JP2011084777A - 電気炉を用いて行う製鋼精錬方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】精錬終了時にCr:0.1質量%以上3.0質量%以下、P:0.002質量%以上0.20質量%以下を含有する溶鋼を対象として、T.Fe:4質量%以上30質量%以下、Na2O:4質量%以上20質量%以下であるとともに、(%CaO)、(%Al2O3)および(%Cr2O3)の比が、1.0≦(%CaO)/{(%Al2O3)+(%Cr2O3)}≦3.0を満足する組成を有するスラグを生成する。
【選択図】図1
Description
(課題1)
溶銑への適用を前提とする発明では、脱珪処理によってSiO2が安定かつ大量に含まれるCaO−SiO2系を基本組成とするスラグが形成される。一方、電気炉の製鋼工程で形成されるスラグにおいては、SiO2濃度が大きく変動したり、あるいはSiO2に代わってAl2O3が多量に含まれることが全く考慮されていない。
溶銑の処理は、高々1400℃程度までの処理温度を考慮すればよいが、溶鋼は1500℃以上の高温で処理されるので、処理温度の相違に対応する必要がある。
形成されるスラグの組成や処理温度が異なると、電気炉からのスラグの排滓性も大きく相違するため、スラグの排滓性の確保も考慮する必要がある。
鉄スクラップを主原料とした溶解であることを勘案すれば、鉄スクラップに含まれる有価金属成分(例えばCr)を溶鋼に残存することができれば、合金コストすなわち製鋼コストの削減を図ることができるが、従来の技術にはこのような観点からの示唆や解決策がない。
・・・・・(1)
この本発明では、生成したスラグの組成範囲が、CaO:25質量%以上50質量%以下、SiO2:2質量%以上25質量%以下、Al2O3:6質量%以上30質量%以下、Cr2O3:0.2質量%以上35質量%以下、MgO:15質量%以下、MnO:20質量%以下、P2O5:5質量%以下になるよう調整することが望ましく、さらに、不可避的不純物の含有濃度を酸化物換算で5質量%以下に制限することが望ましい。
これらの本発明では、スラグを生成させる際に用いる媒溶剤に、カルシウムフェライトまたは炭酸ナトリウムのいずれか一方または両方を用いることが望ましい。
溶銑脱りんに用いられるCaO−SiO2系スラグでは、塩基度が高く、かつ溶銑中りんを酸化するに足る酸素供給が充分になされるスラグであれば、スラグ中に含まれる酸化物は融体中にりん酸イオン(PO4 3−)の形で溶解するとされる。
CaOは、脱りんや溶鋼の被覆のための媒溶剤であり、具体的には生石灰の形が一般的である。スラグ中CaOの濃度の一部は、製鋼スラグの再利用剤や、滓化促進のためのCaO−Al2O3系媒溶剤、さらには酸化鉄源と酸化促進のためのCaO−FeOt系媒溶剤(カルシウムフェライトなど)等によって充当してもよい。脱りんのためにはCaO濃度は25質量%以上であることが望ましい。しかし、滓化性等を確保するためには50質量%以下であることが望ましい。さらに望ましくは45質量%以下である。
スラグ中SiO2は、オルト珪酸ナトリウム等でNa2O添加時の随伴媒溶剤、スクラップ中Siの酸化、予備的脱酸調整のためのFeSi添加、さらには媒溶剤の一部に製鋼スラグに置き換えた場合に含まれる。SiO2濃度が10質量%以下までは滓化等に好影響を及ぼすこともあって積極的な添加が許容される。しかしながら、SiO2濃度が高くなるに伴って必然的にスラグの塩基性が低下し、リン酸イオンの溶解度も低下する。したがって、SiO2濃度は25質量%以下であることが望ましく、さらに望ましくは15質量%以下である。
スラグ中Al2O3は、スクラップ中Alの酸化、予備的脱酸調整のためのAl添加、さらには媒溶剤の一部に製鋼スラグに置き換えた場合に含まれるものである。また、スラグ中Al2O3の濃度の一部は、媒溶剤の滓化促進としてCaO−Al2O3系媒溶剤等によって充当してもよい。Al2O3濃度は、滓化の確保のために6質量%以上であることが望ましく、脱りんのために30質量%以下であることが望ましい。確実な脱りんのためにはより望ましくは25質量%以下である。
スラグ中Cr2O3は、スクラップ中Crの酸化や、媒溶剤の一部に製鋼スラグを置き換えた場合に含まれるものである。スラグ中Cr2O3は、可及的少量であることが望ましい一方で、酸素源を供給して脱りんを行うのでCr2O3濃度の増加は不可避である。スラグ中Cr2O3濃度は可及的少量であることが望ましいが、スクラップを溶解して得られる溶鋼のCr濃度が0.1mass%以上であれば、0.2質量%以上は含まれる。一方、滓化および脱りんの観点から、Cr2O3濃度は35質量%以下であることが望ましく、さらに望ましくは30質量%以下である。
スラグ中MgOについては、1〜5質量%程度の含有は耐火物等の溶損緩和の観点から許容される。しかし、MgO濃度が15質量%を超えると、融点の高い固相が生成して滓化性が悪化し、脱りん能も低下する。したがって、MgO濃度は、可及的少量であることが望ましく、15質量%以下であることが望ましい。より望ましくは10質量%以下である。
スラグ中MnOは、スクラップ中のMnの酸化等により供給される。製品となる溶鋼でMn濃度を求められる場合には、できりだけ溶鋼側に残存させることが望ましい。一方で、酸素源を供給して脱りんを行うのでMnO濃度の増加は不可避である。MnO濃度は、滓化および脱りんの観点から、20質量%以下であることが望ましく、さらに望ましくは10質量%以下である。なお、スラグ中MnOがスクラップ等に由来する場合、Cr2O3と同様に、本発明を適用することで、有価金属成分であるMnの収率の向上も期待できる。
本発明はスラグによる脱りんを行うものであるので、処理後のスラグには不可避的にりんが含まれる。りんは低いことが望ましく、スラグ中P2O5濃度は5質量%以下である。
さらに(%CaO)、(%Al2O3)および(%Cr2O3)の比については、以下のような手法が適用できる。(%CaO)は媒溶剤に含まれるCaO量から、(%Al2O3)は媒溶剤に含まれる%Al2O3は量に加えてスクラップ中に含有されるAlが全て酸化した量から、その濃度を推定できる。さらにCr2O3濃度については、スクラップ中の配合Cr濃度を予め求めておき、目標となる脱りん率を定め、本発明の検討で例示したような脱クロム率との関係から脱クロム率を得て、Cr2O3量、およびその濃度を得ることにより本発明の範囲にあることを知れば良い。本発明の範囲に入らない可能性がある場合には、添加する媒溶剤量を調整したり、添加するNa2O量を調整して脱クロム率を抑制するなどがある。
容量40トンを溶解可能な電弧式電気炉を製鋼炉として使用し、スクラップを主原料として、装入物をアーク溶解した。その後、2回のスクラップ追装および少量のコークス等の加炭を経て、ほぼ全量を溶解したところで、CaO分として生石灰を投入した。全量が溶解し、生石灰を添加し終わった時点で、溶鋼サンプルを採取し、これを処理前とした。
Claims (3)
- 電気炉を用いて製鋼精錬を行う方法であって、該精錬終了時にCr:0.1質量%以上3.0質量%以下、P:0.002質量%以上0.20質量%以下を含有する溶鋼を対象として、T.Fe:4質量%以上30質量%以下、Na2O:4質量%以上20質量%以下であるとともに、(%CaO)、(%Al2O3)および(%Cr2O3)の比が下記(1)式を満足する組成を有するスラグを生成することを特徴とする電気炉を用いて行う製鋼精錬方法。
1.0≦(%CaO)/{(%Al2O3)+(%Cr2O3)}≦3.0
・・・・・(1) - 前記生成したスラグの組成範囲が、CaO:25質量%以上50質量%以下、SiO2:2質量%以上25質量%以下、Al2O3:6質量%以上30質量%以下、Cr2O3:0.2質量%以上35質量%以下、MgO:15質量%以下、MnO:20質量%以下、P2O5:5質量%以下になるよう調整することを特徴とする、請求項1に記載の電気炉を用いて行う製鋼精錬方法。
- 前記スラグを生成させる際に用いる媒溶剤に、カルシウムフェライトまたは炭酸ナトリウムのいずれか一方または両方を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電気炉を用いて行う製鋼精錬方法。
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