JP5220045B2 - 冷却装置 - Google Patents

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本発明は、水などの被冷却流体を所望の温度に冷却して供給する冷却装置に係るものである。特に液体の被冷却流体を、液体が凍結する温度付近まで冷却する冷却装置に関するものである。
従来の技術においては、圧縮機、凝縮器、減圧手段、および蒸発器からなる冷凍サイクルにおいて、蒸発器の低圧側の冷媒の温度、蒸発器に流入する被冷却流体の温度を検出する温度検出手段が設置される。そして、これらの検出に係る温度の値を基に「凍結の有無」または「凍結の可能性」を判定する冷却装置がある。そして判定結果に基づいて被冷却流体の凍結を防止するため、圧縮機、凝縮器に空気を送る送風機、絞り手段、ポンプとを制御する冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の技術においては、プレート式熱交換器の端板の表面温度を検出することができる温度検出手段を設け、これによって検出された温度が基準温度以下になった場合に、冷凍サイクル装置を停止させ、凍結異常を発報する冷凍検知装置を備えた冷凍サイクル装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の技術においては、高沸点冷媒と低沸点冷媒とからなる非共沸混合冷媒を用いた空気調和機の着霜検知方法において、熱交換器で冷媒の温度が低くなる複数箇所の温度の平均値を、熱交換器の着霜判断の条件として用いることにより、熱交換器の着霜を確実に判断できる着霜検知方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−243828号公報 特開2005−315498号公報 特開平8−75326号公報
しかしながら、蒸発器内部において、被冷却流体の流量が不均一な状態であると、温度にバラツキが生じることがある。上記の方法において、被冷却流体の温度のバラツキがあった場合には、検出した温度の値から算出した凍結判定に用いる状態量の値が実際のものと誤差が生じ、判定が異なってしまう可能性がある。このため、例えば、実際には水が凍結しない条件でも凍結防止する制御を作動させてしまったり、水が凍結する条件にも関わらず凍結防止する制御が作動しなかったり、凍結防止制御が適切に動作しない可能性があった。
また、熱交換器におけるある特定の1箇所の計測値や、複数箇所の計測値の平均値を基にそのまま用いて熱交換器の着霜・凍結を判定する方法では、被冷却流体の流路内で温度や流速バラツキが生じ、局所的に温度が低い、流速が遅い等の要因により最も凍結しやすい条件の箇所において、部分的に凍結する状態(部分凍結)が発生するような場合に正確な凍結判定がなされない可能性があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、凍結防止制御を動作させる水凍結条件の判定精度を向上させるようにした冷却装置を実現することを目的とする。
この発明に係る冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧させる絞り手段と、絞り手段によって減圧された冷媒を熱交換により蒸発させて被冷却流体を冷却する蒸発器とを配管接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を構成し、蒸発器において冷媒の蒸発温度である低圧冷媒温度を検出するための低圧冷媒温度検出手段と、蒸発器に流入する被冷却流体の温度である被冷却流体流入温度を検出するための被冷却流体流入温度検出手段と、蒸発器から流出する被冷却流体の温度である被冷却流体流出温度を検出するための被冷却流体流出温度検出手段と、被冷却流体流入温度と、被冷却流体流出温度とに基づいて、蒸発器内部における被冷却流体の状態量の分布を推測し、状態量の分布に基づいて、蒸発器全体に対して算出した凍結状況判定の閾値となる凍結判定状態量を補正する演算部と、低圧冷媒温度と演算部の補正に係る凍結判定状態量とに基づいて凍結に係る状況を判定する判定部と、判定部による判定結果に基づいて、被冷却流体の凍結を防止するための処理を行う制御部とを備える。
本発明によれば、演算部が蒸発器内部の状態量の分布に基づいて補正した凍結判定状態量に基づいて、判定部が凍結に係る状況を判定し、判定結果に基づいて制御部が制御を行うようにしたので、適切な凍結判定状態量を決定することができ、被冷却流体の凍結を防止するとともに、冷却装置の冷凍能力を最大限に利用可能であり、凍結に起因する蒸発器の熱交性能劣化を事前に検知し、確実に凍結による破壊を防止し機器の安全を図ることができる。
また、温度や流速のバラツキを推測又は計測して被冷却流体の凍結判定をすることで、熱交換器が部分的に凍結する状態(部分凍結)を防ぐことができる。
この発明の実施の形態1を示す冷却装置の構成図である。 定常時における被冷却流体の凍結現象を説明するための図である。 過渡時における被冷却流体の凍結現象を説明するための図である。 過渡から定常に至るまでの凍結壁面温度θwfの関係を表す図である。 被冷却流体と蒸発器5内における流路との関係を説明するための図である。 各流路の流量バラツキを表す図である。 平均水流量バラツキεと蒸発器5内の各流路の温度の関係を表す図である。 平均水流量バラツキεと蒸発器5内の各流路の温度の関係を表す図である。 凍結壁面温度θwfと補正前後の凍結判定閾値との関係を表す図である。 この発明の実施の形態1の冷却装置の動作を示すフローチャートである。 蒸発器5内の各流路の熱交換量とAK値との関係を説明するための図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における冷却装置の構成を示した図である。以下、本発明の実施の形態1に係る冷却装置について説明する。ここで、以下の各図において同じ機器、手段等には同じ符号を付すものとする。図1において、圧縮機1、凝縮器2、絞り手段4および蒸発器5により冷凍サイクル回路(冷媒回路)を構成している。
圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器2に導かれて、送風機3からの流体と熱交換し、放熱して凝縮し、例えば液体の冷媒となる。凝縮器2で凝縮した冷媒は、絞り手段4を介して低温低圧の冷媒となり蒸発器5に導かれる。そして、蒸発器5において被冷却流体と熱交換し、吸熱して蒸発し、気体の冷媒となって圧縮機1へ戻される。
(圧縮機)
圧縮機1は、例えばインバータ回路により制御されるモータ(図示せず)によって運転容量を変化させて駆動することが可能な容積式圧縮機である。本実施の形態では圧縮機1を1台のみで構成するが、これに限定されず、2台以上の圧縮機を並列または直列に接続するようにしてもよい。
(凝縮器)
凝縮器2は、空気などの流体との熱交換により、冷媒を放熱させ、凝縮させる。特に限定するものではないが、本実施の形態の凝縮器2は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であるものとする。
(送風機)
送風機3は、冷媒と熱交換するための流体を凝縮器2に供給する。本実施の形態では、DCファンモータなどのモータによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等であり、流体の流量を変化させることができるものとする。
(絞り手段)
絞り手段4は、冷媒回路内を流れる冷媒の流量の調節等を行う。例えばステッピングモータ(図示せず)により絞りの開度を調整することが可能な電子膨張弁または受圧部にダイアフラムを採用した機械式膨張弁またはキャピラリーチューブである。
(蒸発器)
蒸発器5は、間隔をおいて薄板(フィン)を多数並べて、周縁部をシールし、各薄板間に形成された空間を交互に冷媒と被冷却流体との流路としてなるプレート式熱交換器もしくは二重になった管の内外で熱交換を行う二重管式熱交換器である。本実施の形態では、蒸発器5は、1台のみで構成するが、これに限定されず、2台以上の蒸発器を並列または直列に接続するようにしてもよい。
(被冷却流体、冷媒)
被冷却流体としては、例えば、凝固点を降下させる添加物を混ぜた水が用いられる。ただし、単なる水であってもよい。被冷却流体が水であるため、蒸発器5は水熱交換器となる。また、本実施の形態の冷却装置に用いられる冷媒としては、例えば、R410A、R407C、R404AなどのHFC冷媒、R22、R134aなどのHCFC冷媒、もしくは炭化水素、ヘリウムのような自然冷媒などが用いられる。
また、ポンプ6を設けた配管を介して蒸発器5に被冷却流体を供給するようになっている。被冷却流体は、例えば配管により、循環している。例えば、冷蔵庫や室内機など(図示せず)の冷熱負荷と蒸発器5との間を循環している。
低圧冷媒温度検出手段10は蒸発器5に流入する低温低圧の冷媒の温度の検出に係る信号を送信する。また、被冷却流体流入温度検出手段11、被冷却流体流出温度検出手段12は、蒸発器5に流入出する被冷却流体の温度の検出に係る信号を送信する。
測定部20は、低圧冷媒温度検出手段10、被冷却流体流入温度検出手段11、被冷却流体流出温度検出手段12からの信号に基づいて、それぞれの検出手段により検出された温度を数値化とする(以下、数値化したデータを測定値という)。ここで、低圧冷媒温度検出手段10、被冷却流体流入温度検出手段11、被冷却流体流出温度検出手段12の検出に係る測定値は、それぞれ低圧冷媒温度Tin、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体流出温度θoutとなる。また、他の検出手段からの信号により得られる物理量に基づいて、演算等を行い、演算部21が演算を行うために必要な測定値を導き出す。
ここで、低圧冷媒温度検出手段10の代わりに、絞り手段4の冷媒流出口から圧縮機1の吸入側に到る冷媒の流路のいずれかの位置に低圧圧力検出手段(図示せず)を設けるようにしてもよい。そして、蒸発器5に流入する低温低圧の冷媒の温度については、低圧圧力検出手段からの信号に基づいて、測定部20が冷媒の蒸発温度に換算することで推測するようにしてもよい。
また、壁面が凍結する温度を演算する際に用いる被冷却流体の流速Uwについて、例えば、流量計(図示せず)を設けることにより、流量計の検出に係る信号から直接測定値を導き出すようにするとよい。しかし、流量計を設けることができない場合は、冷却装置の最低周波数から求まる、冷却装置の運転使用上の被冷却流体の流速の下限値(固定値)を設定してもよい。さらに、冷媒回路および被冷却流体の運転状態量から推測するようにしてもよい。
演算部21は、測定部20の処理による測定値等に基づいて、例えば判定部23が判定を行うための数値演算を行う。記憶部22は、測定部20の測定値、演算部21による演算結果の値等をデータとして記憶する。判定部23は、演算部21の演算結果等に基づいて判定処理を行う。本実施の形態では、特に被冷却流体の凍結の有無または凍結の可能性について判定処理する。制御部24は冷却装置の制御を行う。本実施の形態においては、特に被冷却流体の凍結を防止するため、判定部23の判定結果に基づいて、圧縮機1、送風機3、絞り手段4およびポンプ6の制御処理を行う。また、凍結に至る場合等は、報知部25に警報を発報させる処理を行う。
ここで、本実施の形態の測定部20、演算部21、判定部23、制御部24は、例えばマイクロコンピュータ等のデータ処理手段で構成する。また、記憶部22は、例えば半導体メモリ等の記憶手段によって構成する。
(動作)
次に、本実施の形態における冷却装置の基本的な動作について図1を用いて説明する。圧縮機1、送風機3およびポンプ6を起動する。冷媒回路における冷媒は、圧縮機1に吸入され、圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、凝縮器2に送られて、送風機3によって供給される流体と熱交換を行って凝縮し、放熱して凝縮し、例えば高圧液体冷媒となる。
そして、この高圧液体冷媒は、絞り手段4によって減圧されて、低温低圧の気液二相冷媒となり蒸発器5に導かれる。そして、ポンプ6により供給される被冷却流体と熱交換を行って吸熱して蒸発し、低圧気体冷媒となって圧縮機1へ戻される。ここで、絞り手段4は、圧縮機1の吸入側における過熱度が所定値になるように蒸発器5を流れる冷媒の流量を制御しているため、蒸発器5から流出する気体の冷媒は、所定の過熱度を有する状態となる。
一方、ポンプ6により蒸発器5に送られ、冷却された被冷却流体は、配管を介して要求される冷熱負荷へ導かれる。ここで、蒸発器5内は冷熱負荷における要求に応じ、かつ被冷却流体が凍結しない範囲での流量の冷媒が流れるように制御部24にて圧縮機1の運転容量が制御される。
図2は定常時における被冷却流体の凍結現象を説明するための図である。図2において、横軸は被冷却流体流入温度θin[℃]、縦軸は蒸発器5の被冷却流体と冷媒との伝熱面の壁面温度θw[℃]である。そして、被冷却流体流入温度θin[℃]に対する被冷却流体が凍結する限界の壁面温度θw[℃](以下、凍結壁面温度θwf[℃]と称する)の関係を被冷却流体の流速Uw[m/s]毎にグラフ化し、凍結壁面温度曲線として表している。
ここで、凍結判定状態量となる凍結壁面温度θwfは、被冷却流体が凍結する限界の壁面温度θwであることから、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび凝固点である凍結温度θf[℃]に応じて変化することが知られている。凍結壁面温度θwfと被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび凍結温度θfの関係は、例えば、シミュレーションや実験等により求めることができる。
図2より、被冷却流体は、被冷却流体流入温度θinが低く、被冷却流体の流速Uwが低いほど凍結しやすいことがわかる。また、図2において、凍結壁面温度曲線より壁温度θwの低い領域は、被冷却流体が凍結することによって蒸発器5の流路が閉塞する閉塞領域であり、壁温度θwの高い領域は被冷却流体が凍結しない非閉塞領域となる。
図3は過渡時における被冷却流体の凍結現象を説明するための図である。図3において、横軸は冷却時間t[sec]、縦軸は壁面温度θw[℃]である。そして、被冷却流体流入温度θinまたは被冷却流体の流速Uwによって冷却開始から被冷却流体が凍結する凍結壁面温度θwfの関係をグラフ化し、凍結壁面温度曲線として表している。
ここで、凍結壁面温度θwfは、冷却時間t、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび凝固点である凍結温度θfに応じて変化することが知られている。凍結壁面温度θwfと冷却時間t、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび凝固点である凍結温度θfとの関係は、例えば、シミュレーションや実験等により求めることができる。
図3より、被冷却流体は、被冷却流体流入温度θinが低く、被冷却流体の流速Uwが低く、冷却時間tが長いほど凍結しやすいことがわかる。また、図3においても図2と同様に、凍結壁面温度曲線より壁温度θwの低い領域は閉塞領域であり、壁温度θwの高い領域は非閉塞領域となる。
図4は過渡から定常に至るまでの被冷却流体が凍結する凍結壁面温度θwfの関係を表す図である。図4については、図3と同様に横軸は冷却時間t[sec]、縦軸は壁面温度θw[℃]である。また、被冷却流体流入温度θinおよび被冷却流体の流速Uwの値を固定している。
図4において、過渡時凍結壁面温度θwft[℃]は冷却時間t、被冷却流体流入温度θinおよび被冷却流体の流速Uwより演算可能である。また、定常時凍結壁面温度θwfs[℃]は、被冷却流体流入温度θinおよび被冷却流体の流速Uwより算出可能である。このため、冷却装置の運転状態から時々刻々低圧冷媒温度検出手段10の検出に係る温度が、演算される凍結壁面温度θwfに対して、図4に示すように所定のマージンの値αθ[℃]以上になるように、冷却装置の各種アクチュエータを制御すれば被冷却流体の凍結を回避することが可能である。
(蒸発器内被冷却流体の流量不均一の推測)
図5は被冷却流体と蒸発器5内における流路との関係を説明するための図である。本実施の形態では、水熱交換器である蒸発器5に流入した被冷却流体は、蒸発器5内でn本の流路に分岐した後、各流路において冷却され、再度合流して蒸発器5から流出するものとする。
図6は各流路の流量バラツキを表す図である。図6のように、蒸発器5のような水熱交換器内における各流路に流れる被冷却流体の流量は均一ではない。そこで、蒸発器5の流入出側から見て奥側の流路ほど流量が比例して大きくなると仮定し、最も手前側の流路と最も奥側の流路において、平均水流量(Gw/n)に対して±ε%のバラツキがあるものとして考える。
本実施の形態における蒸発器5が例えば水熱交換器であった場合、水熱交換器全体での交換に係る熱交換量(熱収支)は(1)式で表すことができる。ここで、Cpは被冷却流体の定圧比熱[J/kg・K]である。また、Gwは被冷却流体の流量[kg/s]、ρは被冷却流体の密度[kg/m3 ]である。
Q=Gw×Cp×ρ×(θin−θout) …(1)
また、水熱交換器である蒸発器5内のk番目の流路での熱交換量は(2)式で表すことができる。ここで、θout(k)は、蒸発器内部被冷却流体温度[℃]とする。
Q(k)=Gw(k)×Cp×ρ×(θin−θout(k)) …(2)
ここで、k番目の流路における被冷却流体の流量Gw(k)は(3)式で表すことができる。ここで、式における平均水流量に対するバラツキ(平均水流量バラツキ)εはε[%]/100であるものとする。
Gw(k)=(1+(2ε/n−1)×(k−1)−ε)×Gw …(3)
各流路での熱交換量が等しいと仮定すると、各熱交換量の合計が、全体の熱交換量となるので(4)式が成り立つ。
Q=ΣQ(k)=n×Q(k) …(4)
(1)式〜(4)式より(5)式が成り立つ。
θin−θout=(1+(2ε/n−1)×(k−1)−ε)
×(θin−θout(k)) …(5)
(5)式を変形すると、(6)式のようになる。
θout(k)=(θin×((2ε/n−1)×(k−1)−ε)+θout)
/(1+(2ε/n−1)×(k−1)−ε) …(6)
(6)式において、流路数nは水熱交換器のスペック(プレート枚数)で決まる。したがって、図1に示す冷却装置において、被冷却流体流入温度検出手段11の検出に係る被冷却流体流入温度θinと、被冷却流体流出温度検出手段12の検出に係る被冷却流体流出温度θoutと、平均水流量バラツキεに基づいて、蒸発器内部被冷却流体温度θout(k)を(6)式から演算して温度分布(バラツキ)を推測することができる。また、同様にして、(2)式から蒸発器内部の被冷却流体流量Gw(k)にて流量分布(バラツキ)を推測することができるため、ここから被冷却流体流量Gw、つまりは被冷却流体の流速Uwを推測することも可能である。
図7および図8は平均水流量バラツキεと蒸発器5内の各流路の温度の関係を表す図である。図7は圧縮機1の運転容量を100%とした場合、図8は圧縮機1の運転容量を20%とした場合における例を表している。例えば図1のような冷却装置において、被冷却流体流入温度θinを固定の条件で、横軸に平均水流量バラツキε[%]、縦軸に温度[℃]をとったグラフである。図7、8中の点線は被冷却流体流出温度θoutを表し、蒸発器5の被冷却流体の流出口合流部分における被冷却流体の温度を示す。また、θout(1)は蒸発器5内部において流入出口に最も近い手前側の流路を流れる被冷却流体の温度、実線のθout(n)は蒸発器5内部において流入出口に最も遠い奥側の流路を流れる被冷却流体の温度を示している。
図7、図8から分かるように、θout(1)は被冷却流体流出温度θoutに対して、相対的に低い温度となり、平均水流量バラツキεが大きくなると低下していく傾向となる。それに対して、θout(n)は被冷却流体流出温度θoutに対して、相対的に高い温度となり、平均水流量バラツキεが大きくなると上昇していく傾向となる。この差は図6に示す平均水流量バラツキεによるものであり、流量が少ないところは蒸発器5内部で相対的に被冷却流体の温度が低くなり、流量が多いところは相対的に流体温度が高くなることを意味している。また、被冷却流体の温度は流入出口に最も近いθout(1)が最も低くなる。
また、図7と図8を比較すると分かるように、図7に示すような圧縮機1が運転容量100%の場合の被冷却流体温度の変化傾向に対して、図8に示すような圧縮機1が運転容量20%の場合の被冷却流体温度の変化傾向は相対的に小さくなる。例えば、図7および図8において、平均水流量バラツキεが30%の場合、被冷却流体流出温度θoutとθout(1)の差は、運転容量100%の場合が2.1℃、運転容量20%の場合は0.43℃となる。
従来の凍結判定方法では、凍結判定に用いる凍結壁面温度θwfの演算値は、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび凝固点である凍結温度θfから演算していた。このとき、蒸発器5内部における被冷却流体の流量、温度のバラツキを考慮せずに演算を行っていたため、演算に係る凍結壁面温度θwfと実際の温度との乖離があった。
そこで、本発明の実施形態では演算部21において平均水流量のバラツキεの概念を適用した演算を行い、前述したように、蒸発器5内部における被冷却流体の流速と温度のバラツキを定量化する。そして、蒸発器5内部における各流路のうち、流量や温度が最も低くなる流路の被冷却流体の温度を抽出し、被冷却流体流出温度検出手段12の検出に係る被冷却流体流出温度θoutとの差分について、凍結壁面温度θwfの演算値を補正する。また、その補正に係る凍結壁面温度θwfの値を記憶部22に記憶させる。そして、判定部23は、記憶部22に記憶された値に基づいて被冷却流体の「凍結の有無」または「凍結の可能性」があるか否かを判定する。
図9は凍結壁面温度θwfと補正前後における凍結判定閾値との関係を表す図である。蒸発器5内部における被冷却流体の温度が最も低くなる流路に合わせて補正することで、補正後の凍結判定閾値となる温度は、図9に示すように補正前に比べて上がる(凍結判定基準が厳しくなる)ことになる。
図10は、実施の形態1における冷却装置の凍結防止制御手順を示したフローチャートを表す図である。次に、本実施の形態の特徴である、凍結防止制御に係る各部の処理と機器(アクチュエータ等)の動作について説明する。
まず、冷却装置が運転されると、判定部23は圧縮機1が稼動しているかを判定する(ステップS10)。圧縮機1が稼動していると判定すると、例えば演算部21が計測間隔Δt毎に積算運転時間カウンタ値tをインクリメント(増加)する(ステップS11)。圧縮機1が稼動していないと判定すると、積算運転時間カウンタ値tを0にリセットする(ステップS12)。この積算運転時間カウンタ値tは圧縮機1稼働の経過時間を表すことになる。
圧縮機1が稼動している場合は、測定部20は、各検出手段からの信号に基づいて蒸発器5の壁面温度θw、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体流出温度θoutの測定値を得る処理を行う(ステップS13)。ここで、本実施の形態では、低圧冷媒温度検出手段10の検出に係る低圧冷媒温度Tinを壁面温度θwと仮定する。次に、被冷却流体の流速Uwの測定値を得るための処理を行う(ステップS14)。被冷却流体の流速Uwの測定値については、前述したように流量計等による検出、被冷却流体の流速の下限値に基づく設定等がある。
次に、被冷却流体の凝固点である凍結温度θf、被冷却流体流入温度θinおよび被冷却流体の流速Uwに基づいて、定常運転における蒸発器5の定常運転時閉塞壁面温度θwfsを算出する。また、凝固点である凍結温度θf、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体の流速Uwおよび積算運転時間カウンタ値tに基づいて冷却開始時点での過渡運転時の蒸発器5の過渡運転時閉塞壁面温度θwftを算出する(ステップS15)。
次に、演算部21は流路カウンタ値kを0にリセットした上で(ステップS16)、流路カウンタ値kの値を1増加させる(ステップS17)。そして、流路カウンタ値kに基づいて、蒸発器5内の流路kについて、被冷却流体流入温度θin、被冷却流体流出温度θout、平均水流量バラツキεに基づいて、蒸発器内部被冷却流体温度θout(k)、被冷却流体の速度Uw(k)を算出する(ステップS18)。流路カウンタ値kがn/2+1であると判定するまで続ける(ステップS19)。ここで、nは蒸発器5内の流路数である。また、演算量を減らすため、被冷却流体の流出温度が平均よりも低くなるn/2+1までの蒸発器内部被冷却流体温度θout(k)、被冷却流体の速度Uw(k)を算出するようにしている。
次に、ステップS15において算出した定常運転時閉塞壁面温度θwfsおよび過渡運転時閉塞壁面温度θwftについて、被冷却流体流出温度θoutと蒸発器内部被冷却流体温度θout(k)の最小値とから(7)式、(8)式に基づく補正を行う(ステップS19)。ここで、θwfs1は補正定常運転時閉塞壁面温度、θwft1は補正過渡運転時閉塞壁面温度である。補正定常運転時閉塞壁面温度θwfs1と補正過渡運転時閉塞壁面温度θwft1とを記憶部22に記憶させる。
θwfs1=θwfs+(θout−MIN(θout(k))) …(7)
θwft1=θwft+(θout−MIN(θout(k))) …(8)
次に判定部23が、補正定常運転時閉塞壁面温度θwfs1と補正過渡運転時閉塞壁面温度θwft1とを比較する(ステップS21)。補正過渡運転時閉塞壁面温度θwft1の方が補正定常運転時閉塞壁面温度θwfs1の方より低ければ、補正過渡運転時閉塞壁面温度θwft1を凍結閉塞壁面温度θwfとする(ステップS22)。逆に補正過渡運転時閉塞壁面温度θwft1の方が補正定常運転時閉塞壁面温度θwfs1の方より低くなければ、補正定常運転時閉塞壁面温度θwfs1を凍結閉塞壁面温度θwfとする(ステップS23)。
判定部23は、以上のようにして得られた凍結壁面温度θwfと壁面温度θw(低圧冷媒温度検出手段10の検出に係る低圧冷媒温度Tin)と比較する(ステップS24)。壁面温度θwが凍結壁面温度θwfと所定のマージン温度αθとの和より高いと判定すると、凍結による流路の閉塞は発生しないとして、ステップS1に戻って凍結防止制御に係る処理を続ける。壁面温度θwが凍結壁面温度θwfと所定のマージン温度αθとの和以下であると判定すると、制御部24は凍結を防止するための冷却装置における機器の制御を行う(ステップS25)。
ここで、凍結を防止するための機器の制御について説明する。ステップS25では、制御部25は、圧縮機1の現在の運転周波数Fに対して、ある一定の比率であるアンロード比率fdだけ圧縮機1の運転周波数を低下させる制御を行っている。このような制御を行うことで、圧縮機1の吸入側における低圧圧力が上昇し、蒸発器5へ流入する冷媒の温度が上昇して冷却能力が低下する。その結果、被冷却流体の凍結を防止することができる。また、低い冷媒の流入温度を維持できるため、冷却能力を最大限に利用できるので、効率の高い運転が実現できる。
以上のように、実施の形態1の冷却装置によれば、演算部21が被冷却流体の流量・温度バラツキを推測し、それに対して凍結判定に用いる凍結壁面温度θwfによる補正を追加して適用し、判定部23が凍結に係る判定を行うようにしたので、適切な凍結状態判定量を閾値として決定することができる。このため、凍結壁面温度θwfが実際よりも高く演算されることで、本来、被冷却流体が凍結する条件にも関わらず、適切に凍結防止手段が作動することもない。また、実際よりも低く演算されることで、被冷却流体が凍結しない条件にも関わらず、圧縮機1の運転容量を低下させてしまうこともない。このため、より高精度に水熱交換器の凍結を防止することが可能となる。
特に、被冷却流体の流量・温度バラツキにより、水熱交換器である蒸発器5内部において、部分的に流速が低く、凍結壁面温度θwfが高くなることがあるため、部分凍結の恐れがある。本実施の形態のように、バラツキを考慮して凍結判定に用いる凍結壁面温度θwfを補正することにより、蒸発器5内における部分凍結を回避することができる。
以上より、被冷却流体の凍結を防止するとともに、冷却装置の冷凍能力を最大限に利用可能であり、凍結に起因する蒸発器の熱交性能劣化を事前に検知し、確実に凍結による破壊を防止し機器の安全を図ることができる。
実施の形態2.
前述した実施の形態1では、圧縮機1の運転周波数を制御して被冷却流体の凍結を防止するようにしたが、これに限るものではない。例えば、送風機3が凝縮器2に供給する流体の量を低下させるようにしてもよい。送風量を低下させると、凝縮器2において、冷媒と流体との熱交換量が低下し、冷媒圧力の上昇とともに、圧縮機1の吐出冷媒圧力が上昇する。圧縮機1の吐出冷媒圧力が上昇すると、圧縮効率が低下し、冷媒循環量が低下し、冷却能力が低下するので、被冷却流体の凍結を防止することができる。
また、被冷却流体の凍結を防止する際に、絞り手段4の開口面積を段階的もしくは連続的に増加させてもよく、このようにすることで圧縮機1の吐出冷媒圧力と吸入圧力の差が小さくなり、低圧が上昇するため、蒸発器5の流入冷媒温度が上昇し、被冷却流体の凍結を防止することができる。
さらに、凍結を防止する際に、ポンプ6による被冷却流体の送出量を段階的もしくは連続的に増加させてもよく、このようにすることで蒸発器5内の被冷却流体の流速が増加するため、凍結する閉塞壁面温度θwfが増加し、被冷却流体の凍結を防止することができる。
ここで、実施の形態1において説明した、凍結防止制御の実行有無にかかわるマージン温度αθの値について、一定値である必要はない。例えば、冷却装置運転開始時(圧縮機1稼働開始時)からの経過時間に基づいて段階的にマージン温度αθの値を設定するようにしてもよい。そして、設定した値に応じて、制御部24の制御方法もしくは操作量等を変更してもよい。また、壁面温度θwと凍結壁面温度θwfとの温度差に応じて、制御方法もしくは操作量を変更するようにしてもよい。
さらに、壁面温度θwが凍結壁面温度θwfに対して所定の設定値以下に低下したと判定部23が判定したときに、制御部24は、報知部25により警報を出力する信号を出力し、圧縮機1を停止させる停止信号を出力してもよい。これにより、圧縮機1の容量を低下させる制御を行ったにもかかわらず被冷却流体が凍結するおそれが解消しない場合に、報知部25による警報を発し、圧縮機1を停止することにより安全を図ることができる。 この場合、制御部24は、圧縮機1の停止信号を解除する手段を備えていることが好ましい。これにより、例えば、冷媒回収運転等、圧縮機の停止させる必要がない運転を行っているときに、制御部24が凍結防止に係る制御の処理を行わないようにすることができる。
また、一度、凍結防止制御より圧縮機1を停止させた場合は、蒸発器5が凍結しやすい状態となっていることが想定される。そこで、再度圧縮機1を起動する際、前回の起動周波数(起動回転数)よりも低い周波数(回転数)で運転を開始すれば、すぐに停止してしまう可能性を低くすることができ、より安全な運転を行うことができる。
また、判定部23が蒸発器5の凍結に係る状態を判定する際に、実施の形態1では判定に係る閾値を1回でも超えた場合に、すぐに凍結防止に係る制御を行うようにしたが、例えば、検出手段(センサー)等の誤差を考慮して判定に猶予を設けるようにしてもよい。例えば、所定の時間内に所定の回数判定条件を満たした場合または制御部24によって制御が行われた回数から異常と判定するようにしてもよい。このようにすることで、一過性の状態変動を変別することができると同時に、徐々に悪化する異常に対しても迅速に対応することができる。更に、異常の兆候を判別することができ、予知精度の向上を図ることができる。
実施の形態3.
前述した実施の形態1においては、被冷却流体流出温度検出手段12の検出に基づいて被冷却流体流出温度θoutを測定値として得るようにしていた。例えば被冷却流体流出温度検出手段12を設けることができないような場合には、被冷却流体流入温度検出手段11の検出に係る被冷却流体流入温度θinと、あらかじめ仮定した所定の値となる平均水流量バラツキεとから被冷却流体流出温度θoutを推定するようにしてもよい。そして、凍結壁面温度θwfを補正推算して凍結判定に適用してもよい。
また、蒸発器内部被冷却流体温度θout(k)の分布(バラツキ)を推測するのではなく、例えば図5に示すように蒸発器内部に蒸発器内部被冷却流体温度検出手段13を複数設置するようにしてもよい。例えば、蒸発器内部被冷却流体温度検出手段13の検出に係る測定値に基づいて、蒸発器5内部の平均水流量バラツキεを定量化し、凍結壁面温度θwfを補正推算して凍結判定に適用してもよい。
また、蒸発器内部被冷却流体温度検出手段13の代わりに、蒸発器内部被冷却流体流量検出手段(図示せず)を用いて、その検出値から水熱交換器内部の平均水流量バラツキεを定量化し、凍結壁面温度θwfを補正推算して凍結判定に適用してもよい。
また、平均水流量バラツキεに基づいて、水熱交換器内部の各流路のうち、流量が最小となる流路の被冷却流体の流速Uwの最小値を抽出し、被冷却流体の流速Uwの計測値、もしくは推測値を補正して、凍結壁面温度θwfを演算するようにしてもよい。
また、蒸発器5の熱交換量Q[W]は(9)式のように表すこともできる。ここで、Kは蒸発器5の熱通過率[J/s・m2 ・K]、Aは蒸発器の伝熱面積[m2 ]、Tinは低圧冷媒温度(冷媒蒸発温度)[℃]である。
Q=A×K×((θin+θout)/2−Tin+273) …(9)
例えば図1に示す冷却装置において、被冷却流体流入温度θinは被冷却流体流入温度検出手段11にて検出され、被冷却流体流出温度θoutは被冷却流体流出温度検出手段12にて検出され、低圧冷媒温度Tinは低圧冷媒温度検出手段10にて検出される。よって、(7)式より熱交換量Qは伝熱面積Aと熱通過率Kとの積(以下、AK値と称す)から推測することができる。
図11は蒸発器5内における各流路の熱交換量とAK値との関係を説明するための図である。蒸発器5のk番目における流路での熱交換量を(10)式で表すことができる。ここで、AK(k)はk番目の流路におけるAK値である。
Q(k)=AK(k)×((θin+θout)/2−Tin+273)…(10)
(2)式が示すように、水熱交換器である蒸発器5内の流量・温度のバラツキが生じると熱交換量にもバラツキが生じることになる。そこで、図11に示すように各流路における熱交換量Q(k)のバラツキを、AK(k)を用いて(10)式より推算することによって平均水流量バラツキεを推測し、定量化することができる。これにより、流量・温度バラツキは蒸発器5(水熱交換器)の熱交換性能(熱交換量、AK値)から推測できる。
このように、平均水流量バラツキεの推測方法として、本実施の形態における蒸発器(水熱交換器)の熱交換性能(熱交換量、AK値)から推算してもよい。実施の形態1においては、前述のバラツキ推測方法では、蒸発器5における各流路の熱交換量が等しいと仮定した上で平均水流量バラツキεを規定したが、本実施の形態の推測方法では、前提を与えない場合でもバラツキを定量化することが可能となる。
実施の形態4.
図1の測定部20、演算部21、記憶部22、判定部23、制御部24、報知部25は、例えばこれら全部あるいはこれらのうち一部が冷却装置の外部に設置されていても構わないし、これらのうち一部あるいは全部を具備していない構成であっても、何らかの代替手段、例えば遠隔地点の遠隔監視室にて通信手段で接続されたコンピュータが設置されている場合など、があれば構わない。
また、遠隔監視室は冷却装置の複数の設備を監視するものであっても、個別の設備を監視するものであってもよい。また、戸建ての建築物の監視用コンピュータもしくは監視装置に接続されていてもよい。
本発明を利用すれば、被冷却流体を冷却する冷却装置において、被冷却流体の凍結を防止するとともに、冷却装置の冷凍能力を最大限に利用可能である。そして、凍結に起因する蒸発器の熱交性能劣化を事前に検知し、確実に凍結による破壊を防止し、機器の安全を図ることができる。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 送風機、4 絞り手段、5 蒸発器、6 ポンプ、10 低圧冷媒温度検出手段、11 被冷却流体流入温度検出手段、12 被冷却流体流出温度検出手段、13 蒸発器内部被冷却流体温度検出手段、20 測定部、21 演算部、22 記憶部、23 判定部、24 制御部、25 報知部。

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧させる絞り手段と、
    該絞り手段によって減圧された冷媒を熱交換により蒸発させて被冷却流体を冷却する蒸発器とを配管接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を構成し、
    前記蒸発器において前記冷媒の蒸発温度である低圧冷媒温度を検出するための低圧冷媒温度検出手段と、
    前記蒸発器に流入する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流入温度を検出するための被冷却流体流入温度検出手段と、
    前記蒸発器から流出する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流出温度を検出するための被冷却流体流出温度検出手段と、
    前記被冷却流体流入温度と、前記被冷却流体流出温度とに基づいて、前記蒸発器内部における前記被冷却流体の状態量の分布を推測し、前記状態量の分布に基づいて、前記蒸発器全体に対して算出した凍結状況判定の閾値となる凍結判定状態量を補正する演算部と、
    前記低圧冷媒温度と該演算部の補正に係る凍結判定状態量に基づいて凍結に係る状況を判定する判定部と、
    該判定部による判定結果に基づいて、前記被冷却流体の凍結を防止するための処理を行う制御部と
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧させる絞り手段と、
    該絞り手段によって減圧された冷媒を熱交換により蒸発させて被冷却流体を冷却する蒸発器とを配管接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を構成し、
    前記蒸発器において前記冷媒の蒸発温度である低圧冷媒温度を検出するための低圧冷媒温度検出手段と、
    前記蒸発器に流入する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流入温度を検出するための被冷却流体流入温度検出手段と、
    前記蒸発器内部における複数の流路をそれぞれ流れる前記被冷却流体の温度を検出するための蒸発器内部被冷却流体温度検出手段と、
    該蒸発器内部被冷却流体温度検出手段、前記被冷却流体流入温度検出手段及び前記低圧冷媒温度検出手段のそれぞれの検出に係る温度に基づいて、前記蒸発器内部の各流路における熱交換量を算出し、該熱交換量により導き出した前記蒸発器内部の各流路における前記被冷却流体の温度分布に基づいて、前記蒸発器全体に対して算出した凍結状況判定の閾値となる凍結判定状態量を補正する演算部と、
    前記低圧冷媒温度と該演算部の補正に係る凍結判定状態量とに基づいて凍結に係る状況を判定する判定部と、
    該判定部による判定結果に基づいて、前記被冷却流体の凍結を防止するための処理を行う制御部と
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  3. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧させる絞り手段と、
    該絞り手段によって減圧された冷媒を熱交換により蒸発させて被冷却流体を冷却する蒸発器とを配管接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を構成し、
    前記蒸発器において前記冷媒の蒸発温度である低圧冷媒温度を検出するための低圧冷媒温度検出手段と、
    前記蒸発器に流入する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流入温度を検出するための被冷却流体流入温度検出手段と、
    前記蒸発器内部における複数の流路をそれぞれ流れる前記被冷却流体の温度を検出するための蒸発器内部被冷却流体温度検出手段と、
    該蒸発器内部被冷却流体温度検出手段、前記被冷却流体流入温度検出手段及び前記低圧冷媒温度検出手段のそれぞれの検出に係る温度に基づいて、前記蒸発器内部の各流路における熱交換量を算出し、該熱交換量により導き出した前記蒸発器内部の各流路における前記被冷却流体の流量分布に基づいて、前記蒸発器全体に対して算出した凍結状況判定の閾値となる凍結判定状態量を補正する演算部と、
    前記低圧冷媒温度と該演算部の補正に係る凍結判定状態量とに基づいて凍結に係る状況を判定する判定部と、
    該判定部による判定結果に基づいて、前記被冷却流体の凍結を防止するための処理を行う制御部と
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧させる絞り手段と、
    該絞り手段によって減圧された冷媒を熱交換により蒸発させて被冷却流体を冷却する蒸発器とを配管接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を構成し、
    前記蒸発器において前記冷媒の蒸発温度である低圧冷媒温度を検出するための低圧冷媒温度検出手段と、
    前記蒸発器に流入する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流入温度を検出するための被冷却流体流入温度検出手段と、
    前記蒸発器から流出する前記被冷却流体の温度である被冷却流体流出温度を検出するための被冷却流体流出温度検出手段と、
    前記蒸発器の熱交換性能、低圧冷媒温度、被冷却流体流入温度および被冷却流体流出温度に基づいて、前記蒸発器内部における前記被冷却流体の状態量の分布を推測し、前記状態量の分布に基づいて、前記蒸発器全体に対して算出した凍結状況判定の閾値となる凍結判定状態量を補正する演算部と、
    前記低圧冷媒温度と該演算部の補正に係る凍結判定状態量とに基づいて凍結に係る状況を判定する判定部と、
    該判定部による判定結果に基づいて、前記被冷却流体の凍結を防止するための処理を行う制御部と
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  5. 前記蒸発器における前記被冷却流体の冷却開始からの経過時間である冷却運転時間を計測する冷却運転時間計測手段をさらに備え、
    前記判定部は、前記冷却運転時間に伴って変化する前記凍結判定状態量とに基づいて、前記被冷却流体の凍結の状況を判定することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
  6. 前記低圧冷媒温度が前記被冷却流体の凝固点または融点よりも低い状態でありながら、前記判定部が凍結しないものと判定すると、前記制御部は、前記圧縮機の運転を継続させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
  7. 前記制御部は、
    前記圧縮機の回転数を連続的にまたは段階的に低下させる制御、流体を前記凝縮器に送り込む流体送出手段の流体送出量を連続的にまたは段階的に低下する制御、前記絞り手段の開口面積を連続的にまたは段階的に増加させる制御、前記被冷却流体の流体送出量を連続的にまたは段階的に増加させる制御、のいずれか少なくとも1つ以上の制御に係る処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
  8. 前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記圧縮機の運転を停止させる運転停止指令を前記圧縮機に発することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
  9. 前記制御は、前記運転停止指令を発した後に再起動する際、前記圧縮機の起動回転数を前記運転停止指令が発せられる前の起動回転数よりも低い回転数にすることを特徴とする請求項記載の冷却装置。
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