JP5407337B2 - 還元スラグの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、還元スラグの処理方法に関し、さらに詳しくは、Crを含む溶鋼を還元精錬した後に排出される還元スラグからの6価クロムの溶出を抑制することが可能な還元スラグの処理方法に関する。
電気炉製鋼法は、電気エネルギーを利用して、鉄スクラップを溶解し、鋼を製造する方法である。
電気炉製鋼法は、
(1)炉内に装入する材料の制約が少なく、装入物を急速に溶解することができる、
(2)炉内雰囲気の調整が可能であるため、酸化しやすい元素の回収が容易であり、P、S、Oなどの有害元素の少ない鋼を製造できる、
(3)炉内温度の調節が容易であるため、製鋼反応を十分に行うことができる、
などの利点がある。そのため、電気炉製鋼法は、主としてステンレス鋼のような良質で高価な鋼の製造方法として用いられている。
電気炉を用いた鋼の精錬は、酸化精錬と還元精錬に大別される。酸化精錬とは、炉内に生石灰などを添加して酸化スラグを生成させ、脱リン及び脱炭を主目的として行われる精錬をいう。還元精錬とは、酸化スラグをできるだけ取り除いた後、炉内に生石灰、脱酸剤(Al、Siなど)などを投入して還元スラグを生成させ、脱硫及び脱酸を主目的として行われる精錬をいう。
電気炉製鋼法は、炉内雰囲気の調整が可能であるため、電気炉内において還元精錬を行うことも可能であるが、現在では、酸化精錬が終わった溶鋼を電気炉から取鍋に移し、取鍋内で還元精錬を行う炉外精錬法が一般的である。
鋼の精錬が終了した後、スラグは、炉外に排出される。スラグは、肥料やセメントに再利用されることもあるが、一般的には、埋め立て材として利用されることが多い。
ここで、酸化スラグにクロムが含まれる場合、クロムは、無害な3価クロムの状態で存在する。しかしながら、還元スラグにクロムが含まれる場合、クロムの一部が毒性の高い6価クロムになっている場合がある。そのため、このような還元スラグをそのまま埋め立て材として利用すると、還元スラグから土壌中に6価クロムが溶出するおそれがある。
このようなスラグからの6価クロムの溶出の問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、転炉ダスト、Mn鉱石などの酸化鉄源及び/又は酸化マンガン源を排滓鍋に敷き込み、その上にステンレス鋼の精錬に用いた溶融スラグを排出する無害化スラグの製造方法が開示されている。
同文献には、このような方法によりCrの80質量%以上がFeO・Cr23及び/又はMnO・Cr23として存在するスラグが得られ、スラグ中からの6価クロムの溶出を抑えることができる点が記載されている。
また、特許文献2には、
(1)含クロム鋼を炉外精錬する時に発生するスラグの塩基度をCaO/SiO2>1.2に調整することによって3価のクロム酸化物Cr23の濃度を3.0wt%以下とし、
(2)排滓後にスラグが大気にさらされる面積ができるだけ小さくなるように、スラグ湯面面積(S)/スラグ容積(V)比が4以下である容器にスラグを排出する、
含クロム鋼精錬スラグの処理方法が開示されている。
同文献には、スラグ中のCr23の濃度が低くなるほど、及び、排滓後にスラグが大気にさらされる面積が小さくなるほど、6価のクロム酸化物(CaCrO4)の生成を抑制できる点が記載されている。
また、特許文献3には、ステンレス鋼スラグにアルカリ土類金属を含む化合物を混合する鉄鋼スラグからの6価クロムの溶出抑制方法が開示されている。
同文献には、ステンレス鋼スラグとアルカリ土類金属を含む化合物とを混合し、これと水とを接触させると、溶液中のpHが11.5〜12.5となり、6価クロムの溶出が抑制される点が記載されている。
さらに、特許文献4には、クロム酸化物含有スラグを温水中に浸漬し、クロム酸化物含有スラグに含まれる6価クロムを温水中に溶出させるクロム酸化物含有スラグの処理方法が開示されている。
同文献には、
(1)このような方法によりクロム含有スラグからの6価クロムの溶出値を土壌環境基準値以下にすることができる点、及び、
(2)排水中には6価クロムが含まれるが、排水に多硫化カルシウムを添加すると、排水から6価クロムを除去できる点、
が記載されている。
特開2005−298834号公報 特開2008−081845号公報 特開2005−254082号公報 特開2005−201479号公報
スラグやスラグの処理を行った排水に、酸化鉄源、酸化マンガン源、アルカリ土類金属化合物、多硫化カルシウムなどの無害化剤を添加して、スラグからの6価クロムの溶出を抑制する方法は、無害化剤が必要となるだけでなく、無害化剤の添加や混合の工程が必要となるので、高コストである。
また、大気との接触面積を小さくすることによって、6価クロムの生成を抑制する方法は、溶融スラグ冷却用の特別の容器が必要となる。しかも、大気との接触面積が小さいので、スラグの冷却能力が低下し、処理効率に劣る。
さらに、無害化剤の添加や処理効率を低下させるような特別の処理を施すことなく、還元スラグを無害化させることが可能な方法が提案された例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、無害化剤の添加や処理効率を低下させるような特別の処理を施すことなく、還元スラグを無害化させることが可能な還元スラグの処理方法を提供することにある。

上記課題を解決するために本発明に係る還元スラグの処理方法は、
Crを含み、塩基度([%CaO]/[%SiO2])が1.5以上であり、S含有量が0.1mass%以上である還元スラグに、無害化させたい前記還元スラグの全体が完全に水没する量以上の量の水を加え、80℃以上の温度で反応させる反応工程を備えていることを要旨とする。
前記反応工程は、炉から排出された200℃以上の前記還元スラグに前記水を加えるものでも良い。あるいは、前記反応工程は、炉から排出され、200℃未満の温度に冷却された前記還元スラグに前記水を加え、加熱手段を用いて前記水を80℃以上に加熱するものでも良い。
所定量のSを含む還元スラグを水で浸潤させ、80℃以上の温度で反応させると、還元スラグからの6価クロムの溶出を抑制することができる。これは、まず還元スラグに含まれるS含有化合物(主として、CaS)が水と反応することによってS2-(H2S)となり、次いでS2-がCr6+をCr3+に還元するためと考えられる。
冷間還元スラグに含まれる6価クロム濃度に及ぼす処理温度、処理時間及び攪拌の有無の影響を示す図である。 熱間還元スラグに含まれる6価クロム濃度に及ぼす処理時間の影響を示す図である。 6価クロムの処理速度に及ぼす還元スラグ中のS含有量の影響を示すずである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 還元スラグの処理方法]
本発明に係る還元スラグの処理方法は、
Crを含み、塩基度([%CaO]/[%SiO2])が1.5以上であり、S含有量が0.1mass%以上である還元スラグを水で浸潤させ、80℃以上の温度で反応させる反応工程を備えている。
[1.1. 還元スラグ]
本発明において、「還元スラグ」とは、脱硫及び脱酸を主目的とする還元精錬を行った後に得られるスラグをいう。還元精錬は、電気炉内において行っても良く、あるいは、取鍋内(いわゆる、炉外精錬)で行っても良い。炉外精錬法としては、例えば、取鍋(LF)法、アルゴン酸素脱炭(AOD)法などがある。
「Crを含む鋼」とは、還元精錬後に溶鋼中のCrの一部が還元スラグに移行する程度の量のCrを含む鋼をいう。このような鋼としては、例えば、ステンレス鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、軸受け鋼、工具鋼などがある。
Crを含む鋼を還元精錬すると、還元スラグには所定量のCrが含まれる。還元スラグ中のCr含有量は、溶鋼の組成や還元精錬の方法により異なる。例えば、電気炉において酸化精錬されたステンレス鋼を還元精錬する場合、還元スラグには、通常、0.1〜1wt%のCrが含まれる。一般に、塩基度が高く、還元スラグ中のCr濃度が高くなるほど、6価クロムが生成しやすくなる。
還元スラグの塩基度([%CaO]/[%SiO2])は、1.5以上である必要がある。一般に、還元スラグの塩基度が高くなるほど、脱硫反応は促進されるが、塩基度が1.5以上(特に、2.0以上)になると、6価クロムが生成しやすくなる。そのため、このような高塩基度の状態で還元精錬した後に得られる還元スラグに対して本発明を適用すると、6価クロムの溶出を効率よく抑制することができる。
還元スラグのS含有量は、0.1mass%以上である必要がある。還元スラグ中のS含有量が多くなるほど、6価クロムの無害化能力が大きくなる。還元スラグのS含有量は、さらに好ましくは、0.3mass%以上である。
還元スラグに所定量のSが含まれていると、還元スラグを水で処理する際にスラグ中のS含有化合物と水が反応してS2-を生成し、S2-が6価クロムの還元剤として機能する。その結果、6価クロムを無害な3価クロムにすることができる。すなわち、本発明においては、還元スラグに含まれるS含有化合物を積極的に利用して6価クロムを無害化する点を特徴としており、多硫化カルシウムのような無害化剤を使用しない。この点が、従来の方法とは異なる。
[1.2. 水との反応]
還元スラグ中に含まれる6価クロムを無害化させるためには、上述した条件を満たす還元スラグを水で浸潤させ、80℃以上の温度で反応させる必要がある。
ここで、「水で浸潤させる」とは、無害化させたい還元スラグの全体が完全に水没する量以上の量の水を加えることをいう。
反応時の水の温度は、80℃以上である必要がある。水の温度が80℃未満になると、S2-の生成が遅くなる。そのため、S2-と6価クロムの反応が遅くなり、現実的な処理時間内で6価クロムを無害化することができない。反応時の水の温度は、さらに好ましくは、90℃以上、さらに好ましくは、95℃以上である。
反応時間は、6価クロムが無害化する時間以上であれば良い。6価クロムを無害化できる時間は、反応温度により異なる。例えば、水の温度が80℃以上である場合、処理時間は、10時間以上が好ましい。また、例えば、水の温度が95℃以上である場合、処理時間は、1時間以上が好ましい。
還元スラグと水とを80℃以上の温度で反応させる方法には、種々の方法がある。
第1の方法は、炉から排出された200℃以上の還元スラグ(熱間還元スラグ)に水を加える方法である。炉から排出された溶融還元スラグは、一旦、容器内で保持し、固化させる。固化した直後の還元スラグの温度は、通常、1000℃程度である。このような200〜1000℃の還元スラグを処理槽に移し、これに水を加えると、還元スラグが持つ熱によって水が80℃以上に加熱される。この方法は、水を加熱するための熱源を必要としないので、低コストである。
第2の方法は、炉から排出され、200℃未満の温度に冷却された還元スラグ(冷間還元スラグ)に水を加え、加熱手段を用いて水を80℃以上に加熱する方法である。200℃未満に冷却された還元スラグを処理槽に移し、これに水を加えても、水の温度は80℃以上にならない場合が多い。このような場合には、加熱手段を用いて水を加熱するのが好ましい。
加熱手段は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。
加熱手段としては、例えば、
(1)処理槽内に蒸気パイプを通し、工場排熱等を利用して生成させた高温の蒸気を蒸気パイプに流す方法、
(2)処理槽内の水をバーナーで加熱する方法、
などがある。
いずれの方法を用いて還元スラグと水とを反応させる場合においても、還元スラグを攪拌しながら反応させるのが好ましい。特に、上述した第1の方法を用いて反応させる場合において、固化した還元スラグの温度が高すぎると、固化した還元スラグ間に水蒸気が溜まり、水の侵入を妨げる場合がある。このような場合に還元スラグの攪拌を行うと、水蒸気が大気に放出され、還元スラグと水とを十分に接触させることができる。
また、第2の方法を用いて反応させる場合においても、攪拌は有効である。これは、攪拌によって還元スラグに含まれるS含有化合物(例えば、硫化カルシウム)からの分解硫黄化合物の生成が促進されるためである。
[2. 還元スラグの処理方法の作用]
酸化スラグにCrが含まれている場合であっても、高温において長時間の保持をしない限り、6価クロムが生成することはない。一方、還元スラグは、アルカリ分を含んでいるので、Crを含む還元スラグが大気に曝されると、6価クロムが生成するおそれがある。
これに対し、所定の塩基度及び所定のS含有量を持つ還元スラグを水で浸潤させ、80℃以上の温度で反応させると、還元スラグからの6価クロムの溶出を抑制することができる。これは、まず(1)式に示すように、還元スラグに含まれるS含有化合物(主として、CaS)が水と反応することによってS2-(H2S)となり、次いで(2)式に示すようにS2-がSO4 2-へ酸化される過程で、Cr6+がCr3+に還元されるためと考えられる。
CaS+2H2O → Ca(OH)2+H2S ・・・(1)
2-→Sm 2-(5≧m≧1)→S0→S23 2-→SO3 2-→SO4 2- ・・・(2)
本発明に係る還元スラグの処理方法は、無害化剤の添加や処理効率を低下させるような特別の処理を施すことなく還元スラグを無害化することができるので、低コストである。また、このような処理が施された還元スラグは、6価クロムの溶出のおそれが少ないので、埋め立て材などに再利用することができる。
(実施例1〜4)
[1. 還元スラグの処理]
オーステナイト系ステンレス鋼を電気炉において溶解した後、AOD内で還元精錬を行った。還元精錬後、AODから還元スラグを排出し、固化させた。得られた還元スラグは、塩基度(CaO/SiO2):2.2、S含有量:0.7mass%、Cr含有量:0.1mass%であった。
還元スラグの温度が200℃未満になるまで冷却した後、加熱用の蒸気パイプを備えた処理槽に移し、還元スラグ(冷間還元スラグ)を水で浸潤させた。次いで、蒸気パイプで処理槽内の水を加温した。処理条件は、
(1)水温80℃、攪拌有り(実施例1)、又は
(2)水温100℃、攪拌有り(実施例2)、
(3)水温80℃、攪拌なし(実施例3)、
(4)水温100℃、攪拌なし(実施例4)、
とした。
[2. 試験方法]
水と所定時間反応させた後の還元スラグを取り出し、還元スラグ中の6価クロムの濃度を測定した。6価クロムの測定法には、ジフェニルカルバジド吸光光度法を用いた。
[3. 結果]
図1に、冷間還元スラグに含まれる6価クロムの濃度に及ぼす処理温度、処理時間及び攪拌の有無の影響を示す。
図1より、
(1)所定の条件を満たす還元スラグを、所定条件下で水と反応させるだけで、還元スラグ中の6価クロム濃度を減少させることができる、
(2)水温が80℃、攪拌有りの場合、10時間以上の処理で6価クロムをほぼ無害化できる、
(3)水温が100℃、攪拌有りの場合、1時間以上の処理で6価クロムをほぼ無害化できる、
(4)水温が80℃、攪拌なしの場合、10時間程度の処理では6価クロムをほとんど無害化できない、
(5)水温が100℃の場合、攪拌なしでも7時間以上の処理で6価クロムをほぼ無害化できる、
ことがわかる。なお、水温80℃、攪拌なしの場合、図示はしないが、24時間以上の処理で6価クロムをほぼ無害化できることを確認した。
(実施例5)
[1. 還元スラグの処理]
オーステナイト系ステンレス鋼を電気炉において酸化精錬した後、AOD内で還元精錬を行った。還元精錬後、AODから還元スラグを排出し、固化させた。得られた還元スラグは、塩基度(CaO/SiO2):2.2、S含有量:0.7mass%、Cr含有量:0.1mass%であった。
固化させた直後の還元スラグ(熱間還元スラグ)を処理槽に移し、還元スラグを水で浸潤させた。処理槽内において、還元スラグの攪拌を行った。
[2. 試験方法]
水と所定時間反応させた後の還元スラグを取り出し、還元スラグ中の6価クロムの濃度を測定した。6価クロムの測定法には、ジフェニルカルバジド吸光光度法を用いた。
[3. 結果]
図2に、熱間還元スラグに含まれる6価クロムの濃度に及ぼす処理時間の影響を示す。
図2より、熱間還元スラグに水を加えるだけで、約6時間後に6価クロムをほぼ無害化できることがわかる。
(実施例6)
[1. 試験方法]
塩基度(CaO/SiO2=C/S)の異なる種々の還元スラグに含まれる6価クロム量、及び無害化処理後の還元スラグに含まれる6価クロム量をジフェニルカルバジド比色法を用いて測定した。
[2. 結果]
表1に、その結果を示す。表1より、
(1)還元スラグ中の塩基度が高くなるほど、6価クロムの濃度が増大する、
(2)低濃度の6価クロムを含む還元スラグだけでなく、高濃度の6価クロムを含む還元スラグであっても、本発明に係る方法により無害化することができる、
ことがわかる。
Figure 0005407337
(実施例7)
[1. 試験方法]
S含有量の異なる種々の還元スラグを水で浸潤させた。次いで、水温:100℃、攪拌有りの条件下で、還元スラグの無害化処理を行った。処理後の還元スラグを取り出し、還元スラグ中の6価クロムの濃度を測定した。6価クロムの測定法には、ジフェニルカルバジド吸光光度法を用いた。
[2. 結果]
図3に、6価クロムの処理速度に及ぼす還元スラグ中のS含有量の影響を示す。図3中、縦軸は、処理前の還元スラグに含まれる6価クロム濃度(初期濃度)に対する処理後の6価クロム濃度の割合を表す。
図3より、還元スラグ中のS濃度が高くなるほど、短時間で6価クロムを無害化できることがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る還元スラグの処理方法は、Crを含む溶鋼を還元精錬した後に排出される還元スラグからの6価クロムの溶出を抑制する方法として用いることができる。

Claims (4)

  1. Crを含み、塩基度([%CaO]/[%SiO2])が1.5以上であり、S含有量が0.1mass%以上である還元スラグに、無害化させたい前記還元スラグの全体が完全に水没する量以上の量の水を加え、80℃以上の温度で反応させる反応工程を備えた還元スラグの処理方法。
  2. 前記反応工程は、炉から排出された200℃以上の前記還元スラグに前記水を加えるものである請求項1に記載の還元スラグの処理方法。
  3. 前記反応工程は、炉から排出され、200℃未満の温度に冷却された前記還元スラグに前記水を加え、加熱手段を用いて前記水を80℃以上に加熱するものである請求項1に記載の還元スラグの処理方法。
  4. 前記反応工程は、前記還元スラグを攪拌しながら反応させるものである請求項1から3までのいずれかに記載の還元スラグの処理方法。
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