求項13記載の冷却装置。
- 前記凍結判定部は、所定の時間内に所定の回数以上、前記蒸発器の壁面温度が前記凍結壁面温度より低下した場合に、凍結による流路の閉塞が発生していると判断することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の冷却装置。
- 前記凍結判定部の判定結果に基づいて、警報を報知する報知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載の冷却装置。
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