JP6588626B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒回路の冷媒量を判定する冷凍装置に関するものである。
冷凍装置等の空気調和装置においては、冷媒量の過不足が発生すると冷凍装置の能力低下や構成機器の損傷を生じさせる原因になる。そこで、このような不具合の発生を防止するため、冷凍装置に充填されている冷媒量の過不足を判定する機能を備えているものがある。
従来の冷凍装置における冷媒不足の判定方法としては、例えば、過冷却熱交換器の温度効率εの平均温度効率εAを用いて実施される。この場合には、温度効率εの判定しきい値εlineを一定値の0.4と決めて実施する例が提案されている(特許文献1参照)。ここで、一般的に温度効率は下記の(数式1)で表される。
Figure 0006588626
特許文献1には、高温側を冷媒とし、低温側を空気の流体とする空気過冷却熱交換器の場合、その温度効率は、過冷却熱交換器の出口における冷媒の過冷却度を過冷却熱交換器の最大温度差で除算した値であることが記載されている。また、特許文献1には、過冷却熱交換器の出口における冷媒の過冷却度は、凝縮器出口温度から過冷却熱交換器出口温度を引いた値であり、過冷却熱交換器の最大温度差は、凝縮器出口温度から外気温度を引いた値であることが記載されている。そして、凝縮器出口温度をTH5、過冷却熱交換器出口温度をTH8、外気温度をTH6とし、過冷却熱交換器の温度効率εが下記の(数式2)で表されている。
Figure 0006588626
冷媒漏れが生じた場合に、どの程度冷媒が漏れた時に冷媒不足を判定できるかはおおむね「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差により変化する。つまり「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が大きい場合、多くの冷媒が漏れないと冷媒不足を判定できない。逆に「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が小さい場合、少ない冷媒の漏れ量で冷媒不足を判定することができる。
特開2012−132639号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷凍装置では、冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値が運転周波数や蒸発温度およびファン風量値により変化するため、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が運転条件により変化する。従って、運転条件によっては多量の冷媒が漏れないと冷媒不足を判定できない場合がある。たとえば図14のようにファン風量40m/min、運転周波数100Hzの条件では、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」が0.45、「温度効率εの判定しきい値εline」(図14のグラフ中、破線で示される「しきい値」)が0.40のため、その差が0.05と小さく、少しの冷媒の漏れ量で冷媒不足を検知できる。一方ファン風量100m/min、運転周波数30Hzの条件では、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」が0.80、「温度効率εの判定しきい値εline」が0.40のため、その差が0.40と大きく、多量に冷媒が漏れないと冷媒不足を検知できない。
温度効率を用いた判定では、過冷却度の変化を利用して冷媒量の不足を判定するよりも冷凍装置の運転条件による変化は小さいが、上記のような運転条件による温度効率の差が生じる。特にショーケースやユニットクーラなどの庫内温度幅は−50〜+23℃程度となり、空調機の温度幅+15〜+30℃程度と比較して庫内温度幅が大きくなるため、運転条件が大きく変化する。冷媒不足判定モードのような条件固定モードを持たないことも冷媒不足判定時の条件が大きく変化する理由となっている。これにより運転条件によっては多くの冷媒が漏れないと冷媒不足を検知できない場合がある。冷媒漏れが発生しているか否かの判断に多量の冷媒漏れが必要となると、冷媒漏れによる地球温暖化などの地球環境への影響が懸念される。また、冷媒の漏れ量が多いと、漏れた分の追加量が多くなるため、復旧コストの増加が懸念される。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、冷媒不足の判定を少ない冷媒の不足量および漏れ量で判定し、冷媒不足の判定にかかる時間を短縮することを目的とする。
本発明に係る冷凍装置は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部を備え、前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記温度効率しきい値を前記最大温度差に基づいて変更するものである。
また、本発明に係る冷凍装置は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部と、前記熱源側熱交換器の下流より分岐し、前記圧縮機の中間圧ポートまたは前記圧縮機の吸入側に接続されるインジェクション管と、前記インジェクション管に設けられたインジェクション量調整弁とを備え、前記インジェクション管は、前記インジェクション量調整弁の下流において前記過冷却器を経て前記圧縮機に接続され、前記過冷却器において前記高温側流体である前記熱源側熱交換器から流出された冷媒と、前記低温側流体である前記インジェクション管に流入した冷媒とが熱交換されるよう構成され、前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記高温側流体の冷媒の圧力、前記高温側流体の冷媒の循環量、前記低温側流体の冷媒の循環量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更するものである。
また、本発明に係る冷凍装置は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部と、前記熱源側熱交換器の下流より分岐し、前記圧縮機の中間圧ポートまたは前記圧縮機の吸入側に接続されるインジェクション管と、前記インジェクション管に設けられたインジェクション量調整弁とを備え、前記インジェクション管は、前記インジェクション量調整弁の下流において前記過冷却器を経て前記圧縮機に接続され、前記過冷却器において前記高温側流体である前記熱源側熱交換器から流出された冷媒と、前記低温側流体である前記インジェクション管に流入した冷媒とが熱交換されるよう構成され、前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記高温側流体の冷媒の圧力、前記高温側流体の冷媒の循環量、前記低温側流体の冷媒の循環量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更し、前記インジェクション量調整弁の開度、前記インジェクション量調整弁の上流と下流との差圧、前記インジェクション量調整弁の上流の密度、前記インジェクション量調整弁の上流の圧力、および前記インジェクション量調整弁の上流の温度のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更するものである。
本発明に係る冷凍装置によれば、温度効率しきい値を運転状態に応じて変更し、この温度効率しきい値を過冷却器の温度効率との比較に用いて冷媒量の不足を判定している。従って、冷媒量の不足の判定を冷凍装置の運転状態に応じて行うことができ、少ない冷媒の漏れ量で冷媒量の不足を判定することができる。
本発明の実施の形態に係る冷凍装置の冷媒回路の一例を模式的に記載した図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍装置の制御ブロック図である。 図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が適正であるときのp−h線図の一例である。 図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が不足となったときのp−h線図の一例である。 図1に記載の冷凍装置の冷媒量と第1過冷却器の過冷却度と冷凍装置の運転条件との関係を説明する図である。 図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が適正量であるときに、冷媒が、熱源側熱交換器、レシーバ、空気過冷却器の順に流れるときの冷媒の温度変化の一例を説明する図である。 図1の冷凍装置の冷媒量と第1過冷却器の温度効率と冷凍装置の運転条件との関係を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値とファン出力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高温側冷媒循環量、ファン風量の関係の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高圧圧力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。 本実施の形態における冷媒不足判定動作の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における安定判定条件を説明する概念図である。 本発明の変形例に係る冷凍装置の冷媒回路を模式的に記載した図である。 従来技術による温度効率値とファン風量、運転周波数の関係の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値とΔTの関係の一例を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさおよび配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態.
[冷凍装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の冷媒回路の一例を模式的に記載した図である。図1に記載の冷凍装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、例えば、部屋、倉庫、ショーケース、または冷蔵庫等の室内の冷却を行うものである。冷凍装置1は、例えば、1台の熱源側ユニット2と熱源側ユニット2に並列に接続された2台の利用側ユニット4とを含んでいる。熱源側ユニット2と利用側ユニット4とが、液冷媒延長配管6およびガス冷媒延長配管7で接続されることによって、冷媒を循環させる冷媒回路10が形成される。この実施の形態の冷媒回路10に充填される冷媒は、例えば、HFC系の混合冷媒であるR410Aである。なお、図1の例では、1台の熱源側ユニット2と2台の利用側ユニット4とが記載されているが、熱源側ユニット2は、2台以上であってもよく、利用側ユニット4は、1台または3台以上であってもよい。熱源側ユニット2が複数台である場合には、複数台の熱源側ユニット2の容量は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、利用側ユニット4が複数台である場合には、複数台の利用側ユニット4の容量は、同じであってもよく、異なっていてもよい。以下の説明では、冷媒が空気と熱交換する冷凍装置1についての説明を行うが、冷媒が、水、冷媒またはブライン等の流体と熱交換する冷凍装置であってもよい。
[利用側ユニット]
利用側ユニット4は、例えば室内に設置される室内ユニットであり、冷媒回路10の一部分を構成する利用側冷媒回路10aと利用側制御部32とを備えている。利用側冷媒回路10aは、利用側膨張弁41と利用側熱交換器42とを含んでいる。利用側膨張弁41は、利用側冷媒回路10aを流れる冷媒の流量を調整するものであり、例えば電子膨張弁または温度式膨張弁等で構成されている。なお、利用側膨張弁41は、熱源側ユニット2に配設されていてもよく、その場合には、利用側膨張弁41は、例えば、熱源側ユニット2の第1過冷却器22と液側閉鎖弁28との間に配設される。利用側熱交換器42は、例えば、伝熱管と多数のフィンとを含んで構成されたフィン&チューブ型熱交換器であり、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
利用側熱交換器42の近傍には、利用側熱交換器42に空気を送風する利用側ファン43が配設されている。利用側ファン43は、例えば遠心ファンまたは多翼ファン等を含んで構成されており、図示を省略してあるモータによって駆動される。利用側ファン43は、利用側熱交換器42に送風する空気の送風量を調整できるようになっている。
[熱源側ユニット]
熱源側ユニット2は、例えば、冷媒回路10の一部分を構成する熱源側冷媒回路10bと第1インジェクション回路71と熱源側制御部31とを含んでいる。
熱源側冷媒回路10bは、圧縮機21と熱源側熱交換器23とレシーバ25と第1過冷却器22と液側閉鎖弁28とガス側閉鎖弁29とアキュムレータ24とを含んでいる。第1インジェクション回路71は、熱源側熱交換器23から利用側熱交換器42へ送られる冷媒の一部を、熱源側冷媒回路10bから分岐させて圧縮機21の中間圧部に戻すものであり、インジェクション量調整弁72を含んでいる。
圧縮機21は、例えば、インバータで制御が行われるインバータ圧縮機であり、運転周波数を任意に変化させて、容量(単位時間あたりに冷媒を送り出す量)を変化させることができる。なお、圧縮機21は、50Hzまたは60Hzで動作する一定速圧縮機であってもよい。また、図1には、1台の圧縮機21を有する例が記載されているが、利用側ユニット4の負荷の大きさ等に応じて、2台以上の圧縮機21が並列に接続されていてもよい。
熱源側熱交換器23は、例えば、伝熱管と多数のフィンとを含んで構成されたフィン&チューブ型熱交換器であり、冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。熱源側熱交換器23の近傍には、熱源側熱交換器23に空気を送風する熱源側ファン27が配設されている。熱源側ファン27は、熱源側ユニット2の外部から吸入した外気を、熱源側熱交換器23に送風するものである。熱源側ファン27は、例えば遠心ファンまたは多翼ファン等を含んで構成されており、図示を省略してあるモータによって駆動される。熱源側ファン27は、熱源側熱交換器23に送風する空気の送風量を調整できるようになっている。
レシーバ25は、熱源側熱交換器23と第1過冷却器22との間に配設され、余剰液冷媒を溜めるものであり、例えば余剰液冷媒を溜める容器である。なお、余剰液冷媒は、例えば、利用側ユニット4の負荷の大きさ、冷媒の凝縮温度、外気温度、蒸発温度、または圧縮機21の容量等に応じて冷媒回路10内に発生するものである。
第1過冷却器22は、冷媒と空気とを熱交換させるものであり、熱源側熱交換器23と一体的に形成されている。つまり、この実施の形態の例では、熱交換器の一部分が、熱源側熱交換器23として構成されており、熱交換器の他の部分が、第1過冷却器22として構成されている。第1過冷却器22は、本発明の「過冷却器」に相当するものである。なお、第1過冷却器22と熱源側熱交換器23とが別々に構成されていてもよい。その場合には、第1過冷却器22の近傍に、第1過冷却器22へ空気を送風するファン(図示せず)が配設される。
液側閉鎖弁28およびガス側閉鎖弁29は、例えば、ボールバルブ、開閉弁、または操作弁等の開閉動作する弁で構成されている。
なお、図1に記載の例では、第1インジェクション回路71の入口は、第1過冷却器22と液側閉鎖弁28との間に接続されているが、第1インジェクション回路71の入口は、レシーバ25と第1過冷却器22との間に接続されていてもよく、レシーバ25に接続されていてもよく、または熱源側熱交換器23とレシーバ25との間に接続されていてもよい。
[制御部およびセンサ類]
次に、この実施の形態の冷凍装置1が備える制御部およびセンサ類について説明する。熱源側ユニット2は、冷凍装置1の全体の制御を行う熱源側制御部31を備えている。熱源側制御部31は、マイクロコンピュータおよびメモリ等を含んで構成されている。また、利用側ユニット4は、利用側ユニット4の制御を行う利用側制御部32を備えている。利用側制御部32は、マイクロコンピュータおよびメモリ等を含んで構成されている。利用側制御部32と熱源側制御部31とは、通信を行って制御信号のやりとりを行うことができるようになっており、例えば、利用側制御部32は、熱源側制御部31から指示を受けて利用側ユニット4の制御を行う。
この実施の形態に係る冷凍装置1は、吸入温度センサ33aと吐出温度センサ33bと吸込み外気温度センサ33cと過冷却器高圧側出口温度センサ33dと利用側熱交入口温度センサ33eと利用側熱交出口温度センサ33fと吸込空気温度センサ33gと吸入圧力センサ34aと吐出圧力センサ34bとを含んでいる。吸入温度センサ33aと吐出温度センサ33bと吸込み外気温度センサ33cと過冷却器高圧側出口温度センサ33dと吸入圧力センサ34aと吐出圧力センサ34bとは、熱源側ユニット2に配設され、熱源側制御部31に接続されている。利用側熱交入口温度センサ33eと利用側熱交出口温度センサ33fと吸込空気温度センサ33gとは、利用側ユニット4に配設され、利用側制御部32に接続されている。
吸入温度センサ33aは、圧縮機21が吸入する冷媒の温度を検出するものである。吐出温度センサ33bは、圧縮機21が吐出する冷媒の温度を検出するものである。過冷却器高圧側出口温度センサ33dは、第1過冷却器22を通過した冷媒の温度を検出するものである。利用側熱交入口温度センサ33eは、利用側熱交換器42に流入する気液二相冷媒の蒸発温度を検出するものである。利用側熱交出口温度センサ33fは、利用側熱交換器42から流出した冷媒の温度を検出するものである。なお、上記の冷媒の温度を検出するセンサは、例えば、冷媒配管に当接させまたは冷媒配管に挿入して配設されており、冷媒の温度を検出する。
吸込み外気温度センサ33cは、熱源側熱交換器23を通過する前の空気の温度を検出することによって、室外の周囲温度を検出するものである。吸込空気温度センサ33gは、利用側熱交換器42を通過する前の空気の温度を検出することによって、利用側熱交換器42が設置された室内の周囲温度を検出するものである。
吸入圧力センサ34aは、圧縮機21の吸入側に配設されており、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出するものである。なお、吸入圧力センサ34aは、ガス側閉鎖弁29と圧縮機21との間に配設されていればよい。吐出圧力センサ34bは、圧縮機21の吐出側に配設されており、圧縮機21が吐出した冷媒の圧力を検出するものである。
本実施の形態の例では、熱源側熱交換器23の凝縮温度は、吐出圧力センサ34bの圧力を飽和温度に換算して得られるようになっているが、熱源側熱交換器23の凝縮温度は、熱源側熱交換器23に温度センサを配設して取得することもできる。
図2は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の制御ブロック図である。制御部3は、冷凍装置1の全体の制御を行うものであり、本実施の形態の制御部3は、熱源側制御部31に含まれている。なお、制御部3は、本発明の「冷媒不足判定部」に相当するものである。制御部3は、取得部3a、演算部3b、記憶部3cおよび駆動部3dを含んでいる。取得部3a、演算部3bおよび駆動部3dは、例えばマイコン等を含んで構成されており、記憶部3cは、例えば半導体メモリ等を含んで構成されている。取得部3aは、圧力センサおよび温度センサ等のセンサ類が検出した温度および圧力等の情報を取得するものである。演算部3bは、取得部3aが取得した情報を用いて、演算、比較、判定などの処理を行うものである。駆動部3dは、演算部3bが演算した結果を用いて、圧縮機21、弁類、ファン等の駆動制御を行うものである。記憶部3cは、冷媒の物性値(飽和圧力、飽和温度など)、演算部3bが演算を行うためのデータ等を記憶している。演算部3bは、必要に応じて、記憶部3cの記憶内容を参照し、または更新することができる。
また、制御部3は、入力部3eおよび出力部3fを含んでいる。入力部3eは、リモコンもしくはスイッチ類等(図示せず)からの操作入力を入力し、または、電話回線もしくはLAN回線等の通信手段(図示せず)からの通信データを入力するものである。出力部3fは、制御部3の処理結果を、LEDやモニタ等の表示手段(図示せず)に出力し、スピーカ等の報知手段(図示せず)に出力し、または、電話回線もしくはLAN回線等の通信手段(図示せず)に出力するものである。なお、通信手段によって遠隔地へ情報を出力する場合には、冷凍装置1と遠隔装置(図示せず)との双方に、同一の通信プロトコルを有する通信手段(図示せず)を設けるとよい。
例えば、冷凍装置1と遠隔装置(図示せず)とを用いて、冷媒量の不足等を判定することもできる。その場合には、例えば、演算部3bは、取得部3aが取得した情報を用いて、第1過冷却器22の温度効率εを演算し、出力部3fは、演算部3bが演算した温度効率εを、遠隔装置に送信する。遠隔装置は、冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定手段(図示せず)を備えており、温度効率εを用いて冷媒量の不足を判定する。遠隔装置にて冷媒の不足情報等を管理することにより、遠隔装置が設置された場所で冷凍装置1の異常等を早期に発見することができるため、冷凍装置1に異常が発生した場合等に、冷凍装置1のメンテナンス等を早期に行うことができる。
なお、上記の説明では、制御部3が、熱源側制御部31に含まれる例についての説明を行ったが、制御部3は、利用側制御部32に含まれていてもよく、または、熱源側制御部31および利用側制御部32とは別途の構成であってもよい。
[冷凍装置の動作(冷媒量適正時)]
図3は、図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が適正であるときのp−h線図の一例である。まず、冷媒量が適正である場合の、冷凍装置1の動作について説明する。図3の点Kから点Lにて、図1に記載の圧縮機21は、冷媒を圧縮する。図3の点Lから点Mにて、図1の圧縮機21で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する熱源側熱交換器23で熱交換されて凝縮液化する。なお、熱源側熱交換器23で熱交換されて凝縮液化した冷媒は、レシーバ25に流入して、一時的にレシーバ25内に貯留される。レシーバ25に貯留される冷媒の量は、利用側ユニット4の運転負荷、外気温度および凝縮温度等に応じて変化する。
図3の点Mから点Nにて、図1のレシーバ25に貯留された液冷媒は、第1過冷却器22で過冷却される。なお、第1過冷却器22の出口の過冷却度は、凝縮温度から、過冷却器高圧側出口温度センサ33dの温度を差し引くことで算出される。
図3の点Nから点Oにて、図1の第1過冷却器22で過冷却された液冷媒は、液側閉鎖弁28及び液冷媒延長配管6を経由して、利用側ユニット4に送られ、利用側膨張弁41によって減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。
図3の点Oから点Kにて、図1の利用側膨張弁41で減圧された気液二相冷媒は、蒸発器として機能する利用側熱交換器42にてガス化する。なお、冷媒の過熱度は、利用側熱交出口温度センサ33fが検出した温度から、利用側熱交入口温度センサ33eが検出した冷媒の蒸発温度を差し引くことで算出される。利用側熱交換器42でガス化されたガス冷媒は、ガス冷媒延長配管7、ガス側閉鎖弁29、アキュムレータ24を経て、圧縮機21へ戻る。
次に、インジェクション回路について説明を行う。第1インジェクション回路71は、圧縮機21の吐出部の冷媒温度を下げるためのものである。第1インジェクション回路71の入口は、第1過冷却器22の出口と液側閉鎖弁28との間に接続されており、第1過冷却器22で過冷却された高圧液冷媒の一部は、インジェクション量調整弁72で減圧されて中間圧の二相冷媒となり、圧縮機21のインジェクション部に流入する。
[冷凍装置の動作(冷媒量不足時)]
図4は、図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が不足となったときのp−h線図の一例である。例えば、図1に記載の冷凍装置1から冷媒が漏洩等して、冷媒の量が減少すると、レシーバ25に余剰液冷媒が貯留されている間は、レシーバ25に貯留された余剰液冷媒が減少する。レシーバ25に余剰液冷媒が存在している間は、冷凍装置1は、図3に示すように、冷媒量が適正な場合と同様に動作する。
冷媒の減少が更に進んで、レシーバ25内の余剰液冷媒がなくなると、図4の点M1に示すように、凝縮器として機能する熱源側熱交換器23の出口のエンタルピーが大きくなり、熱源側熱交換器23の出口の冷媒状態が二相状態となる。また、熱源側熱交換器23の出口のエンタルピーが大きくなることに伴って、第1過冷却器22が二相冷媒の凝縮液化と過冷却とを行うこととなるため、点N1に示すように、第1過冷却器22の出口のエンタルピーも大きくなる。
[比較例]
ここで、本実施の形態と比較する比較例について説明する。比較例では、冷媒の過冷却度を利用して、冷媒量の判定を行う。例えば冷媒が漏洩する等して冷媒量が不足すると、図4に示すように、過冷却度が低下する。そこで、比較例では、過冷却度が、予め設定されたしきい値よりも小さくなったときに、冷媒量が不足していると判定する。
図5は、図1に記載の冷凍装置の冷媒量と第1過冷却器の過冷却度と冷凍装置の運転条件との関係を説明する図である。図5に示すように、第1過冷却器22の過冷却度は、冷凍装置1の運転条件(外気温度、熱交換量、冷媒循環量、蒸発温度等)に応じて、大きく変動する。そのため、比較例のように、過冷却度を利用して冷媒量の不足の判定を行う場合には、誤判定とならないように、過冷却度しきい値Sを低く設定する必要性がある。このように比較例では、過冷却度しきい値Sを低く設定しなければならないため、冷媒量の不足を判定するまでに長時間を要し、例えば冷媒が漏洩している場合に、冷媒の漏洩量が多くなってしまう。
[冷媒量の判定]
そこで、本実施の形態では、過冷却度と比較して、冷凍装置1の運転条件の変化に対する変動が小さい第1過冷却器22の温度効率εを用いて冷媒量の判定を行う。以下に温度効率を用いた冷媒量の判定について説明する。
図6は、図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が適正量であるときに、冷媒が、熱源側熱交換器、レシーバ、空気過冷却器の順に流れるときの冷媒の温度変化の一例を説明する図である。図6において、縦軸は温度を示し、上部ほど高い温度となる。また、横軸は熱源側熱交換器23、レシーバ25、第1過冷却器22の冷媒経路を示している。s1は冷媒の凝縮温度であり、s2は第1過冷却器22の出口の冷媒温度であり、s3は外気温度である。
第1過冷却器22の温度効率εは、第1過冷却器22の効率を示すものであり、最大取り得る温度差Aを分母に取り、実際の温度差Bを分子に取ったものである。第1過冷却器22において、最大とり得る温度差Aは、冷媒の凝縮温度s1と外気温度s3との差であり、実際に取り得る温度差Bは、冷媒の凝縮温度s1と第1過冷却器22の出口の温度s2との差である。温度効率εは、下記(数式3)で表される。
Figure 0006588626
図7は、図1に記載の冷凍装置の冷媒量と第1過冷却器の温度効率と冷凍装置の運転条件との関係を説明する図である。図7において、横軸は、冷媒の冷媒量であり、縦軸は、第1過冷却器22の温度効率εである。図7に示すように、冷媒量が少なくなり、冷媒量がEになってレシーバ25の余剰液冷媒が無くなると、第1過冷却器22の温度効率εが低下する。そこで、温度効率εが予め設定された温度効率しきい値T1よりも小さくなったときに、冷媒が漏洩したと判定する。温度効率εは、第1過冷却器22の性能を示すものであり、過冷却度に比べて冷凍装置1の運転条件による変動が小さいため、冷凍装置1のしきい値の設定が容易になる。
一般に熱交換器の温度効率は以下の(数式4)で表される。
Figure 0006588626
本実施の形態の第1過冷却器22は冷媒と空気を熱交換させるものであり、高温側流体は冷媒、低温側流体は空気となる。よって、K:熱通過率(W/(m・K))は空気流量、冷媒循環量により変動する。温度効率は空気流量が低下、または冷媒循環量が増加すると低下する。
ρh・Vh:高温側流体密度(kg/m)×高温側流体体積流量(m/h)は、冷媒循環量G(kg/h)であり、冷媒循環量Gが増加すると温度効率は低下する。冷媒循環量は圧縮機周波数、冷媒の圧縮機吸入ガス圧力、圧縮機吸入ガス温度により変動する。Ch:高温側流体比熱(KJ/kg)は冷媒の高圧圧力により変動し、高圧圧力が増加すると温度効率は低下する。Vm:低温側流体体積流量(m/h)は空気側の風量であり、熱源側ファン27の風量により変動する。
A:伝熱面積(m)は冷凍装置1に固有の一定値である。ρm:低温側流体密度(kg/m)、Cm:低温側流体比熱(KJ/kg)は空気の密度、比熱であるがほぼ一定の値となる。
上記より冷凍装置1の伝熱面積(A)、低温側流体密度(ρm)、低温側流体比熱(Cm)は一定値である。また、温度効率は、熱通過率(K)を変動させる冷媒循環量、高温側流体比熱(Ch)を変動させる高圧圧力、および熱源側ファン27の風量により変動する空気流量により変動する。そして、冷媒循環量は、圧縮機周波数、冷媒の圧縮機吸入ガス圧力、および圧縮機吸入ガス温度によって変動する。よって、運転条件により温度効率のしきい値を変化させて設定する場合、冷媒循環量、すなわち圧縮機周波数、冷媒の圧縮機吸入ガス圧力、および圧縮機吸入ガス温度と、空気流量と、高圧圧力とにより設定する。
[運転条件によるしきい値の変更]
冷媒漏れが生じた場合にどの程度冷媒が漏れた時に冷媒不足を判定できるかはおおむね「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差により変化する。つまり「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が大きい場合、多く量の冷媒が漏れないと冷媒不足を判定できない。逆に「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が小さい場合、少ない冷媒の漏れ量で冷媒不足を判定可能である。
なお、冷媒不足判定の指標となる温度効率は、過冷却値などよりは運転条件による変動は少ないが、前述のとおり運転条件により変動する。よって運転条件によりしきい値を変更した方が「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差を小さくでき、少ない冷媒の漏れ量で冷媒不足を判定可能とできる。以下に運転条件によるしきい値設定方法を説明する。
[運転条件によるしきい値設定方法1]
前述のとおり空気流量の変動により温度効率は変動する。よって、本実施の形態では「しきい値設定方法1」としてファン出力%によりしきい値を変化させる。図8は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値とファン出力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。具体的には図8のとおり、ファン出力が減少するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これによりファン風量40%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となる。
図14は、従来技術による温度効率値とファン風量、運転周波数の関係の一例を説明する図である。たとえば図14のようにファン風量40m/min、運転周波数100Hzの条件では、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」が0.45、破線で示される「しきい値」である「温度効率εの判定しきい値εline」が0.40のため、その差が0.05と小さく、少しの冷媒の漏れ量で冷媒不足を検知できる。一方ファン風量100m/min、運転周波数30Hzの条件では、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」が0.80、「温度効率εの判定しきい値εline」が0.40のため、その差が0.40と大きく、多量に冷媒が漏れないと冷媒不足を検知できない。
しきい値設定方法1によれば、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善される。ただしファン風量100%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.20〜0.30程度となり、図14の「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善されるがファン風量40%の条件より差は大きくなる。
[運転条件によるしきい値設定方法2]
前述のとおり冷媒循環量の変動により温度効率は変動する。よって、本実施の形態ではでは「しきい値設定方法2」として冷媒循環量によりしきい値を変化させる。図9は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高温側冷媒循環量、ファン風量の関係の一例を説明する図である。具体的には図9のとおり、冷媒循環量が増加するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これによりファン風量が40%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となり、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は改善される。ただしファン風量100%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.20〜0.30程度となり、図14の「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善されるがファン風量40%の条件より差は大きくなる。
ここで冷媒循環量は
Figure 0006588626
となる。圧縮機吸入冷媒密度は圧縮機吸入圧力と圧縮機吸入温度により決まるから
Figure 0006588626
となる。ここでf( )は( )内の値をパラメータとする関数を表す。よって冷凍装置1の吸入温度センサ33a、吸入圧力センサ34aにより冷媒密度を算出し、圧縮機運転周波数と定数2により冷媒循環量が算出される。圧縮機が複数台ある場合はそれぞれの圧縮機の冷媒循環量を合計した値を算出する。
上記冷媒循環量の導出には複雑な計算を制御器で実施する必要がある。そこで、若干精度は落ちるが、簡易的には吸入圧力センサ34aのみを用いて算出した飽和吸入冷媒密度と圧縮機運転周波数により冷媒循環量を用いてしきい値を決定してもよい。さらに精度は落ちるが、さらに簡易的に圧縮機運転周波数の合計値のみでしきい値を決定してもよいし、低圧圧力のみでしきい値を変化させてもよい。これらの場合でも「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合よりも、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は改善される。
[運転条件によるしきい値設定方法3]
前述のとおり高圧圧力の変動により温度効率は変動する。よって冷凍装置1では「しきい値設定方法3」として高圧圧力によりしきい値を変化させる。図10は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高圧圧力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。具体的には図10のとおり、高圧圧力が減少するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これにより圧縮機運転周波数100Hzの条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となり、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善される。ただし圧縮機運転周波数30Hzでは「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.20〜0.30程度となり、図14の「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善されるが圧縮機運転周波数100Hzの条件より差は大きくなる。
[運転条件によるしきい値設定方法4]
前述のとおり温度効率は空気流量、冷媒循環量の両方に影響を受け変動する。また、以下の(数式7)によって定義されるΔTも空気流量、冷媒循環量の両方に影響を受け変動する。
Figure 0006588626
空気風量が低下すると凝縮器出口温度が増加するためΔTも増加する。この時、温度効率は減少する。また、冷媒循環量が増加すると凝縮器の処理する熱量が増加するため凝縮器出口温度が増加し、ΔTも増加する。この時、温度効率は減少する。ΔTが増加すると温度効率は減少し、ΔTが減少すると温度効率は増加する。
よって本実施の形態では「運転条件によるしきい値設定方法4」としてΔTによりしきい値を変化させる。図15は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値とΔTの関係の一例を説明する図である。具体的には図15のとおり、ΔTが増加するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これによりファン出力、運転周波数が変動しても「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.15程度となり、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は大幅に改善される。また運転条件によるしきい値設定方法1〜3と比較しても最も「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が小さくなるため、最も適切に少ない冷媒漏れ量で冷媒不足を検知できる。
[冷媒量判定動作]
図11は、本実施の形態における冷媒量判定動作の手順を示すフローチャートである。図11に示されている冷媒量判定動作は、冷凍装置1の熱源側制御部31により実行される。本実施の形態の冷凍装置1は、第1過冷却器22の温度効率εを用いて冷媒量の判定を行う。なお、以下で説明する冷媒量の判定は、冷凍装置1を設置するときの冷媒充填作業または冷凍装置1のメンテナンスを行うときの冷媒充填作業に適用することもできる。また、冷媒量判定動作は、遠隔装置(図示せず)からの指示を受けたときに、実行されてもよい。
ステップST1にて通常運転制御が開始される。冷凍装置1の通常運転制御では、熱源側制御部31は、例えば、センサ類が検出した冷媒回路10の圧力および温度等の運転データを取得して、運転データを用いて凝縮温度および蒸発温度等の目標値および偏差等の制御値を演算し、アクチュエータ類の制御を行う。以下、アクチュエータ類の動作について説明する。
例えば、熱源側制御部31は、冷凍装置1の冷凍サイクルの蒸発温度を、目標温度(例えば0℃)と一致させるように、圧縮機21の運転周波数を制御する。なお、冷凍サイクルの蒸発温度は、吸入圧力センサ34aが検出した圧力を飽和温度に換算することによって得ることもできる。例えば、熱源側制御部31は、現在の蒸発温度が目標温度よりも高い場合には圧縮機21の運転周波数を上昇させ、現在の蒸発温度が目標値よりも低い場合には圧縮機21の運転周波数を低下させる。
また、例えば、熱源側制御部31は、冷凍装置1の冷凍サイクルの凝縮温度を、目標温度(例えば45℃)と一致させるように、熱源側熱交換器23に空気を送風する熱源側ファン27の回転数を制御する。なお、冷凍装置1の冷凍サイクルの凝縮温度は、吐出圧力センサ34bが検出した圧力を、飽和温度に換算することによって得ることもできる。例えば、熱源側制御部31は、現在の凝縮温度が目標温度よりも高い場合には熱源側ファン27の回転数を大きくし、現在の凝縮温度が目標温度よりも低い場合は熱源側ファン27の回転数を小さくする。
また、例えば、熱源側制御部31は、センサ類から得られた信号を用いて、第1インジェクション回路71のインジェクション量調整弁72の開度を調整する。例えば、熱源側制御部31は、現在の圧縮機21の吐出温度が高い場合は、インジェクション量調整弁72を開状態として、現在の圧縮機21の吐出温度が低い場合は、インジェクション量調整弁72を閉じる。また、例えば、熱源側制御部31は、利用側ユニット4に空気を送風する利用側ファン43の回転数の制御を行う。
ステップST2にて、熱源側制御部31は、例えば、熱源側熱交換器23の出口温度、第1過冷却器22の出口の温度、吸込み外気温度センサ33cが検出した外気温度および吐出圧力センサ34bが検出した圧力等を用いて、第1過冷却器22の温度効率εの演算を行う。
ステップST3にて、熱源側制御部31は、冷凍装置1の運転状態を取得する。熱源側制御部31は、現在の運転状態が冷媒量判定の例外条件に該当するか否かを判断する。この冷媒量判定の例外条件としては、例えば、次のような条件を予め設定する。この何れか1つに該当する場合には冷媒量判定の例外条件に該当すると判断する。
・圧縮機21が停止状態の場合。
・起動後30分間(温度効率εが安定しないため。)。
・低外気温の場合(低外気温時は、高圧を保とうとするため、ファン風量を低下させる。そのため温度効率εも低下するため、誤検知をする恐れがある。)。
・運転範囲外である高外気温時。
・凝縮温度と外気温度の温度差が大きい場合。
・凝縮温度、凝縮温度と外気温度との温度差、外気温度の影響により、温度効率εが閾値以下になってしまう恐れのある値の場合。
・スーパーヒートが小さい場合(液だめの余剰冷媒がなくなったとしても、アキュムレータ24に余剰冷媒がある可能性があり、冷媒漏れではないため。)。
以上のような場合では、温度効率εの値が小さくなり誤検知を起こしてしまう。
冷凍装置1の運転状態が、上記の「冷媒量判定の例外条件」に該当する場合には、ステップST1に戻り、冷凍装置1の運転状態が、上記の「冷媒量判定の例外条件」に該当しない場合には、ステップST4に進む。
ステップST4にて、熱源側制御部31は、ステップST1によって開始された冷凍装置1の運転制御が安定して実行されているかを判定する。図12は本発明の実施の形態における安定判定条件を説明する概念図である。安定判定条件は、ステップST2で算出した複数の温度効率εとその時の運転周波数とが大きく変動しない条件を設定する。例えば、安定判定条件としては、圧縮機21の周波数が、下記(8)の条件を満たす場合と、温度効率εが、下記(9)の条件を満たす場合に、安定判定条件を満足すると判断する。つまり、図12(a)に示すように、対象データの平均値からの変化量が全て所定値(η)に収まる場合(白抜き丸印)には、安定判定条件を満足すると判断する。一方、図12(b)に示すように、対象データの平均値からの変化量の少なくとも1つが所定値(η)を越える場合(黒丸印)には、安定判定条件を満足しないと判断する。このように、算出した温度効率εと圧縮機21の運転周波数とが安定した状態で、平均温度効率εAを算出することで、冷媒量をより精度良く判定することができる。
Figure 0006588626
冷凍装置1の運転制御が安定していない場合にはステップST1に戻り、冷凍装置1の運転制御が安定している場合にはステップST5に進む。
ステップST5にて、熱源側制御部31は、冷媒量判定パラメータとその基準値を比較することにより冷媒量の適否の判定を行う。具体的には、第1過冷却器22の温度効率εと判定しきい値Tmの偏差量ΔT(=T−Tm)を求め、偏差量ΔTが正の値であるか否かを判定する。偏差量ΔTが正である場合には、熱源側制御部31は、冷媒量が不足していないと判断して、ステップST6に進む。偏差量ΔTが負である場合には、熱源側制御部31は、冷媒量が不足していると判断して、ステップST7に進む。このときに、第1過冷却器22の温度効率εは、瞬時値を用いるよりも、時間的に異なる複数の温度効率εの移動平均をとることが望ましい。時間的に異なる複数の温度効率εの移動平均を取ることで、冷凍サイクルの安定も考慮することができる。なお、判定しきい値Tmは、例えば、熱源側制御部31の記憶部3cに予め記憶されていてもよく、リモコンまたはスイッチなどの入力によって設定されてもよく、遠隔装置(図示せず)からの指示によって設定されてもよい。
ステップST5での冷媒量判定結果が冷媒量適性である場合には、熱源側制御部31は、ステップST6にて、冷媒量が適性である旨の出力を行う。冷媒量が適性である場合には、冷媒量が適性である旨が、例えば、冷凍装置1に配設されたLEDまたは液晶などの表示部(図示せず)に表示され、または冷媒量が適性である旨の信号が遠隔装置(図示せず)に送信される。
ステップST5での冷媒量判定結果が冷媒量不足である場合には、熱源側制御部31は、ステップST7にて、冷媒量が不足している旨の出力を行う。冷媒量が不足している場合には、例えば、冷媒量が不足している旨の警報が、冷凍装置1に配設されたLEDまたは液晶などの表示部(図示せず)に表示され、または冷媒量が不足している旨の信号が遠隔装置(図示せず)に送信される。なお、冷媒量が不足している場合は緊急を要することもあるため、電話回線などを通じて、サービスマンへ異常発生を直接的に報知するように構成されてもよい。
なお、上記の実施の形態では、ステップST2にて温度効率εの演算を行った後、ステップST3では冷凍装置1の運転状態が例外条件に該当するか否かを判断し、ステップST4では冷凍装置1の運転制御が安定しているか否かを判断することにより、冷媒量の判定を行うか否かの判断を行っているが、これに限るものではない。ステップST3およびステップST4の後に、ステップST2を実行してもよい。冷媒量の判定を行うか否かの判断を行った後に、温度効率εの演算を行うことによって、熱源側制御部31が演算を行う処理量を低減することができる。
上記のように、本実施の形態では、温度効率εを利用して、冷凍装置1の冷媒回路10内が冷媒不足か否かの判定を行っているため、仮に、冷媒が漏洩した場合であっても、冷媒の漏れを早期に検出することができる。
さらに、本実施の形態では、冷凍装置1の運転状態を取得しており、冷凍装置1の温度効率εを利用して冷媒不足を判定するための温度効率しきい値は、冷凍装置1の運転状態に応じて変更される。従って、できるかぎり少ない冷媒の不足量、漏れ量で判定でき、冷媒不足の判定が従来の方法より早く行われる。その結果、庫内温度の上昇をできるだけ少なくでき、かつ地球環境悪化の低減や冷媒漏れ時の庫内温度上昇による保管物への被害の低減、冷媒漏れ後の復旧コストの低減ができる。また少ないパラメータで温度効率のしきい値を変更し判定できるため、より簡単な制御でできるかぎり少ない冷媒の不足量、漏れ量で判定可能となる。
なお、上記で説明した運転制御では、凝縮温度や蒸発温度を特定する制御はしていないが、例えば、凝縮温度、蒸発温度が一定になるように制御を行ってもよい。また、例えば、圧縮機21の運転周波数と熱源側ユニット2の熱源側ファン27の回転数を一定値として、凝縮温度と蒸発温度の制御を行わなくてもよい。また、例えば、凝縮温度もしくは蒸発温度のうちの何れか一方を目標値となるように制御を行ってもよい。冷凍装置1の運転状態を一定の条件に制御することによって、第1過冷却器22の過冷却度や過冷却度に応じて変動する運転状態量の変動が小さくなり、しきい値の決定が容易となり、冷媒量不足の判定が行いやすくなる。
また、本実施の形態の冷媒量判定動作を、冷凍装置1の設置初期の冷媒充填作業、またはメンテナンス時に冷媒を一度排出して再度充填する際の冷媒充填作業に適用することによって、冷媒充填作業の時間短縮、作業者の負荷軽減を実現することができる。
[変形例]
図13は、本発明の変形例に係る冷凍装置の冷媒回路を模式的に記載した図である。図1に記載の冷凍装置1と比較して、変形例の冷凍装置1Aの熱源側ユニット2Aは、図13に示すように、第1過冷却器22のかわりに第2過冷却器26を有している。なお、第2過冷却器26は、本発明の「過冷却器」に相当するものである。第2過冷却器26は、例えば二重管の過冷却器またはプレート熱交換器を含んで構成されており、熱源側冷媒回路10bに流れる高圧の冷媒と、第1インジェクション回路71Aに流れる中間圧の冷媒とを熱交換させるものである。第2過冷却器26を通過した冷媒の一部は、インジェクション量調整弁72で膨張されて中間圧の冷媒となり、第2過冷却器26を通過する冷媒と熱交換する。また、インジェクション量調整弁72から流入して、第2過冷却器26で熱交換された中間圧の冷媒は、乾き度が高い冷媒となり、圧縮機21の吐出温度を下げるために圧縮機21の吸入側にインジェクションされる。変形例における冷媒判定動作は、第2過冷却器26の温度効率を用いて行われる。
高温側を冷媒とし、低温側も冷媒の流体とする二重管の過冷却器またはプレート熱交換器による第2過冷却器の場合、その温度効率は、第2過冷却器26の出口における冷媒の過冷却度(凝縮器出口温度−過冷却熱器出口温度)を、第2過冷却器26の最大温度差(凝縮器出口温度−中間圧(インジェクション回路)飽和温度)で除算した値である。温度効率は下記(数式10)で表される。
Figure 0006588626
なお、変形例では、第1過冷却器22を追加し、レシーバ25から流出した冷媒が、第1過冷却器22を通過後、第2過冷却器26に流入する構成とすることもできる。
前述のとおり、一般に熱交換器の温度効率は上記の(数式4)で表される。説明の便宜のため、再び(数式4)を記載する。
Figure 0006588626
変形例の第2過冷却器26は冷媒と冷媒を熱交換させるものであり、高温側流体は冷媒、低温側流体も冷媒となる。よって、K:熱通過率(W/(m・K))は冷媒循環量により変動する。温度効率は冷媒循環量が増加すると低下する。
ρm・Vm:低温側流体密度(kg/m)×低温側流体体積流量(m/h)は、第1インジェクション回路71Aを流れる低温側の冷媒循環量Gm(kg/h)であり、冷媒循環量Gmが増加すると温度効率は低下する。第1インジェクション回路71Aを流れる冷媒循環量Gmはインジェクション量調整弁72の開度、インジェクション量調整弁72上流、下流の差圧により変動する。
Cm:低温側流体比熱(KJ/kg)は冷媒の中間圧力(インジェクション量調整弁72下流の圧力)により変動し、中間圧力が増加すると温度効率は低下する。その他のパラメータは、実施の形態の第1過冷却器22の温度効率について説明したとおりである。
上記よりA(伝熱面積)は冷凍装置1Aに固有の一定値である。温度効率は、熱通過率(K)を変動させる高温側冷媒循環量、第1インジェクション回路71Aを流れる低温側冷媒循環量、
高温側流体比熱(Ch)を変動させる高圧圧力、および中間圧力により変動する。よって、運転条件により温度効率のしきい値を変化させて設定する場合、高温側冷媒循環量、低温側冷媒循環量、高圧圧力、中間圧力により設定する。なお、高温側冷媒循環量は、圧縮機周波数、冷媒の圧縮機吸入ガス圧力、および圧縮機吸入ガス温度によって変動する。また、低温側冷媒循環量は、インジェクション量調整弁72の開度、およびインジェクション量調整弁72上流、下流との差圧によって変動する。
変形例の場合も温度効率は高温側冷媒循環量、高圧圧力により設定する場合はそれぞれ前述の[運転条件によるしきい値設定方法2]、[運転条件によるしきい値設定方法3]を用いることができる。
[運転条件によるしきい値設定方法5]
前述のとおり低温側冷媒循環量の変動により温度効率は変動する。よって本実施の形態では、「運転条件によるしきい値設定方法5」として低温側冷媒循環量によりしきい値を変化させる。具体的には図9と同様に、低温側冷媒循環量が増加するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これにより図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善される。
ここで低温側冷媒循環量は以下の(数式11)より求められる。
Figure 0006588626
よって冷凍装置1のインジェクション量調整弁72が電子膨張弁であれば制御部3によりインジェクション量調整弁72の開度を出力する値、インジェクション量調整弁72上流と下流との差圧、インジェクション量調整弁72上流の圧力、温度により低温側冷媒循環量を算出する。インジェクション量調整弁72下流である71Aに圧力センサがない場合は吸入圧力センサ34a、吐出圧力センサ34bから算出してもよい。
上記冷媒循環量の導出には複雑な計算を制御器で実施する必要がある。そこで、若干精度は落ちるが簡易的にはインジェクション量調整弁72の開度を出力する値、またはインジェクション量調整弁72上流と下流との差圧、またはインジェクション量調整弁72上流の圧力のいずれかのパレメータ1つまたは複数個を用いていてしきい値を決定してもよい。
また、インジェクション量調整弁72上流と下流との差圧の代わりに簡易的に吸入圧力センサ34a、吐出圧力センサ34bを用いて、以下の数式12で表される圧縮機の吸入圧力、吐出圧力の圧縮比をパラメータとしてしきい値を変化させてもよい。
Figure 0006588626
また、インジェクション量調整弁72上流と下流との温度差、もしくはインジェクション量調整弁72上流と下流の圧力比をパラメータとしてしきい値を変化させてもよい。また、インジェクション量調整弁72の上流の密度をパラメータとしてしきい値を変化させてもよい。
さらに、上述のインジェクション量調整弁72の開度、インジェクション量調整弁72の上流と下流との差圧、インジェクション量調整弁72の上流の密度、インジェクション量調整弁72の上流の圧力、およびインジェクション量調整弁72の上流の温度のいずれか1つをパラメータとして、しきい値を変化させてもよく、あるいはこれらのうちの複数をパラメータとして、しきい値を変化させてもよい。
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。すなわち、上記の実施の形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施の形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
1 冷凍装置、1A 冷凍装置、2 熱源側ユニット、2A 熱源側ユニット、3 制御部、3a 取得部、3b 演算部、3c 記憶部、3d 駆動部、3e 入力部、3f
出力部、4 利用側ユニット、5 過冷却熱交換器、6 液冷媒延長配管、7 ガス冷媒延長配管、10 冷媒回路、10a 利用側冷媒回路、10b 熱源側冷媒回路、21
圧縮機、22 第1過冷却器、23 熱源側熱交換器、24 アキュムレータ、25 レシーバ、26 第2過冷却器、27 熱源側ファン、28 液側閉鎖弁、29 ガス側閉鎖弁、31 熱源側制御部、32 利用側制御部、33a 吸入温度センサ、33b 吐出温度センサ、33c 吸込み外気温度センサ、33d 過冷却器高圧側出口温度センサ、33e 利用側熱交入口温度センサ、33f 利用側熱交出口温度センサ、33g 吸込空気温度センサ、34a 吸入圧力センサ、34b 吐出圧力センサ、41 利用側膨張弁、42 利用側熱交換器、43 利用側ファン、71 第1インジェクション回路、71A 第1インジェクション回路、72 インジェクション量調整弁、73 第2インジェクション回路、74 キャピラリチューブ、75 吸入インジェクション用電磁弁、T 温度効率、T1 温度効率しきい値、T2 温度効率しきい値、T3 温度効率しきい値。

Claims (9)

  1. 圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、
    前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部を備え、
    前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記温度効率しきい値を前記最大温度差に基づいて変更する冷凍装置。
  2. 圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、
    前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部と、
    前記熱源側熱交換器の下流より分岐し、前記圧縮機の中間圧ポートまたは前記圧縮機の吸入側に接続されるインジェクション管と、
    前記インジェクション管に設けられたインジェクション量調整弁とを備え、
    前記インジェクション管は、前記インジェクション量調整弁の下流において前記過冷却器を経て前記圧縮機に接続され、前記過冷却器において前記高温側流体である前記熱源側熱交換器から流出された冷媒と、前記低温側流体である前記インジェクション管に流入した冷媒とが熱交換されるよう構成され、
    前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記高温側流体の冷媒の圧力、前記高温側流体の冷媒の循環量、前記低温側流体の冷媒の循環量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する冷凍装置。
  3. 圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、
    前記過冷却器の出口側の冷媒の過冷却度を、前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差で除算した値である前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部と、
    前記熱源側熱交換器の下流より分岐し、前記圧縮機の中間圧ポートまたは前記圧縮機の吸入側に接続されるインジェクション管と、
    前記インジェクション管に設けられたインジェクション量調整弁とを備え、
    前記インジェクション管は、前記インジェクション量調整弁の下流において前記過冷却器を経て前記圧縮機に接続され、前記過冷却器において前記高温側流体である前記熱源側熱交換器から流出された冷媒と、前記低温側流体である前記インジェクション管に流入した冷媒とが熱交換されるよう構成され、
    前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記高温側流体の冷媒の圧力、前記高温側流体の冷媒の循環量、前記低温側流体の冷媒の循環量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更し、前記インジェクション量調整弁の開度、前記インジェクション量調整弁の上流と下流との差圧、前記インジェクション量調整弁の上流の密度、前記インジェクション量調整弁の上流の圧力、および前記インジェクション量調整弁の上流の温度のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する冷凍装置。
  4. 前記過冷却器において前記低温側流体は空気であり、
    前記冷媒不足判定部は、前記高温側流体である冷媒の圧力、前記高温側流体である冷媒の循環量、空気流量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  5. 前記過冷却器において前記低温側流体は前記インジェクション管に流入する冷媒であり、
    前記冷媒不足判定部は、前記高温側流体である冷媒の圧力、前記高温側流体である冷媒の循環量、空気流量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する請求項2又は3に記載の冷凍装置。
  6. 前記冷媒不足判定部は、前記高温側流体の冷媒の循環量が増加すると前記温度効率しきい値を小さく変更する請求項2〜5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  7. 前記冷媒不足判定部は、前記高温側流体の冷媒の循環量の算出に用いられる前記圧縮機の周波数もしくは前記圧縮機の吸入密度に基づいて前記温度効率しきい値を変更する請求項2〜6のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  8. 前記冷媒不足判定部は、前記圧縮機の吸入密度の算出に用いられる前記圧縮機の吸入圧力もしくは前記圧縮機の吸入温度に基づいて、前記温度効率しきい値を変更する請求項に記載の冷凍装置。
  9. 前記冷媒不足判定部は、前記空気流量を変動させる前記熱源側ファンの出力割合が減少すると前記温度効率しきい値を小さく変更する請求項4又は5に記載の冷凍装置。
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