JP5408946B2 - ミシン - Google Patents
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Description
糸切りカム102はいわゆる溝カムであり、その外周面にコロ103が係合可能なカム溝102aが形成されている。かかる糸切りカム102は、ミシンモータにより主軸と同期回転を行う下軸に固定支持されており、動メスと縫い針との干渉を防止できるように縫い針の上下動と糸切り装置100との同期を図ることが可能となっている。
コロ腕104は、メス駆動腕101に支持軸104bより揺動可能に支持されており、当該揺動によりその揺動端部に設けられたコロ103が糸切りカム102に対して接離移動し、カム溝102aに対する係合可能な係合位置と係合不能な退避位置とを切り換えることを可能としている。また、コロ腕104はメス駆動腕101に支持されていることから、コロ103がカム溝102aに係合すると、カム溝102aの形状に従ってコロ腕104と共にメス駆動腕101が回動動作を行うようになっている。また、上述のように動メスと縫い針との干渉を防止するため、カム溝102aの形状は、縫い針が動メスの回動経路よりも上昇してから動メスが往復回動するように形成されている。そして、リンク部材109を介して動メスに往復回動動作が付与されて縫い糸の切断が行われる。また、このコロ腕104は、復帰バネとしてのねじりコイルバネ111により、通常はコロ103がカム溝102aに対して係合しない退避位置となる揺動方向に付勢されている。そして、コロ腕104の基端部側には、ねじりコイルバネ111に抗してコロ103を係合位置まで移動させるための押圧力が入力される押圧部104aが設けられている。
このクラッチ部材105は、支軸112に復帰バネとしてのねじりコイルバネ113が設けられ、入力部105aをコロ腕104の押圧部104aから離間させる時計方向に付勢している。糸切りソレノイド106は、かかるねじりコイルバネ113の弾性力に抗して入力部105aがコロ腕104の押圧部104aを押圧する方向にクラッチ部材105を回動させる。
また、メス駆動腕101は、コロ103が待避位置にある場合に動メスの往動を阻止できるようにコロ腕104が後述するストッパ107の凹状部107aに嵌合することで動メスの回動動作を禁止する定位置保持状態にあり、クラッチ部材105がコロ腕104を回動させることでストッパ107に対するコロ腕104の嵌合状態を解除することができる。つまり、クラッチ部材105は、コロ103の退避位置から係合位置への切り換え動作の付与と、メス駆動腕101の定位置保持状態の解除とを行う機能を有している。なお、このようにコロ103が待避位置にある場合に動メスの往動を阻止するのは、上述の特許文献1に記載があるように、動メスによる縫い糸の切断が不十分であった場合に、作業者が布を取り出すと未切断の糸に引かれて動メスが針落ち位置まで引き出されてしまうのを防止するためである。
ストッパ107は、ミシンフレーム内に固定支持されており、メス駆動腕101の回動を規制する凹状部107aと凹状部107aに隣接する当接端部107bとを備えている。かかるストッパ107の凹状部107aは、コロ腕104が糸切りカム102から離間する方向に凹むように略コ字状に形成されており、コロ腕104の揺動端部が嵌合可能な幅に設定されている。そして、図8に示すように、凹状部107aにコロ腕104が嵌合していると、動メスによる縫い糸の切断が不十分であった場合に、作業者の布の取り出しによる動メスの引出しが行われようとしても、コロ腕104の側縁部がストッパ107の凹状部107aにおける側縁部107c(図9に示す)に当接してメス駆動腕107の図6及び図7における反時計方向へ回動が規制された状態となる。
上記規制状態において、コロ腕104のコロ103は糸切りカム102から離間した状態にあり、カム溝102aに対して非係合状態にある。かかる状態において、図9に示すように、ねじりコイルバネ111に抗してコロ腕104を糸切りカム102側に揺動させると、コロ103がカム溝102内に嵌合して係合状態となると共に、コロ腕104の揺動端部は凹状部107aから脱してメス駆動腕101の回動規制状態が解除される。この状態で下軸114が回転してコロ103がカム溝102aに沿って図9の矢印S方向に摺動しメス駆動腕101がコイルバネ110の付勢力に抗して反時計方向に回動すると、その回動力がリンク部材109を介して動メスに伝達され動メスにより糸さばきが行われる。この状態からさらに下軸114が回転してコロ103がカム溝102aに沿って図9の矢印R方向に移動してメス駆動腕101を時計方向に回動させると、その回動力がリンク部材9を介して動メスに伝達され動メスによる縫い糸の切断が行われるとともに、コロ腕104が凹状部107aに嵌合し、メス駆動腕101の回動が規制された状態に戻すことができる。
上記上位置センサは縫い針が針板よりも上方に位置するときの所定の主軸角度(針棒の上死点を0°とした場合の35°)でON信号を出力し、下位置センサは縫い針が針板よりも下方に位置するときの所定の主軸角度(210°)でON信号を出力する。さらに、ミシンの主軸には、ミシンの回転速度を検出してそれぞれ位相の90°異なるA相信号とB相信号とからなる速度信号を出力する速度検出センサが設けられているとともに、ミシンの操作ペダルには、オペレータによるペダル操作を検出するためのペダルセンサが設けられている。そして、従来のミシンは、これらのセンサ出力に基づいて糸切り装置100の動作制御及びミシンモータの停止制御を行う不図示の制御装置が設けられている。
そして、ミシンの操作ペダルの踏み返し操作によりペダルセンサから糸切り指令信号が制御装置に入力され、速度検出センサによりミシンの回転速度が糸切り動作が可能な低速になったことが検出されるとともに、下位置センサにより、主軸角度210°の時点で縫製の最終針における下位置が検出されると、糸切りソレノイド106が作動してクラッチ部材105を反時計方向に回動させる(図7)。これにより入力部105aがコロ腕104の押圧部104aを押圧し、コロ腕104をねじりコイルバネ111に抗して揺動させる。これにより、コロ腕104がストッパ107の凹状部107aの外部に移動し、メス駆動腕101は凹状部107aによる回動規制状態が解除されると共に、コロ103が前進してカム溝102aに対して係合状態となる(図9)。
さらにミシンモータは低速で糸切りカム102の回転を行い、およそ主軸角度340°の時点でカム溝102aに沿ってコロ103が図9の矢印R方向に移動を開始する。これにより、カム溝102に対応してメス駆動腕101も回動動作を行うこととなる。その結果、動メスには後退方向の回動動作が付与され、縫い糸が切断される。
そして、主軸が35°の位置まで回転すると上位置センサがON信号を出力し、これに基づいて糸切りソレノイド106の駆動がオフされるとともにミシンモータの停止制御が行われる。なお、ミシンモータはDCブラシレスモータからなるサーボモータであり、停止制御の際には逆回転方向にトルクを出力させて制動をかける制御が行われる。そして、ミシンモータは停止制御により、だいたい主軸角度50°の位置で停止する。
一方、糸切りカム102のカム溝102aの終端(主軸角度で40°の位置)は、コロ腕104がストッパ107の凹状部107aに嵌合可能な位置まで戻すように形成されており、主軸が40°を通過する際に、コロ腕104がねじりコイルバネ111によりストッパ107の凹状部107aに嵌合し、コロ103がカム溝102aから抜けて非係合状態となる。
これにより、ミシンモータの停止制御及び糸切り制御が完了する。
そして、糸切り装置100による糸切断後は、縫製が終了した布を取り出し易くするため、及び布への余分な針落ち穴の形成を防ぐために、上位置センサによる上位置検出直後の主軸角度約50°の位置に停止するように、速やかに主軸を停止させる必要がある。このため、サーボモータを用いたミシンモータの停止制御の際には、前述したように上位置検出後逆転トルクが発生するように制御して制動を行っていた。
しかしながら、例えば、動メスが縫い糸を挟み込む、或いは釜に糸が絡む等、不慮の原因により縫糸の切断時のミシンモータのトルクの負荷が大きくなると、ミシンモータの惰性回転によるトルクと停止制御による逆転トルクとのバランスが崩れ、逆転制動によってミシンモータが実際に逆回転を行ってしまう場合があった。
一方、従来のミシンの糸切り装置100には、コロ103が待避位置にある場合に動メスの往動を阻止するためのストッパ107が設けられている。上述したように、このストッパ107には、メス駆動腕101の側縁部を当接させて動メスの回動動作を禁止する側縁部107c(図9に示す)が形成されている。この側縁部107cを形成するために、ストッパ107には、必然的に、当接端部107bが形成されている。そして、この当接端部107bは、コロ腕104がストッパ107の凹状部107aの外部に移動した後も、主軸角度300°〜10°の所定の角度範囲T(図10参照)において、コロ腕104の下方に位置しており、また、当接端部107bの高さは、糸切りソレノイド106がオフされてコロ腕104の押圧部104aに対するクラッチ部材105の入力部105aの押圧が解除されてもコロ103をカム溝102a内に維持し得る高さに形成されており、コロ103をカム溝102aに対する係合位置に保持するようになっている。
そのため、糸切り時にミシンモータに上述した逆回転が発生すると次のような不具合が発生することがあった。
すなわち、例えば、かかる逆回転が、糸切りソレノイド106がオフになった直後、換言すれば、上位置センサによる上位置検出直後に発生して、主軸角度が上述した所定の角度範囲T内となるまでミシンモータが逆回転した後に停止してしまうと、糸切りソレノイド106のオフによりコロ腕104がストッパ107の凹状部107a内に戻るよりも早く、糸切りカム102が逆転して、再度、コロ腕104が当接端部107bの下方に移動して、コロ腕104と当接端部107bとの当接によりコロ103とカム溝102aとの係合状態が維持されたままとなってしまう。さらに、カム102が設けられている下軸は主軸の二倍速で回転を行なっているため、図10に示すようにコロ腕104が当接端部107bとの当接状態から解除される期間はおよそ110°程度しかなく、次の縫製時に、通常の縫製速度でミシンモータの駆動が開始されてしまうと、コロ腕104はストッパ107の凹状部107aに戻ることが困難となり、メス駆動腕101や動メスが激しく往復回動を行うこととなり、ミシンモータに対する過剰なトルク負荷で緊急停止となったり、糸切り装置100が破壊されてしまったり、ミシンの針と動メスが干渉して針折れが発生するというという問題があった。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記従節体が前記糸切りカムとの係合を終える主軸角度の通過を検出する糸切り完了位置センサと、前記エラー報知後のミシンモータの最初の駆動時に、前記糸切り完了位置センサによる検出が行われるまで縫製時よりも低速度でミシンモータの駆動を行わせる低速制御手段とを備えることを特徴とする。
図1はミシン10の構成を示すブロック図である。図示のように、ミシン10は、ミシンフレーム内に平行に配置されたミシン主軸としての上軸(図示略)及び下軸114を回転させるミシンモータ11と、ミシンフレームのベッド部内に配置された糸切り装置100と、上軸により縫い針の上下動を行う上下動機構(図示せず)と、下軸114により回転動作を行う釜機構(図示せず)と、上軸に設けられ上位置の検出を行う上位置センサ12と、上軸に設けられ上位置の検出を行う下位置センサ13と、後述するミシンの各種の制御において必要となる設定入力を行うための操作パネル14と、エラー発生時にオペレータに報知を行う報知手段としての表示器15と、ミシンモータ11の回転速度及び回転方向を検出するエンコーダ16と、オペレータによる不図示の操作ペダルの前踏み操作、踏み込み操作、踏み返し操作に基づいて、回転指令信号、速度指令信号、糸切り指令信号をそれぞれ出力するペダルセンサ17と、ミシン10の各種制御を行う制御装置20とを備えている。
なお、各センサ12,13及び操作パネル14は図示しないインターフェイスを介して制御装置20に接続されており、ミシンモータ11はミシンモータ駆動回路31、糸切りソレノイド106はアクチュエータ駆動回路32,表示器15は表示駆動回路33を介して制御装置20に接続されている。
また、上述した針上下動機構及び釜機構は周知のものと同様であるため、その詳細説明は省略する。
また、下位置センサ13は上軸角度210°でON信号を出力し、250°まで出力し続けるようになっている。かかる下位置センサ13は、糸切りソレノイド106を作動させるタイミングを決定するためのミシンの主軸角度を検出するセンサであり、OFF状態からON信号が検出された瞬間がトリガーとなる。
ミシンモータ11のエンコーダ16は、ミシンモータ11の出力軸に連結され、ミシンモータ11の角度変化に応じてミシンの回転速度を検出してそれぞれ90°(1/4周期)位相の異なるA相信号とB相信号とからなるパルス信号を出力し、CPU21は、当該パルス信号をカウントすることにより主軸角度及び回転速度を検出することができるとともに、A相信号とB相信号との位相差を判別することにより、ミシンの回転方向を検出することができる。
まず、縫製開始のための操作ペダルの前踏み操作が行われると、ペダスセンサ17は制御装置20に対して回転指令信号を出力する。一方、制御装置20のCPU21は、回転指令信号を検出すると(ステップS1)、ミシンモータ駆動回路31を通じてミシンモータ11を起動すると共に、操作ペダルの踏み込み量に基づいて決定される速度指令信号に従って回転駆動を行うようにミシンモータの速度制御を実行する(ステップS2)。また、操作ペダルの中立操作が行われるとペダルセンサ17は制御装置20に対して出力していた回転指令信号の出力を停止し、CPU21は、回転指令信号の出力停止を検出すると(ステップS1)、ミシンモータ11を停止させる(ステップS3)。
一方、停止制御の場合には、予め減速の速度変化パターンがEEPROM24内に登録されており、かかる速度パターンとエンコーダ16の検出速度との偏差に基づいてミシンモータ11を減速し所定の上位置角度(主軸角度50°)を中心とする所定角度範囲内(例えば、50°±5°)で停止させる点が縫製時の制御と異なっている。一般的に、厳密な停止角度が要求されるモータの停止制御においては、モータの速度の低下にともなって停止位置に偏差が生じようとした場合には、実際にモータに逆転をさせてでも目的の停止位置に停止させる位置制御優先の逆転制動を行っている。しかしながら、このような逆転制動を、それほど厳密な停止角度が要求されないミシンの糸切り後の上位置停止に適用すると、ミシンモータ11を逆転させずに停止させた場合と比較して逆転のために(例え、数msecといえども)余分な時間を浪費して、効率的な縫製が実現できなくなる。従って、ミシンの糸切り時の停止制御においては、速やかな停止が実現するように、速度制御のみで所定の上位置角度範囲に停止させる制御が行われる。即ち、糸切りの実行時に糸挟みや糸絡みなどのトルク負荷が増大するような事態が生じない通常の負荷状態であれば、ミシンモータ11の速度は減速速度パターンよりも速くなり、その偏差はある程度大きくなるので、このような偏差を見越して速やかに減速できるような数値に速度フィードバックゲインは設定されている。そして、かかる速度フィードバックゲインに従って、逆回転方向にトルク出力が行われるように制御が行われ、これがブレーキとなってミシンモータ11は速やかに予定された上軸角度で停止させることができる。
従って、CPU21は、エラー検出手段として、糸切り後の停止制御の開始後はミシンモータ11の逆転が発生して上位置センサ12によって検出される主軸角度(35°)より手前までミシンモータ11が逆回転をしていないかを検出する。また、CPU21は、エラー報知手段として機能して、エラーが検出時にはエラー報知を実行するよう表示器15を制御する。
図3は、上位置センサ12の出力がON状態からOFF状態になった時にエンコーダ16から出力されるA相信号とB相信号の関係を示したもので、上軸角度が80°を超えて上位置センサ12の出力がOFF状態になった場合は、エンコーダ16から正転状態の信号が出力され、上軸角度が35°を越えて上位置センサ12の出力がOFF状態になった場合は、エンコーダ16から逆転状態の信号が出力されるので、CPU21は、この時のA相信号とB相信号の関係を判別することでミシン主軸の逆回転を検出することができる。なお、エンコーダをミシン主軸に設けて、CPU21によりミシン主軸の逆回転を検出するようにしても良い。
また、ステップS9において、上位置センサ12のON状態からOFF状態の切り替わりが検出されたときには(図10:二点鎖線参照)、この瞬間におけるエンコーダ16のA相及びB相の各パルス信号の位相を比較してミシンモータ11が逆転しているか否かを判定する(ステップS11)。そして、ミシンモータ11が逆転していると判定した場合には、CPU21は表示器15を制御してエラー報知の表示を行う(ステップS12)。そして、この場合も、エンコーダ16の出力からミシンモータ11が停止状態か判定し(ステップS13)、停止しているときにはステップS1に処理を戻して次の縫製の開始待ちとなる。
また、CPU21は、ステップS7〜S8に示すように、上位置センサのON状態の検出に基づいてミシンモータの停止制御を行うことで「停止制御手段」として機能する。
また、CPU21は、ステップS9,S11に示すように、停止制御が開始されてから、上位置センサのONからOFFの切り替え時にミシンモータの逆回転の検出を行うと表示器15によりエラー報知を実行する制御を行うことで、報知制御手段として機能する。
なお、上記制御を行う場合には、点検後に禁止状態を解除するための解除ボタンを設けても良い。
ここで糸切り完了位置センサは、コロ103が糸切りカム102との係合を終える主軸角度の通過が検出可能であれば良く、例えば、上位置センサ12を糸切り完了位置センサとして用いて、そのON状態からOFF状態への切り替わり(80°)まで低速駆動を行わせても良い。
また、上記制御では、ミシンモータ11の回転速度は、縫製時のミシンモータ速度よりも低速であることが望ましく、例えば、操作パネル14で設定された糸切り時のミシンモータ速度(糸切りの実行に適した速度)と同じ速度とすることが望ましい。
かかる制御により、糸切り装置100のコロ103が糸切りカム102に対する係合状態が解除されていない場合であっても、糸切り装置100が破壊されない安全な速度でミシンモータ11が回転を行い、コロ103を糸切りカム102との係合状態を解除させることができ、カム係合状態でのミシンモータの駆動開始による過剰なトルク負荷の発生や糸切り装置の破壊をさらに効果的に防止することが可能となる。
12 上位置センサ(逆回転検出手段、糸切り完了位置センサ)
13 下位置センサ
21 CPU(糸切り制御手段、停止制御手段、報知制御手段、駆動禁止制御手段、低速制御手段)
100 糸切り装置
101 メス駆動腕
102 糸切りカム
103 コロ(従節体)
105 クラッチ部材
106 糸切りソレノイド(アクチュエータ)
107 ストッパ
111 ねじりコイルバネ(復帰バネ)
Claims (3)
- 往復の回動動作により縫い糸の切断を行う動メスと、
ミシン主軸を駆動するミシンモータにより回転駆動が行われる糸切りカムと、
回動動作を行うことで前記動メスに切断動作を付与するメス駆動腕と、
前記メス駆動腕上で、前記糸切りカムに対して係合する係合位置と係合しない退避位置との間を移動可能に支持された従節体と、
前記メス駆動腕を前記動メスの回動動作を禁止する定位置に保持すると共に、当該定位置保持状態が解除されると前記従節体を前記係合位置に保持するストッパと、
前記ストッパによるメス駆動腕の定位置保持状態を解除するクラッチ部材と、
前記クラッチ部材の定位置保持状態解除動作を付与するアクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動タイミングを定める前記ミシンの主軸角度を検出する下位置センサと、
前記動メスによる縫い糸の切断後における前記ミシンモータの停止制御の開始タイミングを定める前記ミシンの主軸角度を検出する上位置センサと、
前記下位置センサの検出に基づいて前記アクチュエータを駆動させる糸切り制御手段と、
前記上位置センサの検出に基づいて前記ミシンモータの停止制御を行う停止制御手段とを備えるミシンにおいて、
前記ミシンモータ又は前記ミシン主軸の逆回転を検出する逆回転検出手段と、
前記ミシンモータの停止制御が開始された後に、前記逆回転検出手段及び前記上位置センサにより、前記上位置センサにより検出される主軸角度より手前まで前記ミシンモータ又は前記ミシン主軸が逆回転されたことを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段による検出がなされたときにはエラー報知を行う報知制御手段とを備えることを特徴とするミシン。 - 前記エラー報知後のミシンモータの駆動を禁止する駆動禁止制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のミシン。
- 前記従節体が前記糸切りカムとの係合を終える主軸角度の通過を検出する糸切り完了位置センサと、
前記エラー報知後のミシンモータの最初の駆動時に、前記糸切り完了位置センサによる検出が行われるまで縫製時によりも低速度でミシンモータの駆動を行わせる低速制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のミシン。
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