JP2002192125A - クロム酸化物含有物質の還元処理方法 - Google Patents

クロム酸化物含有物質の還元処理方法

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JP2002192125A JP2001315698A JP2001315698A JP2002192125A JP 2002192125 A JP2002192125 A JP 2002192125A JP 2001315698 A JP2001315698 A JP 2001315698A JP 2001315698 A JP2001315698 A JP 2001315698A JP 2002192125 A JP2002192125 A JP 2002192125A
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blast furnace
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Hisahiro Matsunaga
久宏 松永
Masato Kumagai
正人 熊谷
Hiroyuki Toubou
博幸 當房
Yasuo Kishimoto
康夫 岸本
Toshikazu Sakuratani
敏和 桜谷
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 ステンレス鋼精錬スラグ,クロム鉱滓,廃
棄物溶融スラグ,ステンレス鋼精錬に使用したスラグ付
着耐火物などのクロム酸化物含有物質を、短時間かつ被
処理材の体積を増加することなく、工業的に簡易で経済
性に優れた方法で処理し、これらクロム酸化物含有物質
からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能なクロム
酸化物含有物質の還元処理方法を提供する。 【解決手段】 クロム酸化物含有物質を処理場に敷き、
その上に溶融状態にある硫黄含有スラグおよび/または
固化後の高温状態にある硫黄含有スラグを載せ、該硫黄
含有スラグに散水する。あるいはクロム酸化物含有物質
を高炉スラグ排滓ヤードに敷き、その上に溶融状態にあ
る高炉スラグおよび/または固化後の高温状態にある高
炉スラグを載せ、該高炉スラグに散水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス精錬の
際に発生するステンレス鋼精錬スラグ、重クロム酸ナト
リウムなどのクロム化合物の製造の際に発生するクロム
鉱滓、廃棄物溶融スラグ、ステンレス鋼精錬に使用した
スラグ付着耐火物などのクロム酸化物含有物質中のCr6+
の還元処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス精錬の際に発生するステンレ
ス鋼精錬スラグ(以下ステンレス鋼スラグとも記す)、
および重クロム酸ナトリウムなどのクロム化合物の製造
の際に発生するクロム鉱滓は、数%のクロム酸化物を含
有し、操業条件によっては、過酸化クロム、すなわちCr
6+が溶出する場合がある。
【0003】このため、ステンレス鋼スラグ、クロム鉱
滓などを路盤材、仮設材、土木埋立材などとして使用す
る場合、スラグからCr6+が溶出しないことが絶対条件で
ある。また、近年、ゴミ焼却灰、汚泥などを溶融処理す
ることによりスラグ化し、生成したスラグを路盤材、タ
イルなどとして有効利用することが検討されているが、
ゴミ焼却灰、汚泥などの種類によっては、生成したスラ
グからCr6+が溶出する場合があり、有効利用を困難にし
ている。
【0004】ステンレス鋼スラグからのCr6+の溶出防止
方法として、特開平6-171993号公報において、アルミ灰
およびマグネシア系産業廃棄物を受滓鍋に敷き詰めてお
き、溶融状態にあるスラグを受滓鍋に排滓する方法が提
案されている。しかし、上記ステンレス鋼スラグからの
Cr6+の溶出防止方法は、上記添加剤を精錬炉外で添加し
ているため、撹拌することができず、混合が不十分とな
り、完全にCr6+の溶出を防止することができない場合が
ある。
【0005】上記方法において、混合を十分に行うため
に、精錬炉内で添加すれば、添加物が溶鋼を汚染する問
題が生じる。一方、重クロム酸ナトリウムなどのクロム
化合物の製造の際に発生するクロム鉱滓からのCr6+の溶
出防止方法として、一般に、スラグを還元焙焼して、Cr
6+をCr3+に還元して無害化している。
【0006】しかし、上記クロム化合物の製造の際に発
生するクロム鉱滓からのCr6+の溶出防止方法および汚泥
の焼却処理による安定化方法は、熱処理法のため多量の
エネルギーを要し、経済的に極めて高価な処理方法であ
る。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決す
るために鋭意検討した結果、ステンレス鋼スラグ、クロ
ム鉱滓などからのCr6+の溶出防止方法として、これらの
スラグに高炉徐冷スラグ冷却水を散水する方法、高炉徐
冷スラグ冷却水に浸漬する方法、高炉徐冷スラグと混合
し水蒸気を吹き込む方法を提案し、クロム酸化物含有物
質からのCr6+の溶出を完全に防止することを可能とした
(特願平9−75588号)。
【0007】一方、上記した高炉徐冷スラグ冷却水を散
水する方法および高炉徐冷スラグ冷却水に浸漬する方法
の場合、環境庁告示46号法による溶出試験において10mg
/l以上のCr6+が溶出するスラグまたは気孔率が低いスラ
グの場合、完全に安定化するためには長時間の処理が必
要であった。また、高炉徐冷スラグと混合し水蒸気を吹
き込む方法の場合、上記したスラグの場合でも短時間で
安定化することが可能であるが、高炉徐冷スラグを添加
する必要があることから、処理対象物の体積が増加する
という問題があり、改善すべき余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、ステンレス鋼精錬スラグ、ク
ロム鉱滓、廃棄物溶融スラグ、ステンレス鋼精錬に使用
したスラグ付着耐火物などのクロム酸化物含有物質を、
短時間かつ被処理材の体積を増加することなく、工業的
に簡易で経済性に優れた方法で処理し、これらクロム酸
化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが
可能なクロム酸化物含有物質の還元処理方法を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、クロム酸
化物含有物質を処理場に敷き、その上に溶融状態にある
硫黄含有スラグおよび/または固化後の高温状態にある
硫黄含有スラグを載せ、該硫黄含有スラグに散水するこ
とを特徴とするクロム酸化物含有物質の還元処理方法で
ある。
【0010】第2の発明は、クロム酸化物含有物質を高
炉スラグ排滓ヤードに敷き、その上に溶融状態にある高
炉スラグおよび/または固化後の高温状態にある高炉ス
ラグを載せ、該高炉スラグに散水することを特徴とする
クロム酸化物含有物質の還元処理方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、環境庁告示46号法による溶出試験
におけるCr6+の溶出量が10mg/l以上のスラグまたは気孔
率が低いスラグを、短時間かつ被処理材の体積を増加す
ることなく、工業的に簡易で経済性に優れた方法で処理
し、これらのスラグからのCr6+の溶出を完全に防止する
ことが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法につい
て、鋭意検討、実験を重ねた。
【0012】その結果、クロム酸化物含有物質を処理場
に敷き、その上に、溶融状態あるいは固化後の高温状態
の高炉スラグなどの硫黄含有スラグを載せ、該硫黄含有
スラグの上から散水することにより、クロム酸化物含有
物質を、短時間かつ処理対象物の体積の増加を伴わず
に、経済性に優れた方法でクロム酸化物含有物質中のCr
6+を還元し、完全に安定化できることを見出した。
【0013】すなわち、第1の発明は、クロム酸化物含
有物質を処理場に敷き、その上に溶融状態にある硫黄含
有スラグおよび/または固化後の高温状態にある硫黄含
有スラグを載せ、該硫黄含有スラグに散水するクロム酸
化物含有物質の還元処理方法である。また、第2の発明
は、クロム酸化物含有物質を高炉スラグ排滓ヤードに敷
き、その上に溶融状態にある高炉スラグおよび/または
固化後の高温状態にある高炉スラグを載せ、該高炉スラ
グに散水するクロム酸化物含有物質の還元処理方法であ
る。
【0014】前記した第1の発明における硫黄含有スラ
グとしては、該スラグ中の単体イオウと酸化数が+5価
以下のイオウの合計量が0.1 重量%以上である硫黄含有
スラグを用いることが好ましい。また、前記した第2の
発明における高炉スラグとしては、JIS A 5015付属書1
の呈色判定試験方法において呈色がある未エージング高
炉徐冷スラグを用いることが好ましい。
【0015】前記した第1の発明〜第2の発明(以下、
本発明と記す)によれば、散水によって高炉スラグなど
の硫黄含有スラグから溶出したスラグ溶出水中の還元性
の硫黄(S2- ,S0, S203 2- )が、下層のクロム酸化物含
有物質中のCr6+を還元すると共に、高炉スラグなどの硫
黄含有スラグとクロム酸化物含有物質とが別の層となっ
ているため、両者の分離が容易となり、被処理材の量を
増やすことなく、クロム酸化物含有物質を路盤材、仮設
材、土木埋立材などへ再利用する一方、高炉スラグなど
の硫黄含有スラグを路盤材、スラグセメントなどの用途
に利用できる。
【0016】また、本発明においては、散水用の水とし
ては工業用水で良い。本発明では、前記したクロム酸化
物含有物質の上に載せる硫黄含有スラグもしくは高炉ス
ラグとして、溶融スラグまたは固化後の高温スラグまた
はこれらの両者を用いるので、短時間でクロム酸化物含
有物質中のCr6+を還元処理することが可能となった。
【0017】これは、上層に載置された高温の硫黄含有
スラグによって、下層のクロム酸化物含有物質の温度が
高くなると共に、散水された水が高温の硫黄含有スラグ
によって加熱され、還元性の硫黄を含有する高温水とな
って下層のクロム酸化物含有物質の堆積層へ移行するた
め、クロム酸化物含有物質中のCr6+の還元速度が速くな
り、短時間で還元することができるためである。
【0018】なお、前記した本発明における溶融スラグ
または固化後の高温スラグとしては、温度が200 ℃以上
のスラグを用いることが好ましい。これは、スラグの温
度が200 ℃未満の場合、高温スラグを用いた場合の前記
した効果が低減するためである。さらに、本発明におい
ては、クロム酸化物含有物質の上下に高炉スラグなど硫
黄含有スラグを配置し、少なくとも上層の硫黄含有スラ
グに散水することも好ましい。
【0019】これは、クロム酸化物含有物質の下に配置
する硫黄含有スラグが、散水することにより溶出したCr
6+含有水を還元するからである。また、本発明において
は、クロム酸化物含有物質の還元速度を迅速とし、かつ
クロム酸化物含有物質と硫黄含有スラグとの混合を防止
するために、クロム酸化物含有物質の厚みは、40〜2000
mm、硫黄含有スラグの厚みは、10〜2000mmとすることが
好ましい。
【0020】本発明は、高濃度、おおよそ10mg/l以上の
Cr6+が溶出するクロム酸化物含有物質に適用すると特に
効果的であるが、もちろん低濃度のCr6+が溶出するクロ
ム酸化物含有物質に適用しても効果的である。なお、本
発明を、Cr6+を含むステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、
産業廃棄物、廃棄物溶融スラグなどのスラグだけでな
く、Cr6+を生成し得る可能性のある他のクロム酸化物含
有物質に適用することにより、Cr6+の生成を防止するこ
とが可能である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。なお、本実施例におけるCr6+溶出量は、環境庁告
示46号法による溶出試験方法に基づいて測定した。クロ
ム酸化物含有物質として、(A) ステンレス鋼精錬スラ
グ、(B) ステンレス鋼精錬スラグ付着耐火物、(C) クロ
ム鉱滓、(D) 下水汚泥溶融スラグを用いた。
【0022】表1に、本実施例の実験に供した上記クロ
ム酸化物含有物質の化学組成、気孔率、Cr6+溶出量を示
す。処理前のクロム酸化物含有物質のCr6+の溶出量は、
ステンレス鋼精錬スラグが10.5mg/l、ステンレス鋼精錬
スラグ付着耐火物が0.12mg/l、クロム鉱滓が25.3mg/l、
下水汚泥溶融スラグが0.80mg/lであった。
【0023】上記した各種クロム酸化物含有物質を40mm
以下の粒度に破砕した後、高炉スラグ排滓ヤードに各々
100t、500mm の厚みで敷きつめた。次に、各々のクロム
酸化物含有物質の上に、半溶融高炉スラグまたは固化後
の高温高炉スラグ(400℃) を各々100t、500mm の厚みで
載せ、これらのスラグの上から工業用水を2t/h の供給
速度で24h散水した(本発明例1〜8)。
【0024】なお、高炉スラグとしては、JIS A 5015付
属書1の呈色判定試験方法において呈色がある未エージ
ング高炉徐冷スラグを用い、硫黄含有量は、単体イオウ
と酸化数が+5価以下のイオウの合計量が0.42重量%で
あった。また、溶銑予備処理スラグの硫黄含有量は、単
体イオウと酸化数が+5価以下のイオウの合計量が0.12
重量%であった。
【0025】散水後、各々のクロム酸化物含有物質の層
から採取したサンプルのCr6+溶出量を測定した。得られ
た測定結果を、処理方法と併せて表2に示す。表2に示
されるように、本発明の方法によれば、短時間の処理で
クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出量を0.05mg/l以
下とすることが可能となった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼精錬スラ
グ、クロム鉱滓、廃棄物溶融スラグ、ステンレス鋼精錬
に使用したスラグ付着耐火物などのクロム酸化物含有物
質を、被処理材の体積を増加することなく、工業的に簡
易で経済性に優れた方法で処理し、これらのクロム酸化
物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可
能となった。
【0029】また、本発明によれば、高炉の既存の付帯
設備を用いてクロム酸化物含有物質を還元処理すること
が可能となった。さらに、本発明によれば、クロム酸化
物含有物質を短時間で処理し、クロム酸化物含有物質か
らのCr6+の溶出を完全に防止することが可能となった。
この結果、クロム酸化物含有物質の路盤材、仮設材、土
木埋立材などへの再利用を容易に行うことが可能となっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 當房 博幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 岸本 康夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 桜谷 敏和 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA43 AB03 BA02 CA37 CA50 CC03 CC11 4K012 AA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム酸化物含有物質を処理場に敷き、
    その上に溶融状態にある硫黄含有スラグおよび/または
    固化後の高温状態にある硫黄含有スラグを載せ、該硫黄
    含有スラグに散水することを特徴とするクロム酸化物含
    有物質の還元処理方法。
  2. 【請求項2】 クロム酸化物含有物質を高炉スラグ排滓
    ヤードに敷き、その上に溶融状態にある高炉スラグおよ
    び/または固化後の高温状態にある高炉スラグを載せ、
    該高炉スラグに散水することを特徴とするクロム酸化物
    含有物質の還元処理方法。
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