JP6627601B2 - 溶銑の脱りん剤および脱りん方法 - Google Patents

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Description

本発明は、上底吹き転炉を用いて行う溶銑の脱りん処理方法に関し、吹錬時間が短い精錬工程でも効率的に低りん鋼を溶製できる溶銑の脱りん剤および脱りん方法に関するものである。
近年、鋼材に対する要求が高度化し、低りん鋼に対する需要が増加している。現在、溶銑の脱りん処理は、熱力学的に有利な溶銑段階の低温条件において処理する方法が、広く行われている。溶銑脱りんの装置としては、上底吹き転炉が適している。それは、脱りんに必要な酸化剤として、固体酸化源に比べて熱ロスの少ない気体酸素を、上吹きランスから高速で溶銑に吹きつけることが可能なためである。
溶銑脱りんは、溶銑段階の低温条件において行われるため、脱りん剤として使用されるCaOの滓化を促進させることが重要である。CaOの滓化には蛍石(CaF2)の使用が効果的であるが、蛍石を使用した場合にはCaOの滓化により発生したスラグがフッ素を含有するため、スラグの再利用先が大幅に制限されるなどの弊害が大きい。そのため、蛍石を用いないCaO滓化促進法が開発されてきた。
その方法として、例えば上底吹き転炉に装入された溶銑にカルシウムフェライトを含む精錬剤を添加する特許文献1、2の方法が知られている。カルシウムフェライトは、CaOとFe23の化合物からなる脱りん剤であり、溶銑脱りんプロセスの脱りん剤として一般的に用いられる生石灰と比較して、脱りんスラグへの溶解速度が高く、脱りん反応を促進することができる。また、特許文献3には、カルシウムフェライトの溶融性を改善するためにNa2Oを加えた脱りん剤について開示されている。
特開2013−163844号公報 特開2013−064167号公報 特開2012−12680号公報
しかしながら、特許文献1、2等に開示された脱りん処理に用いられる通常のカルシウムフェライトは、液相線温度が約1400℃であり、転炉内の溶銑の温度である1200〜1350℃よりも高い。これは上吹きランスから供給される酸素と溶銑中のSiやFeとの酸化反応によって生成する液体の脱りんスラグに、固体のカルシウムフェライトが溶解することになり、吹錬時間が短い場合は、カルシウムフェライトが十分に溶融せず、脱りんが不十分となり、[P](鋼中に溶存するPの質量%)が目標値に到達しない状態で吹錬が終了してしまうことが考えられる。
また、特許文献2には、吹錬時間を10分間程度とし、全吹錬時間の35%が経過した後にカルシウムフェライトを添加し始め、全吹錬時間の80%が経過するまでに添加を完了する技術が記載されている。ところが、例えば4分以内の短時間で吹錬を行う場合、特許文献2の方法では、カルシウムフェライトの溶融が不十分で、脱りん効率が悪化することが懸念される。
特許文献3には、Na2Oを含有したカルシウムフェライトについて記載されているが、それを用いた脱りん方法について記載されておらず、吹錬時間が短い場合に適した脱りん方法は不明である。また、本発明者らの上底吹き転炉を用いた実験によると、特許文献3に記載の脱りん剤を用いて4分程度の短時間で吹錬を行った場合、カルシウムフェライトは十分に溶解せず、脱りん効率も不十分であり、[P]<0.02%の低りん鋼の溶製が困難であった。
近年、転炉の生産効率を向上するため、溶銑脱りんプロセスの短時間化が図られており、例えば、4分程度の脱りん吹錬時間で[P]<0.02%の低りん鋼を溶製することが要求される。このような背景の中、短時間の吹錬を行った場合においても、低りん鋼の溶製が可能な脱りん剤および脱りん方法の開発が望まれている。
本発明は、このような観点に鑑みてなされたものであり、短時間の吹錬であっても、効率的に低りん鋼を溶製できる溶銑の脱りん剤および脱りん方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、カルシウムフェライトにSiO2、または、SiO2とNa2Oとを含有させ、さらにこれらの濃度を適正化することで、短時間の吹錬でも十分に精錬剤が溶解し、効率的に低りん鋼を溶製できることを見出した。
本発明は、CaOとFeとを合計で85.5質量%以上含有し、SiO濃度が2〜10質量%、(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.05〜0.3、(NaO質量%)/(SiO質量%)比が0.1〜1.15且つNa O濃度の上限が4.5質量%であり、残部が不可避的な不純物であることを特徴とする、溶銑の脱りん剤を提供する。
また、前記溶銑の脱りん剤を含む精錬剤を転炉内に添加し、溶銑の脱りん処理を行う方法であって、装入塩基度(CaO)/(SiO2)が1.3〜2.0であることを特徴とする、溶銑の脱りん方法を提供する。
前記溶銑の脱りん方法において、前記脱りん剤に含まれるCaO質量が、前記精錬剤に含まれるCaO質量の20%以上であることが好ましい。また、前記精錬剤を、溶銑の装入よりも前に転炉内に投入することが好ましい。
本発明によれば、上底吹き転炉における脱りん処理において、SiO とNa Oとを適正濃度で含有した脱りん剤を用いることで、短時間の吹錬であっても十分に精錬剤が溶解し、効率的に低りん鋼を溶製することができる。
本発明に係る上底吹き転炉を用いた脱りんプロセスの概略を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本明細書において、カルシウムフェライトとは、CaOとFeとを主成分とする化合物であって、CaOとFeとの割合は質量比で4:6〜3:7であり、CaO質量%とFe質量%の合計は70質量%以上のものを指す。また、低りん鋼とは、鋳片段階での[P]が0.02%以下の鋼を指し、効率的とは、溶解した脱りん剤が、十分に脱りんに寄与することを指す。また、特に断らない限り、短時間の吹錬とは、吹錬時間が約2〜6分程度の吹錬のことを指す。
本発明者らは、上底吹き転炉の脱りんプロセスにおける脱りん剤としてのカルシウムフェライトの溶融性改善のため、CaOおよびFeに種々の化合物を添加し、これを溶解炉で完全溶融した種々の脱りん剤を作成した。次に、赤外線ゴールドイメージ炉を搭載した高温顕微鏡を用いて、これらの脱りん剤を加熱し、溶融終了温度を測定した。
その結果、通常のCaOおよびFeからなるカルシウムフェライト(以後、CFと記すことがある)に対して、CaO、Fe、およびSiOからなる脱りん剤(以後、CFSと記すことがある)は、溶融終了温度が低いことを見出した。これは、SiO脱りん剤の液相線温度を下げる効果を有するためと考えられる。
上記実験では、CFSの液相線温度は溶融終了温度から1350℃以下と推定され、CFの液相線温度(約1400℃)に対して低いことから、上底吹き転炉における脱りん吹錬にCFSを使用することで、CFを使用した場合に対して溶解速度は増大し、脱りんが促進されると考えられる。しかし、SiOは転炉スラグのフォスフェイトキャパシティーを下げるため、CFS中のSiO濃度が高くなりすぎると脱りん効率が悪化する。本発明者らは、このような状況を防止する適正なSiO濃度を調査し、CFS中のSiOを10質量%以下とすることで、脱りん効率の大きな悪化を抑制できることを見出した。
また、SiO濃度が低すぎると、CFSの溶解速度が小さく、短時間の吹錬で低りん鋼を溶製することが困難であったため、SiO濃度を2質量%以上とした。さらに本発明者らは、SiO濃度を3〜6質量%とすることでより高い効果を発現できることを確認した。
また、CFS中のSiO濃度が高くなることで、CFSの溶解速度が増大するが、脱りんに必要なCFS中のCaO濃度が、相対的に低くなるため、脱りんに対して、CFSのSiO濃度とCaO濃度には適正な組成が存在すると考えられる。この適正組成について、本発明者らは、SiOの質量%とCaOの質量%との比
(SiO質量%)/(CaO質量%)
を0.05〜0.3とすることで、低りん鋼を溶製できることを確認した。(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.05未満の場合、CFSの溶解速度が小さく、脱りんが不十分となる。また(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.3より大きい場合、CaO濃度が低すぎて脱りん効率が悪化する。なお、本発明者らは(SiO質量%)/(CaO質量%)比を0.1〜0.2に制御することで、より高い効果を発現し、さらに脱りんが促進されることを確認した。
さらに、本発明者らは、前述の赤外線ゴールドイメージ炉を搭載した高温顕微鏡を用いた実験により、CaO、Fe、SiO、およびNaOを含む脱りん剤(以後、CFSNと記すことがある)は、CFSに対して、溶融終了温度がさらに低いことを明らかにした。これは、NaOがCFSの液相線温度を下げる効果を持つためと考えられ、CFSNの液相線温度は溶融終了温度から1320℃以下と推定される。
また、上底吹き転炉の脱りんプロセスにおいて、CFSよりもCFSNの方が高い脱りん効率を示し、より[P]が低い鋼を溶製できることを確認した。これは、Na2Oがスラグのフォスフェイトキャパシティーを増大する効果をもつこと、Na2Oが転炉スラグの粘度を下げ、スラグ側のりんの物質移動を促進する効果を有することが原因と推定される。
CFSにおいて、SiO濃度を2〜10質量%、(SiO質量%)/(CaO質量%)比を0.05〜0.3とすることで、カルシウムフェライトの溶解速度が増大し、この効果により脱りんを促進することを上述した。一方で、SiOの添加はスラグのフォスフェイトキャパシティーを下げて、脱りん効率を悪化させる効果を有している。NaOは、このSiO添加によって低下したフォスフェイトキャパシティーを増大させる効果を持つことから、CFSNのSiO濃度とNaO濃度は脱りんを促進するうえで適正な質量比が存在すると考えられる。
この質量比について、本発明者らは、(Na2O質量%)/(SiO質量%)比を0.1以上とすることで、CFSに対して、より[P]が低い鋼を溶製できることを確認した。また、(Na2O質量%)/(SiO質量%)比が3.0より大きい場合、脱りん効率が悪化した。これは、転炉スラグ中のNa2Oに対するSiOの質量比が下がることで、Na2Oの活量が大きくなり、Na2Oのガス化が進行したことで、脱りんに必要なNa2Oを脱りんスラグに供給できなかったためと推定される。
なお、(Na2O質量%)/(SiO質量%)比を0.2〜2.0とすることで、脱りんを促進しつつ、スラグへのNa2Oの歩留りを、より高く維持できることを確認した。また、CFSに対して、CFSNは、転炉内でのスラグフォーミングが抑制され、転炉炉口やランスへの地金付着の抑制など操業安定化に寄与することがわかった。これは、Na2Oによる転炉スラグの粘度低減により、転炉スラグのフォーミングやスロッピングが抑制されたためと考えられる。
CFSを製造する際のSiO源としては、軟珪石やカンラン岩およびSiOを含む製鋼スラグ等がある。また、CFSNのNa2O源としては、Na2CO3、ソーダ石灰ガラス、メタケイ酸ソーダ等があり、ソーダ石灰ガラス、メタケイ酸ソーダはSiO源にもなる。
次に、本発明に係る脱りん剤を用いて脱りん処理を行う際の実施形態を説明する。
製鋼の精錬工程で用いられる精錬炉としては、通常、転炉が用いられ、転炉法による製鋼工程においては、主原料として溶銑とスクラップを装入して溶鋼が生産される。
図1に、上底吹き転炉を用いた精錬工程の概略を示す。最初に、図1(a)に示すように、転炉1内にスクラップ2を装入する。そして、スクラップ2の装入と同時に、本発明に係る脱りん剤であるCFSまたはCFSNを含む精錬剤3を炉内に投入する。CFS、CFSNの粒径は1〜50mm、好ましくは5〜35mm程度の粒径のものを使用することができる。
また、製鋼スラグ発生量削減および製造コスト削減の点から、CFSまたはCFSNを使用する際の転炉スラグの装入塩基度は1.3〜2.0が好ましい。装入塩基度とは、「転炉内へ供給する副原料中に含まれるCaO質量の合計」を分子とし、「転炉内へ供給する副原料中に含まれるSiO2質量の合計」と「溶銑およびスクラップ中に含まれているSiが全部SiO2に酸化されたとした場合のSiO2質量」との合計を分母として計算される比の数値である。さらに、本発明に係る脱りん剤の効果を十分に得るためには、脱りん剤から供給されるCaO量が、転炉内へ供給される精錬剤3に含まれる全CaO質量の20%以上であることが好ましい。
転炉1内にスクラップ2および精錬剤3を装入した後、炉内に溶銑4を装入し(図1(b))、その後、ランス5から酸素を溶銑4に吹き込む吹錬を行う(図1(c))。
吹錬によって、溶銑4中のりんが酸素およびスラグ中のCaOと反応して、スラグ側に移行する。通常、CaO源として生石灰は高融点であり、精錬時の溶銑温度での溶解速度は小さいが、本発明に係る脱りん剤であるCFSまたはCFSNは溶銑温度で溶融するため溶解速度が大きく、スラグ中のCaO濃度を早期に上昇させることで、溶銑の脱りんを促進することができる。
本発明において、CFSまたはCFSNを含む精錬剤3の投入は、転炉内に溶銑4を装入した後でも効果を発現するが、溶銑4の装入前に精錬剤3を投入しておくことが好ましい。これは、溶銑4の装入時の撹拌力を利用して、CFSまたはCFSNの溶解を促進するためである。あるいは、精錬剤のうちCFSまたはCFSNのみを溶銑4の装入前に投入し、精錬剤のその他の物質を吹錬時に投入してもよい。
CaOおよびFeからなるカルシウムフェライトは上述の通りCaOの溶融性を改善した化合物であり、生石灰等に対して溶融しやすく、脱りん効果を発揮することは周知であるが、本発明に係るSiOとNaOとを含有する脱りん剤を用いることで、さらに融点が下がり、脱りん効果を高めることができる。
脱りんを行う精錬の形態としては、脱りんを行った後に別の炉で脱炭を行う場合と、MURC(Multi Refining Converter)法と呼ばれる、脱りんを行った後、転炉を傾動してりん濃度が高いスラグを排出し、その後同一炉で継続して脱炭を行う場合等がある。本発明は、いずれの場合にも適用できるが、殊にMURC法では、脱りん時の吹錬時間が通常4分以内と短時間であり、このような場合でも、本発明に係る脱りん剤を用いた脱りん方法によれば、効率よく脱りん処理が行える。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、脱りん剤をCFSまたはCFSNとしたが、脱りん剤として、CFSとCFSNの両方を用いてもよい。
表1に示す種々の脱りん剤を用いて、転炉での脱りん処理を行った。ここで、表1の各脱りん剤の組成は、CaO,Fe,SiO,NaOの成分の合計が100質量%になるように化学分析値を案分した値である。脱りん処理の条件は、脱りん前[P]が0.1%、吹錬時間が3〜4分、装入塩基度が1.8、脱りん剤の使用量が10kg/tの条件である。表中の「成品[P]」は、鋳片段階での[P]である。また、「投入タイミング」とは、脱りん剤を転炉内に投入するタイミングであり、「溶銑装入前」もしくは「溶銑装入後」とした。
Figure 0006627601
参考例および本発明例であるNo.1〜No.6は、成品[P]<0.02%を達成し、特にNo.5とNo.6は成品[P]<0.016%であり、より優れた脱りん能を示すことがわかった。一方で、比較例であるNo.7〜11はいずれも成品[P]>0.02%であり、脱りんが不十分であった。
参考例であるNo.1およびNo.2は、SiOが2〜10質量%、(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.05〜0.3であり、SiOによりカルシウムフェライトの溶融が促進され、脱りんスラグへのCaOの供給速度が大きいため、脱りんが促進されたと考えられる。一方でNo.7はSiOが2質量%未満であり、カルシウムフェライトの溶解が不十分であったため、脱りんが不十分であったと考えられる。また、No.8はSiO濃度が10質量%より大きく、(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.3より大きいため、脱りんが不十分であったと考えられる。
また、本発明例であるNo.3およびNo.4は、SiOが2〜10質量%、(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.05〜0.3、さらに(NaO)/(SiO)比が0.1〜3.0であり、SiOおよびNaOによりカルシウムフェライトの溶融が促進され、NaOがスラグのフォスフェイトキャパシティーを増大したことで転炉スラグの粘度を下げ、スラグ側のりんの物質移動を促進したため、参考例であるNo.1やNo.2に対して、さらに脱りんが促進されたと考えられる。
また、本発明例であるNo.5、およびNo.6は、溶銑装入前に脱りん剤を転炉内に装入しており、溶銑装入後に脱りん剤を投入したNo.3およびNo.4に対してさらに脱りんが促進されている。これは転炉への溶銑装入の撹拌力を利用し、脱りん剤の溶解が促進されたためと考えられる。
一方で、No.9ではSiOが2質量%より小さく、脱りん剤の溶融が不十分であったこと、(Na2O)/(SiO)が3.0より大きく、Na2Oの気化によりNa2Oが十分に脱りんスラグ中に残留しなかったことで、脱りんが不十分であったと考えられる。また、No.10は、SiOが2質量%より小さく、さらに(Na2O)/(SiO)が0.1より小さく、Na2Oによりスラグのフォスフェイトキャパシティー、スラグ側のりんの物質移動速度を十分に大きくできなかったため、脱りんが不十分であったと考えられる。No.11はSiOが2質量%より小さく、さらに(Na2O)/(SiO)が3.0より大きく、Na2Oの気化によりNa2Oが十分に脱りんスラグ中に残留しなかったことで、脱りんが不十分であったと考えられる。
本発明は、製鋼工程において、鉄を含有するスクラップと溶銑を精錬炉に装入して吹錬し、溶鋼を溶製する際の脱りん処理方法に適用できる。
1 転炉
2 スクラップ
3 精錬剤
4 溶銑
5 ランス

Claims (4)

  1. CaOとFeとを合計で85.5質量%以上含有し、SiO濃度が2〜10質量%、(SiO質量%)/(CaO質量%)比が0.05〜0.3、(Na O質量%)/(SiO 質量%)比が0.1〜1.15且つNa O濃度の上限が4.5質量%であり、残部が不可避的な不純物であることを特徴とする、溶銑の脱りん剤。
  2. 請求項1に記載の溶銑の脱りん剤を含む精錬剤を転炉内に添加し、溶銑の脱りん処理を行う方法であって、
    装入塩基度(CaO)/(SiO )が1.3〜2.0であることを特徴とする、溶銑の脱りん方法。
  3. 前記脱りん剤に含まれるCaO質量が、前記精錬剤に含まれるCaO質量の20%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の溶銑の脱りん方法。
  4. 前記精錬剤を、溶銑の装入よりも前に転炉内に投入することを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の溶銑の脱りん方法。
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