JP5408789B2 - フロートガラス研磨システム - Google Patents

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Description

本発明は、フロートガラス研磨システム及びその方法に関し、より詳しくは、液晶ディスプレイに使用されるフロートガラスの一面を研磨するためのフロートガラス研磨システム及びその方法に関する。
本出願は、2009年3月6日出願の韓国特許出願第10−2009−0019292号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
一般に、液晶ディスプレイに適用されるフロートガラス(ガラス基板)は、画像を正確に具現するためにその平坦度を一定レベルに維持することが非常に重要である。したがって、フロートチャンバー(float chamber)で成形されたフロートガラスの表面に存在する微細な凹凸またはうねりは研磨工程を経て除去される。
このようなフロートガラスの研磨工程は、個々のフロートガラスを1つずつ研磨する、いわゆる、オスカー方式(Oscar method)と、一連のフロートガラスを連続的に研磨する、いわゆる、インライン方式(In−line method)とに分けられる。さらに、フロートガラスの片面のみを研磨する「片面研磨」と、フロートガラスの両面を全て研磨する「両面研磨」とに分けられる。
従来技術によるフロートガラス研磨装置は、研磨パッドが設けられた研磨プレート(上定盤)を水平方向に移動させ、フロートガラスが位置した研磨ステージ(下定盤)を回転させながら、研磨プレート上に自然落下によって供給される研磨スラリーを用いてフロートガラスを研磨する。
しかし、従来の研磨方式によれば、フロートガラスと研磨プレートとの間には一定の圧力が形成されるので、研磨プレートに形成された溝を通じて研磨スラリーが十分染み込むことができず、研磨スラリーを安定的且つ均一に供給することが困難であった。さらに、従来の研磨装置では研磨スラリーの供給過程で研磨スラリーが研磨プレートの外側に無駄に流れ、フロートガラスを均一に研磨し難くする問題点があった。
一方、従来技術によるフロートガラス研磨装置は、上定盤、すなわち、研磨プレート自体の荷重によってフロートガラスに力を加える方式である。そのため、円盤型の研磨プレートの全体面積に亘って均一な力をフロートガラスに加えることができないので、最終的に研磨された直方形状のフロートガラスの平坦度がフロートガラスのそれぞれの部位毎に均一でなく、頻繁に不良が生じるという問題点があった。特に、液晶ディスプレイの大型化と共に研磨プレートも大型化(例えば、直径約1000mm)するにつれて、このような問題はさらに深刻になる。換言すると、従来技術によれば、フロートガラスに接触する研磨プレートの全部位が実質的に同じ力でフロートガラスを加圧することができず、研磨プレートが設けられるスピンドルから遠くなるほどフロートガラスに加えられる力が減少し、均一に研磨できなくなる問題点があった。
また、従来の研磨装置によれば、研磨プレートが大型化するほど、それに付着された研磨パッドのメンテナンスまたは交換作業が困難になり、より多くの装備を必要とし長時間がかかるという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、次のような目的を持つ。
第一、本発明は上部ユニットを固定プラッターと、固定プラッターに対して移動または流動可能な研磨プラッター(ミドルプラッター及び分離プラッター)とに分け、固定プラッターと研磨プラッターとの間に複数のエアスプリングなどのような加圧部材を設け、研磨作業中に上部ユニットの多くの部位でフロートガラスを均一に加圧すると共に、研磨工程で発生する震動をエアスプリングで吸収することで、フロートガラスの平坦度を向上させることができるフロートガラス研磨システム及びその方法を提供することを目的とする。
第二、本発明は研磨パッドが設けられる上部ユニット(固定プラッター、ミドルプラッター、及び分離プラッター)を貫通する複数の研磨スラリー供給経路を通じて研磨スラリーをフロートガラスの表面に直接供給することで、研磨スラリー供給作業の効率性を向上できるフロートガラス研磨システム及びその方法を提供することを他の目的とする。
第三、本発明は研磨パッドが設けられた分離プラッターを吸着方式でミドルプラッターに対して固定することで、研磨パッドのメンテナンス及び交換作業が容易にできるフロートガラス研磨システム及びその方法を提供することをさらに他の目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システムは、位置が固定された加工対象であるフロートガラスを回転させる下部ユニット、前記フロートガラスに接触して前記フロートガラスの回転に伴って被動回転される上部ユニット、及び前記上部ユニットを水平または垂直方向に移動させるための移動ユニットを備えるフロートガラス研磨システムであって、前記上部ユニットは、前記移動ユニットのスピンドルに固定された固定プラッターと、前記固定プラッターに対して可動に設けられた研磨プラッターと、前記フロートガラスに加えられる前記研磨プラッターの圧力を均一に保つため、前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に介在された加圧部材と、を備える。
望ましくは、前記加圧部材は前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に設けられた複数のエアスプリングを備える。
望ましくは、前記エアスプリングは前記スピンドルを中心に円形に配置された少なくとも1つ以上のエアスプリンググループを含む。
望ましくは、それぞれの前記エアスプリングは前記固定プラッターを貫通して供給される空気が流入される空気入口を持つベローズ(bellows)を含む。
望ましくは、同じエアスプリンググループを形成するそれぞれのエアスプリングは同一圧力で維持される。
望ましくは、それぞれの前記エアスプリングに加えられる圧力はそれぞれ調節することができる。
望ましくは、本発明による研磨システムは前記固定プラッターに対する前記研磨プラッターの移動をガイドするために前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に設けられた複数のガイド部材をさらに備える。
望ましくは、それぞれの前記ガイド部材は前記固定プラッターを貫通するように前記研磨プラッターに設けられたガイド軸、及び前記ガイド軸の他端に設けられたガイドストッパを備える。
望ましくは、前記研磨プラッターは前記固定プラッターに面するミドルプラッター、及び前記ミドルプラッターに分離可能に設けられた分離プラッターを含み、真空圧着によって前記分離プラッターを前記ミドルプラッターに対して位置固定するための真空チャックを備える。
望ましくは、前記真空チャックは前記固定プラッター及び前記ミドルプラッターに貫設された複数の圧着チャネル(例えば、チューブまたはパイプ)、及び前記圧着チャネルと連通されるように、前記分離プラッターと接触する前記ミドルプラッターの面に真空を形成し得る真空部を備える。
望ましくは、前記真空チャックは前記スピンドルを中心に少なくとも2つ以上の同心円状に配置される。
望ましくは、前記真空部は前記ミドルプラッターの下面に段差付けられて引き込まれた一体型の段差面を含む。
望ましくは、前記真空部はそれぞれの前記圧着チャネルからその面積が拡がるように前記ミドルプラッターの下面に形成された複数の拡管真空溝を含む。
望ましくは、本発明によるフロートガラス研磨システムは前記分離プラッターを前記ミドルプラッターに着脱するための安全締結部材をさらに備える。
望ましくは、前記安全締結部材は前記ミドルプラッター及び前記分離プラッターの縁に設けられた複数のブラケット、及び前記ブラケットを締め付けるロッキング部を含む。
望ましくは、前記安全締結部材は前記ミドルプラッターを貫通して前記分離プラッターに固定される複数の締結ボルトを備える。
望ましくは、それぞれの前記締結ボルトに対応して前記固定プラッターに設けられた複数の作業孔、及び前記作業孔を覆うことができるカバーをさらに備える。
望ましくは、本発明のフロートガラス研磨システムは前記上部ユニットを貫通して前記フロートガラスに研磨スラリーを供給するための研磨スラリー供給ユニットをさらに備える。
望ましくは、前記研磨スラリー供給ユニットは前記固定プラッター及び前記研磨プラッターを貫通する複数の研磨スラリー供給経路を備える。
望ましくは、それぞれの前記研磨スラリー供給経路は、研磨スラリー供給部と前記固定プラッターの上端間を連結する第1経路、及び前記固定プラッターの下面と前記研磨プラッターの上面間を連結し、伸長可能な構造を持つ第2経路を備える。
望ましくは、前記第2経路は前記固定プラッターの下面に設けられた第1連結管、及び前記研磨プラッターの上面に設けられて前記第1連結管に対して相対移動可能に密封連結された第2連結管を備える。
望ましくは、前記研磨スラリー供給ユニットは前記移動ユニットのスピンドル下方に位置した中央供給部、及び前記中央供給部を基準に放射状に配置された複数の放射供給部を備える。
本発明によるフロートガラス研磨システムは次のような効果を奏する。
第一、複数のエアスプリングを通じて固定プラッターに対して研磨プラッターの多くの部位に同じ力を加えることができ、研磨作業中の震動を吸収できるので、製造されるフロートガラスの平坦度を向上させることができる。
第二、固定プラッター、ミドルプラッター、及び分離プラッターをそれぞれ貫通する研磨スラリー供給経路を通じて研磨スラリーをフロートガラスの表面に直接供給できるので、研磨スラリー供給作業の効率性が極大化でき、研磨スラリー供給が安定的且つ均一になる。
第三、吸着方式によって研磨パッドが設けられた分離プラッターをミドルプラッターから選択的に分離できるので、研磨パッドのメンテナンス及び交換作業が容易になる。
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システムの構成を示した概略図である。 図1の研磨システムに採用されるエアスプリングの構造を示した抜粋断面図である。 図2の平面図である。 本発明の望ましい実施例による研磨システムの上部ユニットを切断して示した断面図である。 本発明による研磨システムの真空チャックの真空部の変形例を示した断面図である。
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システムを詳しく説明する。
本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
図1は、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システムの構成を示した概略図である。
本実施例によるフロートガラス研磨システム100は、例えば、一辺が1000mmを超え、厚さが約0.3mm〜1.1mmである大型フロートガラスGの一面を液晶ディスプレイに求められる平坦度に研磨するためのものである。図1に示されたように、研磨システム100は、例えば、吸着方式によって研磨対象物であるフロートガラスGをその上面に位置固定させた状態でフロートガラスGを所定回転数で回転させる下部ユニット110と、下部ユニット110の上側に設けられ、下部ユニット110に支持されたフロートガラスGの上面、すなわち、被研磨面に接触可能な研磨パッド122が付着された上部ユニット120と、上部ユニット120を水平または垂直方向に移動させるための移動ユニット130と、研磨スラリー供給部142から研磨スラリーの供給を受けて上部ユニット120を貫通してフロートガラスGの被研磨面に研磨スラリーを供給するための研磨スラリー供給ユニット140とを備える。
本実施例によるフロートガラス研磨システム100において、上部ユニット120及び/またはそれに付着された研磨パッド122の寸法(円盤型であればその直径)は、直方形状の研磨対象フロートガラスGの寸法(横または縦のうち小さい寸法)より小さい。また、下部ユニット110の回転軸112と上部ユニット120のスピンドル124とは一直線上に位置せず、相互オフセットされた状態で相対移動することが望ましい。
本実施例によるフロートガラス研磨システム100において、研磨パッド122がフロートガラスGの被研磨面に接触した状態で、下部ユニット110が回転すると同時に移動ユニット130が水平方向に一定軌跡で移動すれば、上部ユニット120が下部ユニット110の回転に伴って被動回転される過程で研磨スラリー供給ユニット140から供給される研磨スラリーによってフロートガラスGの被研磨面全体が均一に研磨される。
本実施例によるフロートガラス研磨システム100において、移動ユニット130は下部ユニット110を支持するフレーム102に設けられ、第1駆動源(図示せず)によってフレーム102上にX方向に設けられたXガイド(図示せず)に沿って移動自在の第1ステージ(図示せず)、第2駆動源(図示せず)によって第1ステージの上にY方向に設けられたYガイド(図示せず)に沿って移動自在の第2ステージ(図示せず)、及び第3駆動源(図示せず)の駆動によって第2ステージ上で垂直方向に移動自在であって上部ユニット120が設けられる第3ステージ137を備える。
下部ユニット110は、フレーム102に設けられたテーブル106から延設された回転軸112、及び回転軸112を所定速度で回転させる第4駆動源103を備える。
上部ユニット120は、第3ステージ137から垂直下方に延設されたスピンドル124の下端に付着される。スピンドル124は第3ステージ137に対して回転自在である。
上部ユニット120は、それぞれ全体的に円盤型である固定プラッター121及び研磨プラッター123を含み、研磨プラッター123はミドルプラッター125と分離プラッター127とに区分される。固定プラッター121はスピンドル124の下端に固定され、研磨プラッター123は固定プラッター121に対して流動または移動可能に固定プラッター121から離隔されて配置される。分離プラッター127は、ミドルプラッター125に対して吸着方式で選択的に分離可能に設けられる。
研磨スラリー供給ユニット140は、研磨スラリー供給部142から供給される、例えば、シリカ粒子を含むスラリー状の研磨スラリーを供給するために固定プラッター121、ミドルプラッター125及び分離プラッター127にそれぞれ貫設された複数の研磨スラリー供給経路144を備える。また、研磨スラリー供給ユニット140は、スピンドル124の内部を貫通する中央供給管146と連通されてスピンドル124の下方に位置した上部ユニット120を貫通する1つの中央供給部と、その中央供給部を基準に放射状に配置された複数の放射供給部を備える。このようにして、研磨スラリー供給部142を通じて供給される研磨スラリーは上部ユニット120の中央、すなわち、スピンドル124の直下部地点及びそのスピンドル124を中心に所定半径で形成された複数の地点に供給される。
それぞれの研磨スラリー供給経路144は、第1経路141及び第2経路143を含む。第1経路141は、研磨スラリー供給部142から固定プラッター121の上端まで連結する経路であって、ロータリージョイント(図示せず)の内部に形成された経路を含み、スピンドル124の側面に設けられた第1出口ポート126と固定プラッター121の上面に設けられた第1入口ポート128とを連結するためのものである。第1経路141はフレキシブルホース、管、パイプなどを含むことが望ましい。第2経路143は、第1経路141の終端から分離プラッター127の下面までの経路であって、特に固定プラッター121の下面とミドルプラッター125の上面は伸縮可能な構造または材質で構成されることが望ましい。そのために、第2経路143は固定プラッター121の下面に設けられた第1連結管145及びミドルプラッター125の上面に設けられた第2連結管147を含む。第1連結管145と第2連結管147とは相対移動自在であって、その連結部分は密封されている。なぜなら、ミドルプラッター125と固定プラッター121との間隔は調節できるため、固定プラッター121に対する研磨プラッター123の移動に合わせてその長さを伸長または収縮させる必要があるためである。
本発明の他の実施例によれば、フロートガラス研磨システム100は回転されるフロートガラスGに接触する上部ユニット120の各部位の圧力を均一に維持する加圧部材150を備える。加圧部材150は、フロートガラスGの多くの部位を研磨パッド122の設けられた研磨プラッター123が実質的に均一な圧力で加圧するようにするものであって、固定プラッター121と研磨プラッター123のミドルプラッター125との間に設けられ、所定パターンで配置された複数のエアスプリング151を備える。
エアスプリング151のこのような配置パターンは、スピンドル124を中心にして内側から外側に所定間隔の同心円状にそれぞれ配置された第1エアスプリンググループ153、第2エアスプリンググループ155、及び第3エアスプリンググループ157を含む。それぞれのエアスプリンググループ153、155、157を構成する個別エアスプリング151は、固定プラッター121の上面でスピンドル124を中心に内側から外側にそれぞれ同心円状に配置された第1エア供給管163、第2エア供給管165、及び第3エア供給管167とそれぞれ連結される。それぞれのエア供給管163、165、167は前述したロータリージョイント(図示せず)を通じてスピンドル124の側面に設けられた対応するエア供給ポート129に連結されたエア供給ホース161と連通される。また、それぞれのエア供給管163、165、167はサーブパス169を通じてそれに対応するそれぞれのエアスプリング151と連結される。それぞれのエア供給管163、165、167は同一圧力で維持されることが望ましい。しかし、本発明の他の実施例において、スピンドル124から半径方向に遠くなるほどエアスプリング151に加えられる圧力を次第に増加させる必要がある場合、それぞれのエア供給管163、165、167を異なる圧力に設定及び制御することも想定できる。
第1エアスプリンググループ153は、スピンドル124に最も近く、すなわち、スピンドル124を中心に最内側の円上に配置される。第2エアスプリンググループ155及び第3エアスプリンググループ157は、それぞれスピンドル124を中心に中間の円及び最外側の円上に配置される。このようなエアスプリング151の同心円の個数及びその配置設計を、研磨されるフロートガラスGのサイズまたは下部ユニット110及び上部ユニット120のサイズに応じて変更できることは、当業者にとって当然のことである。図1に示されたように、研磨スラリー供給ユニット140の第2経路143は第1エアスプリンググループ153が形成する円と第2エアスプリンググループ155が形成する円との間に位置する。
図2は本発明の望ましい実施例による1つのエアスプリングの構造を示した抜粋断面図であり、図3は図2の平面図である。
図1から図3を参照すれば、それぞれのエアスプリング151は固定プラッター121を貫通して空気が流入される空気入口152及び伸縮可能な壁面154を持つ円盤構造のベローズを含む。それぞれのエアスプリング151は、固定プラッター121をそれぞれ貫通するボルトと結合可能に上端に設けられた少なくとも一対の上部締結孔156、及びミドルプラッター125をそれぞれ貫通するボルトと結合可能に下端に設けられた少なくとも一対の下部締結孔158を備える。エアスプリング151の空気入口152は固定プラッター121を貫通するそれぞれのサーブパス169と連通される。よって、空気入口152を通じて空気が流入されれば、エアスプリング151のベローズの壁面154が膨脹し、エアスプリング151が設けられた研磨プラッター123のそれぞれの部位の圧力を増加させ、その位置でフロートガラスGに加えられる圧力を他部位と比べて均一に維持させることができる。一方、エアスプリング151の構造は上記のようなベローズ構造に限定されず、それと同一、類似の機能を持つ、周知の或いは今後周知される如何なるスプリング構造を含むことができる。
図4は、本発明の望ましい実施例による研磨システムの上部ユニットを切断して示した断面図である。
図1及び図4を参照すれば、本発明の望ましい実施例による研磨システム100は、固定プラッター121に対する研磨プラッター123の移動をガイドするために固定プラッター121と研磨プラッター123との間に設けられた複数のガイド部材170を備える。ガイド部材170は、エアスプリング151の膨脹及び収縮によって固定プラッター121に対して研磨プラッター123が移動するとき、研磨プラッター123を固定プラッター121に対して垂直方向のみに移動させて水平方向に捩じれることを防止するためのものである。ガイド部材170は、固定プラッター121のガイド孔171を貫通して研磨プラッター123に設けられたガイドサポート173に固定されたガイド軸175、及びガイド軸175の他端に設けられたガイドストッパ177を備える。ここで、ガイド軸175に対するストッパ177の位置を変動できるように、ガイド軸175の一端にはねじ部が形成され、ストッパ177はガイド軸175のねじ部に移動自在に結合されることが望ましい。
図1を参照すれば、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システム100は、ミドルプラッター125から分離プラッター127を選択的に圧着または分離できる真空チャック180を備える。
真空チャック180は、研磨パッド122を補修または交換するとき、上部ユニット120全体を第3ステージ137のスピンドル124から分離する煩わしさを解消するために、分離プラッター127のみをミドルプラッター125から簡単に分離することで、研磨パッド122の補修または交換を容易にするものである。すなわち、真空チャック180は、研磨作業中には分離プラッター127を圧着してミドルプラッター125に対して分離プラッター127の位置を固定し、必要な場合は真空を解除して分離プラッター127をミドルプラッター125から分離することができる。
真空チャック180は、固定プラッター121及びミドルプラッター125に貫設された複数の圧着チャネル(例えば、チューブまたはパイプ)181、及び圧着チャネル181と連通されるように、分離プラッター127と接触するミドルプラッター125の下面に真空を形成し得る真空部183を備える。真空チャック180は、スピンドル124の周囲に同心円状に配置されるように固定プラッター121の上面に設けられ、それぞれ対応する圧着チャネル181と連通された2つの真空形成用圧着ホース185を含む。それぞれの圧着チャネル181及び圧着ホース185は、第1エア供給管163と第2エア供給管165間及び第2エア供給管165と第3エア供給管167間にそれぞれ配置される。それぞれの圧着チャネル181は、固定プラッター121に対する研磨プラッター123の移動を考慮して十分長く配置されるか、または、柔軟性材質に形成されることが望ましい。
また、真空部183はそれぞれの圧着チャネル181の端部からその面積が拡がるようにミドルプラッター125の下面に形成された複数の拡管真空溝を含む。すなわち、真空駆動源(図示せず)を作動させて圧着ホース185を通じて空気を吸入すれば、それぞれの拡管真空溝の内部空間の空気は対応する圧着チャネル181を通じて抜けながら拡管真空溝の内部が真空状態になり、分離プラッター127がミドルプラッター125に対して密着されて固定される。
図5は、本発明の望ましい実施例による真空チャックの真空部の他の変形例を示した断面図である。
図5を参照すれば、本実施例による真空部183'はミドルプラッター125の下面に段差付けられて引き込まれた一体型の段差面187を含む。前記真空部183'は、前述した実施例の拡管真空溝の真空部183の変形されたものであって、それぞれの圧着チャネル181と連通される1つの段差面187によって分離プラッター127をミドルプラッター125に対して圧着または分離させるためものである。
本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システム100は、万が一の事故に備えるため、分離プラッター127をミドルプラッター125に2次的に着脱させるための安全締結部材190をさらに備える。安全締結部材190は、システム100の動作中に真空チャック180が作動しなくなり、分離プラッター127がミドルプラッター125から分離されることを防止するための安全装置の一形態である。
安全締結部材190は、ミドルプラッター125及び分離プラッター127の縁にそれぞれ突出して接触する4つの締結ブラケット192、及び締結ブラケット192のロッキング溝に締め付けられるロッキングボルト194を含む。
代案的な実施例として、図4に示されたように、安全締結部材190はミドルプラッター125を貫通して分離プラッター127に固定できる複数の締結ボルト191を備えることができる。この場合、それぞれの締結ボルト191の位置に対応する固定プラッター121の部分には作業孔193が形成され、それぞれの作業孔193はカバー195で開閉することができる。カバー195はカバーボルト(図示せず)によって固定プラッター121の上面に固定される。すなわち、本実施例によれば、固定プラッター121に対して分離プラッター127を分離するためには、カバーボルトを解体してカバー195を開放した後、作業孔193を通じて締結ボルト191を解体する過程を経る。
このような構成を持つ本発明の望ましい実施例によるフロートガラス研磨システムの動作を説明すれば、次のようである。
まず、下部ユニット110の上面に研磨対象であるフロートガラスGを吸着などと周知の方法で付着させた後、第4駆動源103を駆動させてテーブル106を回転させる。一方、第3駆動源を作動させて第3ステージ137を下側に移動させ、上部ユニット120の研磨パッド122の下面をフロートガラスGの被研磨面に圧着させる。また、第1駆動源及び第2駆動源を作動させると、第1ステージ及び第2ステージがそれぞれ水平面で所定の軌跡で移動する。すると、上部ユニット120は下部ユニット110の回転に伴って被動的に回転されると同時に、第1ステージ及び第2ステージの移動によってスピンドル124を中心に回転されるようになる。
この過程で、研磨スラリー供給ユニット140を作動させれば、研磨スラリー供給部142に貯蔵された研磨スラリーは固定プラッター121、ミドルプラッター125及び分離プラッター127をそれぞれ貫通する研磨スラリー供給経路144を通じて中央供給部及びその周囲に放射状に配置された放射供給部に供給され、フロートガラスGの被研磨面に均一に塗布される。このような研磨スラリー供給ユニット140による研磨スラリーの供給は、研磨工程の全体研磨時間中、継続的に供給されるように設定でき、使用された研磨スラリーはフィルタリングされて再び研磨スラリー供給部142に回収され、リサイクルされることが望ましい。
上部ユニット120は下部ユニット110の回転軸112を中心に偏心移動するスピンドル124を中心に回転する。そのため、上部ユニット120の各部位でフロートガラスGの全体部位に加えられる圧力を均一に維持するため、加圧部材150を作動させる。
加圧部材150を作動させれば、空気供給源(図示せず)の空気がロータリージョイント及びスピンドル124の内部の経路を通じて供給され、それぞれのエア供給管163、165、167を通って対応する第1エアスプリンググループ153、第2エアスプリンググループ155及び第3エアスプリンググループ157に供給され、それぞれのエアスプリング151のベローズの壁面154を膨脹させる。すると、固定プラッター121に対して研磨プラッター123の位置が移動し、それぞれのエアスプリング151部位の圧力が均一になって、上部ユニット120が移動ユニット130によって水平面上で移動してもフロートガラスGの被研磨面に常に均一な圧力が加えられ得る。
ここで、加圧部材150は、上部ユニット120の研磨パッド122がフロートガラスGの被研磨面に接触する前に作動してもよく、研磨パッド122がフロートガラスGに接触して研磨工程が開始されるとき作動してもよい。一方、研磨工程中に加圧部材150の加圧動作はセッティングされた圧力に応じて制御されることもできる。
また、研磨工程を始める前に真空チャック180を作動させれば、研磨プラッター123の分離プラッター127はミドルプラッター125に対してその位置が固定される。真空チャック180を作動させれば、真空駆動源(図示せず)が駆動して圧着ホース185を通じて拡管真空溝形態の真空部183または段差面187形態の真空部183'に真空を形成させることで、分離プラッター127をミドルプラッター125に吸着させることができる。勿論、分離プラッター127はミドルプラッター125に対して安全締結部材190によって安定的に固定されている。
以下、本発明の望ましい実施例によるフロートガラスの研磨方法を説明する。
本実施例によるフロートガラスの研磨方法は、フロートガラスGの研磨工程中、上部ユニット120の複数の部位でフロートガラスGに加えられる圧力を均一に維持させるため、固定プラッター121と研磨プラッター123間に設けられた複数のエアスプリング151を用いて研磨プラッター123を加圧する段階、固定プラッター121、ミドルプラッター125及び分離プラッター127をそれぞれ貫設された研磨スラリー供給経路144を通じてフロートガラスGの被研磨面に研磨スラリーを供給する段階、及びミドルプラッター125に対して分離プラッター127の位置を固定する段階のうち少なくともいずれか1つの段階を含む。
したがって、本発明の望ましい実施例によるフロートガラスの研磨方法によれば、研磨スラリーをフロートガラスGの被研磨面に安定的に供給可能であって、エアスプリング151によってフロートガラスGの平坦度を良好に保持でき、さらに分離プラッター127をミドルプラッター125に対して安定的に固定することができるので、フロートガラス研磨工程の加工精度及び歩留りを向上させることができる。これにより、フロートガラスの研磨工程における不良率を最小化することができる。
以上、本発明を限定された実施例と図面に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。

Claims (10)

  1. 位置が固定された加工対象であるフロートガラスを回転させる下部ユニット、前記フロートガラスに接触して前記フロートガラスの回転に伴って被動回転される上部ユニット、及び前記上部ユニットを水平または垂直方向に移動させるための移動ユニットを備えるフロートガラス研磨システムであって、
    前記上部ユニットは、
    前記移動ユニットのスピンドルに固定された固定プラッターと、
    前記固定プラッターに対して可動に設けられた研磨プラッターと、
    前記フロートガラスに加えられる前記研磨プラッターの圧力を均一に維持するため、前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に介在された加圧部材と、
    前記固定プラッターに対する前記研磨プラッターの移動をガイドするため、前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に設けられた複数のガイド部材と、を備え
    前記ガイド部材の各々は、
    前記固定プラッターを貫通するように前記研磨プラッターに設けられたガイド軸と、
    前記ガイド軸に設けられたガイドストッパと、を備えることを特徴とするフロートガラス研磨システム。
  2. 前記加圧部材は、前記固定プラッターと前記研磨プラッターとの間に設けられた複数のエアスプリングを備えることを特徴とする請求項1に記載のフロートガラス研磨システム。
  3. 前記エアスプリングは、前記スピンドルを中心に円形に配置された少なくとも1つエアスプリンググループを含むことを特徴とする請求項2に記載のフロートガラス研磨システム。
  4. 同じエアスプリンググループを形成するそれぞれのエアスプリングは同一圧力で維持されることを特徴とする請求項3に記載のフロートガラス研磨システム。
  5. それぞれの前記エアスプリングに加えられる圧力は、それぞれ調節できることを特徴とする請求項2に記載のフロートガラス研磨システム。
  6. それぞれの前記エアスプリングは、前記固定プラッターを貫通して供給される空気が流入される空気入口を持つベローズを含むことを特徴とする請求項2に記載のフロートガラス研磨システム。
  7. 前記上部ユニットを貫通して前記フロートガラスに研磨スラリーを供給するための研磨スラリー供給ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のフロートガラス研磨システム。
  8. 前記研磨スラリー供給ユニットは、前記固定プラッター及び前記研磨プラッターに貫設された複数の研磨スラリー供給経路を備えることを特徴とする請求項に記載のフロートガラス研磨システム。
  9. それぞれの前記研磨スラリー供給経路は、前記研磨スラリー供給ユニットの研磨スラリー供給部と前記固定プラッターの上端間を連結する第1経路と、
    前記固定プラッターの下面と前記研磨プラッターの上面間を連結し、伸長可能な構造を持つ第2経路と、を備えることを特徴とする請求項に記載のフロートガラス研磨システム。
  10. 前記第2経路は、
    前記固定プラッターの下面に設けられた第1連結管と、
    前記研磨プラッターの上面に設けられ、前記第1連結管に対して相対移動可能に密封連結された第2連結管と、を備えることを特徴とする請求項に記載のフロートガラス研磨システム。
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