JP2007152498A - 研磨装置、研磨方法、この研磨方法を用いた半導体デバイスの製造方法及びこの半導体デバイスの製造方法により製造された半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨工程全体を通じて研磨圧力をほぼ一定に保つ。
【解決手段】ロードセル81の上方位置に研磨ヘッド20を位置させたうえで、ロードセルの荷重検出面と研磨ヘッド20との間の距離を所定間隔に保ち、研磨パッド42を上記荷重検出面に接触させて研磨ヘッドの圧力室内に高圧空気を供給させ、ロードセルにより検出される研磨ヘッドからの押付け荷重が目標値と一致したときの高圧空気の圧力を研磨時供給圧力ppとして検出する第1の工程と、ウエハWの上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、ウエハWの表面と研磨ヘッドとの間の距離を上記所定間隔に保ち、研磨パッドをウエハWの表面に接触させて圧力室内に高圧空気を供給させ、圧力室内の圧力を第1の工程において検出した研磨時供給圧力ppに保持した状態でウエハWの研磨を行う第2の工程とを交互に行う。
【選択図】図1
【解決手段】ロードセル81の上方位置に研磨ヘッド20を位置させたうえで、ロードセルの荷重検出面と研磨ヘッド20との間の距離を所定間隔に保ち、研磨パッド42を上記荷重検出面に接触させて研磨ヘッドの圧力室内に高圧空気を供給させ、ロードセルにより検出される研磨ヘッドからの押付け荷重が目標値と一致したときの高圧空気の圧力を研磨時供給圧力ppとして検出する第1の工程と、ウエハWの上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、ウエハWの表面と研磨ヘッドとの間の距離を上記所定間隔に保ち、研磨パッドをウエハWの表面に接触させて圧力室内に高圧空気を供給させ、圧力室内の圧力を第1の工程において検出した研磨時供給圧力ppに保持した状態でウエハWの研磨を行う第2の工程とを交互に行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、被研磨物の表面を平坦研磨する研磨装置及び研磨方法に関し、また、この研磨方法を用いた半導体デバイス製造方法、及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスに関する。
半導体ウエハ等の被研磨物の表面を平坦研磨する装置としては、スピンドルの下端に保持された半導体ウエハを、回転定盤の上面に取付けた研磨パッドに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの接触面に研磨液(シリカ粒を含んだスラリー)を供給しつつ、ウエハと研磨パッドとの双方を相対移動させてウエハ表面の研磨を行うCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置が知られている。このCMP装置では、回転定盤の上面に取付けられた研磨パッドの直径は、研磨されるウエハの直径よりも数倍大きく、複数枚のウエハを同時に研磨することができるようになっているのが一般的である。
また、上記構成とは逆に、スピンドルの下部に取付けられた研磨ヘッド下面の研磨パッドを、回転定盤の上面側に保持されたウエハに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの間に上記スラリーを供給しつつ、ウエハと研磨パッドの双方を相対移動させてウエハ表面を研磨するタイプのCMP装置も知られている(下記の特許文献1参照)。このタイプのCMP装置では、研磨パッドの直径は研磨されるウエハの直径よりも小さく、研磨パッドをウエハ表面に対して満遍なく移動させることにより、ウエハの表面全体を研磨することができるようになっている。この研磨装置は研磨ヘッドに組込まれたドライブリングと呼ばれる可撓性のある(例えば金属製の)薄板部材の下部にプレート部材を有しており、研磨パッドはこのプレート部材の下面に取付けられている。そして、研磨ヘッドの内部空間とドライブリングとの間に形成された圧力室内に高圧空気(空気圧)を供給し、上記ドライブリングを弾性変形させてプレート部材を下方に押圧することにより、研磨パッドを被研磨物の表面に上方から押圧接触させ、その接触状態を保持しつつ、被研磨物と研磨パッドとを相対移動させて被研磨物の表面を研磨する構成となっている。
特開平11−156711号公報
ところで、ウエハの平坦化に際しては、平坦性及び均一性に対する所定の要求が満たされる必要がある。ウエハ表面の平坦性及び均一性には研磨パッドの厚さが大きく影響し、研磨パッドの厚さが大きい場合と小さい場合とでその研磨特性が大きく異なることが知られている(上記特許文献2参照)。また、被研磨物の研磨における平坦性及び均一性には、研磨パッドの厚さのみならず、研磨圧力(ウエハの研磨中における研磨パッドとウエハとの接触圧力)等の要素も大きく関与する。このため、所望の研磨特性(平坦性、均一性及び研磨レート)を得るためには、研磨パッドの厚さや研磨圧力等の研磨条件を正確に把握・制御する必要がある。
しかしながら、上記のように研磨ヘッドにドライブリングが組込まれたタイプの研磨装置では、ウエハの研磨により研磨パッドの摩耗が進行した場合には、その分研磨パッドの厚さが減少し、ドライブリングの撓み状態は変化するため、圧力室内に供給する高圧空気の圧力を最適の研磨圧力が発揮されるように設定していたとしても、研磨の進行、すなわちドライブリングの撓み状態の変化とともに研磨圧力は最適の値から変化してしまっていた。このため特に、Low−K材のように極めて低い研磨圧力でしか研磨できない脆弱な材料からなる被研磨物に対しては、上記ドライブリングの撓みに起因する研磨圧力の変化は最終的な研磨状態に大きな影響(例えば材料自体の破壊)を与えるものであった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、研磨の進行に従って研磨パッドの厚さが減少しても、研磨工程全体を通じて研磨圧力をほぼ一定に保ち得る研磨装置及び研磨方法を提供することを目的としている。また本発明は、このような研磨方法を用いた半導体デバイスの製造方法及びこの半導体デバイスの製造方法により製造された半導体デバイスを提供することを目的としている。
このような目的を達成するため、本発明に係る研磨装置は、下方に開口した中空形状の保持体、保持体の下部に水平に取付けられた可撓性のある薄板部材、薄板部材の下面に取付けられたプレート部材及びプレート部材の下面に取付けられた研磨パッドを有して構成された研磨ヘッドと、保持体と薄板部材との間に形成された圧力室内に空気圧を供給する空気圧供給手段と、上方からの押付け荷重を検出する押付け荷重検出手段と、押付け荷重検出手段の上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、押付け荷重検出手段の荷重検出面と研磨ヘッドとの間の距離を所定間隔に保ち、研磨パッドを押付け荷重検出手段の荷重検出面に接触させた状態で空気圧供給手段より圧力室内に空気圧を供給させ、押付け荷重検出手段により検出される研磨ヘッドからの押付け荷重が予め定めた目標値と一致したときの空気圧を研磨時供給圧力として検出する研磨時供給圧力検出手段と、被研磨物の上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、被研磨物の表面と研磨ヘッドとの間の距離を上記所定間隔に保ち、研磨パッドを被研磨物の表面に接触させた状態で空気圧供給手段より圧力室内に空気圧を供給させ、圧力室内の圧力を研磨時供給圧力検出手段により検出された研磨時供給圧力に保持した状態で被研磨物と研磨ヘッドとを相対移動させて被研磨物の研磨を行う研磨実行手段と、研磨時供給圧力検出手段による研磨時供給圧力の検出と研磨実行手段による被研磨物の研磨とを交互に行わせる制御手段とを備える。ここで、上記押付け荷重検出手段の荷重検出面と被研磨物の表面とは同じ高さに位置していることが好ましい。
また、本発明に係る研磨方法は、下方に開口した中空形状の保持体、保持体の下部に水平に取付けられた可撓性のある薄板部材、薄板部材の下面に取付けられたプレート部材及びプレート部材の下面に取付けられた研磨パッドを有して構成された研磨ヘッドを備えた研磨装置を用いて被研磨物の研磨を行う研磨方法において、上方からの押付け荷重を検出する押付け荷重検出手段の上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、押付け荷重検出手段の荷重検出面と研磨ヘッドとの間の距離を所定間隔に保ち、研磨パッドを押付け荷重検出手段の荷重検出面に接触させた状態で圧力室内に空気圧を供給させ、押付け荷重検出手段により検出される研磨ヘッドからの押付け荷重が予め定めた目標値と一致したときの空気圧を研磨時供給圧力として検出する第1の工程と、被研磨物の上方位置に研磨ヘッドを位置させたうえで、被研磨物の表面と研磨ヘッドとの間の距離を上記所定間隔に保ち、研磨パッドを被研磨物の表面に接触させた状態で圧力室内に空気圧を供給させ、圧力室内の圧力を第1の工程において検出した研磨時供給圧力に保持した状態で被研磨物と研磨ヘッドとを相対移動させて被研磨物の研磨を行う第2の工程とを有し、第1の工程と第2の工程とを交互に行うようになっている。
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、上記被研磨物が半導体ウエハであり、上記本発明に係る研磨方法を用いて前記半導体ウエハの表面を平坦化する工程を有する。また、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造される。
本発明に係る研磨装置及び研磨方法によれば、研磨工程全体を通じて研磨圧力(被研磨物の研磨中における研磨パッドと被研磨物との間の接触圧力)がほぼ一定となる最適な研磨状態で被研磨物の研磨を行うことが可能である。
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法によれば、製造される半導体デバイスの歩留まりを向上させることができる。また、本発明に係る半導体デバイスによれば、平坦度の高い被研磨物が用いられることとなるので、配線の絶縁不良やショートなどの不具合の少ない、性能のよいデバイスとなる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る研磨方法を行うのに最適な研磨装置たるCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置1であり、本発明に係る研磨装置の一実施形態を示している。このCMP装置1は水平な基台2、基台2上に設けられて被研磨物たる半導体ウエハ(以下、単にウエハと称する)Wをその上面において保持する回転定盤5、研磨パッド42を下面に有した研磨ヘッド20及びこの研磨ヘッド20を移動させる研磨ヘッド移動機構3を備えて構成されている。このCMP装置1では、研磨パッド42の直径はウエハWの直径よりも小さく、研磨パッド42をウエハWに上方から接触させた状態で双方を相対移動させることにより、ウエハWの表面Sf全体を研磨できるようになっている。
回転定盤5は基台2上に設置されたテーブル支持部4から上方に延びて設けられた回転軸5aの上端部に水平姿勢に取付けられている。回転軸5aはテーブル支持部4に内蔵された第1電動モータM1を制御装置60から回転駆動制御することによって上下軸回りに回転させることができ、これにより回転定盤5を水平面内で回転させることが可能である(図4参照)。回転定盤5の上面には真空吸着機構(図示せず)が設けられており、回転定盤5の上面にウエハWを載置した状態で真空吸着機構内の空気を吸引することにより、回転定盤5の上面にウエハWを吸着保持することができる。真空吸着機構における空気通路中には所定の負圧を検出したときにオンとなる圧力スイッチ71が設けられており、制御装置60はこの圧力スイッチ71が出力したオン信号を受けて、回転定盤5にウエハWが真空吸着保持されている状態を検知できるようになっている(図4参照)。
研磨ヘッド20を移動させる研磨ヘッド移動機構3は、基台2上に設けられた第1ステージ6、この第1ステージ6から垂直上方に延びて設けられた垂直フレーム7、この垂直フレーム7上を移動自在に設けられた第2ステージ8、この第2ステージ8から水平に延びて設けられた水平フレーム9、この水平フレーム9上を移動自在に設けられた第3ステージ10、基台2に対して第2ステージ8と第3ステージ10を移動させる第2〜第4電動モータM2,M3,M4及び研磨ヘッド20を第3ステージ10に対して上下移動させる空気圧シリンダ15等から構成されている。
垂直フレーム7は第1ステージ6に内蔵された第2電動モータM2を制御装置60から回転駆動制御することによって上下軸まわりに回転作動させることができ、第2ステージ8は第2ステージ8に内蔵された第3電動モータM3を制御装置60から回転駆動制御することによって垂直フレーム7に沿って上下方向に移動させることができ、第3ステージ10は第3ステージ10に内蔵された第4電動モータM4を制御装置60から回転駆動制御することによって水平フレーム9に沿って移動させることができる(図4参照)。このため、上記電動モータM2,M3,M4の回転動作を組み合わせることにより、第3ステージ10を基台2上方の任意の位置に移動させることが可能である。
図1及び図2に示すように、第3ステージ10内に断面円筒状に設けられたスピンドル支持部11には中空円筒状のスピンドル回転保持部材14が上下方向に延びて設けられており、このスピンドル回転保持部材14はスピンドル支持部11との間に設けられたスラストベアリングBR1によって昇降移動(上下方向移動)自在に保持されている。スピンドル回転保持部材14内にはスピンドル16が上下方向に延びて設けられており、スピンドル回転保持部材14との間に設けられたラジアルベアリングBR2によって上下軸まわり回転自在に保持されている。
研磨ヘッド20はスピンドル16の下端部に取付けられている。スピンドル16は第3ステージ10に内蔵された第5電動モータM5を制御装置60から回転駆動制御することによって上下軸回りに回転させることができ(図4参照)、これにより研磨ヘッド20全体を回転させて研磨パッド42を水平面内で回転させることが可能である。
研磨ヘッド20は図3に示すように、下方に開口した中空形状の研磨体保持体21と、この研磨体保持体21の下部に水平に取付けられた円盤状のドライブリング26と、このドライブリング26の下面にドライブリング26と一定間隔をおいて設けられた円盤状のダイアフラム27と、このダイアフラム27の下面側に設けられた厚板円盤状の第1プレート29と、この第1プレート29の下面に吸着取付けされた研磨体40とを有して構成されている。ここで、上記ドライブリング26とダイアフラム27とは、特許請求の範囲における薄板部材を構成している。
研磨体保持体21はスピンドル16の下部に取付けられた筒状部22と、筒状部22に螺子N1により結合されて下方に拡がる形状を有した傘状部23と、傘状部23の下部に螺子N2により結合されたストッパ部材保持リング24と、このストッパ部材保持リング24の下部に螺子N3により結合され、内周面の下部に内方に突出して延びて設けられたストッパ25aを有したリング状のストッパ部材25とから構成されている。
ドライブリング26は金属等の可撓性のある薄板部材からなっており、ダイアフラム27はゴム等の弾性材料から構成されている。これらドライブリング26とダイアフラム27は、ストッパ部材保持リング24と、ストッパ部材保持リング24の下方に設けられた薄板状の金属板からなるリング状プレート28との間に挟持されるようにして取付けられている。リング状プレート28は螺子N4によりストッパ部材保持リング24に結合されており、したがってドライブリング26及びダイアフラム27はそれぞれの外周縁が研磨体保持体21に固定された状態となっている。
第1プレート29は上面をダイアフラム27の下面に接した状態で、螺子N5,N6により結合用プレート30とともに共締めされている。このため第1プレート29はドライブリング26及びダイアフラム27を介して研磨体保持体21と連結された状態となっている。第1プレート29の内部には下面に複数の吸着開口を有する空気吸入路29aが形成されており、この空気吸入路29aの一端側は結合用プレート30内を延びて外部(結合用プレート30の上方)に開口している。この開口部にはスピンドル16の内部を上下方向に貫通形成された高圧空気供給路16a内を上下方向に延びた空気吸入管17の端部が接続されており、空気吸入管17はCMP装置1の外部に延びて真空源54に繋げられている。
研磨体40は第1プレート29とほぼ同じ外径を有する厚板円盤状の第2プレート41と、この第2プレート41の下面に取付けられた円盤状(或いはリング状)の研磨パッド42とから構成される。研磨パッド42はウエハWの研磨等により次第に摩耗劣化していく消耗品であり、その交換作業を容易にするため、第2プレート41の下面に接着剤や粘着テープ等により着脱自在に取付け可能になっている。なお、上記第2プレート41と前述の第1プレート29とは、特許請求の範囲におけるプレート部材を構成している。
真空源54は制御装置60よりその作動制御が可能であり(図4参照)、研磨体40は、第1プレート29の下面側に第2プレート41を位置させた状態で制御装置60から真空源54の作動制御を行い、上記空気吸入管17及び空気吸入路29a内の空気を吸入することにより、第2プレート41を第1プレート29の下面に吸着取付けすることが可能である。なお、第2プレート41はこれに取付けられる芯出しピン43と位置決めピン44とにより、第1プレート29に対する芯出しと回転方向の位置決めとがなされるようになっている。
第1プレート29は、研磨パッド42がウエハWの表面Sfと接触していない状態では、研磨体保持体21のストッパ25aに上方から当接した状態となる(図2(A),(B)参照)。研磨体保持体21と第1プレート29とを結合しているドライブリング26及びダイアフラム27は可撓性があるため、第1プレート29がストッパ25aに当接している状態では下方に撓んだ(変形した)状態となっているが、その変形量はドライブリング26が塑性変形しない領域内に(弾性領域に)抑えられている。
第3ステージ10内には空気圧シリンダ15が上下方向に延びて設けられており、この空気圧シリンダ15を構成するピストンロッド15aの下端部には前述のスピンドル16が取付けられている。空気圧シリンダ15は制御装置60からの作動制御によって伸縮作動させる(ピストンロッド15aを上下移動させる)ことができ(図4参照)、これによりスピンドル16を上下方向に移動させることが可能である。空気圧シリンダ15は図2(A)に示す収縮位置と図2(B)に示す伸長位置とのいずれか一方の位置のみをとることができ、空気圧シリンダ15の伸長位置では、スピンドル回転保持部材14は第3ステージ10内部の下限ストッパ取付け部12に取付けられた下限ストッパ13(図2参照)に上方から当接し、それ以上の下方移動が規制されるようになっている。下限ストッパ13は下限ストッパ取付け部12に対する上下方向取付け位置を変化させることができ、本実施形態では、スピンドル回転保持部材14が下限ストッパ13に上方から当接した時点において研磨パッド42が回転定盤5に保持されたウエハWの表面Sfに接触し、第1プレート29はストッパ25aから上方に離間してドライブリング26及びダイアフラム27はともにやや下方に撓んだ姿勢となるように下限ストッパ13の位置が予め調節されている。
研磨体保持体21の傘状部23の内壁とダイアフラム27とにより形成される空間は研磨ヘッド20の圧力室31を構成しており、この圧力室31はスピンドル16の内部に形成された前述の高圧空気供給路16aと連通している。高圧空気供給路16aは図示しない管路を介して研磨ヘッド20の外部に設けられた高圧空気供給装置51(図3参照)と繋がっており、高圧空気供給装置51は制御装置60からの作動指令信号に基づいて作動し、高圧空気供給路16aを介して圧力室31内に高圧空気(空気圧)を圧送供給するようになっている(図4参照)。圧力室31内に高圧空気が供給されて圧力室31内の圧力が高められると、研磨体40にはドライブリング26及びダイアフラム27を介して下方への付勢力が作用するため、空気圧シリンダ15が伸長位置にあり、研磨パッド42がウエハWの表面Sfに接触している状態であれば、圧力室31内の圧力の大きさを加減することによって、研磨パッド42とウエハW(或いは後述するロードセル81の荷重検出面81a)との間の接触圧力を所望に調整することが可能である。なお、圧力室31内に供給された高圧空気の圧力は、高圧空気供給装置51と圧力室31との間を繋ぐ図示しない管路中若しくは圧力室31内に設けられた圧力検出器72によって検出され、その検出情報は制御装置60に送られるようになっている(図4参照)。
図3に示すように、スピンドル16の内部に形成された高圧空気供給路16a内には研磨ヘッド20の外部に設けられた研磨液供給装置52(図3参照)と繋がる研磨液供給管53が延びており、研磨液供給管53の端部は結合用プレート30内を上下方向に貫通する研磨液流路30aの上部に接続されている。また、芯出しピン43内には研磨液流路43aが上下方向に延びて設けられており、この研磨液流路43aは第2プレート41内を延びてその下面に開口した研磨液流路41aに連通している。研磨液供給装置52は制御装置60からの作動指令信号に基づいて作動し、研磨液供給管53内に研磨液を供給するが(図4参照)、その研磨液は更に研磨液流路30a,43a,41a内を流れて研磨パッド42の研磨面(下面)に流出するようになっている。
基台2上の回転定盤5に隣接した位置には、図1に示すように荷重検査台80が設けられている。この荷重検査台80にはロードセル81(押付け荷重検出手段)がその上面に当たる荷重検出面(上面)81aを露出する姿勢で保持されており、荷重検出面81aに作用する上方からの押付け荷重を検出してその検出情報を制御装置60に出力するようになっている(図4参照)。ここで、ロードセル81の荷重検出面81aは研磨パッド42の研磨面の全域をカバーできる大きさを有しており、研磨パッド42をロードセル81に接触させた状態では、その接触面積は研磨パッド42の研磨面(下面)の面積に一致するようになっている。ここで、上記荷重検査台80はロードセル81を組込むための専用部品として設けられるものであってもよいが、既存の設備、例えば交換用の研磨体40を載置しておく研磨体交換台(図示せず)等であってもよい。或いは、回転定盤5がその上下回転軸回りに複数のウエハWを載置する部分を有している構成であるのであれば、そのうちの1つを利用してそこにロードセル81を組込むようにしてもよい。
ここで、ロードセル81の荷重検出面81aは、回転定盤5に保持されたウエハWの表面Sfと同じ高さになるように設定されている。一方、スピンドル回転保持部材14の下方移動は常に下限ストッパ13により制限されるため、研磨パッド42がロードセル81の荷重検出面81aに接触した状態における研磨ヘッド20とロードセル81の荷重検出面81aとの間の上下方向距離は、研磨パッド42がウエハWの表面Sfに接触した状態における研磨ヘッド20とウエハWの表面Sfとの間の上下方向距離と等しくなり、研磨パッド42がロードセル81の荷重検出面81aに接触した状態では、研磨パッド42がウエハWの表面Sfに接触した状態と同じ量だけ、第1プレート29はストッパ25aから上方に離間し、ドライブリング26及びダイアフラム27はともにやや下方に撓んだ姿勢となる。
このような構成のCMP装置1では、研磨工程全体を通じて研磨圧力がほぼ一定となる最適な研磨状態でウエハWの
研磨を行うことが可能であり、以下に図5を用いてその研磨手順を説明する。
研磨を行うことが可能であり、以下に図5を用いてその研磨手順を説明する。
CMP装置1を用いてウエハWの研磨を行う前に、オペレータは先ず、研磨圧力の目標値(目標研磨圧力)p0を決定し、制御装置60に設けられた入力装置61(図4参照)からその値を入力する(ステップS1)。ここで研磨圧力とは、ウエハWの研磨中における研磨パッド42とウエハWとの間の接触圧力のことである。制御装置60は、入力された目標研磨圧力p0の値と研磨パッド42の面積(研磨面の面積)Sとから、研磨中にウエハWの表面に作用する研磨ヘッド20からの押付け荷重(=p0×S)を算出し、その値を押付け荷重の目標値Pとして、記憶部62(図4参照)に記憶する(ステップS2)。また、オペレータは、上記目標研磨圧力p0の入力とともに、研磨しようとするウエハWの総枚数及び後述するキャリブレーションを行う間隔を規定するウエハWの枚数(インターバル枚数)の入力を上記入力装置61より行う。
制御装置60は上記のようにして研磨ヘッド20からの押付け荷重の目標値Pを算出した後、第2電動モータM2、第3電動モータM3及び第4電動モータM4の回転作動制御を行って、研磨ヘッド20をロードセル81の上方に移動させる(ステップS3)。そして、空気圧シリンダ15を伸長作動させて研磨パッド42をロードセル81の荷重検出面81aに上方から接触させた後(研磨パッド42がロードセル81の荷重検出面81aに接触した状態では、スピンドル回転保持部材14は下限ストッパ13に上方から当接している)、高圧空気供給装置51の作動制御を行って圧力室31内に高圧空気を供給する(ステップS4)。これにより圧力室31内の圧力は高められ、研磨パッド42はドライブリング26、ダイアフラム27、第1プレート29及び第2プレート41を介してロードセル81の荷重検出面81aに押付けられる。
続いて制御装置60は、高圧空気供給装置51から圧力室31内に供給される圧力を変化させつつ、ロードセル81により検出される研磨ヘッド20からの押付け荷重をモニターし、ロードセル81により検出される研磨ヘッド20からの押付け荷重がステップS2において算出・記憶した押付け荷重の目標値Pと一致したときの圧力室31内の圧力を圧力検出器72の出力から読取り(検出し)、その値を「研磨時供給圧力pp」として記憶部62に記憶する(ステップS5)。ここで、制御装置60と、研磨ヘッド移動機構3と、圧力検出器72とは、特許請求の範囲における研磨時供給圧力検出手段に相当している。制御装置60は、ロードセル81により検出される研磨ヘッド20からの押付け荷重が記憶部62に記憶した押付け荷重の目標値Pに一致した後は、高圧空気供給装置51の作動制御を行って圧力室31内の空気を抜き、空気圧シリンダ15を収縮作動させてスピンドル回転保持部材14を上昇移動させ、研磨パッド42をロードセル81の荷重検出面81aから離間させる(ステップS6)。
制御装置60は続いて、前述の圧力スイッチ71からの出力に基づいて回転定盤5にウエハWが保持されている状態を確認したうえで、第1電動モータM1を駆動して回転定盤5を水平面内で回転させるとともに、第2電動モータM2、第3電動モータM3及び第4電動モータM4の回転駆動制御を行って第3移動ステージ10をウエハWの上方に移動させる(ステップS7)。そして、第5電動モータM5によりスピンドル16を駆動して研磨ヘッド20の回転を開始するとともに空気圧シリンダ15を伸長作動させて研磨パッド42をウエハWの表面Sfに上方から接触させた後(研磨パッド42がウエハWの表面Sfに接触した状態では、スピンドル回転保持部材14は下限ストッパ13に上方から当接している)、高圧空気供給装置51の作動制御を行って圧力室31内に高圧空気を供給する(ステップS8)。これにより圧力室31内の圧力は高められ、研磨パッド42は研磨時供給圧力ppの検出時と同様、ドライブリング26、ダイアフラム27、第1プレート29及び第2プレート41を介してウエハWの表面Sfに押付けられる。
圧力室31内の圧力が上昇し、圧力検出器72により検出される圧力室31内の圧力がステップS5において記憶部62に記憶した研磨時供給圧力ppの値に一致したら、制御装置60は圧力室31内への高圧空気の供給を停止し、圧力室31内の圧力を研磨時供給圧力ppに保持する(ステップS9)。このように圧力室31内の圧力が研磨時供給圧力ppに保持されたら、ウエハWの実際の研磨を開始する。
ここで、ウエハWの研磨開始時点における研磨パッド42とウエハWとの間の接触圧力を図6に基づいて考えると、前述のように、研磨開始時点、すなわち研磨パッド42がウエハWの表面Sfに接触した状態における研磨ヘッド20とウエハWの表面Sfと研磨ヘッド20との間の上下方向距離と、研磨時供給圧力ppの検出時、すなわち研磨パッド42がロードセル81の荷重検出面81aに接触した状態における研磨ヘッド20とロードセル81の荷重検出面81aとの間の上下方向距離とは同じであるので、研磨開始時点におけるドライブリング26及びダイアフラム27の撓み量Δh1と研磨時供給圧力ppの検出時におけるドライブリング26及びダイアフラム27の撓み量Δh2とは同じである。従って、研磨開始時点においてドライブリング26及びダイアフラム27が研磨体40を上方へ引き上げている力(復元力Fd1)は研磨時供給圧力ppの検出時においてドライブリング26及びダイアフラム27が研磨パッド42を含む研磨体を上方へ引き上げていた力(復元力Fd2)と同じである。一方、研磨開始時点における圧力室31内の圧力は研磨時供給圧力ppに一致しているので、研磨開始時点においてウエハWが研磨ヘッド20から受けている押付け力と研磨時供給圧力ppの検出時においてロードセル81が研磨ヘッド20から受けていた押付け力とは同じであり、結果として、研磨開始時点における研磨パッド42とウエハWとの間の接触圧力は、オペレータがステップS1において決定(入力)した目標研磨圧力p0に一致することになり、上記ステップS9が終了した状態からウエハWの研磨を行えば、予め決定した目標研磨圧力p0でウエハWの研磨を行うことが可能となる。
制御装置60は、第2電動モータM2及び第4電動モータM4の回転駆動制御を行って研磨ヘッド20を水平面内(すなわち、ウエハWと研磨パッド42との接触面の面内方向)において揺動させることにより、ウエハWの研磨を行う(ステップS10)。このウエハWの研磨中には、制御装置60から研磨液供給装置52の作動制御を行って、研磨パッド42の下面側に研磨液(シリカ粒を含んだスラリー)が供給されるようにする。これによりウエハWの表面Sfは、研磨液の供給を受けつつ、ウエハW自身の回転運動と研磨ヘッド20の(すなわち研磨パッド42の)回転及び揺動運動とにより満遍なく研磨される。ここで、制御装置60と、研磨ヘッド移動機構3と、研磨液供給装置52とは、特許請求の範囲における研磨実行手段に相当している。なお、第1プレート29は可撓性のあるドライブリング26を介して取付けられているため面外方向への微小変形が可能であり、CMP装置1各部の組み付け誤差等により、回転定盤5の回転軸5aと研磨ヘッド20の回転軸(スピンドル16)との平行度が充分でなかった場合であっても、第1プレート29及び第2プレート41はこれに応じてフレキシブルに傾動(追従)するようになり、ウエハWと研磨パッド42との接触状態は良好に保たれる。
ウエハW1枚の研磨が終了すると、制御装置60は空気圧シリンダ15を収縮作動させてスピンドル回転保持部材14を上昇移動させ、研磨パッド42をウエハWの表面Sfから離間させる(ステップS11)。そして、図示しないドレッサの上方に研磨ヘッド20を移動させて、研磨パッド42のドレスを行う(ステップS12)。この研磨パッド42のドレスは、研磨パッド42の研磨面に付着したウエハWの削りかすなどのごみを除去するとともに、研磨パッド42の研磨面を平らにするために研磨パッド42の表面を若干量削ぎ落とす工程であり、上記ドレッサは上方に削り面を有した回転工具からなる。
研磨パッド42のドレスが終了したら、制御装置60は予め設定しておいた(ステップS2において入力した)枚数のウエハWの研磨が終了したか、すなわち全ての研磨工程が終了したか否かの判断を行う(ステップS13)。ここで、予め設定しておいた枚数の研磨が終了した場合には研磨工程を終了し、予め設定しておいた枚数の研磨が終了していなかった場合には、続いて研磨時供給圧力ppのキャリブレーションを行うか否かの判断を行う(ステップS14)。研磨時供給圧力ppのキャリブレーションを行うか否かは、例えば、予め設定しておいた(ステップS2において入力した)枚数(インターバル枚数)のウエハWの研磨が終了したかどうかによって判断する。
ウエハWの研磨工程が進むと研磨パッド42の研磨面は摩耗し、また研磨パッド42のドレスによって研磨面が削り取られて研磨パッド42の厚さは次第に減少していく。研磨パッド42を含む研磨体40は前述のようにドライブリング26及びダイアフラム27を介して研磨体保持体21と連結されているが、研磨パッド42の厚さの減少に伴ってウエハWの研磨中における研磨体40の位置が下降すると、ドライブリング26及びダイアフラム27の下方変形量Δhは増大し、ドライブリング26及びダイアフラム27が研磨体40を上方へ引き上げようとする力(復元力F)は増大する(図7参照)。従ってウエハWの研磨中、圧力室31内の圧力を研磨時供給圧力ppに保持していたとしても、ドライブリング26及びダイアフラム27の変形によって研磨圧力は目標研磨圧力p0から変化してしまう。研磨時供給圧力ppのキャリブレーションはこのような不都合を防ぐために行うものであり、キャリブレーションを行うか否かの判断(ステップS14)においてキャリブレーションを行わないと判断したときにはウエハWを交換し(ステップS15)、ステップS7に戻って研磨工程を続行する。一方、上記キャリブレーションを行うか否かの判断(ステップS14)においてキャリブレーションを行うと判断したときには、ステップS3に戻って研磨時供給圧力ppのキャリブレーション、すなわち新たな研磨時供給圧力ppの検出を行う。
ステップS14からステップS3に戻って研磨時供給圧力ppのキャリブレーションを実行すると、ステップS5において前回とは異なる値の研磨時供給圧力ppが検出されることになるが、制御装置60はその新たに検出された研磨時供給圧力ppを記憶部62に記憶する(前回記憶した研磨時供給圧力ppの値に上書きする)。そして、ステップS9に至ったとき、圧力室31内の圧力がステップS5において新たに記憶した研磨時供給圧力ppに保持されるようにする。こうすることにより、一定枚数(インターバル枚数)のウエハWの研磨(及びドレス)が終了するごとに、研磨中に変化した研磨圧力を目標研磨圧力p0に修正する(戻す)ことができる。
このように本実施形態において示すCMP装置1及びこのCMP装置1により行うウエハWの研磨方法では、研磨ヘッド20からの押付け荷重を検出するロードセル81の上方位置に研磨ヘッド20を位置させたうえで、ロードセル81の荷重検出面81aと研磨ヘッド20との間の距離を所定間隔に保ち、研磨パッド42をロードセル81の荷重検出面81aに接触させた状態で圧力室31内に高圧空気を供給させ、ロードセル81により検出される研磨ヘッド20からの押付け荷重が予め定めた目標値と一致したときの高圧空気の圧力を研磨時供給圧力ppとして検出する第1の工程(ステップS3〜ステップS6)と、ウエハWの上方位置に研磨ヘッド20を位置させたうえで、ウエハWの表面Sfと研磨ヘッド20との間の距離を上記所定間隔に保ち、研磨パッド42をウエハWの表面Sfに接触させた状態で圧力室31内に高圧空気を供給させ、圧力室31内の圧力を第1の工程において検出した研磨時供給圧力ppに保持した状態でウエハWと研磨ヘッド20とを相対移動させてウエハWの研磨を行う第2の工程(ステップS7〜ステップS12の繰り返し工程)とを有し、これら第1の工程と第2の工程とを制御装置60から交互に行わせるようになっている。
本実施形態において示すCMP装置1及びこのCMP装置1により行うウエハWの研磨方法では、上記のように、ウエハWの研磨工程において、一定枚数のウエハWの研磨が終了した時点で、研磨パッド42の厚さ減少によって生ずるドライブリング26及びダイアフラム27の撓み量変化に伴う研磨圧力の変動を修正するキャリブレーションを行うようになっているので、研磨工程全体を通じて研磨圧力がほぼ一定となる最適な研磨状態でウエハWの研磨を行うことが可能である。そして、そのキャリブレーションは、研磨体保持体21とプレート部材(第1プレート29及び第2プレート41)とを繋ぐ薄板部材(ドライブリング26及びダイアフラム27)の変形をウエハWの研磨時と全く同じ状況にし、研磨ヘッド20から受ける押付け力を直接検出して行う方式を採っているので、研磨圧力を変動させる外乱成分の影響(例えば、圧力室31内に配置されている空気吸入17や研磨液供給管53などが薄板部材に与える下方荷重は、そのときの姿勢によって変化する)を全く受けることがなく、目標とする研磨圧力を発生させ得る圧力室31内への供給圧力(圧力室31内へ供給すべき高圧空気の圧力)を正確に検知することが可能である。
次に、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施形態について説明する。図8は本発明の一実施形態に係る半導体デバイスの製造方法のプロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、まずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。ここで、ステップS201は半導体ウエハ(以下、ウエハと称する)の表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウエハ表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウエハに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
CVD工程(S202)もしくは電極形成工程(S203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明に係る上記研磨装置(CMP装置1)により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が行われる。
CMP工程(S205)もしくは酸化工程(S201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウエハへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウエハへの回路パターンの焼き付け、露光したウエハの現像が行われる。さらに、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウエハ上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
このように本発明に係る半導体デバイス製造方法では、上記CMP工程において本発明に係る研磨装置を用い、ウエハを被研磨物として研磨する。これにより、研磨されたウエハから切り出せるチップ数が増大し、製造される半導体デバイスの歩留まりを向上させることができるので、従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コストで半導体デバイスを製造することが可能となる。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に上記本発明に係る研磨装置(CMP装置1)を用いても良い。また、本発明による半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは、高歩留まりで製造されるので低コストの半導体デバイスとなる。また、これらの半導体デバイスは平坦度の高いウエハをベースにしているので、配線の絶縁不良やショートなどの不具合の少ない、性能のよいデバイスとなる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、ロードセル81の荷重検出面81とウエハWの表面Sfとは同じ高さに位置していたが、ロードセル81の荷重検出面81とウエハWの表面Sfとは必ずしも同じ高さに位置していなくてもよい。しかし、このような構成を採る場合であっても、研磨時供給圧力ppの検出時におけるロードセル81の荷重検出面81aと研磨ヘッド20との間の上下方向距離と、ウエハWの研磨時におけるウエハWの表面Sfと研磨ヘッド20との間の上下方向距離とは等しくする必要があるので、この点、上述の実施形態のように、ロードセル81の荷重検出面81とウエハWの表面Sfとが同じ高さに位置しているのであれば、研磨ヘッド20の下限移動位置が一定になるようにするだけで、研磨時供給圧力ppの検出時におけるロードセル81の荷重検出面81aと研磨ヘッド20との間の上下方向距離と、ウエハWの研磨時におけるウエハWの表面Sfと研磨ヘッド20との間の上下方向距離とを等しくすることができ、構成を非常に簡単なものとすることができる。
また、上述の実施形態に示したCMP装置1は、ドライブリング26及びダイアフラム27からなる薄板部材がウエハWの研磨の全工程において下方に撓むように構成されたものであったが、薄板部材がウエハWの研磨の全工程において上方に撓む構成としてもよい。この場合には、研磨パッド42の厚さ減少に従って薄板部材の変形は小さくなっていき、撓みのない中立姿勢に近づくことになる(また、薄板部材は研磨体40を下方に押し下げるように作用する)が、薄板部材が中立位置を超えて下方への撓みに反転することがないようにする必要がある。撓みが中立位置を超えて下方への撓みに反転すると、その反転する近傍領域では薄板部材の撓み変形量と薄板部材が研磨体40に及ぼす荷重との関係が不規則になる可能性があり、ウエハWの研磨状態に悪影響を与える恐れがあるからである。また、上述の実施形態では、本発明の研磨装置としてシリカ粒を含んだスラリーを供給しつつウエハの研磨を行うCMP装置を例に説明したが、本発明の研磨装置はこのようなCMP装置に限られず、ウエハの研磨装置全般に適用することが可能である。また、上述の実施形態では、本発明に係る研磨装置及び研磨方法により研磨される被研磨物は、上述の実施形態では半導体ウエハであるとしていたが、これは一例であり、被研磨物は半導体ウエハ以外のものであっても構わない。
また、上述の実施形態に示したCMP装置1は、高圧空気供給装置51から圧力室31内に高圧空気を供給する構成となっているが、高圧空気供給装置51に加えて、真空ポンプを組み合わせて、それを圧力室31内に空気圧を供給する空気圧供給装置とすることで、圧力室31内に供給される空気圧を大気圧に対して負圧とすることも可能である。これにより、CMP装置1の研磨圧力の範囲を広げることができる。
1 CMP装置
20 研磨ヘッド
21 研磨体保持体
26 ドライブリング
27 ダイアフラム
29 第1プレート
31 圧力室
41 第2プレート
42 研磨パッド
51 高圧空気供給装置
60 制御装置
72 圧力検出器
81 ロードセル
W 半導体ウエハ
20 研磨ヘッド
21 研磨体保持体
26 ドライブリング
27 ダイアフラム
29 第1プレート
31 圧力室
41 第2プレート
42 研磨パッド
51 高圧空気供給装置
60 制御装置
72 圧力検出器
81 ロードセル
W 半導体ウエハ
Claims (5)
- 下方に開口した中空形状の保持体、前記保持体の下部に水平に取付けられた可撓性のある薄板部材、前記薄板部材の下面に取付けられたプレート部材及び前記プレート部材の下面に取付けられた研磨パッドを有して構成された研磨ヘッドと、
前記保持体と前記薄板部材との間に形成された圧力室内に空気圧を供給する空気圧供給手段と、
上方からの押付け荷重を検出する押付け荷重検出手段と、
前記押付け荷重検出手段の上方位置に前記研磨ヘッドを位置させたうえで、前記押付け荷重検出手段の荷重検出面と前記研磨ヘッドとの間の距離を所定間隔に保ち、前記研磨パッドを前記押付け荷重検出手段の荷重検出面に接触させた状態で前記空気圧供給手段より前記圧力室内に空気圧を供給させ、前記押付け荷重検出手段により検出される前記研磨ヘッドからの押付け荷重が予め定めた目標値と一致したときの前記空気圧を研磨時供給圧力として検出する研磨時供給圧力検出手段と、
前記被研磨物の上方位置に前記研磨ヘッドを位置させたうえで、前記被研磨物の表面と前記研磨ヘッドとの間の距離を前記所定間隔に保ち、前記研磨パッドを前記被研磨物の表面に接触させた状態で前記空気圧供給手段より前記圧力室内に空気圧を供給させ、前記圧力室内の圧力を前記研磨時供給圧力検出手段により検出された前記研磨時供給圧力に保持した状態で前記被研磨物と前記研磨ヘッドとを相対移動させて前記被研磨物の研磨を行う研磨実行手段と、
前記研磨時供給圧力検出手段による前記研磨時供給圧力の検出と前記研磨実行手段による前記被研磨物の研磨とを交互に行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする研磨装置。 - 前記押付け荷重検出手段の前記荷重検出面と前記被研磨物の表面とは同じ高さに位置していることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
- 下方に開口した中空形状の保持体、前記保持体の下部に水平に取付けられた可撓性のある薄板部材、前記薄板部材の下面に取付けられたプレート部材及び前記プレート部材の下面に取付けられた研磨パッドを有して構成された研磨ヘッドを備えた研磨装置を用いて被研磨物の研磨を行う研磨方法において、
上方からの押付け荷重を検出する押付け荷重検出手段の上方位置に前記研磨ヘッドを位置させたうえで、前記押付け荷重検出手段の荷重検出面と前記研磨ヘッドとの間の距離を所定間隔に保ち、前記研磨パッドを前記押付け荷重検出手段の前記荷重検出面に接触させた状態で前記圧力室内に空気圧を供給させ、前記押付け荷重検出手段により検出される前記研磨ヘッドからの押付け荷重が予め定めた目標値と一致したときの空気圧を研磨時供給圧力として検出する第1の工程と、
前記被研磨物の上方位置に前記研磨ヘッドを位置させたうえで、前記被研磨物の表面と前記研磨ヘッドとの間の距離を前記所定間隔に保ち、前記研磨パッドを前記被研磨物の表面に接触させた状態で前記圧力室内に空気圧を供給させ、前記圧力室内の圧力を前記第1の工程において検出した前記研磨時供給圧力に保持した状態で前記被研磨物と前記研磨ヘッドとを相対移動させて前記被研磨物の研磨を行う第2の工程とを有し、
前記第1の工程と前記第2の工程とを交互に行うことを特徴とする研磨方法。 - 前記被研磨物が半導体ウエハであり、請求項3に記載の研磨方法を用いて前記半導体ウエハの表面を平坦化する工程を有したことを特徴とする半導体デバイス製造方法。
- 請求項4に記載の半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする半導体デバイス。
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