JPH11131127A - 電気炉スラグによる精練方法 - Google Patents

電気炉スラグによる精練方法

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JPH11131127A
JPH11131127A JP9290688A JP29068897A JPH11131127A JP H11131127 A JPH11131127 A JP H11131127A JP 9290688 A JP9290688 A JP 9290688A JP 29068897 A JP29068897 A JP 29068897A JP H11131127 A JPH11131127 A JP H11131127A
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slag
caf
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reduction
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JP9290688A
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Kenichi Katayama
賢一 片山
Takashi Yamauchi
隆 山内
Morihiro Hasegawa
守弘 長谷川
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気アーク炉において酸化クロムの還元,脱
硫等に有効なスラグの精錬能を維持しつつ、スラグ発生
量が少なくなるように可能な限り造滓材の添加量を節減
する。 【構成】 ステンレス鋼用の電気アーク炉に溶解原料及
び造滓剤を添加して溶融スラグを生成させ、ステンレス
鋼用溶銑を溶解する際、CaF2 の一部代替物質として
含B23 物質を添加すると共に、スラグ予想量から必
要とされるCaF 2 の添加量を式(1)に従って削減す
る。含B23 物質としては、コレマナイト,ウレキサ
イト,カーン石,硼砂,B23 含有スラグ等が使用さ
れる。 0.5×WC ×WB ≦CaF2 削減量≦WC ×WB ・・
・・(1) ただし、 WC :含B23 物質を添加しない時のスラ
グに対するCaF2 割合量(重量%) WB :スラグに対するB23 の割合量(重量%)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼用溶銑を
溶製する電気アーク炉で生成するスラグを溶銑の精錬に
利用するステンレス鋼溶銑の精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気アーク炉を用いたステンレス鋼用溶
銑の溶製では、原料として各種スクラップが一般に用い
られている。そして、原料溶落ち後、溶製工程における
生産性向上,電力原単位の低減等を図るため、可能な限
り短時間で成分及び温度を調整し、出銑して次工程に搬
送している。そのため、炉内で生成した酸化物等のスラ
グが未反応で溶け残りや不均一等があると、精錬反応が
十分に進行しないことがある。ところで、近年では資源
の有効利用の観点から製鋼副産物等の酸化物原料を利用
した電気炉精錬が一部で実施されている。しかし、副産
物や酸化物原料の使用割合が増加するに従って、溶け残
りや不均一等の問題が一層顕在化する。
【0003】なかでも、スラグ中の酸化クロムは、スラ
グの組成条件によっては溶け難くなり、十分に還元され
ないまま系外に排出され易い。その結果、資源としての
クロムを損失していることになる。損失されたクロム
は、場合によっては選鉱等、スラグの再処理に多大の費
用をかけて回収される。また、副産物等を多量使用する
と、ステンレス鋼に混入するSの割合が必然的に多くな
る。そのため、過剰のCaOを投入し、溶解後の還元/
精錬期で脱硫反応を促進させることにより低S化してい
ることが現状である。しかし、CaOの過剰投入は、ス
ラグの塩基度(CaO/SiO2 )を高くし、スラグの
流動性を低下させる原因になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スラグの流動性は、ス
ラグの融点を下げるCaF2 を添加することにより確保
される。この方法では、原料溶落ち後、スラグ量又はC
aO投入量に応じてCaF2 を添加し、スラグを十分に
溶融状態にした上で出銑・出滓している。CaF 2 は、
たとえばスラグ量の10〜20%に当る量が添加されて
いる。しかし、スラグ量を増加させた精錬であるため、
本来メタル分溶解のために電力が投入される電気炉の電
力消費量をますます増加させることになる。また、同時
に発生するスラグの廃棄物としての処理費用を増加させ
ることにもなる。他方、酸化クロムの回収方法として
は、電気炉からの排滓前に1〜30重量%のアルミ灰及
び1〜20重量%のシリカ系物質を添加し、金属アルミ
により酸化クロムを還元回収することが特開平8−26
791号公報で紹介されている。しかし、還元された金
属クロムの回収に、スラグ処理工程で破砕磁選が余儀な
くされる。しかも、アルミ灰は、副産物とはいえど高価
なものであって、スラグ量の増加と相俟つて総合的にみ
て製造コストの上昇が避けられない。
【0005】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、CaF2 の代替物質として含B2
3 物質を使用することにより、電気アーク炉において
酸化クロムの還元,脱硫等に有効なスラグの精錬能を維
持しつつ、スラグ発生量が少なくなるように可能な限り
造滓材の添加量を節減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の精錬方法は、そ
の目的を達成するため、ステンレス鋼用の電気アーク炉
に溶解原料及び造滓剤を添加して溶融スラグを生成さ
せ、ステンレス鋼用溶銑を溶解する際、CaF2 の一部
代替物質として含B23 物質を添加すると共に、スラ
グ予想量から必要とされるCaF2 の添加量を式(1)
に従って削減することを特徴とする。含B23 物質と
しては、コレマナイト,ウレキサイト,カーン石,硼
砂,B23 含有スラグ等が使用される。 0.5×WC ×WB ≦CaF2 削減量≦WC ×WB ・・・・(1) ただし、 WC :含B23 物質を添加しない時のスラ
グに対するCaF2 割合量(重量%) WB :スラグに対するB23 の割合量(重量%)
【0007】
【実施の形態】電気アーク炉では、炭素又は黒鉛電極か
ら被加熱物に直接的に発生するアーク又は電極間に発生
するアークによって被加熱物が加熱・溶解する。本発明
で使用される電気アーク炉は、鉄,鋼,非鉄金属等の溶
解に使用されているアーク炉であり、交流式,直流式、
或いは単極式,多極式の何れをも使用できる。ステンレ
ス鋼を溶製する電気アーク炉では、各種の原料や副産物
が溶解されるため、生成するスラグは多成分系である。
スラグ成分の主なものとしてはCaO,SiO2 ,Ca
2 等があり、その他にMgO,Al23 ,Cr2
3 ,MnO等が含まれている。スラグ中の酸化クロム源
は、クロム鉱石,製鋼ダスト,熱延スケール,スラッジ
等の含クロム酸化物原料であり、電気炉操業において通
電開始前や通電中に投入される。
【0008】本発明に従った精錬法では、原料溶落ち後
のスラグ中酸化クロム濃度は通常数%になる。この酸化
クロムは、主として溶銑中のSiにより還元される。溶
銑Si源としては、原料のスクラップ,フェロアロイ中
のSi,Si合金等がある。場合によっては、酸化クロ
ムの還元に必要なSi量を確保するため、フェロシリコ
ン等の各種Si合金を添加することもある。スラグ中酸
化クロムを溶銑中Siで還元するためには、スラグとメ
タルとを十分に接触させ、クロムの還元反応を促進させ
ることが必要である。この点、電気炉に付設された各種
撹拌設備によってスラグ及びメタルを撹拌することが好
ましい。たとえば、電磁撹拌,ガスインジェクション等
が採用される。また、炉外の取鍋段階での撹拌も有効で
ある。
【0009】メタル及びスラグを十分に撹拌しても、ス
ラグに流動性がないと期待する還元反応が進行しない。
すなわち、還元及び脱硫反応はスラグ/メタル間の界面
反応であり、反応効率を上げるためにはスラグの表面積
を大きくすることが重要である。具体的には、スラグの
流動性を向上させメタルとの界面積を大きくすることに
より、還元及び脱硫反応を促進させることが可能とな
る。スラグの流動性は、一般的に融点降下剤として働く
CaF2 の添加によって向上する。CaF2 添加による
十分な効果を得るためには、スラグ量の8〜25重量
%,望ましくは10〜20重量%に当るCaF2 の添加
量が妥当とされている。このCaF2 の添加量は、電気
炉に原料として装入した酸化物のうち難還元性の酸化
物,スクラップや合金等のメタル原料中の酸化性元素及
びCaO量等のスラグ成分となることが予想される酸化
物の総重量の計算値によって求められるスラグ予想量か
ら定められる。しかし、CaF2 の添加は、前述したよ
うにスラグ量の増加を招き、電気アーク炉の電力消費量
を増加させる原因となる。
【0010】そこで、本発明においては、CaF2 の添
加量を削減し、スラグ発生量及びその処理コストを低減
するために、CaF2 の代替物質として含B23 物質
を用いている。含B23 物質の添加量を多くするほど
CaF2 の添加量が削減できるが、B23 の影響によ
って耐火物の溶損も大きくなる。したがって、B2 3
の最適添加量は、そのときの含B23 物質,CaF
2 ,耐火物等のコスト,スラグ処理コスト等を勘案して
定められる。なお、前掲した式(1)における割合量W
C ,WB は、積極的に添加するCaF2 ,B23 以外
に、すでに他の原料からスラグ中に混入する量も考慮に
入れた値であるが、以下の説明ではCaF2 及びB2
3 の添加量で説明する。含B23 物質としては、コレ
マナイト,硼砂等のB含有物質を選鉱濃縮処理したもの
等が使用される。或いは、既存の市販品のように、人工
的に物性値を調整したB23 含有スラグを作製し整粒
したものを使用することもできる。なかでも、原鉱石中
にNa2 Oを含むウレキサイト,カーン石等の含B2
3 物質は、Na2 Oが含B23 物質の融点を下げ、添
加時にスラグ中へ迅速に溶解されることから好適な含B
23 物質である。
【0011】含B23 物質の投入には、最小単位に袋
に梱包して投入する方法,粉体専用シュータを用いて粉
粒状のままで添加する方法等が採用される。或いは、添
加時の均一溶解や撹拌効果を狙って、粉体吹込み装置を
用いたインジェクションも好ましい投入方法である。含
23 物質の添加量は、耐火物の溶損に及ぼす影響等
を種々検討した結果、0.5重量%以下にする必要があ
る。この値を上限とし、B23 の添加量に応じてCa
2 削減量を式(1)に従って定めることにより、精錬
上の悪影響をもたらすことなくCaF2 の添加量が削減
される。なお、0.5重量%以下のB 23 添加量で
は、製品中へのBのピックアップは、品質に影響を及ぼ
さないレベル、すなわち僅か数ppm以下に過ぎない。 0.5×WC ×WB ≦CaF2 削減量≦WC ×WB ・・・・(1) ただし、 WC :B23 を添加しない時のスラグに対
するCaF2 添加量(重量%) WB :スラグに対するB23 の添加量(重量%)
【0012】B23 がスラグの改質に有効であること
は従来から知られているが、B2 3 の精錬能について
はこれまでの文献で報告されていない。本発明者等は、
スラグの改質を狙って調査・研究する過程で、スラグ改
質剤として用いたB23 がCaF2 と同様に精錬反応
を促進させる作用があることを見い出した。B23
精錬反応に有効な理由は、CaF2 のようにスラグの融
点を降下させるためか、或いはその他の理由によるもの
か明らかでないが、極微量のB23 添加でスラグ改質
に有効な作用が現れ、CaF2 に比較して少量で精錬に
効果があることが判った。
【0013】反面、B23 は、コストが高いばかりで
なく、少量でも耐火物に大きな悪影響を及ぼす。そこ
で、耐火物に悪影響を及ぼさない上限0.5重量%以下
の添加量でB23 を添加するとき、CaF2 の添加量
が削減でき、スラグ量を増加させることなく精錬反応が
促進されることを解明した。このように、B23 添加
量を0.5重量%以下に維持し、且つB23 添加量に
応じて本来の電気炉スラグの還元,脱硫作用を損なうこ
となくCaF2 添加量が削減される。また、適正範囲で
23 を添加するとスラグが塊成化し易くなり、粉状
のために処理が困難であったり、スラグの用途範囲を狭
めていた欠点が軽減される。具体的には、従来、製鋼ス
ラグの利用可能な分は道路路盤材等として消費されてい
るものの、利用できない分については埋立て等の廃棄処
分に付されている。この点、B23 添加したスラグ
は、塊成化し易いことから廃棄処分される割合が減少
し、各種分野で有効利用される割合が高くなる。
【0014】
【実施例】
実施例1:(CaF2 削減に及ぼすB23 添加の影響
についての基礎調査) 500kg規模のラボ実験により、酸化クロムの還元,
脱硫及び耐火物溶損に及ぼすCaF2 添加量の影響を調
査した。酸化クロムの還元は、出銑後のスラグ中酸化ク
ロム濃度を指標として評価した。また、出銑後の溶銑中
S濃度への影響を脱硫の指標として評価した。図1の調
査結果にみられるように、CaF2 添加量を8〜25重
量%にするとき、スラグ中酸化クロム濃度が安定して4
重量%以下に維持され、結果として脱硫反応も安定化
し、Sレベルが低い溶鋼が得られている。しかし、25
重量%を超えるCaF2 添加量では、増量に見合った脱
硫反応の促進がみられず、耐火物の溶損が著しくなって
いる。逆に8重量%未満のCaF2 添加量では、スラグ
の流動性が悪化し、スラグ中酸化クロムの十分な還元が
進行しなかった。
【0015】そこで、同様なラボ実験によりCaF2
削減に及ぼすB23 添加の影響を調査した。CaF2
の添加量Wc を8〜25重量%の範囲とし、各添加量W
c においてB23 の添加量WB を変化させた。そし
て、CaF2 削減量=0.5×WC ×WB 〜WC ×WB
としたときの結果を調査した。なお、耐火物への影響
は、B23 無添加の場合と比較した耐火物溶損速度比
で評価した。CaF2 添加量Wc を8重量%に設定した
ケースでは、図2にみられるようにB23 添加量WB
が増加するほど、CaF2 削減量=0.5×WC ×WB
〜W C ×WB に従ってCaF2 添加量Wc が削減できる
ことが判る。WB =0.5重量%まではCaF2 を削減
しても、酸化クロムの還元及び脱硫反応にほとんど影響
を及ぼしていない。しかし、0.5重量%を超える多量
のB23 を添加すると、耐火物の溶損が著しくなって
いる。
【0016】CaF2 添加量Wc を15重量%及び25
重量%に設定したケースについて、図3及び図4にそれ
ぞれ示す。これらのケースでは、B23 添加量WB
0.5重量%を超えても酸化クロムの還元及び脱硫反応
に若干の改善がみられたが、何れも耐火物の溶損が著し
く大きくなった。更に、各CaF2 添加量においてB2
3 添加によるCaF2 の削減量についてみると、何れ
の場合においてもCaF2 削減量を0.5×WC ×WB
〜WC ×WB の範囲に設定するとき、耐火物の溶損が著
しく増加することなく、酸化クロムの還元及び溶銑脱硫
が効果的に進行していることが判る。すなわち、B2
3添加量がWB ≦0.5重量%の範囲では、耐火物が著
しく溶損されず、(Cr23 )及び[S]の上昇もな
かった。
【0017】他方、CaF2 の削減量が0.5×WC ×
B を下回ると、耐火物が著しく溶損された。これは、
含B23 物質の添加に加えCaF2 の削減量が少ない
ことから、耐火物を溶損するスラグの作用が大きく働い
た結果と考えられる。逆にCaF2 の削減量がWC ×W
B を超えると、(Cr23 )及び[S]が上昇する傾
向がみられた。これは、CaF2 削減量を補償するだけ
のスラグ改質剤である含B23 物質が不足し、酸化ク
ロムの還元及び溶銑の脱硫が十分に進行しなかった結果
と考えられる。図2〜4では、CaF2 添加量レベルで
3ケースの例を示した。しかし、実際にCaF2 添加量
8〜25重量%の範囲で調査した結果、何れのケースで
も同様な傾向が見い出された。このような調査結果に基
づき、CaF2 添加量WC =8〜25重量%の範囲でB
23 添加量及びCaF2 削減量の最適範囲を図5に示
した。図5から、B23 添加量WB が過剰な場合には
コストデメリットが大きくなり、CaF2 削減量が多す
ぎると酸化クロムの還元及び溶銑の脱硫に悪影響が現
れ、CaF2 削減量が少ないと耐火物溶損に悪影響が現
れることが判る。
【0018】実施例2:(実機テスト) 40トン電気アーク炉に各種スクラップ,製鋼ダスト等
の含Cr酸化物原料を装入し溶解した。溶落ち後、スラ
グ予想量に対して本来ならCaF2 を9重量%(WC
9.0)添加するところ、B23 を添加量(WB )0
〜0.5重量%の範囲で添加し、CaF2 削減量=0.
5×WC ×WB 〜WC ×WB の式に従ってCaF2 の添
加量を削減した(チャージNo.101〜104)。な
お、含B23 物質としては、表1に示す成分を含む硼
砂(硼酸塩鉱物)を加工して調製した改質剤を用いた。
【0019】
【0020】また、同じ電気アーク炉において、スラグ
予想量に対して本来ならCaF2 を18重量%(WC
18.0)及び23重量%(WC =23.0)添加する
ところ、B23 を0〜0.5重量%の範囲で添加し、
CaF2 削減量=0.5×W C ×WB 〜WC ×WB の式
に従ってCaF2 の添加量を削減した(チャージNo.1
05〜108及びチャージNo.109〜112)。スラ
グが十分な溶融状態になった段階で、専用の取鍋に出銑
・出滓し、メタル及びスラグサンプルを採取し分析し
た。このような方法によって電気炉で溶解した結果及び
そのときのCaF2 削減量を表2に示す。表2には、C
aF2 を削減しない場合に比較して出銑後の(%Cr2
3 )及び[%S]に悪影響がないことが示されてお
り、少ないCaF2 量でも酸化クロムの還元及び溶銑の
脱硫が進行していることが判る。また、排滓されたスラ
グが粉化する割合も少なくなっていた。
【0021】
【0022】比較例1:(B23 の無添加又は過剰添
加及びCaF2 の過剰添加の影響) 実施例2と同様に40トン電気アーク炉を用い、各種ス
クラップ,製鋼ダスト等の含Cr酸化物原料を装入し溶
解した。先ず、溶落ち後、スラグ予想量に対して本来な
ら8重量%以上のCaF2 を添加するところ、5重量%
だけCaF2 を添加した。このとき、B23 は添加し
なかった。(チャージNo.201〜203) 次いで、スラグ予想量に対して本来なら9.0〜23.
0重量%のCaF2 を添加するところ、0.5重量%を
超える量のB23 を添加し、CaF2 削減量=0.5
×WC ×WB 〜WC ×WB の式に従ってCaF2 の添加
量を削減した(チャージNo.204〜209)。
【0023】また、B23 を添加することなく、スラ
グ予想量に対して本来なら25重量%までのCaF2
添加するところ、28重量%のCaF2 を添加した(チ
ャージNo.210,211)。スラグが十分な溶融状態
になった段階で、専用の取鍋に出銑・出滓し、メタル及
びスラグサンプルを採取し分析した。このような方法に
よって電気炉で溶解した結果及びそのときのCaF2
減量を表3に示す。表3から明らかなように、CaF2
量が不足するチャージNo.201〜203では、(%C
23 )が十分に低下せず、酸化クロムの還元が十分
でなかったことが判る。また、溶銑脱硫にも悪影響がみ
られ、[%S]が高めになっていた。その結果、後工程
で再度メタル中のCr濃度を調整し、また脱硫のために
CaOを添加する必要が生じ、製造コストの上昇を来し
た。
【0024】過剰量のB23 を添加したチャージNo.
204〜209では、CaF2 添加量が本発明で規定し
た範囲にあり、B23 の添加量が0.7〜0.8重量
%とあるものの、(%Cr23 )及び[%S]に特に
著しい改善効果が見られなかった。また、過剰量のB2
3 添加で電気炉耐火物の溶損が大きくなることがラボ
実験で確認されているため、それ以上の添加は行わなか
った。過剰量のCaF2 を添加したチャージNo.21
0,211では、CaF2 添加量の増加に見合った(%
Cr23 )及び[%S]の改善がみられず、CaF2
を多量に消費することから経済的にも不利であった。ま
た、この添加量では電気炉耐火物の溶損が大きくなるこ
とをラボ実験で確認しているので、実機テストでは2チ
ャージで中止した。
【0025】
【0026】比較例2:(CaF2 削減量の定量的評
価) 実施例2と同様に40トン電気アーク炉を用い、各種ス
クラップ,製鋼ダスト等の含Cr酸化物原料を装入し溶
解した。装入原料が溶け落ちた後、スラグ予想量に対し
て9.0〜23.0重量%のCaF2 を添加し(WC
9.0〜23.0)、0.5重量%以下の添加量WB
23 を添加した。ただし、CaF2削減量は、0.
5×WC ×WB 未満又はWC ×WB を超える量に設定し
た。スラグが十分に溶融状態になった段階で、専用の取
鍋に出銑・出滓し。メタル及びスラグサンプルを採取し
分析した。分析結果を表4に示す。比較例2では、Ca
2 添加量WC が9.0〜23.0重量%,B23
加量WB が0.3〜0.4とそれぞれ本発明で規定した
範囲にある。しかし、チャージNo.212,214で
は、CaF2 削減量が0.5×WC ×WB を下回り、こ
の条件では耐火物溶損が大きくなることが予想されるた
め2チャージで中止した。また、CaF2 削減量がWC
×WB を超えるチャージNo.213,215では、(%
Cr23 )及び[%S]の改善がみられず、酸化クロ
ムの還元及び溶銑の脱硫が不十分であった。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、CaF2 の代替物質としてB2 3 を使用すること
により、電気炉操業で従来から使用されてきた造滓剤の
使用量を低減できるため、製鋼副産物又は廃棄物として
発生していたスラグの量を減らすことができる。また、
23 添加によってスラグの改質もある程度図られる
ため、路盤材等としての用途も広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 出銑後の(%Cr23 ),[%S]及び耐
火物の溶損に及ぼすCaF2 添加量の影響を表したグラ
【図2】 CaF2 の添加量が8重量%のケースで、出
銑後の(%Cr2 3 ),[%S]及び耐火物の溶損に
及ぼすCaF2 添加量の影響を表したグラフ
【図3】 CaF2 の添加量が15重量%のケースで、
出銑後の(%Cr23 ),[%S]及び耐火物の溶損
に及ぼすCaF2 添加量の影響を表したグラフ
【図4】 CaF2 の添加量が25重量%のケースで、
出銑後の(%Cr23 ),[%S]及び耐火物の溶損
に及ぼすCaF2 添加量の影響を表したグラフ
【図5】 B23 添加量及びCaF2 削減量の最適範
囲を表すグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼用の電気アーク炉に溶解原
    料及び造滓剤を添加して溶融スラグを生成させ、ステン
    レス鋼用溶銑を溶解する際、CaF2 の一部代替物質と
    して含B23 物質を添加すると共に、スラグ予想量か
    ら必要とされるCaF2 の添加量を式(1)に従って削
    減することを特徴とする電気炉スラグによる精錬方法。 0.5×WC ×WB ≦CaF2 削減量≦WC ×WB ・・・・(1) ただし、 WC :含B23 物質を添加しない時のスラ
    グに対するCaF2 割合量(重量%) WB :スラグに対するB23 の割合量(重量%)
  2. 【請求項2】 含B23 物質としてコレマナイト,ウ
    レキサイト,カーン石,硼砂,B23 含有スラグの1
    種又は2種以上を添加する請求項1記載の電気炉スラグ
    による精錬方法。
JP9290688A 1997-10-23 1997-10-23 電気炉スラグによる精練方法 Withdrawn JPH11131127A (ja)

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JP (1) JPH11131127A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100995391B1 (ko) 2008-03-12 2010-11-19 오미혜 제철용 첨가제 조성물
JP2011084777A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 電気炉を用いて行う製鋼精錬方法

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KR100995391B1 (ko) 2008-03-12 2010-11-19 오미혜 제철용 첨가제 조성물
JP2011084777A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 電気炉を用いて行う製鋼精錬方法

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