JP3756904B2 - クロム含有廃棄物の処理方法 - Google Patents

クロム含有廃棄物の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロムを含有するスラグまたは耐火物などの廃棄物を製鋼精錬工程にて処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特殊鋼を製造する製鉄所では合金成分であるクロムを積極的に添加する鋼種が多く、ステンレス鋼、耐熱鋼、低合金鋼などが代表的な鋼種である。これら特殊鋼を製造する場合、有価元素であるクロムの回収が有効であることから、転炉吹錬時に特殊鋼スクラップを積極的にリサイクルする場合がある。スクラップから供給されたクロムが溶鋼中のクロム成分の一部となり、高価なクロム合金の使用量を低減することができる。製鉄所内で発生するこれらの特殊鋼屑を転炉など酸化精錬炉にリサイクルした場合、スクラップから供給されたクロムの大部分は溶鋼にとどまるが、クロムの一部は酸化され、精錬後スラグにクロム酸化物が含まれる場合が発生する。このとき、転炉吹錬後の脱Cスラグ中のクロム酸化物濃度は1〜5%程度まで上昇することがある。
【0003】
転炉の耐火物保護の観点からはマグネシヤ耐火物屑をドロマイト系副原料代替として再利用することが一般的に行われているが、クロムを含有するマグクロあるいはクロマグ耐火物を転炉にて再利用した場合にも転炉精錬後スラグにはクロム酸化物が含まれる場合が発生する。
【0004】
以上のように、製鋼工程ではクロムを含有するスラグ、耐火物、ダスト、スクラップなどが特に特殊鋼製造過程において発生する。クロムまたはクロム酸化物(Cr23)を含有するこれらの発生物については、六価クロム溶出の問題から特にスラグなど系外へリサイクルする場合は、六価クロムの溶出による環境汚染が発生しないことが絶対条件である。これに対し、製鋼工程で発生するスラグであってクロム酸化物を含有するスラグ中には、現状では比較的高い濃度でクロム酸化物が含まれており、このままでは路盤材、土木用埋め立て材として使用することには注意が必要である。
【0005】
製鋼工程では種々の耐火物が使用されている。耐火物は高温の溶銑または溶鋼との接触、あるいは溶融スラグによる侵食によって一部はスラグ化して溶損し、その他は廃耐火物として回収される。クロム酸化物(Cr23)を含有するマグクロ耐火物については、六価クロム溶出の問題から産業廃棄物として管理型最終処分処理されることが多い。
【0006】
従来よりスラグからの六価クロム溶出抑制については種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1に記載の「ステンレス鋼スラグの改質方法」ではステンレス鋼の脱C精錬後に、還元処理を経た溶融状態のクロム酸化物含有スラグに対して、不活性ガスの吹き込み攪拌下に、二価硫黄化合物を添加してスラグ中のS濃度を0.20wt%以上にして六価クロムの溶出を抑制する方法が、特許文献2に記載の「クロム酸化物含有物質の処理方法およびそれを用いた路盤材、土木埋立用材、仮設材」では六価クロムの溶出を抑制する手段としてクロム酸化物含有スラグと硫黄含有スラグを所定の比率に配合して使用する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−104553号公報
【特許文献2】
特許第3221565号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにクロム酸化物含有スラグの六価クロム溶出抑制方法については種々の方法が考案され、開発されている。しかしながらこれらの方法はスラグに限定されること、クロム酸化物の還元処理、六価クロム溶出抑制に硫黄やB23などの他材料の混合などが必要であることなど処理工程増などの課題があり、十分に実用化されているとは言い難い。そのため、クロムを含有するスラグは六価クロムの溶出による環境影響の問題から路盤材などへの再利用が難しく、六価クロムの溶出抑制処理など処理負荷が大きく、大きな課題となっていた。また、クロム酸化物を含有するマグクロ耐火物屑については、六価クロム溶出の問題から産業廃棄物として管理型最終処分処理されることが多い。このような事情から、クロム含有廃棄物の効率的な処理方法、再利用方法の開発が望まれていた。
【0009】
本発明は、以上の事情を背景として成されたもので、クロム含有廃棄物を無害化、六価クロムの溶出しないスラグを生成し、安価で環境にもやさしく容易にリサイクルできる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これまで、各種使用制約のあったクロム含有廃棄物を製鋼精錬工程の造滓材として利用することで問題となるクロムに有効に作用することを知見し、本発明をするに至ったものである。
【0011】
本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用することからなる転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
(2)転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓する転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、出鋼後の脱Cスラグを排滓後、回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
(3)転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグの一部を排滓し、残りのスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、排滓した脱Cスラグを回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
クロムを含有する特殊鋼の精錬において、クロムを含有するスクラップを原料の一部として使用した場合、精錬スラグ中におけるクロム酸化物濃度は通常1〜3%程度である。本発明者らは、このようなクロム酸化物を含有するスラグについて、スラグ中のクロム含有量を低減させ、六価クロム溶出限界以下まで無害化させる方法を開発すべく研究に当った。まず、本発明者らはスラグ中のクロム含有率を可能な限り希釈して六価クロム溶出を無害化することに着目した。転炉精錬後スラグは通常排滓後一旦冷却され、粉砕し地金などを回収後リサイクルされる。スラグ中のクロム酸化物を効果的に希釈するためには、高温状態で新たな造滓材を添加して滓化溶融させ、クロム酸化物を還元させうる元素を共存させるのが容易な方法である。
【0013】
最近の転炉精錬法においては、転炉で脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行う精錬プロセスが用いられるようになってきている。このような転炉精錬プロセスにおいて、クロム含有スラグを脱C精錬処理中に添加し、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑を装入し、脱Si・脱P精錬を行い、処理の経過とともに溶湯の顕熱および化学反応熱による滓化溶融によりクロム酸化物の希釈およびを溶湯中の還元性元素により還元してスラグ中クロム酸化物濃度を低下させることが可能かを確認した。
【0014】
クロム含有スラグは40mm以下の粒度に粉砕したものを利用した。脱C精錬時に添加する生石灰などの副原料の滓化に伴いクロム酸化物含有スラグは希釈され、さらに溶鋼中の炭素によって一部クロム酸化物が還元され、脱C精錬後にはクロム含有比率の少ないスラグが生成する。さらに出鋼後、該スラグを炉内に残留させ、次吹錬の溶銑を装入し、脱Si脱P処理にリサイクルさせることで、副原料の添加とSi、Pの酸化に伴うスラグ量の増大によってさらに希釈されクロム含有率を低下させることが可能となる。脱Si、脱P処理が終了した段階で一旦吹錬を中断して該スラグを排出する。
【0015】
脱C精錬、脱Si・脱P精錬とも生石灰、軽焼ドロマイトなどの副原料を投入してスラグを大量に製造する工程であり、連続して2回の高温滓化希釈を行うことによってスラグ中のクロムが希釈される。溶湯温度も脱C精錬時は1600℃以上と高く還元反応条件としては十分であり、炭素が十分溶湯中にあるため、脱C精錬においてスラグ中のクロムが炭素で還元され、クロムがスラグから溶湯に移行する。そのため、クロム含有スラグの添加量を制御することで特に還元材を添加することなく処理が可能で、処理中滓化させた後のスラグ中クロム濃度を十分低位に安定させることが可能であることを確認した。
【0016】
脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、脱Cスラグを別の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する方法としては、上述のように脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する方法を採用することができるほか、出鋼後の脱Cスラグを排滓後、回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することとしても良い。
【0017】
脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、脱Cスラグを別の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する別の方法としては、出鋼終了後、脱Cスラグの一部を排滓し、残りのスラグは排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用し、排滓した脱Cスラグを回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することとしてもよい。本法は、脱C精錬後のスラグ量が多く、全量残留させたまま次回の溶銑脱Si脱P精錬が困難な場合に適用することができる方法である。
【0019】
以上のとおり、脱C精錬においてクロム含有スラグを添加し、生成した脱Cスラグを用いて脱Si・脱P精錬を行った場合、処理後に生成するスラグ量に応じてクロム含スラグの投入量を増減することで、脱Si・脱P精錬後に排出するスラグとしてクロム含有量の少ない無害なスラグにすることが可能となる。
【0020】
ところで、クロム含有スラグを使用しない場合でも、例えばステンレス屑などクロムを含有するスクラップを主原料として使用した場合、あるいはマグクロ耐火物屑のようなクロム含有耐火物屑を添加したような場合は、脱C後スラグ中のクロム酸化物濃度は上昇する。このような場合についても、脱C後スラグを炉内に残留させ、次溶銑の脱Si脱P処理にリサイクルすることで該スラグ中のクロム含有濃度を低下させることが可能である。
【0021】
クロム含有耐火物屑を転炉中に添加する目的は第1に、前述の通りクロム含有耐火物屑をドロマイト系副原料代替として使用する目的が上げられる。本発明においては、クロム含有耐火物屑を従来のように産業廃棄物として廃棄するのではなく、クロム含有量の低いスラグに転換して、路盤材や土木埋立用材等の資源として再利用することを目的に添加することもできる。
【0022】
クロム含有スラグやクロム含有耐火物屑、さらにはクロム含有スクラップを、ここでは総称してクロム含有廃棄物と称する。
【0023】
本発明により処理されたスラグについては、路盤材、土木埋立用材などへ再利用する際には、六価クロムなどの重金属について溶出試験を実施し、合否判定された後、出荷されることになる。スラグ中のクロム含有量が非常に低いレベルとなっているので、このままの状態で再利用することも可能である。また、本発明を適用した後、付加工程として下記(1)〜(6)に示すような従来の方法であるクロム酸化物の還元処理工程を施せばさらにクロム溶出防止の歯止めとなる。(1)クロム酸化物含有物質に、イオウおよび/または酸化数が+5価以下のイオウの化合物を0.05質量%以上含有する水溶液を接触せしめる方法。(2)クロム酸化物含有物質と未エージング高炉徐冷スラグとを混合し、露天に静置する方法。(3)クロム酸化物含有物質に、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水を散水する方法。(4)クロム酸化物含有物質を高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に浸漬する方法。(5)クロム酸化物含有物質と未エージング高炉徐冷スラグとを混合し、該混合物に、水および/または高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水を散水する方法。(6)クロム酸化物含有物質と未エージング高炉徐冷スラグとを混合し、該混合物に水蒸気を吹き込む方法。
【0024】
図1、2は本発明における転炉でのクロム含有物の使用方法時の吹錬方法を示す。
【0025】
図1は、脱C精錬後、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する方法を示す図である。脱C工程において、転炉1中の溶湯にクロム含有廃棄物を添加しつつ吹錬ランス5を用いて精錬を行い、精錬後に転炉1から溶鋼鍋7に溶湯2を出鋼し、脱Cスラグ3は転炉1内に残留させる。その後、次溶銑の脱Si・脱P工程において、脱Cスラグ3を残留させたまま溶銑鍋6から次溶銑を装入し、吹錬ランス5を用いて精錬を行い、精錬完了後に脱Si・脱Pスラグ4をスラグパン8に排出する。
【0026】
図2は、脱Cスラグを排滓後、回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用する方法を示す図である。脱C工程において、転炉1中の溶湯にクロム含有廃棄物を添加しつつ吹錬ランス5を用いて精錬を行い、精錬後に転炉1から溶鋼鍋7に溶湯2を出鋼し、脱Cスラグ3はスラグパン8に排出する。脱Cスラグは回収・冷却し、粉砕し、粒度調整を行う。その後、別の溶銑の脱Si・脱P工程において、溶銑鍋6から次溶銑を装入し、前記脱Cスラグを添加しつつ吹錬ランス5を用いて精錬を行い、精錬完了後に脱Si・脱Pスラグ4をスラグパン8に排出する。
【0027】
クロム含有廃棄物であるスラグ、廃耐火物とも、転炉内での滓化促進のためにはできるだけ粒度が小さいことが効果的であるが、通常転炉または取鍋への投入は上部ホッパーから切りだし添加することから飛散ロスを考慮すると、粒径を10〜40mm程度とするのが好ましい。フレコンバックに詰めて投入する場合は10mm以下の細かい粉が多少混入していても支障は無いと考えられる。従って粒度は、使用先の操業条件等によって適宜決定される。スクラップとして添加するような場合は、脱C吹錬で溶解可能な厚みに切断処理されていることが必要である。
【0028】
転炉で処理する鋼がCr添加鋼である場合は、クロム含有廃棄物から溶鋼中に移行するクロムは有価元素として回収され、フェロクロム合金鉄として添加されるクロム量を削減することができる。このように本発明はクロム含有スラグを無害化する非常に有効な方法であり、かつ、有価成分回収が可能であるなど極めて容易で省資源という面でも優れた発明である。
【0029】
【実施例】
以下実施例により、さらに詳述する。
【0030】
転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用することからなる転炉精錬工程において、本発明を適用した。表1、2は本発明を適用してCr含有スラグをリサイクルした実施例1、2についての結果であり、表3は本発明を適用してCr含有レンガ屑であるマグクロレンガ屑をリサイクルした実施例3についての結果であり、表4は比較のためにクロム含有スラグを添加しない場合の通常処理時の実績を示した実施例4に関するものである。
【0031】
表1〜4において、「前ch」と記載した欄は脱C工程における副原料投入量を示しており、「後ch」と記載した欄は脱Si・脱P工程における副原料投入量を示している。脱C工程で添加したクロム含有スラグ・クロム含有耐火物の成分は、表中の「スラグ成分」における「Cr含有スラグ」「クロム含有耐火物」の欄に示すとおりである。また、前ch脱C後の欄に、脱C工程終了後の溶湯成分、脱Cスラグ成分を示し、後ch処理前、後ch溶銑脱Si・P後の欄に、脱Si・脱P工程後の溶湯成分、脱Si・脱Pスラグ成分を示している。
【0032】
実施例1、2においては、回収したクロム含有スラグを30mm以下の大きさに破砕しほぼ同等な粒度構成にして転炉工程で使用した。実施例1、2ともに処理後の溶鋼成分のCr濃度が上昇しており、クロム酸化物が還元されCrが溶鋼中に移行したことが確認できる。また実施例2では投入したクロム含有スラグ量が多かったため、脱C処理後スラグ中のクロム酸化物濃度がやや高めとなっているが、次チャージの脱Si脱P処理後はほぼ実施例1並みに低下している。実施例3はクロムを含有するマグクロレンガ屑を実施例1、2と同様に30mm以下の大きさに破砕して粒度構成も同等にして使用した結果である。実施例1、2と同様に処理後スラグのクロム酸化物濃度を十分なレベルまで可能であることを確認した。以上より、処理後に生成するスラグ量に応じてクロム含スラグの投入量を増減することで、処理後のスラグ中のクロム酸化物濃度を所定のレベルに抑制することが可能である。実施例4は同様のプロセスにおいてクロム含有スラグを添加しない例の結果を示す。いずれの実施例についても本発明適用の処理後スラグは土壌環境基準六価クロム溶出量≦0.05mg/リットルをクリアすることを確認した。
【0033】
【表1】
Figure 0003756904
【0034】
【表2】
Figure 0003756904
【0035】
【表3】
Figure 0003756904
【0036】
【表4】
Figure 0003756904
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、従来リサイクルが困難で産業廃棄物処理等されることが多かったクロム含有スラグやクロム含有耐火物屑等の再利用を可能とし、有価成分の有効利用も合わせて達成でき、省資源という観点からも非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する製錬工程にクロム含有廃棄物を再使用するプロセスを示す説明図である。
【図2】本発明の、脱Cスラグを排滓後、回収し、冷却、粉砕した後に脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する製錬工程にクロム含有廃棄物を再使用するプロセスを示す説明図である。
【符号の説明】
1 転炉
2 溶湯
3 脱Cスラグ
4 脱Si・脱Pスラグ
5 吹錬ランス
6 溶銑鍋
7 溶鋼鍋
8 スラグパン

Claims (3)

  1. 転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用することからなる転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
  2. 転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグを排滓する転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、出鋼後の脱Cスラグを排滓後、回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
  3. 転炉を利用して、脱Siまたは脱Si脱P精錬を行った後、一旦吹錬を中断してスラグを排出する中間排滓工程をもうけ、排滓終了後脱C精錬を連続的に行い、出鋼終了後、脱Cスラグの一部を排滓し、残りのスラグを排滓せず炉内に高温状態で残留させたまま次溶銑の脱Siまたは脱Si脱P精錬に再利用する転炉精錬工程において、前記脱C精錬時にクロム含有廃棄物を添加し、排滓した脱Cスラグを回収し、冷却、粉砕した後に前記脱Siまたは脱Si脱P工程に再利用することを特徴とするクロム含有廃棄物の処理方法。
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